JP2017154736A - 車両のトランスアクスル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンと第1の電動機の同時作動時における車体の揺れを低減可能にするとともに、部品点数を抑え、各種走行モードを可能とする。【解決手段】エンジン軸11と出力軸14との間で動力を伝達する第1のギヤ組28と、モータ軸12と出力軸14との間で動力を伝達する第2のギヤ組29と、エンジン軸11と発電機軸13との間で動力を伝達する第3のギヤ組32と、を備え、第1のギヤ組28と第2のギヤ組29は、エンジン軸11に設けられたアイドラギヤ22を共用すると共に、第1のギヤ組28を2つのギヤ22、27で構成しその噛み合い数を1つとし、第2のギヤ組29を3つのギヤ26、22、27で構成しその噛み合い数を2つにする。【選択図】図1

Description

本発明は車両のトランスアクスル装置に関するものである。
例えばハイブリッド車やプラグインハイブリッド車のように、複数の走行駆動源を備えた車両が知られている。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車は、エンジン及び電動モータを走行駆動源として備えている。そして、このようなハイブリッド車等において、エンジンと電動モータの両方で同時に駆動輪を駆動するパラレル走行モードが可能な車両が開発されている。
上記のようなハイブリッド車において、エンジンと電動モータは、例えば車両の前部に左右方向に並べて配置されており、前輪を駆動するドライブシャフトに接続するトランスアクスル装置がエンジンと電動モータとの間に備えられている車両がある。
例えば特許文献1の図1に記載されたトランスアクスル装置は、エンジンとモータとの間に配置され、エンジンの駆動軸とモータの駆動軸とドライブシャフトに差動装置を介して接続される出力軸(アイドラー軸3)とが互いに平行に配置されている。
国際公開第2009/128288号
上記特許文献1のトランスアクスル装置では、エンジンの駆動軸と出力軸とが2個のギヤからなるギヤ組を介して動力を伝達し、モータの駆動軸と出力軸とが2個のギヤからなる他のギヤ組を介して動力が伝達する構成になっている。
したがって、エンジンとモータの両方を駆動したときに、エンジンの駆動軸及びモータの駆動軸が同一方向に回転する。これにより、エンジンの作動により車体が受ける反動トルクとモータの作動により車体が受ける反動トルクとが合成されて車体の振動を増加させる虞がある。
また、ハイブリッド車においては、EV走行モード、パラレル走行モード、シリーズ走行モードといった各種走行モードが可能な、部品点数を抑えたトランスアクスル装置が要求されている。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、エンジンと電動機の同時作動時における車体の揺れを低減可能にするとともに、部品点数を抑え、各種走行モードが可能な車両のトランスアクスル装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両に搭載されたエンジンの駆動軸と同軸配置され、駆動軸に接続される第1の駆動軸と、第1の駆動軸と平行に配置され、車両の走行駆動軸に差動装置を介して動力を伝達する出力軸と、出力軸と平行に配置され、車両に搭載されたバッテリから電力を供給されて駆動する電動モータとして作動する第1の電動機に接続される第2の駆動軸と、第2の駆動軸と平行もしくは同軸に配置され、発電機として作動する車両に搭載された第2の電動機に接続される第3の駆動軸と、複数のギヤを噛み合わせて構成され第1の駆動軸と出力軸との間で動力を伝達する第1のギヤ組と、複数のギヤにより構成され第2の駆動軸と出力軸との間で動力を伝達する第2のギヤ組と、複数のギヤを噛み合わせて構成され第1の駆動軸と第3の駆動軸との間で動力を伝達する第3のギヤ組と、を備えた車両のトランスアクスル装置であって、第1のギヤ組は、第1の駆動軸に設けられたアイドラギヤと、出力軸に設けられアイドラギヤに噛み合う第1のギヤとにより構成され、第2のギヤ組は、第2の駆動軸に設けられた第2のギヤと、アイドラギヤと第1のギヤとにより構成され、第1のギヤとアイドラギヤとが噛み合い、アイドラギヤと第2のギヤとが噛み合うように構成され、第1のギヤ組と第2のギヤ組はアイドラギヤを共用すると共に、第1のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は、奇数及び偶数のうちいずれか一方であり、第2のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は、奇数及び偶数のうちの他方であることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1において、アイドラギヤは、第1のエンジン軸に対して、動力断接手段を介して動力の伝達を断接切り換え可能に設けられていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2において、動力断接手段は同期噛み合い装置であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項において、第3のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数が奇数であることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4において、第3の駆動軸は、第2の駆動軸と軸受け手段を介して相互回転可能に同軸上に配置されるとともに、第1のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は奇数であり、第2のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は偶数であることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4または5において、出力軸には、差動装置に動力を伝達するファイナルギヤが備えられ、第3のギヤ組に含まれる第3のギヤとファイナルギヤとが第1の駆動軸の軸線方向でオーバーラップして配置されることを特徴とする。
本発明の請求項1の車両のトランスアクスル装置では、エンジンの駆動軸に接続される第1の駆動軸と出力軸との間で動力を伝達する第1のギヤ組のギヤの噛み合い数が奇数及び偶数のうちいずれか一方であり、第1の電動機により駆動される第2の駆動軸と出力軸との間で動力を伝達する第2のギヤ組のギヤの噛み合い数が奇数及び偶数のうちの他方であるので、出力軸を介して第1の駆動軸と第2の駆動軸とは逆方向に回転する。したがって、エンジンと第1の電動機が同時に作動しこれらの回転速度が変化したときに、エンジンにより車体が受ける反動トルクと、第1の電動機により車体が受ける反動トルクとが相殺され、車体(パワープラント)の揺れを低減させることができる。
特に、エンジン及び第1の電動機が車両に横置きで配置されている場合には、エンジン作動により発生するジャイロモーメントと第1の電動機の作動により発生するジャイロモーメントとが打ち消し合うことで、車両の旋回性能を向上させることができる。
更に、第1のギヤ組と第2のギヤ組は、アイドラギヤを共用しているので、ギヤの使用枚数を低減し、部品点数を低減させることができる。
また、アイドラギヤに対して第1のギヤ及び第2のギヤを噛み合わせるように、エンジン軸、第1の駆動軸及び出力軸を配置すればよいので、これらの軸の配置の自由度を向上させることができる。
また、第1の駆動軸と第3の駆動軸とが第3のギヤ組を介して動力を伝達するので、エンジンにより第2の電動機を駆動することができる。
そして、エンジンにより車両の走行駆動軸を駆動するエンジン直結モード、電動モータにより走行駆動軸を駆動するEV走行モード、エンジン及び電動モータの両方で走行駆動軸を駆動するパラレル走行モード、電動モータにより走行駆動軸を駆動するとともにエンジンによって発電機を駆動するシリーズ走行モードが可能となるので、ハイブリッド車に好適なトランスアクスル装置を提供することができる。
本発明の請求項2の車両のトランスアクスル装置では、動力断接手段によりアイドラギヤと第1の駆動軸とを接続することで、エンジンから出力軸に動力を伝達することができる。また、動力断接手段によりアイドラギヤと第1の駆動軸との接続を切り離すことで、エンジンの連れ回りによるエネルギー効率の低下を防止しつつ第1の電動機から出力軸に動力を伝達することができる。このように、動力断接手段により断接を切換えることで、エンジンによる走行駆動と第1の電動機による走行駆動の切り換えを可能にして、車両のエネルギー効率を向上させることができる。
本発明の請求項3の車両のトランスアクスル装置では、動力断接手段が同期噛み合い装置であるので、アイドラギヤと第1の駆動軸との接続を滑らかに行うことができるとともにコンパクトに構成することができる。更には一般的な湿式多板クラッチによる動力伝達手段に比べて非結合時のフリクションを抑えて燃費を向上させるとともに、動力断接手段の切り換え作動に必要とする消費エネルギーを低減させることができる。
本発明の請求項4の車両のトランスアクスル装置では、第3のギヤ組のギヤの噛み合い数が奇数であるので、第1の駆動軸と第3の駆動軸とが逆方向に回転する。これにより、エンジンと第2の電動機が同時に作動したときに、エンジンにより車体が受ける反動トルクと、第2の電動機により車体が受ける反動トルクとが相殺され、車体(パワープラント)の揺れを更に軽減することができる。
本発明の請求項5の車両のトランスアクスル装置では、第1のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は奇数であり、第2のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は偶数であるので、第2の駆動軸と第3の駆動軸とは同一方向に回転する。これにより、第2の駆動軸と第3の駆動軸との回転速度差を低減させることができ、第2の駆動軸と第3の駆動軸との間に介装される軸受け手段の寿命を向上させることができる。
また、第2の駆動軸と第3の駆動軸とが同軸上に配置されるので、第1の電動機と第2の電動機を隣接して配置し、これらの電動機のハウジングを共通化してコンパクトに構成することができる。
本発明の請求項6の車両のトランスアクスル装置では、第3のギヤ組を構成する第3のギヤとファイナルギヤとが第1の駆動軸の軸線方向でオーバーラップして配置されるので、トランスアクスル装置のギヤ列数を抑制して軸線方向の寸法を低減させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るトランスアクスル装置の模式図である。 第1の実施形態のトランスアクスル装置におけるギヤの噛み合い状態を示す説明図である。 パラレル走行モード時における本実施形態のトランスアクスル装置での各軸の回転方向を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るトランスアクスル装置の模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るトランスアクスル装置の模式図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のトランスアクスル装置の模式図である。図2は、第1の実施形態のトランスアクスル装置におけるギヤの噛み合い状態を示す説明図である。なお、図2は、トランスアクスル装置の側方から見た図である。
本発明の第1の実施形態に係るトランスアクスル装置1は、走行駆動源としてエンジン2と電動モータ3(第1の電動機)を横置きに搭載したハイブリッド車(以下、車両という)に採用される。本実施形態の車両は、車両の前部にエンジン2と電動モータ3を搭載し、前車軸であるドライブシャフト4(走行駆動軸)を駆動するFF車である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両では、エンジン2と電動モータ3は、トランスアクスル装置1を挟んで車両の左右方向に離間して配置されている。また、電動モータ3の車両左方には、発電機5(第2の電動機)が隣接して備えられている。なお、エンジン2、電動モータ3、トランスアクスル装置1及び発電機5は、車両のパワープラントを構成し、車体に一体的に支持されている。
トランスアクスル装置1は、ドライブプレート10を介して、エンジン2のクランクシャフト(駆動軸)に接続されるエンジン軸11(第1の駆動軸)と、電動モータ3により駆動されるモータ軸12(第2の駆動軸)、発電機5の駆動軸である発電機軸13(第3の駆動軸)及び出力軸14を備えている。
エンジン軸11、モータ軸12、発電機軸13、及び出力軸14は、互いに平行に車両左右方向に延びるように配置されている。
エンジン軸11の車両右方端部に、ドライブプレート10が接続されている。
モータ軸12は、中空状に形成され、その内部に発電機軸13が同軸上に配置されている。発電機軸13は、モータ軸12よりも長く形成され、両端部が夫々モータ軸12よりも外方に突出している。モータ軸12の両端部内部には、モータ軸12と発電機軸13との間に夫々ベアリング15(軸受け手段)が備えられている。ベアリング15は、モータ軸12と発電機軸13とを互いに回転可能に支持している。モータ軸12及び発電機軸13は、夫々車両左方端部がトランスアクスル装置1から突出しており、モータ軸12の車両左方端部近傍が電動モータ3に接続され、発電機軸13の車両左方端部近傍が発電機5に接続されている。
また、トランスアクスル装置1には、左右のドライブシャフト4に動力を配分する差動装置16が備えられている。
出力軸14は、その車両右方端部近傍に設けられたファイナルギヤ20を介して差動装置16に動力を伝達可能に構成されている。
エンジン軸11には、車両右方(エンジン2側)から順番に、エンジン軸固定ギヤ21(第3のギヤ)及びアイドラギヤ22が配置されている。
エンジン軸固定ギヤ21はエンジン軸11に固定され、エンジン軸11の回転に伴って回転する。アイドラギヤ22は、エンジン軸11に対して回転可能に支持されている。更に、エンジン軸11には、エンジン軸11とアイドラギヤ22とを接続及び切断とで切り換え可能なシンクロナイザ23(同期噛み合い装置、動力断接手段)が備えられている。シンクロナイザ23は、図示しないアクチュエータ等により切り換え操作可能となっている。
モータ軸12の車両右方端部近傍には、モータ軸固定ギヤ26(第2のギヤ)が備えられている。モータ軸固定ギヤ26は、モータ軸12に固定されており、モータ軸12とともに回転する構成になっている。更に、モータ軸固定ギヤ26とアイドラギヤ22とは噛み合うように、エンジン軸11の軸方向で一致するように配置されている。
また、出力軸14の車両左方端部近傍には、出力軸固定ギヤ27(第1のギヤ)が備えられている。出力軸固定ギヤ27は、出力軸14に固定されており、出力軸14とともに回転する構成になっている。更に、出力軸固定ギヤ27とアイドラギヤ22とは噛み合うように、エンジン軸11の軸方向で一致するように配置されている。なお、アイドラギヤ22と出力軸固定ギヤ27とは、第1のギヤ組28を構成している。即ちエンジン軸11と出力軸14とは、図1、2に示すように、2つのギヤ22、27からなり噛み合い数が1つである第1のギヤ組28を介して動力伝達可能に構成されている。ここで、噛み合い数とは、複数のギヤが動力を伝達することによって、ギヤの回転方向が切り換わる回数のことを表しており、ギヤ同士の歯と歯が接触する回数を表しているのではない。
また、モータ軸固定ギヤ26とアイドラギヤ22と出力軸固定ギヤ27とは、第2のギヤ組29を構成している。即ちモータ軸12と出力軸14とは、3つのギヤ26、22、27からなり噛み合い数が2つである第2のギヤ組29を介して動力伝達可能に構成されている。
発電機軸13の車両右方端部近傍には、発電機軸固定ギヤ31が備えられている。発電機軸固定ギヤ31は、発電機軸13に固定されており、発電機軸13とともに回転する構成になっている。更に、発電機軸固定ギヤ31とエンジン軸固定ギヤ21とは噛み合うように、エンジン軸11の軸方向で一致するように配置されている。なお、エンジン軸固定ギヤ21と発電機軸固定ギヤ31は、第3のギヤ組32を構成している。即ちエンジン軸11と発電機軸13とは、2つのギヤ21、31からなり噛み合い数が1つである第3のギヤ組32を介して常に動力伝達可能に構成されている。
また、出力軸14に設けられたファイナルギヤ20とエンジン軸固定ギヤ21とは、噛み合っていないが、エンジン軸11の軸方向でオーバーラップするように配置されている。
以上のような構成により、本実施形態のトランスアクスル装置1では、エンジン軸11と発電機軸13とは第3のギヤ組32を介して常に動力伝達可能に構成され、モータ軸12と出力軸14とは第2のギヤ組29を介して常に動力伝達可能に構成されている。そして、エンジン軸11とアイドラギヤ22とが接続されないようにシンクロナイザ23を作動制御し、車両に搭載された図示しないバッテリから電力を供給して電動モータ3を駆動することで、当該電動モータ3により走行駆動するEV走行モードが可能となっている。なお、このとき電動モータ3の要求電力の増加やバッテリの充電率の低下に応じてエンジン2を駆動することで、エンジン2により発電機5を駆動して発電することができ、電動モータ3への電力供給やバッテリの充電が可能となり、よってシリーズ走行モードが可能となる。
また、シンクロナイザ23を作動制御してエンジン軸11とアイドラギヤ22とを接続することで、エンジン軸11と出力軸14とが第1のギヤ組28を介して動力が伝達可能となる。これにより、エンジン14により走行駆動するエンジン直結モードが可能となる。このとき、更に電動モータ3を駆動することで、エンジン2と電動モータ3の両方から出力軸14に動力が伝達されて走行駆動するパラレル走行モードが可能となる。
図3は、パラレル走行モード時におけるトランスアクスル装置1での各軸の回転方向を示す説明図である。
図3は、パラレル走行モードで車両を前進させる場合での、各軸の回転方向を示している。なお、以下、車両に前進させる場合でのドライブシャフト4の回転方向と同一の回転方向を正転、この正転と逆方向の回転方向を逆転という。
図3に示すように、車両を前進させる場合には、ドライブシャフト4が正転となり、出力軸14が逆転となる。
そして、モータ軸12と出力軸14との間で動力を伝達する第2のギヤ組29が3枚のギヤ26、22、27から構成されてその噛み合い数が2つであることから、モータ軸12は出力軸14と同方向の回転に、即ち逆転となる。また、エンジン軸11と出力軸14との間で動力を伝達する第1のギヤ組28が2枚のギヤ22、27から構成されて噛み合い数が1つであることから、エンジン軸11は出力軸14と逆方向の回転に、即ち正転となる。また、発電機軸13とエンジン軸11との間で動力を伝達する第3のギヤ組32が2枚のギヤ21、31から構成されて噛み合い数が1つであることから、発電機軸13はエンジン軸11と逆方向の回転に、即ち逆転となる。
このように、パラレル走行モード時には、エンジン軸11は正転し、モータ軸12は逆転するので、エンジン2や電動モータ3の回転速度が変化したときに、エンジン2により車体が受ける反動トルクと電動モータ3により車体が受ける反動トルクとが逆方向となり、これらの反動トルクが相殺され、車体、詳しくはパワープラントの揺れを低減させることができる。
なお、エンジン2が作動すると、主にクランクシャフトに備えられたフライホイールの回転によりジャイロモーメントが発生する。また、電動モータ3の作動時においても、回転動する重量部材により、同様にジャイロモーメントが発生する。エンジン2及び電動モータ3が横置きで配置されている車両では、このようなジャイロモーメントが車両の旋回(ヨー方向の回転運動)を抑制する方向に作用し、車両の旋回時における操舵フィーリングを悪化させる虞がある。そして、このような現象は、特にエンジン2や電動モータ3の高回転駆動時に強く表れ、車両の旋回性能を低下させる虞がある。これに対し、本実施形態では、上記のように、エンジン軸11とモータ軸12とが互いに逆回転になるので、発生するジャイロモーメントが互いに打ち消し合い、車両の旋回性能を向上させることができる。
また、上記のように、エンジン軸11と発電機軸13とが互いに逆方向の回転になるので、エンジン2や発電機5の回転速度が変化したときに、エンジン2により車体が受ける反動トルクと発電機5により車体が受ける反動トルクとが相殺されて、更に車体揺れを低減させることができるとともに、ジャイロモーメントを互いに打ち消し合って、更に車両の旋回性能を向上させることができる。
また、同軸上に配置されるモータ軸12と発電機軸13は共に回転方向が逆転となり、よって互いに同方向に回転する。これにより、モータ軸12と発電機軸13との間を回転可能に支持するベアリング15は、モータ軸12と発電機軸13とが互いに逆方向に回転する場合よりも回転速度差を大幅に低減させることができ、その寿命を向上させることができる。
また、モータ軸12と発電機軸13とが同軸上に配置されているので、電動モータ3と発電機5とを隣接して配置し、これらのハウジングを共用してコンパクトに構成することができる。これにより、電動モータ3及び発電機5を含むパワープラントの全体構造をコンパクトに構成して車両への搭載性能を向上させることができる。あるいは電動モータ3及び発電機5のハウジングをコンパクトにした分、電動モータ3を大型化することが可能であり、車両への搭載性を低下させずにモータ出力の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、エンジン軸11から出力軸14への動力伝達路に設けられる第1のギヤ組28は2枚のギヤ22、27から構成され、モータ軸12から出力軸14への動力伝達路に設けられる第2のギヤ組29は3枚のギヤ26、22、27から構成されるが、第1のギヤ組28と第2のギヤ組29でアイドラギヤ22を共用している。したがって、ギヤの使用枚数を抑制することができ、トランスアクスル装置1の部品コスト及び重量の低減を図ることができる。また、アイドラギヤ22の共用により、第1のギヤ組28と第2のギヤ組29とをコンパクトかつ簡易な構成にすることができる。また、アイドラギヤ22に対してモータ軸固定ギヤ26及び出力軸固定ギヤ27を噛み合わせるように、エンジン軸11、モータ軸12及び出力軸14を配置すればよいので、例えばエンジン軸11と出力軸14の位置があらかじめ制約されていたとしても、モータ軸12はエンジン軸11を中心とした円周上に自由に設定することができる。したがって、エンジン軸11、モータ軸12及び出力軸14の配置の自由度を向上させることができる。
また、ファイナルギヤ20とエンジン軸固定ギヤ21とがエンジン軸11の軸方向でオーバーラップするように配置されているので、トランスアクスル装置1のギヤ(21、31、20、26、22、27)を、エンジン軸11の軸方向で2列にまとめることができ、トランスアクスル装置1の軸方向(車両左右方向)の寸法を抑制して小型化を図ることができ、車両搭載性を更に向上させることができる。
また、本実施形態では、モータ軸固定ギヤ26を変更することで他のギヤ組28、32の減速比に影響を及ぼさずに第2のギヤ組29の減速比を変更することができ、また発電機軸固定ギヤ31やエンジン軸固定ギヤ21を変更することで他のギヤ組28、29の減速比に影響を及ぼさずに第3のギヤ組32の減速比を変更することができ、よって全てのギヤ組28、29、32の減速比の設定が容易となる。
また、本実施形態では、動力断接手段(シンクロナイザ23)によって、アイドラギヤ22とエンジン軸11との動力伝達の断接を切り換えるので、EV走行モード等でシンクロナイザ23を切断したときに、エンジン2の連れ回りによるエネルギー効率の低下を防止することができる。
更には、動力断接手段としてシンクロナイザ23を用いているので、動力の断接に広く利用される湿式多板クラッチを用いた場合と比較して、コンパクトに構成することができるとともに、非接続時でのフリクションを抑制することができ、よってEV走行モード時における燃費の向上を図ることができる。また、シンクロナイザ23を例えば電動アクチュエータで駆動する場合、断接切換え時のみ電動アクチュエータを作動すればよく、保持のために電動アクチュエータを作動させる必要がないので、エネルギー消費を抑えることができる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図4に示す第2の実施形態のトランスアクスル装置40は、第1の実施形態のトランスアクスル装置1に対して、モータ軸12と発電機軸13とが同軸上に配置されていない点が異なる。このような構成においても、第1のギヤ組28、第2のギヤ組29及び第3のギヤ組32の夫々のギヤの噛み合い数が第1の実施形態におけるギヤの噛み合い数と同一であるので、エンジン軸11に対してモータ軸12及び発電機軸13を反対方向に回転させる構成である。よって、エンジン2の回転速度の変化により車体が受ける反動トルクと、電動モータ3及び発電機5の回転速度の変化により車体が受ける反動トルクとが相殺されて、車体(パワープラント)の振動を低減させることができるとともに、ジャイロモーメントを打ち消し合って車両の旋回性能を向上させることができるといった効果を少なくとも得ることができる。
また、図5に示す第3の実施形態のトランスアクスル装置50は、第1の実施形態のトランスアクスル装置1のエンジン軸11をエンジン軸固定ギヤ21とアイドラギヤ22との間で分割して、エンジン2のクランクシャフトに接続される第1のエンジン軸11aと、アイドラギヤ22に接続される第2のエンジン軸11bとし、第1のエンジン軸11aと第2のエンジン軸11bとを断接切り換え可能なシンクロナイザやクラッチ等の動力断接装置55(動力断接手段)で接続する構成としてもよい。なお、第3の実施形態では、アイドラギヤ22は、第2のエンジン軸11bに固定され、第2のエンジン軸11bとともに回転するように構成される。これにより、上記第1の実施形態でのシンクロナイザ23の代わりに動力断接装置55を作動制御して、エンジン2とアイドラギヤ22との動力の断接が切り換え可能となり、第1の実施形態と同様に各軸11、12、13、14の回転方向が設定され、車体の振動抑制及びベアリング15の寿命向上を図ることができる。
また、以上の実施形態では、第1のギヤ組28が2枚のギヤ22、27で構成されて噛み合い数が1つであり、第2のギヤ組29が3枚のギヤ26、22、27で構成されて噛み合い数が2つであり、第3のギヤ組32が2枚のギヤ21、31で構成されて噛み合い数が1つであるが、第1のギヤ組28及び第3のギヤ組32のギヤの噛み合い数を奇数及び偶数のうちのいずれか一方とし、第2のギヤ組29の噛み合い数を奇数及び偶数のうちの他方とすれば、夫々ギヤ数を増やしてもよい。しかしながら、上記の実施形態が最もギヤ数が少なく、部品点数の抑制及び伝達効率の向上の点から望ましい。
また、本願発明は、FR車やRR車においても適用することができ、エンジンと電動機によって走行駆動可能な車両に広く適用することができる。
1、40、50 トランスアクスル装置
2 エンジン
3 電動モータ(第1の電動機)
5 発電機(第2の電動機)
11 エンジン軸(第1の駆動軸)
12 モータ軸(第2の駆動軸)
13 発電機軸(第3の駆動軸)
14 出力軸
15 ベアリング(軸受け手段)
20 ファイナルギヤ
21 エンジン軸固定ギヤ(第3のギヤ)
22 アイドラギヤ
23 シンクロナイザ(同期噛み合い装置、動力断接手段)
26 モータ軸固定ギヤ(第2のギヤ)
27 出力軸固定ギヤ(第1のギヤ)
28 第1のギヤ組
29 第2のギヤ組
32 第3のギヤ組
55 動力断接装置(動力断接手段)

Claims (6)

  1. 車両に搭載されたエンジンの駆動軸と同軸配置され、前記駆動軸に接続される第1の駆動軸と、
    前記第1の駆動軸と平行に配置され、前記車両の走行駆動軸に差動装置を介して動力を伝達する出力軸と、
    前記出力軸と平行に配置され、前記車両に搭載されたバッテリから電力を供給されて駆動する電動モータとして作動する第1の電動機に接続される第2の駆動軸と、
    前記第2の駆動軸と平行もしくは同軸に配置され、発電機として作動する前記車両に搭載された第2の電動機に接続される第3の駆動軸と、 複数のギヤを噛み合わせて構成され前記第1の駆動軸と前記出力軸との間で動力を伝達する第1のギヤ組と、
    複数のギヤを噛み合わせて構成され前記第2の駆動軸と前記出力軸との間で動力を伝達する第2のギヤ組と、
    複数のギヤを噛み合わせて構成され前記第1の駆動軸と前記第3の駆動軸との間で動力を伝達する第3のギヤ組と、
    を備えた車両のトランスアクスル装置であって、
    前記第1のギヤ組は、前記第1の駆動軸に設けられたアイドラギヤと、前記出力軸に設けられ前記アイドラギヤに噛み合う第1のギヤとにより構成され、
    前記第2のギヤ組は、前記第2の駆動軸に設けられた第2のギヤと、前記アイドラギヤと前記第1のギヤとにより構成され、前記第1のギヤと前記アイドラギヤとが噛み合い、前記アイドラギヤと前記第2のギヤとが噛み合うように構成され、
    前記第1のギヤ組と前記第2のギヤ組は前記アイドラギヤを共用すると共に、
    前記第1のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は、奇数及び偶数のうちいずれか一方であり、前記第2のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は、奇数及び偶数のうちの他方であることを特徴とする車両のトランスアクスル装置。
  2. 前記アイドラギヤは、前記第1の駆動軸に対して、動力断接手段を介して動力の伝達を断接切り換え可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両のトランスアクスル装置。
  3. 前記動力断接手段は同期噛み合い装置であることを特徴とする請求項2に記載の車両のトランスアクスル装置。
  4. 前記第3のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数が奇数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両のトランスアクスル装置。
  5. 前記第3の駆動軸は、前記第2の駆動軸と軸受け手段を介して相互回転可能に同軸上に配置されるとともに、
    前記第1のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は奇数であり、前記第2のギヤ組を構成するギヤの噛み合い数は偶数であることを特徴とする請求項4に記載の車両のトランスアクスル装置。
  6. 前記出力軸には、前記差動装置に動力を伝達するファイナルギヤが備えられ、
    前記第3のギヤ組に含まれる第3のギヤと前記ファイナルギヤとが前記第1の駆動軸の軸線方向でオーバーラップして配置されることを特徴とする請求項4または5に記載の車両のトランスアクスル装置。
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