JP2017155334A - 熱間成形用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い時効硬化性を有するだけでなく、高範囲のひずみ速度域において高いm値を有し、かつ、成形後の表面性状が良好であり、熱間成形に好適なAl−Mg−Si系の熱間成形用アルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】Mg:0.3〜1.8mass%、Si:0.6〜2.0mass%、Fe:0.04%〜0.20mass%を含有し、Mn:0.030mass%以下及びCr:0.030mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、導電率がIACS%で60%以下であることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板、及びその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】Mg:0.3〜1.8mass%、Si:0.6〜2.0mass%、Fe:0.04%〜0.20mass%を含有し、Mn:0.030mass%以下及びCr:0.030mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、導電率がIACS%で60%以下であることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板、及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い時効硬化性を有するだけでなく、高範囲のひずみ速度域において高いm値を有し、熱間成形に好適なAl−Mg−Si系の熱間成形用アルミニウム合金板及びその製造方法に関する。
近年、構造部品の軽量化手段の一つとして、アルミニウム合金の適用が進んでいる。しかしながら、一般的にアルミニウム合金は鋼板に比べて成形性が低く、様々な加工法の検討が必要である。そのような加工法の一つとして、超塑性変形を利用した熱間成形が挙げられる。このような熱間成形の代表的な例として、ブロー成形が挙げられる。
ブロー成形とは、特にアルミニウムが高温で超塑性と呼ばれる著しく大きな延性を示すことを利用した成形方法である。具体的には、加熱された上下金型でアルミニウム板材を挟持し、アルミニウム板材を加熱した後に高圧ガスで加圧して、アルミニウム板材を成形金型形状に成形する方法が一般的である。ブロー成形は、アルミニウム材の大きな高温延性を利用することにより冷間プレス成形では不可能な複雑形状の成形を可能とするだけでなく、高温での変形抵抗が小さいために、金型への転写性に優れ高意匠性部品の成形に適する。加えて、基本的には片方の金型だけで成形が可能なため、冷間プレス成形に比べて金型費を低減でき、少量多品種の部品の成形に用いられている。
特にアルミニウム合金に関しては、優れた超塑性特性を示す材料が積極的に開発されている。中でもAl−Cu系及びAl−Zn−Mg−Cu系のアルミニウム合金は、高温で著しく大きな延性を示すことに加え、ブロー成形後の熱処理により高強度が得られるために、幾つかのブロー成形用合金が開発されている。
しかしながら、Al−Cu系やAl−Zn−Mg−Cu系のアルミニウム合金は、耐食性と溶接性に劣り、また製造コストが高価になるために航空機などの特殊部品への適用に限られているのが現状である。一方で、Mgが多量に固溶したAl−Mg系合金は高温で大きな延性を示すことは勿論であるが、中程度の強度と溶接性、ならびに、耐食性に優れており、一般部品向けの熱間成形用材料として広く用いられている。特にその需要の大部分は、自動車部品用途に占められている。しかしながら、自動車部品への軽量化の需要が増大するにつれ、高強度の一般部品用途の熱間成形用材料が求められるようになってきた。
そのため、近年では特許文献1、2のような熱間成形用Al−Mg−Si系合金が開発されている。しかしながら、これらの熱間成形用Al−Mg−Si系合金の成形性は必ずしも十分ではなかった。特に生産性の点において、実用的な歪み速度域である10−2〜10−1/秒でのm値(ひずみ速度感受性指数)は十分とは言えなかった。m値はその材料の変形の局所化に対する抵抗の指標である。上記特許文献に記載の熱間成形用Al−Mg−Si系合金では、m値が低いために変形が局所化し易く難成形品を高速で成形することが困難であった。
本発明は上記問題を解決すべくなされたもので、高い時効硬化性を有するだけでなく、高範囲のひずみ速度域において高いm値を有し、かつ、成形後の表面性状が良好で熱間成形に好適なAl−Mg−Si系の熱間成形用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
上記問題に対して本発明者らは、m値と合金成分、導電率の関係を種々検討した結果、Al−Mg−Si系合金においては、Mgを添加し、MnとCrの添加量に関してはできるだけ少量とすることでm値が向上することを見出した。すなわち、固溶Mgは転位と相互作用を起こすことにより(Solute Drag Creep)、m値を向上させる一方で、Mn、Crを添加するとMn、Cr系の析出物が可動転位を減少させることにより、m値の向上を制限する。従って、Mg固溶量、ならびに、MnとCrの析出量を制御することが重要となり、その指標となる導電率を低くすることでm値が向上することを本発明者らは見出した。
一方で、MnとCrの添加量が少ない分、結晶粒界を安定化させるMnとCrの析出物が減少するため結晶粒が粗大化し、成形後に肌荒れが起こり易い。これに対しては、本発明者らの検討により、Feを一定量添加することでm値の低下を抑制しつつ、肌荒れ防止に有効であることが見出され、これに従ってFeの添加量を規定した。これにより、高い時効硬化性を有するだけでなく、高歪み速度域における成形性の向上を達成することができ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は請求項1において、Mg:0.3〜1.8mass%、Si:0.6〜2.0mass%、Fe:0.04〜0.20mass%を含有し、Mn:0.030mass%以下及びCr:0.030mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、導電率がIACS%で60%以下であることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板とした。
本発明は請求項2では請求項1において、前記アルミニウム合金がCu:0.2〜1.0mass%を更に含有するものとした。
更に本発明は請求項3では請求項1又は2において、熱間成形用アルミニウム合金板がブロー成形用途に用いられるものとした。
本発明は請求項4では請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法であって、前記アルミニウム合金の溶湯を鋳造する工程と、鋳造した鋳塊を均質化処理する均質化処理工程と、均質化処理した鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程とを含み、前記均質化処理工程において、鋳塊を500℃以上アルミニウム合金の融点未満の温度で1〜12時間加熱保持し、かつ、加熱保持の終了から300℃までの冷却速度を50℃/時間以上とし、前記熱間圧延工程において、熱間圧延中の圧延板の温度を250〜450℃とし、冷間圧延工程における圧下率を50%以上とすることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法とした。
また、本発明は請求項5では請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法であって、前記アルミニウム合金の溶湯を鋳造する工程と、鋳造した鋳塊を均質化処理する均質化処理工程と、均質化処理した鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程と、圧延板を焼鈍する焼鈍工程とを含み、前記均質化処理工程において、鋳塊を500℃以上アルミニウム合金の融点未満の温度で1〜12時間加熱保持し、かつ、加熱保持の終了から300℃までの冷却速度を50℃/時間以上とし、前記熱間圧延工程において、熱間圧延中の圧延板の温度を250〜450℃とし、冷間圧延工程における圧下率を50%以上とし、前記焼鈍工程が、冷間圧延工程の途中に500〜580℃の温度で圧延板を焼鈍し、当該焼鈍温度までの昇温速度を5℃/秒以上とし、焼鈍後の冷却速度を100℃/秒以上とすることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法とした。
また、本発明は請求項6では請求項4又は5において、前記冷間圧延工程における圧下率を80%以上とするものとした。
更にまた、本発明は請求項7では請求項4〜6のいずれか一項において、前記鋳造工程が、50℃/分以上の冷却速度のDC鋳造法を用いるものとした。
本発明により、高い時効硬化性を有するだけでなく、高範囲のひずみ速度域において高いm値を有し、かつ、成形後の表面性状が良好であり、熱間成形に好適なAl−Mg−Si系の熱間成形用アルミニウム合金板が得られる。
本発明では、アルミニウム合金のm値を向上させるために、導電率との関係で金属組織としての第二相粒子の析出を抑制する。また、成形後の肌荒れを抑制するために、平均結晶粒径ついて規定する。更に、一般部品用途として要求される時効後の引張強度についても規定する。そして、これらの特徴を得るための合金組成についても規定する。本発明に係る熱間成形用のアルミニウム合金板におけるこれら各項目について、以下に詳細に説明する。
1.金属組織
1−1.第二相粒子
特にMn系とCr系の第二相粒子は可動転移を抑制し、m値の低下を招く。従って、本発明ではこれらMn系、Cr系及びMg−Si系をはじめとする第二相粒子の形成量(固溶せずに析出した状態で存在するもので、以下、「析出量」と記す)を抑制する。これら第二相粒子の析出量は、アルミニウム合金の導電率により推し量ることができる。一般に、アルミニウム合金の導電率が高いほど第二相粒子の固溶量が低く、つまり第二相粒子の析出量が高いことを示す。本発明ではアルミニウム合金の導電率をIACS%で60%以下、好ましくは58%以下とする。IACS%が60%以下であると、第二相粒子の析出量が抑制されてm値の向上が期待できる。この導電率の下限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から本発明では56%程度である。
1−1.第二相粒子
特にMn系とCr系の第二相粒子は可動転移を抑制し、m値の低下を招く。従って、本発明ではこれらMn系、Cr系及びMg−Si系をはじめとする第二相粒子の形成量(固溶せずに析出した状態で存在するもので、以下、「析出量」と記す)を抑制する。これら第二相粒子の析出量は、アルミニウム合金の導電率により推し量ることができる。一般に、アルミニウム合金の導電率が高いほど第二相粒子の固溶量が低く、つまり第二相粒子の析出量が高いことを示す。本発明ではアルミニウム合金の導電率をIACS%で60%以下、好ましくは58%以下とする。IACS%が60%以下であると、第二相粒子の析出量が抑制されてm値の向上が期待できる。この導電率の下限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から本発明では56%程度である。
1−2.平均結晶粒径
アルミニウム合金の結晶粒径が大きいと熱間成形後の肌荒れが生じる。本発明者らの検討によれば、熱間成形直前の平均結晶粒径を50μm以下、好ましくは45μm以下とすると、成形後の肌荒れを有効に抑制できる。また、この平均結晶粒径の下限値は特に限定されるものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では40μm程度である。なお、結晶組織における平均結晶粒径の測定は、EBSD(後方散乱電子回折)を用いて800μm×1600μmの視野について15°以上の高角粒界によって囲まれる結晶粒の平均結晶粒径として行なった。
アルミニウム合金の結晶粒径が大きいと熱間成形後の肌荒れが生じる。本発明者らの検討によれば、熱間成形直前の平均結晶粒径を50μm以下、好ましくは45μm以下とすると、成形後の肌荒れを有効に抑制できる。また、この平均結晶粒径の下限値は特に限定されるものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では40μm程度である。なお、結晶組織における平均結晶粒径の測定は、EBSD(後方散乱電子回折)を用いて800μm×1600μmの視野について15°以上の高角粒界によって囲まれる結晶粒の平均結晶粒径として行なった。
2.m値
本発明においては、Mn系、Cr系及びMg−Si系をはじめとする第二相粒子の析出量を抑制することにより、実用的な歪み速度域である10−2〜10−1/秒でのm値を0.23以上、好ましくは0.25以上と設定する。m値が0.23未満では、熱間成形時に変形の局所化が生じ、熱間成形性が低下する。なお、このm値の上限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では0.29程度である。
本発明においては、Mn系、Cr系及びMg−Si系をはじめとする第二相粒子の析出量を抑制することにより、実用的な歪み速度域である10−2〜10−1/秒でのm値を0.23以上、好ましくは0.25以上と設定する。m値が0.23未満では、熱間成形時に変形の局所化が生じ、熱間成形性が低下する。なお、このm値の上限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では0.29程度である。
3.時効後の引張強度
本発明に係る熱間成形用アルミニウム合金板は、一般部品用途として十分な強度である引張強度300MPa以上、好ましくは315MPa以上を熱間成形の後における時効後の引張強度として有する。なお、この時効後の引張強度の上限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では330MPa程度である。
本発明に係る熱間成形用アルミニウム合金板は、一般部品用途として十分な強度である引張強度300MPa以上、好ましくは315MPa以上を熱間成形の後における時効後の引張強度として有する。なお、この時効後の引張強度の上限値は特に限定するものではないが、アルミニウム合金組成や製造方法から、本発明では330MPa程度である。
4.アルミニウム合金の成分組成
本発明の熱間成形用アルミニウム合金板の成分組成は、Mg、Si、Feを必須元素とし、MnとCrの含有量を規制し、Cuを選択元素とする。その限定理由を以下に示す。
本発明の熱間成形用アルミニウム合金板の成分組成は、Mg、Si、Feを必須元素とし、MnとCrの含有量を規制し、Cuを選択元素とする。その限定理由を以下に示す。
4−1.Mg:0.3〜1.8mass%、Si:0.6〜2.0mass%
Mg及びSiは、本発明に用いるアルミニウム合金の基本元素である。両元素は、超塑性成形性を確保し、ならびに、熱間成形後における時効硬化処理によりAl−Mg系アルミニウム合金以上の大きな強度を得るための必須添加元素である。また、固溶Mgは高温変形中に転移と相互作用してSolute Drag Creepを引き起こし、m値を向上させるため一定量のMg添加が必要である。Mg含有量が0.3mass%(以下、単に「%」と記す)未満、或いは、Si含有量が0.6%未満では、上述の効果が十分に得られない。一方、Mg含有量が1.8%を超え、或いは、Si含有量が2.0%を超える場合には、Mg−Si系の第二相が形成され、m値の低下に繋がる。以上により、Mg含有量を0.3〜1.8%、ならびに、Si含有量を0.6〜2.0%に規定した。なお、Mg含有量は、好ましくは0.6〜1.4%、ならびに、Si含有量は、好ましくは0.8〜1.4%である。
Mg及びSiは、本発明に用いるアルミニウム合金の基本元素である。両元素は、超塑性成形性を確保し、ならびに、熱間成形後における時効硬化処理によりAl−Mg系アルミニウム合金以上の大きな強度を得るための必須添加元素である。また、固溶Mgは高温変形中に転移と相互作用してSolute Drag Creepを引き起こし、m値を向上させるため一定量のMg添加が必要である。Mg含有量が0.3mass%(以下、単に「%」と記す)未満、或いは、Si含有量が0.6%未満では、上述の効果が十分に得られない。一方、Mg含有量が1.8%を超え、或いは、Si含有量が2.0%を超える場合には、Mg−Si系の第二相が形成され、m値の低下に繋がる。以上により、Mg含有量を0.3〜1.8%、ならびに、Si含有量を0.6〜2.0%に規定した。なお、Mg含有量は、好ましくは0.6〜1.4%、ならびに、Si含有量は、好ましくは0.8〜1.4%である。
4−2.Fe:0.04〜0.20%
Feの添加によりFe系析出物が形成されるが、m値の低下を抑制しつつ、結晶粒を安定化させて肌荒れを抑制するためFeの必要量を添加する。Fe含有量が0.04%未満では結晶粒を安定化させることができず肌荒れが発生するだけでなく、高純度の地金を使用する必要があり原料コスト増に繋がる。一方、Fe含有量が0.20%を超える場合には十分なm値が得られない。Feの含有量は、好ましくは0.08%〜0.14%である。
Feの添加によりFe系析出物が形成されるが、m値の低下を抑制しつつ、結晶粒を安定化させて肌荒れを抑制するためFeの必要量を添加する。Fe含有量が0.04%未満では結晶粒を安定化させることができず肌荒れが発生するだけでなく、高純度の地金を使用する必要があり原料コスト増に繋がる。一方、Fe含有量が0.20%を超える場合には十分なm値が得られない。Feの含有量は、好ましくは0.08%〜0.14%である。
4−3.Mn:0.030%以下、Cr:0.030%以下
Mn及びCrの添加によりMn系析出物とCr系析出物が形成され、これによって可動転位が抑制される。その結果、Solute Drag Creepの効果が抑止されてm値が低下する。従って、Mn及びCrの含有量はそれぞれ0.030%以下に規制される。Mn含有量が0.030%を超え、或いは、Cr含有量が0.030%を超える場合には、十分なm値が得られない。Mn含有量は、好ましくは0.010%以下であり、Cr含有量は、好ましくは0.010%以下である。なお、Mn含有量とCr含有量は、0%であってもよい。
Mn及びCrの添加によりMn系析出物とCr系析出物が形成され、これによって可動転位が抑制される。その結果、Solute Drag Creepの効果が抑止されてm値が低下する。従って、Mn及びCrの含有量はそれぞれ0.030%以下に規制される。Mn含有量が0.030%を超え、或いは、Cr含有量が0.030%を超える場合には、十分なm値が得られない。Mn含有量は、好ましくは0.010%以下であり、Cr含有量は、好ましくは0.010%以下である。なお、Mn含有量とCr含有量は、0%であってもよい。
4−4.Cu:0.2〜1.0%
Cuは時効硬化性を向上させるため、必要に応じて選択的に添加してもよい。Cu含有量が0.2%未満では十分な添加効果が得られない。一方、Cu含有量が1.0%を超えると、耐食性が低下する。以上により、Cu含有量は0.2〜1.0%とするのが好ましく、0.3〜0.7%とするのがより好ましい。
Cuは時効硬化性を向上させるため、必要に応じて選択的に添加してもよい。Cu含有量が0.2%未満では十分な添加効果が得られない。一方、Cu含有量が1.0%を超えると、耐食性が低下する。以上により、Cu含有量は0.2〜1.0%とするのが好ましく、0.3〜0.7%とするのがより好ましい。
4−6.Ti:0.20%以下
Tiを添加することで鋳塊組織を微細化することが可能となるため、必要に応じて選択的に添加してもよい。しかしながら、Tiを添加すると耐食性が低下する。Ti含有量は0.20%以下であれば、本発明の効果に問題は無い。
Tiを添加することで鋳塊組織を微細化することが可能となるため、必要に応じて選択的に添加してもよい。しかしながら、Tiを添加すると耐食性が低下する。Ti含有量は0.20%以下であれば、本発明の効果に問題は無い。
4−7.不可避的不純物
不可避的不純物として、Zr、Zn、B、Beなどを各々0.05%以下、全体として0.15%以下含有していても、本発明の効果を損なわないので許容される。
不可避的不純物として、Zr、Zn、B、Beなどを各々0.05%以下、全体として0.15%以下含有していても、本発明の効果を損なわないので許容される。
5.製造方法
次に、本発明に係る熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
次に、本発明に係る熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
5−1.溶解鋳造工程
まず、上記合金成分の合金溶湯を溶製し、これを鋳造する。鋳造は例えばDC鋳造のような一般的な方法によって行われる。その際、冷却速度を大きくすることにより、粗大な第2相粒子の形成を抑制することが好ましい。本発明では、DC鋳造(半連続鋳造)における冷却速度として、50℃/分以上とするのが好ましく、100℃/分以上とするのがより好ましい。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置により本発明では300℃/分程度である。
まず、上記合金成分の合金溶湯を溶製し、これを鋳造する。鋳造は例えばDC鋳造のような一般的な方法によって行われる。その際、冷却速度を大きくすることにより、粗大な第2相粒子の形成を抑制することが好ましい。本発明では、DC鋳造(半連続鋳造)における冷却速度として、50℃/分以上とするのが好ましく、100℃/分以上とするのがより好ましい。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置により本発明では300℃/分程度である。
5−2.均質化処理工程
溶解鋳造によって得られたアルミニウム合金の鋳塊は、面削を施してから均質化処理工程にかけられる。均質化処理温度は、500℃以上で、かつ、本発明で用いるアルミニウム合金の融点温度(例えば約580℃)未満と規定する。加熱温度が500℃未満では、m値の低下を招く第2相粒子が再固溶することによって得られるm値向上の効果が図れない。また、均質化処理温度を本発明に用いるアルミニウム合金の融点温度未満とすることによって、アルミニウム合金の溶解を防止することができる。従って、均質化処理温度は500℃以上でアルミニウム合金の融点未満とし、530〜560℃とするのが好ましい。均質化処理時間(加熱保持時間)については、1〜12時間とするのが好ましく、2〜8時間とするのがより好ましい。1時間未満では、m値の低下を招く第2相粒子の再固溶の促進が図れず、12時間を超えると鋳造時に過飽和状態で固溶しているFeが化合物として析出することにより、成形後の結晶粒粗大化を招く。また、均質化処理工程後(加熱保持の終了)から300℃までの冷却速度を、50℃/時間以上、好ましくは100℃/時間以上とする。冷却速度が50℃/時間以上であるとm値の低下を招く粗大な第二相粒子の析出が抑制される。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置により本発明では360℃/時間程度である。
溶解鋳造によって得られたアルミニウム合金の鋳塊は、面削を施してから均質化処理工程にかけられる。均質化処理温度は、500℃以上で、かつ、本発明で用いるアルミニウム合金の融点温度(例えば約580℃)未満と規定する。加熱温度が500℃未満では、m値の低下を招く第2相粒子が再固溶することによって得られるm値向上の効果が図れない。また、均質化処理温度を本発明に用いるアルミニウム合金の融点温度未満とすることによって、アルミニウム合金の溶解を防止することができる。従って、均質化処理温度は500℃以上でアルミニウム合金の融点未満とし、530〜560℃とするのが好ましい。均質化処理時間(加熱保持時間)については、1〜12時間とするのが好ましく、2〜8時間とするのがより好ましい。1時間未満では、m値の低下を招く第2相粒子の再固溶の促進が図れず、12時間を超えると鋳造時に過飽和状態で固溶しているFeが化合物として析出することにより、成形後の結晶粒粗大化を招く。また、均質化処理工程後(加熱保持の終了)から300℃までの冷却速度を、50℃/時間以上、好ましくは100℃/時間以上とする。冷却速度が50℃/時間以上であるとm値の低下を招く粗大な第二相粒子の析出が抑制される。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置により本発明では360℃/時間程度である。
5−3.熱間圧延工程
熱間圧延中の材料温度は、250〜450℃、好ましくは350〜400℃とする。250℃以上にすることにより材料の変形抵抗が小さくなって、熱間圧延が容易となる。一方、450℃以下にすることにより熱間圧延中の粗大な第2相粒子の析出が抑制され、その結果、m値が増加するとともに、熱間成形の後における時効後の強度が向上する。
熱間圧延中の材料温度は、250〜450℃、好ましくは350〜400℃とする。250℃以上にすることにより材料の変形抵抗が小さくなって、熱間圧延が容易となる。一方、450℃以下にすることにより熱間圧延中の粗大な第2相粒子の析出が抑制され、その結果、m値が増加するとともに、熱間成形の後における時効後の強度が向上する。
5−4.冷間圧延工程
本発明においては、熱間圧延工程を経た圧延板は冷間圧延工程にかけられ、次いで冷間圧延板をそのまま熱間ブロー成形などの熱間成形に供することが可能である。なお、冷間圧延工程における圧下率を大きくすると最終焼鈍後の結晶粒微細化に繋がり、肌荒れの抑制効果を奏する。この圧下率は、50%以上、好ましくは80%以上とする。圧下率の上限値は特に限定するものではないが、合金組成、製造方法及び圧延装置などにより本発明では95%程度である。
本発明においては、熱間圧延工程を経た圧延板は冷間圧延工程にかけられ、次いで冷間圧延板をそのまま熱間ブロー成形などの熱間成形に供することが可能である。なお、冷間圧延工程における圧下率を大きくすると最終焼鈍後の結晶粒微細化に繋がり、肌荒れの抑制効果を奏する。この圧下率は、50%以上、好ましくは80%以上とする。圧下率の上限値は特に限定するものではないが、合金組成、製造方法及び圧延装置などにより本発明では95%程度である。
5−5.焼鈍工程
また、第二相粒子の再固溶のために、冷間圧延工程の途中において圧延板を焼鈍する焼鈍工程を設けてもよい。焼鈍により第二相粒子の固溶量が大きくした状態で冷間圧延を実施すると、より結晶粒の微細化に有効であるため、肌荒れの抑制効果を奏する。焼鈍温度は500〜580℃、好ましくは530〜570℃とする。焼鈍温度を500℃以上とすることにより、第二相粒子の固溶量を大きくできる。一方、焼鈍温度が580℃を超えると材料の局部溶融が起こり成形性の低下を招く。焼鈍温度までの昇温速度は5℃/秒以上とする。昇温速度が5℃/秒未満の場合、昇温中に第二相粒子の析出が生じ、m値が低下するとともに熱間成形の後における時効後の強度も低下する。なお、この昇温速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置から、本発明では10℃/秒程度である。更に、焼鈍後における室温までの冷却速度を、100℃/秒以上とするのが好ましい。この冷却速度が100℃/秒未満の場合は、冷却中に第二相粒子の析出が生じ、m値が低下するとともに熱間成形の後における時効後の強度も低下する。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置によりから、本発明では400℃/秒程度である。
また、第二相粒子の再固溶のために、冷間圧延工程の途中において圧延板を焼鈍する焼鈍工程を設けてもよい。焼鈍により第二相粒子の固溶量が大きくした状態で冷間圧延を実施すると、より結晶粒の微細化に有効であるため、肌荒れの抑制効果を奏する。焼鈍温度は500〜580℃、好ましくは530〜570℃とする。焼鈍温度を500℃以上とすることにより、第二相粒子の固溶量を大きくできる。一方、焼鈍温度が580℃を超えると材料の局部溶融が起こり成形性の低下を招く。焼鈍温度までの昇温速度は5℃/秒以上とする。昇温速度が5℃/秒未満の場合、昇温中に第二相粒子の析出が生じ、m値が低下するとともに熱間成形の後における時効後の強度も低下する。なお、この昇温速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置から、本発明では10℃/秒程度である。更に、焼鈍後における室温までの冷却速度を、100℃/秒以上とするのが好ましい。この冷却速度が100℃/秒未満の場合は、冷却中に第二相粒子の析出が生じ、m値が低下するとともに熱間成形の後における時効後の強度も低下する。なお、この冷却速度の上限値は特に限定するものではないが、製造方法や用いる製造装置によりから、本発明では400℃/秒程度である。
以下に、本発明の実施例について説明する。表1、5に示すアルミニウム合金(合金番号1〜24)をそれぞれ溶解し、DC鋳造法によって鋳造した。DC鋳造における冷却速度は、80℃/分とした。得られた鋳塊を面削し、表2に示す条件で均質化処理とその後の冷却を行なった。次いで、圧延中の圧延板の温度を表2に示す温度で熱間圧延を行った。最後に、熱間圧延後の圧延板を表2に示す条件で中間焼鈍と冷間圧延に供して、最終板厚1mmの圧延板試料を得た。なお、中間焼鈍はソルトバスを使用して行った。
6.試料の評価
6−1.導電率IACS%
上記試料を、100mm×100mmに切断し、シグマテスタを用いて試料のIACS%を測定した。その際、測定回数は5回とし、その算術平均値をもって試料の導電率とした。
6−1.導電率IACS%
上記試料を、100mm×100mmに切断し、シグマテスタを用いて試料のIACS%を測定した。その際、測定回数は5回とし、その算術平均値をもって試料の導電率とした。
6−2.m値
試料を高温引張試験片に加工して高温引張試験機に設置し、ひずみ速度急変法によりm値を測定した。引張温度は530℃とし、10−2〜10−1/秒において応力−ひずみ速度のプロットを直線近似し、その直線の傾きをm値とした。m値が0.23以上を合格とし、それ未満を不合格とした。
試料を高温引張試験片に加工して高温引張試験機に設置し、ひずみ速度急変法によりm値を測定した。引張温度は530℃とし、10−2〜10−1/秒において応力−ひずみ速度のプロットを直線近似し、その直線の傾きをm値とした。m値が0.23以上を合格とし、それ未満を不合格とした。
6−3.焼鈍後の平均結晶粒径
試料を530℃で5分間加熱した(焼鈍)後に、試料断面の結晶粒をEBSPで観察し、結晶粒径を測定した。15°以上の高角粒界を結晶粒界としてその結晶粒径を測定した。具体的には、EBSPを用いて800μm×1600μmの視野について15°以上の高角粒界によって囲まれる結晶粒の結晶粒径を測定し、これらの算術平均値をもって平均結晶粒径とした。平均結晶粒径が50μm以下のものを合格とし、50μmを超えるものを不合格とした。
試料を530℃で5分間加熱した(焼鈍)後に、試料断面の結晶粒をEBSPで観察し、結晶粒径を測定した。15°以上の高角粒界を結晶粒界としてその結晶粒径を測定した。具体的には、EBSPを用いて800μm×1600μmの視野について15°以上の高角粒界によって囲まれる結晶粒の結晶粒径を測定し、これらの算術平均値をもって平均結晶粒径とした。平均結晶粒径が50μm以下のものを合格とし、50μmを超えるものを不合格とした。
6−4.時効後の引張強度
上記試料から3cm×20cmの試験片を3個切り出し高温成形を模した530℃で1時間の熱処理を行った。これを室温まで水冷して焼き入れ処理した後に、連続して180℃×1時間のバッチ時効処理を行った。バッチ時効処理したものを用いて、JIS5号引張試験に準拠した引張強度を測定した。各試験片の算術平均値をもって熱間成形の後における時効後の引張強度とした。この引張強度が300MPa以上を合格とし、それ未満を不合格とした。
上記試料から3cm×20cmの試験片を3個切り出し高温成形を模した530℃で1時間の熱処理を行った。これを室温まで水冷して焼き入れ処理した後に、連続して180℃×1時間のバッチ時効処理を行った。バッチ時効処理したものを用いて、JIS5号引張試験に準拠した引張強度を測定した。各試験片の算術平均値をもって熱間成形の後における時効後の引張強度とした。この引張強度が300MPa以上を合格とし、それ未満を不合格とした。
6−5.耐食性評価
表5に示す化学成分を有する試料から5cm×6cmの試験片を3個切り出し,高温成形を模した530℃で1時間の熱処理を行った。これを室温まで水冷して焼き入れ処理した後に、連続して180℃×1時間のバッチ時効処理を施し、ISO11846(b)規格に基づいて粒界腐食試験を行った。腐食深さが300μm未満を耐食性が合格(○)とし、腐食深さが300μm以上を耐食性が不合格(△)とした。
表5に示す化学成分を有する試料から5cm×6cmの試験片を3個切り出し,高温成形を模した530℃で1時間の熱処理を行った。これを室温まで水冷して焼き入れ処理した後に、連続して180℃×1時間のバッチ時効処理を施し、ISO11846(b)規格に基づいて粒界腐食試験を行った。腐食深さが300μm未満を耐食性が合格(○)とし、腐食深さが300μm以上を耐食性が不合格(△)とした。
以上の各評価結果を表3、4及び6に示す。ここで、表3は、製造条件を同じにして、合金組成の異なる試料を用いた結果である。また、表4は、合金組成を同じにして、製造条件の異なる試料を用いた結果である。更に、表6は、アルミニウム合金の選択的添加元素を添加した試料を用いた結果である。なお、m値、平均結晶粒径及び時効後の引張強度が全て合格の場合を総合評価が合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
表3において、発明例1〜12では、本発明で規定する合金組成のものを用いたため、IACSを満たし、更に、m値、結晶粒径及び時効後の引張強度が全て合格となり総合評価も合格であった。
これに対して、比較例1では、Mg含有量が少な過ぎたために、IACSが本発明で規定する範囲外となり、m値、時効後の引張強度が不合格となって総合評価も不合格となった。
比較例2では、Mg含有量が多過ぎたために、第二相の析出が生じ、m値が不合格となって総合評価も不合格となった。
比較例3では、Si含有量が少な過ぎたために、IACSが本発明で規定する範囲外となり、m値、時効後の引張強度も不合格となって総合評価が不合格となった。
比較例4では、Si含有量が多過ぎたために、第二相の析出が生じ、m値が不合格となって総合評価も不合格となった。
比較例5では、Fe含有量が少な過ぎたために、IACSが本発明で規定する範囲外となり、平均結晶粒径が粗大となり、総合評価が不合格となった。
比較例6では、Fe含有量が多過ぎたために、第二相の析出が生じm値が不合格となって総合評価も不合格となった。
比較例7では、Mn含有量が多過ぎたために、第二相の析出が生じm値が不合格となって総合評価が不合格となった。
比較例8では、Cr含有量が多過ぎたために、第二相の析出が生じm値が不合格となって総合評価が不合格となった。
表4において、発明例13〜33では、本発明で規定する製造条件を用いたため、IACSを満たし、更に、m値、結晶粒径及び時効後の引張強度が全て合格となり総合評価も合格であった。
これに対して、比較例9では均質化温度が低過ぎたために、IACSが本発明で規定する範囲外となり、m値及び時効後の引張強度が不合格となって総合評価も不合格となった。
比較例10では、均質化温度が高過ぎたために、均質化処理中に融解が起こり、第二相が形成されm値が低下し、総合評価が不合格となった。
比較例11では、均質化時間が長過ぎたために、Fe系析出物が形成し平均結晶粒径が大きくなり総合評価も不合格となった。
比較例12では、均質化時間が短過ぎたために、第二相が残存したためm値が低下し、時効後の強度も低くなり総合評価も不合格となった。
比較例13では、均質化処理工程後における冷却速度が遅過ぎたために、第二相が形成されm値が低下し、時効後の強度も低くなり総合評価が不合格となった。
比較例14では、熱間圧延中における圧延板の温度が低過ぎたために、熱間圧延時の変形抵抗が大きくなり、熱間圧延ができなかった。
比較例15では、熱間圧延中における圧延板の温度が高過ぎたために、第二相が形成されm値が低下し、時効後の強度も低下し総合評価が不合格となった。
比較例16では、冷間圧延工程における圧下率が小さ過ぎたために、結晶粒径が粗大となって総合評価も不合格となった。
比較例17では、中間焼鈍温度が低過ぎたために、第二相が形成しm値が低下し、結晶粒径が粗大となり、時効後の強度も低下し総合評価が不合格となった。
比較例18では、中間焼鈍温度が高過ぎたために、焼鈍中に共晶融解が生じm値が低下し、総合評価も不合格となった。
比較例19では、中間焼鈍工程における昇温速度が低過ぎたために、IACSが本発明で規定する範囲外となり、第二相が形成しm値が低下し、時効後の強度も低下し総合評価が不合格となった。
比較例20では、中間焼鈍後の冷却速度が低過ぎたために、第二相が形成しm値が低下し、時効後の強度も低下し総合評価が不合格となった。
表6において、発明例34〜36では、本発明で規定する合金組成のものを用いたため、IACSを満たし、更に、m値、結晶粒径、時効後の引張強度及び耐食性が全て合格となり総合評価も合格であった。
これに対して、比較例21では、Cu含有量が多過ぎたため、耐食性が劣る結果となった。
本発明に係る熱間成形用アルミニウム合金板は、高い時効硬化性を有するだけでなく、高範囲のひずみ速度域において高いm値を有し、かつ、成形後の表面性状が良好であるため、産業上の利用可能性に優れている。
Claims (7)
- Mg:0.3〜1.8mass%、Si:0.6〜2.0mass%、Fe:0.04〜0.20mass%を含有し、Mn:0.030mass%以下及びCr:0.030mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、導電率がIACS%で60%以下であることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板。
- 前記アルミニウム合金がCu:0.2〜1.0mass%を更に含有する、請求項1に記載の熱間成形用アルミニウム合金板。
- ブロー成形用途に用いられる、請求項1又は2に記載の熱間成形用アルミニウム合金板。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法であって、前記アルミニウム合金の溶湯を鋳造する工程と、鋳造した鋳塊を均質化処理する均質化処理工程と、均質化処理した鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程を含み、前記均質化処理工程において、鋳塊を500℃以上アルミニウム合金の融点未満の温度で1〜12時間加熱保持し、かつ、加熱保持の終了から300℃までの冷却速度を50℃/時間以上とし、前記熱間圧延工程において、熱間圧延中の圧延板の温度を250〜450℃とし、冷間圧延工程における圧下率を50%以上とすることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法であって、前記アルミニウム合金の溶湯を鋳造する工程と、鋳造した鋳塊を均質化処理する均質化処理工程と、均質化処理した鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程と、圧延板を焼鈍する焼鈍工程とを含み、前記均質化処理工程において、鋳塊を500℃以上アルミニウム合金の融点未満の温度で1〜12時間加熱保持し、かつ、加熱保持の終了から300℃までの冷却速度を50℃/時間以上とし、前記熱間圧延工程において、熱間圧延中の圧延板の温度を250〜450℃とし、冷間圧延工程における圧下率を50%以上とし、前記焼鈍工程が、冷間圧延工程の途中に500〜580℃の温度で圧延板を焼鈍し、当該焼鈍温度までの昇温速度を5℃/秒以上とし、焼鈍後の冷却速度を100℃/秒以上とすることを特徴とする熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法。
- 前記冷間圧延工程における圧下率を80%以上とする、請求項4又は5に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法。
- 前記鋳造工程が、50℃/分以上の冷却速度のDC鋳造法を用いる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の熱間成形用アルミニウム合金板の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| CN115011848A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-09-06 | 北京理工大学 | 一种高纯铝合金导线及其制备方法 |
-
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