JP2017155437A - 建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の床部及び天井部の構成の複雑化を招くことなく、重量床衝撃音を低減することができる建物を得る。【解決手段】軽量気泡コンクリート製の床パネル38で建物10の二階部分16における床部28の一部が構成されている。一方、二階部分16と建物上下方向に隣接した一階部分14における天井部26は、その一部が石膏ボード製の天井材34で構成されている。このため、建物10の二階部分16の床部28上に物が落ちたり、床部28上を人が動いたときに発生する重量床衝撃音が建物10の一階部分14に伝達することを抑制することができる。さらに、床パネル38にマス部58が配置されており、当該マス部58は当該床パネルの振動の腹側の部分に対して固定されている。これにより、建物10の二階部分16の床部28で発生する重量床衝撃音の発生を抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、建物に関する。
下記特許文献1には、建物の床・天井構造に関する発明が開示されている。この建物の床・天井構造では、下階側の天井下地材が上階側の床梁材に防振吊り具を介して吊り下げ支持されており、この天井下地材には複数のダイナミックダンパーが配置されている。また、床梁材の上側フランジ部の上面には、床パネルが敷設されており、当該床パネルには複数の中空部が形成されると共に、当該中空部には袋詰めされた砂状無機材が充填されている。つまり、下記先行技術では、天井下地材へのダイナミックダンパーの分散配置及び床パネルへの重量付加による重量床衝撃音に対する遮音対策が講じられている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された建物の床・天井構造では、建物の床部及び天井部の構成が複雑化し、施工性の悪化やコストアップを招くことが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、建物の床部及び天井部の構成の複雑化を招くことなく、重量床衝撃音を低減することができる建物を得ることが目的である。
第1の態様に係る建物は、建物の上階における床部の一部を構成すると共に、当該床部を支持する梁材の建物上方側の面に配置された軽量気泡コンクリート製の床パネルと、前記上階と建物上下方向に隣接した前記建物の下階における天井部の一部を構成すると共に、前記梁材の建物下方側に配置された石膏ボード製の天井材と、前記床パネルの振動の腹側の部分に対して固定されていると共に当該床パネルの建物下方側に配置されたマス部と、を有している。
第1の態様に係る建物では、軽量気泡コンクリート製の床パネルで建物の上階における床部の一部が構成されており、当該床パネルは当該床部を支持する梁材の建物上方側の面に配置されている。一方、上階と建物上下方向に隣接した建物の下階における天井部は、その一部が石膏ボード製の天井材で構成されており、当該天井材は上階の床部を支持する梁材の建物下方側に配置されている。このため、本態様では、建物の上階側の床部上に物が落ちたり、床部上を人が動いたときに発生する重量床衝撃音が建物の下階側に伝達することを抑制することができる。
さらに、本態様では、床パネルの建物下方側にマス部が配置されており、当該マス部は当該床パネルの振動の腹側の部分に対して固定されている。これにより、建物の上階側の床部上に物が落ちたり、床部上を人が動いたときに床パネルに発生する振動を抑制することができ、ひいては重量床衝撃音の発生を抑制することができる。
第2の態様に係る建物は、第1の態様に係る建物において、前記床パネルには、前記マス部を当該床パネルに対して固定する締結部材の軸部を挿通可能な挿通部と、当該挿通部の建物上方側に当該挿通部と連続して設けられて当該締結部材の頭部が納まると共に当該頭部が建物上方側から着座可能な凹部と、が設けられている。
第2の態様に係る建物では、マス部の固定に用いられる締結部材の軸部が、床パネルの挿通部に建物上方側から挿通される。一方、この締結部材の頭部は、床パネルの凹部に納まると共に建物上方側から当該凹部に着座される。そして、この締結部材の軸部に床パネルの建物下方側から被締結部材が締結されることでマス部を床パネルに対して固定することができる。
第3の態様に係る建物は、第2の態様に係る建物において、前記床パネルの建物上方側の面には、遮音マットが敷設されている。
第3の態様に係る建物では、床パネルの建物上方側の面に遮音マットを敷設することで、建物の上階側の下階側に対する遮音性を高めることができる。また、遮音マットによって、マス部の固定に用いられる締結部材の頭部が納まる凹部が建物上方側から覆われるため、建物の上階側の床部にフローリング等を敷設するときの施工性を確保することができる。
第4の態様に係る建物は、第2の態様又は第3の態様に係る建物において、前記マス部と、当該マス部を一端部側の建物下方側で支持しかつ他端部側が前記締結部材で前記床パネルの振動の腹となる部分における建物下方側の面に支持された板ばね部と、当該一端部側における建物上方側に取り付けられて当該床パネルに当接された減衰体と、を含んで構成された制振装置を備えている。
第4の態様に係る建物では、マス部、板ばね部及び減衰体を含んで制振装置が構成されており、板ばね部は、その一端部側の建物下方側でマス部を支持すると共に、その他端部側が締結部材で床パネルの振動の腹となる部分における建物下方側の面に支持されている。このため、建物の上階側の床部上に物が落ちたり、床部上を人が動いたときには、板ばね部はその一端部側を自由端とされると共にその他端部側を固定端とされた状態で振動し、それに伴いマス部も当該他端部側を中心として変位する。つまり、建物の上階側の床部上に物が落ちたり、床部上を人が動いたときに発生したエネルギーは、板ばね部の振動エネルギー及びマス部の運動エネルギーに変換される。そして、板ばね部の振動エネルギー及びマス部の運動エネルギーは、板ばね部の一端部側における建物上方側に取り付けられた減衰体が床パネルに当接されることで減衰される。
第5の態様に係る建物は、第4の態様に係る建物において、前記締結部材は、一対の前記軸部を備えると共に、前記頭部は当該軸部の建物上方側の部分同士を連結する連結板部を含んで構成されており、前記凹部は、一対の前記軸部がそれぞれ挿通されている一対の前記挿通部を当該挿通部の建物上方側で接続しており、前記板ばね部の前記他端部には、一対の前記軸部が挿通されている一対の挿通孔が形成されている。
第5の態様に係る建物では、締結部材の一対の軸部が建物上方側から、床パネルの一対の挿通部及び板ばね部の一対の挿通孔に挿通されている。
ところで、締結部材の一対の軸部がそれぞれ別部材とされている場合には、当該軸部に被締結部材を締結させるときに、当該軸部及び当該被締結部材が共廻りすることが考えられる。そして、軸部及び被締結部材の共廻りを抑制するためには、締結作業時に軸部を床パネルの建物上方側から支持することが必要になる。
ここで、本態様では、締結部材の頭部が一対の軸部の建物上方側の部分同士を連結する連結板部を含んで構成されると共に、床パネルの凹部が一対の挿通部を当該挿通部の建物上方側で接続している。このため、一方の軸部に被締結部材を締結させるときには、他方の軸部が床パネルから反力を受けることで当該軸部及び当該被締結部材の共廻りが抑制される。
第6の態様に係る建物は、第5の態様に係る建物において、前記凹部は、平面視で円形に形成された第1円形凹部と、平面視で円形に形成された第2円形凹部と、が局部的に連通されて構成されており、前記連結板部は、平面視で円形に形成されて前記第1円形凹部に納まる第1円板部と、平面視で円形に形成されて前記第2円形凹部に納まる第2円板部と、が局部的に連結されて構成されている。
第6の態様に係る建物では、第1円形凹部と第1円板部とが、第2円形凹部と第2円板部とがそれぞれ平面視で相似した形状とされており、連結板部と凹部との接触面積を増やすことができる。
以上説明したように、第1の態様に係る建物では、建物の床部及び天井部の構成の複雑化を招くことなく、重量床衝撃音を低減することができるという優れた効果を有する。
第2の態様に係る建物では、マス部の床パネルに対する固定を当該床パネルの建物下方側の面にタッピングネジ等を螺入して行う構成と比し、マス部を強固に固定することができるという優れた効果を有する。
第3の態様に係る建物では、建物の上階側の床部の遮音性の確保と施工性の確保との両立を図ることができるという優れた効果を有する。
第4の態様に係る建物では、制振装置によって建物の上階側の床部の振動を吸収し、より重量床衝撃音を低減することができるという優れた効果を有する。
第5の態様に係る建物では、制振装置の取付作業を簡略化することができるという優れた効果を有する。
第6の態様に係る建物では、締結部材の頭部を凹部に安定した状態で着座させることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の実施形態に係る建物10の一例について説明する。
まず、本実施形態に係る「建物10」の全体構造について説明する。図2に示されるように、本実施形態に係る建物10は、基礎12、建物の下階としての「一階部分14」、建物の上階としての「二階部分16」及び図示しない屋根部分を含んで、二階建住宅として構成されている。
この建物10は、鉄骨軸組み工法により構築されており、当該建物10の躯体18は、柱20、22及び梁材としての「梁24」を含んで構成されている。詳しくは、柱20は、基礎12上に所定の間隔で立設されると共に、一階部分14を構成している。また、梁24は、柱20の上部20A同士に架け渡されると共に当該上部20Aに支持されており、当該梁24上には、二階部分16を構成する柱22が所定の間隔で立設されている。
柱20は、建物上下方向に延在する四角筒状の本体部20Bと、平面視で矩形の板状とされると共に当該柱20の上部20A及び下部20Cに溶接等の接合手段で接合された図示しないベースプレートとを含んで構成されている。また、ベースプレートの長手方向両端部における中央部には、挿通孔が形成されており、当該ベースプレートの四隅には雌ねじ部が形成されている。
上記のように構成された柱20は、その建物下方側の部分が基礎12上に載置されると共に、その建物上方側の部分で梁24を支持している。詳しくは、柱20のベースプレートの挿通孔に基礎12から建物上方側に突出された図示しないアンカーボルトが挿通されると共に、当該アンカーボルトに建物上方側からナットが二つ螺合されること(ダブルナット)により基礎12に取り付けられている。
一方、梁24は、図1にも示されるように、I型鋼で構成されると共に、その建物上方側を構成する上側フランジ部24Aと、その建物下方側を構成する下側フランジ部24Bと、上側フランジ部24Aと下側フランジ部24Bとを繋ぐウェブ部24Cとを備えている。なお、ウェブ部24Cには、図示しない円形の貫通孔が梁24の長手方向に適宜形成されている。また、上側フランジ部24A及び下側フランジ部24Bには、梁24の短手方向に間隔をあけて当該梁24の長手方向に延びる二本の直線上に所定のピッチで図示しない挿通孔が形成されている。
上記のように構成された梁24は、柱20の上部20Aに対して、下側フランジ部24Bの挿通孔と柱20の建物上方側のベースプレートの雌ねじ部とが位置合わせされた状態で配置されている。そして、ベースプレートの建物上方側から図示しないボルトが雌ねじ部に螺合されることで、梁24が柱20に取り付けられている。なお、二階部分16を構成する柱22は、柱20と同様の構成とされており、梁24の上側フランジ部24Aの建物上方側に載置されて、柱20と同様に梁24に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、梁24に支持された一階部分14の「天井部26」及び二階部分16の「床部28」の構成に特徴がある。以下、本実施形態の要部である建物10の天井部26及び床部28の構成について詳細に説明する。
まず、天井部26の構成について説明する。図1に示されるように、天井部26は、梁24の建物下方側に配置されると共に、野縁受30、野縁32及び「天井材34」を含んで構成されている。野縁受30は、梁24の長手方向と直交する方向に延在しており、その長手方向から見た断面形状がコ字状とされた鋼材で構成されている。この野縁受30は、梁24や当該梁24の長手方向と直交する方向に延在する梁36(図6参照)に、図示しない吊ボルト等の取付部材によって取り付けられて、梁24の建物下方側に配置されている。
野縁32は、野縁受30の長手方向と直交する方向、すなわち梁24の長手方向に延在しており、その長手方向から見た断面形状が建物上方側が開放されたコ字状とされた鋼材で構成されている。この野縁32は、野縁受30の建物下方側に当該野縁受30の長手方向に複数本配置されると共に、図示しない取付部材によって当該野縁受30に取り付けられている。そして、野縁32の建物下方側すなわち梁24の建物下方側には、天井材34が配置されている。
天井材34は、平面視で矩形の板状に形成された石膏ボードで構成されており、野縁32の長手方向に沿って複数枚敷設されると共に、建物上下方向に複数枚(本実施形態では2枚)重ねられている。そして、天井材34は、図示しないネイル等の取付部材によって野縁32に取り付けられている。なお、天井材34の仕上げ面には、図示しない仕上げ用の天井クロスが張られている。
一方、床部28は、図3にも示されるように、「床パネル38」、「遮音マット40」、合板41、パーチクルボード42及びフローリング44を含んで構成されている。床パネル38は、軽量気泡コンクリート(ALC)で構成されると共に、平面視で矩形の板状に形成されている。この床パネル38は、その長手方向を梁24の長手方向と直交する方向(梁36の長手方向)とされて、梁24の上側フランジ部24Aの建物上方側の面に当該梁24の長手方向に沿って所定枚数敷設されている。そして、床パネル38は、図示しない取付部材によって、梁24や梁36に取り付けられている。なお、この床パネル38には、後述するように一対の「挿通部46」及び「凹部48」が形成されている。
遮音マット40は、床パネル38の建物上方側の面に当該床パネル38の長手方向及び短手方向に沿って複数枚敷設されると共に、図示しない接着剤等による接合部によって当該床パネル38に張り付けられている。そして、遮音マット40の建物上方側に、合板41、パーチクルボード42及びフローリング44が建物上下方向にこの順に重ねられて敷設されることで床部28が構成されている。なお、図2には図示していないが、二階部分16の一部を構成する部屋50の間仕切壁52は、梁24の建物上方側に床部28を介した状態で立設されている。
そして、図6に示されるように、床パネル38の建物下方側には、複数の「制振装置54」が取り付けられている。この制振装置54は、図3及び図4にも示されるように、「板ばね部56」、「マス部58」及び「減衰体60」を含んで構成されている。
板ばね部56は、その上面を構成する上壁部56Aと、その側面を構成する一対の側壁部56Bと、当該側壁部56Bの建物下方側の周縁部に連続して設けられた一対のフランジ部56Cとを含んで、鋼製の板材がプレス加工されることで構成されている。
より詳しくは、上壁部56Aは、平面視で矩形状に構成されており、その長手方向に延在する周縁部からは、建物下方側に側壁部56Bが延出されている。また、側壁部56Bの建物下方側の周縁部からは、上壁部56Aの短手方向でかつ当該上壁部56Aと反対側にフランジ部56Cが延出されている。つまり、板ばね部56は、その長手方向から見た断面視で建物下方側が開放されたハット状に形成されている。
図3に詳しく示されるように、板ばね部56は、その長手方向の「他端部56D」から「一端部56E」への所定の長さの範囲では、そのフランジ部56Cの板厚方向の寸法(以下、高さ寸法Hと称する)が、一定とされており、この部分が床パネル38に取り付けられている。なお、以下では、この部分を基部56Fと称することとする。また、板ばね部56における基部56Fから一端部56Eへの所定の長さの範囲では、高さ寸法Hが基部56Fから一端部56Eに向かうにしたがって小さくなっている。なお、以下では、この部分を傾斜部56Gと称することとする。そして、板ばね部56における傾斜部56Gより一端部56E側の範囲では、高さ寸法Hが一定とされており、この部分の先端部にはマス部58及び減衰体60が取り付けられている。なお、以下では、この部分を取付部56Hと称することとする。
ところで、板ばね部56の側壁部56B同士の間隔は、当該板ばね部56の一端部56Eから他端部56D間において、略一定とされている。つまり、板ばね部56におけるその長手方向から見た断面の断面二次モーメントIは、基部56Fでは一定とされており、傾斜部56Gでは他端部56Dから一端部56Eに向かうにつれて小さくなっており、取付部56Hでは基部56Fよりも小さい値で一定とされている。そして、取付部56H側を構成する上壁部56Aの一端部56E側には、減衰体60を取り付けるための貫通孔62が形成されている。また、基部56F側を構成する上壁部56Aの他端部56D側には、板ばね部56の長手方向に所定の間隔をあけて当該板ばね部56を床パネル38に取り付けるための一対の「挿通孔64」が形成されている。さらに、フランジ部56Cの一端部56E側には、マス部58を取り付けるための図示しない挿通孔が形成されている。
マス部58は、鉄製とされると共に、平面視で円形の円柱状又は円板状に形成されており、当該マス部58の建物上方側の面には、板ばね部56のフランジ部56Cの挿通孔に対応する一対の図示しない雌ねじ部が形成されている。そして、マス部58は、その建物上方側の面がフランジ部56Cの建物下方側の面に当接された状態で、ボルト66(取付部材)がフランジ部56C側から当該マス部58の雌ねじ部に螺合されることで、板ばね部56に取り付けられている。つまり、マス部58は、板ばね部56の一端部56E側の建物下方側に支持されている。
減衰体60は、円錐台状の本体部60Aと、当該本体部60Aにおける大径側の底面の中央に当該本体部60Aと一体に設けられた係止部60Bとを含んで、弾性を有するゴム材で構成されている。そして、減衰体60は、本体部60Aの大径側の底面が板ばね部56の上壁部56Aに当接された状態で、係止部60Bが上壁部56Aの貫通孔62に係止されることで、板ばね部56に取り付けられている。つまり、減衰体60は、板ばね部56の一端部56E側の建物上方側に取り付けられている。そして、上記のように構成された制振装置54は、床パネル38に形成された挿通部46及び凹部48に「締結部材68」で固定されている。
図5及び図6にも示されるように、挿通部46及び凹部48は、一対の挿通部46と一つの凹部48とで組とされて、床パネル38の振動の腹となる部分(本実施形態では、床パネル38の中央部)に三組配設されている。
凹部48は、「第1円形凹部48A」と「第2円形凹部48B」とを含んで構成されており、第1円形凹部48A及び第2円形凹部48Bは、それぞれ座掘りドリル等によって床パネル38が、その建物上方側の面から平面視で同径の円状に座掘りされて形成されている。また、第1円形凹部48Aと第2円形凹部48Bとの平面視における中心間の距離は、これらの直径よりも短い距離に設定されており、第1円形凹部48Aと第2円形凹部48Bとは、局部的に連通された状態となっている。
一方、挿通部46は、第1円形凹部48A及び第2円形凹部48Bのそれぞれの底壁部における中心部がドリル等によって建物上下方向に貫通されて形成されている。つまり、第1円形凹部48Aに対応する挿通部46は当該第1円形凹部48Aと、第2円形凹部48Bに対応する挿通部46は当該第2円形凹部48Bと、それぞれ連続しかつ同軸上に形成されている。また、上述したように、第1円形凹部48Aと第2円形凹部48Bとは連通されているため、一対の挿通部46は、当該挿通部46の建物上方側で凹部48によって接続された状態となっている。
一方、締結部材68は、図5(A)及び図5(B)に示されるように、鋼製の板材で形成された「連結板部70」と二本のセレーションボルト72とが一体となって構成されている。詳しくは、連結板部70は、平面視で円形に形成された「第1円板部70A」と、平面視で当該第1円板部70Aと同径の円形に形成された「第2円板部70B」とを含んで構成されている。
また、第1円板部70Aは第1円形凹部48Aに、第2円板部70Bは第2円形凹部48Bにそれぞれ納まる大きさとされると共に、第1円板部70A及び第2円板部70Bの中央部には、セレーションボルト72が取り付けられる図示しない貫通孔が形成されている。さらに、第1円板部70Aと第2円板部70Bとの平面視における中心間の距離は、これらの直径よりも短い距離に設定されており、第1円板部70Aと第2円板部70Bとは、局部的に連結された状態となっている。換言すれば、連結板部70は、平面視で瓢箪形状とされており、当該連結板部70が納まる凹部48も平面視で瓢箪形状とされている。なお、連結板部70における第1円板部70Aと第2円板部70Bとの境界部には、貫通孔74が形成されている。
一方、セレーションボルト72は、頭部72A、先端部側に雄ねじ部が形成された「軸部72B」及び当該頭部72Aと当該軸部72Bとの境界部に形成されたセレーション部72Cを含んで構成されている。そして、第1円板部70A及び第2円板部70Bの貫通孔のそれぞれに、セレーションボルト72のセレーション部72Cが、当該セレーションボルト72の頭部72Aが連結板部70に当接されるまで圧入されることで締結部材68が構成されている。つまり、締結部材68は、セレーションボルト72の頭部72Aと連結板部70とを含んで構成された「頭部68A」と一対の軸部72Bとを備えた構成とされている。なお、上述した挿通部46は、締結部材68の軸部72Bを挿通可能な形状とされている。
図3に戻り、制振装置54は、板ばね部56の他端部56D側、具体的には上壁部56Aにおける基部56Fを構成する部分が、床パネル38の振動の腹となる部分における建物下方側の面に当接された状態で配置されている。そして、締結部材68の軸部72Bが床パネル38の挿通部46及び板ばね部56の挿通孔64に挿通されると共に、締結部材68の頭部68Aが床パネル38の凹部48に着座された状態で当該軸部72Bに建物下方側から被締結部材としての「ナット76」が螺合されている。これにより、制振装置54が床パネル38に取り付けられている。なお、制振装置54のマス部58を中心として見ると、当該マス部58は、板ばね部56を介して床パネル38の振動の腹側の部分に対して固定されていると捉えることができる。また、制振装置54が床パネル38に取り付けられた状態において、減衰体60の上面は、当該床パネル38の建物下方側の面に当接されている。
さらに、図6に示されるように、制振装置54は、それぞれ板ばね部56の他端部56D側を床パネル38の中央部側とされると共に、板ばね部56の一端部56E側を床パネル38の長手方向の端部側とされて配置されている。さらに、制振装置54を3つ合わせた重量は、床パネル38の重量の17%程度に設定されている。なお、制振装置54は、平面視で、その長手方向の中心線が床パネル38の長手方向の中心線と平行になるように配置されているが、床パネル38の形状等に応じて、その中心線が床パネル38の中心線に対して傾くように配置されていてもよい。
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、軽量気泡コンクリート製の床パネル38で建物10の二階部分16における床部28の一部が構成されており、当該床パネル38は当該床部28を支持する梁24の建物上方側の面に配置されている。一方、二階部分16と建物上下方向に隣接した一階部分14における天井部26は、その一部が石膏ボード製の天井材34で構成されており、当該天井材34は二階部分16の床部28を支持する梁24の建物下方側に配置されている。このため、本実施形態では、建物10の二階部分16の床部28上に物が落ちたり、床部28上を人が動いたときに発生する重量床衝撃音が建物10の一階部分14に伝達することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、床パネル38の建物下方側にマス部58が配置されており、当該マス部58は当該床パネルの振動の腹側の部分に対して固定されている。これにより、建物10の二階部分16の床部28上に物が落ちたり、床部28上を人が動いたときに床パネル38に発生する振動を抑制することができ、ひいては重量床衝撃音の発生を抑制することができる。したがって、本実施形態では、建物10の床部28及び天井部26の構成の複雑化を招くことなく、重量床衝撃音を低減することができる。
また、本実施形態では、マス部58の固定に用いられる締結部材68の軸部72Bが、床パネル38の挿通部46に建物上方側から挿通される。一方、この締結部材68の頭部68Aは、床パネル38の凹部48に納まると共に建物上方側から当該凹部48に着座される。そして、この締結部材68の軸部72Bに床パネル38の建物下方側からナット76が締結されることでマス部58を床パネル38に対して固定することができる。このため、本実施形態では、マス部58の床パネル38に対する固定を当該床パネル38の建物下方側の面にタッピングネジ等を螺入して行う構成と比し、マス部58を強固に固定することができる。
また、本実施形態では、床パネル38の建物上方側の面に遮音マット40を敷設することで、建物10の二階部分16の一階部分14に対する遮音性を高めることができる。さらに、遮音マット40によって、床パネル38の凹部48が建物上方側から覆われるため、建物10の二階部分16の床部28にフローリング44等を敷設するときの施工性を確保することができる。このため、本実施形態では、建物10の二階部分16の床部28の遮音性の確保と施工性の確保との両立を図ることができる。
また、本実施形態では、マス部58、板ばね部56及び減衰体60を含んで制振装置54が構成されており、板ばね部56は、その一端部56E側の建物下方側でマス部58を支持すると共に、その他端部56D側が締結部材68で床パネル38の振動の腹となる部分における建物下方側の面に支持されている。このため、建物10の二階部分16の床部28上に物が落ちたり、床部28上を人が動いたときには、板ばね部56はその一端部56E側を自由端とされると共にその他端部56D側を固定端とされた状態で振動し、それに伴いマス部58も当該他端部56D側を中心として変位する。つまり、建物10の二階部分16の床部28上に物が落ちたり、床部28上を人が動いたときに発生したエネルギーは、板ばね部56の振動エネルギー及びマス部58の運動エネルギーに変換される。そして、板ばね部56の振動エネルギー及びマス部58の運動エネルギーは、板ばね部56の一端部56E側における建物上方側に取り付けられた減衰体60が床パネル38に当接されることで減衰される。したがって、本実施形態では、制振装置54によって建物10の二階部分16の床部28の振動を吸収し、より重量床衝撃音を低減することができる。
また、本実施形態では、締結部材68の一対の軸部72Bが建物上方側から、床パネル38の一対の挿通部46及び板ばね部56の一対の挿通孔64に挿通されている。
ところで、締結部材68の一対の軸部72Bがそれぞれ別部材とされている場合には、当該軸部72Bにナット76を締結させるときに、当該軸部72B及び当該ナット76が共廻りすることが考えられる。そして、軸部72B及びナット76の共廻りを抑制するためには、締結作業時に軸部72Bを床パネル38の建物上方側から支持することが必要になる。
ここで、本実施形態では、締結部材68の頭部68Aが一対の軸部72Bの建物上方側の部分同士を連結する連結板部70を含んで構成されると共に、床パネル38の凹部48が一対の挿通部46を当該挿通部46の建物上方側で接続している。このため、一方の軸部72Bにナット76を締結させるときには、他方の軸部72Bが床パネル38から反力を受けることで当該軸部72B及び当該ナット76の共廻りが抑制される。したがって、本実施形態では、制振装置54の取付作業を簡略化することができる。
加えて、本実施形態では、第1円形凹部48Aと第1円板部70Aとが、第2円形凹部48Bと第2円板部70Bとがそれぞれ平面視で相似した形状とされており、連結板部70と凹部48との接触面積を増やすことができる。したがって、本実施形態では、締結部材68の頭部68Aを凹部48に安定した状態で着座させることができる。
<変形例>
次に、図7を用いて本実施形態の変形例について説明する。この変形例では、締結部材80が、連結板部70と二本の六角ボルト82とが一体となって構成されている。具体的には、締結部材80は、六角ボルト82の軸部82Aが連結板部70の貫通孔に挿通されると共に、当該六角ボルト82の頭部82Bが連結板部70に当接された状態で当該連結板部70に溶接等による接合部84で接合されることで構成されている。このような、構成によれば、建物10の施工時に用いられる六角ボルトを締結部材80の材料として流用することが可能となる。
次に、図7を用いて本実施形態の変形例について説明する。この変形例では、締結部材80が、連結板部70と二本の六角ボルト82とが一体となって構成されている。具体的には、締結部材80は、六角ボルト82の軸部82Aが連結板部70の貫通孔に挿通されると共に、当該六角ボルト82の頭部82Bが連結板部70に当接された状態で当該連結板部70に溶接等による接合部84で接合されることで構成されている。このような、構成によれば、建物10の施工時に用いられる六角ボルトを締結部材80の材料として流用することが可能となる。
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、床パネル38に制振装置54を配置したが、当該床パネル38にマス部58のみを取り付ける構成としてもよい。一例として、床パネル38の振動の腹となる部分に、平面視で円形の凹部及び当該凹部と連続する挿通部46を設けると共に、マス部58の中央部に挿通部を設け、締結部材等でマス部58を床パネル38に取り付ける構成としてもよい。なお、床パネル38に配置されるマス部58の個数や配置箇所は、床パネル38の重量や想定される振動モードに応じて適宜設定される。これは、上述した実施形態における制振装置54についても同様である。
(1) 上述した実施形態では、床パネル38に制振装置54を配置したが、当該床パネル38にマス部58のみを取り付ける構成としてもよい。一例として、床パネル38の振動の腹となる部分に、平面視で円形の凹部及び当該凹部と連続する挿通部46を設けると共に、マス部58の中央部に挿通部を設け、締結部材等でマス部58を床パネル38に取り付ける構成としてもよい。なお、床パネル38に配置されるマス部58の個数や配置箇所は、床パネル38の重量や想定される振動モードに応じて適宜設定される。これは、上述した実施形態における制振装置54についても同様である。
(2) また、上述した実施形態では、凹部48が第1円形凹部48Aと第2円形凹部48Bとが直接連通された形状とされていたが、これに限らない。すなわち、第1円形凹部48A及び第2円形凹部48Bを縮径して形成すると共に、これらを溝部で連通させる構成としてもよい。換言すれば、凹部48を平面視で鉄アレイ形状とする構成として、連結板部70の形状もこれに対応した形状とさせる構成も取り得る。さらに、凹部48を平面視で矩形状に形成して一対の挿通部46を当該挿通部46の建物上方側で接続する構成としてもよい。また、この場合には、連結板部70は凹部48の形状に合わせて、平面視で矩形の板状等に形成される。
10 建物
14 一階部分(建物の下階)
16 二階部分(建物の上階)
24 梁(梁材)
26 天井部
28 床部
34 天井材
38 床パネル
40 遮音マット
46 挿通部
48 凹部
48A 第1円形凹部
48B 第2円形凹部
54 制振装置
56 板ばね部
56D 他端部
56E 一端部
58 マス部
60 減衰体
64 挿通孔
68 締結部材
68A 頭部
70 連結板部
70A 第1円板部
70B 第2円板部
72B 軸部
76 ナット(被締結部材)
80 締結部材
82A 軸部
14 一階部分(建物の下階)
16 二階部分(建物の上階)
24 梁(梁材)
26 天井部
28 床部
34 天井材
38 床パネル
40 遮音マット
46 挿通部
48 凹部
48A 第1円形凹部
48B 第2円形凹部
54 制振装置
56 板ばね部
56D 他端部
56E 一端部
58 マス部
60 減衰体
64 挿通孔
68 締結部材
68A 頭部
70 連結板部
70A 第1円板部
70B 第2円板部
72B 軸部
76 ナット(被締結部材)
80 締結部材
82A 軸部
Claims (6)
- 建物の上階における床部の一部を構成すると共に、当該床部を支持する梁材の建物上方側の面に配置された軽量気泡コンクリート製の床パネルと、
前記上階と建物上下方向に隣接した前記建物の下階における天井部の一部を構成すると共に、前記梁材の建物下方側に配置された石膏ボード製の天井材と、
前記床パネルの振動の腹側の部分に対して固定されていると共に当該床パネルの建物下方側に配置されたマス部と、
を有する建物。 - 前記床パネルには、前記マス部を当該床パネルに対して固定する締結部材の軸部を挿通可能な挿通部と、当該挿通部の建物上方側に当該挿通部と連続して設けられて当該締結部材の頭部が納まると共に当該頭部が建物上方側から着座可能な凹部と、が設けられている、
請求項1記載の建物。 - 前記床パネルの建物上方側の面には、遮音マットが敷設されている、
請求項2に記載の建物。 - 前記マス部と、当該マス部を一端部側の建物下方側で支持しかつ他端部側が前記締結部材で前記床パネルの振動の腹となる部分における建物下方側の面に支持された板ばね部と、当該一端部側における建物上方側に取り付けられて当該床パネルに当接された減衰体と、を含んで構成された制振装置を備えている、
請求項2又は請求項3に記載の建物。 - 前記締結部材は、一対の前記軸部を備えると共に、前記頭部は当該軸部の建物上方側の部分同士を連結する連結板部を含んで構成されており、
前記凹部は、一対の前記軸部がそれぞれ挿通されている一対の前記挿通部を当該挿通部の建物上方側で接続しており、
前記板ばね部の前記他端部には、一対の前記軸部が挿通されている一対の挿通孔が形成されている、
請求項4に記載の建物。 - 前記凹部は、平面視で円形に形成された第1円形凹部と、平面視で円形に形成された第2円形凹部と、が局部的に連通されて構成されており、
前記連結板部は、平面視で円形に形成されて前記第1円形凹部に納まる第1円板部と、平面視で円形に形成されて前記第2円形凹部に納まる第2円板部と、が局部的に連結されて構成されている、
請求項5に記載の建物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016037771A JP2017155437A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 建物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016037771A JP2017155437A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 建物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017155437A true JP2017155437A (ja) | 2017-09-07 |
Family
ID=59808252
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016037771A Withdrawn JP2017155437A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 建物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017155437A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023142147A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 住友理工株式会社 | 制振床構造およびその製造方法 |
-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016037771A patent/JP2017155437A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023142147A (ja) * | 2022-03-24 | 2023-10-05 | 住友理工株式会社 | 制振床構造およびその製造方法 |
| JP7763130B2 (ja) | 2022-03-24 | 2025-10-31 | 住友理工株式会社 | 制振床構造およびその製造方法 |
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| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20171109 |