JP2017155608A - 車両の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の暖機の促進機能を十分に発揮しつつ、機関内冷却水通路の水温と水温センサによって検出される初期水温との相関を高める車両の冷却装置を提供する。【解決手段】車両の冷却装置は、内燃機関の運転が開始された時から電動ポンプを駆動させる通水処理を開始して機関外冷却水通路から機関内冷却水通路に冷却水を供給する(S201)。供給された冷却水の量が所定量Waに達すると電動ポンプの運転を停止する(S202,203)。このときの冷却水の水温を利用して暖機判定を行う(S204〜206)。内燃機関の暖機完了後に電動ポンプの運転を再開する(S207)。所定量Waは、機関内冷却水通路のヘッド側ウォータジャケットと機関外冷却水通路における一端から水温センサが設けられている検出位置までの領域Rとの容量を加算した第1容量を下限とし、機関内冷却水通路全体と前記領域Rとの容量を加算した第2容量を上限とする。【選択図】図2
Description
本発明は、車両の冷却装置に関する。
車両には、該車両の各部を冷却するための冷却装置が設けられている。冷却装置は、シリンダブロック及びシリンダヘッドからなる機関本体を冷却する機関内冷却水通路を有している。機関内冷却水通路は、シリンダブロックに形成されたブロック側ウォータジャケットとシリンダヘッドに形成されたヘッド側ウォータジャケットとを有する。ブロック側ウォータジャケットとヘッド側ウォータジャケットとは、機関本体の内部で連通している。機関内冷却水通路のヘッド側ウォータジャケットの出口には、機関外冷却水通路の一端が接続されている。機関外冷却水通路の他端は、機関内冷却水通路のブロック側ウォータジャケットの入口に接続されている。機関外冷却水通路には、電動ポンプが設けられている。電動ポンプが駆動されると、機関外冷却水通路から機関内冷却水通路のブロック側ウォータジャケットに冷却水が供給される。ブロック側ウォータジャケットに供給された冷却水はヘッド側ウォータジャケットに流れ、ヘッド側ウォータジャケットに流れた冷却水は機関外冷却水通路に排出される。機関外冷却水通路に排出された冷却水は該通路を通じて再びブロック側ウォータジャケットに供給される。機関外冷却水通路には、冷却水の温度を検出する水温センサも設けられている。
車両の冷却装置では、内燃機関を早期に暖機させるため、内燃機関の運転が開始された時に電動ポンプの運転を停止して機関内冷却水通路への冷却水の供給を停止する。そして、内燃機関の暖機が完了すると、電動ポンプの運転を開始して機関外冷却水通路から機関内冷却水通路へ冷却水を供給する。内燃機関の暖機が完了したか否かの暖機判定は、水温センサにより検出された冷却水の水温と内燃機関の発熱量とから算出された機関内冷却水通路の推定水温に基づいて行われる。この推定水温が基準温度に達すると、暖機が完了したと判定する。内燃機関の停止時には、機関本体の熱により、機関内冷却水通路の冷却水の温度が上昇することがある。機関内冷却水通路の冷却水の温度が相応に上昇したままの状態で内燃機関の運転が開始されたときには、機関内冷却水通路と水温センサが設けられている機関外冷却水通路とで冷却水の温度に差が生じることがある。このように温度差が生じている場合に、水温センサによって検出された水温を用いて暖機判定を行うとすると、暖機判定の精度が満足できるものにはなり難い。
特許文献1に記載の車両の冷却装置は、内燃機関の運転が開始された時から電動ポンプの運転を開始して機関内冷却水通路に冷却水を供給する。機関本体の熱により機関内冷却水通路の冷却水の温度が高くなっていて、機関外冷却水通路の冷却水とで温度差が生じていることもある。この場合には、冷却水の流動に伴い、水温センサによって検出される冷却水の温度が変動する。冷却水の流動が継続されると、次第に機関内冷却水通路の高温の冷却水と機関外冷却水通路の低温の冷却水とが混ざって温度の変動が収まっていく。この車両の冷却装置は、冷却水の温度の変動幅が基準値以下になったときに電動ポンプの運転を停止し、暖機判定に用いられる冷却水の水温を検出する。これにより、内燃機関の運転が開始された後、機関内冷却水通路と機関外冷却水通路との冷却水の温度差を低減した状態で暖機判定を行う。
特許文献1に記載の車両の冷却装置は、冷却水の温度の変動幅が所定値以下になるまで冷却水の循環を繰り返さなければならない。そのため、冷却装置において電動ポンプの運転を停止するまでに相応の時間を要することもある。そのため、内燃機関を早期に暖機させる機能を十分に得られなくなるおそれもある。
上記課題を解決するための車両の冷却装置は、シリンダブロック及びシリンダヘッドからなる機関本体を冷却する冷却水通路であって、前記シリンダブロックに形成されたブロック側ウォータジャケット、及び前記シリンダヘッドに形成されて前記ブロック側ウォータジャケットから冷却水が供給されるヘッド側ウォータジャケットを有する機関内冷却水通路と、前記ヘッド側ウォータジャケットの出口に一端が接続されているとともに前記ブロック側ウォータジャケットの入口に他端が接続されており、前記ヘッド側ウォータジャケットから排出された冷却水を前記ブロック側ウォータジャケットに供給する機関外冷却水通路と、前記機関外冷却水通路に設けられ、冷却水の温度を検出する水温センサと、前記機関外冷却水通路に設けられ、該機関外冷却水通路から前記機関内冷却水通路に冷却水を供給するポンプと、前記ポンプを制御する制御部と、前記水温センサによって検出された冷却水の水温に基づいて内燃機関の暖機が完了したか否かの暖機判定を行う暖機判定部とを備え、前記制御部は、内燃機関の運転が開始された時から前記ポンプを運転させる通水処理を開始するとともに、前記機関外冷却水通路から前記機関内冷却水通路に供給された冷却水の供給量が所定量に達すると前記ポンプの運転を停止して前記通水処理を停止し、その後、前記暖機判定部によって前記内燃機関の暖機が完了したと判定されたときに前記ポンプの運転を再開するものであり、前記暖機判定部は、前記ポンプの運転が停止されたときの冷却水の温度を利用して前記暖機判定を行い、前記所定量は、前記ヘッド側ウォータジャケットの容量と前記機関外冷却水通路における前記一端から前記水温センサが設けられている検出位置までの容量とを加算した第1容量が下限であり、前記機関内冷却水通路全体の容量と前記機関外冷却水通路における前記一端から前記検出位置までの容量とを加算した第2容量が上限であり、前記機関外冷却水通路において前記通水処理中に冷却水が流れる部分の容量は、前記第2容量以上である。
上記構成では、内燃機関の運転が開始された時からポンプを運転させる通水処理を開始して、機関外冷却水通路から機関内冷却水通路に所定量の冷却水を供給する。これにより、冷却装置では、機関本体内の機関内冷却水通路に留まっていた冷却水が機関外冷却水通路に排出される。機関内冷却水通路の冷却水がこうして入れ替わると、ポンプの運転が停止され、冷却水の流動が停止する。内燃機関の運転が開始された時には、シリンダヘッドに留まっていた冷却水が比較的高温になっている場合があるだけでなく、機関本体のシリンダヘッドからの受熱による冷却水の温度上昇も発生しやすい。ヘッド側ウォータジャケットの容量と機関外冷却水通路における前記一端から前記検出位置までの容量とを加算した第1容量分の冷却水を流動させることにより、ヘッド側ウォータジャケットから比較的高温の冷却水を排出させるとともに、ブロック側ウォータジャケットに留まっていた冷却水をヘッド側ウォータジャケット及び水温センサまで流すことができる。これにより、水温センサによって検出される冷却水の温度とヘッド側ウォータジャケットの冷却水の温度との相関を高めることができる。また、機関内冷却水通路全体の容量と機関外冷却水通路における前記一端から前記検出位置までの容量とを加算した第2容量分の冷却水を流動させるようにすれば、機関外冷却水通路から機関内冷却水通路に供給された冷却水を水温センサまで流すことができる。機関外冷却水通路において前記通水処理中に冷却水が流動する部分の容量は第2容量以上であることから、通水処理によって機関内冷却水通路から機関外冷却水通路に排出された冷却水は再度機関内冷却水通路に戻されることもない。そのため、機関内冷却水通路の冷却水を全て入れ替えつつ、水温センサによって検出される冷却水の温度と機関内冷却水通路全体の冷却水の温度との相関を高めることができる。
このように上記構成では、内燃機関の運転が開始されたときに必要以上に冷却水を流動させることを抑えつつ、水温センサによって検出される冷却水の温度と機関内冷却水通路の冷却水の温度との相関を高めることができる。したがって、内燃機関の暖機の促進機能を十分に発揮させることを可能にしつつ、機関内冷却水通路の冷却水温度と、水温センサによって検出される初期水温との相関を高めて暖機判定の精度を向上させることもできる。
車両の冷却装置の一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、車両の冷却装置は、機関内冷却水通路10と、該機関内冷却水通路10に接続された機関外冷却水通路20と、機関外冷却水通路20から分岐して設けられている分岐通路40とを有している。機関内冷却水通路10は、シリンダブロック101及びシリンダヘッド102によって構成されている機関本体100を冷却する冷却水通路である。機関内冷却水通路10は、シリンダブロック101に形成されたブロック側ウォータジャケット11と、シリンダヘッド102に形成されたヘッド側ウォータジャケット12とからなる。ブロック側ウォータジャケット11とヘッド側ウォータジャケット12とは機関本体100の内部で連通している。
図1に示すように、車両の冷却装置は、機関内冷却水通路10と、該機関内冷却水通路10に接続された機関外冷却水通路20と、機関外冷却水通路20から分岐して設けられている分岐通路40とを有している。機関内冷却水通路10は、シリンダブロック101及びシリンダヘッド102によって構成されている機関本体100を冷却する冷却水通路である。機関内冷却水通路10は、シリンダブロック101に形成されたブロック側ウォータジャケット11と、シリンダヘッド102に形成されたヘッド側ウォータジャケット12とからなる。ブロック側ウォータジャケット11とヘッド側ウォータジャケット12とは機関本体100の内部で連通している。
機関外冷却水通路20は、機関内冷却水通路10のヘッド側ウォータジャケット12の出口に接続されている排出主通路21と、機関内冷却水通路10のブロック側ウォータジャケット11の入口に接続されている供給主通路22とを有している。排出主通路21には、冷却水の温度を検出する水温センサ23が設けられている。排出主通路21には、EGR経路24、及びヒータ経路25からなる2つの冷却経路が接続されている。
EGR経路24には、EGRクーラ24A、切替弁冷却部24B、及び制御弁冷却部24Cが設けられている。EGRクーラ24Aは、内燃機関の排気の一部をEGRガスとして吸気通路に戻すEGR通路に配設されている。EGRクーラ24Aは、EGRガスと冷却水との熱交換によって該EGRガスの温度を調節する。切替弁冷却部24Bは、EGR通路におけるEGRガスの流れを、EGRクーラ24Aを経由した流れとEGRクーラ24Aを迂回した流れとに切り替えるEGR通路切替弁(図示略)をその冷却対象としている。切替弁冷却部24Bに冷却水が供給されると、該冷却水との熱交換によりEGR通路切替弁が冷却される。制御弁冷却部24Cは、EGR通路を流れるEGRガスの量を制御するEGR制御弁(図示略)をその冷却対象としている。制御弁冷却部24Cに冷却水が供給されると、該冷却水との熱交換によりEGR制御弁が冷却される。
ヒータ経路25は、2つに分岐しており、第1通路26及び第2通路27を有している。第1通路26には、冷却水の流量を制御する第1電磁弁26Aが設けられている。第1電磁弁26Aよりも下流側には、ヒータコア26Bが設けられている。ヒータコア26Bは、車両の車室内を暖房する際に、冷却水の熱によって車室内に送風される空気を温める熱交換器である。第2通路27には、冷却水の流量を制御する第2電磁弁27Aが設けられている。第2電磁弁27Aよりも下流側には、ATF(Automatic Transmission Fluid)ウォーマ27Bが設けられている。ATFウォーマ27Bは、冷却水の熱によって車両の変速機を潤滑するオイルを温める熱交換器である。第1通路26におけるヒータコア26Bよりも下流側の部分と、第2通路27におけるATFウォーマ27Bよりも下流側の部分とは合流している。更に、ヒータ経路25とEGR経路24とは下流側で合流し、合流通路28を構成している。合流通路28は、供給主通路22の一端部に設けられているサーモスタット30に接続されている。
機関外冷却水通路20の排出主通路21におけるヘッド側ウォータジャケット12に接続されている一端からEGR経路24及びヒータ経路25が接続されている他端までの間には、分岐通路40の一端が接続されている。分岐通路40の他端は、供給主通路22のサーモスタット30に接続されている。分岐通路40には、ラジエータ41が設けられている。ラジエータ41において冷却水はその熱を大気に放出する。これにより、冷却水の温度が低下する。ラジエータ41には、リザーブタンク42が接続されている。リザーブタンク42には所定量の冷却水が貯留されており、その内部が気層と液層とで分離されている。冷却水の温度変化により冷却水の容積が変動したときには、リザーブタンク42とラジエータ41との間で冷却水が移動する。これにより、冷却装置における冷却水の不足や過度な圧力上昇が抑えられている。
供給主通路22に設けられているサーモスタット30は、内部の弁体の開度が冷却水の温度に応じて変化する感温式の制御弁である。サーモスタット30は、合流通路28と供給主通路22とを常に連通した状態にする一方、冷却水の温度に応じて分岐通路40と供給主通路22との連通状態を変更する。すなわち、冷却水の温度が所定温度よりも低いときには弁体が閉弁状態となり、分岐通路40と供給主通路22とを非連通状態にする。また、冷却水の温度が所定温度以上のときには弁体が開弁状態となり、分岐通路40と供給主通路22とを連通状態にする。なお、上記所定温度としては、例えば内燃機関の暖機が完了したときの冷却水の温度が設定されている。
供給主通路22には、モータにより駆動され、機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に冷却水を供給する電動ポンプ31も設けられている。電動ポンプ31の運転が開始されると、機関外冷却水通路20である供給主通路22から機関内冷却水通路10のブロック側ウォータジャケット11に冷却水が供給される。また、電動ポンプ31の駆動量に応じてブロック側ウォータジャケット11に供給される冷却水の量が変化する。ブロック側ウォータジャケット11に供給された冷却水はヘッド側ウォータジャケット12に流れ、ヘッド側ウォータジャケット12に流れた冷却水は機関外冷却水通路20である排出主通路21に排出される。内燃機関が長時間停止されていた状態から該内燃機関の運転が開始された時など、冷却水の温度が低くサーモスタット30が閉弁状態のときには、ヘッド側ウォータジャケット12から機関外冷却水通路20に排出された冷却水は、分岐通路40に流れず、EGR経路24及びヒータ経路25のみを通じて供給主通路22に流れる。一方で、内燃機関の暖機が完了した後など、冷却水の温度が高くサーモスタット30が開弁状態のときには、ヘッド側ウォータジャケット12から機関外冷却水通路20に排出された冷却水は、機関外冷却水通路20であるEGR経路24及びヒータ経路25に加え、分岐通路40を通じて供給主通路22に流れる。供給主通路22に流れた冷却水は、電動ポンプ31に吸引されて機関内冷却水通路10のブロック側ウォータジャケット11に再度供給される。このように、機関外冷却水通路20は、内燃機関の暖機完了前に、冷却水をヘッド側ウォータジャケット12から排出してブロック側ウォータジャケット11に流す一連の流れを構成する冷却水通路である。なお、ヒータ経路25を流れる冷却水の量は第1電磁弁26A及び第2電磁弁27Aの開度に応じて調節される。
車両の冷却装置には、制御装置50が設けられている。制御装置50には、水温センサ23からの出力信号が入力される。また、制御装置50には、車両に設けられている各種センサから出力された信号も入力される。各種センサとしては、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ60、内燃機関の機関回転速度を検出する回転速度センサ61、イグニッションスイッチ62、車室内の空調温度を設定する温度設定スイッチ63、及び車両の変速機の潤滑油の温度を検出する油温センサ64などがある。制御装置50は、温度設定スイッチ63の出力信号に基づいて第1電磁弁26Aの開度を制御し、油温センサ64の出力信号に基づいて第2電磁弁27Aの開度を制御する。すなわち、制御装置50は、温度設定スイッチ63の出力信号に基づいて車室内に送風される空気の目標温度を算出する。そして、冷却水の温度が外気の温度よりも高く、車室内に送風される空気を温めることができる場合には、前記目標温度まで上昇させるのに必要な量の冷却水が得られるように第1電磁弁26Aの開度を調節し、ヒータコア26Bに供給される冷却水の量を調節する。車室内を暖房する必要がないときや冷却水の温度が低いときには、第1電磁弁26Aは全閉状態になる。また、制御装置50は、油温センサ64の出力信号に基づいて、変速機の潤滑油の温度調節を行う。例えば、潤滑油の目標温度よりも該潤滑油の検出温度が高いときには、冷却水を供給して潤滑油を冷却する。このとき、第2電磁弁27Aの開度は、検出温度が目標温度よりも高いときほど大きくなるように設定される。また、冷却水の温度が潤滑油の温度よりも高いときには、冷却水を供給することにより潤滑油を温めることもある。
制御装置50は、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方で構成されている機能部として、電動ポンプ31を制御する制御部51と、内燃機関の暖機が完了したか否かの暖機判定を行う暖機判定部52を有している。制御装置50は、内燃機関の運転が開始された時に、制御部51及び暖機判定部52などによって、始動時暖機制御を実行する。
図2のフローチャートを参照して、制御装置50が実行する始動時暖機制御に係る一連の処理の流れについて説明する。制御装置50は、この一連の処理を所定周期毎に実行する。
図2に示すように、この一連の処理を実行すると、制御装置50はまず、イグニッションスイッチ62がオン操作されたか否かを判定する(ステップS200)。この処理において、イグニッションスイッチ62がオン操作されていないと判定したときには(ステップS200:NO)、内燃機関の運転が開始された時ではないため、以降の処理を行わずに、始動時暖機制御にかかる一連の処理を終了する。
一方、イグニッションスイッチ62がオン操作されたと判定したときには(ステップS200:YES)、次に、制御部51が電動ポンプ31の運転を開始する(ステップS201)。このように、内燃機関の運転が開始された時から電動ポンプ31を運転させる処理を通水処理という。電動ポンプ31の運転が開始されると、機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に冷却水が供給され、機関本体100内の機関内冷却水通路10に留まっていた冷却水が機関外冷却水通路20に排出される。制御部51は通水処理を開始すると、次に、該通水処理によって機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に供給された冷却水の供給量Wtが所定量Wa以上であるか否かを判定する(ステップS202)。冷却水の供給量Wtは、電動ポンプ31の駆動量とその運転時間とから求めることができる。この処理では、所定量として、機関内冷却水通路10の全体の容量と、排出主通路21におけるヘッド側ウォータジャケット12に接続されている一端から水温センサ23が設けられている検出位置までの領域Rの容量とを加算した容量である第2容量が設定されている。ステップS202の処理において、冷却水の供給量Wtが所定量Waに達していない場合には(ステップS202:NO)、次の処理に移行せず、ステップS202の処理を繰り返す。
その後、電動ポンプ31の運転を継続することにより冷却水の供給量Wtが増大し、冷却水の供給量Wtが所定量Waに達すると(ステップS202:YES)、すなわち、第2容量分の冷却水を機関内冷却水通路10に供給すると、制御部51は電動ポンプ31の運転を停止する(ステップS203)。これにより、通水処理が停止される。この通水処理により、内燃機関の停止時に機関本体100内に留まっていた冷却水は、機関外冷却水通路20に排出される。機関外冷却水通路20に排出された冷却水は、排出主通路21を通じて、EGR経路24、及びヒータ経路25の第1通路26及び第2通路27に流れる。機関外冷却水通路20において通水処理中に冷却水が流れる部分の容量は、前記第2容量以上に設定されている。すなわち、第1電磁弁26A及び第2電磁弁27Aを開弁し、機関外冷却水通路20全体に冷却水が流動しているときには、排出主通路21、EGR経路24、ヒータ経路25、合流通路28、及び供給主通路22の容量を全て加算した容量が第2容量よりも多くなるように、機関外冷却水通路20における流路径や流路長さが設定されている。そのため、通水処理によって機関内冷却水通路10から機関外冷却水通路20に排出された冷却水は、再度機関内冷却水通路10に戻されることはない。
冷却水の供給量Wtは、機関内冷却水通路10全体の容量よりも多い第2容量以上であるため、機関内冷却水通路10のブロック側ウォータジャケット11から供給された冷却水の一部は、該機関内冷却水通路10を通過して機関外冷却水通路20の水温センサ23まで流れる。暖機判定部52は、こうして冷却水を流動させた後の水温センサ23の出力信号に基づき冷却水の温度を取得する(ステップS204)。なお、以下では、ステップS204の処理において取得した冷却水の温度を初期水温とする。
暖機判定部52は、初期水温を取得すると、この初期水温、初期水温を取得してからの機関本体100の発熱量、及び機関本体100から機関内冷却水通路10への熱伝達率などに基づいて、機関内冷却水通路10の推定水温Tsを算出する(ステップS205)。機関本体100の発熱量は機関回転速度及びアクセル操作量に基づいて算出される燃料噴射量と相関する。そのため、例えば、燃料噴射量と発熱量との関係を示すマップを予め記憶し、算出された燃料噴射量とこのマップとに基づいて機関本体100の発熱量を算出する。また、機関本体100から機関内冷却水通路10への熱伝達率は予め実験やシミュレーションを行うことによって算出することができる。この算出された熱伝達率は予め制御装置50に記憶されている。暖機判定部52は、推定水温Tsを算出すると、次に、推定水温Tsが基準水温Ta以上であるか否かを判定する(ステップS206)。基準水温Taとしては、内燃機関の暖機完了時の機関内冷却水通路10の冷却水の温度が設定されている。ステップS206の処理において、推定水温Tsが基準水温Ta未満であると判定した場合には(ステップS206:NO)、内燃機関の暖機は未だ完了していないと判断できるため、次の処理には移行せず、ステップS205及びステップS206の処理を繰り返す。
その後、内燃機関の運転を開始してから相応の時間が経過し、初期水温を検出してからの機関本体100の発熱量が多くなると、推定水温Tsが基準水温Ta以上になる。これにより、ステップS206の処理において肯定判定される(ステップS206:YES)。暖機判定部52は、このステップS206の処理において肯定判定したことをもって内燃機関の暖機が完了したと判定する。暖機判定部52によって内燃機関の暖機が完了したと判定されると、制御部51は、電動ポンプ31の運転を再開する。この場合には、サーモスタット30は開弁状態になり、内燃機関の運転状態に応じて電動ポンプ31の駆動量を制御することにより分岐通路40やEGR経路24及びヒータ経路25を通じて機関内冷却水通路10に供給される冷却水の量が調節される。そうして、この始動時暖機制御に係る一連の処理を終了する。
本実施形態の車両の冷却装置の作用効果について説明する。
内燃機関の運転時には機関本体100の温度は高くなる。そのため、電動ポンプ31の運転が停止している内燃機関の停止中に、機関本体100に留まっている機関内冷却水通路10の冷却水は、該機関本体100からの受熱によって温度が高くなることもある。そのため、内燃機関の運転が開始された時には、機関内冷却水通路10と機関外冷却水通路20との冷却水とで温度差が生じていることもある。
内燃機関の運転時には機関本体100の温度は高くなる。そのため、電動ポンプ31の運転が停止している内燃機関の停止中に、機関本体100に留まっている機関内冷却水通路10の冷却水は、該機関本体100からの受熱によって温度が高くなることもある。そのため、内燃機関の運転が開始された時には、機関内冷却水通路10と機関外冷却水通路20との冷却水とで温度差が生じていることもある。
本実施形態では、内燃機関の運転が開始された時に始動時暖機制御を実行し、電動ポンプ31を運転させる通水処理を開始する。これにより機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に冷却水を供給する。そして、供給された冷却水の量が上記第2容量に達すると電動ポンプ31の運転を停止する。これにより、機関本体100内の機関内冷却水通路10に留まっていた冷却水が全て機関外冷却水通路20に排出され、該機関内冷却水通路10の冷却水が全て入れ替わるとともに、機関外冷却水通路20から機関本体100内の機関内冷却水通路10に供給された冷却水が水温センサ23まで流される。また、機関外冷却水通路20において通水処理中に冷却水が流れる部分の容量が第2容量以上であることから、この電動ポンプ31の運転によって機関内冷却水通路10から機関外冷却水通路20に排出された冷却水が再度機関内冷却水通路10に戻されることもない。水温センサ23まで流された冷却水及び機関内冷却水通路10に供給された冷却水は、内燃機関の運転が開始される前に機関外冷却水通路20に留まっていた低温の冷却水である。そのため、水温センサ23によって検出される冷却水の温度と機関内冷却水通路10の全体の冷却水温度との相関を高めて、これらの温度差が少ない状態になる。暖機判定部52は、電動ポンプ31の運転が停止され、上述したように水温センサ23によって検出される冷却水の温度と機関内冷却水通路10の全体の冷却水温度との相関が高いときの冷却水の水温(初期水温)を利用し、暖機判定を行う。
このように、本実施形態では、内燃機関の運転が開始された時から電動ポンプ31を運転させる通水処理を開始して、第2容量に達するまで機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に冷却水を流す。これにより、内燃機関の運転が開始された時において、機関内冷却水通路10と機関外冷却水通路20との冷却水とで温度差が生じている場合であっても、必要以上に冷却水を流動させることを抑えつつ、水温センサ23によって検出される冷却水の温度と機関内冷却水通路10の冷却水の温度との相関を高めることができる。そのため、電動ポンプ31の運転を可能な限り控えることができ、内燃機関の暖機の促進機能を十分に発揮させることが可能になる。また、機関内冷却水通路10の冷却水を全て入れ替えるとともに、機関外冷却水通路20から機関本体100内の機関内冷却水通路10に供給された冷却水を水温センサ23まで流すようにしている。そのため、機関内冷却水通路10の冷却水温度と、水温センサ23によって検出される初期水温との相関を高めて暖機判定の精度を向上させることもできる。
上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。
・上記実施形態では、始動時暖機制御において、冷却水の供給量Wtが第2容量に達するまで通水処理による電動ポンプ31の運転を継続するようにしていた。こうした構成に代えて、冷却水の供給量Wtが、ヘッド側ウォータジャケット12の容量と機関外冷却水通路20における領域Rの容量とを加算した第1容量に達するまで通水処理による電動ポンプ31の運転を継続するようにしてもよい。
・上記実施形態では、始動時暖機制御において、冷却水の供給量Wtが第2容量に達するまで通水処理による電動ポンプ31の運転を継続するようにしていた。こうした構成に代えて、冷却水の供給量Wtが、ヘッド側ウォータジャケット12の容量と機関外冷却水通路20における領域Rの容量とを加算した第1容量に達するまで通水処理による電動ポンプ31の運転を継続するようにしてもよい。
内燃機関の運転が開始された時には、シリンダヘッド102に留まっていた冷却水は比較的高温になっている場合があるだけでなく、機関本体100におけるシリンダヘッド102からの受熱による冷却水の温度上昇も発生しやすい。そのため、暖機判定に利用される冷却水の温度(初期水温)は、少なくともヘッド側ウォータジャケット12の温度と相関が高いことが望ましい。始動時暖機制御において、ヘッド側ウォータジャケット12の容量と機関外冷却水通路20における領域Rの容量とを加算した第1容量分の冷却水を流動させることにより、ヘッド側ウォータジャケット12から機関外冷却水通路20に比較的高温の冷却水を排出させる。そして、ブロック側ウォータジャケット11に留まっていた冷却水をヘッド側ウォータジャケット12及び水温センサ23まで流す。これにより、水温センサ23によって検出される冷却水の温度とヘッド側ウォータジャケット12の冷却水の温度との相関を高めることができる。したがって、この構成では、上記実施形態よりも機関内冷却水通路10に供給される冷却水の量を少なくして内燃機関の暖機の促進機能を十分に発揮させることを可能にしつつ、暖機判定に利用される初期水温とヘッド側ウォータジャケット12の冷却水の温度との相関を高めて暖機判定の精度を向上させることができる。
さらには、冷却水の供給量Wtが第1容量と第2容量との間の量を前記所定量に設定し、この設定した所定量に達するまで通水処理による電動ポンプ31の運転を継続するようにしてもよい。この場合には、前記所定量が少ないときほど早期に電動ポンプ31の運転を停止させることができ、前記所定量が多いときほど水温センサ23によって検出される初期水温と機関内冷却水通路10との相関を高めることができる。すなわち、前記所定量は、第1容量が下限であり、第2容量を上限とした範囲で任意に設定することができる。
・始動時暖機制御をイグニッションスイッチ62がオン操作される度に実行するようにしていたが、必ずしもオン操作の度に実行しなくてもよい。例えば、内燃機関が停止してから相応の時間が経過したときには、機関内冷却水通路10と機関外冷却水通路20とで冷却水の温度差が少なくなっている場合もある。こうした場合には、内燃機関の運転が開始された時に電動ポンプ31の運転を開始する必要はなく、内燃機関の運転が開始された時の冷却水の水温を用いて暖機判定を行った後に、電動ポンプ31の運転を開始するようにすればよい。なお、機関内冷却水通路10と機関外冷却水通路20とで冷却水の温度の差が少なくなっていることを判定するパラメータとしては、内燃機関の停止時間の他、例えば内燃機関が停止された時における機関本体100の熱量などを採用することができる。
・機関外冷却水通路20の構成は、上述したもの限られない。例えば、EGR経路24及びヒータ経路25のいずれか一方を省略してもよい。また、EGR経路24及びヒータ経路25に加えてまたは代えて、これらの冷却経路と異なる冷却経路を備えるようにしてもよい。こうした構成であっても、機関外冷却水通路20において通水処理中に冷却水が流れる部分の容量は、前記第2容量以上にする。
・始動時暖機制御において、電動ポンプ31の運転が停止されたときに、機関内冷却水通路10から排出された温度の高い冷却水が、ヒータ経路25のヒータコア26BやATFウォーマ27Bに留まった状態になるように、冷却水の供給量Wtを設定してもよいし、機関外冷却水通路20の流路構成を設計してもよい。こうした構成によれば、内燃機関の運転が開始された後、変速機の潤滑油の温度上昇や車室内の暖房を早期に実現しやすくなる。なお、この構成であっても、供給量Wtは、第1容量を下限とし第2容量を上限とした範囲で設定する。
・機関外冷却水通路20から機関内冷却水通路10に冷却水を供給するポンプは、上述した電動ポンプ31に限られない。例えば、内燃機関の出力軸により駆動させる機関駆動式のポンプであって、該機関駆動式のポンプの駆動軸と内燃機関の出力軸との間にクラッチを有するポンプを採用してもよい。こうした機関駆動式のポンプでは、クラッチを接合することで運転が開始され、クラッチの接合を解除することで運転が停止される。
10…機関内冷却水通路、11…ブロック側ウォータジャケット、12…ヘッド側ウォータジャケット、20…機関外冷却水通路、21…排出主通路、22…供給主通路、23…水温センサ、24…EGR経路、24A…EGRクーラ、24B…切替弁冷却部、24C…制御弁冷却部、25…ヒータ経路、26…第1通路、26A…第1電磁弁、26B…ヒータコア、27…第2通路、27A…第2電磁弁、27B…ATFウォーマ、28…合流通路、30…サーモスタット、31…電動ポンプ、40…分岐通路、41…ラジエータ、42…リザーブタンク、50…制御装置、51…制御部、52…暖機判定部、60…アクセルセンサ、61…回転速度センサ、62…イグニッションスイッチ、63…温度スイッチ、64…油温センサ、100…機関本体、101…シリンダブロック、102…シリンダヘッド。
Claims (1)
- シリンダブロック及びシリンダヘッドからなる機関本体を冷却する冷却水通路であって、前記シリンダブロックに形成されたブロック側ウォータジャケット、及び前記シリンダヘッドに形成されて前記ブロック側ウォータジャケットから冷却水が供給されるヘッド側ウォータジャケットを有する機関内冷却水通路と、
前記ヘッド側ウォータジャケットの出口に一端が接続されているとともに前記ブロック側ウォータジャケットの入口に他端が接続されており、前記ヘッド側ウォータジャケットから排出された冷却水を前記ブロック側ウォータジャケットに供給する機関外冷却水通路と、
前記機関外冷却水通路に設けられ、冷却水の温度を検出する水温センサと、
前記機関外冷却水通路に設けられ、該機関外冷却水通路から前記機関内冷却水通路に冷却水を供給するポンプと、
前記ポンプを制御する制御部と、
前記水温センサによって検出された冷却水の水温に基づいて内燃機関の暖機が完了したか否かの暖機判定を行う暖機判定部とを備え、
前記制御部は、内燃機関の運転が開始された時から前記ポンプを運転させる通水処理を開始するとともに、前記機関外冷却水通路から前記機関内冷却水通路に供給された冷却水の供給量が所定量に達すると前記ポンプの運転を停止して前記通水処理を停止し、その後、前記暖機判定部によって前記内燃機関の暖機が完了したと判定されたときに前記ポンプの運転を再開するものであり、
前記暖機判定部は、前記ポンプの運転が停止されたときの冷却水の水温を利用して前記暖機判定を行い、
前記所定量は、前記ヘッド側ウォータジャケットの容量と前記機関外冷却水通路における前記一端から前記水温センサが設けられている検出位置までの容量とを加算した第1容量が下限であり、前記機関内冷却水通路全体の容量と前記機関外冷却水通路における前記一端から前記検出位置までの容量とを加算した第2容量が上限であり、
前記機関外冷却水通路において前記通水処理中に冷却水が流れる部分の容量は、前記第2容量以上である
車両の冷却装置。
Priority Applications (1)
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| JP2016037346A JP2017155608A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 車両の冷却装置 |
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| JP2017155608A true JP2017155608A (ja) | 2017-09-07 |
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Country Status (1)
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| JP (1) | JP2017155608A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20180108490A (ko) * | 2017-03-24 | 2018-10-04 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 내연 기관의 냉각 장치 |
-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016037346A patent/JP2017155608A/ja active Pending
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| KR20180108490A (ko) * | 2017-03-24 | 2018-10-04 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 내연 기관의 냉각 장치 |
| KR102023278B1 (ko) | 2017-03-24 | 2019-09-19 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 내연 기관의 냉각 장치 |
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