JP2017156019A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】経年の冷媒漏洩をできるだけ早い段階で検知し、圧縮機を保護することができる車両用空気調和装置を提供する。【解決手段】圧縮機2と、冷媒を放熱させる放熱器4と、車室外に設けられた室外熱交換器7と、圧縮機の冷媒吸込側に接続されたアキュムレータ12を備える。圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させて車室内を暖房し、室外熱交換器で吸熱させる。コントローラは、アキュムレータ内の液冷媒の量を検知し、この液冷媒の量に基づいて冷媒漏洩の発生を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ方式の空気調和装置、特にハイブリッド自動車や電気自動車に適用可能な空気調和装置に関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外側に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房運転と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱器において放熱した冷媒を吸熱器において吸熱させる除湿暖房運転や除湿冷房運転と、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房運転を切り換えて実行するものが開発されている。
また、圧縮機の冷媒吸込側にはアキュムレータが設けられ、このアキュムレータに冷媒を一旦貯留することで気液を分離し、ガス冷媒を圧縮機に吸い込ませることによって圧縮機への液戻りを防止若しくは抑制するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−228945号公報
ここで、車両用空気調和装置の冷媒回路からは時間の経過と共に冷媒が徐々に漏洩していくものであるが、従来では回路から殆どの冷媒が無くなってから圧縮機を保護停止する以外に無かった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、経年の冷媒漏洩をできるだけ早い段階で検知し、圧縮機を保護することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、圧縮機の冷媒吸込側に接続されたアキュムレータと、制御装置とを備え、この制御装置により少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させて車室内を暖房するものであって、制御装置は、アキュムレータ内の液冷媒の量を検知し、この液冷媒の量に基づいて冷媒漏洩の発生を判定することを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、室外熱交換器の温度TXOと、圧縮機の吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsに基づき、この差TXO−Tsが所定値より小さくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することを特徴とする。
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、請求項1の発明において制御装置は、圧縮機に吸い込まれる冷媒の過熱度SHに基づき、過熱度SHが所定値より大きくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することを特徴とする。
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において制御装置は、冷媒漏洩が発生していると判定した場合、所定の報知動作を実行することを特徴とする。
冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、圧縮機の冷媒吸込側に接続されたアキュムレータと、制御装置とを備え、この制御装置により少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させて車室内を暖房する車両用空気調和装置において、冷媒が徐々に漏洩していった場合、アキュムレータ内に溜まる液冷媒の量が減少してくる。
そこで、本発明では制御装置が、アキュムレータ内の液冷媒の量を検知し、この液冷媒の量に基づいて冷媒漏洩の発生を判定するようにしたので、徐々に冷媒が漏洩していった場合にも、早期に冷媒漏洩が発生していることを判定し、圧縮機に甚大な損害が生じる不都合を未然に回避することができるようになる。
この場合、アキュムレータには室外熱交換器から出た冷媒が貯留されるので、アキュムレータ内の液冷媒の温度は室外熱交換器の温度(TXO)である。また、アキュムレータからはオイルも圧縮機に戻さなければならない関係上、アキュムレータから出る冷媒には一部液冷媒も含まれることになる。従って、アキュムレータ内に十分な液冷媒が貯留されている場合、アキュムレータから出て行く液冷媒も多くなるが、アキュムレータから出た液冷媒は、周囲から吸熱して蒸発する。
そして、飽和温度のまま圧力損失の影響で温度が低下することになるが、冷媒漏洩の結果、アキュムレータ内の液冷媒の量が減少した場合、このアキュムレータから出て行く液冷媒も少なくなり、或いは、殆ど出て行かなくなるため、周囲からの熱の影響で圧縮機に吸い込まれる冷媒の温度(吸込冷媒温度Ts)が上昇して来る。
そこで、請求項2の発明の如く制御装置が、室外熱交換器の温度TXOと、圧縮機の吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsに基づき、この差TXO−Tsが所定値より小さくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することにより、的確に冷媒漏洩の発生を判定することができるようになると共に、アキュムレータ内の液冷媒の量を直接検出するセンサ等を設ける必要もなくなる。
また、上記差TXO−Tsは圧縮機に吸い込まれる冷媒の過熱度SHとも相関関係があり、差TXO−Tsが大きい程、過熱度SHは小さくなり、差TXO−Tsが小さい程、過熱度SHは大きくなる。そこで、請求項3の発明の如く制御装置が、圧縮機に吸い込まれる冷媒の過熱度SHに基づき、過熱度SHが所定値より大きくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することでも的確に冷媒漏洩の発生を判定することができるようになる。また、同様にアキュムレータ内の液冷媒の量を直接検出するセンサ等を設ける必要もなくなる。
そして、請求項4の発明の如く制御装置が、冷媒漏洩が発生していると判定した場合、所定の報知動作を実行することにより、使用者に冷媒漏洩の発生を警告して迅速な対処を促すことができるようになるものである。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である(暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード及び冷房モード)。 図1の車両用空気調和装置のコントローラの電気回路のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置のMAX冷房モード(最大冷房モード)のときの構成図である。 図1の車両用空気調和装置のアキュムレータの概略断面図である。 図1の車両用空気調和装置の暖房モードにおけるP−h線図である。 図1の車両用空気調和装置の暖房モードにおけるもう一つのP−h線図である。 図1の車両用空気調和装置の室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsと冷媒充填量の関係を示す図である。 図1の車両用空気調和装置の室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsと圧縮機に吸い込まれる冷媒の過熱度SHの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房モードを行い、更に、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モード(最大冷房モード)の各運転モードを選択的に実行するものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を車室内に放熱させる放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6と、車室外に設けられて冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させる吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。
そして、この冷媒回路Rには所定量の冷媒と潤滑用のオイルが充填されている。尚、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードで開放される冷房用の電磁弁17を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは室内膨張弁8介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。
また、過冷却部16と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房モードで開放される暖房用の電磁弁21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の入口側に接続されている。
また、圧縮機2の吐出側と放熱器4の入口側の間の冷媒配管13Gには、暖房モード、除湿冷房モード、及び、冷房モードで開放され、除湿暖房モードとMAX冷房モードで閉じられるリヒート用の電磁弁30が介設されている。この場合、冷媒配管13Gは電磁弁30の上流側でバイパス配管35に分岐しており、このバイパス配管35は、除湿暖房モード及びMAX冷房モードで開放され、暖房モード、除湿冷房モード、及び、冷房モードで閉じられるバイパス用の電磁弁40を介して室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに連通接続されている。これらバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45が構成される。
このようなバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45を構成したことで、後述する如く圧縮機2から吐出された冷媒を室外熱交換器7に直接流入させる除湿暖房モードやMAX冷房モードと、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4に流入させる暖房モード、除湿冷房モード、冷房モードとの切り換えを円滑に行うことができるようになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱装置としての補助ヒータである。実施例の補助ヒータ23は電気ヒータであるPTCヒータにて構成されており、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の空気上流側となる空気流通路3内に設けられている。そして、補助ヒータ23に通電されて発熱すると、吸熱器9を経て放熱器4に流入する空気流通路3内の空気が加熱される。即ち、この補助ヒータ23が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を行い、或いは、それを補完する。
また、補助ヒータ23の空気上流側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。更に、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、FOOT(フット)、VENT(ベント)、DEF(デフ)の各吹出口(図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。
次に、図2において32はプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された制御装置としてのコントローラ(ECU)であり、このコントローラ32の入力には車両の外気温度(Tam)を検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる空気の温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力(吐出圧力Pd)を検出する吐出圧力センサ42と、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、アキュムレータ12から出て圧縮機2に吸い込まれる冷媒の温度である吸込冷媒温度(Ts)を検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の温度(放熱器4を経た空気の温度、又は、放熱器4自体の温度:放熱器温度TH)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器4内、又は、放熱器4を出た直後の冷媒の圧力:放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の温度(吸熱器9を経た空気の温度、又は、吸熱器9自体の温度:吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力(吸熱器9内、又は、吸熱器9を出た直後の冷媒の圧力)を検出する吸熱器圧力センサ49と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53と、室外熱交換器7の温度(室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度(後述する暖房モードのときにアキュムレータ12に流入する冷媒の温度:室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の冷媒圧力(室外熱交換器7内、又は、室外熱交換器7から出た直後の冷媒の圧力:室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。また、コントローラ32の入力には更に、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ23で加熱された直後の空気の温度、又は、補助ヒータ23自体の温度:補助ヒータ温度Tptc)を検出する補助ヒータ温度センサ50の出力も接続されている。
一方、コントローラ32の出力には、前記圧縮機2と、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吹出口切換ダンパ31と、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、補助ヒータ23、電磁弁30(リヒート用)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁40(バイパス用)の各電磁弁が接続されている。そして、コントローラ32は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定に基づいてこれらを制御する。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。コントローラ32は実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、及び、MAX冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れと制御の概略について説明する。
(1)暖房モード
コントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(リヒート用)を開放し、電磁弁40(バイパス用)を閉じる。
そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A、電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
ここで、図4はこのアキュムレータ12の断面図を示している。アキュムレータ12は冷媒配管13Cを経て流入する液冷媒とガス冷媒とを分離するための所謂気液分離器であり、上下の所定寸法を有し、内部に所定容量を有するタンク57と、このタンク57内の上部に配置され、タンク57の側壁及び上壁から離間して設けられた邪魔板58と、タンク57の上壁から内部に進入し、邪魔板58を貫通して一旦タンク57内の底部まで降下した後に上昇し、上昇した先端が邪魔板58の下側で間隔を存して開口する出口配管61とから構成されている。
この出口配管61の最下部はタンク57の底壁直上に少許間隔を存して位置しており、この最下部には小孔から成るオイル戻し孔62が形成されている。また、出口配管61の上端はタンク57の上壁から出て圧縮機2の吸込側に接続されている。そして、冷媒配管13Cがタンク57の上壁から内部に進入し、邪魔板58の上側にて開口している。
室外熱交換器7で蒸発したガス冷媒及び未蒸発の液冷媒は、前述した如く冷媒配管13A、電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cから図4に矢印で示す如くアキュムレータ12のタンク57内に入る。タンク57内に流入した気液混合状態の冷媒は、先ず邪魔板58に衝突して外側に広がり、矢印で示す如く邪魔板58の外縁とタンク57の間を通ってタンク57内の下部に流下する。
液冷媒はこのタンク57内の下部に貯留され、ガス冷媒及びアキュムレータ12内で液冷媒が蒸発したガス冷媒は、矢印で示す如く出口配管61の先端と邪魔板58の間を経て出口配管61の先端の開口から当該出口配管61内に入り、流下した後、再び上昇してアキュムレータ12から出て行く。また、タンク57内には冷媒と共に冷媒回路R内を循環するオイル(圧縮機2の潤滑用)も貯留される。このオイル及び液冷媒の一部は、出口配管61の最下部に形成されたオイル戻し孔62から出口配管61内に入って上昇し、アキュムレータ12から出て行く。
アキュムレータ12から出た係る冷媒及びオイルのうちの液冷媒は、圧縮機2に至る過程で外部から吸熱し、蒸発するので、圧縮機2にはガス冷媒とオイルのみが吸い込まれるかたちとなる。前記吸込温度センサ55はこの冷媒の温度(吸込冷媒温度Ts)を検出している。
放熱器4(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。この場合、コントローラ32は、後述する目標吹出温度TAOから算出される目標放熱器温度TCO(放熱器温度THの目標値)から目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)を算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。また、コントローラ32は、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度(放熱器温度TH)及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SC(放熱器温度THと放熱器圧力PCIから算出される)をその目標値である所定の目標過冷却度TGSCに制御する。前記目標放熱器温度TCOは基本的にはTCO=TAOとされるが、制御上の所定の制限が設けられる。
また、コントローラ32はこの暖房モードにおいては、車室内空調に要求される暖房能力に対して放熱器4による暖房能力が不足する場合、その不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完するように補助ヒータ23の通電を制御する。それにより、快適な車室内暖房を実現し、且つ、室外熱交換器7の着霜も抑制する。このとき、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、空気流通路3を流通する空気は放熱器4の前に補助ヒータ23に通風されることになる。
ここで、補助ヒータ23が放熱器4の空気下流側に配置されていると、実施例の如くPCTヒータで補助ヒータ23を構成した場合には、補助ヒータ23に流入する空気の温度が放熱器4によって上昇するため、PTCヒータの抵抗値が大きくなり、電流値も低くなって発熱量が低下してしまうが、放熱器4の空気上流側に補助ヒータ23を配置することで、実施例の如くPTCヒータから構成される補助ヒータ23の能力を十分に発揮させることができるようになる。
(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却され、且つ、当該空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は冷却され、且つ、除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離されて圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
このとき、室外膨張弁6の弁開度は全閉とされているので、圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。更に、この除湿暖房モードにおいてコントローラ32は、補助ヒータ23に通電して発熱させる。これにより、吸熱器9にて冷却され、且つ、除湿された空気は補助ヒータ23を通過する過程で更に加熱され、温度が上昇するので車室内の除湿暖房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、補助ヒータ温度センサ50が検出する補助ヒータ温度Tptcと前述した目標放熱器温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御することで、吸熱器9での空気の冷却と除湿を適切に行いながら、補助ヒータ23による加熱で吹出口29から車室内に吹き出される空気温度の低下を的確に防止する。
これにより、車室内に吹き出される空気を除湿しながら、その温度を適切な暖房温度に制御することが可能となり、車室内の快適且つ効率的な除湿暖房を実現することができるようになる。また、前述した如く除湿暖房モードではエアミックスダンパ28は空気流通路3内の全ての空気を補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とされるので、吸熱器9を経た空気を効率良く補助ヒータ23で加熱して省エネ性を向上させ、且つ、除湿暖房空調の制御性も向上させることができるようになる。
尚、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、補助ヒータ23で加熱された空気は放熱器4を通過することになるが、この除湿暖房モードでは放熱器4に冷媒は流されないので、補助ヒータ23にて加熱された空気から放熱器4が吸熱してしまう不都合も解消される。即ち、放熱器4によって車室内に吹き出される空気の温度が低下してしまうことが抑制され、COPも向上することになる。
(3)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図1に破線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全ての空気が補助ヒータ23及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離されて圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。この除湿冷房モードではコントローラ32は補助ヒータ23に通電しないので、吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(リヒート。暖房時よりも放熱能力は低い)される。これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を制御する。
(4)冷房モード
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。尚、コントローラ32はエアミックスダンパ28を制御し、図1に実線で示す如く、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気が、補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入すると共に、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。このとき室外膨張弁6は全開とされているので冷媒はそれを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着する。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、前述した如く気液分離された後、圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気が吹出口29から車室内に吹き出されるので(一部は放熱器4を通過して熱交換する)、これにより車室内の冷房が行われることになる。また、この冷房モードにおいては、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(5)MAX冷房モード(最大冷房モード)
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は図3に示す如く補助ヒータ23及び放熱器4に空気流通路3内の空気が通風されない状態とする。但し、多少通風されても支障はない。また、コントローラ32は補助ヒータ23に通電しない。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、同様に圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。
ここで、前述した冷房モードでは放熱器4に高温の冷媒が流れているため、放熱器4からHVACユニット10への直接の熱伝導が少なからず生じるが、このMAX冷房モードでは放熱器4に冷媒が流れないため、放熱器4からHVACユニット10に伝達される熱で吸熱器9からの空気流通路3内の空気が加熱されることも無くなる。そのため、車室内の強力な冷房が行われ、特に外気温度Tamが高いような環境下では、迅速に車室内を冷房して快適な車室内空調を実現することができるようになる。また、このMAX冷房モードにおいても、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(6)各運転モードの切換
空気流通路3内を流通される空気は上記各運転モードにおいて吸熱器9からの冷却や放熱器4(及び補助ヒータ23)からの加熱作用(エアミックスダンパ28で調整)を受けて吹出口29から車室内に吹き出される。コントローラ32は外気温度センサ33が検出する外気温度Tam、内気温度センサ37が検出する車室内の温度、前記ブロワ電圧、日射センサ51が検出する日射量等と、空調操作部53にて設定された車室内の目標車室内温度(設定温度)とに基づいて目標吹出温度TAOを算出し、各運転モードを切り換えて吹出口29から吹き出される空気の温度をこの目標吹出温度TAOに制御する。
この場合、コントローラ32は、外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、放熱器温度TH、目標放熱器温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータに基づいて各運転モードの切り換えを行うことで、環境条件や除湿の要否に応じて的確に暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード及びMAX冷房モードを切り換え、快適且つ効率的な車室内空調を実現する。
(7)暖房モードにおけるコントローラ32による冷媒漏洩の判定1
次に、図5〜図8を参照しながらコントローラ32による冷媒回路Rからの冷媒漏洩の判定制御について説明する。特に、通常の空気調和装置に比して振動の多い環境で使用される車両用空気調和装置1では、経年使用により冷媒回路Rから冷媒が徐々に漏洩していく問題がある。冷媒回路R内の冷媒充填量が減少すると、圧縮機2に甚大な損傷を来すため、早期に冷媒漏洩の発生を判定することが機器の保護上、極めて重要となる。
ここで、暖房モードにおいては、室外熱交換器7から出た冷媒がアキュムレータ12内に貯留されるので、アキュムレータ12内の液冷媒の温度は室外熱交換器温度TXOである。また、前述した如くアキュムレータ12からはオイルも圧縮機2に戻さなければならない関係上、アキュムレータ12から出る冷媒にはオイルと共に一部液冷媒も含まれることになる。
従って、アキュムレータ12内に十分な液冷媒が貯留されている場合、アキュムレータ12から出口配管61を通って出て行く液冷媒も多くなるが、アキュムレータ12から出た液冷媒は、圧縮機2に至るまでに周囲から吸熱して蒸発する。そして、飽和温度のまま圧力損失の影響で温度が低下することになる。
図5と図6を参照しながらアキュムレータ12から圧縮機2に吸い込まれる冷媒の状態を説明する。図5は室外熱交換器7における冷媒の蒸発温度が0℃のときの冷媒回路RのPーh線図であり、図6は蒸発温度が−10℃のときのものである。また、各図においてL1で示す線は冷媒回路R内の冷媒充填量が十分ある場合、L2で示す線は冷媒充填量が不足している場合である。また、L3は飽和蒸気線である。
この図からも明らかな如く、冷媒充填量が十分ある場合、アキュムレータ2内の冷媒の温度は室外熱交換器温度TXO(0℃)であり、アキュムレータ12から出た時点(図5、図6中にTXOで示す)から圧縮機2に吸い込まれる時点(図5、図6中にTsで示す)までの過程で、この場合には飽和蒸気線L3に略沿って温度が低下している。従って、図5の場合、室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsの差TXO−Tsは17K程となり(TXO=0℃、Ts=−17℃)、図6の場合、差TXO−Tsは10K程となる(TXO=−5℃、Ts=−15℃)。
一方、冷媒回路Rから冷媒が徐々に漏洩してしまい、冷媒充填量が不足してくると、アキュムレータ12内に貯留される液冷媒の量も減少するため、このアキュムレータ12から出て行く液冷媒も少なくなり、或いは、殆ど出て行かなくなる。そのため、周囲からの熱の影響で圧縮機2に吸い込まれる冷媒の温度(吸込冷媒温度Ts)が上昇して来る。
この様子は図5、図6にL2で示される。図5の場合、吸込冷媒温度Tsは−5℃程であり、図6の場合も同様に−5℃程となっている。そのため、図5の場合、室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsの差TXO−Tsは5K程となり(TXO=0℃、Ts=−5℃)、図6の場合、差TXO−Tsは0K程となる(TXO=−5℃、Ts=−5℃)。
即ち、室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsと冷媒回路R内の冷媒充填量と相関関係があることが分かる。図7はこの相関関係を測定した結果を示している。冷媒充填量が少なくなる程、差TXO−Tsが小さくなっていることが分かる。そして、冷媒回路Rで許容される最小の冷媒充填量を、例えば550gであるとすると、差TXO−Tsが5Kまで小さくなったとき、冷媒を補充しなければならなくなると云うことが分かる。
そこで、コントローラ32は室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器温度TXOと、吸込温度センサ55が検出する圧縮機2の吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsに基づき、この差TXO−Tsが5K(所定値)より小さくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定する。そして、空調操作部53で冷媒漏洩の発生を表示し、使用者に報知する(報知動作)。
即ち、実施例では室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsの変化に基づいてアキュムレータ12内の液冷媒の量を検知している。そして、この液冷媒の量に基づいて冷媒漏洩の発生を判定する。これにより、冷媒回路Rから徐々に冷媒が漏洩していった場合にも、早期に冷媒漏洩が発生していることを判定し、圧縮機2に甚大な損害が生じる不都合を未然に回避することができるようになる。
そして、コントローラ32は冷媒漏洩が発生していると判定した場合、空調操作部53で報知動作を実行するので、使用者に冷媒漏洩の発生を警告して迅速な冷媒補充等の対処を促すことができるようになる。
特に、実施例では室外熱交換器温度TXOと、圧縮機2の吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsに基づき、この差TXO−Tsが所定値より小さくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定しているので、的確に冷媒漏洩の発生を判定することができるようになる。また、室外熱交換器温度センサ54と吸込温度センサ55を兼用して冷媒漏洩判定を行うことができるので、アキュムレータ12内の液冷媒の量を直接検出するための複数の温度センサ等を設ける必要もなくなり、部品点数の削減を図ることができるようになる。
(8)暖房モードにおけるコントローラ32による冷媒漏洩の判定2
ここで、上記室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsは圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SHとも相関関係がある。この様子を図8に示している。アキュムレータ12内の液冷媒の量が十分ある場合には、前述した如く差TXO−Tsが大きくなり、圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SHは小さくなる。一方、アキュムレータ12内の液冷媒の量が不足すると、前述した如く差TXO−Tsが小さくなり、圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SHは大きくなる。
即ち、差TXO−Tsが大きい程、過熱度SHは小さくなり、差TXO−Tsが小さい程、過熱度SHは大きくなる。そして、前述した差TXO−Tsが5Kのときの過熱度SHは7K程である。そこで、コントローラ32により、圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SH(吸込圧力センサ44と吸込温度センサ55が検出する吸込冷媒の圧力と温度から求められる)が5K(所定値)より大きくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定するようにしてもよい。このような圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SHによっても的確に冷媒漏洩の発生を判定することができるようになる。また、同様にアキュムレータ12内の液冷媒の量を直接検出する複数の温度センサ等を設ける必要もなくなる。
尚、上記各実施例では室外熱交換器温度TXOと吸込冷媒温度Tsの差TXO−Tsや圧縮機2に吸い込まれる冷媒の過熱度SHに基づいてアキュムレータ12内の液冷媒の量を検知し、冷媒漏洩の発生を判定したが、請求項1の発明ではそれに限らず、アキュムレータ12に上下に複数の温度センサを取り付けて内部に貯留される液冷媒の量を検出し、直接液冷媒の量を判定するようにしてもよい。
また、実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モードの各運転モードを切り換える例で本発明を説明したが、それに限らず、暖房モードのみを実行する車両用空気調和装置にも本発明は有効である。
更に、実施例で示した各運転モードの切換制御は、それに限られるものでは無く、車両用空気調和装置の能力や使用環境に応じて、外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、放熱器温度TH、目標放熱器温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータの何れか、又は、それらの組み合わせ、それらの全てを採用して適切な条件を設定すると良い。
更にまた、補助加熱装置は実施例で示した補助ヒータ23に限られるものでは無く、ヒータで加熱された熱媒体を循環させて空気流通路内の空気を加熱する熱媒体循環回路や、エンジンで加熱されたラジエター水を循環するヒータコア等を利用してもよい。また、実施例で説明した冷媒回路Rの構成はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
17、21、30、40 電磁弁
23 補助ヒータ(補助加熱装置)
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
32 コントローラ(制御装置)
35 バイパス配管
44 吸込圧力センサ
54 室外熱交換器温度センサ
55 吸込温度センサ
R 冷媒回路

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    前記車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記圧縮機の冷媒吸込側に接続されたアキュムレータと、
    制御装置とを備え、
    該制御装置により少なくとも、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させて前記車室内を暖房する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記アキュムレータ内の液冷媒の量を検知し、該液冷媒の量に基づいて冷媒漏洩の発生を判定することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、前記室外熱交換器の温度TXOと、前記圧縮機の吸込冷媒温度Tsとの差TXO−Tsに基づき、差TXO−Tsが所定値より小さくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記制御装置は、前記圧縮機に吸い込まれる冷媒の過熱度SHに基づき、過熱度SHが所定値より大きくなった場合、冷媒漏洩が発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記制御装置は、前記冷媒漏洩が発生していると判定した場合、所定の報知動作を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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