JP2017157033A - 情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブを提供すること。【解決手段】本発明に係るプライシング装置10は、人口を対象としたデリバティブのプライシングを行う情報処理装置であって、デリバティブの契約条件を記憶する契約条件記憶部12と、人口統計情報を記憶する人口統計情報記憶部11と、人口統計情報に基づき、プライシングに利用する人口指数を生成する人口指数生成部14と、契約条件に関連する人口指数における人口の変動に基づき、デリバティブのプレミアムを算出するプレミアム算出部15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、デリバティブのプライシングを行う情報処理装置に関する。
冷夏・暖冬・多雨などの天候不順や異常気象によって自己もしくは取引先の事業収益が逓減するリスクをヘッジするためのツールとして、天候デリバティブプライシングシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。当該システムでは、気温や降水量などを対象とする天候デリバティブのプレミアムを算出する。
特開2002−288437号公報
しかし、上記従来技術にかかる天候デリバティブは、以下に示すような問題点があった。すなわち、上記従来技術にかかる天候デリバティブは、天候と相関性がある事業収益リスクをヘッジすることができるが、天候と相関性を見出すことが困難な事業収益リスクをヘッジすることができなかった。一例としては、天候デリバティブでは、観光業における風評被害によって事業収益が逓減するリスクをヘッジすることは難しい。以上のことから、天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブが求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る情報処理装置は、行動データを対象としたデリバティブのプライシングを行う情報処理装置であって、デリバティブの契約条件を記憶する契約条件記憶部と、行動データ統計情報を記憶する行動データ統計情報記憶部と、行動データ統計情報に基づき、プライシングに利用する行動データ指数を生成する行動データ指数生成部と、契約条件に関連する行動データ指数における行動データの変動に基づき、デリバティブのプレミアムを算出するプレミアム算出部と、を備える。
この情報処理装置では、行動データを対象としたデリバティブのプライシングが行われる。デリバティブの対象が行動データとされることにより、天候と相関性がない観光業の落ち込み等による事業収益リスクを好適にヘッジすることができる。そして、この情報処理装置では、デリバティブの契約条件に関連する行動データ指数の行動データの変動に基づいてプレミアムが算出されている。これにより、行動データの変動に応じて適切なプレミアムが設定されたデリバティブを提供することができる。以上により、天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブを提供することができる。
また、情報処理装置は、行動データ指数に基づき、前記デリバティブにおける支払発生の基準値であるストライク値を導出するストライク値導出部を更に備え、行動データ統計情報記憶部は、行動データ統計情報として、デリバティブの契約者の申告に基づく第1の行動データ統計情報と、デリバティブの契約者の申告に基づかない第2の行動データ統計情報とを記憶しており、第1の行動データ統計情報は、第2の行動データ統計情報よりも長期間のデータであり、行動データ指数生成部は、第1の行動データ統計情報に基づき行動データ指数である第1の行動データ指数を生成し、第2の行動データ統計情報に基づき行動データ指数である第2の行動データ指数を生成し、ストライク値導出部は、第1の行動データ指数によって第2の行動データ指数を補正した情報を用いて、ストライク値を導出してもよい。デリバティブのストライク値は、支払発生の基準値とされる値であるため、デリバティブの契約者の申告に基づかない行動データ統計情報から導出されることが好ましい。しかしながら、正確なストライク値を出すためにはある程度長期間の行動データ統計情報を考慮する必要があるため、最も長期間に亘って蓄積されていると考えられる、デリバティブの契約者によって蓄積されてきた行動データ統計情報をも考慮することが好ましい。このような観点から、この情報処理装置では、第1の行動データ指数によって第2の行動データ指数を補正した情報を用いてストライク値を導出している。これにより、ストライク値を導出するに際し、デリバティブの契約者の申告に基づかない行動データ統計情報を用いることを基本としながら、デリバティブの契約者の申告に基づく行動データ統計情報(すなわち長期間に亘って蓄積されている行動データ統計情報)をも考慮することができ、より適切なストライク値を導出することができる。
また、行動データ統計情報記憶部は、複数種類の行動データ統計情報を記憶しており、行動データ指数生成部は、複数種類の行動データ統計情報を組み合わせることにより行動データ指数を生成してもよい。複数の行動データ統計情報が組み合わされて行動データ指数が生成されることにより、単体の行動データ統計情報からは生成し難い行動データ指数であって事業収益との相関性が高い行動データ指数についても容易に生成することができる。
また、情報処理装置は、発生した事象の内容を記憶する発生事象記憶部を更に備え、契約条件記憶部は、契約条件として支払条件を記憶しており、該支払条件として支払対象の事象の内容を記憶していてもよい。これにより、所定の事象が発生した場合に限定して支払いが行われることとなる。このことで、より安価なプレミアムを算出することができ、デリバティブのニーズに応じたプレミアム算出が可能となる。
また、プレミアム算出部は、行動データ指数の確率分布を求め、該確率分布からモンテカルロ法によりプレミアムを算出してもよい。これにより、行動データ統計情報のトレンドが反映された、より正確なプレミアムを導出することができる。
また、行動データ指数生成部は、行動データ統計情報に基づいて導出した補正前指数を、補正前指数の時間的変化に応じて補正することにより、行動データ指数を生成してもよい。これにより、行動データ統計情報の時系列のトレンドを反映でき、より正確なプレミアムを導出することができる。
本発明によれば、天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るプライシング装置の機能構成を示す図である。 図1に示したプライシング装置のハードウェア構成を示す図である。 人口統計情報テーブルを示す図である。 契約条件テーブルを示す図である。 人口指数生成部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図5(a)は人口指数生成部に入力される人口統計情報テーブルを、図5(b)は人口指数生成部から出力される人口指数テーブルを、それぞれ示している。 プレミアム算出部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図6(a)はプレミアム算出部に入力される人口指数テーブルを、図6(b)はプレミアム算出部から出力される算出済み契約条件テーブルを、それぞれ示している。 プレミアム算出部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図7(a)はプレミアム算出部に入力される人口指数テーブルを、図7(b)は人口行列を、それぞれ示している。 プレミアム算出部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図8(a)は代表値ベクトルを、図8(b)は人口変化率行列を、それぞれ示している。 プレミアム算出部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図9(a)は階級ベクトルを、図9(b)は人口変化率度数分布表を、それぞれ示している。 プレミアム算出部の処理に用いられるテーブルを示す図であり、図10(a)は相対度数分布表を、図10(b)は支払額表を、図10(c)は期待値表を、それぞれ示している。 第1実施形態に係るプライシング装置のプライシング処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るプライシング装置の機能構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るプライシング装置の機能構成を示す図である。 発生事象テーブルを示す図である。 契約条件テーブルを示す図である。 本発明の第5実施形態に係るプレミアム算出を説明するための図である。 本発明の第6実施形態に係る人口指数生成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るプライシング装置の機能構成を示す図である。プライシング装置10(情報処理装置)は、行動データを対象としたデリバティブのプライシングを行うサーバである。行動データとは、行動、活動、動態を示すデータであり、例えば、人口、トラヒック量(パケット数、バイト数、通信回数、通信時間、通信端末数)、基地局数、通信事業者との契約者数、通信に係る消費額(通信費、コンテンツ決済額)などである。本実施形態では、プライシング装置10は、人口を対象としたデリバティブである人口デリバティブのプライシングを行うサーバである、として説明する。デリバティブとは、広義には、債券、株式等の本来の金融商品から派生した金融商品をいう。本実施形態では、デリバティブとは、ある事象に関する基準を上回る或いは下回る場合に、デリバティブの契約者に補償額が支払われる権利を取引する金融商品をいう。このようなデリバティブの一例として、天候の変動を対象とした天候デリバティブがある。本実施形態の人口デリバティブでは、人口に関する基準(ストライク値)が定められており、該基準を上回る或いは下回る場合に、デリバティブの契約者に補償額が支払われる。人口デリバティブのプライシングを行うとは、デリバティブの保険料(プレミアム)を算出することをいう。
図1に示されるように、プライシング装置10は、人口統計情報記憶部11(行動データ統計情報記憶部)と、契約条件記憶部12と、取得部13と、人口指数生成部14(行動データ指数生成部)と、プレミアム算出部15と、を備えている。
図2は、図1に示したプライシング装置10のハードウェア構成を示す図である。プライシング装置10は、物理的には、図2に示すように、1又は複数のCPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置104、ディスプレイ等の出力装置105、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール106、半導体メモリ等の補助記憶装置107等を含むコンピュータとして構成されている。
プライシング装置10の各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に1又は複数の所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで入力装置104、出力装置105、通信モジュール106を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置107におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図1に戻り、人口統計情報記憶部11は、人口統計情報を記憶するデータベースである。人口統計情報とは、所定条件毎の人口を示した情報である。該所定条件は、例えば対象指数、対象地域、及び対象期間により一意に定まる。対象指数とは、人口をカウントする対象の項目を示す情報である。対象地域とは、人口をカウントする対象の地域を示す情報である。対象期間とは、人口をカウントする対象の期間を示す情報である。人口統計情報記憶部11は、人口統計情報として人口統計情報テーブル110(図3参照)を記憶している。
図3は、人口統計情報記憶部11が記憶する人口統計情報テーブル110を示す図である。図3に示すように、人口統計情報テーブル110においては、対象指数、対象地域、対象期間、及び人口が関連付けられている。図3に示す人口統計情報テーブル110では、対象指数が「月間宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「2015年6月」の人口が「200人」であることが示されている。人口統計情報記憶部11は、このような人口統計情報テーブル110を、対象指数、対象地域、及び対象期間の組み合わせ毎に、複数記憶している。
図1に戻り、契約条件記憶部12は、デリバティブの契約条件を記憶するデータベースである。契約条件とは、デリバティブの契約者との間で締結された、支払いの発生に関する情報である。契約条件には、デリバティブの契約者に対する支払いの基準値であるストライク値が含まれている。より詳細には、契約条件には、対象指数、対象地域、対象期間、ストライク値、支払条件、及び単位支払金額が含まれている。対象指数とは、支払い発生対象の項目を示す情報である。対象地域とは、支払発生対象の地域を示す情報である。対象期間とは、支払発生対象の期間を示す情報である。ストライク値とは、支払いが発生する基準値を示す情報である。支払条件とは、支払いが発生する条件を示す情報である。単位支払金額とは、上記支払条件が満たされ支払いが発生する場合に契約者に支払われる金額である。契約条件記憶部12は、契約毎に、契約条件テーブル120(図4参照)を記憶している。
図4は、契約条件記憶部12が記憶する契約条件テーブル120を示す図である。図4に示すように、契約条件テーブル120においては、対象指数、対象地域、対象期間、ストライク値、支払条件、及び単位支払金額が関連付けられている。図4に示す契約条件テーブル120では、対象指数が「月間宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「2015年6月」、ストライク値が「前年同月比70%」、支払条件が「ストライク値を下回った場合」、単位支払金額が「10万円」であることが示されている。なお、ストライク値は、上述したようなある基準値の割合で示されるものでなく、「100人」などのような固定値であってもよい。
図1に戻り、取得部13は、人口統計情報記憶部11から、所定の人口統計情報を取得する。具体的には、取得部13は、人口統計情報記憶部11に記憶された人口統計情報テーブル110の情報を取得する。取得部13は、デリバティブのプレミアムを算出する際に処理を行うものであり、例えば所定の時間間隔で、或いはユーザからの取得指示の入力を契機として、人口統計情報テーブル110の情報を取得する。取得部13は、契約条件記憶部12に記憶された契約条件テーブル120と、対象指数、対象地域、及び対象期間が一致する人口統計情報テーブル110の情報を取得する。取得部13は、取得した人口統計情報テーブル110の情報を人口指数生成部14に出力する。
人口指数生成部14は、人口統計情報に基づき、プライシングに利用する人口指数を生成する。具体的には、人口指数生成部14は、取得部13から入力された人口統計情報テーブル110の情報から人口指数を生成する。人口指数生成部14は、取得部13から入力された人口統計情報テーブル110の情報を、そのまま人口指数としてもよい。或いは、人口指数生成部14は、取得部13から入力された人口統計情報テーブル110の情報に対して所定の加工を行うことにより、人口指数を生成してもよい。所定の加工とは、例えば四則演算である。
四則演算により人口指数を生成する例について、図5を参照して説明する。図5(a)に示されるように、対象指数が「日別宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「2015年6月1日」〜「2015年6月30日」の複数の人口統計情報テーブル110の情報が、人口指数生成部14に入力されたとする。人口指数生成部14は、これらの情報から、対象指数が「月間宿泊者数」である人口指数テーブル141(図5(b))を生成する。具体的には、人口指数生成部14は、複数の人口統計情報テーブル110の人口を加算することにより、図5(b)に示されるような、対象指数が「月間宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「2015年6月」の人口指数テーブル141を生成する。当該人口指数テーブル141では、対象指数が「月間宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「2015年6月」とされると共に、人口が、複数の人口統計情報テーブル110の人口を加算した「9000人」とされる。
なお、人口指数生成部14は、四則演算以外の所定の加工を行うことにより、人口指数を生成してもよい。例えば、人口指数生成部14は、取得部13から入力された人口統計情報テーブル110における人口の中央値、平均値、最大値、又は最小値を用いて人口指数を生成してもよい。人口指数生成部14は、生成した人口指数テーブル141の情報をプレミアム算出部15に出力する。
プレミアム算出部15は、人口指数生成部14が生成した過去の人口指数に契約条件を適用して、デリバティブのプレミアムを算出する。具体的には、プレミアム算出部15は、契約条件記憶部12に記憶された契約条件に関連する人口指数における人口の変動に基づきプレミアムを算出する。プレミアム算出部15は、人口指数生成部14に入力された人口指数テーブル141の情報に基づき、当該人口指数と対象指数、対象地域、対象期間が一致する契約条件のプレミアムを算出する。プレミアム算出部15は、例えば図6(a)に示す人口指数テーブル141の情報が人口指数生成部14に入力されたとすると、当該人口指数テーブル141の情報に含まれた、対象指数(「月間宿泊者数」)、対象地域(「箱根町」)、対象期間(「2015年6月」)、及び人口(「9000人」)を用いてプレミアムを算出する。そして、プレミアム算出部15は、例えば図6(b)に示すように、対象指数、対象地域、及び対象期間が一致する契約条件の情報にプレミアムの情報を付加した算出済み契約条件テーブル151を、契約条件記憶部12に格納する。
プレミアム算出処理の一例を、図7〜図10を参照して説明する。当該プレミアム算出処理の一例においては、まず、人口指数生成部14から、対象指数が「月間宿泊者数」、対象地域が「箱根町」、対象期間が「1997年1月」〜「2014年12月」の人口指数テーブル153の情報がプレミアム算出部15に入力される(図7(a))。当該人口指数テーブル153の情報は、縦軸を年、横軸を月、値を人口とした人口行列154(図7(b))として表すことができるものである。なお、以下の説明では、上記対象期間における「12月」に関するプレミアム算出処理の一例を説明する。
プレミアム算出部15は、人口行列154に基づいて、図8(a)に示される代表値ベクトル155を導出する。当該代表値ベクトル155においては、例えば、月毎に全年度の人口の平均値を求め、求めた平均値が当該月の代表値とされている。更に、プレミアム算出部15は、人口行列154及び代表値ベクトル155に基づき、人口変化率行列156を導出する。人口変化率行列156においては、人口行列154に示す各人口について、代表値との差異が%で示されている。
プレミアム算出部15は、人口変化率行列156と、階級ベクトル180(図9(a))とに基づいて、人口変化率度数分布表157(図9(b))を導出する。階級ベクトル180は、プレミアムを算出する契約条件の支払条件に応じて予め定められている。例えば、図9(a)の階級ベクトル180は、人口がストライク値の−10%未満になった際に支払いが発生するとの支払条件に応じたものである。図9(a)の階級ベクトル180は、支払が発生しない階級として、「人口がストライク値の−10%以上」が設定されると共に、支払が発生する階級として、「人口がストライク値の−10%未満−20%以上」及び「人口がストライク値の−20%未満」が設定されている。このような階級ベクトル180は、支払条件が2段階に分かれており、ストライク値からの乖離に応じて支払額が変わる場合に設定されるものである。図9(b)のように、各階級の人口の度数分布が、人口変化率度数分布表157に示される。
プレミアム算出部15は、人口の度数分布を求める際に、図10(a)の相対度数分布表158に示されるような相対度数を導出する。そして、プレミアム算出部15は、相対度数に、図10(b)に示される支払額表181の階級毎の支払額を掛け合わせることにより、図10(c)の期待値表159で示される支払期待値を導出する。図10(c)に示されるように、階級が−10%以上の支払期待値は、相対度数(15/18)×支払額(0円)=0円となる。また、階級が−10%未満−20%以上の支払期待値は、相対度数(1/18)×支払額(2万円)=1111円となる。また、階級が−20%未満の支払期待値は、相対度数(2/18)×支払額(4万円)=4444円となる。
プレミアム算出部15は、上述した各階級の支払期待値を合計した値を合計支払期待値(0+1111+4444=5555円)として導出する。最後に、プレミアム算出部15は、合計支払期待値に安全率を掛け合わせると共に、マージンを足し合せることにより、プレミアムを導出する。ここでの安全率とは、プレミアムを導出するデリバティブにおいて想定される人口の振れ幅に応じて決定される所定の値である。また、マージンとは、デリバティブの販売に費やす費用等を考慮して決定される値である。プレミアム算出部15は、上述したように、プレミアムを導出した契約条件の情報にプレミアムの情報を付加した算出済み契約条件テーブル151を、契約条件記憶部12に格納する。
次に、プライシング装置10のプライシング処理を説明する。図11は、プライシング装置10のプライシング処理を示すフローチャートである。
プライシング処理では、最初に、取得部13により、人口統計情報記憶部11から所定の人口統計情報が取得される(ステップS1)。取得部13は、人口統計情報記憶部11に記憶された人口統計情報テーブル110の情報を取得し、人口指数生成部14に出力する。
つづいて、人口指数生成部14により、人口統計情報テーブル110の情報からプライシングに利用する人口指数が生成される(ステップS2)。人口指数生成部14は、取得部13から入力された人口統計情報テーブル110の情報をそのまま人口指数としてもよいし、人口統計情報テーブル110の情報に対して四則演算等の所定の加工を行うことにより、人口指数を生成してもよい。人口指数生成部14は、生成した人口指数テーブル141の情報をプレミアム算出部15に出力する。
つづいて、プレミアム算出部15により、契約条件記憶部12に記憶された契約条件に関連する人口指数における人口の変動に基づき、デリバティブのプレミアムが算出される(ステップS3)。プレミアム算出部15は、人口指数生成部14に入力された人口指数テーブル141の情報に基づき、当該人口指数と対象指数、対象地域、対象期間が一致する契約条件のプレミアムを算出する。プレミアム算出部15は、プレミアムを導出した契約条件の情報にプレミアムの情報を付加した算出済み契約条件テーブル151を、契約条件記憶部12に格納する。
次に、上述したプライシング装置10の作用効果について説明する。
プライシング装置10は、人口を対象としたデリバティブのプライシングを行う情報処理装置であって、デリバティブの契約条件を記憶する契約条件記憶部12と、人口統計情報を記憶する人口統計情報記憶部11と、人口統計情報に基づき、プライシングに利用する人口指数を生成する人口指数生成部14と、契約条件に関連する人口指数における人口の変動に基づき、デリバティブのプレミアムを算出するプレミアム算出部15と、を備える。
このプライシング装置10では、人口を対象としたデリバティブのプライシングが行われる。デリバティブの対象が人口とされることにより、天候と相関性がない観光業の落ち込みに等よる人口変動の事業収益リスクを好適にヘッジすることができる。そして、このプライシング装置10では、デリバティブの契約条件に関連する人口指数の人口変動に基づいてプレミアムが算出されている。これにより、人口の変動に応じて適切なプレミアムが設定されたデリバティブを提供することができる。以上により、天候と相関性の無い事業収益リスクをより好適にヘッジすることが可能なデリバティブを提供することができる。
[第2実施形態]
次に、図12を参照して、第2実施形態に係るプライシング装置10Aについて説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
プライシング装置10Aは、上述したプライシング装置10の各構成に加えて、ストライク値導出部16を備えている。ストライク値導出部16は、人口指数に基づき、デリバティブにおける支払い発生の基準値であるストライク値を導出する構成である。
本実施形態では、人口統計情報記憶部11は、人口統計情報として、対象指数及び対象地域が互いに同一である、申告情報(第1の人口統計情報)と非申告情報(第2の人口統計情報)とを記憶している。申告情報は、デリバティブの契約者の申告に基づく(申告に依る)人口統計情報である。非申告情報は、デリバティブの契約者の申告に基づかない(申告に依らない)人口統計情報である。契約者の申告に基づく人口統計情報とは、例えば、契約者が箱根町の観光協会である場合に、該観光協会がカウントした観光統計である。別の例として、契約者の申告に基づく人口統計情報とは、契約者が箱根町の宿泊施設である場合に、該宿泊施設が関与しうる観光統計である。契約者の申告に基づかない人口統計情報とは、例えば、デリバティブの売り手である保険会社、又は、プライシング装置を提供する通信事業者が独自にカウントした人口統計である。通信事業者が独自にカウントした人口統計とは、より具体的には、例えば通信事業者が提供している携帯電話ネットワークの仕組みを利用したモバイル空間統計である。
申告情報は、契約者との間でデリバティブ契約が締結される前から、契約者側で取得されていたデータを含んでいる。一方で、非申告情報は、例えば、契約者との間でデリバティブ契約が締結された後から保険会社側で(或いは、通信事業者側で)取得されはじめたデータである。このため、申告情報は、非申告情報よりも長期間のデータを含んでいる。
人口指数生成部14は、各人口統計情報に基づきそれぞれ人口指数を生成する。すなわち、人口指数生成部14は、申告情報に基づき申告人口指数(第1の人口指数)を生成すると共に、非申告情報に基づき非申告人口指数(第2の人口指数)を生成する。
ストライク値導出部16は、申告人口指数によって非申告人口指数を補正した情報を用いて、ストライク値を導出する。デリバティブのストライク値は、支払発生の基準値とされる値であるため、契約者の裁量で情報を操作し得る申告人口指数よりも、非申告人口指数によって導出されることが好ましい。しかしながら、上述したように、非申告情報はデリバティブの契約が締結された後に取得されるデータであるため、非申告人口指数のみから適切なストライク値を導出することは難しい場合がある。すなわち、例えばストライク値が、「代表値の70%の値」とされる場合等に、短期間のデータのみでは代表値を適切に導出できないため、適切なストライク値を導出できないおそれがある。
この点に鑑み、ストライク値導出部16は、申告人口指数によって非申告人口指数を補正した情報を用いて、ストライク値を導出する。具体的には、ストライク値導出部16は、非申告人口指数における所定日の人口と、申告人口指数の当該所定日の人口及び代表値とから、非申告人口指数の代表値を導出し、該非申告指数の代表値からストライク値を導出する。同一日の人口変動は2つの人口指数で概ね一致すると考えられるので、以下の関係が成り立つ。
申告人口指数の代表値:申告人口指数の所定日の人口
=非申告人口指数の代表値:非申告人口指数の所定日の人口・・・(1)
上記(1)式より、申告人口指数の代表値、申告人口指数の所定日の人口、及び非申告人口指数の上記所定日の人口がわかれば、非申告人口指数の代表値が導出可能となる。ストライク値導出部16は、例えば、このようにして導出した非申告人口指数の代表値の70%の値を、ストライク値として導出する。ストライク値導出部16は、導出したストライク値を、契約条件記憶部12の契約条件に格納する。
以上のように、申告人口指数によって非申告人口指数を補正した情報を用いてストライク値を導出することにより、デリバティブの契約者の申告に基づかない非申告人口指数を用いることを基本としながら、代表値を適切に導出可能な申告人口指数の情報をも考慮して、適切なストライク値を導出することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るプライシング装置について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態では、人口統計情報記憶部11が、複数種類の人口統計情報を記憶している。ここで、複数種類の人口統計情報とは、第2実施形態で説明したような、対象指数及び対象地域が互いに同一の人口統計情報ではなく、少なくとも対象指数が互いに異なる複数の人口統計情報をいう。すなわち、人口統計情報記憶部11は、例えば、同一の対象地域に関して、対象指数が「宿泊者数」である人口統計情報と、対象指数が「観光客数」である人口統計情報とを記憶している。
そして、人口指数生成部14は、複数種類の人口統計情報を組み合わせることにより、人口指数を生成する。組み合わせるとは、具体的には、複数の人口統計情報を用いて四則演算を行うこと等をいう。上述した例であれば、人口指数生成部14は、例えば、対象指数が「宿泊者数」である人口統計情報の人口を、対象指数が「観光客数」である人口統計情報の人口で割ることにより、宿泊率相当の指標を示した人口指数を生成する。
また、別の例として、例えば対象指数が「総人口」である人口統計情報の人口から、対象指数が「居住者」である人口統計情報の人口を引くことにより、観光分野の事業収益と相関のある、観光客数相当の指標を示した人口指数を生成することができる。
このように、複数の人口統計情報が組み合わされて人口指数が生成されることにより、単体の人口統計情報からは生成し難い人口指数であって事業収益との相関性が高い人口指数についても容易に生成することができる。
[第4実施形態]
次に、図13〜図15を参照して、第4実施形態に係るプライシング装置10Bについて説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態〜第3実施形態と異なる点について主に説明する。
プライシング装置10Bは、上述したプライシング装置10の各構成に加えて、発生事象記憶部17を備えている。発生事象記憶部17は、発生した事象の内容を記憶するデータベースである。発生した事象とは、例えば自然災害、事件、事故、感染症、テロ、及び都市開発の有無等である。発生事象記憶部17は、発生した事象の内容を発生事象テーブル170(図14参照)に記憶している。
図14は、発生事象テーブル170の一例を示す図である。図14に示すように、発生事象テーブル170においては、発生時期、発生地域、及び発生事象が関連付けられている。図14に示す発生事象テーブル170では、発生時期が「2015年5月6日」、発生地域が「箱根町」、発生事象が「火口周辺警報発表」であることが示されている。発生事象記憶部17は、このような発生事象テーブル170を、発生時期、発生地域、及び発生事象の組み合わせ毎に、複数記憶している。なお、発生事象テーブル170への書き込みは、例えば人手により行われてもよいし、災害を管理するサーバ等から災害発生時に自動的に行われてもよい。
そして、契約条件記憶部12は、契約条件の支払条件として、支払対象の事象の内容を記憶している。例えば、契約条件記憶部12は、図15に示される契約条件テーブル125を記憶している。契約条件テーブル125においては、支払条件が、「火口周辺警報発令から6か月間以内の場合において、ストライク値を下回った場合」とされている。
このように、発生事象記憶部17において発生事象が記憶されると共に、契約条件記憶部12において支払条件として支払対象の事象の内容が記憶されていることにより、例えば、発生事象記憶部17において記憶された発生事象が所定の事象である場合に限定して支払いが行われる、との処理が可能となる。例えば、支払いの発生を「火口周辺警報発令から6か月間のみ」とすることで、他の事象(例えば地震の風評被害等)に伴う支払いが不要となる。このことで、プレミアム算出における期待値が下がるためより安価なプレミアムを導出することができ、支払いが発生するシチュエーションを限定してプレミアムを安価にする、などの様々なデリバティブのニーズに対応することが可能となる。
[第5実施形態]
次に、図16を参照して、第5実施形態に係るプライシング装置について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態〜第4実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態では、プレミアム算出部15が、人口指数の確率分布を求め、該確率分布からモンテカルロ法によりプレミアムを算出する。プレミアム算出部15は、人口指数生成部14から入力された人口指数に、正規分布、指数分布、ポアソン分布、ガンマ分布、ベータ分布等の確率分布を当てはめて、人口指数の確率分布を求める(図16参照)。その後、プレミアム算出部15は、該確率分布に基づき、モンテカルロ法によって乱数を用いたシミュレーションを複数回(例えば1万回等)行うことによりデリバティブの支払期待値を算出し、安全率及びマージンを考慮して、プレミアムを算出する。
このように、プレミアム算出部15が人口指数の確率分布からモンテカルロ法によりプレミアムを算出することにより、人口統計情報のトレンドが反映された、より正確なプレミアムを算出することができる。
[第6実施形態]
次に、図17を参照して、第6実施形態に係るプライシング装置について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態〜第5実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態では、人口指数生成部14が、人口統計情報に基づいて導出した補正前指数を、補正前指数の時間的変化に応じて補正することにより、人口指数を生成する。人口指数生成部14は、図17(a)に示されるように、人口統計情報に基づいて、補正前の人口指数である補正前指数を時系列に並べ、線形回帰モデルを当てはめる。図17(a)に示される例では、横軸を時間軸、縦軸を人口指数(詳細には補正前人口指数)としたときに、線形回帰モデルを当てはめるとy=0.5x+10との直線が導出されている。
人口指数生成部14は、線形回帰モデルを当てはめて導出した直線について、直線の傾きが0になるように補正を行う(図17(b)参照)。すなわち、現在、時間t=2(つまりx=2)だとすると、上述したy=0.5x+10の直線にx=2が代入され、直線がy=11とされて、傾きが0になるように、補正前指数の値が補正される。そして、当該補正後の値が人口指数とされる。
このように、線形回帰モデルを当てはめて導出した直線に関して、yの値を現在(時間t=2)の値として傾きが0になるように補正前指数の値を補正することにより、人口統計情報の時系列のトレンドを反映した人口指数を導出することができ、より正確なプレミアムを導出することができる。すなわち、例えば、年々規模が大きくなるテーマパークが招致された観光地等において、年々観光者数が増加していく場合などにおいて、当該人口の増加を考慮して人口指数を導出することができるので、より適切なプレミアムを導出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、プライシング装置10は、1台の情報処理装置であるとして説明したが、複数台のサーバを組み合せて構成されるものであってもよい。
また、プライシング装置10の機能として、プレミアムを算出するための機能を説明したが、プライシング装置10は、支払発生の有無を判断する機能を有していてもよい。
また、プライシング装置10は、人口を対象としたデリバティブのプライシングを行うサーバであるとして説明したがこれに限定されない。すなわち、プライシング装置10は、人口以外の行動データである、トラヒック量(パケット数、バイト数、通信回数、通信時間、通信端末数)、基地局数、通信事業者との契約者数、又は通信に係る消費額(通信費、コンテンツ決済額)を対象としたデリバティブのプライシングを行ってもよい。
10,10A,10B…プライシング装置、11…人口統計情報記憶部、12…契約条件記憶部、14…人口指数生成部、15…プレミアム算出部、16…ストライク値導出部、17…発生事象記憶部。

Claims (6)

  1. 行動データを対象としたデリバティブのプライシングを行う情報処理装置であって、
    前記デリバティブの契約条件を記憶する契約条件記憶部と、
    行動データ統計情報を記憶する行動データ統計情報記憶部と、
    前記行動データ統計情報に基づき、プライシングに利用する行動データ指数を生成する行動データ指数生成部と、
    前記契約条件に関連する前記行動データ指数における行動データの変動に基づき、前記デリバティブのプレミアムを算出するプレミアム算出部と、を備える情報処理装置。
  2. 前記行動データ指数に基づき、前記デリバティブにおける支払発生の基準値であるストライク値を導出するストライク値導出部を更に備え、
    前記行動データ統計情報記憶部は、
    前記行動データ統計情報として、前記デリバティブの契約者の申告に基づく第1の行動データ統計情報と、前記デリバティブの契約者の申告に基づかない第2の行動データ統計情報とを記憶しており、
    前記第1の行動データ統計情報は、前記第2の行動データ統計情報よりも長期間のデータであり、
    前記行動データ指数生成部は、
    前記第1の行動データ統計情報に基づき前記行動データ指数である第1の行動データ指数を生成し、前記第2の行動データ統計情報に基づき前記行動データ指数である第2の行動データ指数を生成し、
    前記ストライク値導出部は、
    前記第1の行動データ指数によって前記第2の行動データ指数を補正した情報を用いて、前記ストライク値を導出する、請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記行動データ統計情報記憶部は、複数種類の前記行動データ統計情報を記憶しており、
    前記行動データ指数生成部は、複数種類の前記行動データ統計情報を組み合わせることにより前記行動データ指数を生成する、請求項1又は2記載の情報処理装置。
  4. 発生した事象の内容を記憶する発生事象記憶部を更に備え、
    前記契約条件記憶部は、前記契約条件として支払条件を記憶しており、該支払条件として支払対象の事象の内容を記憶している、請求項1〜3のいずれか一項記載の情報処理装置。
  5. 前記プレミアム算出部は、前記行動データ指数の確率分布を求め、該確率分布からモンテカルロ法により前記プレミアムを算出する、請求項1〜4のいずれか一項記載の情報処理装置。
  6. 前記行動データ指数生成部は、前記行動データ統計情報に基づいて導出した補正前指数を、前記補正前指数の時間的変化に応じて補正することにより、前記行動データ指数を生成する、請求項1〜5のいずれか一項記載の情報処理装置。
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