以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る警備システム2の概略の構成を示すブロック図である。当該警備システム2は、警備装置4、通信網6及び監視センタ8を含んで構成され、警備装置4は通信網6を介して監視センタ8に接続される。なお、警備装置4は基本的に監視対象の物件ごとに設置され、複数の警備装置4が監視センタ8に接続され得る。
また、図1には示していないが、監視対象の建物等の利用者が警備装置4の動作モードである警備モードを切り替える際に用いる利用者カードも警備システム2の一部を構成する。さらに、警備装置4に関する対処作業を行う対処員が警備装置4の警備モードを、当該対処作業のためのモード(対処モード)に切り替える等に用いる対処用のカード(対処カード)も警備システム2の一部を構成する。
警備装置4はセンサ10、操作表示部12、リーダ部14、報知部16、通信部18、記憶部20及び制御部22を含んで構成される。センサ10、操作表示部12、リーダ部14、報知部16、通信部18及び記憶部20は制御部22と有線又は無線で接続される。
センサ10は監視エリアにおける異常を検知する装置であり、例えば、カメラ及び画像処理装置を含んで構成される画像監視センサ、赤外線の変化により人体を検出する人感センサ、火災・煙等を検知するセンサなどである。センサ10の出力信号は制御部22に入力される。
操作表示部12はタッチパネルディスプレイを備える。ディスプレイには、制御部22から、警備装置4に対する操作の案内や監視画像が表示される。またタッチパネルはユーザ等が制御部22に対する各種操作を行う入力手段である。入力手段は例えば、パスワード(password:PW)の入力や、警備モードの切り替え操作に用いられる。なお、操作表示部12はボタン、スイッチ、テンキーなどの他の入力手段を備えてもよい。
リーダ部14は利用者カードや対処カードに記録された情報を読み取る装置である。例えば、利用者カードや対処カードは認証情報などを記録した非接触式ICカードであり、その場合、リーダ部14は非接触式ICカードリーダであり、翳されたカードから情報を読み取り制御部22へ出力する。
操作表示部12及びリーダ部14は監視対象の建物等の入退館時に操作されるので、基本的には建物の出入口の近くに設置される。なお、その設置場所は出入口の内側の場合もあるし外側の場合もある。また、操作表示部12、リーダ部14は1つのモジュールに構成することもできる。リーダ部14は建物の出入口のほか、建物内の各部屋の境界(エリア境界)ごとに1組ずつ設けることもできる。この場合、利用者は建物の出入り、及びエリア間の移動の際にリーダ部14を操作する。
報知部16は異常検知時の警報を出力するスピーカ等であり、制御部22からの出力信号に基づいて動作する。
通信部18は制御部22と監視センタ8との通信インターフェースである。
記憶部20は制御部22にて実行される各種プログラムやそれに必要なデータを格納される。特に、記憶部20は、監視対象の物件ごとに固有の物件コード30、利用者の識別情報(利用者ID32)及び対処作業用の識別情報(対処ID34)を記憶する。また、記憶部20は、後述する対処作業用に生成されるパスワード(対処PW36)を一時記憶する。記憶部20は現在設定されている警備モード38、現在発生している異常状態、及びセンサの検知履歴なども記憶する。さらに、記憶部20は、利用者IDと対応付けて当該IDの利用者の在室状態40を記憶する。また、本実施形態では記憶部20は、利用者IDと対応付けて利用者の資格情報42を記憶する。
在室状態40は、監視対象の領域における利用者の存否を示す情報であり、利用者が監視対象の領域にいる存在状態か当該領域にいない不在状態かを表す。本実施形態では存在状態を「在室」、不在状態を「不在」と表現する。また、存在状態として監視対象の建物内などの複数エリアのどこに利用者がいるかの情報を含めて記憶してもよい。
資格情報42は後述するパスワードでの対処モードへの切り替えの許否の判断に用いられる。例えば、資格情報42には会社等の組織における各利用者の役職と、派遣された対処員への応対を許容する役職とを記憶させることができる。また、資格情報42には単純に、対処モードへの切り替えが許容される資格の有無を記憶させてもよい。
制御部22はマイクロプロセッサ等を用いて構成され、実行されるプログラムに応じて、異常監視処理部50、モード管理部52、パスワード(PW)生成部54、在室管理部56などとして機能する。
異常監視処理部50は監視対象及び警備装置4における各種の異常事象の発生を判断する。異常事象には、例えば、センサ10の検知信号に基づく侵入者の検知(侵入異常)、操作表示部12や非常ボタンにより非常操作信号が発せられた状況(非常異常)、及びセンサ10等の警備装置4の機器の故障等の検知信号が発せられた状況(機器異常)などがある。異常監視処理部50は異常と判定した場合には、検出した異常内容を物件コードと共に監視センタ8へ通報する。また、併せて報知部16を動作させ異常通報を報知することも行われ得る。
モード管理部52は警備モードの切り替えを制御し、警備装置4に対する警備モードの切り替え操作が妥当と判断した場合のみ、警備モードの切り替えを行う。モード管理部52は現在設定されている警備モードを記憶部20に記憶すると共に、監視センタ8に送信する。
警備装置4には基本的に警戒モード、解除モード及び対処モードの3つの警備モードが存在する。警戒モードは監視対象となる領域から利用者が退出し無人となる状態にて選択・設定され、監視対象の領域が無人である際の異常監視を行う状態である。具体的には、センサ10による侵入異常を含めた異常監視が行われる。警戒モードでは異常発生時には監視センタ8への通報が行われ、警備員が通報元の物件に派遣される。
一方、解除モードは無人となる状態での異常監視が解除された状態であり、センサ10を停止、又はその侵入検知信号を無効とする。解除モードは、監視対象領域に利用者が存在し得る状態にて選択・設定される。ちなみに、解除モードにおいても、非常操作信号や機器異常の検知信号が発せられれば監視センタ8に通報がなされ、警備員が通報元の物件に派遣される。
対処モードは警備員や保守作業員などの監視対象物件での対処作業に派遣された者(対処員)によって用いられる。対処モード中は、センサ10の検知履歴は記憶部20に記録されるが、異常判定・通報は行わない。例えば、警備員が担当物件を巡回して行う異常点検や、異常発生時に監視センタ8からの要請を受けて行う異常点検などにて対処モードが用いられる。ちなみに、異常点検では例えば、記憶部20に記録された異常履歴の確認や、発報センサ及び発報箇所の確認などが行われる。また、警備装置4の定期点検等の際にも対処モードが利用される。具体的には、警備装置4に登録される利用者IDの追加・削除、その他の各種の設定変更がシステム導入時及びその後随時、対処モードを用いて行われる。また、センサ等の機器のメンテナンス、動作テスト、交換なども対処モードにて行われる。
モード管理部52は警備モードの切り替えに際し、操作者の認証を行って当該操作者に与えられた権限を確認し、権限内での切り替えのみ行う。上述した利用者カード及び対処カードは当該認証に用いられる。それらカードには認証情報となるカード情報としてカードIDが記憶される。例えば、利用者カードにはカードIDとして、物件コードと、当該物件における利用者を識別するコード(連番など)との組み合わせからなる利用者ID(利用者認証情報)が記憶される。また、対処カードにはカードIDとして、物件コードと、利用者のカードではなく対処作業用のカードであることを示すコードとの組み合わせからなる対処IDが記憶される。
ここで、対処カードは利用者カードと同様にセキュリティ性の維持が図られる認証媒体であり、ここではこれを特定認証媒体と呼ぶことにする。具体的には、対処カードは監視対象の物件ごとに固有の認証媒体であり、この点で1つのカードで複数の物件を共通に操作できる所謂マスターキー方式の認証媒体と比較してセキュリティの確保が容易である。また、対処カードは対処員のうち限定された者(特定の対処員)のみに所持される。例えば、或る物件の対処カードは、当該物件を担当する対処員の待機所または対処用車両に置かれ、担当外の対処員は基本的には対処カードを手にすることがない。この点でもセキュリティの確保が図られる。
モード管理部52にて使用する対処作業用の認証情報として、本発明に係る警備システム2では、対処カードに記憶された認証情報(第1の認証情報)とは別に、PW生成部54により生成されるパスワードが用いられる。パスワードは基本的に無形の情報であり、有形の認証媒体を介さずに使用される。この点で、パスワードは、有形の「物」である特定認証媒体に記録される第1の認証情報とは異なり、任意の対処員に授けることが可能な認証情報(第2の認証情報)である。例えば、監視対象物件の近くにいる対処員や手が空いている対処員に通信手段等でパスワードを知らせることで当該物件での対処を迅速に開始でき、物件の利用者の待ち時間を減らすことが可能である。
ここで、パスワードのような第2の認証情報は利便性が高い反面、セキュリティが低くなるという問題があった。モード管理部52は、第2の認証情報による警備モードの切り替えを第1の認証情報よりも制限することで、セキュリティ性の維持と迅速な対処との両立を図っている。モード管理部52による制御の詳細については後述する。
PW生成部54は、上述の対処作業用のパスワード(対処PW)としてワンタイムパスワード(一時PW)を生成する。例えば、30分間隔など所定時間ごとに現時刻と物件コードとを用いて所定規則に従い暗証番号などのパスワードを生成する。また、対処PWが一度使用されたときも新たな対処PWを生成する。生成された対処PWは記憶部20に一時的に記憶され、新たな対処PWが生成されると古い対処PWは記憶部20から消去される。
在室管理部56は監視対象の領域における利用者の存否を判別する存否判別部としての機能を有する。在室管理部56は利用者カードから読み取った利用者認証情報に基づいて当該存否を判別することができる。また、在室管理部56は当該利用者認証情報を認証して、電気錠付き扉の解錠制御や自動扉の開放制御を行う。具体的には、在室管理部56はリーダ部14に翳された利用者カードから読み取った利用者IDを記憶部20に予め登録された利用者ID32と照合する。そして、読み取った利用者IDが登録された利用者ID32と一致した場合、通行要求と認識し、電気錠等の通行規制手段を開放する。これと共に在室管理部56は、その利用者IDの在室状態40を「在室」又は「不在」に更新する。例えば、出入口の外側と内側とに設置されたリーダ部14のいずれに利用者カードが翳されたかにより建物内への移動(入場)か建物外への移動(退場)かを判断することができ、同様に、エリア間の移動にて移動元と移動先とを判断することができる。そこで、例えば、建物へ入場、又は建物内での移動であれば、在室管理部56は在室状態40を「在室」(あるいは「在室」を示す情報としての移動先の「エリア」情報)に更新し、建物からの退場であれば在室状態40を「不在」に更新する。
監視センタ8は通信網6を介して複数の警備装置4に接続される。具体的には、監視センタ8には監視センタ装置として、操作部60、表示部62、通信部64、記憶部66及び制御部68等からなる監視卓が設けられる。操作部60、表示部62、通信部64及び記憶部66は制御部68と接続される。
操作部60は、監視センタ8のオペレータ(管制員)が各種の設定、情報、指示等を制御部68に入力する手段であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ボタンなどである。
表示部62は液晶ディスプレイ等の画像表示手段であり、センサ10からの画像や異常検知信号、物件の警備モード及び異常検知の有無などを表示する。
通信部64は制御部68と警備装置4との通信インターフェースである。
記憶部66は制御部68にて実行される各種プログラムやそれに必要なデータを格納される。
制御部68はマイクロプロセッサ等を用いて構成され、実行されるプログラムに応じて、監視センタ装置の各部の動作を制御する。
例えば、制御部68は何れかの警備装置4から異常通報を受けると、異常内容やその物件に関する情報を対処用情報として表示部62に表示する。管制員は、表示された対処用情報を確認し、対処員のステータスを考慮して適切な人物を選定し、当該人物に対処を指示する。
監視センタ装置には対処員の管理機能を設けることができる。例えば、警備サービスの提供区域ごとに、所属する対処員のステータス(対処状況など)を管理する。また、監視センタ装置には、各物件の鍵及び対処カードが保管された待機所・搭載された対処用車両が登録され、対処員ステータスと紐付けられている。
当該管理機能は対処員への対処指示を支援する機能を含み得る。例えば、監視センタ装置は、対処用情報に基づき、その物件の対処カードが搭載された車両を使用中の対処員を対処要員候補として抽出し、その対処員のステータスと共に表示する。また、同じ物件の対処カードが保管されている待機所にて待機中の対処員をステータスと共に表示する。さらに、これら対処カードを携行できる対処員のほか、該当地域および隣接地域に所属する対処員のステータスを表示可能とする。管制員は、対処の優先度等を考慮し、適切な対処員を選定し、その対処員が所持する携帯端末へ、物件情報や異常内容等を含む対処指示情報を送信する。
さらに監視センタ装置はパスワードを生成し対処員に通知する機能を有する。具体的には、対処先の物件コードと現在時刻とに基づき、対処用の一時PWを生成する。管制員は、対処指示情報を送信する際、または、対処員の携帯端末から対処物件に到着した旨の到着通知を受信した際、必要に応じて監視センタ装置に一時PWを生成、表示させ、対処員の携帯端末へ送信する。例えば、監視センタ装置は対処指示した対処員のステータスを参照し、当該対処員が該当する対処カードの搭載車両または保管待機所と紐付けられてない場合に、後述する対処カード不要での対処を可能とするため、一時PWを発行する。また、対処終了時など、管制員の操作により一時PWを更新させることができる。なお、対処員への一時PWの通知は、管制員が電話や無線などで行ってもよい。
また、警備装置4においてもPW生成部54により、監視センタ8と同じアルゴリズムで同じパスワードが同期して生成されている。そこで監視センタ装置は自らはパスワードを生成せず、PW生成部54が生成したパスワードを警備装置4から取得してもよい。
次に警備システム2における警備モードの制御について説明する。表1は警備モードの移行処理の概略をまとめたテーブルであり、現在の警備モード(現モード)ごとに、モード切り替えの各操作方式に対し許可されるモード移行を示している。「操作方式」は警備モードの切り替えに際しての操作者の認証手段であり、物件の利用者は利用者カードを用いて認証を行う。対処員については認証手段として対処カードと対処PWとの2通りがある。
図2は現モードが警戒モード又は解除モードである場合における処理の概略を示すフロー図である。
モード管理部52は警備モードを切り替える認証操作がなされるまで待機し(ステップS2〜S6にて「No」の場合からなるループ処理)、警備モードを切り替える認証操作がなされると当該操作に対応した処理を行う(ステップS2〜S6のいずれかにて「Yes」の場合)。
具体的には、現モードが警戒モード又は解除モードの場合における切り替え操作として、利用者カードによる操作(S2)、対処カードによる操作(S4)、及び対処PWの入力による操作(S6)が可能である。
利用者カードがリーダ部14に翳されると、モード管理部52は当該利用者カードから読み取られた利用者IDを記憶部20の利用者ID32と照合し認証する。そして認証に成功すると、利用者カードによる操作がなされたと判断し(S2にて「Yes」の場合)、現モードが警戒モードであれば解除モードに切り替え、現モードが解除モードであれば警戒モードに切り替える(ステップS8)。
なお、利用者カードによるモード切り替えに際して、操作表示部12にて操作者に警戒モードと解除モードとのいずれに切り替えるかの指示を入力させ、操作者の意思を確認し誤操作の防止を図る構成としてもよい。また、当該確認操作は、警戒モードのセット操作時だけとしてもよい。
利用者カードによる切り換え後は、警戒モード及び解除モードのいずれかであるので、モード管理部52はステップS2に戻り図2に示す警戒/解除モードでの処理を継続する。
対処カードがリーダ部14に翳された場合は、モード管理部52は当該対処カードから読み取られた対処IDを記憶部20の対処ID34と照合し認証する。そして認証に成功すると、対処カードによる操作がなされたと判断し(S4にて「Yes」の場合)、現モードが警戒モード及び解除モードのいずれであっても警備装置4を対処モードに移行させる(ステップS16)。なお、切り換えに伴い、モード管理部52は図2に示す警戒/解除モードでの処理を終了し、図3に示す対処モードでの処理を開始する。
対処PWが操作表示部12にて入力された場合は(ステップS6にて「Yes」の場合)、モード管理部52は現モードが解除モードであり(ステップS10にて「Yes」の場合)、且つ特定の資格情報42を持つ利用者(以下、特定利用者)の在室状態40が「在室」(あるいは「エリア」情報)であれば(ステップS12にて「Yes」の場合)、入力された対処PWを記憶部20に記憶された一時PW(対処PW36)と照合する。そしてモード管理部52は対処PWが一致した場合は(ステップS14にて「Yes」の場合)、警備装置4を対処モードに移行させる(ステップS16)。このとき、対処PWの入力で設定された対処モード(PW付き対処モード)であることを記憶部20に記憶しておく。なお、切り換えに伴い、モード管理部52は図2に示す警戒/解除モードでの処理を終了し、図3に示す対処モードでの処理を開始する。
一方、対処PWの入力操作が警戒モードにて行われた場合(ステップS10にて「No」の場合)、対処PWの入力操作が特定利用者の不在状態にて行われた場合(ステップS12にて「No」の場合)、及び入力された対処PWが記憶部20に記憶された一時PWと一致しなかった場合(ステップS14にて「No」の場合)は、モード管理部52は警備モードの移行に失敗したとして現モードを維持する(ステップS18)。現モードが維持されるのでモード管理部52はステップS2〜S6のループ処理に戻り、警戒/解除モードでの処理を継続する。
ちなみに、警戒モードや特定利用者の不在状態では対処PWの入力操作自体を拒否してもよい。例えば、解除モード且つ特定利用者が在室している状態では操作表示部12のタッチパネルディスプレイに表示する操作メニューに、対処PWの入力を受け付ける状態とする選択肢を設けるのに対し、警戒モード及び不在状態では当該選択肢を表示しない構成とすることができる。
以上述べたように、利用者が使用する警戒/解除モード中においては、利用者カードによりそれらモード間の相互の切り替えが可能であると共に、対処員に対しては対処モードへの切り替えを可能とする。対処員が対処PWよりセキュリティ性が高い対処カードを所持している場合には、物件に利用者がいる存在状態だけでなく、不在状態においても対処モードへの切り替えが許可される。これにより、対処員は侵入異常を含む各種の対処作業を実施することができる。一方、対処PWによる対処モードの設定は、利用者の要請に対して迅速な対処を実践することを主な目的とし、基本的に監視対象に利用者がいる状況において必要とされる機能である。そこで、利用者(特に対処員に応対できる権限を有した利用者)の存在状態に限って対処カード不要で対処PWにより対処モードの設定可能とすることで、各種の設定変更や機器の点検・交換等の利用者の要請に対する迅速な対処と、利用者不在時の警戒モードでのセキュリティ性の確保とが好適に実現される。
ここで、基本的には利用者が在室中のときは警備モードは解除モードであり、一方、解除モード中であっても利用者が在室中であるとは限らないので、ステップS10の判定を省略し、警備モードに拘わらず利用者の存否(S12)で対処PWの照合(S14)を行うか否かを判定する構成とすることが可能である。
なお、例えば、建物に利用者がいるときに建物の外周など監視対象の一部について警戒モード(部分警戒モード)をセットする監視形態がある。当該形態においては、ステップS10の判定にて部分警戒モードも警戒モードの一種として扱うことができる一方、利用者が在室中であることを前提とする部分警戒モードの場合でも解除モードの場合と同様に扱うようにすることもできる。
図3は現モードが対処モードである場合における処理の概略を示すフロー図である。
モード管理部52は警備モードを切り替える操作がなされるまで待機し(ステップS30,S32にて「No」の場合からなるループ処理)、警備モードを切り替える操作がなされると当該操作に対応した処理を行う(ステップS30,S32のいずれかにて「Yes」の場合)。
具体的には、現モードが対処モードの場合における切り替え操作として、対処カードによる操作(S30)と、対処PWの入力による操作(S32)とのいずれかが可能である。
対処カードがリーダ部14に翳されると、モード管理部52は当該対処カードから読み取られた対処IDを記憶部20の対処ID34と照合し認証する。そして認証に成功すると、対処カードによる操作がなされたと判断し(S30にて「Yes」の場合)、操作表示部12にて操作者に警戒モードと解除モードとのいずれに切り替えるかの指示を入力させる。当該指示が解除モードへの移行要求である場合は(S34にて「Yes」の場合)、モード管理部52は警備装置4を解除モードにし(ステップS36)、一方、当該指示が警戒モードへ移行する要求である場合は(S34にて「No」の場合)、警備装置4を警戒モードに設定する(ステップS38)。なお、対処モードの終了に伴い、モード管理部52は図3の処理を終了し、図2に示す警戒/解除モードでの処理を開始する。なお、対処カードでは警戒モードへのみ切り替え可能とし、解除モードへの切り替えには利用者カードを必要としてもよい。
対処PWが操作表示部12にて入力された場合は(ステップS32にて「Yes」の場合)、モード管理部52は現モードが対処PWの入力で設定された対処モード(PW付き対処モード)であれば(ステップS40にて「Yes」の場合)、入力された対処PWを記憶部20に記憶された一時PW(対処PW36)と照合する。そしてモード管理部52は対処PWが一致した場合は(ステップS42にて「Yes」の場合)、警備装置4を解除モードに移行させる(ステップS36)。
一方、現モードが対処カードにより設定された対処モードである場合(ステップS40にて「No」の場合)や入力された対処PWが記憶部20に記憶された一時PWと一致しなかった場合(ステップS42にて「No」の場合)は、モード管理部52は警備モードの移行に失敗したとして対処モードを維持し(ステップS44)、ステップS30に戻る。
なお、ステップS40の判定処理は省略し、現モードの対処モードが対処カード、対処PWのいずれにより設定された場合であっても、対処PWによる解除モードへの移行を可能とすることもできる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る警備システム2bについて以下、上記第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態での説明を援用しここでの説明の簡素化を図ることとし、主に、第2の実施形態の警備システム2bが第1の実施形態と異なる点について説明する。
警備システム2bの概略の構成は第1の実施形態の警備システム2について示す図1と同じである。本実施形態では、監視センタ8は対処カードを所持していない対処員を物件の対処作業に派遣する場合に、対処先の警備装置4に対して、対処PWでの対処作業を監視センタ8が了承していることを示す対処承認情報として対処コマンドを送信する。具体的には、制御部68が管制員の操作を受けて警備装置4に対して対処コマンドを発行する。
警備装置4は通信部18により、通信網を介して対処コマンドを受信し、記憶部20に対処コマンドを記憶する。なお、発行された対処コマンドが警戒モードでは用いられないようにするために、本実施形態では警備装置4の記憶部20における受信した対処コマンドの記憶を一時的なものに留めている。記憶部20における対処コマンドの保持時間は、予め定めた時間(例えば、10分)、又は対処コマンドで指定された時間とすることができる。
警備システム2bのモード管理部52は、特定利用者の在室状態40が「在室」であり、且つ対処コマンドが記憶されていることを条件に、対処PWによる対処モードへの切り替えを許容する点で第1の実施形態と相違する。図2のフロー図を用いて説明すると、第1の実施形態では、モード管理部52は、対処PWが入力された場合(S6にて「Yes」の場合)、当該対処PWによる認証(S14にて「Yes」の場合)により対処モードへの移行を許可するために、警備モードが解除モードであること(S10にて「Yes」の場合)及び特定利用者の在室状態40が「在室」であること(S12にて「Yes」の場合)を条件としたが、本実施形態では対処コマンドが記憶部20に記憶されていることを追加条件とする。当該条件が満たされた場合には対処モードへ移行し(S16)、対処コマンドが記憶されていない場合はモード移行を行わない(S18)。
なお、ステップS10の判定は第1の実施形態と同様、省略することができる。また、警戒/解除モードにおける利用者カード及び対処カードによる操作時の処理は図2を用いて説明した第1の実施形態の処理と同じであり、対処モードにおける処理は図3を用いて説明した第1の実施形態の処理と同じである。
監視センタ8から送る対処承認情報として監視センタ8にて警備装置4のPW生成部54と同じアルゴリズムで生成した一時PWを用いることもできる。この場合、警備装置4はPW生成部54にて生成した一時PWと、監視センタ8から受信した一時PWとが一致する場合に所定時間だけ対処PWの入力による対処モードへの移行を許容する。
また、警備装置4では一時PWを生成せず、監視センタ8から受信した一時PWを所定時間(例えば10分)だけ記憶する構成としてもよい。対処員は第1の実施形態と同様、監視センタ8が生成した一時PWを対処PWとして受け取り警備装置4に入力する。よって、モード管理部52は図2に示すステップS14では当該入力された対処PWと警備装置4が監視センタ8から受信した一時PWとを照合し、一致した場合に対処モードへの移行を許容する。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る警備システム2cについて以下、上記第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態での説明を援用しここでの説明の簡素化を図ることとし、主に、第3の実施形態の警備システム2cが第1の実施形態と異なる点について説明する。
警備システム2cは図1に示す構成に電気錠を加えた構成である。電気錠は物件のドア等に設置され、制御部22からの電気信号により施錠/解錠される。
図4は本実施形態での現モードが警戒モード又は解除モードである場合における処理の概略を示すフロー図である。図4において図2と共通のステップには同一の符号を付している。モード管理部52は利用者カード又は対処カードを用いた認証によるモード切り替えに際して電気錠制御を連動させる点で第1の実施形態と相違する。
例えば、モード管理部52は利用者カードによる認証が成功し利用者カードによる操作がなされたと判断した場合(S2にて「Yes」の場合)にて、警備モードを警戒モードから解除モードに切り替える際に電気錠を一定時間(例えば10秒)だけ解錠し、利用者の入館を許容する。なお、ここでは扉が開状態から閉状態と遷移したとき、電気錠は再び自動施錠される。
また、モード管理部52は対処カードによる認証が成功し対処カードによる操作がなされたと判断した場合(S4にて「Yes」の場合)には、現モードが警戒モードか解除モードかに拘わらず対処モードに移行設定するが(ステップS62)、その対処モードへの移行セットと共に、電気錠を一定時間だけ解錠し、対処員の入館を許容する(ステップS64)。
警戒/解除モードにおけるその他の場合の処理は図2を用いて説明した第1の実施形態の処理と同じである。すなわち、対処PWにより対処モードへ移行した場合は(ステップS16)、電気錠は連動せず、解錠しない。また、ステップS10の判定は第1の実施形態と同様、省略することができる。
なお、対処モードにおける処理は図3を用いて説明した第1の実施形態の処理と同じである。
本実施形態によれば、カード認証と電気錠制御が連動するシステム構成において、利用者の存在状態に限って対処カード不要で対処モードを設定可能とし、且つ、対処カードがなければ利用者の応対が無い勝手な入館は規制されるため、ユーザ要請に対して迅速に対処できると共に、セキュリティ性を確保できる。
本実施形態の特徴は第2の実施形態の警備システム2bにも適用することができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る警備システム2dについて以下、上記第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態での説明を援用しここでの説明の簡素化を図ることとし、主に、第4の実施形態の警備システム2dが上記実施形態と異なる点について説明する。
警備システム2dの概略の構成は第1の実施形態の警備システム2について示す図1と同じである。本実施形態は、監視センタ8から警備装置4へ対処コマンドを送信する点で第2の実施形態と共通する。本実施形態が第2の実施形態と異なる主な点は、監視センタ8の制御部68は対処先の警備装置4が解除モードであり、且つ利用者の在室が検出されている場合に限定して対処コマンドを発行する点にある。
具体的には、警備装置4では、モード管理部52が現在設定されている警備モードを監視センタ8に送信し、また在室管理部56が特定利用者の現在の在室状態40を監視センタ8に送信する。監視センタ8では、制御部68が管制員の操作を受けて警備装置4に対して対処コマンドを発行する。その際、制御部68は、記憶部66に記憶されている警備装置4の現在の警備モード及び在室状態を参照し、対処先の警備装置4が解除モードに設定されており、さらに特定利用者の在室状態40が「在室」である場合には対処コマンドの発行を許容する。一方、解除モードであっても特定利用者の在室状態40が「不在」である場合や警戒モードに設定されている場合には対処コマンドの発行を禁止する。
本実施形態の対処コマンドは、警備装置4が解除モードであり、且つ在室状態40が「在室」であることを、監視センタ8にて確認して発行されるので、警備装置4の警戒/解除モードにおける対処PWによる対処モードへの切り替え処理では図2に示した解除モードであるか否かの判定(S10)及び在室状態40が「在室」か否かの判定(S12)が、対処コマンドが記憶部20に記憶されているか否かの判定に置き換えられる。すなわち、図2のフロー図を用いて説明すると、モード管理部52は、対処PWが入力された場合(S6にて「Yes」の場合)、ステップS10,S12に換えて、対処コマンドが記憶部20に記憶されているかを判定する。そして対処コマンドが記憶されている場合には、モード管理部52は対処PWが一致すれば(S14にて「Yes」の場合)、警備装置4を対処モードに移行させる(S16)。一方、対処コマンドが記憶されていない場合はモード移行を行わない(S18)。
なお、第1の実施形態で述べたステップS10の判定を省略する構成に対応する構成として、監視センタ8は警備モードが警戒モードであるか解除モードであるかに拘わらず、在室状態40が「在室」であれば対処コマンドの発行を許容する構成とすることもできる。
[変形例]
(1)上記実施形態では、監視対象に固有の第1の認証情報を記録し、対処員のうち限定された者のみに所持される特定認証媒体の一例として対処カードを用いる構成例を説明した。しかし、特定認証媒体は物件ごとに用意された他の物であってもよく、例えば、警備装置4と通信する携帯端末、RFIDタグなどを用いることができる。
(2)上記実施形態では、任意の対処員に授けることができる第2の認証情報として対処PWを用いる構成例を説明した。しかし、第2の認証情報はこれに限られず、例えば、ジェスチャー、生体認証に用いる生体情報などを用いることができる。
生体認証を利用する場合、対処員の生体情報を監視センタ8に予め登録する。そして監視センタ8は対処員に対処指示するとき、当該対処員の生体情報を警備装置4へ通知し、警備装置4はこれを認証用に記憶部20に一時記憶させればよい。
また、物件ごとに固有でない、複数の物件で利用可能な共通対処カード(所謂マスター方式の認証媒体)に記録されたデータを第2の認証情報とし、当該共通対処カードを各対処員に所持させる構成とすることもできる。共通対処カードは、警戒モードにある物件では使用することができないが、解除モードにある物件に対しては対処モードへの移行に使用することができるのでセキュリティ性の確保が可能である。また、任意の対処員に所持させることができるので迅速な対処が可能である。
(3)上記実施形態では、ステップS12にて資格情報42に基づく特定の利用者についての「在室」を判定したが、「在室」の判定対象の利用者を特定利用者に限定しない構成とすることもできる。すなわち、いずれかの利用者の在室状態40が「在室」であれば対処PWでの対処モードへの切り替えを可能としてもよい。なお、この場合、例えば2人以上など、予め定めた複数人以上の利用者の在室を条件としてもよい。
(4)上記実施形態では、特定利用者を記憶部20に予め記憶された資格情報42に基づいて定める構成を説明した。一方、特定利用者はその他の条件で特定されるものであってもよい。例えば、監視センタ8に対処作業の要請(対処要請)を行った利用者(対処要請者)を特定利用者とし、ステップS12にてその者の在室を条件とすることができる。
この場合、警備装置4は、対処要請に応じて発生した要請情報を取得し記憶部20に記憶する。要請情報は対処要請者の利用者IDを含み、当該利用者IDは例えば、警備装置4を介した対処要請操作の際に読み取った利用者カードから特定する。また、利用者から電話等により監視センタ8へなされる対処要請においては、監視センタ8にて利用者の本人確認を行い、当該利用者の利用者IDを特定して警備装置4に要請情報として送信し記憶部20に記憶させる。
(5)上記実施形態では在室状態40は利用者の入退場時やエリア移動時におけるリーダ部14での利用者カードの読み取り結果に基づいて取得・更新しているが。在室状態40の取得・更新は他の形態で行うこともできる。
例えば、在室状態40の取得・更新に出退勤登録情報を利用することができる。すなわち、各利用者が出勤時及び退勤時に出勤登録、退勤登録を行い、警備装置4はこの登録情報を取得し、出勤登録に応じて利用者の在室状態40を「在室」に切り替え、退勤登録に応じて「不在」に切り替える。さらに、外出時の外出登録機能を有する場合には、外出登録に応じて「不在」に切り替え、帰社した際の帰社登録に応じて「在室」に切り替える。例えば、利用者による出退勤登録情報の入力には警備装置4とは別に設けられたコンピュータシステム等を用い、当該システムと警備装置4とを通信可能に接続して出退勤登録情報に連動して在室状態40を取得する構成とすることができる。なお、出退勤登録の操作は、警備システム2のリーダ部14等を用いて行う構成としてもよい。
警備システム2外のシステムや装置から利用者の在室状態に関する情報を取得する他の例を示す。その一つは、イントラネットに接続されたパーソナルコンピュータへの利用者のログイン情報を取得し、ログイン状態の利用者について在室状態40を「在室」とする。他の一つは、監視対象の建物や部屋における電力使用量から利用者の存否を判定する。単位時間当たりの電力使用量が所定値以上、或いは、電力使用量の変動量が所定値以上のとき、利用者が在室中であると認識する。
また、在室状態40の取得には、警備装置4が備えるセンサ10の検知情報を利用することもできる。例えば、過去15分間、全ての監視センサにおいて検知信号を発していない状態が継続していると、監視対象の建物は無人であると判定し、利用者が不在と認識する。一方、いずれかのセンサが発報すれば、不在から在室に切り替える。この場合、モード管理部52は、監視対象の領域における利用者の存否判定(S12)として、特定の利用者の「在室」/「不在」に代えて、監視対象自体が「有人」か「無人」かを判定し対処PWの利用可否を判断する。なお、建物内の空間センサに限定するなど、一部の監視センサで在室者監視を実行してもよい。
上記実施形態の利用者カードは近距離の通信を行うRFID(radio frequency identifier)を用い、リーダ部14に翳すことで情報を読み取らせるが、より長距離の通信を行うRFIDを用いればリーダ部14に翳さずに建物内の利用者の存否を検知したり、リーダ部14を各所に設置して利用者の存在するエリアを検知したりして在室状態40を取得することが可能となる。