JP2017158382A - 回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法 - Google Patents

回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運転効率を高めることが可能な回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法を提供する。
【解決手段】
回転電機システムは、第1の回転電機(15)と、第2の回転電機(16)と、第1の回転電機および第2の回転電機の少なくともいずれか一方の回転子における交流と直流を変換する第1の電力変換器(3)および第2の電力変換器(4)を備える回転電機システムであって、第1の回転電機及び第1の電力変換器の組と、第2の回転電機及び第2の電力変換器の組に無効電力指令を分配する制御装置(6)を備え、回転電機システムの運転効率を高める様に、無効電力指令の分配を補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転子に電力変換器を実装する回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法に係り、回転電機から出力される無効電力の分配を制御する制御装置および制御に必要な検出装置等の機器構成に関するものである。
風力発電システムでは、風速の変動に依存して風から得られるエネルギーが絶えず変動し、それに伴い翼や発電機の回転速度も絶えず変動する。このため、翼角度を風速に応じて可変とするピッチ機構や、発電機の回転速度と発電機の極数によって決まる発電電力の周波数を電力系統の周波数に変換する電力変換器等を用いて、広い風速域で効率良く発電運転が実施できるように工夫されている。このような風力発電システムの運転は可変速運転と呼ばれる。可変速運転が可能な風力発電システム形態の中で、励磁式回転電機システム(巻線型二次励磁方式)は、風力発電システムの総出力電力量の30%程度と小容量の電力変換器で可変速運転が可能であり、電力変換に伴う発生損失が少なく、高効率な発電運転が可能である。
また、風力発電システムは、発電電力(有効電力)を出力することに加えて、電力系統の電圧安定化のために無効電力を出力することが求められる。励磁式回転電機システムでは、回転電機を介して小容量の電力変換器で電力系統に出力する無効電力を制御できるため、一般に、回転機側の電力変換器のみで電力系統に無効電力を出力し、電力系統側の電力変換器は無効電力を出力しないように制御される。このため、電力系統側の電力変換器の容量は回転機側の電力変換器の容量と比べてさらに小容量となっている。
以上のように、励磁式回転電機システムは電力変換器の容量において小容量小型となる利点がある。しかし、発電運転中に回転している回転子内の回転子巻線に励磁電力を供給する必要があるため、回転子巻線に電力を供給するスリップリングとブラシを設け、回転するスリップリングにブラシを接触させ静止系に設置された電力変換器から励磁電力を供給する必要がある。励磁電力供給用にスリップリング及びブラシを設けると、ブラシの摩耗が発生するため、定期的なメンテナンスが必要となる。しかしながら、風力発電システムでは、励磁式回転電機システムは風車のタワー上部にあるナセル内という限られた空間内に設置されるため、メンテナンス作業が困難であり、その軽減方法が求められている。
このことからスリップリングとブラシを用いない励磁電力の供給方法として、第1の回転電機(以下、主発電機)と同軸に新たに第2の回転電機(以下、補助発電機)と呼び、第1の回転電機と区別する)を設け、これら回転子と同一軸で回転する部位に電力変換装置を実装し、新たに設けた補助発電機の回転子巻線と電力変換器が接続され、補助発電機の固定子巻線が発生させる回転磁界に同期する回転磁界を発生させるように前述の電力変換装置によって補助発電機の回転子巻線を励磁することで非接触に電力を需給し、励磁式回転電機システムの発電運転に必要となる電力を得る回転電機システムが例えば特許文献1に検討されている。
特許文献1における回転電機システムは、主発電機及び補助発電機の固定子巻線が電力系統に接続しており、主発電機及び補助発電機のそれぞれから出力する有効電力及び無効電力を制御する必要がある。特許文献1においては主発電機及び補助発電機の電気的特性に応じてそれぞれが分担すべき有効電力指令及び無効電力指令を一意的に演算する。
WO2014/181454号公報
特許文献1に記載の制御方式を適用した場合、主発電機及び補助発電機の電気的特性によって指令値の分配が一意に決定されるため、制御器に組み込まれる電気的特性を表わすパラメータが製造誤差等により実際の主発電機及び補助発電機と一致しない場合や、それら回転機の経年劣化等により設計時の電気的特性から誤差が生じた場合に、必ずしも適切な分配とはならないことも考えられる。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、運転効率を高めることが可能な回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる回転電機システムは、第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有する第1の回転子を備える第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有する第2の回転子を備える第2の回転電機と、前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の少なくともいずれか一方の回転子における交流と直流を変換する第1の電力変換器および第2の電力変換器を備える回転電機システムであって、前記第1の電力変換器及び前記第2の電力変換器の直流部が互いに接続され、前記第1の電力変換器の交流部が前記第1の回転子巻線と電気的に接続され、前記第2の電力変換器の交流部が前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、前記第1の固定子巻線及び前記第2の固定子巻線が各々交流電源に電気的に接続されており、前記第1の回転電機及び前記第1の電力変換器の組と、前記第2の回転電機及び前記第2の電力変換器の組に無効電力指令を分配する制御装置を備え、前記回転電機システムの運転効率を高める様に、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする。
また、本発明にかかる回転電機システムの運転方法は、第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有する第1の回転子を備える第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有する第2の回転子を備える第2の回転電機と、前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の少なくともいずれか一方の回転子における交流と直流を変換する第1の電力変換器および第2の電力変換器を備え、前記第1の電力変換器及び前記第2の電力変換器の直流部が互いに接続され、前記第1の電力変換器の交流部が前記第1の回転子巻線と電気的に接続され、前記第2の電力変換器の交流部が前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、前記第1の固定子巻線及び前記第2の固定子巻線が各々交流電源に電気的に接続される回転電機システムの運転方法であって、前記第1の回転電機及び前記第1の電力変換器の組と、前記第2の回転電機及び前記第2の電力変換器の組に無効電力指令を分配し、前記回転電機システムの運転効率を高める様に、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする。
本発明によれば、運転効率を高めることが可能な回転電機システムまたは回転電機システムの運転方法を提供することができる。
実施例に係る回転電機システム 実施例に係る回転電機システムの結線略図および検出装置 実施例に係る回転電機システムの制御方式(その1) 実施例に係る回転電機システムの制御方式(その2) 実施例に係る回転電機システムの制御方式(その3) 実施例に係る回転電機システムの無効電力分配方式のその他の例
以下、本発明に係る回転電機システムの実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
《実施形態》
図1から図5は、本発明が適用される回転電機システムに実装される制御方式を示す図である。本発明に係る回転電機システムは、その固定子巻線(10,18)が電力系統(1)に電気的に接続され、その回転子にInsulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)等の電力用半導体スイッチング素子と還流用整流素子であるダイオード素子が逆並列接続された半導体スイッチングユニットが複数ユニット直列接続および並列接続されることで構成される、一般に2レベル変換器や3レベル変換器等の交直電力変換器(3,4)が実装され、その交流端子が回転子巻線(12,20)に接続され、かつ、その直流端子に平滑コンデンサ(5)が接続される。
図1を用いて本実施例に係る回転電機システム構成について説明する。回転電機システムは、第1の回転電機である主発電機(15)と、主発電機(15)と同軸に配置される第2の回転電機である補助発電機(16)を備えており、両発電機における回転子と同一軸で回転する部位に電力変換装置(2)を実装している。回転電機システムには、風を受けて回転する風車ロータと共に回転する様に配置される回転軸(8)が接続されており、回転軸(8)を介して機械的エネルギーが入力される。主発電機(15)の回転子鉄心(11)と補助発電機(16)の回転子鉄心(19)は回転軸(8)に接続されている。
また、電力変換装置(2)に制御指令を出力し、電力変換装置(2)から信号が入力される電力変換器制御装置(6)と、電力変換器制御装置(6)に制御指令を出力し、電力変換器制御装置(6)から信号が入力される風車制御装置(7)を備えている。
本実施例では、電力変換装置(2)は、主発電機(15)と補助発電機(16)に分けて配置されるが、いずれか一方の発電機に集中して配置しても良い。電力変換器(2)は、主発電機(15)の回転子を構成する回転子鉄心(11)に設けられる回転子巻線(12)と補助発電機(16)の回転子を構成する回転子鉄心(19)に設けられる回転子巻線(20)との双方に接続されている。主発電機(15)は主発電機(15)の回転子と対向して固定子が配置されており、固定子を構成する固定子鉄心(9)に設けられる固定子巻線(10)を備えている。また、補助発電機(16)は補助発電機(16)の回転子と対向して固定子が配置されており、固定子を構成する固定子鉄心(17)に設けられる固定子巻線(18)を備えている。主発電機(15)の固定子巻線(10)及び補助発電機(16)の固定子巻線(18)は、電力系統(1)に接続されており、発電電力を電力系統(1)へと送る。
電力変換器(2)は、主発電機(15)の回転子巻線(12)に接続される主発電機側の電力変換器(3)と、補助発電機(16)の回転子巻線(20)に接続される補助発電機側の電力変換器(4)と、主発電機側の電力変換器(3)及び補助発電機側の電力変換器(4)における回転子巻線と接続される端部とは反対の端部に接続される平滑コンデンサ(5)を備えている。各電力変換器は、回転子巻線と接続される端部では交流電力になっており、平滑コンデンサ(5)と接続される端部では直流電力になっている。即ち、平滑コンデンサ(5)には直流電力が印加される。
本実施例における回転電機システムは、補助発電機(16)の固定子巻線(18)が発生させる回転磁界に同期する回転磁界を発生させるように電力変換装置(2)によって補助発電機(16)の回転子巻線(20)を励磁し、非接触に電力を需給している。これによって、励磁式回転電機システムの発電運転に必要となる電力を得ている。本実施例において、主発電機(15)の固定子巻線(10)と交流電源(1)とを接続する電気経路と補助発電機(16)の固定子巻線(18)と交流電源(1)を接続する電気経路が互いに接続点で接続され、接続点から交流電源までの電気経路を共有している。
本実施例における回転電機システムの制御装置(6)は、図2に示される電気的検出器群からの入力を用いて、上位制御装置である風車制御装置(7)から与えられる有効電力指令および無効電力指令に従い、回転電機システムを制御する。電気的検出器群は、電力系統(1)に接続されて電力系統(1)の電圧を検出する電圧検出器(VGrid),各固定子巻線と接続される導電線の合流点よりも電力系統側に配置されて、該部の電流を検出する電流検出器(IGrid),主発電機固定子側に接続されて主発電機固定子側の電流を検出する電流検出器(IsGen),主発電機回転子側に接続されて主発電機回転子側の電流を検出する電流検出器(IrGen),補助発電機回転子側に接続されて補助発電機回転子側の電流を検出する電流検出器(IrExc),電力変換器(2)の直流部平滑コンデンサ(5)の両端に接続されて、直流部平滑コンデンサ(5)の電圧を検出する電圧検出器(Vdc)および回転子が特定の角度回転する毎にパルス信号を発生させことで回転数を検出する回転計(Encoder)(本実施例においては回転軸(8)に接続されているが、この位置に限定されない。),主発電機固定子側に接続されて主発電機固定子側の電圧を検出する電圧検出器(VGen),補助発電機固定子側に接続されて補助発電機固定子側の電圧を検出する電圧検出器(VExc)等から構成される。ただし、電流検出器(IGrid)もしくは電流検出器(IsGen)に代えて補助発電機固定子側の電流を検出する電流検出器を備え、かつ、キルヒフォッフの電流則および検出したい検出点間におけるインピーダンス情報を用いて補正演算することで、電流検出器(IGrid)もしくは電流検出器(IsGen)による検出値の代用とすることも可能である。
図3から図5に示す制御ブロック図は、前述の検出器群による各検出値および風車制御装置(7)から与えられる有効電力指令(P*)と無効電力指令(Q*)を入力として、回転電機システム(図1)を制御するためのものであり、発電運転における制御機能に限的して図式化したものである。本発明に係る回転電機システムは、電力系統(1)と同期して発電運転を開始する必要があり、発電運転開始前は、図2に示すコンタクタCTTGen,CTTExcを非導通状態とし、回転子側の電力変換器(2)で回転機15及び16を励磁し、固定子側巻線(10及び18)に電力系統と同期した三相交流電圧を誘起させ、その同期を判定してCTTGen,CTTExcを導通状態とすることで発電運転が可能な状態となる。前述の動作は一般に同期連系や同期併入と呼ばれるが、本特許で効果発現に関与しない動作であるため、 図3〜5の制御ブロックには、同期併入に関連する制御ブロックを除いている。また、図3〜5の制御ブロックにおいて、本特許の効果発現に関与しない補正処理等についても省略して示すものとする。
図3に示す制御ブロックは検出に関する制御ブロックであり、制御のために系統電圧U相に同期した二軸(dq軸)の直流量に変換される。ローパスフィルタ(LPF)は、各ブロックごとに設定されるカットオフ周波数以上の高周波を除去するノイズフィルタである。図中のUVW/αβ変換は、UVWの三相交流をαβの二軸の物理量変換するブロックである。正相検出器(DFT)は、ベースクロックを元に生成される50Hzまたは60Hzのどちらか一方の周波数信号(Cos/Sin(base))を基準に、基準となる周波数であり、かつ、交流3相(UVW)が、V相がU相に対し120度位相遅れ、W相がV相に対し120度位相遅れの順となる正相成分の角速度,位相,振幅などを算出するものである。前述の50Hzもしくは60Hzは本システムが接続される電力系統(1)の交流周波数に合わせて設定される。算出された電力系統の位相(Cos/Sin(grid))を基準に電力系統側及び固定子側の物理量はαβ/dq変換ブロック1でdq変換され、対応する直流量(Vgrid(dq),VGen(dq),VExc(dq),Igrid(dq),IsGen(dq)及びIsExc(dq))が求められる。また、回転計の出力するエンコーダパルスを元に位相速度検出器(Phase Speed Detector(Gen)及び(Exc))で回転子の物理的な回転の角速度,位相を算出し、これ位相調整器(Automatic Phase Regulator)に入力する。位相調整器は回転子の物理回転の情報と回転機15及び16の極対数(Pole Pair)の情報を元に、回転子の電気角における位相(Cos/Sin(GenRotor)及びCos/Sin(ExcRotor))を出力する。位相速度検出器(Phase Speed Detector(Gen)及び(Exc))に入力される電圧情報(|Vgrid|,∠Vgrid,|Vgen|,∠Vgen,|Vexc|,∠Vexc)は、同期併入動作に必要な情報であり、これら情報を元に同期併入時の動作において、それぞれΘrotを補正するのに使用される。出力された回転子の電気角位相情報(Cos/Sin(GenRotor)及びCos/Sin(ExcRotor))は、それぞれαβ/dq変換ブロック2に入力され、電力系統(1)の電圧位相情報(Cos/Sin(grid))から引算することで、すべり位相情報(Cos/Sin(GenRotorSlip)及びCos/Sin(ExcRotorSlip))を算出する。 また、すべりに関する角回転速度(ωslip(Gen)及びωslip(Exc))やスリップ(slip(Gen)及びslip(Exc))は、制御ゲイン計算に必要となるため、図3破線部にブロックによって算出される。回転子側の電流量(IrGen及びIrExc)は、求められたすべり位相を基準にαβ/dq変換ブロック3でdq変換され直流量(IrGen(dq)及びIrExc(dq))に変換される。発電量はdq軸上の物理量を用いると、軸変換ロジックで算出することができ、αβ/dq変換ブロック4でそれぞれ算出する。以上で、制御に必要な物理量を求めることができる。
図4に示す制御ブロックは発電制御に関する制御ブロックである。主発電機(15)及び補助発電機(16)それぞれを制御する電力変換器(3,4)の制御ブロックは、その最終段はいずれも電流制御器(AC-ACR)で構成される。電流制御器は、電流指令値(Idq*(GenRotor)及びIdq*(ExcRotor))と検出値(IrGen(dq)及びIrExc(dq))の差分値が入力され、この他に固定子側の電流値(IsGen(dq)及びIsExc(dq))とすべり角速度(ωslip(Gen)及びωslip(Exc))が入力され、これらを元に電流制御器(AC-ACR)を構成する比例積分制御の制御ゲインや外乱干渉項が逐次修正され、前記の差分値を比例積分処理することで電圧指令値(Vdq*(GenRotor)及びVdq*(ExcRotor))を算出する。それぞれの電圧指令値(Vdq*(GenRotor)及びVdq*(ExcRotor))は、dq/αβ変換ブロックですべり位相情報(Cos/Sin(GenRotorSlip)及びCos/Sin(ExcRotorSlip))を用いて二軸の交流量に変換され、さらにαβ/UVW変換ブロックで三相UVWの電圧量に変換される。変換された電圧量を元にPWMパルス生成装置(PWM)が、それぞれの電力変換器(3,4)のスイッチング指令を出力する。
しかし、電力変換器(3,4)が担う役割はそれぞれ異なる。直流には無効電力という概念が存在しないため、電力変換器(3,4)による無効電力の制御態様としては、交流側の有効電力と無効電力を制御するか、或いは直流側の有効電力と交流側の無効電力を制御するか、の2択となる。ここで仮に、2台の電力変換器(3,4)が共に交流側の有効電力を制御対象とし、風車制御装置(7)から与えられる有効電力指令(P*)を特定の分配比率で分担して制御した場合、電力変換器(3,4)の動作に伴う損失(有効電力)が考慮されないため、直流部平滑コンデンサ(5)に蓄えられたエネルギーを消費し、直流電圧が低下してしまう。従って、電力変換器(3,4)の動作の継続が困難になる。
このため、本実施例では、補助発電機(16)を制御する電力変換器(4)は、電力変換器(2)の直流部平滑コンデンサ(5)の両端電圧を制御する役割(DC-AVR)と交流端の無効電力を制御する役割(AC-AQR)を担うこととし、一方で、主発電機(15)を制御する電力変換器(3)は、交流側の有効電力と無効電力を制御する役割(AC-APR,AC-AQR)を担うこととしている。尚、他方の発電機(本実施例において補助発電機)は電力変換器の動作継続に必要となる直流電圧を制御する。また、無効電力は、固定子端を制御点とし、両方の発電機から出力される各無効電力で制御する。
風車制御装置(7)から与えられる有効電力指令値(P*)を特定の分配比率で分担し、主発電機(15)の固定子側から出力するべき有効電力指令(PGen*)を指令値に電力変換器(3)を動作させると、主発電機(15)の固定子側から出力する有効電力は所定の値に制御できる。ここで、電力変換器(4)の直流部の電圧を一定に保つ動作は、電力変換器(3,4)が無損失であれば、補助発電機(16)の固定子側から出力するべき有効電力をP*-PGen*に制御することと同等である。しかし、電力変換器(3,4)の動作に伴う有効電力の損失があるため、損失分が加味された電力が電力系統(1)と授受することになる。結果として、電力系統(1)に出力する有効電力が不足してしまう。
更に、電力変換器(3,4)の動作に伴う損失(有効電力)は動作点によっても変化するため、実際に生ずる損失を正確に考慮して有効電力指令値(P*)の分配比率を決定するのは困難である。
これらを解決するため、図4に示す制御ブロックでは、電力変換器(3)は電力系統(1)に出力すべき有効電力指令値(P*)及び電力系統(1)に出力している有効電力検出値(Pgrid)を用いてAC-APRによってフィードバック制御を実施する。尚、有効電力検出値(Pgrid)は、図2におけるIgridとVgridから求めることが出来る。主発電機側のIsGenとVgenではなく、主発電機(15)の固定子巻線(10)と交流電源1とを接続する電気経路と補助発電機(16)の固定子巻線(18)と交流電源1を接続する電気経路が互いに接続される接続点よりも交流電源側の値を用いることで、電力変換器(3,4)の動作に伴う損失に依存せず、風車制御装置(7)から与えられる有効電力指令値(P*)に従って電力系統(1)に出力する有効電力を制御することができる様になる。尚、無効電力については電力変換器(3,4)の電力損失とは無関係であるため、それぞれ、固定子側の無効電力を制御することで、和である電力系統(1)の無効電力を制御することができる。
以上のことから、主発電機側の制御ロジックは、交流側の有効電力と無効電力を制御する電力制御器(AC-APR,AC-AQR)で構成し、補助発電機側の制御ロジックは、直流側の直流電圧制御器(DC-AVR)と交流側の無効電力制御器(AC-AQR)で構成する。交流側の電力制御器(AC-APR,AC-AQR)は電力指令値(P*,QGen*,QExc*)及び、この電力指令値に対応する検出値(Pgrid,QGen,QExc)の差分値が入力される。更にこの差分値の他、電力系統の角周波数(ωgrid)と電力系統(1)のU相に同期したd軸成分の電圧振幅値(Vgrid(d))が入力され、これらを元に電力制御器(AC-APR,AC-AQR)を構成する比例積分制御の制御ゲインや外乱干渉項が逐次修正される。そして、前記の差分値を比例積分処理することで主発電機側の有効電流及び無効電流の指令値(Idq*(GenRotor))と補助発電機側の無効電流指令値(Iq*)を算出する。補助発電機側の有効電流指令値(Id*)は、直流電圧制御器(DC-AVR)に交流電圧の指令値(Vdc*)と検出値(Vdc)の差分値が入力され、その他に入力される検出値(図4においては、P*,ωslip(Gen),ωslip(Exc))等によって補正することで、交流側に流れるべき電流値に補正することで求められる。前述の無効電流指定(Iq*)と合わせて、電流指令値(Idq*(ExcRotor))とし、後段の電流制御器への入力となる。
図5に示す制御ブロックは無効電力の分配に関する電力変換器制御装置(6)に内蔵される制御ブロックである。指令値分配器(Qref Calc)は、風車制御装置(7)から電力変換器制御装置(6)が受信する無効電力指令(Q*)を、主発電機(15)と補助発電機(16)それぞれから出力する無効電力指令値(QGen 0*,QExc 0*)に分配する。従って、無効電力指令値(QGen 0*,QExc 0*)は、その和が(Q*)となる。この指令値分配器(Qref Calc)に対して、同様に電力変換器制御装置(6)に内蔵される機械的入力エネルギー検出器(Mechanical Input Power Detector)は、検出値である電力系統(1)のU相に同期したd軸成分の電圧検出値Vgrid(d)と、電力系統(1)の三相交流の角速度(ωgrid), 回転子の回転角速度(ωrot)と、主発電機有効電力検出値(PGen), 主発電機無効電力検出値(QGen)と、補助発電機有効電力検出値(PExc), 補助発電機無効電力検出値(QExc)を用いて機械的入力エネルギー(Pmech)を推定する。本実施例において主発電機と補助発電機の各回転子に入力される機械的入力エネルギーは、両発電機から出力される有効電力及び無効電力等の電気的特性を用いて例えば下述の方法により算出されている。但し、トルク計を用いてトルクを直接計測することも可能である。
そして、効率算出器(Efficiency Calc)は、機械的エネルギー検出器から得られる機械的入力エネルギー(Pmech)と電力系統(1)へ実際に出力している電気的出力エネルギー(Pgrid)から効率(η)を算出する。
また、補正器(Qref Correction Calc)は、入力された効率(η)の改善を基準に主発電機(15)と補助発電機(16)それぞれから出力する無効電力の補正値ΔQを算出する。補正器も電力変換器制御装置(6)に内蔵される。補正器は、その内部に、入力された効率(η)を記憶する機能を有し、前回値との差分により効率(η)の改善の成否を判定し、かつ、その判定に基いて補正値を更新する機能を有する。過去の運転効率とそれに対応する補正量を元に、現状の補正値での運効率の改善成否を判定し、補正値を更新していく。よって、改善を重ねることで運転効率(η)を高めることができる。改善が成功した場合には、補正量ΔQの補正の方向が正しいとして、同じ符号で補正を継続する。逆に、改善が見込めなくなると、再度符号を変えて補正することを繰り返す。即ち、本実施例では、改善を繰り返していくことで無効電力の出力分配比率を動的に変化させ、運転効率が最大となる比率を探索することが可能になる。
補正値の更新量は、例えば電力系統(1)に課せられる規定等を参考に定めても良く、補正量によって、相補完的に、つまり和が(Q*)となるように無効電力指令値(QGen 0*,QExc 0*)が更新されるようにすることで、電力系統(1)から見た回転電機システム(図1)の出力は、風車制御装置(7)から電力変換器制御装置(6)が受信する無効電力指令(Q*)となるように制御される。
機械的入力エネルギーの検出について説明する。機械的入力エネルギー検出器(Mechanical Input Power Detector)は、トルク計と回転速度計が備わっていれば、それら検出器の検出値から直接演算可能である。しかし、トルク計は機械的エネルギー入力の損失を発生させる、また、MW級の発電システムに適した廉価なトルク計が存在しないことから、一般に検出値から求めることは出来ない。そこで、例えば、巻線型回転機の電圧方程式から導かれる機械トルクの(式1)を用いてトルク推定値を演算し、これに回転速度(ωrot)を乗じて機械的入力エネルギーを推定しても良い。
Figure 2017158382
ここで、p(小文字)は主発電機(15)と補助発電機(16)の極数であり、rは固定子巻線抵抗である。これらは規定値であるため、推定演算に際して新たに入力を受ける必要はない。
また、主発電機(15)と補助発電機(16)の固定子から電力系統(1)へ出力する無効電力の合計が無効電力指令値(Q*)となるように制御し、かつ、効率を最大化するためには、例えば、式(1)を最小化すれば良く、具体的には指令値分配器(Qref Calc)は(式2)に従って無効電力指令値(Q*)を分配すれば良い。
Figure 2017158382
以上、図3から図5を用いて詳述した制御ブロックによって、回転電機システム(2)は、回転機(15,16)と電力変換器(2)の損失に依存せず、風車制御装置(7)から受信する有効電力指令値,無効電力指令値(P*,Q*)に従って運転することができる。
上記、運転時の機械的入力エネルギーの推定方法は式(1)に限定するものではなく、任意の方法であっても良いことは言うまでも無い。その場合、機械的入力エネルギー検出器(Mechanical Input Power Dector)は適切な検出値を入力とすることができ、更に演算に必要とする物理定数を予め記憶しているものとする。また、無効電力指令値の分配方法も(式2)に限定するものではない。例えば、図6のように分配しても、補正処理によって運転効率の点で適切な分配比率となる。この例では、図5における指令値分配器(Qref Calc)からの無効電力指令QGen 0*,QExc 0*について、QGen 0*=Q*, QExc 0*=0としている。つまり、この場合、指令値分配器(Qref Calc)は一切演算を実施しないことに相当するが、補正器(Qref Correction Calc)によって、効率(η)が最適となるように無効電力指令(QGen *,QExc *)が補正される。
本実施例によれば、動作時に推定される運転効率に基いて主発電機(15)と補助発電機(16)に分担させる無効電力の出力を決定するため、設計時に決定する回転機(15,16)の電気的特性だけに依存せず、回転機(15,16)の製造誤差や経年劣化や電力変換器(2)の動作効率にもロバストな制御方式を提供することができる。
1 電力系統
2 電力変換器
3 回転機側電力変換器もしくは主発電機側電力変換器
4 電力系統側電力変換器もしくは補助発電機側電力変換器
5 直流部平滑コンデンサ
6 電力変換器制御装置
7 風車制御装置
8 回転軸もしくはシャフト
9 回転機固定子鉄心もしくは主発電機固定子鉄心
10 回転機固定子巻線もしくは主発電機固定子巻線
11 回転機回転子鉄心もしくは主発電機回転子鉄心
12 回転機回転子巻線もしくは主発電機回転子巻線
13 ブラシ
14 スリップリング
15 回転電機もしくは主発電機(Gen)
16 補助発電機(Exc)
17 補助発電機固定子鉄心
18 補助発電機固定子巻線
19 補助発電機回転子鉄心
20 補助発電機回転子巻線
VGrid 系統電圧検出装置及び系統電圧検出値
IGrid 系統電流検出装置及び系統電流検出値
VGen 主発電機固定子電圧検出装置及び主発電機固定子電圧検出値
VExc 補助発電機固定子電圧検出装置及び補助発電機固定子電圧検出値
IsGen 主発電機固定子電流検出装置及び主発電機固定子電流検出値
IrGen 主発電機回転子電流検出装置及び主発電機回転子電流検出値
IrExc 補助発電機回転子電流検出装置及び補助発電機回転子電流検出値
Vdc 直流部平滑コンデンサ電圧検出装置及び電圧検出値
Encoder 回転数及び回転位相検出器及び検出値
LPF ローパスフィルタ
DFT 正相検出器
DC-AVR 直流電圧自動制御装置
AC-ACR 自動電流制御装置
AC-APR 自動有効電力制御装置
AC-AQR 自動無効電力制御装置
PWM PWMパルス生成装置
P 有効電力
Q 無効電力
*(上付き添え字) それぞれ対応する物理量の指令値

Claims (13)

  1. 第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有する第1の回転子を備える第1の回転電機と、
    第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有する第2の回転子を備える第2の回転電機と、
    前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の少なくともいずれか一方の回転子における交流と直流を変換する第1の電力変換器および第2の電力変換器を備える回転電機システムであって、
    前記第1の電力変換器及び前記第2の電力変換器の直流部が互いに接続され、
    前記第1の電力変換器の交流部が前記第1の回転子巻線と電気的に接続され、
    前記第2の電力変換器の交流部が前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、
    前記第1の固定子巻線及び前記第2の固定子巻線が各々交流電源に電気的に接続されており、
    前記第1の回転電機及び前記第1の電力変換器の組と、前記第2の回転電機及び前記第2の電力変換器の組に無効電力指令を分配する制御装置を備え、
    前記回転電機システムの運転効率を高める様に、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする回転電機システム
  2. 請求項1に記載の回転電機システムであって、
    前記運転効率は、各前記回転子に入力される機械的入力エネルギーの推定値を用いて算出されることを特徴とする回転電機システム
  3. 請求項2に記載の回転電機システムであって、
    前記第1の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第1の電気経路と前記第2の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第2の電気経路は接続点で接続されており、
    前記直流部の電圧を検出する第1の電圧検出器と、
    前記第1の固定子巻線と前記接続点の間に流れる電流を検出する第1の電流検出器、前記第2の固定子巻線と前記接続点の間に流れる電流を検出する第2の電流検出器、または前記接続点と前記交流電源の間に流れる電流を検出する第3の電流検出器のうちで少なくとも2つと、
    前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の回転状態を検出する回転計と、
    前記交流電源の電圧を検出する第2の電圧検出器と、
    前記第1の回転子巻線に流れる電流を検出する第4の電流検出器と、
    前記第2の回転子巻線に流れる電流を検出する第5の電流検出器を備えることを特徴とする記載の回転電機システム
  4. 請求項3に記載の回転電機システムであって、
    各前記電流検出器及び各前記電圧検出器から得た検出値と前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の電気的特性を用いて、前記機械的入力エネルギーの推定を行うことを特徴とする回転電機システム
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    前記第1の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第1の電気経路と前記第2の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第2の電気経路は接続点で接続されており、
    前記接続点よりも前記交流電源側の電力値を用いて有効電力を制御することを特徴とする回転電機システム
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    過去の運転効率及び前記過去の運転効率に対応する補正量を用いて、現状の補正値での運転効率の改善成否を判定し、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする回転電機システム
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    前記無効電力指令の分配の補正は、前記無効電力指令値の総和を変更しないように行うことを特徴とする回転電機システム
  8. 第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有する第1の回転子を備える第1の回転電機と、
    第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有する第2の回転子を備える第2の回転電機と、
    前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の少なくともいずれか一方の回転子における交流と直流を変換する第1の電力変換器および第2の電力変換器を備え、
    前記第1の電力変換器及び前記第2の電力変換器の直流部が互いに接続され、
    前記第1の電力変換器の交流部が前記第1の回転子巻線と電気的に接続され、
    前記第2の電力変換器の交流部が前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、
    前記第1の固定子巻線及び前記第2の固定子巻線が各々交流電源に電気的に接続される回転電機システムの運転方法であって、
    前記第1の回転電機及び前記第1の電力変換器の組と、前記第2の回転電機及び前記第2の電力変換器の組に無効電力指令を分配し、
    前記回転電機システムの運転効率を高める様に、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする回転電機システムの運転方法
  9. 請求項8に記載の回転電機システムの運転方法であって、
    前記運転効率を、各前記回転子に入力される機械的入力エネルギーの推定値を用いて算出することを特徴とする回転電機システムの運転方法
  10. 請求項9に記載の回転電機システムの運転方法であって、
    各前記電流検出器及び各前記電圧検出器から得た検出値と前記第1の回転電機および前記第2の回転電機の電気的特性を用いて、前記機械的入力エネルギーの推定を行うことを特徴とする回転電機システムの運転方法
  11. 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の回転電機システムの運転方法であって、
    前記第1の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第1の電気経路と前記第2の固定子巻線と前記交流電源が電気的に接続される第2の電気経路は接続点で接続されており、
    前記接続点よりも前記交流電源側の電力値を用いて有効電力を制御することを特徴とする回転電機システムの運転方法
  12. 請求項8ないし11のいずれか1項に記載の回転電機システムの運転方法であって、
    過去の運転効率及び前記過去の運転効率に対応する補正量を用いて、現状の補正値での運転効率の改善成否を判定し、前記無効電力指令の分配を補正することを特徴とする回転電機システムの運転方法
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    前記無効電力指令の分配の補正は、前記無効電力指令値の総和を変更しないように行うことを特徴とする回転電機システムの運転方法
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