JP2017158471A - 獣害対策植生シートおよび植生方法 - Google Patents

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英次 吉野
一城 梅村
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Abstract

【課題】食害を防止するとともに踏み荒らしを低減することにより、法面の表層部や生育基盤を保護し、緑豊かな景観を作り、安定性の高い法面を得るための、獣害対策植生シートを提供する。
【解決手段】植生領域の地盤上に配置する獣害対策植生シートであって、シート材と、前記シート材に付着する種子と、前記シート材の上面に配置する金網と、からなり、前記種子は、野生動物が忌避する忌避植物の種子であることを特徴とする、獣害対策植生シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、植生領域を野生動物による獣害から保護するための獣害対策植生シートおよびそれを用いた植生方法に関するものである。
自然破壊防止や景観保持のため、法面や平地などの領域に植物を植生するには、植物を植生するための植生領域を設置するのが一般的である。
しかし、植生領域の設置場所が山奥深く入った道路の法面等であって、鹿などの野生植物が出没する地帯では、植生領域に植生された植物が野生動物に食い荒らされるといった食害被害が頻繁に起こっている。
つまり、野生動物が植生領域に侵入して、生え揃ってきた植生植物の芽を食い荒らしたり、踏みつけることによって、植生植物が枯れたり、成長不良を起こしたりして、植生領域に十分な植生を行えなくなってしまうという問題があった。
従来、このような野生動物による食害を防止するために、野生動物に対して忌避材を使用する方法が提案されていた。
例えば、特許文献1(特開2007−20459)は、植生基材又は植生基材を収容した植生袋に忌避機能を有するように構成している。
しかし、忌避材が風雨により流亡してしまったり、植生植物自体によって無力化されてしまったりする可能性が非常に高いため、この忌避機能を長期に亘って維持することは困難であると思われる。
また、特許文献2(特開2015−48610)では、植物の種子を含む客土混合物のスラリーを法面に吹き付けて客土混合物層を形成し、それを覆うように金網を敷設することで食害を抑制している。
しかし、法面に吹き付け作業をした後に直接的に金網を張る作業となるため、作業員による客土層の踏み荒らしが発生してしまう。
また、植物の種子は不嗜好性種子としてヨモギやホワイトクローバー等の複数種が挙げられているが、こうした種子はこれまでの法面緑化に一般的に使用されており、こうした種子ではシカに簡単に食い荒らされてしまうことがわかっている。したがって、シカを忌避することができない。
特開2007-20459号公報 特開2015-48610号公報
植生領域の植生においては、植物が順調に成長することが重要となる。
しかしながら、これら植物の種子や発芽したばかりの芽が、野生動物、例えば、鹿や猪といった野生動物に食べられてしまい、植物の成長が阻害される、いわゆる食害を受けるといった問題がある。
また、野生動物は餌となる植物を求めて何度も往来するので、法面の表層地盤および生育基盤を踏み荒らしてしまい、植物の生育が見込めない状態にまでにいたることが多い。
このような獣害を受けると、植物の生育による法面の安定効果を期待することができなくなるとともに、植物の成長もまばらとなるため景観も損なわれる。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、野生動物が忌避する植物を選定して植生シートに付着させ、その植生シートを法面に敷設して忌避植物を生育させることで食害を抑制するとともに、植生シート面の全面に金網を敷設することにより動物の往来による踏み荒らしを低減させることにより、法面の表層部や生育基盤を保護し、緑豊かな景観を作り、安定性の高い法面を得るための、獣害対策植生シートおよびそれを用いた植生方法を提供することにある。
上記のような目的を達成する本願の第1発明は、植生領域の地盤上に配置する獣害対策植生シートであって、シート材と、前記シート材に付着する種子と、前記シート材の上面に配置する金網と、からなり、前記種子は、野生動物が忌避する忌避植物の種子であることを特徴とする、獣害対策植生シートを提供する。
本願の第2発明は、第1発明の獣害対策植生シートにおいて、前記忌避植物は、レモングラスを含むことを特徴とする、獣害対策植生シートを提供する。
本願の第3発明は、第1発明の獣害対策植生シートにおいて、前記忌避植物は、レモングラスおよびエニシダを含むことを特徴とする、獣害対策植生シートを提供する。
本願の第4発明は、第1乃至第3発明のいずれかの獣害対策植生シートを用いた植生方法であって、前記地盤上にバーク堆肥からなる植生基盤を吹き付けて造成し、前記植生基盤の上面に前記獣害対策植生シートを敷設することを特徴とする、植生方法を提供する。
本発明の獣害対策植生シートおよび植生方法は以上説明したようになるから、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
(1)忌避植物そのものを植生して緑化するものであり、忌避機能が長期に亘って維持される。
(2)吹き付けた植生基盤の上面に植生シートを敷設するため、作業員による植生基盤の踏み荒らしが少ない。
(3)あらかじめ種子付着したシート材を敷設するため、植生基盤上への播種が容易である。
(4)種子はシート材に平面的に付着させることが可能となるため、植生基盤材に種子を混合して法面に吹付ける方法よりも種子量は大幅に低減できる。
本発明の獣害対策植生シートの説明図 本発明の獣害対策植生シートの断面図 本発明の獣害対策植生シートを用いた植生方法の断面図
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>獣害対策植生シートの構成。
本発明の獣害対策植生シート1は、下シート材21と、下シート材21の上面に接着する上シート材22と、からなるシート材2と、下シート材21と上シート材22との間に挟持にする忌避植物の種子3と、シート材2の上面に敷設する金網4と、からなる(図1)。
<2>シート材。
シート材2の下シート材21と上シート材22は、水溶性のフィルムや不織布、紙等からなる水解性シートであり、下シート材21と上シート材22とは水溶性の接着剤により接着する。
<3>種子。
種子3は下シート材21と上シート材22とで挟持するものであり、アクリルポリマー等の樹脂系接着剤によってシート材2に付着する。
種子3は、野生の動物が忌避する忌避植物の種子とすることで、種子や芽が野生動物による食害が生じることがない。特に鹿に対する忌避植物としては、レモングラスやエニシダが好適である。
種子3はシート材2に平面的に付着させるため、植生基盤材に種子3を混合して法面に吹付ける方法よりも種子量を大幅に低減できる。
<4>金網。
金網4は、種子3を挟持したシート材2の上面に敷設する。
金網4は、亀甲金網(線径Φ0.8mm、鉄線目合40mm)や菱形金網(線径Φ2.0mm、目合50mm)等を適宜選択できる。
金網4の目合は、20mm〜100mm程度が好適である。
<5>植生方法。
次に獣害対策植生シート1を用いた植生方法について説明する。
<5.1>植生基板の造成。
本発明の獣害対策植生シート1はシート材2に付着させた種子3を生育することにより緑化を行い、景観を保持するためのものである。
まず、対象となる法面の、植生領域の地盤G上面に植生基盤5を造成する。
植生基盤5はバーク堆肥を主体とし、肥料やピートモス、パーライト、高分子樹脂等の接合材を含む。
これらを法面の植生領域上面に吹き付けることで植生基盤5を造成する。
植生基盤5を造成することにより、種子3の生育が促進される。
<5.2>シート材の敷設。
次に、植生基盤5上にシート材2を敷設する。
シート材2は下シート材21と上シート材22によって種子3を挟持しているため、シート材2を敷設すると、同時に種子3が植生領域に均等かつ容易に播種されることとなる。
シート材2はロール状に巻回した状態で運搬することができるため、現場への運搬および敷設作業が容易である。
<5.3>金網の敷設。
敷設したシート材2の上面に、金網4を敷設する。植生基盤5上にシート材2が敷設されているため、金網4敷設作業時に植生基盤5が踏み荒らされることがない。
そして、固定用のアンカーピン41をシート材2の上面からシート材2および植生基盤5を貫通して地盤Gに打ち込んで固定する。
また、金網4はあらかじめシート材2と一体にしてロール状に巻き回しておくことにより、シート材2と同時に敷設することもできる。シート材2の敷設と金網4の敷設を同時に行うことができるため、敷設作業時の植生基盤5の踏み荒らしが少なくなる。
金網4はシート材2の補強材としての機能も有する。
<5.4>育成。
シート材2は水解性であり、降雨等によって水がかかると、シート材2の分解が始まり、シート材2で挟持した種子3が植生基盤5上に着床することで発芽・生育する。
種子3は野生動物が忌避する忌避植物であるため、野生動物による食害を受けることがない。そして、忌避植物そのもので緑化することにより、忌避機能が長期に亘って維持される。
<5.5>金網の作用。
猪や鹿等の野生動物は金網4のような構造物に蹄が引っかかったり、足を滑らせることを避けようとしたりする。このため、金網4は野生動物に対する歩行障害物としての機能を有する。
また、野生動物が侵入した場合、植生基盤5上を踏むことになるが、金網4が存在しているため、野生動物による植生基盤5の踏み荒らしを極力防止することができる。
このように獣害から法面の表層部や植生基盤5を保護し、緑豊かな景観を作り、安定性の高い法面を得ることができる。
また、法面に限らず、平地においても適用することができる。
<5.6>緑量の調整。
鹿等の大型草食動物は、主に視覚に頼って採食行動をとるため、草が多く茂る緑量の多い場所ほど、食害等の獣害が発生しやすい。
従来の植生方法の場合、投入する種子3は3〜6種類ほどであり、その発芽本数の設計では1000〜3000本/mとされることが多い。
今回は、シカの忌避種子としてレモングラスやエニシダ等、2〜4種類とし、その発芽本数を100〜1000本/mとする。
これにより、従来の植生方法の設計本数と比較して、種子の種類とともに発芽本数を少なくすることで緑量が抑えられる。
視覚的に採食行動を減衰できることから、結果として大型草食動物による法面への侵入を抑制する効果が期待できる。
1 獣害対策植生シート
2 シート材
21 下シート材
22 上シート材
3 種子
4 金網
41 アンカーピン
5 植生基盤

Claims (4)

  1. 植生領域の地盤上に配置する獣害対策植生シートであって、
    シート材と、
    前記シート材に付着する種子と、
    前記シート材の上面に配置する金網と、からなり、
    前記種子は、野生動物が忌避する忌避植物の種子であることを特徴とする、獣害対策植生シート。
  2. 請求項1に記載の獣害対策植生シートにおいて、
    前記忌避植物は、レモングラスを含むことを特徴とする、獣害対策植生シート。
  3. 請求項1に記載の獣害対策植生シートにおいて、
    前記忌避植物は、レモングラスおよびエニシダを含むことを特徴とする、獣害対策植生シート。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載した獣害対策植生シートを用いた植生方法であって、
    前記地盤上にバーク堆肥からなる植生基盤を吹き付けて造成し、
    前記植生基盤の上面に前記獣害対策植生シートを敷設することを特徴とする、
    植生方法。
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