JP2017159587A - 金属調加飾フィルム及び加飾成形品 - Google Patents

金属調加飾フィルム及び加飾成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】意匠性に優れ、かつ3次元曲面への貼り付け加工にも適した金属調加飾フィルム、及び、該金属調加飾フィルムを用いて得られる加飾成形品の提供。
【解決手段】表面保護フィルム11、接着剤層12、インジウム蒸着層13、ベースフィルム14、粘接着剤層15及びセパレーター16が順に積層されてなる金属調加飾フィルムであって、表面保護フィルム11及びベースフィルム14は、樹脂成分を含有し、上記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂である金属調加飾フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属調加飾フィルム及び加飾成形品に関する。
従来、基材(被着体)に金属調の意匠を付与するために、樹脂フィルムに金属蒸着を行って作製した金属調加飾フィルムを基材に貼り付ける方法が知られている。金属調加飾フィルムに関係する先行技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1及び2が挙げられる。
特許文献1には、基材上に、少なくとも、金属薄膜層及び接着層をこの順に有し、該接着層を構成する樹脂が、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、又は塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂であり、該樹脂の平均酸化が1〜6mgKOH/gである三次元成形加飾フィルムが開示されている。
また、特許文献2には、(A)(a−1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系フィルム、(a−2)アクリル系樹脂フィルム又は(a−3)ポリカーボネート系樹脂フィルムからなり、かつ裏面の最大高さ平均Rtmが0.1〜2.0μmで、ヘイズ値が0.1〜4.0%である透明樹脂フィルムの裏面に、(B)錫、金及びインジウムの中から選ばれる少なくとも1種を含む金属蒸着層を有する金属調シートが開示されている。
特開2012−76353号公報 特開2013−18292号公報
近年、金属調加飾フィルムを、平坦面だけでなく、3次元曲面に対しても貼り付けることが検討されている。しかしながら、3次元曲面の形状が複雑である場合に、金属調加飾フィルムを、その意匠を損なうことなく3次元曲面の形状に追従させることは困難であった。そのため、任意の3次元曲面に対して、意匠を損なわずに追従できる伸長性を備えた金属調加飾フィルムが求められていた。
なお、フィルムの成形温度(貼り付け時の温度)を高くすれば、フィルムがより軟化するので、3次元曲面への追従性を向上させることが可能である。しかしながら、成形温度を高くした場合には、基材に変形等の損傷が加わるおそれがあった。また、金属調加飾フィルムの側においても、予め形成したエンボス形状が高温のために消失又は変形してしまうおそれがあった。このため、3次元曲面への貼り付け加工は低温で行うことが求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、意匠性に優れ、かつ3次元曲面への貼り付け加工にも適した金属調加飾フィルム、及び、該金属調加飾フィルムを用いて得られる加飾成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、ベースフィルム上にインジウム蒸着層を形成し、該インジウム蒸着層の表面を表面保護フィルムによって被覆する構成において、優れた金属光沢感を有する金属調加飾フィルムが得られることに着目した。そして、種々の検討を行った結果、ベースフィルム及び表面保護フィルムに含まれる樹脂成分に、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂を用いることで、従来よりも低温(約130℃)での成形性が良好であり、3次元曲面への貼り付けに適した金属調加飾フィルムが得られることを見出した。更に、樹脂成分として塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂を含有するフィルムは、その表面にエンボス形状を付与することができ、かつ成形時にエンボス形状を維持できることから、エンボス形状による質感の向上とインジウム蒸着層による良好な金属光沢感の相乗効果によって、非常に優れた意匠性を有する金属調加飾フィルムを実現できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルム、接着剤層、インジウム蒸着層、ベースフィルム、粘接着剤層及びセパレーターが順に積層されてなる金属調加飾フィルムであって、上記表面保護フィルム及び上記ベースフィルムは、樹脂成分を含有し、上記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする。
上記表面保護フィルムは、可塑剤を含有し、上記可塑剤の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して10〜25重量部であることが好ましい。
上記表面保護フィルムの厚さは、40〜200μmであることが好ましい。
上記ベースフィルムは、可塑剤を含有し、上記可塑剤の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して10〜25重量部であることが好ましい。
上記ベースフィルムは、上記インジウム蒸着層側の表面の算術平均粗さが2.0μm以下であることが好ましい。
上記ベースフィルムの厚さは、50〜200μmであることが好ましい。
上記表面保護フィルム及び上記ベースフィルムは、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断することなく150%以上伸長するものであることが好ましい。
上記表面保護フィルム及び上記ベースフィルムは、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断強度が1〜30MPaであることが好ましい。
本発明の加飾成形品は、3次元曲面部を有する基材と、上記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、上記加飾フィルムは、本発明の金属調加飾フィルムから上記セパレーターを剥離したものであり、上記粘接着剤層を介して上記3次元曲面部に貼り付けられていることを特徴とする。
本発明の金属調加飾フィルムは、優れた意匠性を有し、かつ3次元曲面への貼り付け加工に適している。また、本発明の加飾成形品は、従来の加飾フィルムでは意匠を付与することが困難であった3次元曲面部を含む基材に対して、本発明の金属調加飾フィルムを貼り付けることによって、高品位の意匠を付与することを可能としたものである。
本発明の金属調加飾フィルムの一例を模式的に示した断面図である。
本発明の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルム、接着剤層、インジウム蒸着層、ベースフィルム、粘接着剤層及びセパレーターが順に積層されてなる金属調加飾フィルムであって、上記表面保護フィルム及び上記ベースフィルムは、樹脂成分を含有し、上記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」は、「シート」と同義であり、厚さによって両者を区別していない。
図1は、本発明の金属調加飾フィルムの一例を模式的に示した断面図である。図1に示した金属調加飾フィルムは、表面保護フィルム11、接着剤層12、インジウム蒸着層13、ベースフィルム14、粘接着剤層15及びセパレーター16が順に積層された積層体である。
[表面保護フィルム]
上記表面保護フィルム11は、樹脂成分を含有し、該樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)である。すなわち、表面保護フィルム11は、ポリ塩化ビニルフィルム(PVCフィルム)又はアクリルフィルム(PMMAフィルム)と一般に呼ばれるものであってもよい。表面保護フィルム11は、インジウム蒸着層13の表面を保護する役割を有するものであるが、樹脂成分として塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂を用いることにより、高い透明性と比較的低温(約130℃)での良好な成形性を得ることができる。なお、ここでの「比較的低温」とは、塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂以外の透明樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)を成形する場合の成形温度(130℃超)と比べて低温であることを意味している。高い透明性は、インジウム蒸着層13によって得られる金属光沢感が表面保護フィルム11のために損なわれることを防止する観点から求められる。また、比較的低温での良好な成形性とは、金属調加飾フィルムを加熱しながら基材に貼り付ける際(成形時)に、3次元曲面部の形状への追従性に優れることや、エンボス加工により凹凸形状を付与でき、かつ成形時に凹凸形状を維持できることを指す。ここで、エンボス加工による凹凸形状の付与は、転写率が60%以上であることが好ましい。上記転写率は、エンボス加工用の型(例えば、エンボスロール)に設けられた凹凸の深度に対する、フィルムに転写された凹凸の深度の割合を示し、例えば、型の凹凸深度が100μmで、フィルムの凹凸深度が50μmの場合、転写率は50%である。また、上記凹凸深度は、JIS B 0601(1994)に規定された最大高さ(Ry)に基づく値である。
上記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂であることが好ましい。塩化ビニル樹脂は、比較的低温での成形性において特に優れている。上記塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
上記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の単量体の共重合体における含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。50重量%を超えると、表面保護フィルム11の耐屈曲性が低下するおそれがある。上記塩化ビニル樹脂のなかでも、寸法安定性が得られる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されず、求められるフィルムの硬さや、硬さの調整に用いられる可塑剤の量に応じて調整されるものであり、例えば、750〜1300とされる。上記平均重合度の好ましい上限は1050である。上記平均重合度が750〜1300の範囲内であると、比較的低温での成形性が特に良好である。これに対して、上記平均重合度が750未満では、成形時におけるエンボス形状を維持しにくくなるおそれがある。一方、上記平均重合度が1300を超えると、成形時の3次元曲面部の形状への追従性が不充分となるおそれがある。
上記樹脂成分は、アクリル樹脂であってもよい。アクリル樹脂は、透明性及び強度において特に優れている。上記アクリル樹脂としては、従来公知のものを用いることができるが、例えば、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル共重合体A、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体B、それらの混合物等が用いられる。
上記共重合体Aは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとを共重合させることにより得られる。上記共重合体Bは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンとを共重合させることにより得られる。これらを共重合する方法としては、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等を挙げることができる。また、重合の際には、必要に応じて、連鎖移動剤、その他の重合助剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、従来より知られている各種のものを使用することができ、特にメルカプタン類が好ましい。
上記共重合体A及び共重合体Bのモノマー成分であるメタクリル酸アルキルとしては特に限定されず、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。なかでも、上記共重合体A及び共重合体Bのモノマー成分はいずれも、カレンダー加工性が有利である観点から、メタクリル酸メチルを用いることが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体A及び共重合体Bのモノマー成分であるアクリル酸アルキルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。なかでも、上記共重合体A及び共重合体Bのモノマー成分はいずれも、柔軟性をより良好なものにすることができる観点から、アルキル部分の炭素数が大きいアクリル酸アルキルであるアクリル酸2−エチルヘキシルを用いることが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体Aのモノマー成分のメタクリル酸アルキルと、上記共重合体Bのモノマー成分のメタクリル酸アルキルとは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。同様に上記共重合体Aのモノマー成分のアクリル酸アルキルと、上記共重合体Bのモノマー成分のアクリル酸アルキルとは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。なお、上記アクリル樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で他のアクリル樹脂を含むものであってもよい。
上記表面保護フィルム11は、可塑剤を含有していてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、従来から塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂に配合されているものを用いることができ、例えば、フタル酸オクチル(ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP))、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸ジエステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等を挙げることができる。
上記高分子ポリエステル可塑剤としては、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステル;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステルを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の数平均分子量は、350〜3000であることが好ましい。上記数平均分子量が350未満では、可塑剤が接着剤層12に移行しやすく、接着力の低下を引き起こすことがある。一方、上記数平均分子量が3000を超えると、可塑剤の添加によりフィルムを柔軟にする効果が充分に得られず、表面保護フィルム11が硬くなり過ぎることで、成形時にフィルムが破れてしまうおそれがある。
上記表面保護フィルム11における可塑剤の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、10〜25重量部であることが好ましい。上記含有量の範囲内であれば、比較的低温での成形性が特に良好である。上記含有量が10重量部未満では、表面保護フィルム11が硬くなり過ぎることで、成形時にフィルムが破れてしまうおそれがある。一方、25重量部を超えると、表面保護フィルム11が柔らかくなり過ぎることで、金属調加飾フィルムが基材から剥がれ易くなり、表面保護フィルム11がベースフィルム14から剥がれやすくなるおそれもある。上記可塑剤の含有量は、15〜25重量部がより好ましい。なお、表面保護フィルム11及びベースフィルム14は、積層されることから、基本的には同じ硬さであることが好ましい。そのため、表面保護フィルム11及びベースフィルム14は、厚さが同じであれば、可塑剤の含有量も同じであることが好ましい。
上記表面保護フィルム11は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、無機粒子や無機繊維等の充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂に一般的に配合されるものを使用することができる。
上記安定剤としては、例えば、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛、脂肪酸バリウム等の金属石ケン;ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記金属石ケンの脂肪酸成分としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム等が挙げられる。
また、上記安定剤としては、エポキシ系安定剤;バリウム系安定剤;カルシウム系安定剤;スズ系安定剤;亜鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系(Ca−Zn系)、バリウム−亜鉛系(Ba−Zn系)等の複合安定剤も使用することができる。
上記安定剤を含有する場合、その含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部が好ましい。上記含有量が0.3重量部未満では、安定剤を配合することによる効果が充分に発揮されない場合があり、一方、上記含有量が5.0重量部を超えると、安定剤がブルーム(噴き出し)するおそれがある。
また、上記紫外線吸収材を含有する場合、その含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、0.3〜2.0重量部が好ましい。上記含有量が0.3重量部未満では、あまり効果がなく、一方、上記含有量が2.0重量部を超えると、表面保護フィルム11の表面にブリードするおそれがある。
上記表面保護フィルム11の厚さは特に限定されないが、40〜200μmであることが好ましい。上記厚さが40μm未満では、本発明の金属調加飾フィルムが柔軟になり過ぎて施工性が低下するおそれや、耐候性が低下するおそれがある。一方、上記厚さが200μmを超えると、成形時の3次元曲面部の形状への追従性が不充分となるおそれがある。
上記表面保護フィルム11の表面には、必要に応じて、エンボス加工等の表面加工が施されていてもよい。エンボス加工により表面保護フィルム11の表面にエンボス形状(凹凸形状)を付与すれば、エンボス形状による質感の向上とインジウム蒸着層13による良好な金属光沢感の相乗効果によって、本発明の金属調加飾フィルムの意匠性を大きく高めることができる。従来の加飾フィルムにおいてもエンボス加工を施すことは可能であったが、曲面形状への成形時に凹凸形状を維持することは困難であり、意匠性が大きく低下していた。本発明では、表面保護フィルム11の樹脂成分が塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂であることから、曲面形状への成形時にエンボス形状を維持でき、成形後まで意匠が保持される。
上記表面保護フィルム11は、インジウム蒸着層13による金属光沢感を損なわないために、透明性が高いことが好ましく、具体的には、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。上記全光線透過率が80%未満であると、インジウム蒸着層13による金属光沢感が損なわれるおそれがある。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましい。なお、本明細書において、全光線透過率は、JIS K 7375に基づく値である。
上記表面保護フィルム11は、高い透明性を得るために、平坦な表面を有することが好ましく、具体的には、表面の算術平均粗さ(以下、「表面粗さ」ともいう)が2.0μm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、算術平均粗さは、JIS B 0601(1994)に準拠する算術平均粗さRaを意味する。表面保護フィルム11にエンボス加工を施す場合、鏡面ロールでエンボス加工を実施すれば、算術平均粗さを2.0μm以下にすることができる。凹凸形状を有するロールでエンボス加工を実施した場合には、算術平均粗さが2〜10μm程度になってもよい。
[接着剤層]
上記接着剤層12は、インジウム蒸着層13の表面に表面保護フィルム11を貼り付けるための接着剤が硬化した層である。上記接着剤には、優れた接着性及び透明性を有するものが好適である。インジウム蒸着層13が、ベースフィルム14上に点在したインジウムによって形成される場合、上記接着剤は、インジウム粒子間に浸透しやすいものであることが好ましい。また、上記接着剤は、金属調加飾フィルムを基材に貼り付けた後、60℃以上の高温環境(促進評価試験の条件)で保管した場合であっても、接着力が低下しないことが好ましい。
上記接着剤は特に限定されず、例えば、ポリエステルポリウレタン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等を用いることができる。
上記接着剤層12の厚さは特に限定されないが、5〜25μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
上記接着剤層12は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。上記全光線透過率が80%未満であると、インジウム蒸着層13による金属光沢感が損なわれるおそれがある。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましい。
[インジウム蒸着層]
上記インジウム蒸着層13は、本発明の金属調加飾フィルムの外観に金属光沢感を付与するための層である。インジウム蒸着層13を形成するための蒸着法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。インジウムは、伸展性に富む金属であることから、本発明の金属調加飾フィルムを3次元曲面部に貼り付けた場合であっても、インジウム蒸着層13は、クラックを発生することなく、ベースフィルム14等の伸びに追従することができる。
上記インジウム蒸着層13の形態は、金属光沢感を付与するものであれば特に限定されず、インジウムが連続的に存在してベースフィルム14を覆う膜を形成していなくてもよく、例えば、インジウムがベースフィルム14上に点在したものであってよい。インジウム蒸着層13の全光線透過率は、5〜20%であることが好ましい。上記全光線透過率が5%未満では、インジウムの量が多いため、金属調加飾フィルムが硬くなり、成形性が悪くなる。上記全光線透過率が20%を超えると、隠ぺい性が低下し、金属調加飾フィルムの伸長率に応じて金属調加飾フィルムの外観が変化するおそれがある。特に金属調加飾フィルムを100%以上伸長したときには、ベースフィルム14の色が表面から見えやすい。
[ベースフィルム]
上記ベースフィルム14は、樹脂成分を含有し、該樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂である。ベースフィルム14は、インジウム蒸着層13を形成する下地材としての役割を有するものである。ベースフィルム14の樹脂成分として塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂を用いることにより、比較的低温(約130℃)で金属調加飾フィルムを基材に貼り付ける際(成形時)に、3次元曲面部の形状への優れた追従性(成形性)が得られるという利点がある。また、インジウム蒸着層13の蒸着は一般に高温で実施されることから、ベースフィルム14の樹脂成分は、高い耐熱性が求められる。例えば、蒸着時の熱でベースフィルム14が変形すると、フィルム面上へのインジウムの堆積量がばらついてしまう。また、蒸着時の熱でベースフィルム14からガスが発生すると、フィルム面上へのインジウムの堆積が阻害されてしまう。これに対して、塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂はいずれも高い耐熱性を有するので、蒸着時の熱で変形したり、ガスを発生したりしない。
上記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂であることが好ましく、アクリル樹脂であってもよい。ベースフィルム14中の塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂は、組成及び平均分子量等の点で、表面保護フィルム11中の塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記ベースフィルム14は、可塑剤を含有していてもよい。ベースフィルム14中の可塑剤は、組成及び数平均分子量等の点で、表面保護フィルム11中の可塑剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記ベースフィルム14における可塑剤の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、10〜25重量部であることが好ましい。上記含有量の範囲内であれば、比較的低温での成形性が特に良好である。上記含有量が10重量部未満では、ベースフィルム14が硬くなり過ぎることで、成形時にフィルムが破れてしまうおそれがある。一方、25重量部を超えると、ベースフィルム14が柔らかくなり過ぎることで、剥がれ易くなるおそれがある。上記可塑剤の含有量は、15〜20重量部がより好ましい。
上記ベースフィルム14は、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収材、着色剤、発泡剤、滑剤、改質剤、無機粒子や無機繊維等の充填剤、希釈剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂に一般的に配合されるものを使用することができ、表面保護フィルム11中の添加剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記ベースフィルム14の厚さは特に限定されないが、50〜200μmであることが好ましい。上記厚さが50μm未満では、本発明の金属調加飾フィルムが柔軟になり過ぎて施工性が低下するおそれや、耐候性が低下するおそれがある。一方、上記厚さが200μmを超えると、成形時の3次元曲面部の形状への追従性が不充分となるおそれがある。
上記ベースフィルム14の表面には、インジウム蒸着層13との密着性を向上させるために表面処理が施されてもよい。表面処理の種類としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等が挙げられる。
上記ベースフィルム14は、平坦な表面を有することが好ましく、具体的には、インジウム蒸着層13側の表面の算術平均粗さ(Ra)が2.0μm以下であることが好ましい。蒸着時にインジウムはベースフィルム14の表面の凹凸に入り込み、インジウム蒸着層13の表面形状は、蒸着面であるベースフィルム14の表面に存在する凹凸形状に影響される。ベースフィルム14の表面の平坦度が高い場合には、光沢感のある金属調の外観になり、ベースフィルム14の表面の平坦度が低い場合には、マット感のある金属調の外観になる。上記算術平均粗さが2.0μmを超えると、インジウム蒸着層13の表面の平坦度が低くなるため、本発明の金属調加飾フィルムの意匠の鮮映性が損なわれるおそれがある。
なお、上記表面保護フィルム11及び上記ベースフィルム14は、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断することなく150%以上伸長するものであることが好ましい。100℃での伸張率が150%以上であれば、3次元曲面への貼り付けに好適である。上記伸張率は、引張試験機を用いてJIS K 7162に準拠して引張試験を行い、下記式から求めることができる。下記式中、Laは、引張試験を行う前の試験片の長さであり、Lbは、引張試験において試験片が破断した際の時の試験片の長さである。
伸張率(%)={(Lb−La)/La}×100
また、上記表面保護フィルム11及び上記ベースフィルム14は、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断強度が1〜30MPaであることが好ましい。100℃での破断強度が1〜30MPaであれば、3次元曲面への貼り付けに好適である。上記破断強度が1MPa未満であると、3次元曲面に追従できずに破断するおそれがある。上記破断強度が30MPaを超えると、フィルムが硬いために3次元曲面に追従できないおそれがある。上記破断強度は、JIS K 7161に準拠した方法で測定することができる。具体的には、引張試験機を用いて、試験片を100℃の環境下で1分間放置する。その後、測定温度100℃で、試験片を速度200mm/minで引っ張り、試料が破断したときの張力(MPa)を測定する。
[粘接着剤層]
上記粘接着剤層15は、粘着機能(感圧接着性)及び接着機能の少なくとも一方を有するものであれば特に限定されず、具体的には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等の粘着剤を含有するものが挙げられる。なかでも、粘着性、加工性、耐熱老化性、耐湿老化性、耐候性に優れるとともに、比較的安価である点から、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体を含む粘着剤である。上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又はその共重合体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アルキル基の炭素数が2〜18、好ましくは4〜12の第一級〜第三級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とから得られるエステル等が挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体の合成に用いられる共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有するとともに、カルボキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等〕、ヒドロキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等〕、スルホキシル基〔例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等〕、アミノ基〔例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステル等〕、アミド基〔例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等〕、アルコキシル基〔例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等〕等の官能基を側鎖に有する単量体を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜98重量%と、1種又は2種以上の共重合性単量体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、60万〜100万であることが好ましい。上記重量平均分子量が60万〜100万の範囲内であると、充分な粘着力を発現することができる点で有利である。これに対して、上記重量平均分子量が60万未満では、糊残りが発生するおそれがあり、一方、上記重量平均分子量が100万を超えると、濡れ性低下によって、所望の粘着力を発現することが難しいことがある。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、70万〜90万であることがより好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。なお、測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:G7000HXL 7.8mmID×30cm 1本 GMHXL 7.8mmID×30cm 2本 G2500HXL 7.8mmID×30cm 1本(東ソー社製)
サンプル濃度:1.5mg/mlになるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
上記粘接着剤層15は、例えば、粘着剤、架橋剤(硬化剤)等を含有する粘接着剤組成物を支持体上に塗工して塗膜を形成した後、該塗膜を加熱乾燥することによって硬化させる方法によって形成できる。上記架橋剤(硬化剤)は、粘着剤中の官能基と化学反応又は相互作用をして架橋させる化合物である。上記架橋剤としては、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の公知の架橋剤を用いることができる。
上記イソシアネート系硬化剤はイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等の分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物;それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと付加反応させた化合物や、それらをポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
なかでも、分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物を多価アルコールと付加反応させた化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートを多価アルコールと付加反応させた化合物がより好ましい。
上記エポキシ系硬化剤はエポキシ基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
上記架橋剤を含有させる場合、その含有量は、上記粘接着剤100重量部(固形分)に対して0.05〜10重量部であることが好ましい。上記含有量が0.05重量部未満であると、架橋密度が低く、粘接着剤層15の凝集力が不充分で、糊残りが発生することがある。上記含有量が10重量部を超えると、粘着力が低下するおそれがある。上記含有量は、0.1〜3重量部であることがより好ましい。なお、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の両方が使用される場合、上記含有量は、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の合計量を意味する。
上記粘接着剤組成物は、更に、触媒を含有してもよい。触媒としては、上記架橋剤の反応に用いられる触媒が挙げられ、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物;有機チタン化合物;有機ジルコニウム化合物;カルボン酸錫塩;カルボン酸ビスマス塩;トリエチレンジアミン等のアミン系触媒が挙げられる。
上記粘接着剤組成物は、更に、疎水性有機溶剤等の溶剤を含有してもよい。上記疎水性有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、鉱油、石油エーテル等が挙げられる。
上記粘接着剤組成物は、更に、無機フィラーを含有してもよい。上記無機フィラーを配合することにより、基材の隠蔽性を向上することができる。上記無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル固溶体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。なかでも、酸化チタンが好ましい。白色で隠蔽性に優れるからである。
上記無機フィラーの含有量は、上記粘接着剤100重量部に対して、3〜30重量部が好ましい。上記含有量が3重量部未満では、粘接着剤層15に充分な隠蔽性を付与することができない場合があり、一方、上記含有量が30重量部を超えると、粘接着剤層15の粘着性が不充分になる場合がある。
上記無機フィラーの平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましい。上記平均粒子径が0.05μm未満では分散性に乏しい場合があり、一方、上記平均粒子径が5μmを超えると、隠蔽性や粘着力が低下するおそれがある。ここで、無機フィラーの平均粒子径とは、メジアン粒子径(50%体積粒子径)である。
また、上記粘接着剤組成物には、本発明の金属調加飾フィルムに要求される特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、安定剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、粘着付与剤、染料、顔料等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記粘接着剤組成物の塗工量は、10〜90g/m(乾燥時重量換算)であることが好ましい。言い換えれば、上記粘接着剤組成物を乾燥させた粘接着剤層15の塗工量が10〜90g/mであることが好ましい。上記塗工量が10〜90g/mの範囲に調整されることによって、粘接着剤層15の粘着力を確保することができる。上記塗工量が10g/m未満では、粘着力が不充分なことがある。上記塗工量が90g/mを超えると、粘接着剤層15が糊残りが発生しやすくなる。上記塗工量のより好ましい下限は50g/mである。上記塗工量が50g/m以上であると、基材表面の凹凸に対する充分な追従性が得られる。上記塗工量の更に好ましい上限は70g/mである。
上記粘接着剤層15の厚さは、10〜60μmが好ましい。上記厚さが10μm未満では、充分な粘着性を得ることができない場合があり、上記厚さが60μmを超えると、粘着性がさほど向上しない。上記粘接着剤層15のより好ましい厚さは、20〜40μmである。
[セパレーター]
セパレーター16を設けることにより、本発明の金属調加飾フィルムの製造、運搬、保存中に粘接着剤層15が露出しないようにして、粘接着剤層15の劣化防止や、本発明の金属調加飾フィルムの取扱い性向上が可能となる。セパレーター16は、基材への貼付の直前に剥離すればよい。
上記セパレーター16としては特に限定されないが、粘接着剤層15を損傷することなく容易に剥離できるものが好適であり、例えば、粘接着剤層15と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって易剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂フィルム(離型フィルム);上質紙、グラシン紙等の紙(離型紙);紙と被覆層との積層フィルム等が挙げられる。セパレーター16の厚さは、12〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
本発明の金属調加飾フィルムには、表面保護フィルム11、接着剤層12、インジウム蒸着層13、ベースフィルム14、粘接着剤層15及びセパレーター16以外に、例えば、プライマー層等の他の層が設けられていてもよい。
本発明の金属調加飾フィルムは、従来公知の製造方法を利用して製造することができる。表面保護フィルム11及びベースフィルム14は、例えば、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の従来公知の成形法によって作製することができる。上記カレンダー成形に用いられるカレンダー形式としては、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等が挙げられる。
インジウム蒸着層13は、例えば、ベースフィルム14上に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の蒸着法を用いて形成することができる。接着剤層12は、例えば、表面保護フィルム11上に接着剤を塗工し、ベースフィルム14上に形成されたインジウム蒸着層13と貼り合わせた後に、接着剤を硬化させることで形成することができる。
粘接着剤層15の形成方法は特に限定されず、例えば、セパレーター16上に直接バーコーター等を用いて、粘接着剤組成物を塗工し、乾燥させる方法等の従来公知の方法を用いることができる。この場合、セパレーター16上に形成した粘接着剤層15を、ベースフィルム14に貼り合わせることで本発明の金属調加飾フィルムを製造することができる。本発明の金属調加飾フィルムは、更に、必要に応じて、裁断、ロール状への巻き取り等の処理が行われる。
本発明の金属調加飾フィルムの用途は特に限定されず、種々の基材に貼り付けて用いることができる。本発明の金属調加飾フィルムによれば、塗装よりも簡易かつ安全な方法で、塗装品と同等の金属光沢感を基材に付与することができる。また、本発明の金属調加飾フィルムは、従来の加飾フィルムでは装飾することが困難であった3次元曲面部を有する基材の表面であっても装飾できることから、3次元曲面部を有する基材を装飾するのに特に適している。すなわち、3次元曲面部を有する基材と、上記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、上記加飾フィルムは、本発明の金属調加飾フィルムから上記セパレーターを剥離したものであり、上記粘接着剤層を介して上記3次元曲面部に貼り付けられている加飾成形品もまた、本発明の一態様である。
上記基材の材質は特に限定されないが、樹脂成形品等のプラスチック系基材に本発明の金属調加飾フィルムを貼り付ければ、プラスチック系基材を用いる利点を得つつ、金属調の外観を得ることができることから、利用価値が高い。上記基材の種類は特に限定されないが、例えば、携帯電話用カバー、自動2輪車用部品、車両用内装部品が挙げられる。
本発明の金属調加飾フィルムを基材へ貼り付ける方法は特に限定されず、例えば、ラッピング、熱成形、真空成形が挙げられる。ラッピングの具体例としては、ドライヤーで金属調加飾フィルムを温めて軟らかくしながら、プラスチック系基材に沿わせて貼り付ける方法が挙げられる。また、真空成形の具体例としては、真空・圧空成形機としてTOM成形機(布施真空社製、型番:NGF−0406)を使用し、ヒーターの加熱温度80〜140℃で、プラスチック系基材に、金属調加飾フィルムを貼り付ける方法が挙げられる。真空成形によれば、金属調加飾フィルムと基材の間に空気が入ることを効果的に防止できる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
(実施例1)
表面保護フィルム及びベースフィルムとして使用するポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを以下の手順で作製した。
平均重合度1000のPVC100重量部に対して、可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(ジェイプラス社製、「DOP」)を15重量部添加し、PVCコンパウンドを得た。得られたPVCコンパウンドを、バンバリーミキサーで溶融混練した後、逆L字型カレンダーにて厚さ50μmのシート状に成形し、PVCフィルムを作製した。なお、PVCコンパウンドには、熱安定剤、酸化防止剤、着色のための顔料等の添加物を添加してもよい。
次いで、ベースフィルムの一方の面に、真空蒸着法により、全光線透過率が約10%のインジウム(In)蒸着層を形成した。また、表面保護フィルムの一方の面に、コンマバーコーターにて乾燥厚さが10μmとなるようにポリエステルポリウレタン系接着剤(東洋紡社製の「バイロン(登録商標)50AS」)を塗工した。そして、ベースフィルム上に形成されたインジウム蒸着層と表面保護フィルム上に塗工された接着剤とが互いに接する向きにして、ベースフィルムと表面保護フィルムとをニップロールで圧着することにより貼り合わせ、積層体を得た。
また、厚さ100μmのセパレーター(二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム、東レ社製「ルミラー(登録商標)」)の一方の面に、コンマバーコーターにて乾燥厚さが40μmとなるように粘接着剤溶液(日立化成ポリマー社製、「ハイボン7663」)を塗工し、塗膜を形成した。上記塗膜を乾燥炉にて80℃で1分間、加熱乾燥することによって、塗膜中の溶剤を除去し、粘接着剤層を得た。
次に、粘接着剤層を介してセパレーターと積層体とを貼り合わせ、セパレーター上に形成された粘接着剤層を積層体側に転写した。これにより、実施例1の金属調加飾フィルムを得た。実施例1の金属調加飾フィルムの構成を下記表1に示す。
(実施例2〜10、参考例及び比較例1〜3)
実施例1と同様にして、下記表1に示した構成の金属調加飾フィルムを作製した。なお、接着剤層は、すべての実施例、参考例及び比較例で同じにした。また、実施例8では、表面保護フィルムとして、PMMAフィルム(三菱レイヨン社製、アクリプレン(登録商標)HBS006)を用いた。比較例2では、表面保護フィルムとして、PETフィルム(東レ社製、ルミラー(登録商標)H10)を用いた。
参考例は、表面保護フィルムの表面粗さが実施例よりも顕著に大きいものである。
(評価試験)
実施例、参考例及び比較例で作製した金属調加飾フィルムについて、下記の方法により、(1)グロス値、(2)エンボス加工性、(3)曲面形状への成形性、及び、(4)100℃での破断強度を評価した。その結果を下記表1に示した。
(1)グロス値
金属調加飾フィルムの表面保護フィルム側の表面におけるグロス値を測定した。グロス値の基準には、屈折率1.567の黒色鏡面ガラス板を用いた。測定条件及び判定基準を以下に示す。
(測定条件)
グロス測定器を用いて測定角度60°でのグロス値(光沢度)を測定し、下記の基準で評価した。グロス測定器は、JIS K 7105に準じて入射角60°及び受光角60°で反射光が測定できるものであれば特に限定されず、例えば、日本電色工業社製のデジタル変角光沢度計VG−1D等が挙げられる。
(判定基準)
〇:グロス値が85以上
×:グロス値が85未満
(2)エンボス加工性
以下の加工条件で、エンボスロールを用いて、表面保護フィルムの表面にエンボス形状を付与した。形成されたエンボス形状を確認し、その結果を以下の基準で判定した。
(加工条件)
エンボスロール表面の凹凸の最大高さRy:80±20μm
エンボスロールの材質:鉄
エンボスロールの温度:常温
エンボスロールを通過する際のフィルム温度:150〜200℃の範囲
圧力:20±10(N)
(判定基準)
〇:転写率が60%以上
×:転写率が60%未満
(3)曲面形状への成形性
金属調加飾フィルムからセパレーターを剥離し、3次元曲面部を有する基材へ貼り付けた。貼り付けには、真空・圧空成形機として、TOM成形機(布施真空社製、型番:NGF−0406)を用いた。金属調加飾フィルムが設定温度範囲(80〜140℃)内で100%以上伸長して3次元曲面部の形状に追従するか否かに基づき、以下の基準で判定した。
(判定基準)
〇:設定温度範囲で成形できる
△:設定温度範囲で成形できるが、基材の端部でフィルム破れが発生したり、基材端部までフィルムが食い込まなかった
×:設定温度範囲で成形できない
(4)100℃での破断強度
金属調加飾フィルムの作製に使用したものと同じ表面保護フィルム及びベースフィルムをそれぞれ、縦15cm、横2.5cmに切断し、両者を積層して試験片とした。試験片を100℃の環境下で1分間放置した後、JIS K 7162に準拠した方法で引張試験を行った。具体的には、引張試験機(島津製作所社製、AG−100NXplus)を用いて、測定温度100℃、引張速度200mm/minの条件で実施した。
Figure 2017159587
表1から分かるように、実施例1〜10の金属調加飾フィルムは、グロス値、エンボス加工性、曲面形状への成形性及び100℃での破断強度のいずれについても良好な結果であった。但し、実施例9の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルムにおける可塑剤の配合量が少なく、実施例10の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルムにおける可塑剤の配合量が多かったため、いずれも曲面形状への成形性がやや劣っていた。また、参考例の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルムの表面粗さが大きかったため、グロス値が低かった。
一方、比較例1の金属調加飾フィルムは、金属蒸着層にアルミニウム(Al)を用いたため、曲面形状への成形性が劣っていた。比較例2及び3の金属調加飾フィルムは、表面保護フィルム又はベースフィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)を用いたため、エンボス加工性及び曲面形状への成形性のいずれについても劣っていた。
11 表面保護フィルム
12 接着剤層
13 インジウム蒸着層
14 ベースフィルム
15 粘接着剤層
16 セパレーター

Claims (9)

  1. 表面保護フィルム、接着剤層、インジウム蒸着層、ベースフィルム、粘接着剤層及びセパレーターが順に積層されてなる金属調加飾フィルムであって、
    前記表面保護フィルム及び前記ベースフィルムは、樹脂成分を含有し、
    前記樹脂成分は、塩化ビニル樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする金属調加飾フィルム。
  2. 前記表面保護フィルムは、可塑剤を含有し、
    前記可塑剤の含有量は、前記樹脂成分100重量部に対して10〜25重量部であることを特徴とする請求項1に記載の金属調加飾フィルム。
  3. 前記表面保護フィルムの厚さは、40〜200μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属調加飾フィルム。
  4. 前記ベースフィルムは、可塑剤を含有し、
    前記可塑剤の含有量は、前記樹脂成分100重量部に対して10〜25重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属調加飾フィルム。
  5. 前記ベースフィルムは、前記インジウム蒸着層側の表面の算術平均粗さが2.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属調加飾フィルム。
  6. 前記ベースフィルムの厚さは、50〜200μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属調加飾フィルム。
  7. 前記表面保護フィルム及び前記ベースフィルムは、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断することなく150%以上伸長するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属調加飾フィルム。
  8. 前記表面保護フィルム及び前記ベースフィルムは、積層して100℃で引張試験を実施した場合に、破断強度が1〜30MPaであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属調加飾フィルム。
  9. 3次元曲面部を有する基材と、前記3次元曲面部を覆う加飾フィルムとを備える加飾成形品であって、
    前記加飾フィルムは、請求項1〜8のいずれかに記載の金属調加飾フィルムから前記セパレーターを剥離したものであり、前記粘接着剤層を介して前記3次元曲面部に貼り付けられていることを特徴とする加飾成形品。
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