JP2017162665A - X線式除電装置、射出成形システム及びコンピューター用プログラム - Google Patents

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【課題】射出成形後の成形金型及び成形品を安全且つ低コストに除電するX線式除電装置を提供する。【解決手段】X線式除電装置30は、上板31a、両側板31b、31bを備えて床面に立設され少なくとも射出成形装置10の金型部分を上板31a、両側板31b、31bによって囲う金型遮蔽体31と、金型部分が型開きされたときの金型間空間に向けてX線を照射するX線照射部32とを備えており、側板31b、31bの一方には、取出機20のロボットアーム21を金型間空間に導入させるためのアーム導入口31cが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は射出成形された成形品を除電するX線式除電装置、射出成形システム及びコンピューター用プログラムに関する。
樹脂の射出成形では、成形後に成形金型を開くと成形品に静電気が生じ、そのため成形品の保管中に埃が付着する、成形品同士がくっつく等の不具合が生じる。このような静電気を除電するため、従来、除電用エアーを成形品に吹き付ける技術(特許文献1等)や、X線を成形品に照射する技術(特許文献2)が提案されている。
特開平05−114176号公報 特開2006−88457号公報
しかしながら開かれた金型に残った成形品に除電用エアーを吹き付ける構成にすると、成形品の除電は可能であるが、除電用エアーを生成する手段が必要な上に、金型が冷やされてしまうという問題が生じる。一方X線を成形品に照射する構成にすると、その近傍にいる作業者がX線被爆するおそれがある。なお工場をクリンルーム化して埃を抑える方策もあるが、これには多大な設備コストを要する。本発明はこれらの問題点を解決して、射出成形後の成形金型及び成形品を安全且つ低コストに除電するX線式除電装置、射出成形システム及びコンピューター用プログラムを提供することを目的としたものである。
本発明によるX線式除電装置は、上板、両側板を備えて床面に立設され少なくとも射出成形装置の金型部分を前記上板、両側板によって囲う金型遮蔽体と、前記金型部分が型開きされたときの金型間空間に向けてX線を照射するX線照射部とを備えており、前記側板の一方には、取出機のロボットアームを前記金型間空間に導入させるためのアーム導入口が形成されていることを特徴とする。
また本発明による射出形成システムは、シリンダー射出成形装置と、取出機と、前記X線式除電装置とを組み合わせて構成されることを特徴とする。
また本発明によるコンピューター用プログラムは、射出成形装置を監視して金型部分が型開きされたときに前記X線照射部を作動させることを特徴とする。
本発明によるX線式除電装置は、上板、両側板を備えて床面に立設される金型遮蔽体によって射出成形装置の金型部分を囲うようにしており、その金型遮蔽体にX線照射部が設けられている。金型遮蔽体は自立しており、射出成形装置等にネジ止め等する必要がないので、既存の射出成形機に略無加工でX線式除電装置を追加できる。また金型遮蔽体によって金型部分からのX線の漏出を防ぐので、成形品と金型とを同時かつ安全に除電できる。そしてその際に金型を送風によって冷却してしまうこともない。また金型遮蔽体が金型部分の上方を覆うので、その部分への埃の落下も抑えられる。
(a)〜(c)は実施形態の一例とされる射出成形システムの構成を示す平面図、右側面図及び前断面図である。 (a)、(b)はいずれも除電装置の具体例の全体斜視図である。 (a)〜(e)は射出成形システムの基本動作を時系列的に示した一連の平面図である。 除電装置を制御するためのコンピューター用プログラムの基本的な処理手順を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は実施形態の他例とされる射出成形システムの構成を示す平面図、右側面図及び前断面図である。
図1(a)〜(c)は実施形態の一例とされる射出成形システムの構成を示す平面図、右側面図及び前断面図である。前断面図は、平面図中の一点鎖線を含む紙面に鉛直な平面を切断面として前方から見たときの断面図である。なお各図において金型遮蔽体はグレーに着色し内側を透かして記載してあるが、これは透視によって内側の装置構成を示すためであって、金型遮蔽体が透明又は半透明であることを意味しない。
射出形成システム1は、シリンダー(インライン)射出成形装置10と、サイドエントリータイプの成形品取出機20と、本発明に係るX線式除電装置30とを組み合わせて構成されている。成形装置の能力としては、型締力が15〜40tf程度のものを想定している。また成形品の種別等は特に限定しないが、埃の付着が特に問題になる光学部品、光ディスク、コンタクトレンズの樹脂型等が好適である。
成形装置10は、従来と同様のものであり、スクリュー(図示なし)が内装された可塑化シリンダー11と、スクリューを回動させるモーター装置12と、成形金型17と、金型17を開閉させるプレス装置14とを備えている。モーター装置12、プレス装置14は、シリンダー11と金型17とが整合するように基台部15に固定されている。
シリンダー11の先端部には樹脂射出口(図示なし)が形成されたノズル11aが装着されており、後端部の上方には樹脂ペットを貯留するホッパー16が設けられている。またシリンダー11には加熱用のヒーター、コイルや断熱材(図示なし)等が巻設されている。
モーター装置12は、シリンダー11を保持しており、モーターユニット(図示なし)の出力軸が動力伝達装置等を介してスクリューに連結されている。またモーター装置12は、動力シリンダー(図示なし)等を備えており、シリンダー11、スクリューを独立に前後移動させることができるようになっている。
金型17は固定側金型17aと可動側金型17bとからなる。固定側金型17aは合わせ面にキャビティー13cが形成されており、プレス装置14の固定側取付板14aに固定されている。キャビティー13cは固定側金型17aに形成されているランナー、スプール部を通じて、固定側取付板14aの裏面側に形成されている樹脂注入口に連通されている。一方、可動側金型17bは合わせ面にコア13dが形成されており、プレス装置14の可動側固定板14bに固定されている。金型17を合わせたときにキャビティー13cとコア13dとの間に形成される空間によって成形品が成形される。
プレス装置14は、複数の支柱14cによって固定側取付板14aを固定保持しており、可動側固定板14bをその支柱14cによってガイドされつつ固定側取付板14aに向けて前進あるいは後退するように構成されている。
取出機20は、サイドエントリータイプを含む直交座標タイプ・多関節タイプ取出機を想定している。要は、取出機20はそのロボットアームが成形装置10の金型部分に側面から進入する構成のものであればよい。ここではそのような取出機20の例として、2軸式のサイドエントリータイプについて説明する。
取出機20のロボットアーム21は、本体部22から水平に突設された固定アーム21aと、固定アーム21aに対して直角を保ったまま水平移動する移動アーム21bと、移動アーム21bに沿ってスライド移動するヘッド部21cとで構成されている。ヘッド部21cには、複数の吸着パッド26が配列されたチャック部27が装着されている。固定アーム21aに対して移動アーム21bを移動させるための機構、移動アーム21bに沿ってヘッド部21cをスライド移動させるための機構は、例えば、ベルト駆動、ラックアンドピニン、あるいはウォームギヤ等によって実現できる。
取出機20は固定アーム21aが成形装置10の長手方向に対して平行になるように床面に固定されている。従って、取出機20は、ヘッド部21cを成形装置10の金型部分に進入させる際には、移動アーム21b及びヘッド部21cを固定アーム21aに対して直角方向に移動させ、ヘッド部21cを成形装置10の金型部分に進入させたあとチャック部27によって成形品を捕捉する際には、移動アーム21bを固定アーム21aに対して平行方向に移動させるようにプログラムすればよい。
除電装置30は、上板31a、両側板31b、31bを備えて床面に立設され、少なくとも成形装置10の金型部分を上板31a、両側板31b、31bによって囲う金型遮蔽体31と、金型17が型開きされたときの金型間空間に向けてX線を照射するX線照射部32とを備えている。金型遮蔽体31は床面に自立する形状なので、成形装置10にネジ止め等で固定する必要はない。すなわち既存の成形装置に略無加工で除電装置30が追加できる。
金型遮蔽体31は成形装置10の金型部分を囲い、除電のためにX線照射部32から金型間空間に向けて照射されたX線が外部に漏出するのを防止するため、つまり作業者のX線被爆を防ぐためのものである。従って、上板31a、両側板31b、31bは、X線照射部32が照射するX線を吸収できれば、どのような素材のものを採用してもよい。例えばそれらの板材として、アクリル、塩ビ等の各種樹脂、アルミ、スチール等の板金、あるはベニヤ等の合板を用いることができる。
側板31b、31bの一方には、取出機20のロボットアーム21を金型間空間に導入させるためのアーム導入口31cが形成されている。アーム導入口31cは、ヘッド部21cが成形装置10の金型部分に進入して成形品を捕捉するのに必要な最小サイズにするとよい。
除電装置30による除電作用は、X線照射部32から金型間空間に向けて軟X線を照射してその空間の空気を電離させ、これによって生じた空気イオンによって成形品と金型17とを同時に除電するというものである。空気イオンは両極性のイオンを含むから、成形品、金型17の帯電極性に関わらず除電できる。成形品や金型17を除電すれば、それらへの埃の付着が著しく減少する。また吸着パッド26に成形品がくっつく等の問題も生じ難くなる。軟X線は数10keV〜2keV程のエネルギーの微弱なものでよいから、樹脂あるいは板金等で構成した金型遮蔽体31によって略完全に遮蔽することが可能である。また金型17を従来のように空気イオンの送風によって冷却してしまうこともない。また金型遮蔽体31が成形装置10の金型部分の上方を覆うことで、その部分への埃の落下も抑えられる。
X線照射部32はX線管球等からなるX線発生器を少なくとも含んでいる。X線管球は銅、タングステン等からなるターゲットに高電圧で加速した電子を衝突させてX線を発生させるものである。X線照射部32は、このようなX線発生器と、それに加速用の高電圧等を供給する高圧電源回路とが一体に形成されているタイプのものでも、それらが別体としてケーブルによって接続するタイプのものでもよい。
図2(a)、(b)はいずれも除電装置の具体例の全体斜視図である。図2(a)に示した例と、(b)に示した例との相違点は、X線照射部32の配置である。すなわち前者ではX線照射部32は上板31aに設けられているのに対して、後者では側板31b、31bの他方に設けられている。前者と後者とではX線照射部32と成形品との距離が異なるから、X線照射部32の仕様(X線照射強度、照射範囲等)を勘案して好適な配置場所を選択するとよい。
金型遮蔽体31は、成形装置10との干渉を防ぐように形成された前、後板31d、31eを更に備え、成形装置10の金型部分を上板31a、両側板31b、31b及び前、後板31d、31eによって囲うようにしてもよい。そのため前板31dには、プレス装置14及び基台部15の輪郭に対応した切欠き31fが形成されており、後板31eには、成形装置10のシリンダー11及び基台部15の輪郭に対応した切欠きが形成されている。このように成形装置10の金型部分を上板31a、両側板31b、31b及び前、後板31eによって囲う構成とした場合、金型遮蔽体31によって、その内側への埃の進入が最小限に抑えられ、成形品や金型17に埃が一層付着し難くなる。
次いで射出成形システムの基本動作の一例を図に従って説明する。
図3(a)〜(e)は射出成形システムの基本動作を時系列的に示した一連の平面図である。
図3(a)では、金型17は閉じられ、シリンダー11は前進して金型17に連通された状態である。この状態で樹脂が金型に射出されて成形品Wが成形される。取出機20は、移動アーム21b及びヘッド部21cを成形装置10から遠ざけた位置に退避させている。
図3(b)では、金型17は開かれており、シリンダー11は後退して金型17から分離された状態である。成形品Wは可動側金型17bのコア17dに嵌った状態で金型間空間に露出されている。取出機20は、移動アーム21b及びヘッド部21cを固定アーム21aに対して直角方向に移動させて、ヘッド部21cを金型間空間に進入させている。
X線照射部32の線照射は、成形品Wが金型間空間に露出されている間、すなわち図3(b)〜(d)の間に行えばよい。X線の照射時間は特に制限されず、図3(b)〜(d)の間連続してX線を照射させてもよいし、その期間の一部に照射させてもよい。
図3(c)では、取出機20は、移動アーム21bを固定アーム21aに対して平行方向に移動させ、チャック部27が成形品Wを捕捉している。このとき成形品Wは可動側金型17bに内蔵された押出棒(図示なし)によってコア13dから押し出されてチャック部27による捕捉が可能になる。
図3(d)では、取出機20は、移動アーム21bを先程とは逆方向に移動させ、チャック部27が成形品Wをコア13dから引き抜いている。
図3(e)では、取出機20は、移動アーム21b及びヘッド部21cを固定アーム21aに対して直角方向に移動させて、ヘッド部21cを金型間空間から退出させている。なおここでチャック部27に捕捉されている成形品Wは、図示しない他の輸送機のチャック部に渡されて所定場所に移動される。
更に、除電装置30を制御するためのコンピューター用プログラムについて簡単に説明する。除電装置30を制御するためのコンピューター用プログラムは、その基本処理として、射出成形装置10を監視し、金型17が型開きされたことを検出したときに、X線照射部32を所定時間作動させればよい。
図4は、除電装置を制御するためのコンピューター用プログラムの基本的な処理手順を示すフローチャートである。
ステップ1では、コンピューター用プログラムは成形装置10の作動を監視している。
ステップ2では、監視結果に基づいて金型部分が型開きされたか否かを判断している。
ステップ3は、ステップ2で金型部分が型開きされたことを検知したときに実行する処理であり、X線照射部32を作動させてX線を所定時間照射させている。
除電装置30を制御するためのコンピューター用プログラムの処理手順をこのようなものとした場合、除電装置30の動作は、単に成形装置10の型開きに同期してX線を照射するという簡単なものになり、生産性に悪影響を与えことがなくなる。
図5(a)〜(c)は実施形態の変形例とされる射出成形システムの構成を示す平面図、右側面図及び前断面図である。前断面図は、平面図中の一点鎖線を含む紙面に鉛直な複数平面を切断面として前方から見たときの断面図である。
本変形例の除電装置30は、金型遮蔽体31に組み合わせて床面に立設され取出機20を囲う取出機遮蔽体33を更に備えている。図1(a)〜(c)に示した例との相違点は、取出機遮蔽体33の有無だけであり、図1(a)〜(c)に示した例に共通する要素には同一の参照符号を付けて説明を省略する。
取出機遮蔽体33は、金型遮蔽体31と同素材の板材によって構成されており、基本的に、金底面及び金型遮蔽体31に隣接する部分を除いて取出機20の全体を囲っている。取出機遮蔽体33の高さ、幅、奥行きは、金型遮蔽体31と同じであっても異なっていてもよい。取出機遮蔽体33の金型遮蔽体31に隣接する部分は板材を全体的に除去してもよいし、板材のその部分にロボットアーム21を出入りさせるための通い口(図示なし)を設けてもよい。取出機遮蔽体33の前板33aには、取出機20のチャック部27から、他の輸送機のチャック部に成形品Wを渡すために、他の輸送機のチャック部を取出機遮蔽体33の内側に受け入れるための通い口33bが形成されている。
除電装置30を、このような取出機遮蔽体33を備えた構成とすれば、X線照射部32から照射されたX線の漏出を抑える効果が確実になり、成形品Wへの埃の付着も一層減少する。
1 射出成形システム
10 射出成形装置
20 取出機
21 ロボットアーム
30 除電装置
31 金型遮蔽体
31a 上板
31b 側板
31c アーム導入口
31d 前板
31e 後板
32 X線照射部
33 取出機遮蔽体

Claims (8)

  1. 上板、両側板を備えて床面に立設され少なくとも射出成形装置の金型部分を前記上板、両側板によって囲う金型遮蔽体と、
    前記金型部分が型開きされたときの金型間空間に向けてX線を照射するX線照射部とを備えており、
    前記側板の一方には、取出機のロボットアームを前記金型間空間に導入させるためのアーム導入口が形成されていることを特徴とするX線式除電装置。
  2. 前記X線照射部は、前記上板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のX線式除電装置。
  3. 前記X線照射部は、前記側板の他方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のX線式除電装置。
  4. 前記金型遮蔽体は、前記射出成形装置との干渉を防ぐ切欠きがそれぞれ形成された前、後板を更に備えており、前記射出成形装置の金型部分を前記上板、両側板及び前、後板によって囲うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線式除電装置。
  5. 前記金型遮蔽体に組み合わせて床面に立設され前記取出機を囲う取出機遮蔽体を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線式除電装置。
  6. シリンダー射出成形装置と、取出機と、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のX線式除電装置とを組み合わせて構成されていることを特徴とする射出形成システム。
  7. 前記取出機は、サイドエントリータイプを含む直交座標タイプ・多関節タイプ取出機であることを特徴とする請求項6に記載の射出成形システム。
  8. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のX線式除電装置を制御するためのコンピューター用プログラムであって、射出成形装置を監視して金型部分が型開きされたときに前記X線照射部を作動させることを特徴とするコンピューター用プログラム。

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