JP2017164223A - 光線照射治療装置 - Google Patents

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正剛 北野
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雅史 猪股
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Takahiro Hiratsuka
孝宏 平塚
吉生 山岡
Yoshio Yamaoka
吉生 山岡
小林 隆志
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隆志 小林
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Yoshimasa Oyama
淑正 小山
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孝司 首藤
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Abstract

【課題】主にヘリコバクターピロリ菌に対する光照射において、各種の光照射を可能にし、しかもクラリスロマイシン、アモキシシリンなどの標準的治療として投与される抗生剤に抵抗性をもつピロリ菌種に対して、特定光源(波長)の照射も可能にして、増殖抑制をするものであり、主に炎症性疾患の光線照射治療が確実且つ安全に安定して精度良く可能にする光線照射治療装置を提供する。【解決手段】光線照射装置と、前記光線照射装置を温度調節装置の内部に囲撓して配置し、前記光線照射装置は表面の被照射体側にLED光照射素子を配置した基板とその裏面に冷却伝播用金属プレートを介して水冷パイプを配置し前記LED光照射素子の前方に透明プレートを配置し、被照射体への照射光量・照射距離調・温度調節を可能にした制御装置を外部に設けて構成し、前記水冷パイプは外部の冷却水循環・給排装置に接続したことを特徴とする光線照射治療装置。【選択図】図1

Description

本発明は、光線照射治療装置に関し、具体的には生体内及び生体外にある病原菌に起因した炎症性疾患の治療、予防又は軽減に使用するための装置に関する。より具体的には、生体内では、特に胃等の管腔臓器内に常在したヘリコバクターピロリ菌を殺菌又は滅菌する装置に関する。
一般に、上部消化管粘膜に感染する「ヘリコバクターピロリ菌」は粘膜に炎症を生ぜしめ、消化管の慢性炎症の原因になっていることは周知のとおりである。さらに近年ではピロリ菌が明確な発癌原因であることも世界的に周知された。炎症は、細菌感染に起因しているため、これまでの治療方法としては、抗生物質や抗菌剤の投与が中心的であり、且つ、潰瘍治療薬を併用して除菌するという治療が常法である。
ヘリコバクターピロリ菌は、消化管の細胞表面のごく表層の粘膜層(0.5mm前後の深さ)に存在していることが確かめられている。このような消化管等の表層又はその近傍にある有害な菌を除去(殺菌又は滅菌)するために、これまでの薬剤投与とは異なる観点からの治療法として、LED光照射による光照射治療法が開発されつつある。
従来公知になっているLED光照射による治療及び使用装置については、例えば、400〜550nmの波長で1ワット/m2以上の強さである可視光線の照射(特許文献1)、人体外部の自然界に存在するピロリ菌に対して360〜600nmの可視光線照射(特許文献2)、紫外線を生体内の患部に照射することによる滅菌を目的とした滅菌装置(特許文献3)、光波エネルギーを使用するいくつかの有望な医学的診断及び処置システム(特許文献4)、病原性微生物の株に対する偏光電磁放射線の照射(特許文献5)、X線放射、ベータ線放射、ガンマ線放射、光放射、紫外線放射、赤外線放射、ラジオ波、マイクロ波等の照射(特許文献6)、600〜700nm波長による室内消毒照射(特許文献7)、青色発光ダイオード(LED)からの419〜519nm波長の閃光パルス照射(特許文献8)、薬剤耐性を有する体外ピロリ菌などの薬剤耐性病原性微生物に対する400〜410nm波長のLEDからの強度10〜100μWcm2(16〜50時間)の照射(特許文献9)、及び酸化剤含む組成物を病原菌に接触させ、400〜1000nmの単一又は複数の波長を有する光を含む光線の照射(特許文献10)などが知られている。
特開2009−112804号公報 特開1998−094583号公報 特開1998−014639号公報 特表2001−505101号公報 特開2003−000297号公報 特表2003−530139号公報 特開2004−261595号公報 特開2004−275335号公報 特開2008−079510号公報 特開2008−284312公報
本発明は、主にヘリコバクターピロリ菌に対する光照射において、各種の光照射を可能にし、しかもクラリスロマイシンやアモキシシリンなどの標準的治療として投与される抗生剤に抵抗性を有するピロリ菌種に対して、特定光源(波長)の照射も可能にして、ピロリ菌の増殖抑制をするものである。本発明によれば、主に炎症性疾患の光線照射治療が確実且つ安全に安定して精度良く可能にする光線照射治療装置を提供する。
上記課題を満足させる本発明の主な技術構成は、以下の通りである。
[1]哺乳動物における炎症性疾患の治療、予防又は軽減に使用される光線照射治療装置であって、
被照射体側に配置したLED光照射素子とその裏面に配置した冷却伝播用金属プレートを備えた基板と、前記LED光照射素子のさらに被照射体側に設けられた透明プレートと、前記冷却伝播用金属プレートを介して配置された水冷パイプを備えた光線照射装置と、
前記光線照射装置を囲撓して配置された温度調節装置と、
被照射体への照射光量・照射距離調・温度調節を可能にした制御装置と、
冷却水循環・給排装置と、
を備えてなる光線照射治療装置。
[2]LED光の波長が405〜830nmである、上記[1]に記載の光線照射治療装置。
[3]LED光の照射時間が1〜72時間である、上記[1]又は[2]に記載の光線照射治療装置。
[4]LED光が501μW/cm2の光強度を有する、上記[1]〜[3]に記載の光線照射治療装置。
[5]光線照射装置が、照射光量距離測定調節手段を備えていることを特徴とする、上記[1]〜[4]に記載の光線照射治療装置。
[6]温度調節装置が、水冷式保温CO2インキュベータ又は空冷式保温照射装置である、上記[1]〜[5]に記載の光線照射治療装置。
[7]LED光が炎症性疾患の患部に照射される、上記[1]〜[6]に記載の光線照射治療装置。
[8]LED光が食品、食器、又は医療用具に照射され、炎症性疾患の発症を予防するための、上記[1]〜[6]に記載の光線照射治療装置。
[9]炎症性疾患がヘリコバクターピロリ菌に起因した疾患である、上記[1]〜[8]に記載の光線照射治療装置。
本発明の光線照射治療装置は、ヘリコバクターピロリ菌に対する光照射において、各種の光照射を可能にし、しかもクラリスロマイシンやアモキシシリンなどの標準的治療として投与される抗生剤に抵抗性をもつピロリ菌種に対して、特定光源(波長)の照射も可能にして、増殖抑制をする主に炎症性疾患の光線治療が確実且つ安全に安定して精度良く可能にする。
また、本発明の光線照射治療装置は、細胞や動物等の被治療照射体に照射光線を照射する際に、発生する熱による当該被照射体細胞に対するダメージを皆無にし、照射光線の効能を確実にしかも効率よく安定して得るために、前記温度調節装置として、インビトロ用のCO2インキュベータ又はインビボ用の検温ファン制御式空気換気装置等と、水冷式の光線照射装置により、その各内部温度を互いに干渉を避け、独自に所定温度に一定に保つことができるものである。
本発明の光線照射治療装置により、主に抗炎症作用や薬剤耐性ピロリ菌の増殖抑制作用を安定して確実に得られる。さらに、その機序に細胞内の遺伝子の突然変異をとらえているという点において、細菌増殖抑制効果の他に、抗炎症効果が治療効果に結びつく可能性のある疾患に応用可能であり、多くの汎用性ある。
本発明の実施例(具体例)を示す全体説明ブロック線図である。 LED光線照射によるピロリ菌(Japanese strain TN2 GF4)の増殖抑制効果を示すグラフである。 LED光線照射によるピロリ菌(クラリスロマイシン、メトロニダゾール耐性菌であるBangladesh clinical strain No.69)の増殖抑制効果を示すグラフである。 LED光線照射によるピロリ菌(メトロニダゾール耐性菌であるBangladesh clinical strain No.94)の増殖抑制効果を示すグラフである。 LED光線照射によるピロリ菌(アモキシシリン、クラリスロマイシン、メトロニダゾール感受性菌であるBangladesh clinical strain No.133)の増殖抑制効果を示すグラフである。 デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎マウスの病勢(disease activity index)に対するLED光線照射による細菌抑制効果、ピロリ菌の増殖の抑制効果、又は殺傷効果を示すグラフである。
本発明は、哺乳動物における炎症性疾患の治療、予防又は軽減に使用される光線照射治療装置を提供する。より具体的には、本発明の光線照射治療装置は、光線照射装置、温度調節装置、制御装置、及び冷却水循環・給排装置を備えてなる。
1.適用疾患
本発明は、光線照射治療装置により炎症性疾患を治療、予防又は軽減することを目指す。本明細書で使用するとき、「炎症性疾患」とは、持続性又は一過性の炎症状態を呈し、且つその炎症を軽減することによって症状が改善され得る疾患を意味する。例えば、限定されないが、胃炎、消化性潰瘍、膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎等の炎症性消化器疾患;腎炎、糸球体腎炎、腎不全等の炎症性腎臓疾患;劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、肝硬変、肝不全等の炎症性肝臓疾患;炎症性循環器疾患、腫瘍、炎症性骨関節疾患、又はアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患;炎症性心疾患、炎症性自己免疫疾患、痛風、火傷、リウマチ、感染症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、発熱、移植片対宿主病、重症筋無力症、変形性関節症等が挙げられる。特に、本発明は、炎症性消化器疾患に対して好適に適用することができ、この場合に、胃内視鏡等の形態で本発明の光線照射治療装置を生体内で使用してもよいが、皮膚の上から疾患部位に対して光照射を行っても所望の効果が得られる。
本明細書によれば、光線照射治療装置の使用により哺乳動物における炎症性疾患を治療、予防又は軽減することができる。ここで、「哺乳動物」としては、限定されないが、ヒト、サル等の霊長類、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等のげっ歯類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ、ヤギ、フェレット等が挙げられる。また、本明細書で使用するとき、「治療」又は「緩和」という用語は、治療療法及び予防若しくは防止対策の両方を含むことが意図され、その目的は、標的病態若しくは疾患を防止する又は鈍化(減少)させることである。本発明によれば、患部に光照射を施した後、対象が、特定の疾病若しくは状態の1つ以上の兆候及び症状の観察可能及び/又は測定可能な低減若しくは非存在を示す場合、対象は、疾患に対して成功裏に「治療」又は「緩和」されたという。また、疾患又は状態の「予防」とは、統計試料において、未処理の対照試料に対して、処理された試料における疾患又は状態の発生を低減する、又は未処理の対照試料に対して、疾患又は状態の1つ以上の症状の発症を遅延する、若しくは重篤度を低減することをいう。
本発明の光線照射治療装置の使用に適した疾患は、上記に示した通りであるが、特に、疾患の作用機序として、抗炎症作用及び/又は細菌増殖抑制効果に起因するものが好ましい。例えば、炎症性疾患としては、炎症性腸疾患マウスモデル(デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎)であり、下痢や下血、体重減少の程度を軽減することができる(実施例5参照)。抗炎症作用は、LPS刺激により炎症を惹起させたマクロファージ様細胞に光線照射することにより、IL−6、TNF−αといった炎症性サイトカイン誘発を減少させるという実験結果に基づいている。一方、細菌抑制効果は、ピロリ菌の増殖抑制又は殺傷の結果に基づく。ピロリ菌に対する光線照射実験において、クラリスロマイシンやアモキシシリンなどの現在標準的治療薬として投与される抗生剤に抵抗性を有する数種のピロリ菌に対しても増殖抑制効果が得られ、腸内細菌に対しても影響を及ぼす可能性が高いと考えている。
本発明の光線照射治療装置の使用による上記疾患の予防との関連では、病原性細菌が付着したと想定される食品、食器、又は医療用具等に光線照射により、疾患の発症を未然に防ぐことができる。
2.光線照射治療装置
本発明は、哺乳動物における炎症性疾患の治療、予防又は軽減に使用される光線照射治療装置が提供し、前記装置は、
被照射体側に配置したLED光照射素子とその裏面に配置した冷却伝播用金属プレートを備えた基板と、前記LED光照射素子のさらに被照射体側に設けられた透明プレートと、前記冷却伝播用金属プレートを介して配置された水冷パイプを備えた光線照射装置と、
前記光線照射装置を囲撓して配置された温度調節装置と、
被照射体への照射光量・照射距離調・温度調節を可能にした制御装置と、
冷却水循環・給排装置と、
を備えてなる。本発明の光線照射治療装置の典型例を図1に示す。光線照射治療装置は、被照射体に照射光量・照射距離調・冷却温度調節を可能にした制御装置を有する水冷式の光線照射装置と、該光線照射装置を内部に囲撓して配置する温度調節装置であるインビトロ用のCO2インキュベータとから構成される。なお、図示していないが、インビボ用の温度調節装置は、検温ファン制御式空気換気装置を用いればよい。
(1)光線照射装置
前記光線照射装置は、基板の表面の被照射体側にLED光照射素子を配置し、基板の裏面に冷却伝播用金属プレートを介して水冷パイプを配置し、前記LED光照射素子の前方に透明プレートを配置したユニットにより構成してなってもよい。ここで、本明細書で使用するとき、用語「LED光照射素子」とは、「発光ダイオード(LED)素子」と互換的に用いられ、簡単には、半導体(特に、窒化物半導体)を用いて構成されたチップ状の発光素子を意味するが、使用の態様により、LEDパッケージ(日亜化学工業製)だけでなく、該LEDパッケージが回路基板に実装された電子部品を含むものとして定義され得る。ここで、「LEDパッケージ」とは、光源であるLEDチップと封止樹脂と躯体等からなり、通電により発光する最小部品単位をいう。周知のとおり、LEDは、所望の波長の光を正確に放射することができ、そのため、波長を制御するフィルターを必要とせず、また発光エネルギーが少なくて済み、簡単な構成で装置を実現できるという利点を有する。本発明によれば、光線照射装置に使用されるLED光照射素子は、上記特徴を有する限り、特に限定されない。
LED光照射素子の種類は、特に限定されない。LED光照射素子としては、躯体がリードフレームやステムからなるスルーホール型のLEDパッケージ、躯体が基板やケースからなる表面実装型のLEDパッケージなどが挙げられる。LED光照射素子の形状もまた特に限定されない。スルーホール型のLEDパッケージとしては、砲弾型、角型、Flux型を挙げることができる。表面実装型のLEDパッケージとしては、ToP View型、傾斜タイプ、Side View型を挙げることができる。
LED素子が発する光(以下、単に「LED光」と称することがある。)は特に限定はされず、治療目的のためには紫外光であってもよいが、可視光で好ましい。LED光が可視光である場合、光の色は白色であってもよく、赤色、青色、緑色等の任意の色であってもよい。別の態様では、LED光は、特定の波長を出射する光と定義することもでき、ここで、特定の波長としては、380〜780nmである。また、LED光を被照射体、例えば、炎症性疾患の患部、食品、食器、医療用具などに照射する場合の照射時間及び光強度は、特に限定されず、当業者であれば適宜調整可能である。
本発明によれば、LED光照射素子は、基板の表(おもて)面の被照射体側、すなわち、照射される炎症性疾患の患部側、食品等側に設置される。ここで、使用される基板は特に限定されず、LED光照射素子を固定するために適した強度、堅牢性、柔軟性を有する材料であればよく、使用の態様により、基板その物の素子配置面を平面や球面にしたり凹湾曲面にしたりしてもよい。また、該基板へのLED光照射素子の配置は、被照射体に応じて任意であるが、被照射体に均等に光照射されるように、素子間にパーティションを配置したり、素子の間引き点灯を可能にすることもできることも適宜可能である。
(2)冷却伝播用金属プレート
上述した基板は、被照射体側に配置したLED光照射素子の他に、該基板の裏側に冷却伝播用金属プレートが設けられてもよい。本明細書で使用するとき、「冷却伝播用金属プレート」とは、該金属プレートに接触されたLED光照射素子の使用により生じる熱を吸収し、該金属プレートを介して配置された水冷パイプによる冷却を可能にするための金属製のプレートを意味する。本発明によれば、冷却伝播用金属プレートとしては、限定されないが、熱伝導性に優れた銅板、アルミ板等が挙げられる。
(3)水冷パイプ
水冷パイプは、光線照射装置の外部に配置された冷却水循環・給排装置に接続し、温度センサーと水冷制御部により光線照射装置全体の温度を目的温度に自動制御する機能を有する。なお、水冷パイプの形状及びサイズ等は特に限定されず、上記した冷却伝播用金属プレートの形状及び大きさに合致したものであってもよい。
(4)透明プレート
透明プレートは、光線照射装置を囲撓して配置された温度調節装置内の雰囲気からの温度干渉を避けるものであるが、他に被照射体への均等拡散機能をもたせるために、透明なプラスチック板、ガラス板、塩化ビニール板等でよい。また、透明プレートとして球面板等の集光プレートを設置して、LED光照射素子からの照射光を集光プレートで集光してオプチカルファイバーを介して、内視鏡に導入することも可能である。
3.温度調節装置
本発明の温度調節装置は、光線照射装置を囲撓するように配置することを特徴とする。使用可能な温度調節装置は、限定されないが、CO2インキュベータなどの該装置内の温度及び雰囲気を一定に保つことができる装置であってもよく、装置内部の雰囲気・温度調節用に外気給・排機構を設けてあり、外気給・排機構は、内部雰囲気温度センサーと雰囲気制御部により、内部の雰囲気を常に目的の雰囲気温度に自動制御される。なお、雰囲気制御部は、後述する制御装置の操作/表示器から制御器を介して受けた目的の雰囲気温度を設定して、内部雰囲気温度センサーからの検出温度を導入し、目的の雰囲気温度を維持するためのフィードフォワード及びフィードバック制御行うことができる。
4.制御装置
光線照射装置の外部に配置される制御装置は、電源部、AC/DC電源装置、LED照射素子のドライバー、温度センサー、操作/表示器、フィードフォワード及びフィードバックの制御器より構成される。制御装置は、上記操作/表示器において、電源部とAC/DC電源装置のON/OFF操作を行う。また、該操作/表示器において、制御部を介してLED照射素子のドライバーに光線照射装置の基本条件、即ち、LED光照射素子の選択、LED光照射素子からの照射光波長、閃光パルス照射、強度、照射時間等の設定制御、並びに光線照射装置全体の目標温度及び温度調節装置内の雰囲気と目標温度の設定、及びその結果の推移等を表示することができる。
5.冷却水循環・給排装置
冷却水循環・給排装置は、光線照射装置の外部に配置され、制御装置からのシグナルを受けて、光線照射装置内の水冷パイプへの給水及び排水を制御する機能を有する。冷却水循環・給排装置は、その内部に水冷制御部を有し、制御装置からのシグナルの受信後、三方弁の開閉を調節し、さらに、給水・排水用のポンプの動作を制御することができる。
以下の実施例は、本開示の様々な態様を例証する。材料と方法の両方に対する多数の修飾は、本開示の範囲から逸脱せずに実施されてもよいことは当業者に明らかである。市販品供給業者から購入される全ての試薬及び溶媒は、さらに精製又は加工することなしに使用される。
本発明の光線照射治療装置を用いて生体に照射した場合の光線照射条件及び結果を以下に示す。
Figure 2017164223
上記条件にて照射された生体には、主に炎症性疾患の病態改善作用を有し、その機序としては抗炎症作用や細菌増殖抑制効果に起因するもの考えられるものである。炎症性疾患は、炎症性腸疾患マウスモデル(デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎)であり、下痢や下血、体重減少の程度を軽減した(実施例5参照)。
[実施例1]LED光線照射によるピロリ菌(Japanese strain TN2 GF4)の増殖抑制効果
本実施例に使用されるピロリ菌は、大分大学 環境予防医学講座より供与された。CO2インキュベータ内の温度を37℃に保った状態で、405nmの波長のLED光線をプラスチックフラスコに液体培地(Brocella Broth、Mili−Q、ウシ胎仔血清)とともに入れたピロリ菌に照射し、0時間、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間の時点で、寒天培地に溶液を入れ、コロニー数を観察した。対照はアルミニウムにてピロリ菌を入れたフラスコを遮光したものを用いた。結果を図2示す。対照では、経時的にピロリ菌の増殖が観察されたが、LED光線照射により、ピロリ菌の増殖を顕著に抑制することができた。
[実施例2]LED光線照射によるピロリ菌(Bangladesh clinical strain No.69)の増殖抑制効果
本実施例に使用されるピロリ菌(クラリスロマイシン及びメトロニダゾール耐性菌)は、大分大学 環境予防医学講座より供与された。CO2インキュベータ内の温度を37℃に保った状態で、405nmの波長のLED光線をプラスチックフラスコに液体培地(Brocella Broth、Mili−Q、ウシ胎仔血清)とともに入れたピロリ菌に照射し、0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間の時点で、寒天培地に溶液を入れ、コロニー数を観察した。対照はアルミニウムにてピロリ菌を入れたフラスコを遮光したものを用いた。結果を図3に示す。青色のLED光線照射によって、ピロリ菌数を有意に減少させることができた。
[実施例3]LED光線照射によるピロリ菌(Bangladesh clinical strain No.94)の増殖抑制効果
本実施例に使用されるピロリ菌(メトロニダゾール耐性菌)は、大分大学 環境予防医学講座より供与された。CO2インキュベータ内の温度を37℃に保った状態で、405nmの波長のLED光線をプラスチックフラスコに液体培地(Brocella Broth、Mili−Q、ウシ胎児血清)とともに入れたピロリ菌に照射し、0時間、1時間、2時間、3時間、4時間の時点で、寒天培地に溶液を入れ、コロニー数を観察した。対照はアルミニウムにてピロリ菌を入れたフラスコを遮光したものを用いた。結果を図4に示す。実施例2と同様に、青色のLED光線照射によって、ピロリ菌数を有意に減少させることができた。
[実施例4]LED光線照射によるピロリ菌(Bangladesh clinical strain No.133)の増殖抑制効果
本実施例に使用されるピロリ菌(アモキシシリン、クラリスロマイシン及びメトロニダゾール感受性菌)は、大分大学 環境予防医学講座より供与された。CO2インキュベータ内の温度を37℃に保った状態で、405nmの波長のLED光線をプラスチックフラスコに液体培地(Brocella Broth、Mili−Q、ウシ胎児血清)とともに入れたピロリ菌に照射し、0時間、1時間、2時間、3時間、4時間の時点で、寒天培地に溶液を入れ、コロニー数を観察した。対照はアルミニウムにてピロリ菌を入れたフラスコを遮光したものを用いた。結果を図5に示す。前述の実施例と同様に、青色のLED光線照射によって、ピロリ菌数を有意に減少させることができた。
[実施例5]デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎マウスの病勢に対する光線照射の細菌抑制効果又は殺傷効果
光線照射の如何にかかわらず飼育環境を37℃に保った状態で、620nmの光線照射を1日12時間×7日間行い便の形状、体重、便中の血液の程度からなる病勢(疾患活動性スコア(Disease Activity Score))を調査した。結果を図6に示す。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)によって大腸炎が誘導されたマウス(DSS群)に対して光線照射により、疾患活動性スコアの低下が観察された。
(考察)
上記の結果(図2〜6)は、抗炎症作用は、LPSで刺激し、炎症が惹起させたマクロファージ様細胞にLED光線を照射することにより、IL−6、TNF−αといった炎症性サイトカインの誘発を減少させるという実験結果に基づくことを示す。また、細菌抑制効果は、ピロリ菌の増殖の抑制あるいは殺傷する結果に基づくことを示す。そこで、ピロリ菌を選択した理由は、胃炎という炎症を惹起することが証明された細菌である点に加え、一般に入手が容易であることに起因する。ピロリ菌に対する本発明者らの光線照射実験において、クラリスロマイシンやアモキシシリンなどの現在標準的治療として投与される抗生剤に抵抗性をもつピロリ菌(数種)に対しても増殖抑制効果が得られるという結果を得ており、腸内細菌に対しても影響を及ぼす可能性が高いと考えられる。ピロリ菌に光線を照射したものと照射しないものでは、その遺伝子配列に変異があることを捉えており、これが細菌増殖抑制の機序解明のキーとなる可能性がある。本発明は、抗炎症効果や細菌増殖抑制効果によるものと考えられる炎症性疾患の病態改善を有利に可能にした光線照射治療装置である。
本発明の光線照射治療装置は、上記の優れた作用効果と汎用性を有するものであり、医療産業界に貢献すること多大なものがある。
本発明の光線照射治療装置は、光線照射装置からの光をオプチカルファイバーを介して、内視鏡に導入することが可能であり、内視鏡外科手術にも有利に応用できる。世界中で内視鏡外科手術は、年々増加傾向にあり、日本内視鏡外科学会のアンケート報告によると本邦1,380の施設で2013年度は1年間で178,084件の内視鏡外科手術が行われている。或る企業では、次世代型の内視鏡の市場は「2020年までに3300億円に成長する」と見込んでおり(「日経デジタルヘルス 特別編集版 医療編」,2014年3月,pp.10−19)、さらに世界の内視鏡市場は2016年までに97億ドル市場となると予測されている。本発明はそのすべての内視鏡手術においてその抗炎症作用による低侵襲性のさらなる向上や、疾患そのものの病態改善に応用できると考えられ、その市場は極めて大きい。

Claims (6)

  1. 哺乳動物における炎症性疾患の治療、予防又は軽減に使用される光線照射治療装置であって、
    被照射体側に配置したLED光照射素子と被照射体側に配置した冷却伝播用金属プレートを備えた基板と、前記LED光照射素子のさらに被照射体側に設けられた透明プレートと、前記冷却伝播用金属プレートを介して配置された水冷パイプを備えた光線照射装置と、
    前記光線照射装置を囲撓して配置された温度調節装置と、
    被照射体への照射光量・照射距離調・温度調節を可能にした制御装置と、
    冷却水循環・給排装置と、
    を備えてなる光線照射治療装置。
  2. 光線照射装置が、照射光量距離測定調節手段を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の光線照射治療装置。
  3. 温度調節装置が、水冷式保温CO2インキュベータ又は空冷式保温照射装置である、請求項1または2に記載の光線照射治療装置。
  4. LED光が炎症性疾患の患部に照射される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光線照射治療装置。
  5. LED光が食品、食器、又は医療用具に照射され、炎症性疾患の発症を予防するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光線照射治療装置。
  6. 炎症性疾患がヘリコバクターピロリ菌に起因した疾患である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光線照射治療装置。
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