JP2017164253A - 蓋置き器具 - Google Patents

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永吉 勝美
Katsumi Nagayoshi
勝美 永吉
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Abstract

【課題】
解決しようとする問題点は、加熱調理中の熱い鍋の蓋をひっくり返して持ち、蓋の裏側を上に向けつまみを下に向けて水平な状態を保ったままどこかに置こうとしたときに、小さくてかわいい蓋水平置き用の蓋置き器具がなかった点である。
【解決手段】
平面方向から見て、蓋のつまみの周囲近傍のみをとらえるように、小さなC字状受け部を配置する。そしてC字状受け部を有する支持部材と脚部材を1枚の板材あるいは1本の金属丸棒材で一体的に形成する。脚部材の首幅は支持部材の開口部の幅よりも小さくする。左側面図において、つまみを持った指が触れないように空間を確保する目的で、脚部材の上方部には左奥に向かってふくらむようなふくらみを持たせる。支持部材と脚部材の接合部からスタートしていったん奥に向かってふくらんでから戻ってきた脚部材の下方を、脚部材とは別体である台座部材に固着する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、鍋に蓋をして加熱調理中に、熱くなって内側に水滴や油滴が付着した蓋のつまみを持って、蓋をひっくり返し、蓋の内側を上方に向けつまみを下側に向けて持ったまま、水滴や油滴が垂れないように蓋をほぼ水平な状態に保った状態で置き、熱くなった蓋の縁などに触れて指などをやけどしないように手を抜き取ることができるような蓋水平置き用の蓋置き器具に関するものである。
鍋の蓋置き器具に関する従来例を見ることで本発明の主体が明確になるので、調査できた範囲内の従来例を示す。
従来例1は特開2007−190341である。蓋を立てて置く方式であって、水滴や油滴が垂れて落ち、台所や卓上が汚れる欠点がある。大きな蓋を扱っても場所を取らないようにと考えると、蓋を立てたほうがよいと思えるのか、蓋を立てる方式の出願は多い。V字形状のくびれ部を持ったものが多数出願されている。V字形状のくびれ部であれば、どんな大きさの蓋やつまみであっても、V字のどこか適当な位置に止まってくれる、というような記述をかなり見かける。蓋の支持体を全体的に見ると、およそM字形状であることが多い。
従来例1は板材を用いている。このように鍋の蓋を置くための器具には、V字形状のくびれを持ったものや、全体的にM字形状のデザインを採用したものが多い。しかしそれらのほとんどが、蓋をほぼ垂直あるいは斜めに傾けて立てるように置く方式であるので、加熱調理中に一時的に蓋をとってそのようなスタンドに置くと、蓋の内側に付着した水滴や油滴が重力によって流れ出し、蓋の下方から垂れ落ちてしまうことになる。そのため、垂直や斜めに立てかけられた蓋から垂れ落ちる水滴や油滴を受けるために、蓋スタンドに受け皿を付けました、というような内容の出願も多く見られる。そして実際にそのような受け皿付きの蓋縦置き方式の製品が多種販売されている。蓋を立てかけると水滴や油滴が垂れる。垂れるから受け皿を置く。ならば蓋を水平に置けばそのような受け皿は必要がないのではないか、と思ってもコンパクトで扱いやすい蓋水平置き用の蓋置き器具がないので苦労をすることになる。
加熱調理中は味見や味付けの必要があるので、途中で蓋をとることが多い。適切な蓋置き器具を持っていない人は、片手で蓋のつまみをつかみ、水滴が垂れないように蓋の内側を上に向け、残る片手で味見や味付けをがんばるか、あるいは蓋の内側を上に向けて持った後に、蓋の水平を保ちながら、まな板の上などにそっと蓋のつまみを置こうとがんばるか、ということになる。そして後者は熱い蓋の縁に手や腕が触れて、アチチ、となることがほとんどである。つまみの高さは、低いものでは2cmほど、高いものでも3.5cmほどしかないので、そのわずかなすき間から安全に手を抜き取ることは非常に難しいのである。
煮物などをしているときに、蓋を静かに斜めに傾けながら開けようとすると、蓋の内側に付着していた大量の水滴は大半が鍋の中に戻るように流れ落ちるので、その後に蓋をひっくり返して内側を上に向けて水平に保持していれば、蓋の縁から水滴が落ちることはほとんどない、ということを私達は経験的に知っている。熱い蓋をひっくり返して持った後に、残った水滴が落ちないようにそのまま水平状態を保ちながら蓋をのせて、熱い蓋の縁に触れないように手を抜き取ることができるようなコンパクトで良質な蓋水平置き用の蓋置き器具が必要とされているのであるが、そのようなものを市場で見た経験はない。
従来例2は特開平09−266863である。2本の直線状部材を突き出しておいて、そこに蓋を置く、というアイデアの例である。2本の直線状の長い腕をガスレンジの前の壁から水平方向手前に突き出させるように配置したもので、腕の上部には滑り止めが付いている。特開平09−266863に図示されている蓋の直径が普通サイズの20cmくらいだと仮定すると、腕の長さは25cmから30cmほどと推測される。とても大きなものであり、また壁面固定用なので、食卓などへ持ち運んで使うことはできない、という欠点がある。
ガラス製の蓋は球面の一部のような曲面を採用していることが多い。そのような曲面を持った蓋を、つまみを下にして置いたときには、実質的に曲面を2点で支持することになるので、置かれた蓋はグラグラと不安定になる。
従来例3は特開平10−211111である。従来例2は、2本の平行な直線状部材で蓋を支持するタイプであったが、壁固定式で持ち運ぶことができない、という欠点があった。その欠点を取り除き、持ち運ぶことができるようにした、というようなものが従来例3にて示されている。2本の平行な直線状部材で蓋を支持する、というところは従来例2と同様であるが、持ち運べるようにしている、という点が異なっている。
成人男子の手指の幅(親指を含まずに、人差し指から小指までの4指の付け根外側を測定した値)は8cmから9cm程度である。8cmより小さいと少し手が小さい人、10cmでは相当に手が大きい人、というような感じである。成人女子は成人男子よりも平均的にその値は小さい。
従来例3は、土台となる板材に2枚の板を立て、その2枚の板が倒れないように斜めの板で補強した構造となっている。立てられた2枚の板の上端部が蓋をのせるための2本の平行な直線状部材となっている。蓋のつまみを持った手が、立てた2枚の板の間を前後に通過できることが条件となるので、その空間の幅は10cm程度であれば成人男子でもほぼ支障なく機能する。そのようにすると、従来例3は、ほぼ等角投影図法で描かれているので図より推測すると、垂直に立てられた2枚の板の間隔が10cm程度、垂直に立てられた2枚の板の高さが22cm程度、土台となる板の幅が45cmほどで奥行きが15cmほど、それに補強の斜め板を2枚加えたような構造物となる。その構造物を運搬用の段ボール箱に入れるとしたら、段ボール箱の内側寸法はどれくらいになり、その内側部分の収容容積はどれくらいになるのであろうかを算出してみると、およそ幅45cm奥行き15cm高さ22cm、容積14.85リットルの箱に入る、ということになる。2リットルのペットボトルを7本入れられるような数値である。このような大きな構造物をキッチンや食卓の上に常時置いておくのは難しく、また流し台の下などに収納することも難しい。土台板の幅が広く設置面積が大きすぎ収容容積が大きすぎる、ということが従来例3の大きな欠点である。そして厚い板材で全体が構成されているのでどこを持っても気楽に持ち運びができる、というものではなく、重くて取り扱いがやっかいという欠点もある。また従来例2とも共通する欠点であるが、2本の平行な直線状部材で蓋を支持するというところにも問題がある。ガラス製の蓋は球面の一部のような曲面を採用していることが多い。そのような曲面を持った蓋を、つまみを下にして置いたときには、実質的に曲面を2点で支持することになるので、置かれた蓋はグラグラと不安定になり好ましくない。
球面の一部のような曲面を持った蓋を2本の平行な直線で支持するとグラグラして落ち着かない、という欠点は致命的な欠点ではないが、2本の直線が平行ではなくV字状に構成された場合には、置いたはずの蓋が滑り落ちる、という問題が発生する可能性がある。次の従来例4にてその問題点を説明する。
従来例4は特開2002−51922である。従来例4は蓋を置く部分を上方から見るとおよそM字形状であり、全体を側面方向から見るとおよそS字形状に構成されている。特開2002−51922の中に、『上下3段の水平辺とこれらの水平辺を連結する後方垂直辺からなるS字状の側辺部を両側に配し』という記述があるので、M字状の上面部分は側面から見て水平に配置されている。つまみが小さくてつまみの近辺が平面であるような蓋を置くのであれば、水平に置けることは理解できる。しかし、つまみの近辺が球面の一部であるような曲面を持ったガラス製の重い蓋などを置いた場合には、蓋は水平にならず、V字状に開いた方向に倒れこむように傾いてしまう。これは摩擦がなかったらそのままV字の拡がり方向に向けて滑り落ちていく初期状態を示すものである。
本件出願人は従来例4に示されたような試作品を作って実験した。従来例4は、蓋のつまみをつまんだ手指をV字状くぼみの手前側から差し込むようにして使用するので、側面から見てS字状の構造の上側空間の高さを作業に支障がないように10cmほどと仮定すれば、S字状の下側空間も高さおよそ10cmとなる。ほぼ等角投影図法で描かれているので、図示された比率を採用して全体の構成を推測すると、およその全体寸法は幅20cm、奥行き13cm、高さ20cm程度となり、上側M字形状の中央V字の奥行きはおよそ10cm、V字の拡がりの角度は40度、V字の奥の曲げ部半径は1cm程度となる。収容容積は5.2リットルである。これを比較的曲げやすい直径3mmのアルミ製丸棒材で作り、横棒1本を接着剤で固定した。着脱自在とされる2本の横棒は実験に不要なので再現しなかった。その試作品に、およその数値が直径17cm、重さ280g、つまみの細い部分の直径が3cm、曲面がR20cmであるガラス製の蓋をのせたところ、蓋は水平にはならず、V字の拡がり方向に向けて倒れ込んだ。摩擦の力でかろうじて止まっていたが、構造体にわずかな振動を与えただけで蓋は前方へと滑り始め、落下した。従来例4特開2002−51922では直径6mmから8mm程度のステンレス製の丸棒材を想定しているような記述があるが、丸棒材であれば直径3mmでも直径6mmでも直径8mmでも、丸棒材と蓋の曲面とが接するところは点であり、丸棒材の太さに関係なく落下の危険性がある。従来例4にて示されているような構造体をそのままの形で商品化すると、曲面を持ったガラス製の重い蓋をのせたときに危険である。
従来例5は特開2011−161183である。V字の拡がり方向への滑落を防ぐには、V字部分を含むM字部分を水平に配置するのではなく、蓋が落ち込むような角度をもって配置するほうが良い。そして、そのような考えのもとに出願したのではないかとも思われるものが従来例5特開2011−161183である。上面部が水平方向からおよそ30度傾いている。この例が、蓋を水平に置こうとしていないのは明らかであるが、従来例4との比較にもなるので考察する。従来例5特開2011−161183の中に、『つまみ部の首径が異なってもV字形くぼみ部の適当な地点にスムーズに挿入できる。』という記述がある。図面や文章中に具体的な大きさや形状を示すものはないが、蓋のつまみをつまんだ手指を出し入れするのには10cmほどの高さが必要である、という基本から考えて、従来例5の支柱部の高さをおよそ10cmと仮定すると、コの字形をした安定脚部はおよそ幅10cm奥行き10cmの大きさ、蓋置き部の傾斜角はおよそ30度、蓋置き部の左右腕部の長さは11.5cmくらい、底面から腕部の先端までの高さはおよそ16cmほどと推測される。V字形くぼみ部の先端にある円弧の半径は1cmほどで、Rの中心点はコの字形安定脚部の中心点に一致すると考えられる。従来例5の図はほぼ等角投影図法で描かれているので、V字形くぼみの開口部幅は全幅の約3分の1、およそ3.3cmほどである。図に描かれたような首径の小さいつまみを持った蓋であるならば、まさに図のように落ち着くであろうことが理解できる。しかし、たとえば首径が3.2cmであるガラス製の重い蓋をそこに置こうとしたらどうなるか、と考えてみると危険性が見えてくる。
従来例5特開2011−161183には『ゆるやかなV字形のくぼみ部』と記述されているので、ゆるやかさによっては、3.3cm幅の開口部に挿入された首径3.2cmのつまみは、開口部から1cmも入らないところで止まってしまうこともある。『V字形くぼみ部の適当な地点』がすべて好ましい地点であるとは限らない。極めて不都合な安定性のない地点に挿入され止ってしまうこともある。その場合、軽量を特徴とする蓋置き台と、ガラス製の重い蓋(たとえば直径17cmのガラス製蓋で280g程度、直径21cmのガラス製蓋で500g程度)を含めた重心の位置はほぼ蓋の中心真下に来る。その位置はコの字をした安定脚部の端部に極めて近い位置であって、蓋や蓋置き台に不注意に触れただけで倒れてしまう危険性がある。
鍋の蓋を置くための器具にはV字状のくびれを持たせたものが多いが、球面の一部を採用したようなガラス製の重い蓋などをつまみを下にして水平に置こうとすると、ぐらついたり振動で落下したりするので安易に採用するわけにはいかない。
従来例6は特開2005−296558である。V字形を採用した出願は多く、従来例6もそのような出願のひとつである。この従来例6は、厚い円形の板材を上方から皿状に削り出して凹部を作り、そこにV字の溝を刻んだようなもの、と思われる。
多くの特許出願は権利範囲を広く取ろうとするためか、あいまいな表現を多用し、大きさや形状を具体的に記述することが少ない。この従来例6特開2005−296558もあいまいな表現が多く、図もあいまいであって形態を理解することがとても難しい。『円錐形で中心部が薄い皿型』と記述されているが特開2005−296558の図を見ても何が円錐形なのか理解することはとても難しい。『V形の溝がハの字に形成』とう表現も理解に苦しむ。使用状況を示した図がないので、蓋の大きさやつまみの大きさなどとの比較も難しく『皿』と呼ばれている部分の全体形状が把握しにくい。斜視図もあいまいでとても理解しにくい。主として理解の参考となるのは断面図と平面図である。このふたつの図はほぼ同じような尺度で描かれているので、およそのつじつまが合う。そして『切れ目にハの字の角度を持たせた』、『鍋の取っ手部分をV型のハの字溝部分に挟む』、『取っ手をはめるV型の溝の耳をハの字に角度をつける』、『蓋の取っ手を挟め蓋の安定を確保した』というような表現から、出願人が取っ手と呼んでいる蓋のつまみを、断面がハの字形状である部分にはめ込む仕様であることが想像できる。一般的な蓋のつまみは、蓋に接している側の首径が細く、手でつまむ側の直径が大きくなっていることが多い。しかし実際の商品は多種多様で、蓋に接している側の首径が3cmほどで、その直径のままが高さ1.5cmほどまで首部が続き、その先のつまむ部分が直径4cmから4.5cmほどの円盤状に大きく拡がっていて、2本の指で円盤部を引っ掛けるようにして持てるようにしたものなどもある。そのような、直径が突然大きく変化するつまみを持った蓋は、従来例6のような特定のハの字形状で挟んで安定を確保することはできない。
従来例6の出願人は、断面形状がハの字形状を有するつまみを、正面断面図のハの字形状に合致させて安定を確保するようである。そのように考えると、正面断面図のハの字の上方の狭い部分に、つまみの首径の細い部分が合致するような様子を考えれば良さそうである。たとえばつまみの首径の細い部分が3cmであるとすれば、正面断面図のハの字の上方の狭い部分の寸法も3cmと考えて良さそうである。これを従来例6の基準寸法と仮定すれば全体像が見えてくる。ただし従来例6特開2005−296558にて示されたいくつかの図を見比べると、底面部にも斜めカットのような加工が加えられているようにも見えるが、図に統一感がなく、『円錐形で中心部が薄い皿型』と記述されている部分も含め理解が難しく、皿が最終的にどのような形になっているのかはよくわからない。
理解しえた範囲での従来例6の全体像を想像すると、およその数値が、厚さ3cmで直径13cmの円板を、深さ1.5cmのあたりまで断面R15cmほどで皿状に削り出して凹部を作り、その皿に、開口部の幅6cm奥行き7.5cmから8cm開き角度30度のV字形溝を垂直に切り出し、次にそのV字形溝の切断面部全体に、仕上げ加工として開き角度35度の面取り作業を施して断面形状がハの字になるように形成したようなものとなる。従来例6特開2005−296558のタイプ別の全体像をおよその数値で推測すると、幅16cm奥行き13cm厚さ3cmの台座に、長さ24cmの支柱を立て、その支柱の上に厚さ3cm直径13cmの皿を配置したものが、持ち運びが可能な台座タイプである。収容容積は6.24リットルである。壁付けタイプの寸法は、壁面から皿の先端までが24cmほどと推測される。
市販されている鍋の蓋に付いているつまみの高さは、低いもので2cmほど、高いもので3.5cmほどである。そのような高さのつまみが付いているアルミ製の平らな蓋を、従来例6のような厚みのある皿状の蓋置き器具に置くと、つまみが皿の厚さの中にもぐってしまい、次につまみを取り出そうとしたときに、つまみを持つことが簡単ではなくなってしまうという欠点がある。
ここまでは2本の平行な直線状部材で蓋を支持する例(従来例2、従来例3)や、V字形状やM字形状に係る例(従来例4、従来例5、従来例6)について述べてきた。次にC字形状に係る例について述べ、その後に3点支持の例、4点支持の例について述べる。
従来例7は特開平09−238855である。従来例7特開平09−238855の出願人は『上部を水平にU字状に曲げて形成した支持部』という具合に記述しているが、特開平09−238855の全ての図を見る限り支持部はC字形状に見えるので、本件出願人はこれをC字形状に係る類に分類し、今後C字形状と呼ぶことにする。従来例7は、蓋を支持する部分をおよそC字形状に形成し、C字形状部から連続して支柱部を形成し、支柱部の下部に磁石などの吸着部材を配して、ガスレンジの上などに立てようとしたものである。大きなC字形状部が蓋を支持するタイプなので、曲面を持ったガラス製の蓋などを置いてもグラグラすることはなく安定する。
従来例7はC字形状部からゆるやかに連続して支柱部を形成しているので、C字形の開口部下部に斜めに支柱の一部が割り込んできてしまい、蓋のつまみを持った手を上方からあるいは前方から差し込もうとするときにジャマになる。蓋のつまみを右手で持ったときにはなんとか使えるが、蓋のつまみを左手で持ったときにはかなり扱いづらいものとなる、という欠点がある。従来例7は、特開平09−238855の図に描かれた鍋の蓋の直径が普通サイズの20cm程度と仮定すると、全体の高さがおよそ50cmほどもあり、C字形状部の外径も15cmほどはありそうである。収容容積は11.25リットルである。とにかく全体として大きく、高さがある。引っ掛けてあるお玉を取ろうとして、不注意で、まだフックにかかったままなのにお玉を引っ張ってしまったりすると、下部の吸着磁石だけでは支えきれず転倒してしまう危険性がある。加熱調理中の鍋の近くで、倒れるかもしれない器具の上に、重いガラス製の蓋を置くことはとても危険である。
従来例8は特開2002−336142である。倒れる危険性は恐らくないであろうと思われる蓋水平置き用の出願例である。従来例8特開2002−336142の出願人も、図面から見る限り明らかなC字形状のものを、U字形状であるような記述をしているが、本件出願人は従来例7のときと同じようにC字形状に分類されるべきものと考え、今後C字形状と呼ぶことにする。
従来例8は、鍋の直径を20cm程度とすると、外径30cm程度の大きなC字形状を持つ底部に、高さ30cmほどの3本の支柱を立て、それらの支柱の上端部に底部と同程度の大きさを持つC字形状の部材を配置している。C字形状の開口部の幅は、鍋が通過できるように少なくとも20cmほどが必要とされる。C字形状の開口部から測った奥行きは26cmほどである。収容容積は23.4リットルである。そしてC字形状開口部の開きの角度は、C字状円弧の中心から70度ないし80度ほどではないかと推測される。上方のC字形状部の内側に、上方のC字形状部から連続するような作り方で1段落ち込んだような位置にひょうたん形状の支え部を形成している。1段落ち込んだ内側のひょうたん形状の支え部に小さな蓋を置くことができ、大きな四角形状の蓋などは外側のC字形状の支え部に置くことができる、というようなことが記述してある。従来例7がいかにも倒れそうな内容であったのに比べると、この従来例8特開2002−336142は倒れることはまずないだろう、という安心感がある。蓋を水平に置く、ということだけを考えるのであれば使いやすそうである。しかし何せ大きすぎる。そして大きすぎる割に、フライパンを振るときにはジャマになるのではないか、というような狭さを感じてしまう欠点がある。組み立て式にできるとも書いてあるが、それも簡単そうではなく強度も低下して、バラバラになった部品は紛失しやすい。運搬や収納、洗浄などが大変そうである。
C字形状に係る第3の例として、特開平10−211111を示す。
従来例9は特開平10−211111である。特開平10−211111にて示された4枚の図の内、第1番目の図にて示されたものが従来例9である。単に円筒の一部を切り欠いた形状であり、底部も上部もC字形状になる。従来例7や従来例8はC字形状部を針金状の部材を曲げ加工して形成したものであったが、従来例9はC字形状部を円筒を切り欠くという方法または長方形の板材を丸めるという方法で形成している。従来例9のC字形状開口部の幅を仮に10cmほどとすると、元の円筒の直径は15cmから17cmほど、高さは13cmから16cmほどと推測される。C字形状開口部から測った製品としての奥行きは13cmから15cmほどと推測される。小さい数字でみた収容容積は2.535リットルである。そしてC字形状開口部の開きの角度は、C字状円弧の中心から70度ないし80度ほどではないかと推測される。図で描かれたような比率で推測すると、厚さは1cmほどとなる。厚さ1cmとなると陶器製や木製などが考えられるが、長方形の板材を丸めるという方法を採用するのであれば、厚さ2mmほどのステンレス板材などを使用することもでき、厚さは薄くすることができる。特開平10−211111にて示された図はあいまいな図であるのでこれ以上の数値推測は難しい。
従来例7や従来例8との違いは、従来例9は全体が単一の面1枚で構成されている、という点である。とっかかりのない大きな面状の部材は、調理中などの濡れた手で持とうとすると滑って持ちにくく扱いにくいという欠点を持つ。その欠点を補おうとして、面の一部に取り扱いのために指を入れる穴を設けている。針金状のものを用いたものに比べると、大きな面積を持つ面状の部材を用いた器具は重くなるという欠点もある。材料というものは、1kgあたり幾ら、というような取引がなされることが多い。同じような機能を持つ同じような大きさのものを作った場合、同じ材質の材料を用いるとしたら、針金状の材料を用いたものよりも面状の材料を用いたほうが何倍も重くなり材料代も高くなる。従来例9は大きな面積を持つ面状の部材を用いておりコストが高くなる。また2リットルペットボトルよりもずっと太いような略円筒形の物体が食卓に置かれた場合などには、相当な威圧感がある。そして単に円筒を切り欠いただけの形状なので、機能美のようなものがほとんど感じられず、キッチンスペースや食卓上に置いておくにはデザイン的にどうしても違和感があり、これはおもしろい、これはユニークだ、これはちょっとかわいいね、使っていて気持ちがいいね、というような何か文化的な製品を使っているときに得られる満足感のようなものを感じることができない。
従来例10は特開平10−211111である。従来例9の出願人は同じ出願の中で、C字形状を採用した別の作り方を示している。特開平10−211111にて示された4枚の図の内、第3番目の図が従来例10である。針金状のものを用い、上部にC字形を形成し、底部に円形を形成している。軽量化したもの、というような記述がある。たしかに全体が面で構成されている従来例9に比べ軽量化されていると思えるし、面とは異なって針金状部材のどこにでも手をかけられるのでどの方向からでも扱いやすい。しかし軽量化を図ると転倒の危険性が増すと考えてのことだろうが、底部の外径を、上部C字形状部の外径のおよそ1.5倍ほどに大きくして安定を確保している。従来例9に比べ全体の大きさは大きくなっているが、スッキリとした透明感が出て、威圧感はなくなった。
針金状のものは強度に不安があり、底部までC字形状にすると、拡げられてしまったり、ゆがめられて平らに置けなくなったりする恐れがあるので、従来例10では底部を円形にして強度を上げ安定化を図っている。そしてC字形の上部と円形の底部との中間にC字形の補強部材を入れて強度を向上させている。中間部が補強され、底部が大きな円形ということもあり、従来例8に匹敵するような安心感がある。従来例9と従来例10は同じ出願人によるものであるから、上方のC字形状の大きさは同じような寸法を採用していると思われる。そうすると上部C字形状部の外径寸法は15cmから17cmほどで開口部の幅は10cm程度、底部円形部の直径は上部C字形状部の外径のおよそ1.5倍以上に描かれているので、およそ20cmから23cmほどという全体イメージになる。直径20cmから23cmという数値は普通サイズの鍋の直径に近く、高さは鍋よりも高いほどである。高さは13cmほどと思われる。小さい数字でみた収容容積は5.2リットルである。キッチンや食卓の脇役である蓋水平置き用の蓋置き器具としては、直径が大きすぎる数値であり欠点である。しかも図に示されたようなものを作ろうとすると、10ヵ所以上の溶接が必要となる。溶接は針金を高温状態にするのでゆがみが発生しやすく、底部円形部材に複数か所の溶接したときに円形部材がゆがんでしまい、平らに置けなくなってしまうのではないか、という不安もある。ゆがみを発生させないで複数か所の溶接をおこない、安定した品質で量産するには高度な技術が必要である。高度な技術は高価なことが多い。従来例10には大きすぎるという大きな欠点と、部品点数が多くて溶接箇所も多く高価になるという欠点がある。
従来例11は公開実用昭60−24252である。出願人が調査した範囲において、加熱調理中の熱い鍋の蓋をひっくり返して持ち、蓋の裏側を上に向け、つまみを下に向けて、水平な状態を保ったままどこかに置こう、という考えのもとに出願されたものの中で、最も古いものが従来例11公開実用昭60−24252である。従来例11は支柱の頂点部と、支柱に取り付けられたV字形状の腕部の先端に配置されたゴム部材のふたつの頂点との都合3点で、蓋を水平に支持するものである。一般的に物体を支持するには、3点支持が優れている、ということを私達は学んでいる。平面的な物体でも、曲面を持った物体でも、およそどんな形状の物体であっても、3点で支持すればおよそ物体は安定する。そこまでは理解できるのであるが、従来例11は高さが高い割りに台座が小さく、台座部には吸着させるような工夫もされていないので、とても倒れやすい。また部品点数が多く、部品の形状も様々なので高価になる。従来例11公開実用昭60−24252にて図示された蓋を普通サイズの20cmほどのものと仮定してみると、土台となる台座の直径が20cmほど、そして高さは50cmから55cmほどにもなる。小さい数字でみた収容容積は20リットルである。そして上部に置かれた蓋の中心点が台座の中心点からはずれているので、重いガラス製の蓋などを置くととても危険であるという欠点を持つ。
従来例12は特開2004−267717である。4点支持の例である。発明の名称は『鍋の蓋を置ける容器』となっていて、特開2004−267717の図では容器部分にお玉が入っている様子が描かれている。お玉の代わりに固形燃料を入れて火をつけ、蓋の代わりに鍋を置いた図を想像するとよく分かるのであるが、これは居酒屋などで昔からよく見かける陶器製やアルミ製の固形燃料コンロそのものの形状ではないのか、と思う。脚部の長さが少し長く描かれているようではあるが、図にて示されたような断面形状とほとんど同じような断面形状を持った固形燃料コンロが従来より広く売られている。鍋を置くための公知である固形燃料コンロに『蓋が置けます』と主張しているような雰囲気がある。他の従来例との比較のため、大きさを推測しておく。少し広がったU字形のようにくり抜かれた空間の中央部付近を手指が通過することになるので、そのあたりの幅を10cmほどとすると、底面部は1辺が10cmほどの正方形、4本の支柱部先端の外側寸法は1辺が16cmほどの正方形、高さは17cmほどである。このような物体を箱に入れて運搬しようとすると、箱の内側寸法は幅16cm、奥行き16cm、高さ17cmほどが必要であり、収容容積は4.352リットルである。イメージ的には2リットルペットボトル2本分ほどになる。運搬や保管にそのような大きな容積が必要となるものを、コンパクトである、という人はいない。
コンパクト、という言葉に具体的な大きさの定義のようなものはないが、一般的にはおよそ手のひらに乗る程度のものを示す言葉ではないだろうか。コンパクトカメラなどがそのようなイメージである。
従来例のコンパクト度合いを比べてみるために、従来例に示されたものを運搬用の段ボール箱に入れるとしたら、段ボール箱の内側寸法はどれくらいになり、その内側部分の容積はどれくらいになるのであろうかを算出し考察してみる。各従来例について、その都度推定寸法を書いてきたので、それをもとに計算する。なお『8cmから10cm』のように幅を持って記述したものについては、小さいほうの数値を用いて計算する。
従来例1や従来例5は蓋を水平に置くタイプではないので計算しない。従来例2は壁取り付けタイプであるので計算しない。比較するのは、蓋を水平に置くタイプで、持ち運びができるタイプである。本件出願人が調査した範囲では以下に示す9件がそのようなものである。
従来例3は幅45cm奥行き15cm高さ22cm、容積14.85リットルの箱に入る。
従来例4は幅20cm奥行き13cm高さ20cm、容積5.2リットルの箱に入る。
従来例6は幅16cm奥行き13cm高さ30cm、容積6.24リットルの箱に入る。
従来例7は幅15cm奥行き15cm高さ50cm、容積11.25リットルの箱に入る。
従来例8は幅30cm奥行き26cm高さ30cm、容積23.4リットルの箱に入る。
従来例9は幅15cm奥行き13cm高さ13cm、容積2.535リットルの箱に入る。
従来例10は幅20cm奥行き20cm高さ13cm、容積5.2リットルの箱に入る。
従来例11は幅20cm奥行き20cm高さ50cm、容積20リットルの箱に入る。
従来例12は幅16cm奥行き16cm高さ17cm、容積4.352リットルの箱に入る。
最も小さなものでも2リットル以上あり、大きなものでは20リットル以上もある。2リットルのペットボトルと同じような収納容積が必要なものを手のひらに乗せたとき、普通の人はそれをコンパクトなものであるとは言わない。本件出願人は、従来例の中で最も小さな数値2.535リットルの半分以下の数値を目指して、特願2015−215447を出願した。特願2015−215447において出願人は、実施例1で幅12.3cm、奥行き8cm、高さ10cm、収容容積0.984リットルとなる実施例を示し、従来例の中で最も小さな数値2.535リットルの半分以下を達成する蓋水平置き用の蓋置き器具を示した。そしてさらに、実施例5では幅12.3cm、奥行き6.4cm、高さ10cm、収容容積0.8448リットルとなる実施例を示し、従来例の中で最も小さな数値2.535リットルのおよそ3分の1を達成する蓋水平置き用の蓋置き器具も示した。ここまで小さくすれば全ての従来例に比べて十分にコンパクトであるといえる。
しかし本件出願人は、特願2015−215447に基づく試作品をいくつも作って試用しているうちに、もっと小さく、もっと保管や運搬にかかる費用を削減できないか、という強い気持ちを抱くようになった。特願2015−215447にて示した実施例は、どれも従来例に比べて小型でとてもしっかりと蓋を支持してくれており、土鍋の蓋や片手圧力鍋の蓋、和式の木製蓋などの特殊な蓋をも支持してくれるので優れているのであるが、大きなイメージで見ると、開いた花、のようである。特願2015−215447は上から手を通すためにおよそ10cmの開いた空間を必要としている。そして開いた空間の両脇に配置されたふたつの円弧状部材の描画直径は12cmから13cmほどあって、その空間とふたつの円弧状部材が、開いた花、のような全体イメージを与えており、さらなる小型化を阻んでいる。
本発明出願人は、特願2015−215447にて示した実施例よりもさらに小さく、そしてかわいい印象を与える蓋水平置き用の蓋置き器具を提供する。
特開2007−190341号公報 特開平9−266863号公報 特開平10−211111号公報 特開2002−51922号公報 特開2011−161183号公報 特開2005−296558号公報 特開平9−238855号公報 特開2002−336142号公報 公開実用昭60−24252号公報 特開2004−267717号公報 特願2015−215447
解決しようとする問題点は、加熱調理中の熱い鍋の蓋をひっくり返して持ち、蓋の裏側を上に向けつまみを下に向けて水平な状態を保ったままどこかに置こうとしたときに、とても小さくてかわいい蓋水平置き用の蓋置き器具がなかった点である。
平面方向から見て、蓋のつまみの周囲近傍のみをとらえるように、小さなC字状受け部を配置する。球面の一部のような曲面を採用した蓋を置いた場合でも、C字状受け部に曲面が落ち込むような状態でとらえることができ蓋は安定する。そしてC字状受け部を有する支持部材と、支持部材を支える脚部材とを1枚の板材で一体的に形成する。あるいはC字状受け部を有する支持部材と、支持部材を支える脚部材とを1本の金属丸棒材で一体的に形成する。脚部材の首幅はC字状受け部の開口部の幅よりも小さくする。左側面図において、脚部材の上方部には左奥に向かってふくらむようなふくらみを持たせる。脚部材上方部のふくらみが、つまみを持った手の指先が動ける空間を確保する。脚部材の首部からいったん奥に向かってふくらんでから戻ってきた脚部材の下方部を台座部材に固着する。このような構成による蓋水平置き用の蓋置き器具は、従来の蓋置き器具よりも小型となり、球面の一部のような曲面を採用した蓋を置いても安定し、女性市場で重要な要素となるかわいさを具現化できる。本発明は、従来例のような公知技術などでは得ることができなかった、とても小さくてかわいい蓋水平置き用の蓋置き器具を得られるように創作されたものであり、デザイン的にも好ましい方法で、簡単な構成で高価にならないようにしたことを主な特徴とする。
本発明の蓋置き器具は、従来例のような公知の蓋水平置き用の蓋置き器具に比べ、とても小さな設置面積で使用することができ、収容容積もとても小さくなる。そしてさらに、従来例にはなかった丸くて小さくてかわいいイメージの蓋置き器具を提供することができる。キッチンで調理中でも、手のひらほどのスペースさえあればどこにでも置けるので、コンロの横やまな板の上などに色々なものが散らばって置いてあったりしても、片手でサッとそれらを少しよけるだけで簡単に置くことができる。そしてイメージ的に丸くてかわいいので卓上に放置しておいてもほとんど気にならない。鉄板焼き器用の大きくて四角い平面状の蓋でも水平に支持することができ、球面の一部のような曲面を採用した蓋もぐらつくことなく安定して水平に支持することができる。またケトルの蓋やつまみの付いたガラスビンの蓋、急須の蓋などのとても小さな蓋を乗せることもできる。本発明によれば、丸くて小さくてかわいいという女性市場において重要な要素を持った蓋水平置き用の蓋置き器具を提供できるので、経済的な効果が高い。そして従来例のどの蓋水平置き用の蓋置き器具よりも小さな収容容積を得ることができるので、保管や運搬に必要な経費が削減できる。
図1は実施例1の正面図である。(実施例1) 図2は実施例1の平面図である。(実施例1) 図3は実施例1の左側面図である。(実施例1) 図4は実施例1の背面図である。(実施例1) 図5は実施例1の底面図である。(実施例1) 図6は実施例1の斜視図である。(実施例1) 図7は実施例1の説明図1である。(実施例1) 図8は実施例1の説明図2である。(実施例1) 図9は実施例1の説明図3である。(実施例1) 図10は実施例1の説明図4である。(実施例1) 図11は実施例1の説明図5である。(実施例1) 図12は実施例2の斜視図である。(実施例2) 図13は実施例2の正面図である。(実施例2) 図14は実施例2の平面図である。(実施例2) 図15は実施例2の左側面図である。(実施例2) 図16は実施例2の背面図である。(実施例2) 図17は実施例2の底面図である。(実施例2)
本発明の実施例の説明には、本発明用の用語などが出てくるので、各部の名称や呼び方などの用語を示す。
図1は、実施例1の正面図である。図1の正面図においては、製品の上方に配置された支持部材1の幅W1、支持部材1の開口部の幅w1、卓上面から支持部材上部までの高さH1、脚部材2、台座部材3の直径T1、台座部材3の高さh1、などの用語を使う。支持部材とは、蓋の面に接触して直接的に蓋を支持する部材をいう。脚部材とは、上部で支持部材に結合し、下部で台座部材に結合する部材をいう。脚部材の上部は支持部材と一体的に形成されている。水平である部分を支持部材と呼び、曲がり始めたところからを脚部材と呼ぶ。脚部材の下部は別に作られた台座部材に差し込まれて接着される、あるいは溶接されて固着されるなどして結合される。
図2は、実施例1の平面図である。図2の平面図においては、蓋置き器具全体の奥行きD1、C字状受け部4などの用語を使う。
図3は、実施例1の左側面図である。図3の左側面図においては、脚部材の首部曲げアールR1A、脚部材の胴部曲げアールR2A、脚部材の下部曲げアールR3A、などの用語を使う。
図4は、実施例1の背面図である。図4の背面図においては、脚部の首幅S1、の用語を使う。
図5は、実施例1の底面図である。特別な用語はない。
作図にあたってのおよその設定は、支持部材1の幅W1を6cm、支持部材1の開口部の幅w1を3.6cm、卓上面から支持部材上部までの高さH1を10cm、台座部材3の直径T1を6cm、台座部材3の高さh1を1.2cm、蓋置き器具全体の奥行きD1を8cm、C字状受け部4の描画半径を2cm、脚部の首幅S1を2cm、脚部材の首部曲げアールR1Aを1cm、脚部材の胴部曲げアールR2Aを10cm、脚部材の下部曲げアールR3Aを1cmとした。使用する板材の厚さはおよそ2.5mmである。数値を比較するため、特願2015−215447にて示した最も小さな実施例にて使用した基本数値である高さ10cmと、台座部材の直径6cmは変えていない。
実施例1の製品を箱に入れるとしたときの箱の内寸は、幅6cm、奥行き8cm、高さ10cmとなる。そしてその容積は0.48リットルであり、従来例の中で最も小さな数値2.535リットルの5分の1以下を達成している。このような画期的な数値は特願2015−215447にて示した最も小さな実施例でも達成できていない。また蓋水平置き用の蓋置き器具として従来例に比べて半分以下の収容容積を得ることができた特願2015−215447であるが、幅10cmの開いた空間を持たせており、その空間をまたぐように円弧状の支持部材を配置しているので、直径が12cm以下の小さな蓋を置くことはできない。かなり小型の鍋でも普通は直径14cmほどあるので特願2015−215447にて示した実施例で通常は問題ないが、やかんの蓋や洋風ケトルの蓋、急須の蓋、つまみの付いた食料品保管用のガラスビンの蓋などは直径12cmよりも小さいことが多く、10cmよりも小さいものもある。そのようなとても小型の蓋には、特願2015−215447にて示した実施例は対応できない。本発明実施例1によれば、直径10cmよりも小さい蓋にも対応できる。
本発明の実施例1は、一般的なつまみを持った蓋であれば、大型の蓋も小型の蓋もすべて置くことができる。そして本発明の実施例1は従来の蓋水平置き用の蓋置き器具に比べても小型であり、かわいい。従来の蓋水平置き用の蓋置き器具においては、かわいい、という女性市場の重要な要素を考慮したものはなかった。
本発明の実施例1はつまみの周囲近傍を支持しているので、直径30cmもあるような大きくて重いガラス製の蓋を置いた場合でも、蓋の重心位置をはずすことなくしっかりととらえてくれる。そしてC字状受け部が、球面の一部を採用したようなガラス製の蓋を下方に向かって吸い込むようにホールドしてくれるので振動などで手前側に落ちてしまうこともなく、小さすぎるのではと思えるくらいに小さいのであるが、見た目以上に安定している。またアルミニウム製などの不透明な蓋を置いたときには、使用者からみて後方に回り込むように位置する脚部は、隠れてほとんど見えない状態となる。まるで蓋が空中に浮いているような感じとなり心地よい効果がある。誤って少し触れてしまったという場合でも、重心位置をしっかりととらえているので簡単に倒れることはない。ただし、絶対に倒れないというものではない。
図6は、実施例1の斜視図である。図6の斜視図で分かるように、実施例1はクルッと丸まった感じでかわいいイメージとなっている。かわいい、という感覚的なものが本発明による構成により容易に実現できる。かわいい、は女性市場において非常に重要な要素であって、この発明によれば時間が短縮できるとか、この発明によればコストが削減できるとか、この発明によれば危険が取り除かれるとか、そのような機能的な要素と同じような産業的な価値を持つものである。
商品は、売れなければビジネスとして成立しない。これを使えば安全になる、これを使えばもっと楽になる、これを使えば時間が短縮できる、そのような効果を期待して消費者は商品を購入してくれる。そしてビジネスが成立する。かわいい、が実現できるかどうかが女性を相手としたビジネスの成立を左右するといっても過言ではない。そして、かわいい、を実現できた蓋水平置き用の蓋置き器具は従来なかった。女性がかわいい、という対象は、ちょこんと丸く座っている子猫のような、子犬のような、ハムスターのような、丸くて小さくて手のひらに乗るような、とがったところがなくて、自分に危害を加えてこないと安心できるようなものである。そのようなものを女性はかわいいと感じ、好み、欲している。従来の考え方のように機能だけを優先させていたのではそのような女性の要望に応えることはできない。特願2015−215447において出願人はできる限りの小型化と蓋の安定化を図ったが、特殊な蓋にも対応できるようにと機能を優先していたので開いた10cmの空間を閉じることができず、かわいい、を実現することができなかった。本発明による構成により、いっそうの小型化を図ることができ、女性市場において重要な要素である、かわいい、を容易に実現できるようになる。
本発明の実施例1において、支持部材と脚部材を構成する板材の材質は一般的に鉄、真ちゅう、ステンレスなどである。試作には2mm厚の真ちゅう板を用いた。図では厚さを2.5mmとして描いているが、真ちゅう板や鉄板を用いるのであれば厚さは2mmほどで十分であり、ステンレス板を用いるのであれば厚さは1.5mmほどでも十分である。エンジニアリングプラスチックと呼ばれるような高強度のプラスチック材で成型するときには厚さ3.5mmほどが必要となる。
台座部材は、平面図や底面図において円形に描かれているが、特に円形である必要はない。円形は、かわいいの基本であるので例として採用している。試作品の台座部材は木材で作り、脚部下方を差し込む溝を形成して、差し込んで接着する、という固着方法をとった。そして台座部材の底部前方寄りに凹部を設け、ステンレスの円形板をおもりとして埋め込んだ。実施例1は、蓋のつまみを持った手を、前方から後方に向けて動かして、蓋を支持部材に置いた後に、つまみから手をはなし、手を下方手前に抜き取るようにして使用するものなので、おもりは前方寄りに配置したほうが効果的である。おもりを埋め込んだ台座部材を用いた試作品は、まるで起き上がりこぼしのようになり、ちょっと押したくらいでは倒れなくなり、試用していて安心感が持てた。
木製の台座部材は自然の風合いがあって好ましいのであるが、量産性は低い。量産性を重視した場合には、脚部材の受け入れ用凹部を持ったプラスチック製の上皿と下皿のはめ合わせ構造とするのが一般的である。深く差し込まれる脚部材下方の水平部に抜け止めの穴を設け、プラスチック製の上皿や下皿に抜け止めのボスを形成してはめこみ、プラスチック製の上皿と下皿の間に形成される空間におもりを入れて固定し、ねじ止めや接着、超音波溶着などの方法で固着する。台座部材はアルミニウムダイカスト成型、亜鉛ダイカスト成型などによる成型品をメッキしたり塗装したりして作ってもよい。
図2の平面図を見ると、支持部材の外形が、台座部材の外形と一致しているように描かれているが、そのような外形状の一致は条件ではない。製品のデザインバランスにより支持部材の外形を台座部材の外形よりも小さくすることもできるし大きくすることもできる。後述する実施例2では支持部材の外形を台座部材の外形よりも大きめにデザインしている。C字状受け部の中心と台座部材の重心位置を一致させて描いているが、製品のデザインバランスによりC字状受け部の中心を少し後方にずらすなどしてもよい。
図3の左側面図においては、脚部材の首部曲げアールR1Aと脚部材の下部曲げアールR3Aを同じ大きさで描いているが、異なっていてもよい。脚部材の首部曲げアールR1Aを大きくするとデザイン的な重心を上方へと移動させることができ、全体的に動的なイメージを与えることができる。脚部材の下部曲げアールR3Aを大きくするとデザイン的な重心は下方へと移動するので、腰を落としたような静的なイメージを与えることができる。
図4の背面図においては、脚部の上半分くらいを直線状にデザインし、下半分くらいをゆるやかに広げたデザインとしているが、脚部の中央あたりを少しへこませてくびれを作るように曲線ですべてをデザインしてもよい。また上から下までを2本の平行な直線としても構わないが、製品として全体的にみると脚の下部が少し貧弱に見えてしまうので平行はあまり好ましい方法とはいえない。
図7は、実施例1の説明図1である。図7は、平面図において支持部材の上面部に斜線を施したものである。斜線の他に、全体的な理解を助けるために中心線や角度線、開口部の接線L1などを加えてある。斜線部を施した部分は平面であり、これを支持面と呼ぶ。平面的な蓋は支持面に接する。支持面を構成する線について説明すると、点P1と点P2を円弧で結んだ線がC字状受け部である。C字状受け部の開口角度Q1はおよそ110度から150度が適切である。その範囲であれば、球面の一部のような曲面を採用しているガラス製の蓋などを置いたときに、重力によって下方に引っ張られる蓋の曲面がC字状受け部に吸い込まれるようにはまり込み、置かれた蓋が前方へと落下しないように機能する。C字のあごに引っかかる、というような表現をすると理解しやすいかもしれない。球面の一部のような曲面を採用しているガラス製の蓋を支えるのはC字状受け部のみであり、斜線を施した他の部分は曲面を持った蓋には接しない。図7ではC字の開口角度Q1をおよそ134度で描いていて、十分な引っかかりがある。点P1と点P6を結ぶ線が開口部の右側形状である。同様に点P2と点P3を結ぶ線が開口部の左側形状となる。図7においては開口部の形状を円弧としているが、入り口の案内方向を示すような直線的な線を含んだ複合的な線でもよい。点P3と点P6は、開口部の接線L1上の点である。点P3と点P4を結ぶ線が支持部材の左外側形状である。同様に点P5と点P6を結ぶ線が支持部材の右外側形状である。図7においては支持部材の外側形状のほとんどを、内側のC字にそった円弧としているが、外側形状線のあたりが曲面を持った蓋と実際に接することはないので、外側形状線の脚部材側を少しふくらませるとか、外側形状線の開口部側を少し長めに出して細くするとかのデザインを施しても機能上の問題は発生しない。ただし、あまりC字形状からかけはなれた形状にするとその形状だけが突出して浮き上がり、かわいらしさが失われてしまうので、およそC字形状にそったものであることが望ましい。
図7においては蓋置き器具の開口部の幅w1を3.6cmで描いていている。C字の端部である点P1と点P2の距離は3.68cmであって開口部の幅w1よりも少し大きい。市場調査をしたところ市販されている蓋に付いているつまみの首径はほとんどが直径2cmから3cmの範囲にあり、イレギュラーと思えるような形状のつまみであっても首部の実質直径は3.2cmほどであったので、開口部の幅w1を3.6cmとしておけば小さくて且つゆとりがあって使い勝手がよい。つまみの周囲近傍に接して蓋を支えるC字状受け部のC字を構成する円弧の半径は4.5cmより小さいのが望ましい。つまみの周囲近傍とはつまみの首部の外側3cmくらいまでの範囲をいう。つまみの首部直径の最大値を3cmほどとすれば、C字受け部を構成する円弧の半径は4.5cmくらいまでが望ましいということになる。開口部の幅w1は6cmより小さいことが望ましい。C字受け部を構成する円弧や開口部の幅がそれらの範囲を超えると、小さくてかわいい、という大切な要素が失われてくることになる。点P4と点P5の距離が脚部の首幅S1である。脚部の首幅S1は開口部の幅w1よりも小さいことを条件とする。この条件をはずすとかわいらしさはほとんど失われてしまう。点P4と点P5を結ぶ直線は、支持部材から脚部材へと面が切り替わる接合部を表わしているが、実際には見えない線である。
図8は、実施例1の説明図2である。図8は、蓋置きとつまみの位置関係を理解しやすいように、平面方向からの参考図と正面方向からの参考図を上下に並べて描いている。球面の一部のような曲面を採用している蓋を、実施例1の蓋置き器具にのせた状態を示している。正面方向から描いた参考図は、実際に見るとこうなる、というような図であるが、平面方向から描いた参考図は、つまみの首部を水平方向に切断した断面図のように描いている。斜線を施した円がつまみの首部を表わす。斜線を施した円は直径2.4cmで描いている。蓋の外形やつまみのふくらんだ部分の外形などは描いていない。図9、図10、図11においても平面方向から描いた参考図については同様の描き方をしている。
図8は、つまみの中心とC字の中心とを一致させて蓋を置いた状態を示す。蓋は水平に支持されており、球面の一部のような曲面を採用している蓋はC字状受け部に吸い込まれるように支持されていて安定している。つまみのC字状受け部とつまみの首部にはゆとりがある。ゆとりの幅は8mmである。正面方向からの参考図をみるととてもシンプルでスッキリした蓋置き器具であることがわかる。細い脚部が使用者からみて後方に回り込んでいるデザインなので、アルミニウム製の不透明な蓋であった場合には、手前側にいる使用者の通常の目線では脚部は見えず、台座の上あたりに磁力か何かで蓋が浮かんでいるのではないか、というような錯覚を覚える。試作品を使っていていつもそのような心地よさを感じている。
図9は、実施例1の説明図3である。図9は、平面方向からの参考図と左側面方向からの参考図を上下に並べて描いている。そして左側面方向からの参考図には、つまみを持った使用者の手を点線で描いている。本発明による製品のコンパクトさがよくわかる図である。指が脚部に触れそうなのでデザイン的にもう少しゆとりがほしいなどと感じるようならば、あとで示す実施例2図15のような少し大きめのふくらみを持った側面形状にすればよい。空間にゆとりが出て全体のイメージも丸くかわいくなる。その他、脚部材の首部曲げRの曲がり開始位置を少し後方に下げ、脚部材の上方部の側面形状を直線的にして空間を確保するなどしてもよい。下方部も同様である。図9で示すような状態でつまみを持った指の先端は、使用者から見て、C字状受け部の中心点から奥方向へおよそ4cm、下方向へおよそ1cmのあたりまでくるので、脚部材の上方部は少なくともそのような位置には存在しないように奥側へとふくらませる必要がある。小型化をひとつの目標とするのであればふくらみは小さいほど良いので、図9にて示したようなぎりぎりのデザインとなる。実際に試作してみると、実施例1のようなデザインは確かに指先が脚部に触れることはあるが、単に触れるだけなので不快感はない。図9では、図の右側が使用者からみて手前となり、図の左側が使用者からみて奥となる。平面方向からの参考図を見るとつまみが片寄ってC字状受け部の奥に接している。使用者はつまみを持った手を蓋置き器具に向かって進め、つまみをC字状受け部の奥にコツンと当てたあたりで手をはなすことが多い。そのような状況を表わしている。球面の一部のような曲面を採用している蓋はC字状受け部に吸い込まれるように支持されるので、重心が8mm移動した分だけ蓋の上面は使用者側に1度ほど傾いている。
図10は、実施例1の説明図4である。図10は、平面方向からの参考図と正面方向からの参考図を上下に並べて描いている。つまみが左方向にずれている様子が描かれている。初めからこのように蓋を置くことはあまりないが、図8のように蓋を置いた後に、矢印5で示すような方向の力が加わると、蓋は滑るように左方向に動く。不注意で手が右側から蓋に当たってしまった場合などには、図10のようにずれた状態になる。蓋に加えられた不注意な力は、蓋をずらすようには働くが、C字状受け部とつまみ首部の間にあるゆとりの範囲である内は、実施例1の蓋置き器具には直接的には働かないので、蓋置き器具が左側に向かっていきなり倒れるようなことはない。ゆとりの範囲を超えるような力が加えられると蓋置き器具は傾き始める。図10にて示した状態からさらに矢印5の方向に力が加えられると、10度くらい傾いたあたりで転倒が始まる。試作品で何度も倒す実験をしたが、それこそ倒すつもりでつついたり押したりすれば倒れるが、ちょっと触ったくらいでは倒れるようなことはなかった。ちょっと、というのがどのようなスピードと力であるのかを数値で表わすことはできないが、蓋を置いたり箸を置いたり小皿をとったり、というような台所などでの行動に伴うスピードと力の範囲では何かに触れたらたいていの場合は触れた瞬間に手が止まる。そのような範囲において、ちょっと触ったくらいでは倒れるようなことはなかった。乗っているものの大きさと、支えているものの小ささからくるアンバランス感を超えて実施例1は存外に安定している。
図11は、実施例1の説明図5である。図11は、平面方向からの参考図と左側面方向からの参考図を上下に並べて描いている。手は描いていない。つまみが使用者のいる方向にずれている様子が描かれている。蓋の上面は使用者からみて奥側に1度ほど傾いている。図9の状態から1.8cmほど手前につまみがある。これよりも手前でつまみから手をはなすと蓋はC字状受け部にとらえられることなく落下する。これ以上手前で手をはなさないでください、という限界の状態を表わしている。普通の人の目は十分な立体認識力、空間認識力を持っているので、C字状受け部の中心や台座からの距離などを一瞬で把握することができる。アルミニウム製の蓋などを置こうとしたときに、蓋で隠れてC字状受け部が見えなくなっても、人は自分の手を目的の位置までかなり正確に運ぶことができるので、蓋の中心とC字状受け部の中心をほぼ正確に合致させることができ、図11にて示した位置よりも手前で手をはなすようなことはほとんどない。少し慣れるだけで普通の人は図8にて示すような安定した状態で蓋を置けるようになる。
図12は、実施例2の斜視図である。図6の実施例1の斜視図と比べると、1枚の板材で形成していた形状を、1本の金属製丸棒材で形成したようなものであることがよくわかる。比較の基本となる、台座部材の大きさや卓上面から支持部材上部までの高さ、開口部の幅といった数値は変えていないが、その他はデザイン的に少し変更した。
図13は、実施例2の正面図である。作図にあたってのおよその設定は、支持部材の幅W2を7cm、卓上面から支持部材上部までの高さH2を10cm、台座部材の直径T2を6cm、台座部材の高さh1を1.2cmで描いている。実施例1に比べて、支持部材の幅を1cm大きくしている。開口部の幅w2の3.6cmは変更していない。
図14は、実施例2の平面図である。蓋置き器具全体の奥行きD2は9cmである。C字の開口角度をおよそ112度で描いている。それに従いC字状受け部の半径が3mmほど大きくなっている。図2にて示した実施例1の平面図と比べて、C字状受け部のふところが大きくなっていることが分かる。ふところが大きくなっているとは、同じ開口部の幅でありながらC字の半径が大きくなることをいう。C字状受け部のふところが大きくなると、球面の一部を採用したような蓋を置いたときなどに沈み込みの度合いが大きくなり安定度が増す。
図15は、実施例2の左側面図である。作図にあたってのおよその設定は、脚部材の首部曲げアールR1Bを10.5mm、脚部材の胴部曲げアールR2Bを71.7mm、脚部材の下部曲げアールR3Bを18.5mmとした。細かいデザイン調整をしたが、図3と比べてやわらかいイメージになっている。実施例2は、実施例1に比べて支持部材の幅を1cm大きくして、蓋置き器具全体の奥行きも1cm大きくしている。しかしそれでもなお従来例の最小収容容積に比べて4分の1以下の収容容積であり、特願2015−215447にて示した最小の実施例よりも25%減の収容容積を達成している。そして、丸くて小さくてかわいい、という女性の好む蓋置き器具を提供している。
図16は、実施例2の背面図である。作図にあたってのおよその設定は、脚部の首幅S2を1.9cm、2本の脚を少し広げたハの字の開き角度を5度としている。
図17は、実施例2の底面図である。台座部材よりも支持部材のほうが少し大きいことが分かる。
台座部材や支持部材をこんなに小さくしてしまったら、大きな重い蓋をのせたときなどに倒れてしまうのではないか、という不安を抱くかもしれないが、常識的な取り扱いで実施例1や実施例2で示したような本発明による蓋置き器具に蓋をのせた場合には、蓋の重心はC字状受け部によって狭い範囲でしっかりととらえられているので、蓋の重心が台座部材の接地底部の形状からはずれることはなく、蓋を安定して置くことができる。本発明出願人は、実施例1と実施例2にて示したようなものを実際に2点試作して、現在も試用しているが、普通の注意力を持って扱っているので、倒したことはない。
本発明の蓋置き器具は標準的な形状のつまみを持った蓋であれば、小さなケトルの蓋や一般的な鍋の蓋、さらには鉄板焼き用の大きな四角型の蓋まで対応でき、曲面を持ったようなガラス製の重い蓋でもC字状受け部が蓋を吸い込むように支持してくれるので安定する。蓋のつまみ近傍を狙うようにとらえて支持するので、ガラス製の重い蓋などをのせても重心位置が台座部材の接地底部の形状からはずれることがない。台座部材の大きさは直径6cmほどもあれば十分に安定して蓋を支えることができる。実施例1と実施例2で示した台座部材は、平面図における外径を直径6cmで描いているが、周囲を丸く面取りしているので、卓上面に実際に接しているのは直径5cmの範囲である。それでも試作品は十分に安定して蓋を支えている。本発明によれば、蓋水平置き用の蓋置き器具としてはこれ以上の小型化はできないというレベルのコンパクトな商品ができ、デザイン的にも丸く小さく閉じたような雰囲気を与えることができるので、小さくて丸くてかわいいものを好む女性市場における産業上の価値が高い。また構成が簡単なので安価に量産でき、とても小型なので輸送や保管のコストも削減でき、産業上の価値が高い。
支持部材1、脚部材2、台座部材3、C字状受け部4、矢印5

Claims (1)

  1. 蓋のつまみを下に向けておよそ水平な状態を保ったまま蓋を支持する目的の蓋置き器具であって、平面方向から見て支持部材の内側につまみの周囲近傍に接して蓋を支えるC字状受け部を有していていることを第1の条件とし、脚部材の首幅が支持部材の開口部幅よりも小さいことを第2の条件とし、支持部材を支える脚部材が使用者から見て奥側にのみ存在する片支持方法を採用したことを第3の条件とし、支持部材と脚部材を1枚の板材あるいは1本の金属丸棒材で一体的に形成したことを第4の条件とし、脚部材の上方部には使用者から見て奥側に向かってふくらむようなふくらみを持たせたことを第5の条件とし、いったん奥に向かってふくらんでから戻ってきた脚部材の下方部を脚部材とは別体である台座部材に固着したことを第6の条件としたことを特徴とする蓋置き器具。
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