JP2017164405A - 血圧情報推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定可能箇所が顔面の片側のみなどに制限される場合であっても、精度よく血圧情報を推定する。【解決手段】血圧情報推定装置は、生体の血管の拡縮に伴い変位する生体表面の測定領域を特定する測定領域特定部32と、測定領域内の測定点までの距離情報を非接触で取得するセンサユニット10と、センサユニット10によって取得された距離情報に基づいて測定点までの距離の時間経過に伴う変化量を算出する距離変化量算出部33と、距離変化量算出部33によって算出された距離の変化量に基づいて生体の血圧情報を推定する血圧情報推定部35とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、生体の血圧情報を非接触で推定する血圧情報推定装置に関する。
従来より、生体の複数の測定部位における脈波情報を光学的に取得し、脈波情報の時間差に基づいて測定部位間の脈波伝搬時間を算出し、脈波伝搬時間に基づいて生体の血圧情報を推定するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、生体の複数の測定部位における脈波情報を光学的に取得することで、生体の血圧情報を非接触で推定する。
特開2015−54223号公報
ところで、例えば生体(人間)が側臥位で寝具に覆われた状態で就寝中の場合には、顔面の片側のみが露出する。従って、特許文献1記載の装置のように、複数の測定部位における脈波情報を取得し、これを用いて生体の血圧情報を推定する手法では、測定可能箇所が顔面の片側のみである場合に複数の測定部位間の距離が近くなる。このため、脈波情報の時間差が十分とはならず、精度よく血圧情報を推定することが困難である。
本発明の一態様である血圧情報推定装置は、生体の血管の拡縮に伴い変位する生体表面の測定領域を特定する測定領域特定部と、測定領域内の測定点までの距離情報を非接触で取得するセンサ部と、距離情報に基づいて測定点までの距離の時間経過に伴う変化量を算出する距離変化量算出部と、距離の変化量に基づいて生体の血圧情報を推定する血圧情報推定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、生体の血管の拡縮に伴い変位する生体表面の測定領域内の測定点までの距離情報を非接触で取得し、距離情報に基づいて測定点までの距離の時間経過に伴う変化量を算出し、それに基づいて生体の血圧情報を推定するので、測定可能箇所が顔面の片側のみなどに制限される場合であっても、精度よく血圧情報を推定することができる。
本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置の全体構成を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置の適用例を示す概略図。 本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置の断面図。 本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置を構成する制御部の構成を示すブロック図。 図4のセンサ制御部が特定する生体の顔面の血管走行の一例を示す図。 生体の血管が拡縮するときの変化を説明するための図。 図4の測定領域特定部が特定する測定領域の一例を示す図。 図4の距離変化量算出部が算出する測定領域の膨隆体積の、短時間の一例を示す図。 図4の距離変化量算出部が算出する測定領域の膨隆体積の、長時間の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置で実行される処理の一例を示すフローチャート。
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る血圧情報推定装置100の全体構成を示す斜視図、図2は、血圧情報推定装置100の適用例を示す概略図である。血圧情報推定装置100は、生体(人間)、特に就寝中の生体の血圧情報を推定するために用いられる。
先に、図2を参照して、血圧情報推定装置100の適用例を説明する。図2に示すように、血圧情報推定装置100は測定対象(生体)200の顔面に向けて設置される。血圧情報推定装置100は、測定対象200までの距離dを測定し、それに基づいて測定対象200の血圧情報を推定する。
図1に示すように、血圧情報推定装置100は、略電球形状の筐体1を備える。筐体1は、一端部において、ねじ部2aが形成された導電性の口金部2を有する。ねじ部2aは、例えば壁面101に取り付けられたスタンド102の先端部のソケット103に螺合され、口金部2を介して血圧情報推定装置100に電力が供給される。スタンド102は屈曲自在な可動部104を有し、可動部104を介して血圧情報推定装置100の向きを調整することができる。スタンド102は、壁面取り付け式以外にも、天井取付け式や自立式、クランプ式などでもよく、ベッドサイドに設置しやすい形状が適する。筐体1の他端部には、透光性を有する樹脂材により構成されるカバー3が取り付けられる。
図3は、血圧情報推定装置100の断面図である。図3に示すように、筐体1内には、センサユニット10と、照明ユニット20と、制御部30とが配置され、口金部2および図示しないケーブルなどを介してこれらに外部から電力が供給される。
センサユニット10は、測定対象200(図2)に向けて赤外線を照射し、その反射光を受光することで測定対象200までの距離を検出する赤外線距離センサであり、赤外線LED(発光ダイオード)11と赤外線カメラ12とを有する。赤外線LED11は、生体を透過しやすい近赤外線帯域(生体の窓)の赤外線、例えば、波長850nm付近の赤外線を照射する。赤外線カメラ12は、近赤外線帯域の赤外線が透過するレンズ部を有する。
赤外線カメラ12は、レンズ部にズームレンズを含んで構成され、例えば5〜10倍の光学的なズーミングを行うことができる。赤外線カメラ12の画素数は、例えば1200万画素(3,000×4,000ピクセル)とする。ズーミングにより、就寝中の測定対象200の顔面付近、具体的には測定対象200の顔面を中心に一般的な枕より十分広い600×800mmを撮影領域とする場合は、1mm四方に5×5個の測定点を取ることができる。これは、後述する血管の拡張に伴う皮膚表面の膨隆体積を算出するのに十分な個数である。赤外線カメラ12の画素数は、必要な精度や制御部30の処理能力などを考慮して、1200万画素より多く、あるいは少なくしてもよい。
照明ユニット20としては、例えば、筐体1の周方向に等間隔に配置された高輝度白色LEDを用いることができる。照明ユニット20は、血圧情報推定には直接関係しないが、血圧情報に基づいて起床しやすいタイミングで点灯、調光を行うことで、快適な起床を支援することができる。血圧情報推定装置100は、必ずしも照明ユニット20を備える必要はなく、装置形状も略電球形状に限定されるものではない。
図4は、制御部30の構成を示すブロック図である。制御部30は、センサ制御部31と、測定領域特定部32と、距離変化量算出部33と、通信制御部34と、血圧情報推定部35とを有する。制御部30には、センサユニット10と、通信モジュール40とが接続される。通信モジュール40は送受信アンテナを含み、筐体1内に配置される。通信モジュール40は、口金部2を介して供給される電力により動作し、制御部30と外部機器との無線通信を可能にする。制御部30は、CPU,ROM,RAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されるコンピュータにより構成される。
センサ制御部31は、センサユニット10の動作を制御する。すなわち、赤外線LED11をオンして赤外線の照射を開始させるとともに、赤外線カメラ12をオンして一定の周期で赤外線の反射光を受光させる。赤外線カメラ12の受光周期は、例えば30〜60フレーム/秒程度が好ましいが、制御部30の処理能力などを考慮して、より長く、あるいは短くしてもよい。センサ制御部31は、センサユニット10の動作を制御して赤外線カメラ12のズーミングを行う。ズーミングは、測定対象200の顔面や枕などを認識して自動で行うようにしてもよいし、後述する外部機器を介して入力される、ユーザが設定したズーム倍率やズーム範囲などに応じて行うようにしてもよい。
測定領域特定部32は、センサユニット10によって検出された測定対象200までの距離d(図2)に基づいて、測定対象200を特定する。すなわち、センサユニット10によって検出された測定対象200上の各測定点までの距離dに基づいて、測定対象200の骨格(関節)を認識して骨格位置を特定するとともに、測定対象200の顔面における基準面(後述する血管の拡張に伴う皮膚表面の膨隆の基準となる面)を特定する。
また、測定領域特定部32は、センサユニット10によって取得された測定対象200からの反射光に基づいて、測定対象200の体表付近における血管の走行(位置)を認識する。すなわち、センサユニット10によって取得された測定対象200からの反射光に基づいて、血液中のヘモグロビンにより赤外線が吸収された場所を血管として認識し、測定対象200の血管走行を特定する。なお、この手法で実際に認識されるのは、動脈ではなく、体表付近にある静脈となるが、一般に動脈と静脈とは平行しているため、静脈の走行をもって動脈の走行を推定することができる。
図5は、測定領域特定部32が特定する測定対象200の顔面の血管走行の一例を示す図、図6は、測定対象200の血管が拡縮するときの変化を説明するための図である。図5に示す浅側頭動脈は表層部にあり、かつ、直下に頭蓋骨(前頭骨または側頭骨)があるため、図6に示すように、血管が拡縮したときに測定対象200の皮膚表面が変位しやすい。換言すれば、浅側頭動脈付近では、測定対象200までの距離dの変化量(基準面に対する膨隆高さ)Δdが大きくなる。
図7は、測定領域特定部32が特定する測定領域320の一例を示す図である。測定領域特定部32は、測定対象200の骨格位置と血管走行とに基づいて、測定領域320を特定する。測定領域320としては、血管の拡縮に伴う変位を測定しやすい領域が適し、例えば、浅側頭動脈付近の領域が適する。図7では、測定領域320の一例として、眉上の10mm×20mm程度の領域を示したが、測定領域320の位置はこれに限らず、大きさもより大きく、あるいは小さくしてもよく、形状も長方形に限らない。
血管走行パターンは測定対象200によって大きく変わらないため、一般的な血管走行パターンに対する測定領域320の候補を予め設定しておけば、特定された血管走行に基づいて迅速に測定領域320を特定することができる。測定領域320の候補として、図7に示すような左右2か所を設定しておけば、測定対象200が寝返りを打って測定可能箇所(赤外線カメラ12の撮影可能箇所)が変わるような場合であっても、確実に測定を継続することができる。さらに複数の候補を設定しておけば、頭髪などの遮蔽物によって測定可能箇所が変わるような場合であっても、より確実に測定を継続することができる。
なお、本実施形態では、近赤外線帯域の赤外線を使用するセンサユニット10によって測定対象200の血管走行が容易に特定されるため、これに基づいて測定領域320を特定するが、必ずしも血管走行を特定する必要はない。すなわち、測定対象200の血管走行を特定せず、測定対象200までの距離情報のみに基づいて、血管の拡縮に伴う変位が大きい領域を測定領域320として特定してもよい。
距離変化量算出部33は、センサユニット10によって検出された測定対象200までの距離dと、測定領域特定部32によって特定された基準面とに基づいて、測定領域特定部32によって特定された測定領域320内の各測定点までの距離dの変化量(基準面に対する膨隆高さ)Δd(図6)を算出するとともに、それに基づいて測定領域320の膨隆体積ΔVを算出する。
具体的には、測定開始後の血管収縮時(時間=0)の皮膚表面に相当する基準面に対する、測定領域320内の各測定点までの距離dの変化量Δdを算出し、測定領域320内のすべての測定点までの距離dの変化量Δdを積算することで、測定領域320の膨隆体積ΔVを算出する。本実施形態では、測定領域320内の測定点の個数は5,000個、1測定点あたりの面積は0.04平方mmであるから、膨隆体積ΔVは、5,000個の測定点までの距離dの変化量Δdの総和に0.04平方mmを乗じた値となる。
なお、距離dの変化量には、血管の拡縮に伴う変化以外に、測定対象200の動きに伴う変化量が含まれるため、高速フーリエ変換により血管の拡縮に伴う変化量のみを抽出する。例えば、脈拍に相当する周期である1分間に60〜100回程度の周期の変化量のみを抽出して距離dの変化量(膨隆高さ)Δdとし、これを積算して測定領域320内の膨隆体積ΔVを算出する。
図8は、距離変化量算出部33によって算出された測定領域320の膨隆体積ΔVの、短時間の一例を示す図である。図8に示す膨隆体積ΔVのピークは、脈波が通過するときの血管の拡縮に伴うものであり、1分間に60〜100回程度の周期で測定、算出することができる。
図8に示す膨隆体積ΔVのピーク値とベース値との差ΔVSは、脈波が通過するときの血管の拡縮に伴う膨隆量に相当し、血圧情報のうちの脈圧と相関を有する。図8のピーク値は最高血圧に、ベース値は最低血圧に、それぞれ対応する。膨隆体積ΔVおよびピーク値とベース値との差ΔVSの測定、算出は、連続で行ってもよいが、例えば5分おきに1分間など間欠的に行ってもよい。この場合、ピーク値とベース値との差ΔVSの値は、例えば1分間に測定、算出された値の平均値または最大値とすることができる。
図9は、距離変化量算出部33によって算出された測定領域320の膨隆体積ΔVの、長時間の一例を示す図である。図9に示す菱形のプロットは図8の膨隆体積ΔVのピーク値を、四角形のプロットは図8の膨隆体積ΔVのベース値を、それぞれ30分間隔でプロットしたものである。図9に示す膨隆体積ΔVの推移ΔVLは、血圧が変動したときの血管の拡縮に伴うものであり、例えば、測定対象200が就寝している間の7時間などの、長い周期で測定、観測することができる。
図9に示す膨隆体積ΔVの推移ΔVLは、血圧が変動したときの血管の拡縮に伴う膨隆量の推移に相当し、血圧情報のうちの血圧変動と相関を有する。膨隆体積ΔVのピーク値の推移ΔVLHは最高血圧の変動に、膨隆体積ΔVのベース値の推移ΔVLLは最低血圧の変動に、それぞれ対応する。なお、測定領域320の状態は測定対象200によって異なるため、測定対象200によっては、特定の血圧に達するまで測定領域320の変位が測定されない場合もある。このような場合でも、測定領域320の変位の有無によって、測定対象200に高血圧状態が生じたか否かを監視することができる。
図9に示す例では、測定開始1時間後における膨隆体積ΔVのベース値は負の値となる。これは、測定開始直後における血管収縮時の皮膚表面(基準面)よりも、測定開始1時間後の血管収縮時の皮膚表面の方が低い、すなわち、膨隆量が減少したことを意味する。このような測定対象200の最低血圧の変動による膨隆体積ΔVのベース値の変化は、血管収縮時にも膨隆がある状態(常に血管が浮き出ている状態)で測定できる。
通信制御部34は、制御部30と外部機器とが無線通信するように通信モジュール40を制御する。外部機器としては、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンを使用することができる。外部機器と通信することで、血圧情報推定装置100の測定開始、終了、ズーム倍率やズーム範囲などの各種設定および設定変更が容易に可能となる。
血圧情報推定装置100は、外部機器を介して、測定開始時の測定対象200の最高血圧、最低血圧を、基準値として、あらかじめ設定することができる。すなわち、ユーザは、測定対象200の血圧をカフ式血圧計などで実際に測定し、外部機器を介して血圧情報推定装置100に入力する。
血圧情報推定部35は、外部機器を介して入力された基準値と、距離変化量算出部33によって算出された膨隆体積ΔVに基づいて、測定対象200の血圧情報を推定する。すなわち、測定開始時に測定、算出された膨隆体積ΔVのピーク値およびベース値を、基準値として入力された最高血圧および最低血圧で較正するとともに、それ以降に測定、算出された膨隆体積ΔVに基づいて血圧情報(最高血圧、最低血圧、脈圧)を推定する。
図9に示すように、本実施形態の血圧情報推定装置100は、測定領域320の膨隆体積ΔVの推移ΔVLを介して測定対象200の血圧変動を監視することができる。例えば、数日間にわたって測定対象200の就寝中の血圧変動を監視し、その結果に基づき、特に血圧が上昇する時間帯の血圧を実際に測定することができる。さらに、このときの最高血圧および最低血圧も基準値として入力すれば、血圧情報の推定精度を向上させることができる。
血圧情報推定部35は、膨隆体積ΔVに基づいて血圧情報を推定するが、測定対象200によっては、測定領域320内の一点が大きく変位する場合もある。このような場合には、膨隆体積ΔVに代えて、距離dの変化量(基準面に対する膨隆高さ)Δdに基づいて血圧情報を推定するようにしてもよい。
血圧情報推定部35によって推定された血圧情報は、通信モジュール40を介して外部機器に送信され、外部機器のディスプレイに表示され、外部機器のメモリに記憶される。なお、血圧情報の送信先を複数の外部機器とすることもできる。例えば、医療機関のコンピュータや、家族のスマートフォンなどに送信することができる。
図10は、制御部30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、外部機器を介してユーザによる測定開始指令が入力されると開始され、測定終了指令が入力されるまで所定時間毎に繰り返し実行される。ユーザは、外部機器を介して、予め測定時間を設定するとともに測定開始指令のみを入力してもよいし、予め測定開始時刻および測定終了時刻を設定してもよい。
図10フローチャートでは、まず、ステップS1で、センサ制御部31での処理により、センサユニット10の動作を制御して赤外線LED11から赤外線を照射し、その反射光を赤外線カメラ12で受光するとともに、赤外線カメラ12のズーミングを行い、測定を開始する。
次いで、ステップS2で、測定領域特定部32での処理により、測定対象200の骨格位置、基準面、血管走行を特定する。次いで、ステップS3で、測定領域320を特定する。なお、図7に示すように、測定領域320は、測定対象200の顔面の右側に特定することも、左側に特定することもできる。従って、測定対象200の就寝中の体勢に応じて、測定可能な側に測定領域320を特定することができる。
次いで、ステップS4で、距離変化量算出部33での処理により、測定領域320内の各測定点までの距離dの変化量(基準面に対する膨隆高さ)Δdを算出し、ステップS5で、測定領域320の膨隆体積ΔVを算出する。
次いで、ステップS6で、血圧情報推定部35での処理により、測定対象200の血圧情報を推定する。次いで、ステップS7で、通信制御部34での処理により、測定対象200の血圧情報を外部機器に送信する。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)血圧情報推定装置100は、測定対象(生体)200の浅側頭動脈(血管の一例)の拡縮に伴い変位する測定対象200表面の測定領域320を特定する測定領域特定部32と、測定領域特定部32によって特定された測定領域320内の測定点までの距離情報を非接触で取得するセンサユニット10と、センサユニット10によって取得された距離情報に基づいて測定点までの距離dの時間経過に伴う変化量Δdを算出する距離変化量算出部33と、距離変化量算出部33によって算出された距離dの時間経過に伴う変化量Δdに基づいて測定対象200の血圧情報(最高血圧、最低血圧、脈圧)を推定する血圧情報推定部35とを備える(図3,4)。これにより、測定対象200が側臥位で寝具に覆われた状態で就寝中など、測定可能箇所が顔面の片側のみなどに制限される場合であっても、精度よく血圧情報を推定することができる。また、測定機器の接触による違和感を測定対象200に与えることも、測定機器が脱落することもないため、ストレスフリーで確実な測定が可能となる。
(2)センサユニット10は、ズームレンズを含む赤外線カメラ12を有する。このため、ミリ波レーダやレーザレーダなどと異なり、光学的なズーミングを行うことができる。従って、赤外線カメラ12の解像度は特に高いものである必要がない。例えば1200万画素程度の画素数であっても、ズーミングにより血管付近の膨隆箇所を拡大することで、血管の拡張に伴う皮膚表面の膨隆体積を算出するのに十分な個数の測定点(測定データ)を確保することができる。従って、ミリ波レーダやレーザレーダなどと比べて安価なカメラを使用するため、装置全体を低コストで構成することができる。
(3)センサユニット10は、赤外線を照射する赤外線LED11(照射部の一例)をさらに有し、赤外線カメラ12は、赤外線LED11によって照射された赤外線の反射光を受光し、測定領域特定部32は、赤外線カメラ12によって取得された画像信号に基づいて血管走行(血管の位置)を特定するとともに、血管走行に基づいて測定領域320を特定する。このため、測定領域320の特定を簡易かつ正確に行うことが可能で、精度よく血圧情報を推定することができる。また、安価な赤外線光源を使用するため、装置全体を低コストで構成することができる。
(4)測定領域特定部32は、測定対象200の顔面の右側および左側の少なくとも一方に測定領域320を特定するため、測定対象200が寝返りを打って測定可能箇所(赤外線カメラ12の撮影可能箇所)が変わるような場合であっても、確実に血圧情報の推定を継続することができる。
(5)センサユニット10は、測定領域特定部32によって特定された測定領域320内の複数の測定点までの距離情報を非接触で取得し、距離変化量算出部33は、測定領域特定部32によって特定された複数の測定点までの距離dの時間経過に伴う変化量Δdに基づいて、測定領域320の膨隆体積ΔVを算出する。このため、血管の拡縮に伴う測定領域320の変位が微小であっても、積算値である膨隆体積ΔVを介して精度よく血圧情報を推定することができる。
(6)測定領域特定部32は、センサユニット10によって取得された距離情報に基づいて骨格の位置と基準面とをさらに特定し、距離変化量算出部33は、センサユニット10によって取得された距離情報と基準面とに基づいて測定点までの距離dの時間経過に伴う変化量Δdを算出する。すなわち、基準面に対する膨隆量(膨隆高さ、膨隆体積)を算出するため、血管の拡縮に伴う変化以外の、測定対象200の動きに伴う変化量を無視することができる。このため、測定対象200が動く場合にも、精度よく血圧情報を推定することができる。
(7)距離変化量算出部33によって算出された距離dの時間経過に伴う変化量Δdに対する実際に測定した最高血圧、最低血圧(血圧情報の基準値の一例)を設定する外部機器(設定部の一例)をさらに備え、血圧情報推定部35は、距離変化量算出部33によって算出された距離dの時間経過に伴う変化量Δdと、外部機器によって設定された最高血圧、最低血圧とに基づいて測定対象200の血圧情報を推定する。これにより、血圧の相対的な変動を監視するだけでなく、血圧の絶対値を推定することができる。さらに、血圧変動が大きくなる時間帯の血圧を実際に測定し、そのときの血圧値による較正を行えば、血圧情報の推定精度を向上させることもできる。
(8)血圧情報は、測定対象200の脈圧、最高血圧、および最低血圧を含むため、他の測定機器による測定値と比較したり、健康状態のバロメータとして利用したりしやすくなる。
上記実施形態では、設定部としてパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの外部機器を用い、血圧情報推定装置100の測定開始、終了、ズーム倍率やズーム範囲などの各種設定および設定変更、基準値の入力、血圧情報の表示などを行うように構成した。しかしながら、このような構成としたのは、単に血圧情報推定装置100本体の構成をできる限り簡易にするためである。従って、血圧情報推定装置100本体に設定部やディスプレイなどを設けて、外部機器を介さずに各種設定や血圧情報の表示を行うようにしても、何ら問題ない。すなわち、設定部は、外部機器以外(例えば、血圧情報推定装置100本体)に設けてもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。
10 センサユニット、11 赤外線LED、12 赤外線カメラ、30 制御部、31 センサ制御部、32 測定領域特定部、33 距離変化量算出部、34 通信制御部、35 血圧情報推定部、100 血圧情報推定装置、200 測定対象、320 測定領域

Claims (8)

  1. 生体の血管の拡縮に伴い変位する生体表面の測定領域を特定する測定領域特定部と、
    前記測定領域特定部によって特定された前記測定領域内の測定点までの距離情報を非接触で取得するセンサ部と、
    前記センサ部によって取得された前記距離情報に基づいて前記測定点までの距離の時間経過に伴う変化量を算出する距離変化量算出部と、
    前記距離変化量算出部によって算出された前記距離の時間経過に伴う変化量に基づいて生体の血圧情報を推定する血圧情報推定部と、を備えることを特徴とする血圧情報推定装置。
  2. 請求項1に記載の血圧情報推定装置において、
    前記センサ部は、ズームレンズを含むカメラを有することを特徴とする血圧情報推定装置。
  3. 請求項2に記載の血圧情報推定装置において、
    前記センサ部は、赤外線を照射する照射部をさらに有し、
    前記カメラは、前記照射部によって照射された赤外線の反射光を受光し、
    前記測定領域特定部は、前記カメラによって取得された画像信号に基づいて血管の位置を特定するとともに、前記血管の位置に基づいて前記測定領域を特定することを特徴とする血圧情報推定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の血圧情報推定装置において、
    前記測定領域特定部は、生体の顔面の右側および左側の少なくとも一方に前記測定領域を特定することを特徴とする血圧情報推定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の血圧情報推定装置において、
    前記センサ部は、前記測定領域特定部によって特定された前記測定領域内の複数の測定点までの距離情報を非接触で取得し、
    前記距離変化量算出部は、前記測定領域特定部によって特定された前記複数の測定点までの距離の時間経過に伴う変化量に基づいて、前記測定領域の膨隆体積を算出することを特徴とする血圧情報推定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の血圧情報推定装置において、
    前記測定領域特定部は、前記センサ部によって取得された前記距離情報に基づいて骨格の位置と基準面とをさらに特定し、
    前記距離変化量算出部は、前記センサ部によって取得された前記距離情報と前記基準面とに基づいて前記測定点までの距離の時間経過に伴う変化量を算出することを特徴とする血圧情報推定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の血圧情報推定装置において、
    前記距離変化量算出部によって算出された前記距離の時間経過に伴う変化量に対する前記血圧情報の基準値を設定する設定部をさらに備え、
    前記血圧情報推定部は、前記距離変化量算出部によって算出された前記距離の時間経過に伴う変化量と、前記設定部によって設定された前記基準値とに基づいて生体の血圧情報を推定することを特徴とする血圧情報推定装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の血圧情報推定装置において、
    前記血圧情報は、生体の脈圧、最高血圧、および最低血圧を含むことを特徴とする血圧情報推定装置。
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