JP2017165903A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるインクセットを提供する。【解決手段】第1インク及び第2インクの組み合わせを有するインクセットであって。第1インクが、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を含有し、第2インクが、一般式(1)で表される化合物を含有するインクセット【選択図】なし
Description
本発明は、インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法に対しては、これまで以上に高画質で長期保存可能な画像を記録しうることが要求されている。なかでも、カラーインクを用いて記録される画像については、発色性及び耐光性の向上が特に必要とされている。このような要求を満たすべく、発色性及び耐光性が向上した画像を記録しうるインク用の染料が提案されている。例えば、特定構造を有するアントラピリドン系の色材やキサンテン系の色材を用いた、発色性及び耐光性が向上した画像を記録しうるインクジェット用のマゼンタインクが提案されている(特許文献1〜3)。
また、光学濃度や堅牢性に優れた画像を記録することができるブラックインクについては、近年、自己分散顔料を色材として用いることが広く検討されている。例えば、光学濃度が向上した画像を記録すべく、自己分散型のカーボンブラックと特定の塩を含有する水性インクが提案されている(特許文献4)。また、カルシウムとの反応性の指標であるカルシウム指数に基づき、カルシウムとの反応性が高い官能基を結合させた自己分散顔料を含有するインクが提案されている(特許文献5)。
本発明者らは、上記の先行技術文献で提案されたインクを用いて記録した画像の単色部分及び混色部分の発色性、並びに耐光性について検討した。その結果、いずれの特性についても、近年要求されるレベルの性能に至っていないことが判明した。普通紙に記録した2次色画像の暗部の色再現範囲の拡大と、光沢紙に記録した単色画像の発色性及び耐光性との両立は非常に重要である。しかし、これらの特性をいずれも向上させた画像を記録することは技術的に困難である。例えば、特許文献1〜3で提案されたマゼンタインクで記録した画像の発色性及び耐光性は、近年要求される高いレベルを満足するものではなかった。また、これらのマゼンタインクと、特許文献4及び5で提案されたブラックインクとを併用して記録した2次色画像の暗部の色再現範囲は狭いことがわかった。
したがって、本発明の目的は、発色性及び耐光性に優れた画像を記録することができるインクを含むとともに、発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるインクセットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、第1インク及び第2インクの組み合わせを有するインクセットであって、前記第1インクが、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を含有し、前記第2インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクセットが提供される。
(前記一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、それぞれ独立に、アルキル基、スルホン酸基、又はスルファモイル基を表し、R1、R5、R6及びR10は、少なくとも1つがアルキル基であるとともに、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基である。R3及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。R2、R4、R7及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。nは、0乃至3の整数を表す。Zは、それぞれ独立に、スルホン酸基又はスルファモイル基を表す。nが1乃至3の整数である場合、Zは、R1〜R10が結合したベンゼン環以外の芳香環に結合している)
本発明によれば、発色性及び耐光性に優れた画像を記録することができるインクを含むとともに、発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるインクセットを提供することができる。また、本発明によれば、このインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
本発明者らは、マゼンタインクで記録される画像の発色性及び耐光性と、ブラックインクとマゼンタインクを併用して記録される2次色画像の発色性(暗部の色再現範囲)と、が向上するインクセットの構成について検討した。C.I.アシッドレッド289を色材として含有するインクで記録した画像は、耐光性が比較的低い。このため、具体的には、C.I.アシッドレッド289を用いた場合と同等の発色性を有する画像を記録できるとともに、耐光性も向上した画像を記録しうる色材の構造について検討した結果、一般式(1)で表される化合物を見出した。さらに、一般式(1)で表される化合物をマゼンタインク(第2インク)の色材として用いることで、発色性及び耐光性が向上した単色画像を光沢紙に記録できることがわかった。加えて、この第2インクと、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を含有するブラックインク(第1インク)とを併用した。その結果、発色性に優れ、特に暗部の色再現範囲が拡大した2次色画像を普通紙に記録できることも判明した。このような第1インクと第2インクの組み合わせを有する本発明のインクセットを用いることで、2次色画像の発色性が向上する理由を、本発明者らは以下のように推測している。
顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料は、樹脂により分散されている樹脂分散顔料に比して、記録媒体に付与された後の凝集力が高い。このため、第1インクと第2インクを併用して2次色画像を記録すると、第2インクにより記録媒体が染色される領域において自己分散顔料が凝集し、顔料の凝集体が島状に形成されて2次色画像の反射光が抑制される。しかも、その反射光は第2インクの分光特性を損なうことなく維持するため、2次色画像の暗部の色再現範囲が拡大され、発色性が向上すると考えられる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクの組み合わせを有する。また、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インク以外のインクをさらに有してもよい。本発明のインクセットは、インクジェット用のインクセットとして特に好適である。本発明のインクセットの形態としては、(i)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインクカートリッジのセットや、(ii)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインク収容部を組み合わせて一体的に構成されたインクカートリッジなどがある。但し、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクを組み合わせて用いることができるように構成されていれば上記の(i)及び(ii)の形態に限定されるものではない。以下、本発明のインクセットを構成する第1インク(ブラックインク)及び第2インク(マゼンタインク)に含有させる成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクの組み合わせを有する。また、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インク以外のインクをさらに有してもよい。本発明のインクセットは、インクジェット用のインクセットとして特に好適である。本発明のインクセットの形態としては、(i)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインクカートリッジのセットや、(ii)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインク収容部を組み合わせて一体的に構成されたインクカートリッジなどがある。但し、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクを組み合わせて用いることができるように構成されていれば上記の(i)及び(ii)の形態に限定されるものではない。以下、本発明のインクセットを構成する第1インク(ブラックインク)及び第2インク(マゼンタインク)に含有させる成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(第1インクの色材:自己分散顔料)
本発明のインクセットを構成する第1インクは、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を色材として含有する。自己分散顔料を色材として用いることで、第1インク中に色材を分散させるための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。自己分散顔料の顔料種としては、有機顔料及びカーボンブラックなどの無機顔料を挙げることができ、インクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、調色などの目的のために、自己分散顔料に加えてさらに染料などを併用してもよい。第1インクは、顔料としてカーボンブラックを用いたブラックインクであることが好ましい。第1インク中の顔料の含有量(質量%)は、第1インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクセットを構成する第1インクは、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を色材として含有する。自己分散顔料を色材として用いることで、第1インク中に色材を分散させるための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。自己分散顔料の顔料種としては、有機顔料及びカーボンブラックなどの無機顔料を挙げることができ、インクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、調色などの目的のために、自己分散顔料に加えてさらに染料などを併用してもよい。第1インクは、顔料としてカーボンブラックを用いたブラックインクであることが好ましい。第1インク中の顔料の含有量(質量%)は、第1インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して化学的に結合しているイオン性基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などのアニオン性基を挙げることができる。これらのアニオン性基は塩を形成していてもよい。アニオン性基は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。塩を形成するカウンターイオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;無置換のアンモニウム;有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。また、他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基、フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基、アミド基、スルホニル基、アミノ基、イミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、及びこれらの基を組み合わせた基などを挙げることができる。
(第2インクの色材:一般式(1)で表される化合物)
本発明のインクセットを構成する第2インクは、下記一般式(1)で表される化合物を色材(染料)として含有する。第2インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上10.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上5.00質量%以下であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が0.10質量%未満であると、画像の発色性や耐光性が不十分になる場合がある。一方、一般式(1)で表される化合物の含有量が10.00質量%を超えると、インクの耐固着性などの特性が不十分になる場合がある。
本発明のインクセットを構成する第2インクは、下記一般式(1)で表される化合物を色材(染料)として含有する。第2インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上10.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上5.00質量%以下であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が0.10質量%未満であると、画像の発色性や耐光性が不十分になる場合がある。一方、一般式(1)で表される化合物の含有量が10.00質量%を超えると、インクの耐固着性などの特性が不十分になる場合がある。
(前記一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、それぞれ独立に、アルキル基、スルホン酸基、又はスルファモイル基を表す。R1、R5、R6及びR10は、少なくとも1つがアルキル基であるとともに、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基である。R3及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。R2、R4、R7及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。nは、0乃至3の整数を表す。Zは、それぞれ独立に、スルホン酸基又はスルファモイル基を表す。nが1乃至3の整数である場合、Zは、R1〜R10が結合したベンゼン環以外の芳香環に結合している)
一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、それぞれ独立に、アルキル基、スルホン酸基、又はスルファモイル基を表す。R1、R5、R6及びR10は、少なくとも1つがアルキル基であるとともに、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基である。一般式(1)で表される化合物は、C.I.アシッドレッド289と同様に、高いマゼンタの発色性を有する色材(染料)である。そして、一般式(1)で表される化合物を色材として用いれば、耐光性に優れた画像を記録することができる。このような効果を得るには、一般式(1)中のR1、R5、R6及びR10の少なくとも1つがアルキル基であるとともに、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基であることが重要である。
R1、R5、R6及びR10で表されるアルキル基としては、炭素数1乃至6、好ましくは炭素数1乃至4の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。アルキル基は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基としては、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1乃至3のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;などを挙げることができる。アルキル基としては、置換基を有するものも含めると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基などの置換アルキル基;を挙げることができる。より優れた発色性及び耐光性が得られるとともに、合成の容易さの観点からは、アルキル基の炭素数は1乃至6であることが好ましく、1乃至4であることがさらに好ましい。なかでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
R1、R5、R6及びR10で表されるスルホン酸基は、スルホン酸基以外のイオン性基やスルファモイル基とともに、一般式(1)で表される化合物に水溶解性を付与しうる官能基である。スルホン酸基は、酸型と塩型のいずれであってもよい。スルホン酸基が塩型である場合、塩を形成するカウンターイオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン;無置換のアンモニウムイオン;メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、n−プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、n−ブチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、イソブチルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどの有機アンモニウムイオン;を挙げることができる。スルホン酸基以外のイオン性基も、酸型と塩型のいずれであってもよい。イオン性基が塩型である場合、塩を形成するカウンターイオンとしては、上記のカウンターイオンと同様のものを挙げることができる。
R1、R5、R6及びR10で表されるスルファモイル基は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数1乃至4のアルキル基を挙げることができる。スルファモイル基としては、置換基を有するものも含めると、無置換のスルファモイル基(アミノスルホニル基);N−メチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N−n−ブチルアミノスルホニル基などの炭素数1乃至4のアルキル基が置換したスルファモイル基;などを挙げることができる。
一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10の少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基であり、残りがアルキル基であることが、記録される画像の耐光性がさらに向上するために好ましい。また、一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10の少なくとも1つがスルホン酸基であり、スルホン酸基以外の基が炭素数1乃至3の直鎖アルキル基であることが好ましい。さらに、R1とR5及びR6とR10が、それぞれ、アルキル基(好ましくは炭素数1乃至3の直鎖アルキル基)と、スルホン酸基又はスルファモイル基(好ましくはスルホン酸基)との組み合わせであることが好ましい。
一般式(1)中、R3及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。アルキル基、アルコキシ基、及びアリールオキシ基は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1乃至3のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6乃至12のアリール基;ベンジル基、p−トリル基、m−キシリル基、2−フェネチル基、ナフチルエチル基などの炭素数7乃至14のアラルキル基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1乃至3のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などのイオン性基;などを挙げることができる。
R3及びR8で表されるアルキル基としては、炭素数1乃至6、好ましくは炭素数1乃至3の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、置換基を有するものも含めると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、4−カルボキシブチル基などの置換アルキル基;を挙げることができる。より優れた発色性が得られるため、アルキル基の炭素数は1乃至3であることが好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましく、炭素数1乃至3の直鎖アルキル基がさらに好ましい。
R3及びR8で表されるアルコキシ基としては、炭素数1乃至6、好ましくは炭素数1乃至3の、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、置換基を有するものも含めると、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの無置換アルコキシ基;2−メトキシエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基などの置換アルコキシ基;などを挙げることができる。より優れた発色性が得られるため、アルコキシ基の炭素数は1乃至6であることが好ましい。さらに、より優れた発色性が得られるとともに、水溶解性も良好になるため、アルコキシ基の炭素数は1乃至3であることが好ましい。
R3及びR8で表されるアリールオキシ基としては、炭素数6乃至18、好ましくは炭素数6乃至12、特に好ましくは炭素数6乃至10のアリールオキシ基を挙げることができる。アリールオキシ基としては、置換基を有するものも含めると、フェノキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−アズレニルオキシ基などの無置換アリールオキシ基;p−メトキシフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基、o−トリルオキシ基、パラ−トリルオキシ基、2,3−キシリルオキシ基、4−カルボキシ−2−メチルフェノキシ基などの置換アリールオキシ基;などを挙げることができる。より優れた発色性が得られるとともに、合成の容易さの観点からは、アリールオキシ基はフェノキシ基であることが好ましい。
一般式(1)中、R3及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至3のアルキル基であることが、記録される画像の発色性がさらに向上するために好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がさらに好ましい。また、合成の容易さの観点から、R3及びR8が置換基を有する場合、各基が同じ置換基を有することが好ましい。
一般式(1)中、R2、R4、R7及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又は一般式(2)で表される基を表す。R2、R4、R7及びR9で表されるアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及び一般式(2)で表される基は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1乃至3のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6乃至12のアリール基;ベンジル基、p−トリル基、キシリル基、2−フェネチル基、ナフチルエチル基などの炭素数7乃至14のアラルキル基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1乃至3のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などのイオン性基;などを挙げることができる。
R2、R4、R7及びR9で表されるアルキル基としては、炭素数1乃至6、好ましくは炭素数1乃至3の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、置換基を有するものも含めると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、4−カルボキシブチル基などの置換アルキル基;を挙げることができる。
R2、R4、R7及びR9で表されるアルコキシ基としては、炭素数1乃至6、好ましくは炭素数1乃至3の、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、置換基を有するものも含めると、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの無置換アルコキシ基;2−メトキシエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基などの置換アルコキシ基;などを挙げることができる。
R2、R4、R7及びR9で表されるアリールオキシ基としては、炭素数6乃至18、好ましくは炭素数6乃至12、さらに好ましくは炭素数6乃至10のアリールオキシ基を挙げることができる。アリールオキシ基としては、置換基を有するものも含めると、フェノキシ基、2−ナフトキシ基、1−アントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−アズレニルオキシ基などの無置換アリールオキシ基;p−メトキシフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基、o−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、2,3−キシリルオキシ基、3,5−キシリルオキシ基、4−カルボキシ−2−メチルフェノキシ基などの置換アリールオキシ基;などを挙げることができる。
一般式(2)で表される基は、R11(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、又はヘテロ環基)が結合したアシルアミノ基である。R11は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1乃至3のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6乃至12のアリール基;ベンジル基、p−トリル基、キシリル基、2−フェネチル基、ナフチルエチル基などの炭素数7乃至14のアラルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などの炭素数2乃至4のアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1乃至3のアルコキシ基;シアノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基などの炭素数1乃至3のアルキルアミノ基;カルバモイル基;スルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などのイオン性基;などを挙げることができる。
R11で表されるアルキル基としては、炭素数1乃至10、好ましくは炭素数1乃至6の、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、置換基を有するものも含めると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、n−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、sec−オクチル基、n−ノニル基、sec−ノニル基、n−デシル基、sec−デシル基、などの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、4−カルボキシブチル基などの置換アルキル基;を挙げることができる。合成の容易さの観点から、アルキル基の炭素数は1乃至10であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好ましい。
R11で表されるシクロアルキル基としては、炭素数3乃至10、好ましくは炭素数5乃至7の、単環又は複環のシクロアルキル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては、置換基を有するものも含めると、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ボルニル基、イソボルニル基、1−ノルボルニル基、1−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、1−アダマンチル基、3−ノルアダマンチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基などの無置換シクロアルキル基;1−イソプロピルシクロヘキシル基、1−アダマンチルメチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、3−tert−ブチルシクロヘキシル基などの置換シクロアルキル基;を挙げることができる。合成の容易さの観点から、アルキル基の炭素数は5乃至7であることが好ましい。
R11で表されるアリール基としては、炭素数6乃至12、好ましくは炭素数6乃至10の、単環又は複環のアリール基を挙げることができる。アリール基としては、置換基を有するものも含めると、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アズレニル基などの無置換アリール基;p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基、o−カルボキシフェニル基などの置換アリール基;を挙げることができる。合成の容易さの観点から、アリール基の炭素数は6乃至12であることが好ましく、6乃至10であることがさらに好ましい。
R11で表されるアラルキル基としては、炭素数7乃至14、好ましくは炭素数7乃至10のアラルキル基を挙げることができる。アラルキル基としては、ベンジル基、p−トリル基、キシリル基、2−フェネチル基、ナフチルエチル基などを挙げることができる。合成の容易さの観点から、アラルキル基の炭素数は7乃至14であることが好ましく、7乃至10であることがさらに好ましい。
R11で表されるアルケニル基としては、炭素数2乃至6、好ましくは炭素数2乃至4の、直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を挙げることができる。アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などを挙げることができる。合成の容易さの観点から、アルケニル基の炭素数は2乃至6であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。
R11で表されるヘテロ環基としては、5員又は6員のヘテロ環基が好ましい。ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などを挙げることができる。ヘテロ環基には、脂肪族環、芳香族環、及び他のヘテロ環が縮合していてもよい。ヘテロ環基としては、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾピラゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピロリル基、ベンゾピロリル基、インドリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。合成の容易さの観点から、5員又は6員のヘテロ環基が好ましい。
R2、R4、R7及びR9の少なくとも1つが一般式(2)で表される基である場合、一般式(2)中のR11は、記録される画像の発色性がさらに向上するため、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であることが好ましい。また、記録される画像の耐光性がさらに向上するため、アルキル基又はシクロアルキル基であることがさらに好ましい。
R2、R4、R7及びR9の少なくとも1つがアルキル基又はアルコキシ基であるとともに、一般式(1)中のこれらのアルキル基及びアルコキシ基の炭素数の合計が、2以上8以下であることが、水溶解性をより高めることができるために好ましい。すなわち、R2、R4、R7及びR9中にアルキル基やアルコキシ基が1つのみ存在する場合、その炭素数が2以上8以下であることが好ましい。また、アルキル基やアルコキシ基が複数存在する場合、その炭素数の合計が2以上8以下であることが好ましい。さらに、R2、R4、R7及びR9のうちの2つが、一般式(2)で表される基であることが好ましい。
合成の容易さの観点から、一般式(1)中に一般式(2)で表される基が2以上存在する場合、2以上の一般式(2)で表される基は、同一構造を有することが好ましい。また、R2及びR7が一般式(2)で表される基であるとともに、R4及びR9がアルキル基であることが好ましい。さらに、R1とR6、R2とR7、R3とR8、R4とR9、及びR5とR10が、それぞれ同一の基であることが好ましい。
一般式(1)中、nは、0乃至3の整数を表す。nは、一般式(1)中のZで表される基の数(置換数)を意味する。すなわち、n=0の場合、一般式(1)で表される化合物はZで表されるスルホン酸基やスルファモイル基を有しない。一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基である。すなわち、これらの基が存在することで、一般式(1)で表される化合物は水溶解性を有するので、n=0であってもよい。但し、一般式(1)で表される化合物の水溶解性がより向上するため、nは1以上の整数であることが好ましく、3以下の整数であることがさらに好ましい。nは、一般式(1)中の各置換基の置換位置や、スルホン化反応又はクロロスルホン化反応の条件によって決定される。一般式(1)で表される化合物は、nの数が異なる複数の化合物の混合物であってもよい。
一般式(1)中、Zは、それぞれ独立に、スルホン酸基又はスルファモイル基を表す。nが1乃至3の整数である場合、Zは、R1〜R10が結合したベンゼン環以外の芳香環に結合している。Zで表されるスルホン酸基及びスルファモイル基は、これらの基以外のイオン性基やスルファモイル基とともに、一般式(1)で表される化合物に水溶解性を付与する役割を有する。スルホン酸基は、酸型と塩型のいずれであってもよい。スルホン酸基が塩型である場合、塩を形成するカウンターイオンの具体例としては、前述のR1、R5、R6及びR10で表されるスルホン酸基が塩型である場合におけるカウンターイオンの具体例と同様のものを挙げることができる。スルファモイル基は、記録される画像の発色性及び耐光性が損なわれない範囲で置換基を有してもよい。このような置換基の具体例としては、前述のR1、R5、R6及びR10で表されるスルファモイル基の置換基の具体例と同様のものを挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物はイオン性基を有することが、より耐光性に優れた画像を記録できるとともに、一般式(1)で表される化合物の水溶解性をさらに高めることができるために好ましい。より具体的には、一般式(1)中、nが1乃至3の整数であり、Zがスルホン酸基であることが好ましい。さらに、一般式(1)中、Zが塩型のスルホン酸基であり、塩を形成するカウンターイオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の主骨格(すなわち、一般式(1)のカッコ([ ])内の構造)におけるZの置換位置は、一般式(1)中のその他の置換基の結合位置や、スルホン化反応又はクロロスルホン化反応の条件によって決定される。合成の容易さの観点から、キサンテン骨格の水素原子の位置にZが結合していることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物には互変異性体が存在する。互変異性体としては、一般式(1)で表される化合物の他に、下記一般式(1a)及び(1b)などで表される化合物などを挙げることができる。本発明においては、これらの化合物(互変異性体)や塩も、一般式(1)で表される化合物に含まれるものとする。なお、下記一般式(1a)及び(1b)中のR1〜R10、Z、及びnは、上記一般式(1)中のR1〜R10、Z、及びnと同義である。
一般式(1)で表される化合物は、公知の方法に基づいて合成することができる。合成スキームの一例を以下に示す。合成スキーム中の化合物(B)、(C)、(D)及び(E)中のR1〜R10、Z、及びnは、一般式(1)中のR1〜R10、Z、及びnと同義である。なお、一般式(1)で表される化合物は、置換基の種類やその数、位置が異なる複数の異性体の混合物として合成されうるが、便宜上、本発明においては混合物である場合も含め、「化合物」と記載する。
上記合成スキームでは、1段目に示した第1の縮合工程、2段目に示した第2の縮合工程を経て、n=0である一般式(1)で表される化合物を合成する。一般式(1)で表される化合物の水溶解性をさらに高める場合には、スルホン化又はスルファモイル化工程を追加してもよい。スルホン化又はスルファモイル化工程を追加した場合、n=1〜3である一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
第1の縮合工程では、化合物(A)と化合物(B)とを、有機溶媒や縮合剤の存在下で加熱し、縮合させることにより化合物(C)を得る。第2の縮合工程では、化合物(D)と、第1の縮合工程で得られた化合物(C)とを、加熱し、縮合させることにより化合物(E)(n=0である一般式(1)で表される化合物)を得る。水溶解度をさらに高める場合には、第2の縮合工程で得られた化合物(E)を、濃硫酸や発煙硫酸などのスルホン化剤を用いてスルホン化する。これにより、Zがスルホン酸基である化合物(F)(n=1〜3である一般式(1)で表される化合物)を得ることができる。また、第2の縮合工程で得られた化合物(E)を、クロロスルホン酸などを用いてクロロスルホン化した後、濃アンモニア水、アルキルアミン、及びアリールアミンなどのアミン化合物と反応させればスルファモイル化することができる。これにより、Zがスルファモイル基である化合物(F)(n=1〜3である一般式(1)で表される化合物)を得ることができる。
第1の縮合工程で用いることができる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどを挙げることができる。これらの有機溶媒の複数種を混合して用いてもよい。第2の縮合工程で用いることができる有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒の複数種を混合して用いてもよい。
第1の縮合工程における反応温度は、60℃以上100℃以下であることが好ましく、70℃以上90℃以下であることがさらに好ましい。第2の縮合工程における反応温度は、120℃以上220℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。
一般式(1)中のR1〜R5とR6〜R10が同一の基である化合物を合成する場合、上記合成スキーム中の化合物(B)と化合物(D)は同一の化合物である。このため、化合物(A)から一段階の縮合工程を実施すれば、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。一段階の縮合工程を実施する際の反応温度は、120℃以上220℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。縮合剤としては、例えば、酸化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどを用いることができる。
上記合成スキームによって得られる最終生成物である化合物は、通常の有機合成反応の後処理方法にしたがって処理した後、精製することで、例えば、インクの色材(染料)などの所望の用途で利用することができる。一般式(1)で表される化合物の構造は、1H NMR分析、LC/MS分析、UV/Vis分光分析などによって同定することができる。
一般式(1)で表される化合物の好適例としては、表1に示す例示化合物1〜23を挙げることができる。本発明においては、一般式(1)で表される化合物の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(1)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。一般式(1)で表される化合物としては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物1〜4が好ましい。表1中、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「n−Pr」はノルマルプロピル、「i−Pr」はイソプロピル、「i−Bu」はイソブチル、「t−Bu」はターシャリーブチル、「n−Hx」はノルマルヘキシル、「Ph」はフェニルを表す。また、「*」は置換基の結合位置を表す。
(第2インクの色材:その他の色材)
第2インクには、一般式(1)で表される化合物以外の化合物を色材として含有させることが好ましい。一般式(1)で表される化合物以外の化合物(その他の色材)を含有させることで、一般式(1)で表される化合物の優れた発色性を損なうことなく、耐光性がさらに向上した画像を記録しうるインクとすることができる。
第2インクには、一般式(1)で表される化合物以外の化合物を色材として含有させることが好ましい。一般式(1)で表される化合物以外の化合物(その他の色材)を含有させることで、一般式(1)で表される化合物の優れた発色性を損なうことなく、耐光性がさらに向上した画像を記録しうるインクとすることができる。
その他の色材としては、顔料や染料などを挙げることができる。なかでも、染料を用いることが好ましい。その他の色材としては、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、及びブラックなどに分類されるいずれの色相のものを用いてもよい。特に、マゼンタからレッドの領域の色相を有する染料を用いることが好ましく、アゾ骨格やアントラピリドン骨格を有する化合物などの染料を用いることがさらに好ましい。より具体的には、発色性のさらなる向上効果を得るという観点から、水中での最大吸収波長(λmax)が、好ましくは380〜590nm、さらに好ましくは480〜570nm、特に好ましくは500〜560nmの範囲に存在する化合物を用いる。
アゾ骨格を有する化合物としては、例えば、C.I.アシッドレッド249(アゾ化合物1)や、特開平8−073791号公報、特開2002−371214号公報、特開2006−143989号公報などに記載されたものなどを挙げることができる。具体的には、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などを挙げることができる。アントラピリドン骨格を有する化合物としては、例えば、国際公開第1998/011167号、国際公開第1998/011167号、国際公開第2004/104108号、国際公開第2009/060654号、国際公開第2009/093433号などに記載された単量体構造のものなどを挙げることができる。さらには、国際公開第2003027185号、国際公開第2006/075706号、国際公開第2008/066062号、特開2010−006969号公報などに記載された2量体構造のものなどを挙げることができる。具体的には、下記一般式(III)で表される化合物、下記一般式(IV)で表される化合物などを挙げることができる。
下記一般式(I)〜(IV)において、アルキルの炭素数は1乃至6であることが好ましく、アリールの炭素数は6乃至10であることが好ましい。また、置換基を有しうる炭素原子を持つ基は、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、スルホン酸基、アルキルスルホニル基、アニリノ基などの置換基により置換されていてもよい。
(一般式(III)中、R1は、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表す。R2は、水素原子又はアルキル基を表す。R3は、アニリノ基を表す)
(一般式(IV)中、R1は、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、又はアリールオキシカルボニル基を表す。R2は、水素原子又はアルキル基を表す。R3は、アニリノ基を表す。R4は、連結基を表す)
アゾ骨格を有する化合物の具体例としては、以下に示す構造(但し、遊離酸の状態として)を有するアゾ化合物1〜4などを挙げることができる。アントラピリドン骨格を有する化合物の具体例としては、以下に示す構造(但し、遊離酸の状態として)を有するアントラピリドン化合物1〜9などを挙げることができる。
(水性媒体)
本発明のインクセットを構成する各インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。各インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性インクであることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクセットを構成する各インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。各インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性インクであることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましく、10.00質量%以上50.00質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、インクの吐出安定性が不足する場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクセットを構成する各インクには、上記成分の他に必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素やその誘導体などの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂などの種々の添加剤を含有させてもよい。
本発明のインクセットを構成する各インクには、上記成分の他に必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素やその誘導体などの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第1インク及び第2インクには、界面活性剤をそれぞれ含有させることが好ましい。各インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。第1インクには、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの界面活性剤を含有させることが好ましい。また、第2インクには、アセチレングリコール系の界面活性剤を含有させることが好ましい。なかでも、第2インクには、水性媒体への溶解性に優れるため、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を含有させることが特に好ましい。
第1インクには、カチオンとアニオンとが結合して構成される塩を含有させることが好ましい。第1インクに塩を含有させることで、第1インクで記録される画像の光学濃度を向上させることがでる。さらに、第1インクで記録される画像と第2インクで記録される画像との境界における耐ブリーディング性を向上させることができる。塩を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。なかでも、カリウムイオン、アンモニウムイオンが好ましい。また、塩を構成するアニオンとしては、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-)2、COOH(COO-)、CH3COO-、C2H4(COO-)2、C6H5COO-、C6H4(COO-)2、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -などを挙げることができる。インク中における塩の形態は、その一部が解離した状態、及び全てが解離した状態のいずれの形態であってもよい。
第1インクには上記効果が得られる範囲の塩が含有されていればよい。具体的には、第1インク中の塩の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。第1インク中の塩の含有量が10.00質量%超であると、インクの保存安定性が不足する場合がある。一方、第1インク中の塩の含有量が0.05質量%未満であると、上記効果が不足する場合がある。
(インクの物性)
本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における静的表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。また、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる吐出ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤などの含有量を適宜設定することで調整することができる。
本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における静的表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。また、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる吐出ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤などの含有量を適宜設定することで調整することができる。
第1インクの、25℃、寿命時間50m秒における動的表面張力は、40mN/m以上であることが好ましく、45mN/m以上であることがさらに好ましい。動的表面張力が上記の範囲にある第1インクを用いることで、記録媒体の表面上に顔料を特に効率よく存在させることができ、より高い光学濃度を有する画像を記録することができる。インクの動的表面張力は、最大泡圧法により測定する。最大泡圧法では、測定対象の液体中に浸したプローブ(細管)の先端部分から押し出された気泡を放出するのに必要な最大圧力を測定して、表面張力を求める。また、「寿命時間」とは、最大泡圧法において、プローブの先端部分から気泡が形成される際、気泡が離れた後に新しい表面が形成されてから最大泡圧時(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなったとき)までの時間を意味する。
本発明のインクセットを構成する各インクは、インクジェット記録装置に適用する際に良好な吐出特性が得られるよう、所望のpH及び粘度に調整することが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクの25℃におけるpHは、5.0以上10.0以下であることが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程やインクジェット記録装置の構成は公知のものとすればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程やインクジェット記録装置の構成は公知のものとすればよい。
図6は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液A)
水5.5gに濃硫酸5gを溶かした溶液を5℃に冷却し、4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸0.84g(4.64mmol)を加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れて溶液を撹拌し、液温を10℃以下に保った状態で、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2g(26mmol)を溶かして得た亜硝酸カリウム溶液を加えた。さらに15分撹拌後、カーボンブラック(商品名「ブラックパールズ1100」、キャボット製)6gを撹拌下で加えた。さらに15分間撹拌して得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を得た。得られた粒子を十分に水冷した後、110℃のオーブンで乾燥させた。次いで、水を加えて、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H3−(COOH)2基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H3−(COONH4)2基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Aを得た。
(顔料分散液A)
水5.5gに濃硫酸5gを溶かした溶液を5℃に冷却し、4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸0.84g(4.64mmol)を加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れて溶液を撹拌し、液温を10℃以下に保った状態で、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2g(26mmol)を溶かして得た亜硝酸カリウム溶液を加えた。さらに15分撹拌後、カーボンブラック(商品名「ブラックパールズ1100」、キャボット製)6gを撹拌下で加えた。さらに15分間撹拌して得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を得た。得られた粒子を十分に水冷した後、110℃のオーブンで乾燥させた。次いで、水を加えて、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H3−(COOH)2基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H3−(COONH4)2基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Aを得た。
(顔料分散液B)
シルヴァーソン混合機を使用して、カーボンブラック(固形分)20g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸一ナトリウム塩9mmol、硝酸20mmol、及び純水200mLを混合した。カーボンブラックとしては、商品名「ブラックパールズ880」(キャボット製)を用いた。混合は、室温条件下、6,000rpmで行った。30分後、得られた混合物に、少量の水に溶解させた亜硝酸ナトリウム20mmolをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムの添加によって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。これにより、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−CONH−CH−(PO(OH)(ONa))(PO(OH)2)基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりナトリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−CONH−CH−(PO(OH)(ONH4))(PO(OH)2)基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Bを得た。
シルヴァーソン混合機を使用して、カーボンブラック(固形分)20g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸一ナトリウム塩9mmol、硝酸20mmol、及び純水200mLを混合した。カーボンブラックとしては、商品名「ブラックパールズ880」(キャボット製)を用いた。混合は、室温条件下、6,000rpmで行った。30分後、得られた混合物に、少量の水に溶解させた亜硝酸ナトリウム20mmolをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムの添加によって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。これにより、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−CONH−CH−(PO(OH)(ONa))(PO(OH)2)基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりナトリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−CONH−CH−(PO(OH)(ONH4))(PO(OH)2)基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Bを得た。
(顔料分散液C)
水5.5gに濃硫酸5gを溶かした溶液を5℃に冷却し、4−アミノベンゼンスルホン酸1.61g(9.28mmol)を加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れて溶液を撹拌し、液温を10℃以下に保った状態で、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2g(26mmol)を溶かして得た亜硝酸カリウム溶液を加えた。さらに15分撹拌後、カーボンブラック(商品名「ブラックパールズ1100」、キャボット製)6gを撹拌下で加えた。さらに15分間撹拌して得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を得た。得られた粒子を十分に水冷した後、110℃のオーブンで乾燥させた。次いで、水を加えて、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−SO3K基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−SO3NH4基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Cを得た。
水5.5gに濃硫酸5gを溶かした溶液を5℃に冷却し、4−アミノベンゼンスルホン酸1.61g(9.28mmol)を加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れて溶液を撹拌し、液温を10℃以下に保った状態で、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2g(26mmol)を溶かして得た亜硝酸カリウム溶液を加えた。さらに15分撹拌後、カーボンブラック(商品名「ブラックパールズ1100」、キャボット製)6gを撹拌下で加えた。さらに15分間撹拌して得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を得た。得られた粒子を十分に水冷した後、110℃のオーブンで乾燥させた。次いで、水を加えて、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−SO3K基が結合した自己分散顔料が分散した分散液を得た。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%である、粒子表面に−C6H4−SO3NH4基が結合した自己分散顔料が分散した顔料分散液Cを得た。
<一般式(1)で表される化合物の合成>
(構造の同定方法)
合成した一般式(1)で表される化合物の構造は、以下に示す各分析手法により同定した。
[1]1H NMR分析:1H核磁気共鳴分光分析(商品名「ECA−400」、日本電子製)
[2]LC/MS分析:LC/TOF MS(商品名「LC/MSD TOF」、Agilent Technologies製、イオン化法:エレクトロスプレーイオン化法(ESI))
[3]UV/Vis分光分析:UV/Vis分光光度計(商品名「UV−3600形分光光度計」、島津製作所製)
(構造の同定方法)
合成した一般式(1)で表される化合物の構造は、以下に示す各分析手法により同定した。
[1]1H NMR分析:1H核磁気共鳴分光分析(商品名「ECA−400」、日本電子製)
[2]LC/MS分析:LC/TOF MS(商品名「LC/MSD TOF」、Agilent Technologies製、イオン化法:エレクトロスプレーイオン化法(ESI))
[3]UV/Vis分光分析:UV/Vis分光光度計(商品名「UV−3600形分光光度計」、島津製作所製)
(例示化合物1)
トリエタノールアミン16.3g、2,4−ジメチル−6−スルホアニリン21.9g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)10.0gを、この順に、スルホラン30mL中に添加し、撹拌下、120〜130℃で10時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL及び飽和食塩水750mLの混合液中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、飽和食塩水で洗浄した後、乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物を、合成吸着剤及びイオン交換樹脂を充填したカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記式(1−1)で表される例示化合物1を得た。
トリエタノールアミン16.3g、2,4−ジメチル−6−スルホアニリン21.9g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)10.0gを、この順に、スルホラン30mL中に添加し、撹拌下、120〜130℃で10時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL及び飽和食塩水750mLの混合液中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、飽和食塩水で洗浄した後、乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物を、合成吸着剤及びイオン交換樹脂を充填したカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記式(1−1)で表される例示化合物1を得た。
得られた例示化合物1の構造は、[1]1H NMR分析、[2]LC/TOF MS分析、及び[3]UV/Vis分光分析により同定した。結果を以下に示す。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図1参照):
δ[ppm]=9.40(s、2H)、8.03(d、2H)、7.70−7.45(m、4H)、7.23−7.04(m、5H)、6.87(d、2H)、6.35(s、2H)、2.32(s、3H)、2.31(s、3H)、2.10(s、3H)、2.08(s、3H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間9.701分:純度=100.0面積%、m/z=733.1009[(M−2Na+H)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=528nm、ε=84804M-1cm-1(水中、25℃)
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図1参照):
δ[ppm]=9.40(s、2H)、8.03(d、2H)、7.70−7.45(m、4H)、7.23−7.04(m、5H)、6.87(d、2H)、6.35(s、2H)、2.32(s、3H)、2.31(s、3H)、2.10(s、3H)、2.08(s、3H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間9.701分:純度=100.0面積%、m/z=733.1009[(M−2Na+H)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=528nm、ε=84804M-1cm-1(水中、25℃)
(例示化合物2)
上記の「例示化合物1」の合成において得た乾燥物6gを、氷冷下、発煙硫酸30g中に添加した後、20〜25℃で4時間撹拌して反応液を得た。得られた反応液を氷100g上にあけ、析出した沈殿をろ過して分取した後、冷水で洗浄して析出物を得た。得られた析出物を水50mL中に懸濁させ、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整して溶解させた。次いで、アセトンで晶析して、下記式(1−2)で表される例示化合物2を得た。
上記の「例示化合物1」の合成において得た乾燥物6gを、氷冷下、発煙硫酸30g中に添加した後、20〜25℃で4時間撹拌して反応液を得た。得られた反応液を氷100g上にあけ、析出した沈殿をろ過して分取した後、冷水で洗浄して析出物を得た。得られた析出物を水50mL中に懸濁させ、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整して溶解させた。次いで、アセトンで晶析して、下記式(1−2)で表される例示化合物2を得た。
得られた例示化合物2の構造は、[1]1H NMR分析、[2]LC/TOF MS分析、及び[3]UV/Vis分光分析により同定した。結果を以下に示す。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図2参照):
δ[ppm]=11.1(m、1H)、9.75(m、1H)、8.04−7.93(m、1H)、7.70−7.47(m、4H)、7.16(m、3H)、6.95−6.86(m、1H)、6.74(s、1H)、6.32−6.23(m、1H)、6.08(s、1H)、2.11(m、6H)、2.03(m、6H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間1.04分:純度=96.4面積%、m/z=893.019[(M−4Na+3H)-]
保持時間5.89分:純度=3.6面積%、m/z=406.531[(M−3Na+H)2-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=533nm、ε=56055M-1cm-1(水中、25℃)
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図2参照):
δ[ppm]=11.1(m、1H)、9.75(m、1H)、8.04−7.93(m、1H)、7.70−7.47(m、4H)、7.16(m、3H)、6.95−6.86(m、1H)、6.74(s、1H)、6.32−6.23(m、1H)、6.08(s、1H)、2.11(m、6H)、2.03(m、6H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間1.04分:純度=96.4面積%、m/z=893.019[(M−4Na+3H)-]
保持時間5.89分:純度=3.6面積%、m/z=406.531[(M−3Na+H)2-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=533nm、ε=56055M-1cm-1(水中、25℃)
(例示化合物3)
3−イソブチリルアミノ−6−スルホ−2,4−ジメチルアニリン12.5g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)7.4gをスルホラン20mLに入れ、塩化亜鉛4.1gの存在下、120℃で13時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL及び飽和食塩水750mLの混合液中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、飽和食塩水で洗浄した後、乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物を、合成吸着剤及びイオン交換樹脂を充填したカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記式(1−3)で表される例示化合物3を得た。
3−イソブチリルアミノ−6−スルホ−2,4−ジメチルアニリン12.5g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)7.4gをスルホラン20mLに入れ、塩化亜鉛4.1gの存在下、120℃で13時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL及び飽和食塩水750mLの混合液中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、飽和食塩水で洗浄した後、乾燥させて乾燥物を得た。得られた乾燥物を、合成吸着剤及びイオン交換樹脂を充填したカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記式(1−3)で表される例示化合物3を得た。
得られた例示化合物3の構造は、[1]1H NMR分析、[2]LC/TOF MS分析、及び[3]UV/Vis分光分析により同定した。結果を以下に示す。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図3参照):
δ[ppm]=9.79(s、2H)、9.69(s、2H)、8.03(d、1H)、7.60(t、1H)、7.50(t、1H)、7.25−7.15(m、3H)、7.06(d、2H)、6.84(s、2H)、6.34(s、2H)、2.55−2.45(m、2H)、2.14(s、6H)、2.08(s、6H)、1.18(s、6H)、1.16(s、6H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間10.104分:純度=100面積%、m/z=903.2087[(M−2Na+H)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=528nm、ε=89551M-1cm-1(水中、25℃)
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図3参照):
δ[ppm]=9.79(s、2H)、9.69(s、2H)、8.03(d、1H)、7.60(t、1H)、7.50(t、1H)、7.25−7.15(m、3H)、7.06(d、2H)、6.84(s、2H)、6.34(s、2H)、2.55−2.45(m、2H)、2.14(s、6H)、2.08(s、6H)、1.18(s、6H)、1.16(s、6H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間10.104分:純度=100面積%、m/z=903.2087[(M−2Na+H)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=528nm、ε=89551M-1cm-1(水中、25℃)
(例示化合物4)
酸化マグネシウム2.0g、2,4−ジメチル−6−スルホアニリン5.0g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)10.0gを、この順に、スルホラン50mL中に添加し、撹拌下、120〜130℃で2時間加熱して反応させた。さらに、3−イソブチリルアミノ−5−プロピル−2,4,6−トリメチルアニリン13.0gを添加し、撹拌下、130℃で8時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、水で洗浄して析出物を得た。得られた析出物を水100mL中に懸濁させ、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整して溶解させた。次いで、アセトンで晶析して、下記式(1−4)で表される例示化合物4を得た。
酸化マグネシウム2.0g、2,4−ジメチル−6−スルホアニリン5.0g、及び前述の合成スキーム中の化合物(A)10.0gを、この順に、スルホラン50mL中に添加し、撹拌下、120〜130℃で2時間加熱して反応させた。さらに、3−イソブチリルアミノ−5−プロピル−2,4,6−トリメチルアニリン13.0gを添加し、撹拌下、130℃で8時間加熱して反応させた。得られた溶液を冷却した後、6mol/Lの塩酸50mL中に添加した。析出した結晶をろ過して分取し、水で洗浄して析出物を得た。得られた析出物を水100mL中に懸濁させ、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整して溶解させた。次いで、アセトンで晶析して、下記式(1−4)で表される例示化合物4を得た。
得られた例示化合物4の構造は、[1]1H NMR分析、[2]LC/TOF MS分析、及び[3]UV/Vis分光分析により同定した。結果を下記に示す。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図4参照):
δ[ppm]=9.65(s、1H)、9.47(s、1H)、8.97(s、1H)、8.02(d、1H)、7.65−7.45(m、4H)、7.25−7.00(m、6H)、6.89(s、1H)、6.33(s、1H)、2.65(tt、1H)、2.32(s、3H)、2.15(s、3H)、2.11(s、3H)、2.09(s、3H)、1.97(s、3H)、1.16(s、3H)、1.14(s、3H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間14.10分:純度=100面積%、m/z=752.2180[(M−Na)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=531nm、ε=100508M-1cm-1(水中、25℃)
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、80℃)の結果(図4参照):
δ[ppm]=9.65(s、1H)、9.47(s、1H)、8.97(s、1H)、8.02(d、1H)、7.65−7.45(m、4H)、7.25−7.00(m、6H)、6.89(s、1H)、6.33(s、1H)、2.65(tt、1H)、2.32(s、3H)、2.15(s、3H)、2.11(s、3H)、2.09(s、3H)、1.97(s、3H)、1.16(s、3H)、1.14(s、3H)
[2]LC/TOF MS分析(溶離液:0.1%酢酸水溶液−メタノール、ESI)の結果:
保持時間14.10分:純度=100面積%、m/z=752.2180[(M−Na)-]
[3]UV/Vis分光分析の結果(図5参照):
λmax=531nm、ε=100508M-1cm-1(水中、25℃)
<インクの調製>
表2に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのポリプロピレンフィルター(ポール製)で加圧ろ過して第1インクを調製した。また、表3に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧ろ過して第2インクを調製した。表2及び3中の「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、アントラピリドン化合物8は、ナトリウム塩として用いた。
表2に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのポリプロピレンフィルター(ポール製)で加圧ろ過して第1インクを調製した。また、表3に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)で加圧ろ過して第2インクを調製した。表2及び3中の「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、アントラピリドン化合物8は、ナトリウム塩として用いた。
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、表5に示す組み合わせのインクセットとした。そして、下記の各項目の評価を行った。画像の測色は、分光光度計(商品名「Spectorolino」、Gretag Macbeth製)を使用し、光源:D50、視野:2°の条件で行った。L*、a*及びb*は、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表示系におけるL*、a*及びb*である。評価結果を表5に示す。
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、表5に示す組み合わせのインクセットとした。そして、下記の各項目の評価を行った。画像の測色は、分光光度計(商品名「Spectorolino」、Gretag Macbeth製)を使用し、光源:D50、視野:2°の条件で行った。L*、a*及びb*は、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表示系におけるL*、a*及びb*である。評価結果を表5に示す。
(暗部の色再現範囲)
各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MP490」、キヤノン製)に搭載した。第1インクはブラックインクのポジションにセットし、第2インクはマゼンタインクのポジションにセットした。そして、温度23℃、相対湿度55%の条件下、表4に示す番号1〜9の記録条件で、2次色のベタ画像を含むパターン(2次色画像)を普通紙(商品名「キヤノンオフィスペーパー」、キヤノン製)に記録した。
各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MP490」、キヤノン製)に搭載した。第1インクはブラックインクのポジションにセットし、第2インクはマゼンタインクのポジションにセットした。そして、温度23℃、相対湿度55%の条件下、表4に示す番号1〜9の記録条件で、2次色のベタ画像を含むパターン(2次色画像)を普通紙(商品名「キヤノンオフィスペーパー」、キヤノン製)に記録した。
番号1〜9の記録条件で記録した9種の2次色画像におけるベタ画像のL*、a*及びb*をそれぞれ測定した。C*={(a*)2+(b*)2}1/2の式に基づいて彩度C*を算出し、横軸を彩度C*、縦軸を明度L*として、各ベタ画像のC*及びL*をプロットした。そして、「各ベタ画像の少なくともいずれかが以下に示す条件を満たすか否か」、という観点で、暗部の色再現範囲を評価した。本発明においては、以下に示す評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
AA:L*=40におけるC*が30以上であり、かつ、L*=35におけるC*が20以上であった。
A:L*=40におけるC*が30以上であり、かつ、L*=35におけるC*が20未満であった。
B:L*=40におけるC*が10以上30未満であり、かつ、L*=35におけるC*が10以上20未満であった。
C:L*=40におけるC*が10未満であり、かつ、L*=35におけるC*が10未満であった。
AA:L*=40におけるC*が30以上であり、かつ、L*=35におけるC*が20以上であった。
A:L*=40におけるC*が30以上であり、かつ、L*=35におけるC*が20未満であった。
B:L*=40におけるC*が10以上30未満であり、かつ、L*=35におけるC*が10以上20未満であった。
C:L*=40におけるC*が10未満であり、かつ、L*=35におけるC*が10未満であった。
(第2インクで記録した画像の発色性)
第2インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴あたり2.5pLのインク滴を8滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を使用し、温度23℃、相対湿度55%の環境下、記録デューティを10%から100%まで10%刻みで変化させた10種類のベタ画像を光沢紙に記録して記録物を得た。光沢紙としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」(キヤノン製)を用いた。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%で24時間乾燥させた。得られた記録物における各記録デューティのベタ画像のa*及びb*を測定した。そして、記録デューティが100%であるベタ画像のa*及びb*の値から、彩度C*={(a*)2+(b*)2}1/2を算出した。また、10種類のベタ画像のうちa*の値が最も大きいベタ画像を特定し、そのベタ画像のa*及びb*の値から、下記式に基づき色相角H゜を算出した。
a*≧0、b*≧0(第一象現)においては、色相角H°=tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象現)においては、色相角H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象現)においては、色相角H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象現)においては、色相角H°=360+tan-1(b*/a*)。
第2インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴あたり2.5pLのインク滴を8滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を使用し、温度23℃、相対湿度55%の環境下、記録デューティを10%から100%まで10%刻みで変化させた10種類のベタ画像を光沢紙に記録して記録物を得た。光沢紙としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」(キヤノン製)を用いた。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%で24時間乾燥させた。得られた記録物における各記録デューティのベタ画像のa*及びb*を測定した。そして、記録デューティが100%であるベタ画像のa*及びb*の値から、彩度C*={(a*)2+(b*)2}1/2を算出した。また、10種類のベタ画像のうちa*の値が最も大きいベタ画像を特定し、そのベタ画像のa*及びb*の値から、下記式に基づき色相角H゜を算出した。
a*≧0、b*≧0(第一象現)においては、色相角H°=tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≧0(第二象現)においては、色相角H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≦0、b*≦0(第三象現)においては、色相角H°=180+tan-1(b*/a*)
a*≧0、b*≦0(第四象現)においては、色相角H°=360+tan-1(b*/a*)。
得られたC*及びH°の値から、以下に示す評価基準にしたがって、第2インクで記録した画像の発色性を評価した。本発明においては、以下に示す評価基準で、「A」を許容できるレベル、「B」及び「C」を許容できないレベルとした。
A:H°が340以上360未満であり、かつ、C*が80以上であった。
B:H°が340以上360未満であり、かつ、C*が80未満であった。
C:H°が0以上340未満であった。
A:H°が340以上360未満であり、かつ、C*が80以上であった。
B:H°が340以上360未満であり、かつ、C*が80未満であった。
C:H°が0以上340未満であった。
(第2インクで記録した画像の耐光性)
上記の「第2インクで記録した画像の発色性」の評価の場合と同様の条件で、記録デューティが100%のベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%で24時間乾燥させた後、ベタ画像の光学濃度を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。次いで、記録物をキセノン試験装置(商品名「キセノンウェザーメーターSX−75」、スガ試験機製)に入れ、槽内温度24℃、相対湿度60%、照度150W/m2の条件でベタ画像にキセノン光を24時間照射した。キセノン光を照射後、記録物のベタ画像の光学濃度を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。そして、光学濃度の残存率(%)=(試験後の光学濃度/試験前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって第2インクで記録した画像の耐光性を評価した。本発明においては、以下に示す評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」及び「D」を許容できないレベルとした。
A:光学濃度の残存率が90%以上であった。
B:光学濃度の残存率が85%以上90%未満であった。
C:光学濃度の残存率が75%以上85%未満であった。
D:光学濃度の残存率が75%未満であった。
上記の「第2インクで記録した画像の発色性」の評価の場合と同様の条件で、記録デューティが100%のベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%で24時間乾燥させた後、ベタ画像の光学濃度を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。次いで、記録物をキセノン試験装置(商品名「キセノンウェザーメーターSX−75」、スガ試験機製)に入れ、槽内温度24℃、相対湿度60%、照度150W/m2の条件でベタ画像にキセノン光を24時間照射した。キセノン光を照射後、記録物のベタ画像の光学濃度を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。そして、光学濃度の残存率(%)=(試験後の光学濃度/試験前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって第2インクで記録した画像の耐光性を評価した。本発明においては、以下に示す評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」及び「D」を許容できないレベルとした。
A:光学濃度の残存率が90%以上であった。
B:光学濃度の残存率が85%以上90%未満であった。
C:光学濃度の残存率が75%以上85%未満であった。
D:光学濃度の残存率が75%未満であった。
Claims (7)
- 第1インク及び第2インクの組み合わせを有するインクセットであって、
前記第1インクが、顔料の粒子表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して化学的に結合している自己分散顔料を含有し、
前記第2インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクセット。
(前記一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は、それぞれ独立に、アルキル基、スルホン酸基、又はスルファモイル基を表し、R1、R5、R6及びR10は、少なくとも1つがアルキル基であるとともに、少なくとも1つがスルホン酸基又はスルファモイル基である。R3及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。R2、R4、R7及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。nは、0乃至3の整数を表す。Zは、それぞれ独立に、スルホン酸基又はスルファモイル基を表す。nが1乃至3の整数である場合、Zは、R1〜R10が結合したベンゼン環以外の芳香環に結合している)
(前記一般式(2)中、R11は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、又はヘテロ環基を表す。*は、前記一般式(1)中のベンゼン環との結合部位を表す) - 前記一般式(1)中、nが1乃至3の整数であり、Zが塩型のスルホン酸基である請求項1に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10の少なくとも1つがスルホン酸基であり、スルホン酸基以外の基が炭素数1乃至3の直鎖アルキル基である請求項1又は2に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)中、R3及びR8が、それぞれ独立に、炭素数1乃至3の直鎖アルキル基である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)中、R1とR6、R2とR7、R3とR8、R4とR9、及びR5とR10が、それぞれ同一の基である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記一般式(1)中、R1及びR6がスルホン酸基である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクセット。
- インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクセットを構成する第1インク及び第2インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016054084A JP2017165903A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | インクセット及びインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016054084A JP2017165903A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | インクセット及びインクジェット記録方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017165903A true JP2017165903A (ja) | 2017-09-21 |
Family
ID=59912634
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016054084A Pending JP2017165903A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | インクセット及びインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017165903A (ja) |
-
2016
- 2016-03-17 JP JP2016054084A patent/JP2017165903A/ja active Pending
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