JP2017166548A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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理 満石
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Abstract

【課題】泥水又は粉塵がラビリンスに浸入することを防止できる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置1であって、内周側に外側転走面が形成される外方部材と、外周側に内側転走面が形成されるとともに外方部材に内挿される内方部材と、車輪用軸受装置1のインナー側の、外方部材と内方部材との環状空間をシールするシール部材10と、を備え、シール部材10は、外方部材の開口部に嵌合されるシール板11と、シール板11に対向するとともに内方部材の外周部に嵌合されるスリンガ12と、を備え、スリンガ12は、外方部材の開口端面と隙間を設けて配置されるラジアルリップ接触部12bと、外方部材の外周面と隙間を設けて配置されるカバー部12cと、を備え、ラジアルリップ接触部12bの開口端面と対向する側には、溝部21が形成される。【選択図】図4

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置として、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置では、車輪に接続されるハブ輪(内方部材)が転動体を介して外方部材に回転自在に支持されている。
車輪用軸受装置では、外方部材内部のグリースが減る、或いは、雨水や粉塵が浸入することによって、転動体又は内方部材の転走面が損傷して、車輪用軸受装置の寿命が短くなる。このため、車輪用軸受装置には、内部に封入されているグリースの漏れを防止するとともに外部から雨水又は粉塵の浸入を防止するために、外方部材と内方部材との間にシール部材が設けられている。
車輪用軸受装置では、シール性を向上するために、シール部材に複数のシール機構が設けられている。例えば、シール機構として、シールリップ及びラビリンスシールが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示される車輪用軸受装置では、シール機構として、シール部材のゴムシール部の間に屈曲部を配置することによって形成されるラビリンスシールが開示されている。
しかし、特許文献1に開示されるラビリンスは、車両の外側に連通している。そのため、ラビリンスには、泥水又は粉塵が浸入する可能性がある。泥水又は粉塵がラビリンスに浸入した場合には、シールリップの先端部が損傷し、シール部材のシール性能が低下することになる。
特開2010−91036号公報
そこで、本発明の目的は、泥水又は粉塵がラビリンスに浸入することを防止できる車輪用軸受装置を提供することである。
即ち、本発明においては、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置であって、内周側に外側転走面が形成される外方部材と、外周側に内側転走面が形成されるとともに前記外方部材に内挿される内方部材と、前記外側転走面と前記内側転走面との間にて転動自在に介される転動体と、前記車輪用軸受装置の内側の、前記外方部材と前記内方部材との環状空間をシールするシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記外方部材の開口部に嵌合されるシール板と、前記シール板に対向するとともに前記内方部材の外周部に嵌合されるスリンガと、を備え、前記スリンガは、前記外方部材の開口端面と隙間を設けて配置される第一壁部と、前記外方部材の外周面と隙間を設けて配置される第二壁部と、を備え、
前記第一壁部の前記開口端面と対向する側と、前記第二壁部の前記外周面と対向する側と、のうち少なくとも一方には、凹凸部が形成されるものである。
本発明においては、前記開口端面の前記第一壁部と対向する側と、前記外周面の前記第二壁部と対向する側と、のうち少なくとも一方には、凹凸部が形成されるものである。
本発明においては、前記第一壁部に形成される凹凸部は、前記内方部材の軸から放射状に形成される溝、又は、前記内方部材の軸からの放射線に対し所定角度だけ傾斜して形成される溝とされるものである。
本発明においては、前記第二壁部に形成される凹凸部は、前記内方部材の軸に対し平行に形成される溝、又は、前記内方部材の軸に対し、らせん状に形成される溝とされるものである。
即ち、本発明の車輪用軸受装置によれば、スリンガに形成される凹凸部が泥水又は粉塵を掃出すことによって、泥水又は粉塵がラビリンスに浸入することを防止できる。
本実施形態である車輪用軸受装置の全体構成を示す斜視図。 同じく断面図。 図2のシール部材の構成を示す拡大断面図(凹凸部省略)。 図3をさらに拡大した第一実施形態での溝部を示す拡大断面図。 図3をさらに拡大した第二実施形態での溝部を示す拡大断面図。 図3をさらに拡大した第三実施形態での溝部を示す拡大断面図。 図3をさらに拡大した第四実施形態での溝部を示す拡大断面図。 図3をさらに拡大した第五実施形態での溝部を示す拡大断面図。
図1及び図2を用いて、本実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。
図1は、車輪用軸受装置1の全体構成を斜視図によって表している。図2は、車輪用軸受装置1の全体構成を図1におけるAA断面図によって表している。以下では、図1及び図2に示されるインナー側及びアウター側に従って説明する。
本実施形態の車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置として、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3と、転動列である二列のインナーボール列6a及びアウターボール列6bと、アウターシール部材7と、シール部材としてのインナーシール部材10と、を備えている。内方部材3は、ハブ輪4と、内輪5と、を備えている。
外方部材2は、略円筒状に形成され、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2は、インナー側開口部2aと、アウター側開口部2bと、インナー側の外側転走面2cと、アウター側の外側転走面2dと、フランジ2eと、外溝2fと、を備えている。
インナー側開口部2aは、外方部材2のインナー側端部に形成され、インナーシール部材10が嵌合される。アウター側開口部2bは、外方部材2のアウター側端部に形成され、アウターシール部材7が嵌合される。
外側転走面2c及び外側転走面2dは、互いに平行になるように、外方部材2の内周面に周方向に沿って環状に形成されている。外側転走面2dは、ピッチ円直径が外側転走面2cと同等もしくは大きくなるように形成されている。外側転走面2c及び外側転走面2dには、高周波熱処理によって表面硬さを58〜64HRCの範囲とする硬化層が形成されている。
車体取り付けフランジ2eは、図示しない懸架装置のナックルに取り付けるために、外方部材2の外周面に一体的に形成されている。外溝2fは、外部からの雨水を排水するために、インナー側開口部2aの外周面に環状に形成されている。
内方部材3は、図示しない車両の車輪を回転自在に支持するものである。内方部材3は、外方部材2に内挿されている。内方部材3は、ハブ輪4と、内輪5と、を備えている。
ハブ輪4は、有底円筒状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪4には、小径段部4aと、フランジ4bと、内側転走面4cと、ハブボルト4dと、を備えている。
小径段部4aは、ハブ輪4のインナー側端部に形成されている。車輪取り付けフランジ4bは、車輪を取り付けるために、ハブ輪4のアウター側端部にハブ輪4と一体的に形成されている。内側転走面4cは、ハブ輪4のアウター側の外周面に、周方向に沿って環状に形成されている。ハブボルト4dは、車輪取り付けフランジ4bの周方向の等配位置に設けられている。
内輪5は、ハブ輪4のインナー側端部の小径段部4aに圧入されている。内輪5は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。内輪5は、圧入により所定の予圧が付与された状態でハブ輪4のインナー側端部に一体的に固定されている。
内輪5の外周面には、周方向に沿って環状の内側転走面5aが形成されている。つまり、ハブ輪4のインナー側には、内輪5によって内側転走面5aが構成されている。ハブ輪4は、インナー側の小径段部4aからアウター側の車輪取り付けフランジシール摺動面4eまでを高周波熱処理により表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、ハブ輪4は、車輪取り付けフランジ4bに付加される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪4の耐久性が向上する。
ハブ輪4及び内輪5では、インナー側端部の内輪5に形成されている内側転走面5aが外方部材2のインナー側の外側転走面2cに対向し、アウター側に形成されている内側転走面4cが外方部材2のアウター側の外側転走面2dに対向するように配置されている。
インナーボール列6a及びアウターボール列6bは、ハブ輪4を回転自在に支持するものである。インナーボール列6a及びアウターボール列6bは、転動体である複数のボールが保持器によって環状に保持されている。インナーボール列6a及びアウターボール列6bは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
アウターボール列6bは、ピッチ円直径がインナーボール列6aと同等もしくは大きくなるように構成されている。インナーボール列6aは、内輪5に形成されている内側転走面5aと、内側転走面5aに対向している外方部材2のインナー側の外側転走面2cと、の間に転動自在に挟まれている。
アウターボール列6bは、ハブ輪4に形成されている内側転走面4cと、内側転走面4cに対向している外方部材2のアウター側の外側転走面2dと、の間に転動自在に挟まれている。つまり、インナーボール列6aとアウターボール列6bとは、外方部材2に対してハブ輪4と内輪5とを回転自在に支持している。
また、本実施形態の車輪用軸受装置1は、外方部材2と、ハブ輪4と、内輪5と、インナーボール列6aと、アウターボール列6bと、を備える複列アンギュラ玉軸受として構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。
本実施形態では、車輪用軸受装置1は、ハブ輪4の外周にインナーボール列6aの内側転走面4cが形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置1として構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、ハブ輪4に一対の内輪5が圧入固定された第2世代構造、又は、ハブ輪4を備えずに外方部材2である外輪と内方部材である内輪5とから構成される第1世代構造であっても良い。
インナーシール部材10は、外方部材2と内方部材3とのインナー側の環状空間をシールするものである。より具体的には、インナーシール部材10は、外方部材2のインナー側開口部2aと内輪5との隙間を塞ぐものである。インナーシール部材10は、略円筒状のシール板8と、略円筒状のスリンガ9と、を備えている。インナーシール部材10について、詳しくは後述する。
アウターシール部材7は、外方部材2と内方部材3とのアウター側の環状空間をシールするものである。より具体的には、アウターシール部材7は、外方部材2のアウター側開口部2bとハブ輪4との隙間を塞ぐものである。アウターシール部材7は、略円筒状の芯金にシールリップが加硫接着された一体型のシールとして構成されている。
芯金は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、或いは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)から構成されている。芯金は、プレス加工によって、円環状の鋼板の外縁部が屈曲されることによって、軸方向断面視で略L字状に形成されている。
シールリップは、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性及び耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、又はシリコンゴム等の合成ゴムから構成されている。
アウターシール部材7では、芯金が外方部材2のアウター側開口部2bに嵌合されている。アウターシール部材7は、シールリップがハブ輪4の車輪取り付けフランジシール摺動面4eに接触するように配置されている。アウターシール部材7は、シールリップが油膜を介してハブ輪4の車輪取り付けフランジシール摺動面4eと接触することで車輪取り付けフランジシール摺動面4eに対して摺動可能に構成されている。これにより、アウターシール部材7のシールリップは、外方部材2のアウター側開口部2bからの潤滑グリースの漏れおよび外部からの雨水や粉塵等の浸入を防止する。
車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3(ハブ輪4及び内輪5)と、インナーボール列6aと、アウターボール列6bと、を備えることによって複列アンギュラ玉軸受として構成されている。ハブ輪4及び内輪5は、インナーボール列6aとアウターボール列6bとを介して外方部材2に回転自在に支持されている。
車輪用軸受装置1では、外方部材2のインナー側開口部2aと内輪5との隙間がインナーシール部材10で塞がれ、外方部材2のアウター側開口部2bとハブ輪4との隙間をアウターシール部材7で塞がれている。このような構成とすることで、車輪用軸受装置1では、内部からの潤滑グリースの漏れ、並びに、外部からの雨水や粉塵の浸入を防止しつつ、外方部材2に支持されているハブ輪4と内輪5とが回転する。
図3を用いて、シール部材としてのインナーシール部材10の構成について説明する。
図3は、インナーシール部材10の構成について図2を拡大した断面図によって表している。
インナーシール部材10は、シール板11と、スリンガ12と、を備えている。シール板11は、芯金を備えている。芯金は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、或いは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)から構成されている。
芯金は、プレス加工によって、円環状の鋼板の外縁部が屈曲され、軸方向断面視で略L字状に形成されている。芯金は、円筒状のシール板嵌合部11aと、シール板嵌合部11aの端部から軸心に向かって延びる円環状のリップ支持部11bと、を備えている。
シール板嵌合部11aの嵌合面には、シール材が加硫接着されている。リップ支持部11bのインナー側面には、ラジアルリップ11cと、内側アキシアルリップ11dと、外側アキシアルリップ11eと、が一体に加硫接着されている。
ラジアルリップ11c、内側アキシアルリップ11d及び外側アキシアルリップ11eは、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、或いはシリコンゴム等の合成ゴムから構成されている。
シール板11は、シール板嵌合部11aが外方部材2のインナー側開口部2aに嵌合されて外方部材2と一体的に構成されている。シール板11は、リップ支持部11bのインナー側面が外方部材2の外側を向くように配置されている。
スリンガ12は、シール板11と同等の鋼板から構成されている。スリンガ12は、プレス加工によって、円環状の鋼板の外縁部と内縁部とが屈曲され、軸方向断面視で略U字状に形成されている。
スリンガ12には、ラジアルリップ接触部12aと、第一壁部としてのアキシアルリップ接触部12bと、第二壁部としてのカバー部12cと、が形成されている。ラジアルリップ接触部12aは、円筒状に形成されている。アキシアルリップ接触部12bは、円環状に形成され、ラジアルリップ接触部12aの端部から径方向外方に向かって延出されている。カバー部12cは、アキシアルリップ接触部12bの外縁部から軸方向に沿うように延出されている。
スリンガ12は、ラジアルリップ接触部12aが内輪5に嵌合されている。スリンガ12は、シール板11よりも外方部材2のアウター側に設けられている。スリンガ12は、軸方向断面視で略U字状に形成されている。スリンガ12は、スリンガ12の開口側が外方部材2の内側に向くように、かつ、アキシアルリップ接触部12bとシール板11のリップ支持部11bのインナー側面および外方部材2のインナー側端面とが対向するように配置されている。
スリンガ12は、カバー部12cの内周面が外方部材2のインナー側端部の外周面と対向するように配置されている。スリンガ12のカバー部12cは、外方部材2の排水用の外溝2fを覆っている。スリンガ12のアキシアルリップ接触部12bは、外方部材2のインナー側端面を覆っている。スリンガ12のアキシアルリップ接触部12bには、エンコーダを構成する着磁体13が設けられている。
インナーシール部材10では、ラビリンスシールとして、第一通路L1と、第二通路L2とが形成されている。具体的には、第一通路L1は、第一壁部としてのアキシアルリップ接触部12bと、外方部材2のインナー側端面との間に所定の隙間を設けることによって形成されている。第二通路L2は、第一壁部としてのカバー部12cと、外方部材2の外周面との間に所定の隙間を設けることによって形成されている。
このように、インナーシール部材10は、外方部材2のインナー側開口部2aに嵌合されたシール板11と内輪5に嵌合されたスリンガ12とが対向するように配置されている。インナーシール部材10は、シール板11のラジアルリップ11cが油膜を介してスリンガ12のラジアルリップ接触部12aに接触し、シール板11の内側アキシアルリップ11dが油膜を介してスリンガ12のアキシアルリップ接触部12bに接触している。
一方、シール板11の外側アキシアルリップ11eは、スリンガ12のアキシアルリップ接触部12bに接触していない。インナーシール部材10は、シール板11のラジアルリップ11cと内側アキシアルリップ11dとが油膜を介してスリンガ12に接触することでスリンガ12に対して摺動可能に構成されている。このようにして、インナーシール部材10は、外方部材2のインナー側開口部2aからの潤滑グリースの漏れ、或いは、外部からの雨水や粉塵の浸入を防止することができる。
図4を用いて、第一実施形態の溝部21について説明する。
図4(a)は、溝部21について図3をさらに拡大した断面図によって表している。図4(b)は、図4(a)の矢視B1を表している。
溝部21は、本発明の凹凸部の第一実施形態である。溝部21は、第一壁部としてのアキシアルリップ接触部12bの、外方部材2のインナー側端面と対向する側に形成されている。言い換えれば、溝部21は、第一通路L1のインナー側に形成されている。
具体的には、溝部21は、アキシアルリップ接触部12bにおいて、内方部材3の軸に対し放射状に形成されている。複数の溝部21は、互いに所定間隔を設けて形成されている。溝部21の形状は、断面視にて凹形状とされているが、U字形状であっても良い。
溝部21の作用について説明する。
例えば、第一通路L1に泥水又は粉塵が浸入した場合には、浸入した泥水又は粉塵がアキシアルリップ接触部12bに接触し、接触した泥水又は粉塵が溝部21に引っかかり、泥水又は粉塵の浸入が溝部21によって阻止されることになる。このとき、アキシアルリップ接触部12bは高速で回転しているため、溝部21に引っかかっている泥水又は粉塵には遠心力によって内方部材3の軸に対し外向きの力が作用し、溝部21に引っかかっている泥水又は粉塵が第一通路L1の外側に掃き出されることになる。
溝部21の効果について説明する。
溝部21が泥水又は粉塵を掃出すことによって、泥水又は粉塵が第一通路L1に浸入することを防止できる。
図5を用いて、第二実施形態の溝部22について説明する。
図5(a)は、溝部22について図3をさらに拡大した断面図によって表している。図5(b)は、図5(a)の矢視B2を表している。
溝部22は、本発明の凹凸部の第二実施形態である。溝部22は、第一壁部としてのアキシアルリップ接触部12bの、外方部材2のインナー側端面と対向する側に形成されている。言い換えれば、溝部22は、第一通路L1のインナー側に形成されている。
具体的には、溝部22は、アキシアルリップ接触部12bにおいて、内方部材3の軸からの放射線に対し所定角度だけ傾斜して形成されている。複数の溝部22は、互いに所定間隔を設けて形成されている。本実施形態は、内方部材3の軸からの放射線に対し15°だけ傾斜しているが、これに限定されず、5°〜45°の範囲であれば良い。溝部22の形状は、断面視にて凹形状とされているが、U字形状であっても良い。溝部23の傾斜は、車両の左右輪において、溝部23の外周側が回転方向の後方に向かうように形成されるものとする。
溝部22の作用及び効果は、溝部21と同様であるため説明を省略する。
図6を用いて、第三実施形態の溝部23について説明する。
図6(a)は、溝部23について図3をさらに拡大した断面図によって表している。図6(b)は、図6(a)の矢視B3を表している。
溝部23は、本発明の凹凸部の第三実施形態である。なお、本実施形態は、第一実施形態の溝部21又は第二実施形態の溝部22が形成されている前提とされている。溝部23は、外方部材2のインナー側端面の第一壁部としてのアキシアルリップ接触部12bと対向する側に形成されている。言い換えれば、溝部23は、第一通路L1のアウター側に形成されている。
具体的には、溝部23は、外方部材2のインナー側端面において、内方部材3の軸に対し放射状に形成されている。複数の溝部23は、互いに所定間隔を設けて形成されている。溝部23の形状は、断面視にて凹形状とされているが、U字形状であっても良い。また、溝部23は、溝部22のように、内方部材3の軸からの放射線に対し所定角度だけ傾斜して所定間隔に形成されていても良い。また、溝部23は、外方部材2の外周面の第二壁部としてのカバー部12cと対向する側に形成されていても良い。
なお、溝部23は、外方部材2のインナー側端面、或いは、外周面を製作する際に、旋盤目を粗くして表面加工することによって形成されていても良い。
溝部23の効果は、溝部21又は溝部22の効果を向上させるものであるため、説明を省略する。
図7を用いて、第四実施形態の溝部24について説明する。
図7(a)は、溝部24について図3をさらに拡大した断面図によって表している。図7(b)は、図7(a)の矢視B4を表している。
溝部24は、本発明の凹凸部の第四実施形態である。溝部24は、第二壁部としてのカバー部12cの、外方部材2の外周面と対向する側に形成されている。言い換えれば、溝部25は、第二通路L2の軸方向の外周側に形成されている。
具体的には、溝部24は、カバー部12cにおいて、内方部材3の軸に対し平行に形成されている。複数の溝部24は、互いに所定間隔を設けて形成されている。溝部24の形状は、断面視にて凹形状とされているが、U字形状であっても良い。
溝部24の作用について説明する。
例えば、第二通路L2に泥水又は粉塵が浸入した場合には、浸入した泥水又は粉塵がカバー部12cに接触し、接触した泥水又は粉塵が溝部24に引っかかり、泥水又は粉塵の浸入が溝部24によって阻止されることになる。このとき、カバー部12cは高速で回転しているため、溝部24に引っかかっている泥水又は粉塵が第二通路L2の外側に掃き出されることになる。
溝部24の効果について説明する。
溝部24が泥水又は粉塵を掃出すことによって、第二通路L2に泥水又は粉塵が浸入することを防止できる。
図8を用いて、第五実施形態の溝部25について説明する。
図8(a)は、溝部25について図3をさらに拡大した断面図によって表している。図8(b)は、図8(a)の矢視B5を表している。
溝部25は、本発明の凹凸部の第五実施形態である。溝部25は、第二壁部としてのカバー部12cの外方部材2の外周面と対向する側に形成されている。言い換えれば、溝部25は、第二通路L2の軸方向の外周側に形成されている。
具体的には、溝部25は、カバー部12cにおいて、内方部材3の軸に対し、らせん状に形成されている。溝部25の、らせんの向きは、内方部材3の軸に対しアウター側へ向かっている。複数の溝部25は、互いに所定間隔を設けて形成されている。溝部25の形状は、断面視にて凹形状とされているが、U字形状であっても良い。
溝部25の作用について説明する。
例えば、第一通路L1に泥水又は粉塵が浸入した場合には、浸入した泥水又は粉塵がカバー部12cに接触し、接触した泥水又は粉塵が溝部25に引っかかり、泥水又は粉塵の浸入が溝部25によって阻止されることになる。このとき、カバー部12cは高速で回転しているため、溝部25に引っかかっている泥水又は粉塵が第二通路L2の外側に向かってらせん状に掃き出されることになる。
溝部25の効果については、溝部24と同様であるため説明を省略する。
以上、第一実施形態〜第五実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されない。本発明は、例えば、これらの幾つかを組み合わせたものであっても良い。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2a インナー側開口部
3 内方部材
4 ハブ輪
6a インナーボール列
6b アウターボール列
7 アウターシール部材
10 インナーシール部材(シール部材)
11 シール板
12 スリンガ
12b ラジアルリップ接触部(第一壁部)
12c カバー部(第二壁部)
21 溝部

Claims (4)

  1. 車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置であって、
    内周側に外側転走面が形成される外方部材と、
    外周側に内側転走面が形成されるとともに前記外方部材に内挿される内方部材と、
    前記外側転走面と前記内側転走面との間にて転動自在に介される転動体と、
    前記車輪用軸受装置の内側の、前記外方部材と前記内方部材との環状空間をシールするシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材は、前記外方部材の開口部に嵌合されるシール板と、前記シール板に対向するとともに前記内方部材の外周部に嵌合されるスリンガと、を備え、
    前記スリンガは、前記外方部材の開口端面と隙間を設けて配置される第一壁部と、前記外方部材の外周面と隙間を設けて配置される第二壁部と、を備え、
    前記第一壁部の前記開口端面と対向する側と、前記第二壁部の前記外周面と対向する側と、のうち少なくとも一方には、凹凸部が形成される、
    車輪用軸受装置。
  2. 請求項1に記載の車輪用軸受装置であって、
    前記開口端面の前記第一壁部と対向する側と、前記外周面の前記第二壁部と対向する側と、のうち少なくとも一方には、凹凸部が形成される、
    車輪用軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車輪用軸受装置であって、
    前記第一壁部に形成される凹凸部は、前記内方部材の軸から放射状に形成される溝、又は、前記内方部材の軸からの放射線に対し所定角度だけ傾斜して形成される溝とされる、
    車輪用軸受装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置であって、
    前記第二壁部に形成される凹凸部は、前記内方部材の軸に対し平行に形成される溝、又は、前記内方部材の軸に対し、らせん状に形成される溝とされる、
    車輪用軸受装置。
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