JP2017167111A - 漏水発生位置検出方式 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮水シートの複数箇所に漏水が発生しているような場合であっても、漏水箇所を分離して検出することができる漏水発生位置検出方式を提供する。【解決手段】交流電源15と、電流測定回路16とを用意し、前記交流電源の一端側に第1の電極11を接続する。第2の線状電極群を構成する複数の第1方向線状電極のうちの1本を選択し、前記電流測定回路による電流測定を、すべての第1方向線状電極について行う。少なくとも1本の第1方向線状電極について電流値の増加が検出されると、前記複数の第2方向線状電極のうちの1本を選択し、前記交流電源の他端側に接続して前記電流測定回路による電流測定を、すべての第2方向線状電極について行い、前記電流測定回路の測定結果に基づいて前記遮水シートの漏水発生位置を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂または合成ゴムシート或はアスファルトなどの遮水シートを敷設して造成された管理型最終処分場における漏水発生位置検出方式に関する。
従来、造成した窪地に遮水シートを敷設して造られた人工的な管理型最終処分場においては、廃棄物の搬入後、地中において遮水シートに亀裂などの破損が生じて処分場内の廃水が漏水することは望ましくない。漏水が発生すると、漏水に汚染物質が含まれている場合には地下水汚染の原因となるおそれがあるため、管理型最終処分場では定期的に遮水シートの点検が行われている。遮水シートの点検作業の一つに漏水の発生及びその位置を電気的に検出する作業がある。この点検作業において、漏水の発生及び位置が検出された場合には処分場の該当場所を掘り起こし、遮水シートに対して適切な補修を行うようにしている。
このような遮水シートの漏水発生位置検出方法として、様々な方法が知られている。従来方法の第1の例は、漏水発生位置検出方式として特許文献1の図3に記載されており、図6を参照して説明する。
図6において、第1の例による漏水発生位置検出方式は、遮水シート100を敷設して造成された管理型最終処分場に適用される。本例では、遮水シート100の上側に複数(ここでは5本)の上側線状電極A1〜A5が平行に並べて配置され、遮水シート100の下側には複数の上側線状電極A1〜A5と交差するように複数(ここでは5本)の下側線状電極B1〜B5が平行に並べて配置されている。
上側線状電極A1〜A5の一端側には上側電極切換器110が接続され、他端側は開放状態とされる。下側線状電極B1〜B5の一端側には下側電極切換器120が接続され、他端側は開放状態とされる。
上側電極切換器110は、上側線状電極A1〜A5のうちの1本を選択して交流電源130の一端側に接続する。下側電極切換器120は、下側線状電極B1〜B5のうちの1本を選択して電流測定回路140を経由して交流電源130の他端側に接続する。
交流電源130の一端側と電流測定回路140の出力には同期検波回路150を接続して出力を取り出す。
第1の例による漏水発生位置検出方式においては、上側電極切換器110で選択した1本の上側線状電極(図6ではA3)と下側電極切換器120で選択した1本の下側線状電極(図6ではB4)との間に交流電源130による交流電圧を印加し、上下の電極間に流れる電流を電流測定回路140で測定する。この電流測定を、上側電極切換器110で選択する上側線状電極と下側電極切換器120で選択する下側線状電極を1本ずつ順次切換えながら行う。そして、電流測定回路140の出力に対し、同期検波回路150により印加電圧の位相で同期検波を行う。同期検波において、印加電圧と同じ位相の電流が上昇すれば、その時の上側線状電極と下側線状電極の組合せ交点付近に漏水発生ありと判定する。
従来方法の第2の例は、漏水発生位置検出方式として特許文献1の図2に記載されており、図7を参照して説明する。
図7において、第2の例による漏水発生位置検出方式は、遮水シート200を敷設して造成された管理型最終処分場に適用される。本例では、遮水シート200の上下どちらか一方の側に板あるいは棒状の第1の電極210を設置し、遮水シート200の上下の他方の側には、格子状の第2の線状電極群220を設置している。第2の線状電極群220は、複数(ここでは5本)の第1方向線状電極A1〜A5と複数(ここでは5本)の第2方向線状電極B1〜B5を格子状になるように配置すると共に、それらの交点部分には絶縁処理を施して成る。
第1の電極210は、交流電源230の一端側に接続される。第1方向線状電極A1〜A5及び第2方向線状電極B1〜B5の一端側には電極切換器240が接続され、他端側は開放状態とされる。
電極切換器240は、本例では、複数の第1方向線状電極A1〜A5又は複数の第2方向線状電極B1〜B5のうちの1本を選択して電流測定回路250を経由して交流電源230の他端側に接続し、選択された1本以外の第1方向線状電極及び第2方向線状電極をすべて交流電源230の他端側に接続する機能を持つ。
交流電源230の一端側と電流測定回路250の出力には同期検波回路260を接続して出力を取り出す。
第2の例による漏水発生位置検出方式においては、第1の電極210と格子状の第2の線状電極群220の間に交流電源230による交流電圧を印加し、電極切換器240で選択した1本の第1方向線状電極(図7ではA4)に流れる電流を電流測定回路250で測定する。この電流測定を、電極切換器240で第1方向線状電極A1〜A5を順次1本ずつ選択しながら行う。第1方向線状電極A1〜A5について電流測定が終了したら、電極切換器240で第2方向線状電極B1〜B5を順次1本ずつ選択しながら電流測定を行う。そして、電流測定回路250の出力に対し、同期検波回路260により印加電圧の位相で同期検波を行う。同期検波において、印加電圧と同じ位相の電流が上昇すれば、その時の第1方向線状電極と第2方向線状電極の組合せ交点付近に漏水発生ありと判定する。
特開平11−248590号公報
上記第1の例による漏水発生位置検出方式では、遮水シート上下の電極交点毎に電極交点全てについて測定を必要とするため、測定時間が長くなるという欠点があった。
一方、上記第2の例による漏水発生位置検出方式では、遮水シートの漏水箇所のインピーダンスを通じて格子状の第2の線状電極群における1本の線状電極に生じる電流差を測定している。この漏水発生位置検出方式では、後述するように、遮水シートに複数の漏水を生じている場合、それらの漏水箇所を正確に分離して検出することができないという欠点があった。つまり、この漏水発生位置検出方式では、遮水シートに複数の漏水が発生している場合には、ゴーストが発生して漏水位置の候補が増加することから、他の測定手段を用いた測定結果を併用して複数の漏水位置を分離する作業を必要とする欠点があった。
本発明は、上記の欠点を解消すべくなされたものであり、遮水シートの複数箇所に漏水が発生しているような場合であっても、漏水箇所の分離のみならず破損の程度、つまり漏水の程度をも検出することができる漏水発生位置検出方式を提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、遮水シートの上下の一方の側に設けられた少なくも一つの第1の電極と、互いに平行に第1の方向に延びるN本(Nは2以上の整数)の第1方向線状電極と、互いに平行に前記第1の方向に直交する第2の方向に延びるM本(Mは2以上の整数)の第2方向線状電極とを有し、前記第1方向線状電極と前記第2方向線状電極との交点を絶縁して前記遮水シートの上下の他方の側に配置してなる格子状の第2の線状電極群と、を用いて前記遮水シートにおける漏水発生位置を検出する漏水発生位置検出方式であって、前記第1の電極と前記第2の線状電極群の間に電圧を印加するための電源と、電流測定回路と、を用意し、前記電源の一端側に前記第1の電極を接続し、前記M本の第2方向線状電極をすべて開放した状態にて前記N本の第1方向線状電極のうちの1本を選択して前記電流測定回路を経由して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第1方向線状電極を前記電源の他端側に接続して前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第1方向線状電極について行い、少なくとも1本の前記第1方向線状電極について電流値の増加が検出された場合には、前記少なくとも1本の第1方向線状電極を前記電流測定回路に接続した状態にて前記M本の第2方向線状電極のうちの少なくとも1本を選択して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第2方向線状電極は開放として前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第2方向線状電極について行い、前記電流測定回路の測定結果に基づいて前記遮水シートの漏水発生位置を判定することを特徴とする漏水発生位置検出方式が提供される。
本発明によれば、遮水シートに複数の漏水が発生しているような場合であっても複数の漏水箇所を効果的に分離識別することが可能となることから、漏水発生位置を早期に正確に検出できる。また、遮水シートの上下いずれか一方に配置した格子状の線状電極群の電極交点全てについて測定を行う必要が無いことから、測定時間が短くなるという効果がある。
本発明による漏水発生位置検出方式の第1の実施形態を説明するための図である。 第1の実施形態の漏水発生位置検出方式により複数箇所の漏水を検出する場合について説明するための図である。 本発明による漏水発生位置検出方式の第2の実施形態を説明するための図である。 本発明による漏水発生位置検出方式の第3の実施形態を説明するための図である。 図1に示された2つの電極切換器を単体で実現する場合の一例を示す図である。 従来の漏水発生位置検出方式の第1の例を説明するための図である。 従来の漏水発生位置検出方式の第2の例を説明するための図である。
図1〜図5を参照して、本発明による漏水発生位置検出方式とこれに用いられる遮水シート検査装置をいくつかの実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。本実施形態では、管理型最終処分場に敷設された遮水シート10の上側に板状あるいは棒状の第1の電極11を配置し、遮水シート10の下側には交点部分を絶縁処理した格子状の第2の線状電極群12を配置している。第2の線状電極群12は、互いに平行に第1の方向に延びるN(ここでは5)本の第1方向線状電極A1〜A5と、互いに平行に第1の方向に直交する第2の方向に延びるM(ここでは5)本の第2方向線状電極B1〜B5とを有する。第1の電極11と第2の線状電極群12の位置関係は逆、すなわち第1の電極11を遮水シート10の下側、第2の線状電極群12を遮水シート10の上側にそれぞれ配置しても良い。また、第1方向線状電極の本数Nと、第2方向線状電極の本数Mは、それぞれ2以上の整数であれば良く、N=Mが望ましいが、これに限定されない。
これらの第1の電極11及び第2の線状電極群12の設置は、通常、遮水シート10の敷設工事と共に行われる。第1の電極11及び第2の線状電極群12の一端側は絶縁ケーブルによりまとめて1箇所に導出し、後述する遮水シート検査装置との電気的接続が容易になるようにすることが望ましい。
本実施形態では、遮水シート検査装置は、第1電極切換器13、第2電極切換器14、交流電源15、及び電流測定回路16を備える。これらは、可搬型の筐体内に収容され、遮水シート10の点検作業に際して作業現場に搬入される。
第1の電極11は、交流電源15の一端側に接続される。第1方向線状電極A1〜A5の一端側には第1電極切換器13が接続され、他端側は開放状態とされる。第2方向線状電極B1〜B5の一端側には第2電極切換器14が接続され、他端側は開放状態とされる。このため、遮水シート検査装置には、第1の電極11に接続するための1つの外部接続用端子と、第1電極切換器13を第1方向線状電極A1〜A5に接続するための5つの外部接続用端子と、第2電極切換器14を第2方向線状電極B1〜B5に接続するための5つの外部接続用端子と、を備えることが望ましい。
第1電極切換器13は第1方向線状電極A1〜A5の本数に対応する5個の切換器を有し、第1方向線状電極A1〜A5の一端側の一つを電流測定回路16経由で交流電源15の他端側に接続し、残りの第1方向線状電極A1〜A5の一端側をそのまま交流電源15の他端側に接続することができる切換機能を持つ。この切換機能により、選択された第1方向線状電極に流れる電流を電流測定回路16によって測定することができる。
第2電極切換器14は第2方向線状電極B1〜B5の本数に対応する5個の切換器を有し、第2方向線状電極B1〜B5の一端側のすべてを開放とするか、あるいは第2方向線状電極B1〜B5の一端側の一つを交流電源15の他端側に接続すると共に、残りの第2方向線状電極B1〜B5の一端側を開放とすることができる切換機能を持つ。換言すれば、後述するように、第2電極切換器14は、第1電極切換器13において第1方向線状電極A1〜A5の切換えを行いながら電流測定回路16により電流測定を行っている間は、第2方向線状電極B1〜B5の一端側のすべてを開放状態とする。図1は第1方向線状電極A3が電流測定回路16に接続され、第2方向線状電極B1〜B5がすべて開放されている状態を示している。
図1はまた、第1方向線状電極A3と第2方向線状電極B3の交点付近に遮水シート10の破損(孔)による漏水が生じていることを示している。
以上のような構成において、第1電極切換器13により電流測定回路16に接続する第1方向線状電極を1本ずつ順に切換えてゆくと、第1の電極11からの電流は漏水箇所にもっとも近い第1方向線状電極A3に多く流れ込むことから、電流測定回路16の測定結果、つまり電流値の増加により、遮水シート10の破損による漏水が第1方向線状電極A3の近傍にあると判定できる。以上の検出動作を第1ステップの検出動作と呼ぶこととする。
次に、第1電極切換器13による電極切換えを、電流値の増加を示した第1方向線状電極A3に固定した状態で、第2電極切換器14により交流電源15の他端側に接続する第2方向線状電極を1本ずつ順に切換えながら第1方向線状電極A3に流れる電流値を電流測定回路16で測定する。以上の検出動作を第2ステップの検出動作と呼ぶこととする。
第2ステップの検出動作においては、第1の電極11からの電流は、漏水箇所にもっとも近い第2方向線状電極B3にも多く流れ込むことから第1方向線状電極A3に流れ込む電流値は相対的に降下する現象が発生する。これにより遮水シート10の破損による漏水が第2方向線状電極B3の近傍にあると判定できる。
以上の第1ステップの検出動作の判定結果と、第2ステップの検出動作の判定結果に基づいて、遮水シート10の損傷による漏水は第1方向線状電極A3と第2方向線状電極B3の交点付近に存在すると判定することができる。
なお、第1ステップの検出動作における電流値の増加量、第2ステップの検出動作における電流値の減少量を知ることで、漏水の程度を遮水シートの破損の程度(孔の大きさ)として把握することができる。
ここで、図1では、図面の横方向を第1方向、図面の縦方向を第2方向と呼んでいるが、縦方向を第1方向、横方向を第2方向と呼んでも良い。言い換えれば、格子状の第2の線状電極群12は、第1方向と第2方向を入れ換えても同様の効果が得られる。すなわち、第1電極切換器13と電流測定回路16の組み合わせを第2方向線状電極B1〜B5に接続し、第2電極切換器14を第1方向線状電極A1〜A5に接続しても良い。このように接続を切換えたうえで、上記と同じ第1ステップの検出動作及び第2ステップの検出動作を行うことにより、漏水発生位置の検出精度を向上させることができる。特に、前述の外部接続用端子を備えた遮水シート検査装置を用いることにより、このような接続の切換えは、遮水シート検査装置の外部接続端子への接続を切換えるだけで容易に実現することができる。
なお、本実施形態では電流測定回路16として交流電流計を用いるが、交流電源15に代えて直流電源を用いることができる。この場合、電流測定回路16には直流電流計を用いることは言うまでもない。前述したように、第1の電極11と格子状の第2の線状電極群12の配置については遮水シート10の上下関係はどちらの配置であっても同様の効果を示す。また、遮水シートは二重構造の場合もある。この場合には、二重構造の遮水シートの中間層に格子状の第2の線状電極群を配置し、上側遮水シートの上側と下側遮水シートの下側にそれぞれ第1の電極を配置することで、二重構造の遮水シートの上側遮水シートと下側遮水シートにおける漏水発生位置を検出することができる。
図2は図1で説明した構成を用いて遮水シートに発生した複数箇所(ここでは2箇所)の漏水を検出する場合について説明するための図である。
図2において、遮水シート10の上下の電極配置及び遮水シート検査装置は図1に示された構成と同様である。遮水シート10には2箇所の損傷(孔)による漏水が生じているものとする。この場合、図7で説明した漏水発生位置検出方式では、第1方向線状電極A2と第2方向線状電極B2の交点付近、第1方向線状電極A2と第2方向線状電極B4の交点付近、第1方向線状電極A5と第2方向線状電極B2の交点付近、及び第1方向線状電極A5と第2方向線状電極B4の交点付近に、合計4箇所の損傷による漏水が検出される結果となる。しかし、第1方向線状電極A2と第2方向線状電極B2の交点付近及び第1方向線状電極A5と第2方向線状電極B4の交点付近で検出される漏水は実際に漏水を生じている箇所ではなく、ゴーストと呼ばれる。
これに対し、本実施形態では、第1ステップの検出動作において第1方向線状電極A2と第1方向線状電極A5の近傍に漏水があるものと判定する。続く第2ステップの検出動作においては、第1電極切換器13により第1方向線状電極A2を電流測定回路16に接続を固定した状態で、第2電極切換器14によって第2方向線状電極B2を交流電源15の他端側に接続しても、電流測定回路16における電流値の降下は生じない。同様に、第1電極切換器13により第1方向線状電極A5を電流測定回路16に接続を固定した状態で、第2電極切換器14によって第2方向線状電極B4を交流電源15の他端側に接続しても、電流測定回路16における電流値の降下は生じない。
一方、第1電極切換器13により第1方向線状電極A2を電流測定回路16に接続を固定した状態で、第2電極切換器14によって第2方向線状電極B4を交流電源15の他端側に接続すると、第1の実施形態で説明した理由により、電流測定回路16における電流値の降下が生じる。同様に、第1電極切換器13により第1方向線状電極A5を電流測定回路16に接続を固定した状態で、第2電極切換器14によって第2方向線状電極B2を交流電源15の他端側に接続すると、電流測定回路16における電流値の降下が生じる。これにより、遮水シート10の損傷(孔)による漏水は第1方向線状電極A2と第2方向線状電極B4の交点付近及び第1方向線状電極A5と第2方向線状電極B2の交点付近の2箇所に存在すると判定することができる。
図3は本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。図3において、図1で説明した第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、同じ構成要素についての説明は省略する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、交流電源15の一端側と電流測定回路16の出力に同期検波回路18を接続し、電流測定回路16の出力を交流電源15の位相で同期検波することで印加電圧に同期した電流値を測定する構成とした点にある。このような第2の実施形態によれば、遮水シート10の容量成分を流れる電流の影響を同期検波によって除去することができるという効果を奏する。
図4は本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。図4において、図3で説明した第2の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、同じ構成要素についての説明は省略する。本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、遮水シート検査装置がさらに、第1電極切換器13と第2電極切換器14における5個の切換器の切換制御を実行する切換制御部19と、同期検波回路18の出力を処理して遮水シート10における漏水発生箇所の判定を行う処理部20と、処理部20の処理結果を表示する表示部21とを備える点にある。
切換制御部19は、第1電極切換器13と第2電極切換器14におけるあらかじめ定められた切換制御動作を実行するためのプログラムを記憶したメモリと、このメモリからプログラムを読み出して切換制御動作を実行するCPU(Central Processing Unit)とを含む。
第1電極切換器13と第2電極切換器14における切換制御動作に伴って同期検波回路18から出力される信号はディジタル信号に変換したうえで処理部20に送られる。処理部20はPC(Personal Computor)、特に可搬型のPCでも実現することができる。
図1と同様、第1方向線状電極A3と第2方向線状電極B3の交点近くに遮水シート10の損傷(孔)による漏水が発生していると仮定して説明する。
処理部20は、図1で説明した第1ステップの検出動作において同期検波回路18を通して得られる信号から、第1方向線状電極A3を通して得られる電流値が所定の第1の閾値を超えることを判定し、これを記憶する。
処理部20は次に、図1で説明した第2ステップの検出動作において同期検波回路18を通して得られる信号から、第2方向線状電極B3を通して得られる電流値が所定の第2の閾値を超えて降下することを判定し、これを記憶する。
処理部20は続いて、上記記憶結果を基に、遮水シート10の損傷による漏水が第1方向線状電極A3と第2方向線状電極B3の交点付近に存在すると判定し、判定結果を表示部21に表示させる。表示部21では、遮水シート10における漏水発生位置を座標にて表示するが、それだけでなく、例えば格子状の第2の線状電極群12の平面図を表示したうえで、漏水発生位置を重ねて表示するようにしても良い。
なお、第1の実施形態において説明した様々な変更の形態は、第2、第3の実施形態にも適用されることは言うまでもない。
図5は第1〜第3の実施形態で用いた第1電極切換器13と第2電極切換器14を単体の電極切換器として実現した場合の構成の一例を示す。ここでは、説明を簡単にするために、第1方向線状電極がA1、A2、A3の3本であり、第2方向線状電極もB1、B2、B3の3本である場合について説明する。
図5において、電極切換器30は、3本(N=3)の第1方向線状電極A1〜A3と3本(M=3)の第2方向線状電極B1〜B3をそれぞれ、開放用端子31−1と接続用端子31−2の一方に接続する6(N+M=6)個の切換器31から成る第1段電極切換部と、6(N+M=6)個の接続用端子31−2をそれぞれ、電流測定回路16に接続された電流測定用端子32−1と交流電源15の他端側に接続された電源接続用端子32−2の一方に接続する6(N+M=6)個の切換器32から成る第2段電極切換部とを有している。ここで、第1段電極切換部の4番目〜6番目の切換器と、第2段電極切換部の4番目〜6番目の切換器の切換動作は、同時に切換えられることが望ましい。例えば第1段電極切換部の4番目〜6番目の切換器がそれぞれ開放用端子31−1側に切換えられると、第2段電極切換部の4番目〜6番目の切換器もそれぞれ電流測定用端子32−1に切換えられる。第1段電極切換部の4番目〜6番目の切換器がそれぞれ接続用端子31−2側に切換えられると、第2段電極切換部の4番目〜6番目の切換器もそれぞれ電源接続用端子32−2に切換えられる。これにより、例えば第1段電極切換部の5番目の切換器のみが接続用端子31−2側に切換えられると、これに対応する第2段電極切換部の5番目の切換器も電源接続用端子32−2に切換えられる。
図1の第1の実施形態、つまり第1方向線状電極A3と第2方向線状電極B3の交点付近に遮水シート10の破損(孔)による漏水が生じていると仮定して説明すると、第1ステップの検出動作においては、第1段電極切換部の1番目〜3番目の切換器31は第1方向線状電極A1〜A3をすべて接続用端子31−2に接続し、4番目〜6番目の切換器31は第2方向線状電極B1〜B3をすべて開放用端子31−1に接続する。一方、第1ステップの検出動作において、第2段電極切換部の1番目〜3番目の切換器32は1個のみが第1方向線状電極A1〜A3の1本を、接続用端子31−2を介して電流測定用端子32−1に接続し、第1方向線状電極A1〜A3の残りを、接続用端子31−2を介して電源接続用端子32−2に接続する。このようにして第1方向線状電極A1〜A3を1本ずつ順に電流測定回路16に接続して電流値を測定する。その結果、図1で説明したように、第1方向線状電極A3において所定の第1の閾値を超える電流値が検出される。
図1で説明したように、第2ステップの検出動作は、第1方向線状電極A1、A2を交流電源15の他端側に接続し、第1方向線状電極A3を電流測定回路16に接続した状態を維持したままで実行される。
第2ステップの検出動作においては、第1段電極切換部の4番目〜6番目の切換器31の1個のみが切換えられて第2方向線状電極B1〜B3の1本を接続用端子31−2に接続し、第2方向線状電極B1〜B3の残りは開放用端子31−1に接続したままとされる。これと同時に、第1段電極切換部の上記1個に対応する第2段電極切換部の1個の切換器のみを切換えて電源接続用端子32−2に接続する。第2段電極切換部の上記1個以外の切換器は電流測定用端子32−1に接続されたままである。
このようにして第2方向線状電極B1〜B3を1本ずつ順に交流電源15の他端側に接続し、その時の電流値を電流測定回路16で測定する。その結果、図1で説明したように、第2方向線状電極B3において所定の第2の閾値を超えて降下する電流値が検出される。
以上のような切換えも図4で説明した切換制御部19で実現することができることは言うまでもない。
なお、この電極切換器30は、第1の実施形態において説明した、第1電極切換器13と電流測定回路16の組み合わせを第2方向線状電極B1〜B5に接続し、第2電極切換器14を第1方向線状電極A1〜A5に接続する切換えをも実現することができる。
(実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態によれば、遮水シートの上側(又は下側)に設けられた第1の電極と、第1の方向に延びる複数の第1方向線状電極と、前記第1の方向に直交する第2の方向に延びる複数の第2方向線状電極とを有し、前記第1方向線状電極と前記第2方向線状電極との交点を絶縁して前記遮水シートの下側(又は上側)に配置してなる格子状の第2の線状電極群と、を用いて前記遮水シートにおける漏水発生位置を検出する漏水発生位置検出方式が提供される。
この漏水発生位置検出方式においては、前記第1の電極と前記第2の線状電極群の間に電圧を印加するための電源と、電流測定回路と、が用意され、前記電源の一端側に前記第1の電極を接続する。そして、前記複数の第2方向線状電極をすべて開放した状態にて前記複数の第1方向線状電極のうちの1本を選択して前記電流測定回路を経由して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第1方向線状電極を前記電源の他端側に接続して前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第1方向線状電極について行う。続いて、少なくとも1本の前記第1方向線状電極について電流値の増加が検出された場合には、前記少なくとも1本の前記第1方向線状電極を前記電流測定回路に接続した状態にて前記複数の第2方向線状電極のうちの少なくとも1本を選択して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第2方向線状電極は開放として前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第2方向線状電極について行い、前記電流測定回路の測定結果に基づいて前記遮水シートの漏水発生位置を判定する。
特に、前記複数の第1方向線状電極の電流値測定において電流値の増加を示した第1方向線状電極の電流を測定しながら前記複数の第2方向線状電極を1本ずつ順に電源の他端側に接続すると、漏水発生位置にもっとも近い第2方向線状電極を電源の他端側に接続した時に第1方向線状電極に流れる電流値は降下する。このような電流値増加特性と電流値降下特性とを併用することで、検出結果の信頼性向上を図ることができる。
加えて、上記検出動作を第1方向と第2方向とを入れ替えて同様に測定を行うことにより、精度の高い測定ができる。そして、遮水シートにおける複数の損傷(孔)による漏水を効果的に分離識別することが可能となることから漏水発生位置が早期に正確に検出でき、漏水による環境汚染の発生を最小限に抑えられる等得られる効果は大きい。
以上、本発明を複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の電極を遮水シートの上側に設置する場合には、設置場所は固定ではなく、必要に応じて処分場の様々な場所に設置することができるようにしても良い。また、複数の第1の電極をそれぞれ遮水シートの上下両側において処分場の異なる場所に設置して切換器により一つを選択できるようにしても良い。
本発明において使用される遮水シート検査装置は、図1で説明したような、遮水シートの上下の一方に第1の電極が配置され、遮水シートの上下の他方に格子状の第2の線状電極群を配置した構成を持つ処分場であれば、既設の処分場にも適用可能であることは言うまでもない。
A1〜A5 第1方向線状電極
B1〜B5 第2方向線状電極
10 遮水シート
11 第1の電極
12 格子状の第2の線状電極群
13 第1電極切換器
14 第2電極切換器
30 電極切換器
31、32 切換器
31−1 開放用端子
31−2 接続用端子
32−1 電流測定用端子
32−2 電源接続用端子

Claims (2)

  1. 遮水シートの上下の一方の側に設けられた少なくも一つの第1の電極と、
    互いに平行に第1の方向に延びるN本(Nは2以上の整数)の第1方向線状電極と、互いに平行に前記第1の方向に直交する第2の方向に延びるM本(Mは2以上の整数)の第2方向線状電極とを有し、前記第1方向線状電極と前記第2方向線状電極との交点を絶縁して前記遮水シートの上下の他方の側に配置してなる格子状の第2の線状電極群と、を用いて前記遮水シートにおける漏水発生位置を検出する漏水発生位置検出方式であって、
    前記第1の電極と前記第2の線状電極群の間に電圧を印加するための電源と、電流測定回路と、を用意し、
    前記電源の一端側に前記第1の電極を接続し、
    前記M本の第2方向線状電極をすべて開放した状態にて前記N本の第1方向線状電極のうちの1本を選択して前記電流測定回路を経由して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第1方向線状電極を前記電源の他端側に接続して前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第1方向線状電極について行い、
    少なくとも1本の前記第1方向線状電極について電流値の増加が検出された場合には、前記少なくとも1本の第1方向線状電極を前記電流測定回路に接続した状態にて前記M本の第2方向線状電極のうちの少なくとも1本を選択して前記電源の他端側に接続すると共に、選択されない前記第2方向線状電極は開放として前記電流測定回路による電流測定を、すべての前記第2方向線状電極について行い、前記電流測定回路の測定結果に基づいて前記遮水シートの漏水発生位置を判定することを特徴とする漏水発生位置検出方式。
  2. 前記電流測定回路を経由して前記電源の他端側に接続する前記N本の第1方向線状電極を1本ずつ順次切換えながら前記電流測定回路による測定を行うことにより前記N本の第1方向線状電極のうちの少なくとも1本の近傍の漏水発生を電流値の増加によって判定し、
    電流値の増加ありと判定された場合には、その時に前記電流測定回路に接続されていた前記第1方向線状電極の接続を固定した状態にて、前記電源の他端側に接続する前記M本の第2方向線状電極を1本ずつ順次切換えながら、前記電流測定回路による測定を行うことにより前記M本の第2方向線状電極のうちの少なくとも1本の近傍の漏水発生を電流値の減少により判定し、
    前記N本の第1方向線状電極近傍の漏水発生の判定結果と、前記M本の第2方向線状電極近傍の漏水発生の判定結果に基づいて、前記遮水シートの漏水発生位置を1箇所以上について判定可能とすることを特徴とする請求項1に記載の漏水発生位置検出方式。
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