JP2017169477A - 発酵乳の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
高タンパク質ヨーグルトの製法は、調乳液を発酵させた後にホエイを除去する濃縮製法と、予め乳タンパク質原料を添加して乳タンパク質濃度を高めた調乳液を発酵させるタンパク添加製法に大別される。濃縮製法は、なめらかな物性が得られやすいが濃縮設備費用が高い。タンパク添加製法では、濃縮製法より炭水化物やミネラルが豊富なヨーグルトを、より安価な設備費用で作ることが可能である。
本発明は、タンパク添加製法により高タンパク質発酵乳を製造する際に、発酵後に加熱処理を行っても、良好な風味となめらかな組織を両立できる発酵乳の製造方法を提供することを目的とする
[1]乳原料を含む調乳液に発酵菌を添加し発酵させて発酵組成物を調製し、得られた発酵組成物に対して75℃以上の加熱処理を施して発酵乳を製造する方法であって、前記発酵組成物の乳タンパク質の含有量が5.6質量%以上であり、前記発酵組成物のpHが3.3〜5.2であり、前記調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に架橋型加工デンプンを添加し、かつ前記調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に酸乳安定剤を添加することを特徴とする発酵乳の製造方法。
[2]前記加熱処理が施される発酵組成物は、前記架橋型加工デンプンを0.6質量%以上含む、[1]の発酵乳の製造方法。
[3]前記加熱処理が施される発酵組成物は、前記酸乳安定剤を0.08質量%以上含む、[1]または[2]の発酵乳の製造方法。
[4]前記酸乳安定剤が、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および大豆多糖類からなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[3]のいずれかの発酵乳の製造方法。
本明細書において、発酵乳のメジアン径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定した累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径(d50)である。
<pH>
本明細書において、pHの値は特に断りがない限り10℃での値である。
[乳原料]
乳原料は乳由来の原料であり、発酵乳の製造において用いられる公知の乳原料を用いることができる。例えば生乳、牛乳、水牛乳、やぎ乳、羊乳、馬乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、クリーム、バター、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、ミセラカゼインコンセントレート(MCC)、ミルクプロテインアイソレート(MPI)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
調乳液の乳タンパク質濃度を高めるために、乳タンパク質濃縮物(MPC)、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、ミセラカゼインコンセントレート(MCC)およびミルクプロテインアイソレート(MPI)からなる成分から選択される1種以上を、調乳液に含有させることが好ましい。
発酵菌として少なくとも乳酸菌を用いることが好ましい。2種以上の乳酸菌を組み合わせてもよい。乳酸菌以外に公知の発酵菌(例えば酵母)を併用してもよい。
発酵菌として乳酸菌スターターを用いることが好ましい。例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(L.lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)等のヨーグルト製造に通常用いられている乳酸菌スターターの1種または2種以上を用いることが好ましい。これらのスターターは市販品から入手可能である。
架橋型加工デンプンは、デンプンに化学的処理が施された加工デンプンのうち、架橋を有するものである。市販の架橋型加工デンプンを用いることができる。
加熱処理時の乳タンパク質の凝集抑制効果に優れる点で、リン酸架橋型の加工デンプンが好ましく、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンがより好ましい。ワキシーコーン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンが特に好ましい。
酸乳安定剤としては、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類等が挙げられる。大豆多糖類は大豆から得られた多糖類で、主成分はヘミセルロースである。
加熱処理時の乳タンパク質の凝集抑制効果に優れる点で、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および大豆多糖類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
調乳液には、乳原料、水、架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤以外のその他の成分を含有させてもよい。
その他の成分として、例えば、砂糖、オリゴ糖等の糖類、植物性脂肪、ゲル化剤、香料、甘味料等の発酵乳の製造において添加される公知の成分を、例えば本発明に影響を及ぼさない範囲で含有させることができる。
ゲル化剤として、例えば寒天および/またはゼラチンが挙げられる。
甘味料としては、例えばスクラロース、エリスリトール等が挙げられる。
本発明の発酵乳の製造方法は、乳原料を含む調乳液を調製する工程と、調乳液に発酵菌を添加し発酵させて発酵組成物を得る工程と、得られた発酵組成物に加熱処理を施して発酵乳を得る工程を有し、発酵組成物に対する加熱処理を、架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤の存在下で行う。
架橋型加工デンプンは調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に添加すればよく、両方に添加してもよい。
酸乳安定剤は調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に添加すればよく、両方に添加してもよい。
架橋型加工デンプンと酸乳安定剤とは、どちらかを先に添加してもよく、両方を同時に添加してもよい。
加熱処理工程における凝集を抑える効果に優れる点で下記製法(1)、製法(2)、または製法(3)が好ましい。
製法(1):架橋型加工デンプンを調乳液に添加し、酸乳安定剤を加熱処理前の発酵組成物に添加する方法。
製法(2):架橋型加工デンプンと酸乳安定剤とを調乳液に添加する方法。
製法(3):架橋型加工デンプンと酸乳安定剤とを加熱処理前の発酵組成物に添加する方法。
各製法の実施態様については後述する。
本発明の製造方法では、予め乳タンパク質濃度を高めた調乳液を発酵させる工程を有し、発酵後の濃縮は行わない。本発明において、発酵が開始してから発酵組成物の加熱処理が終了するまでの間、乳タンパク質を含む乳原料の添加および除去のいずれも行わない。調乳液を発酵した後、得られた発酵組成物を加熱処理する前に、乳タンパク質を含む乳原料以外の添加物を添加してもよい。また発酵組成物を加熱処理した後に乳タンパク質を含む乳原料以外の添加物を添加してもよい。
特に発酵組成物の乳タンパク質の含有量が6.5質量%以上であると、従来の酸乳安定剤を添加する方法では、加熱処理時の乳タンパク質の凝集防止と良好な風味を両立することが難しく、本発明を適用することによる効果が大きい。発酵組成物の乳タンパク質含有量の上限は、乳タンパク質の凝集防止と良好な風味の両立を達成しやすい点で11質量%以下が好ましい。
特に、発酵菌の生菌数を死滅させる条件(加熱殺菌条件)で加熱処理すると、長期保存が可能となる。加熱殺菌条件は、乳等省令(「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、昭和26年厚生省令第52号、平成27年1月9日改正。)において定められる発酵乳の発酵後の加熱殺菌条件を適用できる。具体的には75℃以上で15分間加熱するか、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する加熱条件が好ましい。加熱殺菌の際の加熱温度は低いほど加熱殺菌に要する時間が長くなり、高すぎると加熱による風味変化が生じやすくなる。これらの観点から該加熱条件は80〜100℃で5分間〜3秒間の範囲内が好ましく、80〜95℃で5分間〜10秒間がより好ましく、80〜92℃で5分間〜20秒間が特に好ましい。
また、前記製法(2)のように、発酵前の調乳液に酸乳安定剤を含有させる場合は、発酵中に乳タンパク質の凝集が生じ難い点で、調乳液における酸乳安定剤の含有量が0.12質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
また酸乳安定剤を発酵前の調乳液と、発酵後かつ加熱処理前の発酵組成物との両方に添加してもよい。この場合、発酵前の調乳液における酸乳安定剤の含有量が、0.12質量%以下であり、発酵後かつ加熱処理前の発酵組成物における合計の酸乳安定剤の含有量が0.4質量%以下であることが好ましい。
架橋型加工デンプンと酸乳安定剤との一方または両方を調乳液に含有させる場合は、これらを添加した後に調乳液を加熱殺菌(発酵前加熱殺菌)することが好ましい。
架橋型加工デンプンと酸乳安定剤との一方または両方を加熱処理前の発酵組成物に添加する場合は、予め水溶液の状態とし、該水溶液を加熱殺菌したものを発酵組成物に添加することが好ましい。
調乳液中の無脂乳固形分の含有量は3〜22質量%が好ましい。該無脂乳固形分が3質量%以上であると適度な乳味を呈し、良好な風味が得られる。22質量%以下であると、加熱殺菌による乳タンパク質の凝集抑制効果に優れる。乳タンパク質の凝集が抑制されると、メジアン径が小さく、食感のなめらかさに優れた発酵乳が得られる。該無脂乳固形分は8〜20質量%がより好ましい。
製法(1)の好ましい実施態様を説明する。
予め、酸乳安定剤を水で均一に溶解した後、加熱殺菌を行って酸乳安定剤溶液を調製する。該加熱殺菌は、発酵乳の製造において発酵前の原料に対して行う一般的な加熱殺菌条件で行うことができる。例えば、75〜100℃で1〜30分保持する条件が挙げられる。加熱殺菌後の酸乳安定剤溶液は、必要に応じて5〜50℃に冷却してタンク等に保存する。
具体的には、乳原料、架橋型加工デンプンおよび必要に応じて水、その他の成分等を混合し、必要であれば加温(例えば75〜85℃程度)して溶解して調乳液とする。
次いで、調乳液を均質化処理した後、加熱殺菌(発酵前加熱殺菌)を行う。均質化処理は常法により行うことができる。発酵前加熱殺菌は、発酵乳の製造において一般的な条件で行うことができる。例えば加熱温度75〜100℃で1〜30分間保持する条件で発酵前加熱殺菌を行う。発酵前加熱殺菌の後、発酵温度にまで冷却することが好ましい。または発酵前加熱殺菌後すぐに発酵させず、一旦タンク等に保存する場合は10℃以下に冷却することが好ましい。
乳酸菌による発酵においては酸が生成されるため、発酵が開始された後の調乳液のpHは経時的に低下する。所定のpHに達した発酵組成物に、予め調製した酸乳安定剤溶液を添加して混合した後、速やかに加熱処理を行う。
発酵組成物のpHは、発酵菌の種類、添加量および発酵時間によって調整できる。
容器入りの発酵乳を製造する場合は、加熱処理後に充填温度(例えば10〜50℃程度)に冷却して、紙カップ等の容器に充填した後、10℃以下に冷却する。
製法(2)の好ましい実施態様を説明する。
まず、乳原料、架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤を含む調乳液を調製し、加熱殺菌(発酵前加熱殺菌)した後に発酵菌を添加して発酵を開始する。
具体的には、乳原料、架橋型加工デンプン、酸乳安定剤、および必要に応じて水、その他の成分等を混合し、必要であれば加温(例えば75〜85℃程度)して溶解して調乳液とする。
次いで、調乳液を均質化処理した後、加熱殺菌(発酵前加熱殺菌)を行う。均質化処理および発酵前加熱殺菌は製法(1)と同様に行うことができる。
発酵組成物のpHが所定のpHに達したら加熱処理を行う。加熱処理は製法(1)と同様に行うことができる。加熱処理後は、速やかに冷却して目的の発酵乳を得る。
容器入りの発酵乳を製造する場合は製法(1)と同様に行うことができる。
製法(3)の好ましい実施態様を説明する。
予め、架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤を水で均一に溶解した後、加熱殺菌を行って架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤の溶液(以下、添加溶液ともいう)を調製する。該加熱殺菌は、製法(1)における酸乳安定剤溶液の加熱殺菌と同様に行うことができる。
具体的には、乳原料、および必要に応じて水、その他の成分等を混合し、必要であれば加温(例えば75〜85℃程度)して溶解して調乳液とする。
次いで、調乳液を均質化処理した後、加熱殺菌(発酵前加熱殺菌)を行う。均質化処理および発酵前加熱殺菌は製法(1)と同様に行うことができる。
発酵組成物のpHが所定のpHに達したら、予め調製した添加溶液を添加して混合した後、速やかに加熱処理を行う。
加熱処理は製法(1)と同様に行うことができる。加熱処理後は、速やかに冷却して目的の発酵乳を得る。容器入りの発酵乳を製造する場合は製法(1)と同様に行うことができる。
本発明によれば、発酵組成物の加熱処理を架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤の存在下で行うことにより、乳タンパク質含有量が高く、pHがカゼインの等電点(pH4.6)に近く、75℃以上の高温で加熱処理されたにもかかわらず、乳タンパク質の凝集が抑えられて、なめらかな食感に優れた発酵乳が得られる。
具体的にはメジアン径が40μm以下の発酵乳が得られる。該メジアン径が40μm以下であると、食感のなめらかさが良好となる。該メジアン径の下限値は特に限定されないが、現実的な範囲は1μm以上である。
[メジアン径の測定方法]
メジアン径の測定において、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、堀場製作所製、LA−950V2(製品名)を用いた。
以下の原料を用いた。
脱脂粉乳:森永乳業社製、脂肪1%、タンパク質34%、無脂乳固形分95.2%。
クリーム:森永乳業社製、脂肪45.5%、タンパク質1.6%、無脂乳固形分4.5%。
MPC(ミルクプロテインコンセントレート):PROMILK85(製品名)、イングレディア社製、脂肪1%、タンパク質81%、無脂乳固形分:94%。
乳酸菌スターター(1):FD−DVS YF−3331(製品名)、クリスチャン・ハンセン社製。
架橋型加工デンプン(1):ファリネックス VA70WM(製品名)、ワキシーコーン由来ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、松谷化学工業社製。
架橋型加工デンプン(2):REZISTA682(製品名)、ワキシーコーン由来ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、TATE&LYLE社製。
[比較のデンプン]
デンプン(3):MKK−100(製品名)、タピオカ由来食品澱粉、松谷化学工業社製。
加工デンプン(4):スタビローズY(製品名)、ワキシーコーン由来酸化澱粉、松谷化学工業社製。
加工デンプン(5):松谷ゆり(製品名)、タピオカ由来ヒドロキシプロピル化澱粉、松谷化学工業社製。
HMペクチン:ハイメトキシルペクチン、SM−MN−2779、三栄源エフ・エフ・アイ社製。
CMC−Na:カルボキシメチルセルロースナトリウム、セロゲンFZ(製品名)、第一工業製薬社製)。
大豆多糖類:SM−MN−3300(製品名)、三栄源エフ・エフ・アイ社製。
トレーニングされたパネル8名が発酵乳を試食し、下記の基準で5段階評価し、8名の平均値を評価結果とした。
5:異味、異臭を感じない。
4:異味、異臭がやや感じられるが許容される。
3:異味、異臭を感じる。
2:やや強い異味、異臭を感じる。
1:強い異味、異臭を感じる。
トレーニングされたパネル8名が発酵乳を試食し、下記の基準で5段階評価し、8名の平均値を評価結果とした。
5:ざらつきを感じない。
4:弱いざらつきを感じるが許容される。
3:ざらつきを感じる。
2:やや強いざらつきを感じる。
1:強いざらつきを感じる。
本試験は、なめらかな食感とメジアン径との関係を調べる目的で行った。
市販のヨーグルト10品(10℃)をサンプル1〜10とし、メジアン径を測定するとともに、前記の方法でなめらかさの官能評価を行った。結果を表1に示す。
表2に示す配合で、製法(1)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
予め、酸乳安定剤と水とを混合し、90℃で1分間加熱殺菌した後43℃に冷却して酸乳安定剤溶液とした。
これとは別に、まず脱脂粉乳、MPC、クリーム、架橋型加工デンプン(1)、および水を混合し、75℃に加温して溶解した後、15MPaの圧力で均質化した。得られた溶液を85℃で1分間加熱殺菌し、43℃に冷却した調乳液を得た。調乳液に乳酸菌スターター(1)を添加し、43℃で発酵させた。発酵組成物のpHが4.2に達したら、上記で調製した酸乳安定剤溶液を添加して撹拌混合した後、速やかに90℃で1分間加熱処理した。加熱処理後、45℃まで冷却して100gずつ容積120mLの容器に充填し、密封して、10℃に保存して発酵乳を得た。
製造してから1日後の発酵乳についてメジアン径およびpHを測定した。また前記の方法で風味およびなめらかさの官能評価を行った。これらの結果を表2に示す(以下、同様)。
架橋型加工デンプンを用いずに、表2の配合で発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
製造の手順および評価方法は例1〜5と同様である。
酸乳安定剤を用いずに、表2の配合で発酵乳を製造した。
例1〜5と同様の手順で調乳液を調製し、調乳液に乳酸菌スターター(1)を添加し、43℃で発酵させた。発酵組成物のpHが4.2に達したら、速やかに90℃で1分間加熱処理した。加熱処理後、45℃まで冷却して100gずつ容積120mLの容器に充填し、密封して、10℃に保存して発酵乳を得た。例1〜5と同様にして評価を行った。
架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤のいずれも用いずに、表2の配合で発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
まず脱脂粉乳、MPC、クリーム、および水を混合し、75℃に加温して溶解した後、15MPaの圧力で均質化した。得られた溶液を85℃で1分間加熱殺菌し、43℃に冷却した調乳液を得た。調乳液に乳酸菌スターター(1)を添加し、43℃で発酵させた。発酵組成物のpHが4.2に達したら、速やかに90℃で1分間加熱処理した。加熱処理後、45℃まで冷却して100gずつ容積120mLの容器に充填し、密封して、10℃に保存して発酵乳を得た。
一方、発酵組成物に架橋型加工デンプンを含有させず、酸乳安定剤の添加量が発酵組成物に対して0.4質量%以下である例6、7、9〜12は、得られた発酵乳のメジアン径が40μmを超え、ざらつきを感じる食感であった。
発酵組成物に架橋型加工デンプンを含有させず、酸乳安定剤の添加量が発酵組成物に対して0.6質量%である例8は、食感のなめらかさには優れるものの、風味が劣るものであった。
発酵組成物に、架橋型加工デンプンを含有させ、酸乳安定剤を含有させなかった例13と、架橋型加工デンプンおよび酸乳安定剤のいずれも含有させなかった例14は、得られた発酵乳のメジアン径が40μmを超え、ざらつきを感じる食感であった。
表3に示すとおり乳タンパク質含有量を変えて、製法(1)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
製造の手順および評価方法は例1〜5と同様である。架橋型加工デンプンの添加量はいずれの例も同じとし、酸乳安定剤の添加量を表に示す通りに変化させた。
評価結果を表3に示す。
表4に示すとおりデンプンの種類を変えて、製法(1)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。例31、32は実施例、例33〜35は比較例である。製造の手順および評価方法は例1〜5と同様である。評価結果を表4に示す。
これに対して、架橋型加工デンプンの代わりに、化学的処理がされていないデンプン(3)を用いた例33、または化学的処理がされた加工デンプンであるが非架橋型の加工デンプン(4)、(5)を用いた例34、35では、いずれもメジアン径が大きく、ざらつきを感じる食感の発酵乳であった。
表5に示すとおり架橋型加工デンプンの添加量を変えて、製法(1)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
製造の手順および評価方法は例1〜5と同様である。評価結果を表5に示す。
表6に示す配合で、製法(2)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
まず脱脂粉乳、MPC、クリーム、架橋型加工デンプン(1)、酸乳安定剤(HMペクチン)および水を混合し、75℃に加温して溶解した後、15MPaの圧力で均質化した。得られた溶液を85℃で1分間加熱殺菌し、43℃に冷却した調乳液を得た。調乳液に乳酸菌スターター(1)を添加し、43℃で発酵させた。発酵組成物のpHが4.2に達したら、速やかに90℃で1分間加熱処理した。加熱処理後、45℃まで冷却して100gずつ容積120mLの容器に充填し、密封して、10℃に保存して発酵乳を得た。
例1〜5と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
表7に示す配合で、製法(3)により発酵乳を製造した。発酵組成物と発酵乳の組成は同じである。
予め、架橋型加工デンプン(1)と酸乳安定剤(HMペクチン)と水とを混合し、90℃で1分間加熱殺菌した後43℃に冷却して添加溶液とした。
これとは別に、まず脱脂粉乳、MPC、クリーム、および水を混合し、75℃に加温して溶解した後、15MPaの圧力で均質化した。得られた溶液を85℃で1分間加熱殺菌し、43℃に冷却した調乳液を得た。調乳液に乳酸菌スターター(1)を添加し、43℃で発酵させた。発酵組成物のpHが4.2に達したら、上記で調製した添加溶液を添加して撹拌混合した後、速やかに90℃で1分間加熱処理した。加熱処理後、45℃まで冷却して100gずつ容積120mLの容器に充填し、密封して、10℃に保存して発酵乳を得た。
例1〜5と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
Claims (4)
- 乳原料を含む調乳液に発酵菌を添加し発酵させて発酵組成物を調製し、得られた発酵組成物に対して75℃以上の加熱処理を施して発酵乳を製造する方法であって、
前記発酵組成物の乳タンパク質の含有量が5.6質量%以上であり、
前記発酵組成物のpHが3.3〜5.2であり、
前記調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に架橋型加工デンプンを添加し、かつ
前記調乳液と加熱処理前の発酵組成物との少なくとも一方に酸乳安定剤を添加することを特徴とする発酵乳の製造方法。 - 前記加熱処理が施される発酵組成物は、前記架橋型加工デンプンを0.6質量%以上含む、請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
- 前記加熱処理が施される発酵組成物は、前記酸乳安定剤を0.08質量%以上含む、請求項1または2に記載の発酵乳の製造方法。
- 前記酸乳安定剤が、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および大豆多糖類からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発酵乳の製造方法。
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