JP2017170449A - 複合鋼板の湾曲材及びその湾曲材の製造方法 - Google Patents

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Takashi Honda
尊士 本田
渡辺 大剛
Hirotsuyo Watanabe
大剛 渡辺
健 野村
Takeshi Nomura
健 野村
和明 松原
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和明 松原
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Abstract

【課題】せん断応力によって溶接部が破断してしまうことを防止できるようにした、複合鋼板の湾曲材及びその湾曲材の製造方法を提供する。
【解決手段】平坦形状の第一鋼板2と、所定の溶接部4において溶接用貫通穴が設けられた平坦形状の第二鋼板3とを、前記溶接用貫通穴に溶接材5を埋め込むようにしてプラグ溶接することにより、平坦形状の複合鋼板1を作成する。この平坦形状の複合鋼板1を、所定の曲げ半径Rの湾曲形状に加工して湾曲材とする。溶接材5のせん断強度よりも、湾曲形状とされたことにより前記溶接部4に作用するせん断応力が低くなるように、前記溶接用貫通穴の径Dを設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複合鋼板により形成した湾曲材及びその製造方法に関する。
異なる材質の鋼板を重ね合わせて接合した複合鋼板が知られている。
特許文献1には、複合鋼板を円筒状に湾曲させて、船舶等のサイドスラスタ用のハウジングを作成する技術が開示されている。以下、特許文献1に開示された技術について説明するが、参考に特許文献1で使用されている符号を括弧付きで示す。
特許文献1に開示された技術では、耐腐食性の鋼板(低炭素ステンレス鋼板)からなる合せ板(4)と母材鋼板(3)とを溶接して複合鋼板(5)とした後、この複合鋼板(5)を円筒状に湾曲させることでサイドスラスタ用のハウジング(1)を作成している(段落[0027]〜[0031]、図2など参照)。
サイドスラスタ用のハウジングでは、プロペラの半径方向外方の範囲では、水流によってキャビテーションが発生し易い。このため、防錆用塗膜を形成しただけではハウジング内周面の防錆用塗膜が損傷して、母材鋼板(3)が直接腐食環境下に曝されてしまう虞がある。そこで、特許文献1に開示された技術では、母材鋼板(3)のプロペラの半径方向外方に対応する範囲(2)に、耐腐食性の合せ板(4)を内張りするようにしている。
特許第4392003号公報
2枚の鋼板をそれぞれ曲げ加工してから、これらの湾曲した2つの鋼板を重ね合わせて接合する場合に較べて、特許文献1に開示された技術のほうが、曲げ加工を完了するまで工期を短縮できる。つまり、特許文献1に開示された技術では、2枚の平坦形状の鋼板を重ね合わせて溶接して複合鋼板を作成してから、この複合鋼板を曲げ加工するので、曲げ加工が一度で済み、平坦形状の鋼板同士を溶接するので湾曲形状の鋼板同士を溶接するよりも溶接作業が容易になる。このため、曲げ加工を完了するまで工期を短縮できる。
しかしながら、平坦形状の鋼板同士を重ね合わせて溶接して複合鋼板とし、この複合鋼板に曲げ加工を施す場合には、溶接部にせん断力が加わる。つまり、平坦形状の鋼板同士を重ね合わせて曲げ加工すると、これらの鋼板がフリーの場合には、内周側の鋼板と外周側の鋼板とで周方向に位置づれを生じるが、これらの鋼板が溶接により互いに拘束されている場合には、位置ずれはないものの、この位置ずれしようとする力が溶接部にせん断力として加わる。このため、溶接部を、せん断力に耐えうる強度としなければならない。
特許文献1に開示された技術では、このような溶接部に加わるせん断力に何ら注意が払われていない。
本発明は、せん断応力によって溶接部が破断してしまうことを防止できるようにした、複合鋼板の湾曲材及びその湾曲材の製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の複合鋼板の湾曲材は、第一鋼板と、溶接用貫通穴が形成され前記第一鋼板と重ね合わされた第二鋼板と、前記溶接用貫通穴に溶接材が埋め込まれ前記第一鋼板と前記第二鋼板とを接合する溶接部と、を有する複合鋼板が、所定の曲げ半径の湾曲形状とされた、複合鋼板の湾曲材であって、前記湾曲形状とされることにより前記溶接部に生じるせん断応力が、前記溶接材のせん断強度よりも低くなるように、前記溶接用貫通穴の径が設定されたことを特徴としている。
(2)前記せん断応力は、前記溶接部に作用するせん断力と、前記溶接用貫通穴の径とを使用して算出され、前記せん断力は、前記第一鋼板の板厚及び弾性率と、前記第二鋼板の板厚及び弾性率と、前記溶接部が前記せん断力を受け持つと仮定した範囲とを使用して算出されることが好ましい。
(3)前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の1倍以上であることが好ましい。
(4)前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の1.5倍以上であることが好ましい。
(5)前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の3倍以上であることが好ましい。
(6)前記第一鋼板が炭素鋼板であり、前記第二鋼板がステンレス鋼板であり、前記ステンレス鋼板を内周側とした、石炭バンカの絞り部であることが好ましい。
(7)上記の目的を達成するために、本発明の複合鋼板の湾曲材の製造方法は、平坦形状の第一鋼板と、所定の溶接部において溶接用貫通穴が設けられた平坦形状の第二鋼板とを、前記溶接用貫通穴に溶接材を埋め込むようにしてプラグ溶接することにより、平坦形状の複合鋼板を作成する、溶接工程と、前記平坦形状の複合鋼板を、所定の曲げ半径の湾曲形状に加工して湾曲材とする、曲げ工程とを備え、前記湾曲形状とされることにより前記溶接部に生じるせん断応力が、前記溶接材のせん断強度よりも低くなるように、前記溶接用貫通穴の径を設定することを特徴としている。
(8)前記せん断応力を、前記溶接部に作用するせん断力と、前記溶接用貫通穴の径とを使用して算出し、前記せん断力を、前記第一鋼板の板厚及び弾性率と、前記第二鋼板の板厚及び弾性率と、前記溶接部が前記せん断力を受け持つと仮定した範囲とを使用して算出することが好ましい。
(9)前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の1倍以上とすることが好ましい。
(10)前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の1.5倍以上とすることが好ましい。
(11)前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の3倍以上とすることが好ましい。
本発明によれば、湾曲形状とされることで溶接部に生じるせん断応力が、溶接材のせん断強度よりも低くなるように、溶接用貫通穴の径(プラグ溶接径)を設定するので、溶接部に生じるせん断応力によって、破断してしまうことを防止できる。
本発明の一実施形態の石炭バンカの構成を一部破断して示す模式的な側面図であって、破断部の拡大図と共に示す図である。 (a),(b),(c)は、本発明の一実施形態の絞り部の製造方法を説明するための模式的な断面図である。 (a),(b),(c)は、本発明の一実施形態のプラグ溶接径の設定方法について説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のプラグ溶接径の設定方法により求めた必要プラグ溶接径を示す模式図である
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができると共に、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態では、本発明を、石炭バンカの絞り部を構成する材料に適用した例を説明する。
[1.石炭バンカの構成]
本実施形態に係る石炭バンカ10について図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の石炭バンカ10の構成を一部破断して示す模式的な側面図であって、破断部の拡大図と共に示す図である。
石炭バンカ10は、石炭焚火力発電プラント等の石炭を燃焼させる設備において、石炭を貯蔵するために設置される貯蔵容器であり、図1に示すように、下方に向かって絞られた略円錐台形状の容器である。石炭バンカ10に貯蔵された石炭は、絞り部11を介して下方の取出口(図示略)へと送り出される。
絞り部11は、複合鋼板1を加工して製造されている。この複合鋼板1は、母材の炭素鋼板2と、ライニング材のステンレス鋼板3とが重ねあわされて一体に構成される。ステンレス鋼板3は、耐腐食性のライニング材であり、このステンレス鋼板3を内周側に向けた状態で複合鋼板1を筒状にして絞り部11を構成している。つまり絞り部11の内周面を耐腐食性のステンレス鋼板3により形成することで、絞り部11が石炭貯蔵中に腐食・減肉してしまうことを抑制している。
[2.絞り部の製造方法]
絞り部11の製造方法について図2を参照して説明する。
図2(a),(b),(c)は、絞り部11の製造方法を説明するための模式的な断面である。
絞り部11の製造方法の概略を説明すると、図2(a),(b)に示すように炭素鋼板2とステンレス鋼板3とを接合して複合鋼板1を製造し、次いで、図2(c)に示すように複合鋼板1を折り曲げて、円筒体を縦に二分割したような形状の半筒部(湾曲材)11aとする。そして、この2つの半筒部11aを接合することで絞り部11(図1参照)が完成する。
具体的に説明すると、先ず、図2(a)に示すように、炭素鋼板2と、ステンレス鋼板3とを重ね合わせる。ライニング材であるステンレス鋼板3は、母材のステンレス鋼板3よりも板厚が薄く、ステンレス鋼板3には、予め、同一のピッチ(以下「溶接ピッチ」とも表記する)Lで溶接用貫通穴(以下「貫通穴」又は「溶接部」とも表記する)4が形成されている。
次いで、図2(b)に示すように、炭素鋼板2とステンレス鋼板3とを重ね合わせた状態で、ステンレス鋼板3に形成した貫通穴4を溶接材5により埋めるようにして、炭素鋼板2とステンレス鋼板3とをプラグ溶接して複合鋼板1とする(溶接工程)。なお、図1では貫通穴4や溶接材5は省略している。
そして、図2(c)に示すように、この複合鋼板1を、ステンレス鋼板3が内周面となるように折り曲げ加工して半筒部11aを構成する(曲げ工程)。この半筒部11aと、同様の方法により作成した別の半筒部11aとを、周方向端面で溶接などにより接合して絞り部11の製造が完了する。
ここで、炭素鋼板2とステンレス鋼板3とをプラグ溶接してから曲げ加工を行うと、「発明が解決しようとする課題」の欄でも説明したように、各溶接部4には、せん断力Fが作用する。そこで、本発明では、このせん断力Fに耐えうる強度となるように、各溶接部4の直径(換言すれば貫通穴4の直径、以下「プラグ溶接径」又は「溶接径」とも表記する)Dが設定されている。
プラグ溶接径Dの設定方法について、図3を参照して説明する。
図3(a),(b),(c)は、本実施形態のプラグ溶接径Dの設定方法について説明するための模式的な断面図であり、複合鋼板1における1つの溶接ピッチL分(以下「1ピッチ分」と表記する)を、プラグ溶接径Dを設定するための計算モデルとして示している。なお、図3(a),(b),(c)では、便宜的に溶接部を省略している。
平らな状態の複合鋼板1を曲げ加工した際に溶接部4に作用するせん断力に耐えられる強度となるように溶接径Dを設定するのが本来の目的である。これに対し、この計算モデルでは、便宜上、逆に曲げ状態の複合鋼板1を平らに伸ばした際に溶接部4に作用するせん断力を求め、このせん断力に耐えられる強度となるように溶接径Dを設定する。平らな状態の複合鋼板1を曲げ加工した場合と、曲げ状態の複合鋼板1を平らに伸ばした場合とでは、圧縮される鋼板と引っ張られる鋼板とが逆になるが、両鋼板2,3に生じるせん断力ひいては溶接部4に作用するせん断応力の大きさは同じである。したがって、溶接径Dを設定するにあたって支障はなく、モデル化しやすいことから本モデルを採用している。
図3(a)は、曲げ半径Rの筒形状に形成れた状態の(つまり絞り部11として構成された状態の)複合鋼板1の1ピッチ分(以下「複合鋼板01」と表記する)を示しており、1ピッチ分の炭素鋼板02と1ピッチ分のステンレス鋼板03とは、その周方向両端において、プラグ溶接により接合・拘束されている。曲げ半径Rは、複合鋼板01の板厚中心CL1における曲げ半径である。
ここで、複合鋼板01の曲げ半径R,溶接ピッチL,炭素鋼板02の板厚tsteel,ステンレス鋼板03の板厚tsusを使用して、ステンレス鋼板03の長さLsusは、下式(1)により表すことができ、炭素鋼板02の長さLsteelは、下式(2)により表すことができる。
なお、長さLsusは、ステンレス鋼板03の板厚中心CL3における周長であり、長さLsteelは、炭素鋼板02の板厚中心CL2における周長である。
Figure 2017170449
Figure 2017170449
図3(b),(c)は、図3(a)に示す曲げ形状の複合鋼板01を真っ直ぐに伸ばした状態を示し、図3(b)は、仮に、炭素鋼板02とステンレス鋼板03とが溶接されていない(互いに拘束しない)とした場合を示し、図3(c)は、炭素鋼板02とステンレス鋼板03とが周方向両端で溶接されている場合を示す。
曲げ中心からの距離が異なる分、内周側のステンレス鋼板03と外周側の炭素鋼板02とでは長さ(周長)が異なり、内周側のステンレス鋼板03の長さ(周長)Lsusは、外周側の炭素鋼板02の長さ(周長)Lsteelよりも短くなる。このため、複合鋼板01を真っ直ぐに伸ばした状態では、炭素鋼板02とステンレス鋼板03とが溶接されていなければ、図3(b)に示すように、ステンレス鋼板03と炭素鋼板02との間には長さ差δ(=Lsteel−Lsus)が生じる。この長さ差δは、上式(1),(2)より下式(3)のように表される。
Figure 2017170449
炭素鋼板02とステンレス鋼板03とが周方向両端で溶接されていれば、図3(c)に示すように、炭素鋼板02とステンレス鋼板03とは同じ長さになるので、炭素鋼板02には、炭素鋼板02よりも周長の短いステンレス鋼板03から圧縮力f1が作用し、ステンレス鋼板03には、ステンレス鋼板03よりも周長の長い炭素鋼板02から引張力f2が作用する。この圧縮力f1と引張力f2とは、反対方向に作用する同じ大きさの力である。
ここで、ステンレス鋼板03に着目すると、その伸び量δsusは、炭素鋼板02の弾性率Esteelと、ステンレス鋼板03の弾性率Esusとの比が影響し、上式(3)より求まる長さ差δと、炭素鋼板02の長さLsteel,板厚tsteel及び弾性率Esteelと、ステンレス鋼板03の長さLsus,板厚tsus及び弾性率Esusとを使用して、下式(4)のように表される。
Figure 2017170449
ステンレス鋼板03の伸びひずみεsus(=伸び量δsus/ステンレス鋼板03の長さLsus)は、上式(1),(4)より下式(5)のように表される。
Figure 2017170449
また、一つの溶接部4に作用するせん断力Fは、上式(5)により表されるステンレス鋼板03の伸びひずみεsusと、ステンレス鋼板03の弾性率Esus及び板厚tsusと、受け持ち幅Wとにより下式(6)により表される。受け持ち幅Wは、1つの溶接部4がせん断力を受け持つ範囲を示し、少なくとも溶接径Dの一倍であり、安全側に考えた場合は、例えば溶接径Dの1.5倍,溶接径Dの3倍である。
Figure 2017170449
そして、溶接部4に生じるせん断応力τ(=F/(π×D/4))は、上式(6)より下式(7)のように表される。
Figure 2017170449
そして、上式(7)より求まるせん断応力τが、溶接材に使用される材料によって決まるせん断強度τwld以下となるように、必要な溶接径Dが決定される。例えば溶接材は異材溶接に使用されるSUS309系であり、せん断強度τwldは、溶材や熱処理によっても変わるが、200Mpa〜300MPa程度である。もちろん溶接材及びせん断強度はこれに限定されるものではない。
図4は、1000mm〜3000mmの範囲の曲げ半径Rに対して上式(7)を使用して求めた必要なプラグ溶接径Dを示す曲線L1,L2,L3を示す。1000mm〜3000mmは、実際に使用されている石炭バンカ10の絞り部11のサイズから想定される曲げ半径Rの範囲である。
曲線L1は、受け持ち幅Wを溶接径Dとした場合(W=D)の必要なプラグ溶接径Dを示し、曲線L2は、受け持ち幅Wを溶接径Dの1.5倍とした場合(W=1.5×D)の必要なプラグ溶接径Dを示し、曲線L3は、受け持ち幅(プラグの有効範囲)Wを溶接径Dの3倍とした場合(W=3×D)の必要なプラグ溶接径Dを示す。
上述したように、少なくとも受け持ち幅Wは、溶接径Dの1倍であり、安全側に設定すると、例えばDの1.5倍、Dの3倍である。このため、少なくとも曲線L1により規定される寸法でプラグ溶接径Dを設定する必要があり、安全側にするのであれば、曲線L2により規定される寸法又はそれよりも大きな寸法でプラグ溶接径Dを設定するのが好ましく、曲線L3により規定される寸法又はそれよりも大きな寸法でプラグ溶接径Dを設定するのがさらに好ましい。
なお、曲線L1,L2,L3は、ステンレス鋼板03の板厚tsusを4.5mm、炭素鋼板02の板厚tsteelを9mm、ステンレス鋼板03の弾性率Esus及び炭素鋼板02の弾性率Esteelを200Gpaとして算出したものである。
[3.作用・効果]
本発明の一実施形態によれば、炭素鋼鋼板2とステンレス鋼板3とをプラグ溶接して複合鋼板1を作成してから、この複合鋼板1を曲げ加工して絞り部11の半筒部11aを構成する。したがって、炭素鋼鋼板及びステンレス鋼板をそれぞれ半筒形状に曲げ加工し、半筒形状の炭素鋼鋼板と半筒形状のステンレス鋼板とをプラグ溶接する場合に較べると、曲げ加工を複合鋼板1に対して一度行うだけで済み、加えて、それぞれ平坦形状の炭素鋼鋼板2とステンレス鋼板3とを溶接するので、溶接作業が容易になる。
さらに、湾曲形状とすることで溶接材5に生じるせん断応力τが、溶接材5のせん断強度τwldよりも低くなるように、溶接材5のプラグ溶接径(溶接用貫通穴4の径)Dを設定するので、溶接材5がせん断力τにより破断してしまうことを防止できる。
したがって、せん断力τによる破断を確実に防止しつつ、曲げ加工を完了するまでの工期を短縮できる。
また、プラグ溶接径Dが必要以上に大きな径に設定されてしまうことを抑制でき、溶接に要するコストアップを抑制することができる。
[4.変形例]
上記実施形態では、本発明を石炭バンカ10に適用し、複合鋼板1を、ライニング材としてのステンレス鋼板3が内周側になるように湾曲形状として石炭バンカ10の絞り部11としたが、本発明はこの態様に限定されない。例えば、本発明を、サイドスラスタ用のハウジングなど石炭バンカ10以外の用途に適用しても良いし、ライニング材としての鋼板が外周側に向く湾曲材としてもよい。
1 複合鋼板
01 1ピッチ分の複合鋼板
2 炭素鋼鋼板(第一鋼板)
02 1ピッチ分の炭素鋼鋼板(第一鋼板)
3 ステンレス鋼板(第二鋼板)
03 1ピッチ分のステンレス鋼板(第二鋼板)
4 溶接用貫通穴
5 溶接材
10 石炭バンカ
11 絞り部(湾曲材)
CL1 複合鋼板01の板厚中心
CL2 炭素鋼板02の板厚中心
CL3 ステンレス鋼板03の板厚中心
D 溶接径(貫通穴4の直径)
F 一つの溶接部4に作用するせん断力
f1 圧縮力
f2 引張力
L 溶接ピッチ
Lsteel 炭素鋼板02の長さ
Lsus ステンレス鋼板03の長さ
R 複合鋼板01の板厚中心CL1における曲げ半径
tsteel 炭素鋼板02の板厚
tsus ステンレス鋼板03の板厚
W 受け持ち幅W(1つの溶接部4がせん断力を受け持つ範囲)
δ ステンレス鋼板03と炭素鋼板02との間には長さ差
δsus ステンレス鋼板03の伸び量

Claims (11)

  1. 第一鋼板と、溶接用貫通穴が形成され前記第一鋼板と重ね合わされた第二鋼板と、前記溶接用貫通穴に溶接材が埋め込まれ前記第一鋼板と前記第二鋼板とを接合する溶接部と、を有する複合鋼板が、所定の曲げ半径の湾曲形状とされた、複合鋼板の湾曲材であって、
    前記湾曲形状とされることにより前記溶接部に生じるせん断応力が、前記溶接材のせん断強度よりも低くなるように、前記溶接用貫通穴の径が設定された
    ことを特徴とする、複合鋼板の湾曲材。
  2. 前記せん断応力は、前記溶接部に作用するせん断力と、前記溶接用貫通穴の径とを使用して算出され、
    前記せん断力は、前記第一鋼板の板厚及び弾性率と、前記第二鋼板の板厚及び弾性率と、前記溶接部が前記せん断力を受け持つと仮定した範囲とを使用して算出された
    ことを特徴とする、請求項1記載の複合鋼板の湾曲材。
  3. 前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の1倍以上である
    ことを特徴とする、請求項2記載の複合鋼板の湾曲材。
  4. 前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の1.5倍以上である
    ことを特徴とする、請求項3記載の複合鋼板の湾曲材。
  5. 前記範囲が、前記溶接用貫通穴の直径の3倍以上である
    ことを特徴とする、請求項4記載の複合鋼板の湾曲材。
  6. 前記第一鋼板が炭素鋼板であり、
    前記第二鋼板がステンレス鋼板であり、
    前記ステンレス鋼板を内周側とした、石炭バンカの絞り部である
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の複合鋼板の湾曲材。
  7. 異なる材質の鋼板を重ね合わせた複合鋼板を曲げ加工して湾曲材を製造する、複合鋼板の湾曲材の製造方法であって、
    平坦形状の第一鋼板と、所定の溶接部において溶接用貫通穴が設けられた平坦形状の第二鋼板とを、前記溶接用貫通穴に溶接材を埋め込むようにしてプラグ溶接することにより、平坦形状の複合鋼板を作成する、溶接工程と、
    前記平坦形状の複合鋼板を、所定の曲げ半径の湾曲形状に加工して湾曲材とする、曲げ工程とを備え、
    前記湾曲形状とされることにより前記溶接部に生じるせん断応力が、前記溶接材のせん断強度よりも低くなるように、前記溶接用貫通穴の径を設定する
    ことを特徴とする、複合鋼板の湾曲材の製造方法。
  8. 前記せん断応力を、前記溶接部に作用するせん断力と、前記溶接用貫通穴の径とを使用して算出し、
    前記せん断力を、前記第一鋼板の板厚及び弾性率と、前記第二鋼板の板厚及び弾性率と、前記溶接部が前記せん断力を受け持つと仮定した範囲とを使用して算出する
    ことを特徴とする、請求項7記載の複合鋼板の湾曲材の製造方法。
  9. 前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の1倍以上とする
    ことを特徴とする、請求項8記載の複合鋼板の湾曲材の製造方法。
  10. 前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の1.5倍以上とする
    ことを特徴とする、請求項9記載の複合鋼板の湾曲材の製造方法。
  11. 前記範囲を、前記溶接用貫通穴の直径の3倍以上とする
    ことを特徴とする、請求項10記載の複合鋼板の湾曲材の製造方法。
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