JP2017170600A - 工作機械におけるびびり抑制方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制することが可能な技術を提供する。【解決手段】工作機械10のPLC12は、擬似乱数列生成部121と、DCフリー変調部122と、オーバーライド指令生成部123を備える。擬似乱数列生成部121は擬似乱数列を生成し、更にDCフリー変調部122がDCフリー符号化手法を用いて低周波成分を抑制した上で、オーバーライド指令生成部123が回転数指令オーバーライドを生成することにより、びびりを抑制する。【選択図】 図4

Description

本発明は、工作機械の工具もしくは工作物の回転によりびびりが発生することを抑制するびびり抑制方法に関する。
一般に工作機械では、工具もしくは工作物を回転させ、これら工具と工作物とを接触させつつ工作物を削り取ることで加工を行う。このとき、様々な要因により振動を生じ、例えば、工具がエンドミルの場合では、間欠的な接触を行うことで周期的な振動を生じる。また、例えば、バイトであっても工作物およびそれを支えるチャックなどの異方性に起因した振動を生じる。更に、工具・工作物の不釣合いに起因して振動を生じることもあるし、駆動方法によっても、例えばギア駆動であればギアのかみ合いに関する振動を生じる。
これらの振動に対して、工作物、工具および機械で構成される系全体の固有振動数が生じ、減衰性の大小によっては振動が増幅を始める、いわゆるびびり振動現象を生じ、このびびり振動によって工作物を加工する際の加工精度(特に表面精度)が悪化することが知られている。このようなびびり振動は、強制びびり振動と自励びびり振動に大別され、強制びびり振動は過大な外力が作用すること、或いは外力の周波数と振動系の共振周波数が同期することによって発生すると考えられている。一方、自励びびり振動には、再生型のびびり振動(再生びびり振動)とモードカップリング型のびびり振動があり、再生びびり振動は、切削抵抗の周期的変動と切り取り厚さの周期的変動の相互作用が互いに強め合う切削を継続すること(所謂再生効果)によって引き起こされると考えられており、モードカップリング型のびびり振動は、2方向の振動モードが近い共振周波数を有する場合に、それらが連成して生じるものと考えられている。
一方、工作機械には、工具もしくは工作物の回転数指令に対し係数をかけて作業者が回転数を調整できる機能が付属する場合があり、回転指令オーバーライドや単にオーバーライドと呼ばれている。
従来、上記びびり振動の内、再生びびり振動を回避する方法については、工具もしくは工作物の回転数を調整するという回避方法があり、また機械・工具毎にびびりを回避しつつ深い切り込みが可能な回転数を実験により発見する方法も提案されており、高速回転の工具の扱いについては有用である。
例えば、非特許文献1記載の従来例では、主軸速度が極めて高い範囲で、びびりが起こらない安定領域があること(安定ポケットと呼ばれる)に着目し、使用する工作機械と工具が指定された場合に、安定ポケットが存在する主軸速度や可能な切り込み量を予測し、予測に基づいて加工を開始した後、実際に生じる予測からのずれを加工を行いながら修正する技術が開示されている。
また、特許文献2記載の従来例では、工具又はワークの回転が開始される際に発生する振動を検出し、上記回転開始時から検出される上記振動が、機械主軸の空転時の振動の閾値を越えたと判断された際、上記振動をフーリエ級数展開により解析し、再生びびりによる周波数を算出し、さらに上記再生びびりによる周波数に、推定減衰比を加味して再生びびり回避周波数を得て主軸の回転数を調整する作業機械のびびり抑制方法が開示されている。
ここまでできる切削加工の能率向上:安定ポケットの理解と実用(特集 機械加工における「びびり振動」と抑制技術) 星 鉄太郎 機械技術機械技術61(5),22−29,2013−05日刊工業出版プロダクション;1953
特開2014−083674
しかしながら、工具および工作物の悪条件が重なると、最初のうちは振動が小さくても一定切込み・一定速送りで工作を持続していると工具(または工作物)回転の数十倍の成分がびびりを引き起こすことがある。このような事象に対して、上述したような従来例のびびり回避策では工具(または工作物)回転の数十倍の成分が引き起こすびびり現象に対して適用することは10回転の差でも数十倍すると数百回転の差になるため現実的でない。そこで、このような回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制する技術の開発が待たれていた。
本発明は上述のような事情から為されたものであり、その目的は、上述したような回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制することが可能な技術を提供することにある。
本発明者らは、上述したような回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制することが可能な技術の可能性について様々な観点から鋭意研究した結果、上述したような回転周期に対し高次の振動成分がびびりにつながる場合には、実際に機械を動かしてみて、わずかに回転数を変化させた実験をして加工をする方が計算により回避回転数を予測するよりも容易であることを見出した。
ここで、次数はある振動周波数など倍数成分を意図し1倍成分を1次成分、2倍を2次、3倍を3次などと呼び高次とは次数が高い周波数成分を意味する。
一般に、このような長時間加工が持続すると振動が増幅されるようなびびりに対しては回転数指令を僅かに変更するという手法がとられる。そこで、解決手段として考えられるのは、一定時間毎に擬似乱数を用いて生成する数%の主軸回転指令オーバーライドを連続して切り替えることである。実際には数%を100%に加算したオーバーライド指令を適用する。
例えば、線形帰還シフトレジスタを使用すれば擬似乱数列を生成できる。この乱数列のどれか1ビットを使用しこれが0となる場合にオーバーライド指令100%、1となる場合に99%となるような指令列を生成する。
しかし、生の擬似乱数をそのまま主軸オーバーライド指令に適用しようとしたところ、長期にわたって0指令が連続する(実指令では100%が連続する)など低周波成分が現れて、思ったとおりに数%の切り替えが行われなかった。
勿論、実装として2ビット以上をオーバーライドの割り当てに使うことも可能であることはいうまでもない。
そこで、本発明の工作機械におけるびびり抑制方法は、擬似乱数列を生成し、更にDCフリー符号化手法等を用いて低周波成分を抑制した上で回転数指令オーバーライドを生成することを特徴とする。即ち、擬似乱数列をそのまま使用するのではなく、8−16変調テーブルなどを利用しDCフリー符号化をして長周期成分を抑制した上でそれをオーバーライド指令の生成に使用するようにした。
2ビット以上を割り当てる実装においては、乱数列に対し一定の低域阻止フィルタを通過させることにより一定の指令が連続しないように調整する。
また、本発明の工作機械は、少なくとも回転軸と、該回転軸に装着される工具と、前記回転軸の回転駆動手段と、該回転駆動手段に回転数指令を送出する数値制御部を備え、前記回転数指令に基づき前記回転軸駆動手段が前記回転軸を所定回転数回転させることにより前記工具で工作物を加工する工作機械におけるびびり振動を抑制する方法において、更に、擬似乱数列生成部と、DCフリー変調部と、オーバーライド指令生成部123を備え、前記擬似乱数列生成部は擬似乱数列を生成して前記DCフリー変調部に伝送し、前記DCフリー変調部がDCフリー符号化手法を用いて低周波成分を抑制して前記オーバーライド指令生成部123に伝送し、前記オーバーライド指令生成部は前記低周波成分を抑制した信号に基づいて回転数指令オーバーライドを生成し、該回転数指令オーバーライドを前記数値制御部に伝送することを特徴とする。
本発明によれば、一定切込み・一定速送りで工作を継続すると生じる場合がある回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制することが可能である。
本発明が適用される信号の例とその周波数分析例を示すグラフであり、(a)は高次成分の混ざった信号の例、(b)は、その周波数分析例、をそれぞれ示す。 本発明の比較例としてのびびり抑制方法を示すフローチャートであり、乱数列をそのまま使う例である。 比較例としてのびびり抑制方法の問題点を示す乱数列の一例である。 本発明が適用される工作機械における制御機器の構成を示す図である。 本発明の実施形態のびびり抑制方法を示すフローチャートであり、変調して使用する例である。
本発明者らは、上述したような回転の数十倍の成分が引き起こすびびり振動を抑制することが可能な技術の可能性について様々な観点から鋭意研究した結果、上述したような回転周期に対し高次の振動成分がびびりにつながる場合には、実際に機械を動かしてみて、わずかに回転数を変化させた実験をして加工をする方が計算により回避回転数を予測するよりも容易であることを見出した。図1は、本発明(及び比較例)が適用される信号の例とその周波数分析例を示すグラフであり、(a)は高次成分の混ざった信号の例、(b)は、その周波数分析例、をそれぞれ示す。ここで、図1(a)(b)に示すように、次数はある振動周波数など倍数成分を意図し1倍成分を1次成分、2倍を2次、3倍を3次などと呼び高次とは次数が高い周波数成分を意味する。
図2は、本発明の比較例としてのびびり抑制方法を示すフローチャートであり、乱数列をそのまま使う例である。上述したように長時間加工が持続すると振動が増幅されるようなびびりに対しては回転数指令を僅かに変更するという手法がとられる。そこで、この比較例では、一定時間毎に擬似乱数を用いて生成する数%の主軸回転指令オーバーライドを連続して切り替えることとした。実際には数%を100%に加算したオーバーライド指令を適用する。例えば、線形帰還シフトレジスタを使用すれば擬似乱数列を生成できる。この乱数列のどれか1ビットを使用しこれが0となる場合にオーバーライド指令100%とし、1となる場合に99%となるような指令列を生成する。
即ち、図2に示すように、この比較例に係るびびり抑制方法のフローがスタートすると(S201)、一定時間毎に擬似乱数を生成して、それまでの乱数を更新する(S202)。例えば、図2に200Rで示す乱数列が生成され、この乱数列200Rに更新される。そして、この更新された乱数列200Rにおいて指示ビット(ここでは、BITNo.0が指示ビットとされている)が確認される(S203)。続いて、指示ビットが1であるか否か(1か0か)が判断され(S204)、1である場合には(S204でYes)、100%のオーバーライド指令が生成され(S205)、この指令が表示される(S206)と共にS202に戻って、次の乱数に更新する。一方、指示ビットが1でない場合には(S204でNo)、99%のオーバーライド指令が生成され(S207)、この指令が表示される(S206)と共にS202に戻って、次の乱数に更新する。
しかし、以上のように、生の擬似乱数200Rをそのまま主軸オーバーライド指令に適用することを続けると、長期にわたって0指令が連続する(実指令では100 %が連続する)など低周波成分が現れて、思ったとおりに数 %の切り替えが行われなかった。
図3は、比較例としてのびびり抑制方法の問題点を示す乱数列の一例である。図3に示すように、この例では、フィボナッチLFSR(ビット数16)を疑似乱数生成に使用し、最下位を指示ビットとした場合について、最長15回0が連続する場合も考えられる。その後1が来ても、更に0の連続が再開される虞もある。従って、理論的には、このような事態も考えられるので、他の何らかの工夫を施すことにより、長周期成分を抑制した上でそれをオーバーライド指令の生成に使用することが有益である。
そこで、本発明の実施形態のびびり抑制方法は、擬似乱数列をそのまま使用するのではなく、8−16変調テーブルなどを利用しDCフリー符号化をして長周期成分を抑制した上でそれをオーバーライド指令の生成に使用するようにした。
図4は、本発明が適用される工作機械における制御機器の構成を示す図である。図4に示すように、本発明が適用される工作機械(加工制御装置)10は、プログラマブルコントローラ(PLC)12と、インターフェースユニット14と、各種スイッチ/センサ類16とを有する。各種スイッチ/センサ類16からの様々な入出力信号は、インターフェースユニット14を介してPLC12との間で伝送される。また、加工制御装置10は、数値制御器(CNC)18と、このCNC18にオペレータが数値等の指令を入力するための入力装置(キーボード・スイッチ)20と、その指令により設定された入力(制御)状態を表示する表示器22とを有する。ここで、数値制御器(CNC)18は、更に、工具軸制御器181と、複数の軸制御器182、183、184、・・・を有している。工具軸制御器181には、主軸モータ181aが接続されており、CNC18の数値等の指令に基づき、工具軸制御器181が主軸モータ181aを所定の回転数・速度にて回転させることで、それに応じて図示しない主軸に取付けられ工具が回転等してワークを加工する。尚、軸制御器182、183、184、・・・は、例えば、本発明が適用されるのが4軸以上の制御の工作機械であれば、それぞれX軸、Y軸、Z軸等に対応し、それぞれ図示しない各軸モータ等に接続されている。
本発明のびびり抑制方法は、擬似乱数列を生成し更にDCフリー符号化手法等を用いて低周波成分を抑制した上で回転数指令オーバーライドを生成する方法であり、図4に示す工作機械(加工制御装置)10は、このようなびびり抑制方法を採用する工作機械である。即ち、工作機械(加工制御装置)10のPLC12は、擬似乱数列生成部121と、DCフリー変調部122と、オーバーライド指令生成部123を備える。擬似乱数列生成部121は、、擬似乱数列を生成してDCフリー変調部122に伝送し、DCフリー変調部122が更にDCフリー符号化手法等を用いて低周波成分を抑制してオーバーライド指令生成部123に伝送する。オーバーライド指令生成部123は、この低周波成分を抑制した信号に基づいて回転数指令オーバーライドを生成し、この回転数指令オーバーライドを数値制御器(CNC)18に伝送する。尚、図4において、びびり抑制プログラムはPLC12になくても良くCNC18側にあっても良いいし別のユニットがあっても良い。また、擬似乱数列生成部121と、DCフリー変調部122もPLC12の外にあってもよい。更に、これら擬似乱数列生成部121、DCフリー変調部122及びオーバーライド指令生成部123等を工作機械10の別置きの周辺機器としても良い。
図5は、本発明の実施形態のびびり抑制方法を示すフローチャートであり、変調して使用する例である。即ち、図4及び図5に示すように、工作機械(加工制御装置)10のPLC12において、本実施形態のびびり抑制方法のフローがスタートすると(S301)、擬似乱数列生成部121が一定時間毎に擬似乱数列を8個生成し(S302)、擬似乱数列8個それぞれの指示ビットが確認される(S303)。続いて、これらの8個の指示ビットから成る指定ビット列8個を生成し(S304)、DCフリー変調部122が8−16変調テーブルを利用しDCフリー符号化を行い、図示しないバッファメモリのFIFO領域(先入れ先出しバッファメモリ)に記憶する(S305)。続いて、FIFOバッファから1ビットを取得し(S306)、この取得したビットが1であるか否か(1か0か)が判断され(S307)、1である場合には(S307でYes)、100%のオーバーライド指令が生成され(S308)、この指令が表示される(S309)。そして、指示列に残りが有るか否かが判断され(S310)、残りが有る場合には(S310でYes)、S306に戻って、FIFOバッファから次の1ビットを取得し、S307以降の処理を続行する。残りが無い場合には(S310でNo)、S302に戻って、次の指示列8個が生成され、更新される。一方、S307において、取得したビットが1でない場合には(S307でNo)、99%のオーバーライド指令が生成され(S311)、この指令が表示される(S309)と共にS302に戻って、次の乱数に更新する。
以上に述べた実施形態では、疑似乱数の指示ビットとして1ビツトをオーバーライドの割り当てに使ったが、実装として2ビット以上をオーバーライドの割り当てに使うことも可能であることはいうまでもない。但し、2ビット以上をオーバーライドの割り当てに使う実装においては、乱数列に対し一定の低域阻止フィルタを通過させることにより一定の指令が連続しないように調整するのが有効である。
以上に述べた実施形態では、本発明を擬似乱数列を生成し、更にDCフリー符号化手法を用いて低周波成分を抑制した上で回転数指令オーバーライドを生成する方法に適用したが、これに限られないのは、勿論である。本発明は、低周波成分を抑制できれば、DCフリー符号化手法以外の変調方法を用いても良い。
10 工作機械(加工制御装置)、 12 プログラマブルコントローラ(PLC)、
14 インターフェースユニット、 16 スイッチ/センサ類、
18 数値制御器(CNC)、 20 入力装置(キーボード・スイッチ)、
22 表示器、 181 工具軸制御器、 182、183、184 軸制御器、
181a 主軸モータ、 121 擬似乱数列生成部、 122 DCフリー変調部、
123 オーバーライド指令生成部

Claims (2)

  1. 擬似乱数列を生成し、更にDCフリー符号化手法を用いて低周波成分を抑制した上で回転数指令オーバーライドを生成することを特徴とする工作機械におけるびびり抑制方法。
  2. 少なくとも回転軸と、該回転軸に装着される工具と、前記回転軸の回転駆動手段と、該回転駆動手段に回転数指令を送出する数値制御部を備え、前記回転数指令に基づき前記回転軸駆動手段が前記回転軸を所定回転数回転させることにより前記工具で工作物を加工する工作機械におけるびびり振動を抑制する方法において、更に、擬似乱数列生成部と、DCフリー変調部と、オーバーライド指令生成部123を備え、前記擬似乱数列生成部は擬似乱数列を生成して前記DCフリー変調部に伝送し、前記DCフリー変調部がDCフリー符号化手法を用いて低周波成分を抑制して前記オーバーライド指令生成部123に伝送し、前記オーバーライド指令生成部は前記低周波成分を抑制した信号に基づいて回転数指令オーバーライドを生成し、該回転数指令オーバーライドを前記数値制御部に伝送することを特徴とする工作機械。
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