JP2017171536A - トリクロロシランの製造方法 - Google Patents

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【課題】エネルギー効率が良好であり、運転コストが低く、製造装置の腐食や金属ケイ素堆積の懸念がなく、高収率で安定にトリクロロシランを製造する方法を提供する。【解決手段】炭素系材料からなる内部発熱体を備えた反応系にテトラクロロシラン及び水素ガスを供給してトリクロロシランを生成させる反応工程を備え、前記反応系の温度は600〜1000℃であり、前記テトラクロロシラン1モルに対する前記水素ガスの供給量は1〜5モルである、トリクロロシランの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、テトラクロロシランを還元してトリクロロシランを製造する方法に関する。
トリクロロシラン(SiHCl3)は、高純度のシリコンを製造するための原料として広く用いられている。トリクロロシランの製造方法としては、金属シリコン粉末(Si)と、塩化水素ガス(HCl)とを反応させる方法、テトラクロロシランを還元する方法等が知られている。
テトラクロロシランは、トリクロロシランの熱分解により高純度シリコンを製造する際に多量に副生する。また、流動床反応器を用いたシリコンと塩化水素との反応からトリクロロシランを製造する際にも副生することが知られている。そのため、テトラクロロシランを再利用等し、有効活用することが重要視されている。
テトラクロロシランを還元してトリクロロシランを製造する具体的な方法は、下記の文献に開示されている。
特許文献1には、テトラクロロシランと水素とを反応させる際に、600〜1200℃の範囲内の温度でトリクロロシラン及び塩化水素と反応平衡にあるモル組成1:1〜1:50のテトラクロロシラン/H2の混合物を取り出し、この混合物を急激に300℃以下に急冷する工程を備える方法が開示されている。
特許文献2には、テトラクロロシランと水素とを、1100〜1600℃の発熱体に吹き付ける工程を備え、テトラクロロシランを発熱体の近傍に供給し、水素をそれより離れた位置に供給する方法が開示されている。
特許文献3には、珪素粒子、テトラクロロシラン及び水素を、添加した銅シリサイドを含む触媒の存在下、400〜700℃の温度下に流動層で反応させる方法が開示されている。
特許文献4には、SiCl4をHSiCl3に接触脱ハロゲン水素化する方法であって、ガス状H2/SiCl4を含有する出発材料混合物を、抵抗加熱器の少なくとも1個の加熱エレメントと直接接触させることを特徴とし、当該加熱エレメントが、金属又は金属合金から成り、かつ変換を実施するために加熱される方法が開示されている。
また、特許文献5には、水素、四塩化ケイ素及び特定のホウ素化合物を含む反応ガスが、圧力4〜15barで900℃を超える温度に加熱され、温度が1150〜1250℃である少なくとも1つの加熱素子を用いて、四塩化ケイ素を反応器中で水素化する方法が開示されている。
特開昭48−95396号公報 特開昭57−3711号公報 特開平10−29813号公報 特表2007−533585号公報 特開2014−80357号公報
特許文献1に記載の方法は、外部加熱方式であり加熱効率の悪いものであった。また、水素化(還元)反応の制御が難しく、金属ケイ素が生成して反応器内に堆積するという問題があった。特許文献2に記載の方法は、反応系が高温であるので、副生する腐食性ガス(塩化水素)により、装置の構成部材が腐食してしまうという問題があった。
特許文献3における具体的な製造方法は、流動層反応器を使用するものであり、装置の構成が複雑で、珪素粒子による閉塞、穴あき等を生じ得る。また、銅触媒を用いているものの、反応性が十分ではなく、銅触媒の揮発性も高いため、最終製品に不純物として含有されてしまうという問題があった。また、反応器内は、通常、加圧系であるため、設備及び運転コストが高くなる傾向がある。
特許文献4に記載の製造方法は金属製の発熱体を用いるものであり、高温条件下で使用した場合には、生成ガスによる腐食及び脆化が懸念されるものである。特許文献5の製造方法は、特定量のホウ素化合物を使用するため操作が煩雑であり運転コストも嵩むという問題があった。
以上より、エネルギー効率が良好であり、運転コストが低く、製造装置の腐食や金属ケイ素堆積の懸念がなく、高収率で安定にトリクロロシランを製造する方法が望まれている。
本発明は、以下に示される。
〔1〕炭素系材料からなる内部発熱体を備えた反応系にテトラクロロシラン及び水素ガスを供給してトリクロロシランを生成させる反応工程を備え、
前記反応系の温度は600〜1000℃であり、
前記テトラクロロシラン1モルに対する前記水素ガスの供給量は1〜5モルである、
トリクロロシランの製造方法。
〔2〕流通型管状反応装置を用いる前記〔1〕に記載のトリクロロシランの製造方法。
〔3〕前記反応工程における前記テトラクロロシラン及び前記水素ガスの滞留時間が1.0秒以下である前記〔1〕又は〔2〕に記載のトリクロロシランの製造方法。
〔4〕前記反応工程は、常圧下で行われる前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載のトリクロロシランの製造方法。
〔5〕前記反応工程により得られた反応生成物を含むガスを冷却して凝縮捕集する凝縮工程をさらに備える前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載のトリクロロシランの製造方法。
本発明は、発熱体等へのシリコンの析出を抑制しつつ、又は、低減させつつ、トリクロロシランを高収率で製造し、製造装置の腐食や金属ケイ素の堆積等を招くことのない製造方法として有用である。
また、下記反応工程における原料ガスであるテトラクロロシラン及び水素ガスの滞留時間が1.0秒以下である場合には、シリコンの析出が抑制されるので、製造装置の閉塞等による構成部材の交換が不要であり、トリクロロシランをより低コストで製造することができる。
本発明の製造方法で用いる反応装置の一例を示す模式図である。
本発明におけるトリクロロシランの製造方法は、炭素系材料からなる内部発熱体を備え、600〜1000℃に加熱した反応系に、テトラクロロシラン及び水素ガスを供給してトリクロロシランを生成させる工程(以下、「反応工程」ともいう)を備える。
上記反応工程では、以下の式で示される反応が進行する。
SiCl4 + H2 → HSiCl3 + HCl
上記式によるトリクロロシランの製造は、テトラクロロシラン及び水素を原料とするものであり、これらは別々に、又は混合した状態で反応工程へ供される。テトラクロロシラン及び水素は窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガスに希釈した状態で供給してもよい。
テトラクロロシランと水素の供給量の比率は反応条件及び設備仕様等に応じて適宜決定することができるが、上記式にて示される反応が効率良く進行する観点から、テトラクロロシラン1モルに対する水素の供給量は、好ましくは1〜5モルであり、より好ましくは1〜4モルであり、さらに好ましくは1〜3モルである。
本発明の製造方法では、内部発熱体を含む系で反応が進行する。この場合、外部加熱方式に比較して加熱効率が良く、エネルギー効率及び運転コストの観点から有利な方法となる。
上記発熱体の構成材料は、熱安定性が良好である点から炭素系材料が好ましい。炭素系材料の具体例としては、グラファイト(黒鉛)、活性炭、グラフェン、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)、カーボンブラック、炭素繊維等が挙げられ、中でも発熱体としての性能、コストの観点からグラファイトが好ましい。上記炭素系材料は、炭化ケイ素等のセラミック材料により被覆されたものであってもよく、内部発熱体に直接通電することにより当該発熱体が発熱する。本発明の製造方法では、内部発熱体により反応系を600〜1000℃の範囲の温度に加熱し、発熱体等への金属シリコンの析出を抑制しつつ、又は、低減させつつ、円滑に還元反応を進めることができる。尚、発熱体の好ましい温度は、トリクロロシランの収率が高く、確実に金属シリコンの析出が抑制されることから、好ましくは700〜1000℃であり、より好ましくは750〜950℃である。
本発明の反応工程は、常圧下で実施してもよいし、必要に応じて加圧又は減圧下に実施してもよい。常圧下で行う場合、設備上の制約が少ない点で好ましい。
本発明の反応工程は公知の反応装置を用いて行うことが可能であるが、原料を所望の温度で効率よく反応させるために、流通型の反応装置を用いることが好ましい。中でも図1に例示されるような流通型管状反応装置がより好ましい。
流通型管状反応装置を用いる場合、管状反応装置の一端側から原料ガスを供給し、内部発熱体により加熱された反応装置内で反応が進行し、目的物であるトリクロロシランを含む生成ガスが管状反応装置の他端側から排出される。この場合、原料は、形成された気流により供給されるが、この気流は、水素ガスによるものであってよいし、窒素ガス、アルゴンガス等の反応に関与しないキャリヤーガスの利用によるものであってもよい。また、気流の空間速度は、特に限定されないが、反応効率の観点から、発熱体の容積に基づいて、好ましくは30〜300000/hr、より好ましくは300〜30000/hrである。このような流通型製造装置を用いると、反応温度を一定としたトリクロロシランの安定製造を連続的に進めることができる。
流通型管状反応装置を用いる場合、反応装置内の温度分布を抑える観点から、反応装置断面の中央部分に内部発熱体を配置することが好ましい。また、反応装置の内径が小さい方が温度分布の均一性が高まるため、内径(D)に対する反応装置の軸方向の長さ(L)の割合(L/D)は、好ましくは1〜100であり、より好ましくは3〜50である。
本発明の製造方法では、上記流通型管状反応装置等を用いて連続的にトリクロロシランの製造を行う場合、反応装置内におけるテトラクロロシラン及び水素を含む原料ガスの平均滞留時間は好ましくは1.2秒以下であり、より好ましくは1.0秒以下であり、さらに好ましくは0.8秒以下であり、一層好ましくは0.7秒以下である。平均滞留時間が1.2秒以下であれば、テトラクロロシランの水素化反応が過度に進むことによる金属シリコンの析出を十分抑制することができる。
また、トリクロロシランの生成反応を効率良く行う観点から、平均滞留時間の下限は好ましくは0.1秒以上であり、より好ましくは0.2秒以上である。
上記の通り、反応工程においては反応生成物としてトリクロロシランが生成する。本発明の製造方法では、上記反応工程の後、トリクロロシランを含む反応ガスを冷却して凝縮捕集する凝縮工程をさらに備えることができる。反応ガスの冷却は、空冷によるものでもよいし、冷水又はドライアイス溶媒等の公知の冷媒を用いて行ってもよい。凝縮工程を備えることにより、目的物であるトリクロロシランを効率良く捕集することができる。
凝縮工程は、反応工程の後に備えられることを要するが、反応工程に引き続き備えた場合、目的物であるトリクロロシランの捕集効率が良い点で好ましい。
本発明の製造方法は、内部発熱体を用いることからエネルギー効率及び運転コストの面で優れている。また、比較的低い反応温度で反応を行うことから、製造装置等の腐食や金属ケイ素の析出・堆積による問題を回避することができる。また、本発明の製造方法によれば、テトラクロロシラン及び水素ガスを原料としてトリクロロシランを高収率で安定的に製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図1に示される構造の管状反応装置を用いて反応を行った。具体的には、内径4mm(外径6mm)の石英ガラス管中に、発熱体として直径0.9mm、長さ60mmの炭素材(グラファイト)を設置した。炭素材に通電して反応管内を昇温し、十分に温度が上昇したところで、水素60ml/分及びテトラクロロシラン20ml/分を供給した(水素:テトラクロロシランモル比=3:1)。管状反応装置から排出された反応ガスをドライアイス冷媒により冷却し、凝縮液を2時間捕集して反応液を得た。石英管壁に熱電対を設置して反応中の反応温度を測定したところ、温度は840℃であった。また、放射温度計により測定した反応中の炭素発熱体表面温度は1170℃であった。
上記凝縮液を2時間捕集した時点で反応を終了し、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が極少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき0.5%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は27.0%であった。
実施例2
反応温度を810℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。また、放射温度計により測定した反応中の炭素発熱体表面温度は990℃であった。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が極少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき0.4%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は25.4%であった。
実施例3
反応温度を770℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られず、シリコンの堆積も観察されなかった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は8.8%であった。
実施例4
反応温度を900℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき1.2%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は30.4%であった。
実施例5
発熱体として直径0.5mm、長さ60mmの炭素材(グラファイト)を使用し、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき1.2%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は28.9%であった。
実施例6
図1に示される構造の管状反応装置を用いて反応を行った。具体的には、内径8mm(外径10mm)の石英ガラス管中に、発熱体として直径0.9mm、長さ60mmの炭素材(グラファイト)を設置した。炭素材に通電して反応管内を昇温し、十分に温度が上昇したところで、水素180ml/分及びテトラクロロシラン60ml/分を供給した(水素:テトラクロロシランモル比=3:1)。管状反応装置から排出された反応ガスをドライアイス冷媒により冷却し、凝縮液を1時間捕集して反応液を得た。石英管壁に熱電対を設置して反応中の反応温度を測定したところ、温度は850℃であった。
上記凝縮液を1時間捕集した時点で反応を終了し、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき1.3%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は18.5%であった。
実施例7
原料の供給量を水素60ml/分及びテトラクロロシラン12ml/分(水素:テトラクロロシランモル比=5:1)とし、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が極少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき0.8%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は21.4%であった。
実施例8
原料の供給量を水素30ml/分及びテトラクロロシラン10ml/分(水素:テトラクロロシランモル比=3:1)とし、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき2.4%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は23.1%であった。
比較例1
発熱体として直径0.5mm、長さ300mmのタングステンワイヤーをスパイラル状に形成して設置し、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体のタングステンワイヤーは脆化して柔軟性がなく、簡単に折れた。シリコンにまで転化した堆積物が少量観察されたが、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき1.4%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は16.8%であった。
比較例2
原料の供給量を水素60ml/分及びテトラクロロシラン7.5ml/分(水素:テトラクロロシランモル比=8:1)とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、使用後の発熱体の炭素材の外観に異常は見られなかった。シリコンにまで転化した堆積物が多量に観察され、堆積物は反応系に供給したテトラクロロシランに基づき6.0%であった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は23.3%であった。
比較例3
発熱体を設置せず、石英ガラス管に平行に接触設置したニクロム線(加熱長80mm)により石英管を加熱し、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、シリコンの堆積状況は観察されなかった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は0.2%であった。
比較例4
発熱体を設置せず、石英ガラス管を管状炉(加熱長260mm)により加熱し、反応温度を850℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い凝縮された反応液を得た。
反応終了後、反応装置を観察したところ、シリコンの堆積状況は観察されなかった。また、ガスクロマトグラフィを用いて反応液を分析した結果、反応液中のトリクロロシラン濃度は2.2%であった。
Figure 2017171536
Figure 2017171536
表1及び表2より明らかなように、本発明の方法によれば、シリコンの析出を抑制しつつ、比較的低い反応温度条件(770〜900℃)であっても、トリクロロシランを高収率で安定に製造することができる。中でも、反応工程における平均滞留時間が1.0以下である実施例1〜7では、平均滞留時間が1.0秒を超える(1.13秒)実施例8に比較して金属シリコンの体積量が少なく、安定製造の観点からも優れることが分かった。
一方、テトラクロロシランに対する水素ガスの比率が高い比較例2では、水素化反応が過度に進行した結果、多量のシリコンが析出した。また、外部加熱方式による比較例3及び4では、トリクロロシランを効率良く得ることができない結果であった。
本発明により製造されるトリクロロシランは、高純度のシリコンを製造するための原料として好適である。

Claims (5)

  1. 炭素系材料からなる内部発熱体を備えた反応系にテトラクロロシラン及び水素ガスを供給してトリクロロシランを生成させる反応工程を備え、
    前記反応系の温度は600〜1000℃であり、
    前記テトラクロロシラン1モルに対する前記水素ガスの供給量は1〜5モルである、
    トリクロロシランの製造方法。
  2. 流通型管状反応装置を用いる請求項1に記載のトリクロロシランの製造方法。
  3. 前記反応工程における前記テトラクロロシラン及び前記水素ガスの滞留時間が1.0秒以下である請求項1又は2に記載のトリクロロシランの製造方法。
  4. 前記反応工程は、常圧下で行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリクロロシランの製造方法。
  5. 前記反応工程により得られた反応生成物を含むガスを冷却して凝縮捕集する凝縮工程をさらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリクロロシランの製造方法。
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