JP2017173192A - 放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Nobuhisa Tanaka
宜久 田中
本間 健一
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Abstract

【課題】放射性セシウムで汚染された廃棄物から効率よく放射性セシウムを除去しながら安定して建築資材等を得られる廃棄物の処理方法を提供する。【解決手段】放射性セシウムで汚染された廃棄物Wと、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とを調合する調合装置2と、調合装置からの調合物Mを加熱して廃棄物中の放射性セシウムを揮発させる加熱炉11と、加熱炉の排ガスGを冷却して揮発した放射性セシウムを回収する回収装置(冷却塔21〜第1集塵機23)と、加熱炉から排出された焼成物B2を冷却する冷却装置14と、加熱炉から排出された直後の焼成物B1の放射性セシウム濃度を測定する測定装置12と、放射性セシウム濃度の測定値が所定の値以下の場合に焼成物を冷却装置に供給するルートと、前記測定値が所定の値を超える場合に焼成物を調合装置を介して加熱炉に戻すルートとに切り替える切替装置13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムを含有する廃棄物から放射性セシウムを除去すると共に、この廃棄物から建築資材等を製造する方法及び装置に関する。
放射性セシウムで汚染された廃棄物を処理するため、例えば、特許文献1には、放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とをロータリーキルンで加熱して廃棄物中の放射性セシウムを揮発させ、加熱により生じたガスを冷却して放射性セシウムを回収すると共に、加熱により得られた焼成物をクーラで冷却し、土工資材等に有効利用することが提案されている。
特開2013−108782号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、ロータリーキルン内でのコーチングの成長や脱落等による運転状況の変動、或いはロータリーキルンに供給する廃棄物の流動性や化学組成、放射性セシウム濃度等の物性の変動により、ロータリーキルン内で放射性セシウムを揮発させるに十分な温度や時間を加えることができないため、放射性セシウム濃度が高い不良品がロータリーキルンからクーラに排出されることがあった。この不良品は、クーラ内に滞留して徐々にクーラから排出されるため、一旦不良品がクーラに排出されると、拡散した不良品がクーラから完全に排出されるまでには相当の時間が掛かる。そのため、その後の良品確保に長時間を要するという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、放射性セシウムで汚染された廃棄物から効率よく放射性セシウムを除去しながら安定して建築資材等を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理方法であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とを調合し、調合物を加熱炉で加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させ、前記調合物の加熱により生じたガスを冷却して前記揮発した放射性セシウムを回収し、前記加熱炉から排出された直後の焼成物の放射性セシウム濃度を測定し、該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値以下の場合に、前記加熱炉から排出された直後の焼成物を冷却し、該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える場合に、前記加熱炉から排出された直後の焼成物を前記調合物と共に前記加熱炉で再度加熱することを特徴とする。
本発明によれば、加熱炉から排出された直後の焼成物の放射性セシウム濃度の測定値に応じて加熱炉から排出された直後の焼成物の処理方法を決定するため、放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える不良品が工程内で滞留するのを防止し、不良品の割合を低減し、安定して建築資材等の良品を得ることができる。また、前記不良品を再度加熱して処理することができる。
上記処理方法において、前記加熱炉から排出された直後の焼成物の一部について放射性セシウム濃度を測定し、該放射性セシウム濃度の測定値に応じて前記加熱炉から排出された焼成物全体の処理方法を決定することができる。測定対象の焼成物の一部は即座に冷却されて直接放射性セシウム濃度を測定することが可能となるため、精度の高い判定が可能となる。
また、本発明は、放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とを調合する調合装置と、該調合装置からの調合物を加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させる加熱炉と、前記加熱炉の排ガスを冷却して前記揮発した放射性セシウムを回収する回収装置と、前記加熱炉から排出された焼成物を冷却する冷却装置と、前記加熱炉から排出された直後の焼成物の放射性セシウム濃度を測定する測定装置と、該測定装置による放射性セシウム濃度の測定値が所定の値以下の場合に、前記焼成物を処理するルートを前記冷却装置に供給するルートと、該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える場合に、前記焼成物を前記加熱炉に戻すルートとに切り替える切替装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、加熱炉から排出された放射性セシウム濃度が所定の値以下の焼成物のみを冷却装置で冷却するため、冷却装置において放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える不良品が滞留するのを防止し、不良品の割合を低減し、安定して建築資材等の良品を得ることができる。また、前記不良品を再度加熱炉で加熱処理することができる。
上記処理装置は、前記加熱炉から排出された直後の焼成物の一部を分取する分取装置と、該分取装置で分取されなかった残りの焼成物を貯留する貯槽又は該残りの焼成物を冷却する予備冷却装置とを備え、前記測定装置は、前記分取装置で分取された焼成物の放射性セシウム濃度を測定し、前記切替装置は、該放射性セシウムの測定値に応じて前記貯槽又は予備冷却装置から排出された焼成物を処理するルートを前記冷却装置に供給するルート又は前記加熱炉に戻すルートのいずれかに切り替えるように構成することができ、分取した焼成物の一部は即座に冷却されて直接放射性セシウム濃度を測定することが可能となるため、精度の高い判定が可能となる。
以上のように、本発明によれば、放射性セシウムで汚染された廃棄物から効率よく放射性セシウムを除去しながら安定して建築資材等を得ることができる。
本発明に係る放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置の第1の実施形態を示す全体構成図である。 本発明に係る放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置の第2の実施形態の焼成装置を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、放射性セシウムとは、セシウムの放射性同位体であるセシウム134及びセシウム137である。
図1は、本発明に係る放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置の第1の実施形態を示し、この処理装置1は、調合装置2と、焼成装置10と、排ガス処理装置20とで構成される。
調合装置2は、放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wを貯留する貯槽3と、反応促進剤としての酸化カルシウム源(以下「CaO源」という。)を貯留する貯槽4と、反応促進剤としての塩素源(以下「Cl源」という。)を貯留する貯槽5と、貯槽3〜5に貯留される廃棄物W、CaO源及びCl源を引き出して調合する定量供給機(不図示)と、調合物Mを貯留する貯槽6とを備える。
上記CaO源として炭酸カルシウム、生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイト、高炉スラグ等を含むものを用いることができる。上記Cl源としては、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩素を有する廃プラスチック等を用いることができるが、このうちCaCl2は、効果的に放射性セシウムを除去できるので好ましい。
焼成装置10は、ロータリーキルン(加熱炉)11と、ロータリーキルン11から排出された直後の焼成物B1の放射性セシウム濃度を測定する第1測定装置12と、第1測定装置12の測定値に応じて焼成物B1を処理するルートを、クーラ14に供給するルートR1又は調合装置2に戻すルートR2に切り替える第1切替装置13と、第1切替装置13から排出された焼成物B2を冷却するクーラ14と、クーラ14から排出された良品(仮の良品)P1の放射性セシウム濃度を測定する第2測定装置15と、第2測定装置15の測定値に応じて良品P1を処理するルートを、良品(最終的な良品)P2を搬送又は保管するルートR3又は調合装置2に戻すルートR4に切り替える第2切替装置16とで構成される。ロータリーキルン11は、調合装置2からの調合物Mが供給される投入口11aや、微粉炭等の化石燃料を噴出して調合物M等を焼成するためのバーナ11bを備える。
ロータリーキルン11は、貯槽6から排出された調合物Mを加熱するために備えられる。尚、ロータリーキルン11以外の加熱炉を用いることもできる。
第1測定装置12には、コンベア式やホッパ充填式のものを用いることができる。コンベア式とは、測定対象物を専用容器に充填するか、もしくは所定の形状にしてコンベアに載せるか、又は測定対象物をコンベアに載せてから所定の形状にして搬送し、コンベアを囲うように設けられたゲルマニウム半導体検出器やNaIシンチレーション検出器等で構成された測定器で、搬送中の測定対象物の放射性セシウム濃度を連続的に測定するものである。
また、ホッパ充填式とは、ホッパに測定対象物を充填し、ホッパを囲うように設けられた測定器で測定対象物の放射性セシウム濃度をバッチ式で測定するものである。また、ホッパ充填式のものには、ホッパ内の放射性セシウムから発せられてホッパを貫通する放射線量率と、ホッパ内の放射性セシウム量との関係を予め導き出し、ホッパ内の測定対象物の重量と測定器により計測したホッパを貫通する放射線量とからホッパ内の測定対象物の放射性セシウム濃度を算出するものも用いられる。
第1切替装置13は、第1測定装置12における測定値が例えば100Bq/kg以下の場合に、焼成物B1を処理するルートをクーラ14に供給するルートR1に切り替え、この測定値が100Bq/kgを超える場合に、調合装置2に戻すルートR2に切り替えるために備えられる。これにより、放射性セシウム濃度が100Bq/kg以下の良品P1を得ることができる。
クーラ14には、ロータリークーラやエアークエンチングクーラ等を用いることができる。
第2測定装置15には、第1測定装置12と同様のものを用いることができる。第2測定装置15で放射性セシウム濃度が測定される良品P1は、クーラ14の内部で冷却されているため、第2測定装置15は耐熱性を有する必要はない。また、第2測定装置15にコンベア式のものを用いる場合には、良品P1を耐熱性の容器に入れてコンベアを搬送させるのではなく、良品P1を容器に入れずに直接コンベアで搬送することができるため、良品P1の放射性セシウム濃度をより正確に測定することができる。
第2切替装置16は、第2測定装置15における測定値が100Bq/kgを超える場合に、良品P1を処理するルートを調合装置2に戻すルートR4に切り替えるために備えられる。これにより、放射性セシウム濃度が100Bq/kg以下の良品(最終的な良品)P2を得ることができる。
尚、第2測定装置15及び第2切替装置16は、放射性セシウム濃度が100Bq/kg以下の良品P1から得られる良品P2の放射性セシウム濃度をより確実に100Bq/kg以下にするために備えられ、良品P1の放射性セシウム濃度を確認的に測定して良品P1の処理ルートを切り替えるために設けられるため、これらを省略することも可能である。
排ガス処理装置20は、ロータリーキルン11の後段に配置され、ロータリーキルン11の排ガスGを冷却する冷却塔21と、冷却塔21の後段に配置されたサイクロン22と、第1集塵機23と、第2集塵機24と、両集塵機23、24によって濃縮セシウム塩等のダストが除去された排ガスG4を脱硝する脱硝装置25と、脱硝装置25の排ガスG5を大気へ放出する煙突26とで構成される。
冷却塔21は、ロータリーキルン11の排ガスGを冷却し、廃棄物Wから揮発した放射性セシウム等を固体状として回収するために備えられる。排ガスGの冷却は、冷却塔21の下端部に設置された散水装置21aから水を噴霧することにより行う。尚、この散水装置21aは、揮発した塩化セシウム等の放射性セシウムを固体状となるまで冷却して回収し得る程度の機能を備えていればよい。また、水による冷却ではなく、冷却塔内に冷却空気を導入することによって冷却してもよく、水と冷却空気とを併用してもよい。
分級機としてのサイクロン22は、冷却塔21の排ガスG1からカルシウム成分を主体とする粗粉Cを回収するために設けられる。
第1集塵機23は、サイクロン22の排ガスG2から、上述のようにして濃縮されたセシウム塩等を含むダストD1を集塵するために備えられ、バグフィルタ等が用いられる。
第2集塵機24は、セシウム塩等を除去した後の排ガスG3に含まれる酸性ガス等を除去するために設けられ、カルシウム成分を含んでいる中和剤Nを中和剤添加装置(不図示)から添加し、酸性ガス等を吸着したダストD2を回収する。第2集塵機24にもバグフィルタ等が用いられる。
脱硝装置25は、第2集塵機24の排ガスG4にアンモニアガス(NH3)を注入してNOxを窒素に還元して無害化するために設けられる。
次に、上記構成を有する処理装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
調合装置2において、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wと、反応促進剤としてのCaO源及びCl源を貯槽3〜5から引き出して調合して調合物Mを得る。調合物Mは、焼成した場合にC3S(エーライト)が生成しない土工資材、又はセメント混合材や、C3Sを含むセメントクリンカの組成とする。
土工資材又はセメント混合材を製造する場合には、調合物M中のCaO、SiO2及びMgOの関係が(CaO+1.39×MgO)/SiO2=1.0〜2.7を満たすように、廃棄物WとCaO源をその種類や配合割合を定めた上で調合することが好ましい。尚、上記関係式において、CaOの1モルの質量は、MgOの1.39モルの質量に相当することから、MgOの質量に1.39を乗じている。
上記質量比が1.0未満であると、焼成温度が高温になるにつれて液相が生じ易くなり、放射性セシウムの揮発量が減少するおそれがある。上記質量比が2.7を超えると、放射性セシウムで汚染された廃棄物W及び調合物M中のカリウム及びナトリウムの揮発量の総和が増加し、粗粉C中のアルカリ成分が増加したり、排ガスG2を冷却して得られるダストの量が増加するおそれがある。
一方、セメントクリンカを製造する場合には、調合物M中のCaO、SiO2及びMgOの関係が(CaO+1.39×MgO)/SiO2=2.7〜3.7を満たすように、廃棄物WとCaO源をその種類や配合割合を定めた上で調合することが好ましい。
上記質量比が2.7以上であると、調合物Mが溶融し難くなるため、放射性セシウムをより多く揮発させることができる。一方、上記質量比が3.7を超えると、セメントクリンカに含まれるフリーライム(遊離石灰)が増加するためセメントの品質が低下するおそれがある。これらをより確実に防止するため、上記質量比が2.8〜3.5を満たすことが好ましい。さらに、調合物Mのケイ酸率(S.M.)を1.3〜3.0、鉄率(I.M.)を1.3〜2.8に調整することで、所望のセメントクリンカを製造することができる。
また、上記Cl源の量は、土工資材、セメント混合材、及びセメントクリンカのいずれを製造する場合にも、廃棄物Wに含まれる放射性セシウムに対して当量以上となるように調合することが好ましい。Cl源の量の上限は、塩素と、セシウム及びカリウムとのモル比Cl/(Cs+K)が好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下になる量である。このモル比が1.0以下であると、カリウムやナトリウムの揮発量を抑制しながら放射性セシウムが揮発するため、放射性セシウム含有廃棄物の減容化を図ることができる。
尚、土工資材又はセメント混合材を製造する場合には、土工資材(焼成物B)の酸化カルシウム濃度が50質量%以上となるように、上記調合及び下記焼成を行うことが好ましい。これにより、硫黄分が土工資材中に保持されたり、後述する第1集塵機23において硫黄化合物として、排ガスG2のダストD1として集塵されるため、硫黄分の循環を抑制でき、排ガス処理の負荷の増大やコーチングの増加を低減することができる。
次に、調合物Mを貯槽6から投入口11aを介してロータリーキルン11に投入し、1200℃以上1550℃以下で焼成し、得られた焼成物B1をロータリーキルン11から排出する。ここで、ロータリーキルン11内の酸素分圧を3%以上、好ましくは5%以上とする。これにより、ロータリーキルン11内での硫黄化合物の分解が抑制され、硫黄分の循環が抑制されるので、中和剤使用量の増加及びロータリーキルン11や冷却塔21へのコーチング付着量の増加を抑制することができる。
ロータリーキルン11から排出した焼成物B1の放射性セシウム濃度を第1測定装置12で測定し、測定後の焼成物B1を第1切替装置13に供給する。この測定値が100Bq/kgを超える場合には、焼成物B1を不良品I1としてルートR2を介して貯槽3に戻し、この測定値が100Bq/kg以下である場合には、焼成物B1を焼成物B2としてルートR1を介してクーラ14に供給して冷却する。
クーラ14で焼成物B2を冷却して良品P1を排出し、第2測定装置15で良品P1の放射性セシウム濃度を測定し、測定後の良品P1を第2切替装置16に供給する。第2測定装置15の測定値が100Bq/kgを超える場合には、良品P1を不良品I2としてルートR4を介して不良品I1と合流させて貯槽3に戻し、第2測定装置15の測定値が100Bq/kg以下の場合は、仮の良品P1を最終的な良品P2とする。
良品P2は、必要に応じて解砕や粉砕を行い、セメントクリンカ、セメント混合材、土工資材(骨材(コンクリート用骨材、アスファルト用骨材)、埋め戻し材、盛り土材、路盤材等)の建築資材として利用することができる。
一方、ロータリーキルン11内で、廃棄物Wに含まれていた放射性セシウムをCl源と反応させて塩化セシウムを生成させ、生成して揮発した塩化セシウムを含むロータリーキルンの排ガスGを冷却塔21へ導入する。冷却塔21で散水装置21aから排ガスGに水を噴霧して排ガスGを急激に冷却し、排ガスGに含まれていた塩化セシウムを固体状のセシウム塩とする。
冷却塔21の排ガスG1に含まれるダストをサイクロン22で分級し、分級して得られた粗粉Cを調合物Mと合流させてロータリーキルン11に投入する。
一方、セシウム塩を含有するサイクロン22からの排ガスG2を第1集塵機23に導入し、固体状の濃縮セシウム塩を含むダストD1を回収する。回収したダストD1は、必要に応じて圧縮、水洗、吸着等により、さらに減容化処置をした後、コンクリート製の容器等に密閉して保管することができ、放射性セシウムを含む廃棄物を外部に漏洩させることなく減容化し、保管することができる。
濃縮セシウム塩を回収した後の第1集塵機23の排ガスG3には、酸性ガス等の有害ガスが含まれているため、排ガスG3に中和剤添加装置から中和剤Nを添加した後、酸性ガス等を吸着したダストD2を第2集塵機24で排ガスG3から回収する。ここで、中和剤Nとして、消石灰、生石灰、ドロマイト、軽焼ドロマイト及び水酸化ドロマイトからなる群から選択される一以上を含むものを用いることができる。回収したダストD2は、消石灰、石膏、塩化カルシウムが主成分であるので、CaO源やCl源として調合装置2に戻して廃棄物Wに添加して再利用できる。
第2集塵機24の排ガスG4にアンモニア添加装置からアンモニアガスを添加し、添加後の排ガスG4を脱硝装置25で脱硝する。脱硝後の排ガスG5は、煙突26から大気に放出する。
次に、本発明に係る放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置の第2の実施形態について、図2を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る処理装置は、上記第1の実施形態における焼成装置10に代えて焼成装置30を備える。以下において、本実施形態と上記第1の実施形態との共通点については説明を省略し、焼成装置30について詳細に説明する。
焼成装置30は、図1に示したロータリーキルン11から排出された直後の焼成物B1から測定用焼成物S1を分取する分取装置32と、分取装置32で分取された測定用焼成物S1を冷却する冷却装置33と、冷却装置33で冷却された測定用焼成物S2の放射性セシウム濃度を測定する第1測定装置34と、第1測定装置34での測定値に応じて測定用焼成物S2の処理ルートを切り替える第1切替装置35と、測定用焼成物S1を分取した後の残りの焼成物B3を貯留するホッパ36と、ホッパ36から排出された焼成物B3の処理ルートを第1測定装置34の測定値に応じて切り替える第2切替装置37と、第1切替装置35及び第2切替装置37から各々排出された焼成物B5、B4を冷却するクーラ38と、クーラ38から排出された良品(仮の良品)P3の放射性セシウム濃度を測定する第2測定装置39と、第2測定装置39の測定値に応じて良品P3の処理ルートを切り替える第3切替装置40とで構成される。
ホッパ36には耐熱性を有するものが用いられる。また、第1測定装置34及び第2測定装置39には、図1に示す第1測定装置12及び第2測定装置15と各々同様のものが用いられる。また、ホッパ36に代えて焼成物B3を予備冷却する予備冷却装置を備えることもできる。この予備冷却装置での焼成物B3の滞留期間は、焼成物B3が予備冷却装置に供給されてから、第1の測定装置34の測定値が判明するまでとすることで、予備冷却装置内での焼成物B3の滞留期間を短くして予備冷却装置内での放射性セシウムの拡散を最小限に抑制することができる。さらに、クーラ38には、ロータリークーラやエアークエンチングクーラ等を用いることができる。
次に、上記焼成装置30の動作について、図2を参照しながら詳細に説明する。
図1に示したロータリーキルン11から排出した焼成物B1の一部を分取装置32で分取し、分取した測定用焼成物S1を冷却装置33で冷却する。焼成物B1からの分取は、排出を分岐して連続的に少量を取り分けてもよいし、一定間隔で少量を抜き取ってもよい。測定用焼成物S1は、少量であるのでコンベア上などで送風や散水を行うことで容易に冷却できる。
次に、冷却装置33で冷却して得られた測定用焼成物S2の放射性セシウム濃度を第1測定装置34で測定し、測定後の測定用焼成物S2を第1切替装置35に供給する。この測定値が例えば100Bq/kgを超える場合には、測定用焼成物S2を不良品I3としてルートR5を介して貯槽3に戻し、この測定値が100Bq/kg以下である場合には、測定用焼成物S2を焼成物B5としてルートR6を介してクーラ38に供給する。
一方、分取装置32で分取されなかった残りの焼成物B3を測定装置34の測定値が判明するまでホッパ36に貯留し、第1測定装置34の測定値が100Bq/kgを超える場合には、第2切替装置37によって焼成物B3を不良品I4としてルートR7を介して貯槽3に戻し、第1測定装置34の測定値が100Bq/kg以下である場合は、焼成物B3を焼成物B4としてルートR8を介してクーラ38に供給する。
クーラ38から良品P3を排出し、第2測定装置39で良品P3の放射性セシウム濃度を測定し、測定後の良品P3を第3切替装置40に供給する。第2測定装置39の測定値が100Bq/kgを超える場合には、第3切替装置40によって良品P3を不良品I5としてルートR9を介して貯槽3に戻し、第2測定装置39の測定値が100Bq/kg以下である場合には、良品P3を良品(最終的な良品)P4としてルートR10を介して搬送又は保管する。
以上のように、上記第1及び第2の実施形態によれば、加熱して得られた焼成物B1をすぐさま仕分けし、放射性セシウム濃度が100Bq/kg以下のものB2、B4、B5のみをクーラ14、38に供給するため、クーラ14、38の内部で不良品が拡散するのを防止し、不良品の割合を低減して、クーラ14、38から放射性セシウム濃度が100Bq/kg以下の良品P1、P3を安定して得ることができる。また、加熱により得られた焼成物B1の中で放射性セシウム濃度が100Bq/kgを超えるものI1〜I5は再度加熱処理する。
尚、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wとして、放射性セシウムで汚染された土壌、焼却灰を例示したが、これらの他に、伐採木、ごみ由来の溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥乾粉、浄水汚泥、建設汚泥、下水スラグ、貝殻、草木、がれき等の廃棄物であって放射性セシウムを含むものすべてを対象とすることができ、これらの群に含まれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせることができる。さらに、放射性セシウムをほとんど含まない部分(土壌の場合には、砂や石)を予め取り除いて得られる、放射性セシウムが濃縮された中間処理物も、本発明における放射性セシウムで汚染された廃棄物Wに含まれる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、貯槽4からCaO源を供給したが、CaO源に代えて又はCaO源と共に酸化マグネシウム源(MgO源)を供給することもできる。MgO源には、炭酸マグネシウム(MgCO3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、ドロマイト、蛇紋岩、フェロニッケル合金スラグ等を含むものを用いることができる。
さらに、上記良否判定の基準は、基本的には建築資材に利用可能となるクリアランスレベル(100Bq/kg)とするが、高濃度に汚染された区域の土壌・瓦礫等の放射性セシウム含有廃棄物を対象とし、該区域で従事する作業者の被曝線量を現状より少しでも低減することを目的とするのであれば、これを超える基準にしてもよい。すなわち、対象処理物の放射性セシウム濃度や焼成物の用途により任意に良否判定の基準を変更することができる。
1 放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置
2 調合装置
3〜6 貯槽
10 焼成装置
11 ロータリーキルン
11a 投入口
11b バーナ
12 第1測定装置
13 第1切替装置
14 クーラ
15 第2測定装置
16 第2切替装置
20 排ガス処理装置
21 冷却塔
21a 散水装置
22 サイクロン
23 第1集塵機
24 第2集塵機
25 脱硝装置
26 煙突
30 焼成装置
32 分取装置
33 冷却装置
34 第1測定装置
35 第1切替装置
36 ホッパ
37 第2切替装置
38 クーラ
39 第2測定装置
40 第3切替装置
B1〜B5 焼成物
C 粗粉
D1、D2 ダスト
G、G1〜G5 排ガス
I1〜I5 不良品
R1〜R10 ルート
M 調合物
N 中和剤
P1、P3 (仮の)良品
P2、P4 (最終的な)良品
S1、S2 測定用焼成物
W (放射性セシウムで汚染された)廃棄物

Claims (4)

  1. 放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とを調合し、
    調合物を加熱炉で加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させ、
    前記調合物の加熱により生じたガスを冷却して前記揮発した放射性セシウムを回収し、
    前記加熱炉から排出された直後の焼成物の放射性セシウム濃度を測定し、
    該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値以下の場合に、前記加熱炉から排出された直後の焼成物を冷却し、該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える場合に、前記加熱炉から排出された直後の焼成物を前記調合物と共に前記加熱炉で再度加熱することを特徴とする放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理方法。
  2. 前記加熱炉から排出された直後の焼成物の一部について放射性セシウム濃度を測定し、該放射性セシウム濃度の測定値に応じて前記加熱炉から排出された焼成物全体の処理方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理方法。
  3. 放射性セシウムで汚染された廃棄物と、酸化カルシウム源又は/及び酸化マグネシウム源と、塩素源とを調合する調合装置と、
    該調合装置からの調合物を加熱して前記廃棄物中の放射性セシウムを揮発させる加熱炉と、
    前記加熱炉の排ガスを冷却して前記揮発した放射性セシウムを回収する回収装置と、
    前記加熱炉から排出された焼成物を冷却する冷却装置と、
    前記加熱炉から排出された直後の焼成物の放射性セシウム濃度を測定する測定装置と、
    該測定装置による放射性セシウム濃度の測定値が所定の値以下の場合に、前記焼成物をを処理するルートを前記冷却装置に供給するルートと、該放射性セシウム濃度の測定値が所定の値を超える場合に、前記焼成物を前記加熱炉に戻すルートとに切り替える切替装置とを備えることを特徴とする放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置。
  4. 前記加熱炉から排出された直後の焼成物の一部を分取する分取装置と、
    該分取装置で分取されなかった残りの焼成物を貯留する貯槽又は該残りの焼成物を冷却する予備冷却装置とを備え、
    前記測定装置は、前記分取装置で分取された焼成物の放射性セシウム濃度を測定し、
    前記切替装置は、該放射性セシウムの測定値に応じて前記貯槽又は予備冷却装置から排出された焼成物を処理するルートを前記冷却装置に供給するルート又は前記加熱炉に戻すルートのいずれかに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の放射性セシウムで汚染された廃棄物の処理装置。
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