JP2017173879A - 機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラム - Google Patents

機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】通信負荷の大幅な増加を招くことなく、機器の有用な診断結果を得ることが可能な機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラムを提供する。【解決手段】機器診断装置30は、プラントに設置されてフィールドネットワークN1に接続されたフィールド機器10の診断を行うものであり、フィールドネットワークN1を介してフィールド機器10の機器パラメータを間欠的に取得し、取得した機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、この統計値とフィールド機器10の正常時に取得された機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、フィールド機器10の診断を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラムに関する。
従来から、プラントや工場等においては、分散制御システム(DCS:Distributed Control System)が構築されており、高度な自動操業が実現されている。この分散制御システムは、フィールド機器と呼ばれる現場機器(測定器、操作器)と、これらの制御を行う制御装置とが通信手段を介して接続されたシステムである。また、近年においては、上記の分散制御システムとともに、プラントに設けられた各種機器(フィールド機器を含む)の診断を行う機器診断システムが構築されることが多くなっている。
上記の機器診断システムは、例えばフィールド機器の一種であるバルブ機器の診断を、以下の手順で行う。機器診断システムは、まずバルブ機器に内蔵されているインテリジェントセンサの検出結果とバルブ機器に与えられた制御信号とを取得する。次に、インテリジェントセンサの検出結果によって示されているバルブの開度と、バルブ機器に与えられた制御信号によって指示されるバルブの開度とを比較する。そして、これらが一致するか(或いは、ほぼ一致するか)否かに応じてバルブ機器が正常に動作しているか否かを診断する。
以下の特許文献1,2には、プラントに設置された機器を診断する従来技術の一例が開示されている。具体的に、以下の特許文献1には、種類の異なるバルブを含む各種機器に関する診断データを収集してデータベースサーバで一元管理し、診断データに基づいて診断ソフトウェアを実行することで、プラントの各所に点在する多種多様な機器に対する診断を統括して行うことが可能な技術が開示されている。また、以下の特許文献2には、バルブのポジショナに対してステップ入力を与え、そのステップ応答より得られる複数の動特性指標値を代表する代表指標値を求めてバルブの正常異常を判断する技術が開示されている。
特開2003−316424号公報 特開2014−134999号公報
ところで、従来の機器診断システムでは、例えば各々のバルブ機器の診断が1日に1回程度の頻度で行われており、機器診断システムによって診断が行われる場合には、1秒程度の周期で1つのバルブ機器の機器パラメータを連続して取得する処理が数分間に亘って行われる。尚、上記の機器パラメータには、バルブ機器に与えられた制御信号を示すパラメータと、インテリジェントセンサの検出結果を示すパラメータとの双方が含まれる。
このように、従来は、プラントに設置された機器の機器パラメータが、1日に1回程度の頻度で数分の間しか取得されていない。このため、従来の機器診断システムの診断結果は、その数分の間における機器の動作が反映されたものに過ぎず、所望の期間(例えば、1日、数日、或いは数十日)に亘る機器の状態が反映されたものではないため、有用な診断結果を得ることができないという問題があった。
また、従来は、機器の診断が行われる頻度が低いものの、診断が行われる場合には、1秒程度の周期で1つの機器の機器パラメータを連続して取得する処理が数分間に亘って行われることから、通信負荷が大きくなるという問題がある。機器の診断が行われる頻度を少なくすれば通信負荷を低減することができると考えられるが、このように機器の診断が行われる頻度を少なくすると、1日等の単位期間に診断することができる機器の数が制限されてしまうという問題がある。
ここで、複数の入力信号を1つの出力信号として出力する装置(マルチプレクサ)等を用意し、プラントに設けられた複数の機器の機器パラメータを、マルチプレクサを介して機器診断システムが取得するようにすれば、通信負荷を低減することができると考えられる。しかしながら、追加のハードウェアが必要になるとともに、バルブに設けられたポジショナの種類毎に専用の診断ソフトも必要になるという問題があった。加えて、このような専用の診断ソフトは、各々診断手法が異なるため、種類が異なるバルブの診断結果を比較することが難しいという問題もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、通信負荷の大幅な増加を招くことなく、機器の有用な診断結果を得ることが可能な機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の機器診断装置は、プラントに設置されてネットワーク(N1)に接続された機器(10)の診断を行う機器診断装置(30)において、前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する取得部(34a)と、前記取得部によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、当該統計値と前記機器の正常時に前記取得部によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う診断部(34b)と、を備える。
また、本発明の機器診断装置は、前記診断部が、当該統計値を前記基準値で除して得られる診断値を用いて前記機器の診断を行う。
また、本発明の機器診断装置は、前記診断部が、前記機器の起動が行われた場合、或いは外部から前記基準値の算出指示が入力された場合に、前記基準値を求める。
また、本発明の機器診断装置は、前記診断部が、前記基準値を求めるために必要な数の前記機器パラメータが前記取得部で取得されたときに前記基準値を求める。
また、本発明の機器診断装置は、前記診断部が、当該統計値を求めるための前記機器パラメータの数が所定数よりも多い場合には、前記機器パラメータのうちの最も新しい予め規定された数の前記機器パラメータを用いて当該統計値を求める。
また、本発明の機器診断装置は、前記取得部が、1つの前記機器につき、1時間に複数回の頻度で前記機器パラメータを取得する。
本発明の機器診断方法は、プラントに設置されてネットワーク(N1)に接続された機器(10)の診断を行う機器診断方法であって、前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する第1ステップ(S15)と、前記第1ステップで取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求める第2ステップ(S19)と、前記第2ステップで求められた前記統計値と、前記機器の正常時に取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う第3ステップ(S20)と、を有する。
本発明の機器診断プログラムは、コンピュータを、プラントに設置されてネットワーク(N1)に接続された機器(10)の診断を行う機器診断装置(30)として機能させる機器診断プログラムであって、前記コンピュータを、前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する取得手段(34a)と、前記取得手段によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、当該統計値と前記機器の正常時に前記取得手段によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う診断手段(34b)と、して機能させる。
本発明によれば、ネットワークを介して機器の機器パラメータを間欠的に取得し、取得した機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、当該統計値と機器の正常時に取得された機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて機器の診断を行うようにしている。このため、通信負荷の大幅な増加を招くことなく、機器の有用な診断結果を得ることが可能であるという効果がある。また、仕様の異なる機器の診断結果を比較することができるという効果がある。
本発明の一実施形態による機器診断装置が用いられるプロセス制御システムの概要を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による機器診断装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態において作成されるヒストグラムの一例を示す図である。 本発明の一実施形態による機器診断方法の一例を示すフローチャートである。 機器パラメータが取得されるタイミングの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラムについて詳細に説明する。
〈プロセス制御システム〉
図1は、本発明の一実施形態による機器診断装置が用いられるプロセス制御システムの概要を示すブロック図である。図1に示す通り、プロセス制御システム1は、フィールド機器10(機器)、コントローラ20、及び機器診断装置30を備えており、コントローラ20がフィールド機器10を制御することによって、プラント(図示省略)で実現される工業プロセスの制御を行う。また、本実施形態のプロセス制御システム1では、機器診断装置30によってフィールド機器10の診断が行われる。
ここで、フィールド機器10及びコントローラ20はフィールドネットワークN1(ネットワーク)に接続され、コントローラ20及び機器診断装置30は制御ネットワークN2に接続されている。フィールドネットワークN1は、例えばプラントの現場に敷設された有線のネットワークである。他方、制御ネットワークN2は、例えばプラントの現場と監視室との間を接続する有線のネットワークである。尚、これらフィールドネットワークN1及び制御ネットワークN2は、無線のネットワークであっても良い。
フィールド機器10は、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントの現場に設置される機器である。尚、図1においては、理解を容易にするために、プラントに設置された種々のフィールド機器10のうち、流体の流量を制御(操作)するバルブ機器10a〜10cのみを図示している。
フィールド機器10は、コントローラ20からフィールドネットワークN1を介して送信されてくる制御データに応じた動作を行う。例えば、コントローラ20からバルブ機器10a〜10cに対して制御データ(弁の開度を制御するデータ)が送信されてきた場合には、バルブ機器10a〜10cは、流体が通過する弁の開度を制御データで指示される開度にそれぞれ設定する。
また、バルブ機器10a〜10cは、弁の実際の開度を検出するインテリジェントセンサ(図示省略)を備えており、上記の制御データで指示される開度を示すパラメータと、インテリジェントセンサの検出結果を示すパラメータとを対にして機器パラメータとして記憶する。バルブ機器10a〜10cは、機器診断装置30からの送信要求(機器パラメータの送信要求)があった場合に、記憶している機器パラメータの送信を行う。
コントローラ20は、プロセス制御システム1の中核をなす装置であり、フィールドネットワークN1を介して、フィールド機器10からの測定データの収集、及びフィールド機器10に対する制御(操作)を行う。尚、コントローラ20によって収集される測定データは、工業プロセスにおける状態量(例えば、温度、流量、圧力等)を測定して得られるデータであり、コントローラ20によって行われるフィールド機器10に対する制御は、例えば上述したバルブ機器10a〜10cの開度の制御等である。
機器診断装置30は、制御ネットワークN2、コントローラ20、及びフィールドネットワークN1を介して、フィールド機器10の機器パラメータを間欠的に収集し、収集した機器パラメータを用いてフィールド機器10の診断を行う。例えば、機器診断装置30は、バルブ機器10a〜10cから得られる機器パラメータを間欠的に収集して、バルブ機器10a〜10cが正常に動作しているか否か(例えば、弁の固着が生じていないか否か)の診断を行う。
〈機器診断装置〉
図2は、本発明の一実施形態による機器診断装置の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、機器診断装置30は、操作部31、表示部32、格納部33、処理部34、通信部35、及びドライブ装置36を備えおり、予め規定されたプログラムに従って、或いは操作部31に対する操作指示に応じて、フィールド機器10の機器パラメータを収集し、収集した機器パラメータを用いてフィールド機器10の診断を行う。このような機器診断装置30は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータ、或いはワークステーションにより実現される。
操作部31は、例えばキーボードやポインティングデバイス等の入力装置を備えており、機器診断装置30を使用するユーザの操作に応じた指示(機器診断装置30に対する指示)を処理部34に出力する。尚、機器診断装置30を使用するユーザとしては、例えばプラントの運転員が挙げられる。表示部32は、例えば液晶表示装置等の表示装置を備えており、処理部34から出力される各種情報を表示する。尚、操作部31及び表示部32は、物理的に分離されたものであっても良く、表示機能と操作機能とを兼ね備えるタッチパネル式の液晶表示装置のように物理的に一体化されたものであっても良い。
格納部33は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等の補助記憶装置を備えており、各種データを格納する。例えば、格納部33は、フィールド機器10から収集された機器パラメータPMを格納する。尚、バルブ機器10a〜10cの機器パラメータPMは、上述した通り、コントローラ20からの制御データで指示される開度を示すパラメータと、インテリジェントセンサで検出された実際の開度を示すパラメータとが対にされたものである。
処理部34は、予め規定されたプログラムに従って、或いは操作部31から入力される操作指示に基づいて、機器診断装置30の動作を統括して制御する。この処理部34は、取得部34a(取得手段)及び診断部34b(診断手段)を備えており、フィールド機器10から機器パラメータPMを取得して格納部33に格納させ、格納部33に格納された機器パラメータPMを用いてフィールド機器10の診断を行う。
取得部34aは、通信部35を制御することにより、制御ネットワークN2、コントローラ20、及びフィールドネットワークN1を介して、フィールド機器10の機器パラメータを間欠的に収集する。具体的に、取得部34aは、通信部35を制御して、例えば1つのフィールド機器10に対し、数十分程度の時間間隔(1時間に複数回の頻度)で機器パラメータの送信要求を送信することにより、フィールド機器10の機器パラメータを数十分程度の時間間隔で間欠的に収集する。尚、取得部34aは、機器パラメータの送信要求の送信を、送信先となるフィールド機器10を変えながら順次行う。
診断部34bは、格納部33に格納された機器パラメータPMを読み出し、読み出した機器パラメータPMを用いて統計演算を行って統計値を求め、この統計値と予め求めた基準値とに基づいてフィールド機器10の診断を行う。ここで、上記の基準値は、例えばフィールド機器10の正常時に取得された機器パラメータPMを用いて上記の統計演算を行うことにより求められた統計値である。診断部34bは、格納部33から読み出した機器パラメータPMを用いて得られた統計値を上記の基準値で除算して診断値を求め、この診断値を用いてフィールド機器10の診断を行う。
ここで、上記の診断値は、格納部33から読み出した機器パラメータPMを用いて得られた統計値を上記の基準値で正規化したものということができる。このような診断値を求めるのは、フィールド機器10の仕様の違い(例えば、バルブ機器10a〜10cについては弁の大きさ等の違い)による診断結果の違いを無くすためである。この診断値を用いることで、仕様の異なるフィールド機器10であっても診断結果を比較することが可能になる。
上記の基準値は、例えばプロセス制御システム1が起動された場合、或いは基準値の算出指示が操作部31から入力された場合に、診断部34bによって算出される。また、プロセス制御システム1が起動されている状態において、特定のフィールド機器10が起動された場合には、そのフィールド機器10についての基準値が作成され、また、特定のフィールド機器10についての基準値の算出指示が操作部31から入力された場合には、そのフィールド機器10についての基準値が作成される。尚、詳細は後述するが、診断部34bが基準値を作成するのは、基準値を求めるために必要な数の機器パラメータPMが取得部34aで取得されたときである。
診断部34bで行われる統計演算は、例えばフィールド機器10がバルブ機器10aである場合には、バルブ機器10aから収集した機器パラメータPMで対にされているパラメータの差分の出現頻度を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムから標準偏差σを求める処理である。上記の差分は、コントローラ20からバルブ機器10aに与えられた制御データで指示される開度を示すパラメータと、バルブ機器10aのインテリジェントセンサで検出された実際の開度を示すパラメータとの差分である。
図3は、本発明の一実施形態において作成されるヒストグラムの一例を示す図である。尚、図3(a)は、バルブ機器10aが正常である場合(例えば、弁の固着が生じていない場合)に作成されるヒストグラムの一例を示す図であり、図3(b)は、バルブ機器10aが異常である場合(例えば、弁の固着が生じている場合)に作成されるヒストグラムの一例を示す図である。尚、図3(a),(b)においては横軸に上記の差分をとり、縦軸に頻度をとってある。
図3(a)を参照すると、バルブ機器10aが正常である場合には、差分の値が「0」になる頻度が高く、差分の値が「0」以外になる頻度は低いことが分かる。このため、図3(a)に示すヒストグラムは、例えば標準偏差σが小さな正規分布曲線L1で表すことができる。これに対し、図3(b)を参照すると、バルブ機器10aが異常である場合には、差分の値が「0」になる頻度が図3(a)に比べて低くなり、差分の値が「0」以外になる頻度が図3(a)に比べて高くなることが分かる。しかも、図3(a)に比べて差分の値が大きくなっていることも分かる。このため、図3(b)に示すヒストグラムは、例えば標準偏差σが大きな正規分布曲線L2で表すことができる。このように、バルブ機器10bの異常が生ずると標準偏差σが大きくなることから、標準偏差σを求めることでバルブ機器10aの診断を行うことが可能になる。
診断部34bで行われる統計演算は、上述の統計演算に制限されることはなく、フィールド機器10の診断を良好に行うことができるのであれば、任意の統計演算を用いることができる。尚、詳細は後述するが、診断部34bは、上記の統計値を求めるための機器パラメータPMの数が多すぎる場合には、機器パラメータPMのうちの最も新しい予め規定された数の機器パラメータPMを用いて上記の統計演算を行って上記の統計値を求める。
通信部35は、制御ネットワークN2に接続されており、取得部34aによって制御されて、コントローラ20を介してフィールド機器10との間で通信を行う。ドライブ装置36は、例えばCD−ROM又はDVD(登録商標)−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体Mに記録されているデータの読み出しを行う。この記録媒体Mは、機器診断装置30の各ブロックの機能(例えば、処理部34に設けられた取得部34a及び診断部34b等)を実現するプログラム(設定プログラム)を格納している。
このような記録媒体Mに格納されたプログラムがドライブ装置36によって読み込まれ、機器診断装置30にインストールされることにより、機器診断装置30の各ブロックの機能がソフトウェア的に実現される。つまり、これらの機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現される。尚、機器診断装置30の各ブロックの機能を実現するプログラムは、記録媒体Mに記録された状態で配布されても良く、インターネット等の外部のネットワークを介して配布されても良い。
〈機器診断方法〉
図4は、本発明の一実施形態による機器診断方法の一例を示すフローチャートである。尚、図4に示すフローチャートは、1つのフィールド機器10(ここでは、バルブ機器10aとする)の診断に係る処理を示すものである。尚、図4に示すフローチャートの処理は、バルブ機器10a以外のフィールド機器10についても個別に行われる。図4に示すフローチャートの処理は、バルブ機器10aが起動された場合、或いはバルブ機器10aについての基準値の算出指示が操作部31から入力された場合に開始される。
図4に示すフローチャートの処理が開始されると、まず診断フラグ(バルブ機器10aの診断が可能であるか否かを示すフラグ)の値を「0」に設定して初期化する処理が処理部34で行われる(ステップS11)。尚、診断フラグの値は、バルブ機器10aの診断が不可である場合には「0」が設定され、バルブ機器10aの診断が可能である場合には「1」が設定される。
次に、基準値を求めるために必要な規定数の機器パラメータPMが格納部33に格納されており、且つ診断フラグの値が「0」であるか否かが処理部34で判断される(ステップS12)。ここでは、診断フラグの値が「0」であるが、バルブ機器10aからの機器パラメータPMの収集が行われておらず、規定数の機器パラメータPMが格納部33に格納されていないため、ステップS12の判断結果は「NO」になる。
次いで、診断フラグの値が「1」であるか否かが処理部34で判断される(ステップS13)。ここでは、診断フラグの値が「0」であるため、ステップS13の判断結果は「NO」になる。すると、一定時間(例えば、数十分程度)待機する処理が処理部34で行われ(ステップS14)、その後にバルブ機器10bの機器パラメータPMを取得する処理が取得部34aで行われる(ステップS15)。
バルブ機器10bの機器パラメータPMが取得されると、再びステップS12の処理が行われる。ここでは、診断フラグの値が「0」であるが、依然として規定数の機器パラメータPMが格納部33に格納されていないため、ステップS12の判断結果は「NO」になる。以降、規定数の機器パラメータPMが格納部33に格納されるまで、ステップS12〜S15の処理が繰り返し行われる。
規定数の機器パラメータPMが格納部33に格納されると、ステップS12の判断結果が「YES」になり、格納部33に格納された規定数の機器パラメータPMを用いて基準値を算出する処理が診断部34bで行われる(ステップS16)。尚、ステップS16では、例えば格納部33から読み出した機器パラメータPMで対にされているパラメータの差分の出現頻度を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムから標準偏差σ(基準値)を求める処理が行われる。基準値が算出されると、診断フラグの値を「1」に設定する処理が処理部34で行われる(ステップS17)。
以上の処理が終了すると、診断フラグの値が「1」であるか否かが処理部34で判断される(ステップS13)。ここでは、ステップS17の処理で診断フラグの値が「1」に設定されていることから、ステップS13の判断結果は「YES」になる。すると、格納部33に格納されている機器パラメータPMの数が過剰であるか否かが処理部34で判断される(ステップS18)。例えば、過去数箇月〜数年程度の長期に亘る機器パラメータPMが格納部33に格納されているか否かが処理部34で判断される。ここでは、基準値が算出された直後であり、格納部33に格納されている機器パラメータPMの数が過剰ではないことから、ステップS18の判断結果は「NO」になる。
ステップS18の判断結果が「NO」である場合には、格納部33に格納されている機器パラメータPMを用いて統計値を算出する処理が診断部34bで行われる(ステップS19)。尚、ステップS19では、ステップS16と同様に、例えば格納部33から読み出した機器パラメータPMで対にされているパラメータの差分の出現頻度を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムから標準偏差σ(統計値)を求める処理が行われる。
以上の処理が終了すると、ステップS19で算出された統計値をステップS16で算出された基準値で除算して診断値を求める処理が行われる(ステップS20)。尚、図4では明記していないが、診断値が算出されると、診断値の値に基づいてバルブ機器10aが正常であるか否か(例えば、診断値が3σを超えていないか否か)が診断部34bで診断され、その診断結果が機器診断装置30の表示部32に表示する処理が行われる。
以上の処理が終了すると、一定時間待機した後に(ステップS14)、バルブ機器10bの機器パラメータPMを取得する処理が行われる(ステップS15:第1ステップ)。以後は、診断フラグの値が「1」に設定されていることから、統計値を算出する処理(ステップS19:第2ステップ)、診断値を算出する処理(ステップS20:第3ステップ)、一定時間待機する処理(ステップS14)、及びバルブ機器10aの機器パラメータを取得する処理(ステップS15:第1ステップ)が繰り返し行われる。
尚、格納部33に格納されている機器パラメータPMの数が過剰であると処理部34で判断された場合(ステップS18の判断結果が「YES」の場合)には、統計処理に用いる機器パラメータPMの数を調整する処理が処理部34で行われる(ステップS21)。例えば、機器パラメータPMのうちの最も新しい予め規定された数の機器パラメータPM(例えば、最新の1箇月分の機器パラメータPM)を残し、それよりも古い機器パラメータPMを破棄する処理が行われる。このような処理が行われることで、バルブ機器10aの現在の状態の診断に有用なデータを残すことができる。ここで、上述した機器パラメータPMの数が過剰である場合というのは、機器パラメータPMの数が予め定めた所定の数よりも多い場合である。
図5は、機器パラメータが取得されるタイミングの一例を示す図である。図5(a)は、本実施形態における取得タイミングの一例を示す図であり、図5(b)は従来の取得タイミングの一例を示す図である。尚、図5(a),(b)においては、横軸に時間をとり、縦軸にバルブ機器の実開度[%]をとってある。実開度が0[%]である場合には、バルブ機器の弁が完全に閉じた状態であり、実開度が100[%]である場合には、バルブ機器の弁が完全に開いた状態である。
まず、従来は、図5(b)に示す通り、1つのバルブ機器について、機器パラメータの取得が1日に1回程度の頻度で行われており、機器パラメータの取得が行われる場合には、1秒程度の周期で1つのバルブ機器の機器パラメータを連続して取得する処理が数分間に亘って行われていた。つまり、従来は、機器パラメータを取得する頻度は少ないものの、機器パラメータが取得される場合には1つのバルブ機器からの機器パラメータの取得が連続して行われており、機器パラメータの取得が終了した時点で演算処理が行われてバルブ機器の診断が行われていた。
これに対し、本実施形態では、図5(a)に示す通り、1つのバルブ機器について、機器パラメータの取得が数十分程度の時間間隔(1時間に数回程度の頻度)で間欠的に行われている。ここで、本実施形態では、基準値が求められるまではバルブ機器の診断は行われないが、基準値が求められてからは上記の時間間隔で機器パラメータが取得される度に、統計値が求められてバルブ機器の診断が行われている。
このように、本実施形態では、1つのバルブ機器について、数十分程度の時間間隔で間欠的に機器パラメータを取得して統計値を求めるようにしている。このため、従来のように1つのバルブ機器からの機器パラメータの取得が連続して行われることはなく、また機器パラメータの取得頻度が従来よりも高い。このため、通信負荷の大幅な増加を招くことなく、機器の有用な診断結果を得ることが可能である。尚、本実施形態によれば、診断を行うフィールド機器10の数を数百〜数千台程度に増加させることも可能である。
また、本実施形態では、格納部33から読み出した機器パラメータPMを用いて得られた統計値を基準値で除算して診断値(基準値で正規化された統計値)を求め、この診断値に基づいて診断を行うようにしている。このため、フィールド機器10の仕様の違い(例えば、バルブ機器10a〜10cについては弁の大きさ等の違い)による診断結果の違いを無くすことができ、仕様の異なるフィールド機器10であっても診断結果を比較することが可能になる。これにより、例えば効率的な保全活動に必要なバルブ機器毎の保全優先度を決定することができる。
以上、本発明の一実施形態による機器診断装置、機器診断方法、及び機器診断プログラムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、理解を容易にするために、基準値が求められた後は、機器パラメータPMが取得される度に統計値(診断値)を求める例について説明したが、統計値(診断値)を求めるタイミングは任意である。例えば、数時間毎、1日毎、1週間毎、1月毎に統計値(診断値)を求めるようにしても良い。
また、上述した実施形態では、理解を容易にするために、バルブ機器10aの診断を行う例について説明したが、バルブ機器10b,10cの診断も同様に行うことができる。また、バルブ機器10a〜10c以外のフィールド機器10(例えば、ファンやモータ等のアクチュエータ機器等)の診断も同様に行うことができる。
10 フィールド機器
30 機器診断装置
34a 取得部
34b 診断部
N1 フィールドネットワーク

Claims (8)

  1. プラントに設置されてネットワークに接続された機器の診断を行う機器診断装置において、
    前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、当該統計値と前記機器の正常時に前記取得部によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う診断部と、
    を備える機器診断装置。
  2. 前記診断部は、当該統計値を前記基準値で除して得られる診断値を用いて前記機器の診断を行う、請求項1記載の機器診断装置。
  3. 前記診断部は、前記機器の起動が行われた場合、或いは外部から前記基準値の算出指示が入力された場合に、前記基準値を求める、請求項1又は請求項2記載の機器診断装置。
  4. 前記診断部は、前記基準値を求めるために必要な数の前記機器パラメータが前記取得部で取得されたときに前記基準値を求める、請求項3記載の機器診断装置。
  5. 前記診断部は、当該統計値を求めるための前記機器パラメータの数が所定数よりも多い場合には、前記機器パラメータのうちの最も新しい予め規定された数の前記機器パラメータを用いて当該統計値を求める、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機器診断装置。
  6. 前記取得部は、1つの前記機器につき、1時間に複数回の頻度で前記機器パラメータを取得する、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の機器診断装置。
  7. プラントに設置されてネットワークに接続された機器の診断を行う機器診断方法であって、
    前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する第1ステップと、
    前記第1ステップで取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求める第2ステップと、
    前記第2ステップで求められた前記統計値と、前記機器の正常時に取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う第3ステップと、
    を有する機器診断方法。
  8. コンピュータを、プラントに設置されてネットワークに接続された機器の診断を行う機器診断装置として機能させる機器診断プログラムであって、
    前記コンピュータを、前記ネットワークを介して前記機器の機器パラメータを間欠的に取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って統計値を求め、当該統計値と前記機器の正常時に前記取得手段によって取得された前記機器パラメータを用いて統計演算を行って得られる統計値である基準値とに基づいて、前記機器の診断を行う診断手段と、
    して機能させる機器診断プログラム。
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