JP2017176029A - 低温ブルーム耐性に優れた油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】チョコレート類と組み合わせた複合菓子を長期低温保存した際に、チョコレート表面に析出される低温ファットブルームを抑制するチョコレート類及び該チョコレート類に利用できるテンパリング型ハードバター油脂組成物の提供を課題とする。【解決手段】チョコレート原料中にカカオマスを10.0重量%以上、乳脂肪を4.0〜10.0重量%及びBOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)0.3〜3.0重量%を含有するテンパリング型ハードバター油脂組成物を25.0〜40.0重量%含有し、且つチョコレートの油分が30.0〜55.0重量%であることを特徴とするチョコレート類を用いて、複合菓子を得る。【選択図】なし
Description
本発明は、チョコレートと油脂性食品素材を組み合わせた複合菓子において、特定のトリアシルグリセロール組成において、油脂移行によりチョコレート表面に発生する低温ファットブルームを抑制できるテンパリング型ハードバター油脂組成物に関するものである。
以前より、チョコレート類、焼き菓子類、スナック類、油菓子類、ケーキ類、クリーム類、キャンディ類、フィリング類、ナッツペースト類などの油脂性食品素材は単独ではもとより、これらの素材とチョコレート類を組み合わせた複合菓子は人気の商品であるが、焼き菓子と組み合わせると、低温下に保管した際にチョコレート表面にファットブルームが発生するという問題点があった。チョコレート類は本来カカオバターを原料として製造されるが、カカオバターは価格、供給が不安定であるため、化学的組成を近似させたカカオバター代用脂の製品がこれまでに多くの品種が開発されている。多くの菓子メーカーは価格、供給面からテンパリング型油脂においては、カカオバターではなくカカオバター代用脂を用いる。しかし、これまでのカカオバター代用脂は複合菓子を製造に用いると、特に夏場において低温保管した際に、チョコレート表面にファットブルームが広がり製品価値を損なうという重要な問題点を抱えていた。
複合菓子の場合、原因は焼き菓子等に含まれている液油成分が、焼き菓子とチョコレートの間の液油部分の差を平衡化するため、チョコレート部分に移行し表面に押し出される。そして温度が下がることで表面に移行した液油分中のS2U(POP)成分等が結晶化し、結晶の粗大化が進むことで低温ファットブルームとして視覚化する。
これまでに低温ブルーム耐性を付与する方法として、炭素数20以上の飽和脂肪酸からなる3飽和トリアシルグリセロールを有効成分とする防止剤(特許文献1)、26℃にて液状である油脂を10.0〜60.0重量%含有する油脂組成物(特許文献2)、特定の乳化剤を含有する油脂組成物を使用する方法(特許文献3)、炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15.0〜70.0重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20.0〜60.0重量%含有する油脂組成物(特許文献4)、SUSを主成分とする組成物に加え、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、アラキン酸の合計が4.00重量%未満である油脂組成物(特許文献5)、チョコレート原料中にBOB含有油脂を2.0〜7.0重量%加える方法(特許文献6)などが挙げられる。また、低温ブルーム耐性付与を目的とするものではないが、BOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)をチョコレート原料中に0.01〜5.00重量%加えるチョコレート製造方法も開示されている。(特許文献7)
しかし特許文献1の記載は、高融点成分を添加するため口どけに影響を与えてしまう。特許文献2の記載は、25℃〜30℃域の耐熱性が低下するという問題点を抱える。特許文献3の記載は、風味の変化やコストが上がるというマイナス面を持っている。特許文献4〜5記載は、20℃以上の中温度から32℃の高温度下においてブルーム耐性に効果を出すとされている。特許文献6では、BOB含有油脂の添加量が多いため、大幅なコスト高となり費用対効果が低い。特許文献7は、BOBを有効成分として、カカオバターにおけるβ-V型からβ-VI型への結晶転移を抑制することにより、チョコレートの食感劣化抑制を目的としたもので、低温ブルーム抑制効果については何ら言及されていない。
上記のように、従来から提案されている低温ブルーム耐性付与方法は、口どけ、耐熱性、風味の低下やコスト面に問題を有しており、かかる問題を解決し得る低温ブルーム耐性付与方法が課題として残されていた。本発明は、油脂性食品素材とチョコレート類を組み合わせた複合菓子における油脂移行を抑制し、15℃〜20℃の低温保管した際に、油脂移行によりチョコレート表面に析出される油脂粗大結晶に起因する低温ファットブルームを抑制するとともに、前記問題点のないチョコレート類の提供を目的とする。
本発明者は、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、テンパリング型ハードバター油脂組成物においては、チョコレート原料中に占めるBOB含有油脂の割合や油脂組成物のSU2+U3含量、StOSt/POP比率、StStSt含量、SUS含量、以上5項目の組成調整が極めて重要であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) チョコレート原料中にカカオマスを10.0重量%以上、乳脂肪を4.0〜10.0重量%及びBOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)0.3〜3.0重量%を含有するテンパリング型ハードバター油脂組成物を25.0〜40.0重量%含有し、且つチョコレートの油分が30.0〜55.0重量%であることを特徴とするチョコレート類、
(2)
前記テンパリング型ハードバター油脂組成物のBOB含有量が0.3〜2.0重量%である請求項1記載のチョコレート類、
(3)
チョコレート原料中のテンパリング型ハードバター油脂組成物が、SUS型トリグリセリド45.0〜85.0重量%、SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が10.0〜30.0重量%を含有し、且つStStStを0.10〜2.00重量%含有する(1)または2記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、 (S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、U:炭素数18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸)
(4)
SUS型トリグリセリド含量が65.0〜85.0重量%である(3)のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(5)
SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜3.00である(3)3または(4)記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、(St:ステアリン酸、O:オレイン酸、P:パルミチン酸)
(6)
SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜2.00である(3)または(4)記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(7)
SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が17.0〜20.0重量%である(4)〜(6)のいずれか1に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(8)
油脂のSFC(固体脂含量)が、10℃で70〜85%の範囲である(3)〜(7)のいずれか1に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(9)
ヨウ素価が35〜42の範囲である(3)〜(8)いずれか1項に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
に関するものである。
(1) チョコレート原料中にカカオマスを10.0重量%以上、乳脂肪を4.0〜10.0重量%及びBOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)0.3〜3.0重量%を含有するテンパリング型ハードバター油脂組成物を25.0〜40.0重量%含有し、且つチョコレートの油分が30.0〜55.0重量%であることを特徴とするチョコレート類、
(2)
前記テンパリング型ハードバター油脂組成物のBOB含有量が0.3〜2.0重量%である請求項1記載のチョコレート類、
(3)
チョコレート原料中のテンパリング型ハードバター油脂組成物が、SUS型トリグリセリド45.0〜85.0重量%、SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が10.0〜30.0重量%を含有し、且つStStStを0.10〜2.00重量%含有する(1)または2記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、 (S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、U:炭素数18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸)
(4)
SUS型トリグリセリド含量が65.0〜85.0重量%である(3)のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(5)
SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜3.00である(3)3または(4)記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、(St:ステアリン酸、O:オレイン酸、P:パルミチン酸)
(6)
SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜2.00である(3)または(4)記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(7)
SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が17.0〜20.0重量%である(4)〜(6)のいずれか1に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(8)
油脂のSFC(固体脂含量)が、10℃で70〜85%の範囲である(3)〜(7)のいずれか1に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
(9)
ヨウ素価が35〜42の範囲である(3)〜(8)いずれか1項に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物、
に関するものである。
本発明により、油脂性食品素材とチョコレート類を組み合わせた複合菓子における油脂移行を抑制し、15℃〜20℃の低温保管した際に、油脂移行によりチョコレート表面に析出される油脂粗大結晶に起因する低温ファットブルームを抑制するとともに、口どけ、耐熱性、風味とも良好で、比較的低コストで製造できるチョコレート類及び該チョコレート類用のテンパリング型ハードバター油脂組成物の提供が可能となった。
以下、本発明を具体的に説明する。
(測定方法)
本発明の油脂組成物におけるトリアシルグリセロール含量は、高速液体クロマトグラフ分析にて、測定し求めることができる。高速液体クロマトグラフ分析の測定条件は、カラム;ODS、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、液量;0.9ml/分、カラム温度;25℃、検出器;示差屈折計において実施した。SFC測定条件は、試料油脂を完全に融解させた後、IUPAC.2 150 “SOLTID CONTENT DETERMINATI ON INFATS BY NMR“に準じ、26℃で40時間エージングを行い測定した数値を用いる。沃素価測定条件は、基準油脂分析測定法;油化学会に準じて実施した。測定値は換算値となる。
本発明の油脂組成物におけるトリアシルグリセロール含量は、高速液体クロマトグラフ分析にて、測定し求めることができる。高速液体クロマトグラフ分析の測定条件は、カラム;ODS、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、液量;0.9ml/分、カラム温度;25℃、検出器;示差屈折計において実施した。SFC測定条件は、試料油脂を完全に融解させた後、IUPAC.2 150 “SOLTID CONTENT DETERMINATI ON INFATS BY NMR“に準じ、26℃で40時間エージングを行い測定した数値を用いる。沃素価測定条件は、基準油脂分析測定法;油化学会に準じて実施した。測定値は換算値となる。
本発明のチョコレート類は、チョコレート原料中にカカオマスを10.0重量%以上、乳脂肪を4.0〜10.0重量%及びBOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)0.3〜3.0重量%を含有するテンパリング型ハードバター油脂組成物を25.0〜40.0重量%含有し、且つチョコレートの油分が30.0〜55.0重量%である。カカオマスの含有量が10.0重量%であると、チョコレート類のチョコレート風味が乏しくなる傾向にある。乳脂肪が4.0重量%未満であると、チョコレート類の低温ブルーム耐性が低下する傾向にある。逆に10.0重量%を超えると、チョコレート類のスナップ性や耐熱性が低下する傾向にある。テンパリング型ハードバター油脂組成物が25.0重量%未満であると、チョコレート類の低温ブルーム耐性が低下する傾向にある。逆に、40.0重量%を超えるとチョコレート類の油分が高くなりすぎて、やや油っぽい食感になる。チョコレートの油分が30.0重量%未満であると、チョコレート類の滑らかな食感が低下し、ややガリガリとした食感になる傾向にある。逆に、55.0重量%を超えると、やや油っぽい食感になる。
本発明のチョコレート類は、テンパリング型ハードバター油脂組成物中にBOBを0.30〜3.0重量%含有するものであり、好ましくは0.30〜2.0重量%含有することを特徴とする。0.30重量%未満では、チョコレート類の低温ブルーム耐性が低下するため好ましくない。また、3.0重量%より高い場合は、結晶主要成分となるStOSt成分の結晶化を阻害するためチョコレートのテンパリング性が低下する傾向にあり、しかもチョコレート類のスナップ性と耐熱性が低下する傾向にある。
本発明のテンパリング型ハードバター油脂組成物は、SUS型トリグリセリド45.0〜85.0重量%、SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が10.0〜30.0重量%を含有し、且つStStStを0.10〜2.00重量%含有することを特徴とする。
前記SUS型トリグリセリド含量は、より好ましくは65.0〜85.0重量%である。SUS含量が45.0重量%より低い場合は、固化したチョコレートの成形型からの離形性が悪くなりチョコレート表面の艶も減少する。SUS含量が85.0重量%より高い場合は、チョコレートが硬くなり、チョコレートの食感や口どけの品質が損なわれる。
また前記のSU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計は、より好ましくは17.0〜20.0重量%である。10.0重量%より低い場合は、焼き菓子等とチョコレート間の油脂移行が大きくなりチョコレートの低温ブルーム耐性が低下するため好ましくない。また、30.0重量%より高い場合は、チョコレートの耐熱性が低下するため好ましくない。
また、前記StStSt含量は0.30〜3.00重量%であるが、より好ましくは0.30〜1.00重量%である。。StStStの含量が0.30重量%より低い場合は、油脂のSFC(固体脂含量)が下がり軟化するため好ましくない。StStStの含量が3.00重量%より高い場合は、チョコレートのテンパリング中の粘度が増粘するため好ましくない。
本発明のテンパリング型ハードバター油脂組成物中に含まれるSUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比は0.50〜3.00であるのが好ましく、より好ましくは0.50〜2.00である。質量比が0.50より低い場合は、低温下において結晶粗大化の進みが速くチョコレートの低温ブルーム耐性が低下する傾向にある。質量比が3.00より高い場合は、経時変化による硬さ変化が大きいものとなり、チョコレートの食感が硬くなり、口どけも低下する傾向にある。
本発明のテンパリング型ハードバター油脂組成物のSFC(固体脂含量)は、10℃で70〜85%であるのが好ましく、より好ましくは10℃で70〜80%である。SFCが10℃で70%より低い場合は、チョコレートを食した時、パッキとした噛みごたえ(スナップ性)やシャープな口どけが低下する傾向にある。SFCが10℃で85%より高い場合は、チョコレートが硬すぎて口どけが悪くなりチョコレートの風味も低下する。
発明のテンパリング型ハードバター油脂組成物のヨウ素価が、35〜42の範囲であり、好ましくは37〜40である。ヨウ素価が35より低い場合は、融点の上昇によりチョコレートの口どけが悪くなる傾向にある。ヨウ素価が42より高い場合は、融点の低下による影響のためチョコレートの軟化が生じてしまい耐熱性が低下する傾向にある。
本発明の油脂組成物に配合するStOSt脂は、例えばサル脂、シア脂、イリッペ脂、アランブラッキア脂等の天然原料またはそれらの分画油を用いてもよいが、好ましくは反応基質として2位がオレイン酸に富む油脂(トリアシルグリセロール)、炭素数18の飽和脂肪酸または飽和脂肪酸エステルから構成され、且つ、反応基質の酸価が8〜30であることを骨子とする酵素による油脂類の1,3位特異性エステル交換方法から製造されるものである。StOSt脂には、トリアシルグリセロール中のStOSt含量が高い(1)タイプと低い(2)タイプの2種類を用いることができる。(1)タイプのStOSt含量は、好ましくは60.0〜80.0重量%、さらに好ましくは65.0〜75.0重量%である。(2)タイプのStOSt含量は、好ましくは30.0〜50.0重量%、さらに好ましくは35.0〜45.0重量%である。
本発明の油脂組成物において、上記のStOSt脂(1)、(2)の配合量は、合計で好ましくは30.0〜80.0重量%、さらに好ましくは40.0〜70.0重量%である。
本発明の油脂組成物に配合するPOPに富む油脂は、ヨウ素価30〜40のパーム分別中融点部を用いるのが好ましく、さらに好ましくはヨウ素価30〜35のパーム分別中融点部である。
上記分別の方法については、特に限定されないが、溶剤分別、ドライ分別、乳化分別等により行うことができ、特に、溶剤分別により効率よく分画ができる。
一般的に溶剤分別は、溶剤(アセトン、ヘキサン等)と分別原料油脂を撹拌しながら冷却を行い、結晶析出後、ろ過によって高融点部と低融点部に分画する。冷却温度は求める品質によって異なる。このような分画を2段で行うことにより得られるヨウ素価30〜40のパーム分別中融点部の配合量は、10.0〜50.0重量%、好ましくは20.0〜40.0重量%である。
さらには、BOB含有油脂(以下BOB脂)を組み合わせる。
上記油脂の組成物は、炭素原子数22個の不飽和脂肪酸を含む45.0重量%の高エルシン酸菜種油の極度硬化油を加水分解し、エステル化後、得た脂肪酸エチルエステルを精留の後、炭素原子数20〜24個の飽和脂肪酸エステルを97.9重量%含む組成物を得た。この脂肪酸エステル70部を、高オレイン酸ヒマワリ油30部と混合し、1-3位に選択的に作用する酵素剤を用いてエステル交換することにより、沃素価45の反応油を得る。この反応油をさらに溶剤にて分別後、高融点部の分取を行った結果、収率57.6%であった。その油脂の脂肪酸組成を測定した。結果を表1に示す。この組成となるBOB脂の配合量は、0.50〜5.00重量%、好ましくは0.50〜3.50重量%である。尚、BOB重量%は60重量%であった。
本発明におけるチョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレート、準チョコレートだけでなく、カカオマス、カカオバター、ココアパウダー等のカカオ原料を利用した生チョコレート、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等の油脂加工食品も含まれるものであり、カカオマス、ココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法により、ロール掛け、コンチング処理して得ることができるものである。
本発明の油脂組成物をチョコレートに用いた場合の配合量は、チョコレートの全配合成分100重量部に対し5〜30重量部であり、好ましくは10〜15重量部である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、表中の%はいずれも重量%を意味する。
<検討1>
上記記載の方法でそれぞれ得られたStOSt脂(1)(StOSt含量70%)、(2)(StOSt含量40%)、POP脂(パーム分別中融点部:POP含量71%)、BOB脂(BOB含量60%)に加えて、精製低融点パーム油(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、融点10℃以下)、精製パーム油(不二製油株式会社製、商品名:精製パーム油、融点37℃)、パームステアリン(ヨウ素価43)、パームオレイン(ヨウ素価57)も使用し、表2記載の比率で調整した。
上記記載の方法でそれぞれ得られたStOSt脂(1)(StOSt含量70%)、(2)(StOSt含量40%)、POP脂(パーム分別中融点部:POP含量71%)、BOB脂(BOB含量60%)に加えて、精製低融点パーム油(不二製油株式会社製、商品名:パームエース10、融点10℃以下)、精製パーム油(不二製油株式会社製、商品名:精製パーム油、融点37℃)、パームステアリン(ヨウ素価43)、パームオレイン(ヨウ素価57)も使用し、表2記載の比率で調整した。
<検討2>
表2記載の実施例1〜4及び比較例1〜4の油脂組成(トリアシルグリセロール)及び油脂物性(ヨウ素価、SFC)の分析を実施し、表3に結果を示す。トリアシルグリセロール含量は、高速液体クロマトグラフにて分析を行った。測定条件は次のとおり。検出器;示差屈折計、カラム;ODS、液 量;0.9ml/分、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、カラム温度;25℃。SFCの測定は、試料油脂を完全に融解させた後、IUPAC.2 150 “SOLTID CONTENTDETERMINATI ON IN FATS BY NMR”に準じ、26℃で40時間エージングを行い測定した数値を用いた。ヨウ素価の測定は、基準油脂分析測定法;油化学会に準じて実施した。
表2記載の実施例1〜4及び比較例1〜4の油脂組成(トリアシルグリセロール)及び油脂物性(ヨウ素価、SFC)の分析を実施し、表3に結果を示す。トリアシルグリセロール含量は、高速液体クロマトグラフにて分析を行った。測定条件は次のとおり。検出器;示差屈折計、カラム;ODS、液 量;0.9ml/分、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、カラム温度;25℃。SFCの測定は、試料油脂を完全に融解させた後、IUPAC.2 150 “SOLTID CONTENTDETERMINATI ON IN FATS BY NMR”に準じ、26℃で40時間エージングを行い測定した数値を用いた。ヨウ素価の測定は、基準油脂分析測定法;油化学会に準じて実施した。
<検討3>
次に、表4記載の配合にて、常法に従い、混合、ロール掛け、リファイニング、コンチングを行いチョコレートの調整を行った。油脂組成物には、実施例1〜4及び比較例1〜4の
油脂組成物を用いた。
次に、表4記載の配合にて、常法に従い、混合、ロール掛け、リファイニング、コンチングを行いチョコレートの調整を行った。油脂組成物には、実施例1〜4及び比較例1〜4の
油脂組成物を用いた。
<検討4>
市販品の焼き菓子を用いて、上記の配合チョコレートによるコーティング及び保存テストを実施した。市販品である焼き菓子の形状は、直径約2mm、長さ約11cmの棒状タイプである。
市販品の焼き菓子を用いて、上記の配合チョコレートによるコーティング及び保存テストを実施した。市販品である焼き菓子の形状は、直径約2mm、長さ約11cmの棒状タイプである。
市販品焼き菓子の原材料名は、小麦粉、植物油脂、ショートニング、砂糖、乾燥ポテト、酒かす、イースト、小麦たんぱく、食塩、果糖ぶどう糖液糖、モルトエキスコンソメシーズニング、デキストリン、酵母エキス、調味料(アミノ酸等)、香料、(原材料に一部乳化剤を含む)となる。
まずチョコレートを50℃湯煎で溶解後、温度調整を行い、シード剤「チョコシードA」(不二製油社株式会社製)を用いてテンパリング作業を行った。シード剤の成分は、StOStの安定化結晶を15%含有するショートニング状の油脂である。このシード剤をチョコレートに対して、0.2%添加してテンパリング処理を行い、焼き菓子の全体の約3分の2にコーティングを施した後、20℃にて15分固化してから、20℃に7日間エージング後に各テストにおいて用いた。
各テストとは、(1)低温ブルーム耐性、(2)一定温度ブルーム耐性、(3)サイクル温度ブルーム耐性、(4)耐熱性、以上4項目のテストを実施した。
各テストの詳細な条件を示す。
(1)15℃の低温下におけるブルーム耐性。(2)25℃の温度下におけるブルーム耐性。(3)20℃〜30℃サイクル下におけるブルーム耐性(温度の保持時間は各11時間30分)(4)30℃温度下における40時間保存での耐熱性は、袋にサンプルを10本詰めて、チョコレート部分がくっつきあうかを確認する。
(1)においては、12週間保存後。(2)においては、8週間保存後。(3)においては、10週間保存後。(4)においては、40時間保存後での各ブルーム耐性の評価結果を表6に示す。
表5 耐ブルーム性及び耐熱性結果
注)(1)(2)(3)の評価基準
◎:白色化の発生が無く、艶感も残っている。
○:白色化の発生は無いが、艶感が残っていない。
△:白色化が僅かに発生している。
×:白色化が激しく出現している。
注)(4)の評価基準
◎:くっつきが全くない。(0本)
○:僅かにくっつきが認められる。(2本)
△:半分以上のくっつきが認められる。(5本)
×:全てにくっつきが認められる。(10本)
注)(1)(2)(3)の評価基準
◎:白色化の発生が無く、艶感も残っている。
○:白色化の発生は無いが、艶感が残っていない。
△:白色化が僅かに発生している。
×:白色化が激しく出現している。
注)(4)の評価基準
◎:くっつきが全くない。(0本)
○:僅かにくっつきが認められる。(2本)
△:半分以上のくっつきが認められる。(5本)
×:全てにくっつきが認められる。(10本)
表5の結果から明らかな様に、実施例1〜4に用いた油脂組成物で調整したチョコレートを用いた場合、15℃、12週間保存において複合菓子チョコレート表面の白色化による低温ブルームの発生は認められなかった。且つ、30℃域の耐熱性も保持されている。また、実施例1〜4の口どけはいずれも良好なものであった。一方、SUS含有量がやや低い実施例5及び実施例6では、耐熱性が低い傾向であり、20℃〜30℃サイクル下におけるブルーム耐性もやや弱い傾向であった。BOBを含有しない比較例1では低温ブルーム耐性不良であり、BOB含量の高い比較例2では15℃の低温下におけるブルーム耐性が不良であった。
本発明により、油脂移行によりチョコレート表面に析出される油脂粗大結晶に起因する低温ファットブルームを抑制するとともに、口どけ、耐熱性、風味とも良好で、比較的低コストで製造できるチョコレート類及び該チョコレート類用のテンパリング型ハードバター油脂組成物の提供が可能となった。
Claims (9)
- チョコレート原料中にカカオマスを10.0重量%以上、乳脂肪を4.0〜10.0重量%及びBOB(1, 3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド)0.3〜3.0重量%を含有するテンパリング型ハードバター油脂組成物を25.0〜40.0重量%含有し、且つチョコレートの油分が30.0〜55.0重量%であることを特徴とするチョコレート類。
- 前記テンパリング型ハードバター油脂組成物のBOB含有量が0.3〜2.0重量%である請求項1記載のチョコレート類。
- チョコレート原料中のテンパリング型ハードバター油脂組成物が、SUS型トリグリセリド45.0〜85.0重量%、SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が10.0〜30.0重量%を含有し、且つStStStを0.10〜2.00重量%含有する請求項1または2記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。 (S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸、U:炭素数18の不飽和脂肪酸、St:ステアリン酸)
- SUS型トリグリセリド含量が65.0〜85.0重量%である請求項3記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。
- SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜3.00である請求項3または4記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。(St:ステアリン酸、O:オレイン酸、P:パルミチン酸)
- SUS型トリグリセリド中のStOSt含量とPOP含量の質量比が0.50〜2.00である請求項3または4記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。
- SU2型トリグリセリドとU3型トリグリセリドの合計が17.0〜20.0重量%である請求項4〜6のいずれか1項に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。
- 油脂のSFC(固体脂含量)が、10℃で70〜85%の範囲である請求項3〜7のいずれか1項に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。
- ヨウ素価が35〜42の範囲である請求項3〜8いずれか1項に記載のテンパリング型ハードバター油脂組成物。
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2016
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