以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態をあげ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るカテーテル組立体は、患者(生体)に輸液や輸血等を行う場合に、患者の体内に穿刺及び留置されて薬液等の導入部を構築するために使用される。このカテーテル組立体は、末梢静脈カテーテルよりも長さが長いカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル、PICC、ミッドラインカテーテル等)として構成され得る。なお、カテーテル組立体は、末梢静脈カテーテルとして構成されてもよい。また、カテーテル組立体は、静脈用カテーテルに限らず、末梢動脈カテーテル等の動脈用カテーテルとして構成されてもよい。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、図1及び図2に示すように、カテーテル12と、カテーテル12を固定保持するカテーテルハブ14と、カテーテル12内に挿入される内針16と、内針16を固定保持するハウジング20(針ハブ)とを備える。また、カテーテル組立体10Aは、カテーテルハブ14に接続されるセーフティ機構40と、内針16に対しカテーテル12を相対移動させるカテーテル操作部材60とを備える。
カテーテル組立体10Aは、使用前の初期状態で、カテーテル12、内針16を外側から順に重ねた多重管構造(多重管部18)を形成している。さらに、カテーテル組立体10Aは、初期状態で、多重管部18の基端側部分、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材60、セーフティ機構40を適宜組み付けてハウジング20内に収容している。
医師や看護師等のユーザは、使用時に、図1に示す初期状態(穿刺可能状態:第1状態)のカテーテル組立体10Aのハウジング20を把持し、多重管部18の先端を患者の血管(静脈又は動脈)内に穿刺する。この穿刺状態を維持したまま、ユーザは、カテーテル12を保持したカテーテル操作部材60を内針16及びハウジング20に対し相対的に進出操作することで、カテーテル12を内針16よりも先端側(血管の奥部)に進出させる。
カテーテル組立体10Aは、図3Aに示すように、カテーテル操作部材60の進出に伴い、カテーテル操作部材60に接続されたカテーテルハブ14及びセーフティ機構40も一体的に移動する。また、カテーテル操作部材60は、ユーザにより、進出しつつ内針16から離間するように湾曲されることで(図3A中の2点鎖線参照)、多重管部18の保持を解除する。
そして、セーフティ機構40がハウジング20の先端から抜け出てある程度進出すると、図3Bに示すように、このセーフティ機構40に内針16の針先16aが収容される。さらに、カテーテル操作部材60は、セーフティ機構40と相対的に短い距離を進出する。これにより、カテーテル12及びカテーテルハブ14は、図4に示すように、カテーテル操作部材60及びセーフティ機構40から分離可能になり、カテーテルハブ14がカテーテル操作部材60から離脱する。そして、カテーテル12及びカテーテルハブ14が患者側に留置される。以下、このカテーテル組立体10Aについて、具体的に説明していく。
図2に示すように、カテーテル組立体10Aのカテーテル12は、適度な可撓性を有し、その内部を軸方向に沿って貫通する内腔12aを備える。内腔12aは、内針16を収容可能且つ薬液や血液等を流動可能な直径に形成されている。カテーテル12の長さは、特に限定されず用途や諸条件等に応じて適宜設計可能であり、例えば、14〜500mm程度に設定され、あるいは30〜400mm程度に設定され、あるいは76〜200mm程度に設定される。
カテーテル12の構成材料は、特に限定されるものではないが、軟質樹脂材料が好適であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、オレフィン系樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物等があげられる。
カテーテル12の基端部は、かしめ、融着、接着等の適宜の固着方法によってカテーテルハブ14内の先端部に固着される。カテーテルハブ14は、カテーテル12が患者の血管内に挿入された状態で患者の皮膚上に露出され、テープ等により貼り付けられてカテーテル12と共に留置される。
カテーテルハブ14は、先端方向に先細りの筒状に形成される。図5に示すように、カテーテルハブ14の内部には、カテーテル12の内腔12aに連通して輸液剤を流通可能な中空部14aが設けられている。カテーテルハブ14の基端側の外周面には、カテーテルハブ14の径方向外側に突出して周方向に周回するフランジ15が形成されている。また、カテーテルハブ14の基端側には、内針16の離脱後に、図示しないシリンジ又は輸液チューブのコネクタが接続される。
さらに、カテーテルハブ14の中空部14aには、内針16の穿刺時に血液の逆流を防ぐ図示しない止血弁、及び輸液チューブのコネクタの挿入に伴い止血弁を貫通して輸液を可能とする図示しないプラグ等が収容されてもよい。
カテーテルハブ14の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を適用するとよい。
一方、カテーテル組立体10Aの内針16は、生体の皮膚を穿刺可能な剛性を有する中空管に構成され、カテーテル12の内腔12a及びカテーテルハブ14の中空部14aに貫通配置される。内針16は、カテーテル12よりも長い全長を有し、その先端には鋭利な針先16aが設けられ、その内部には軸方向に沿って貫通孔16bが設けられている。図1に示す初期状態において、内針16は、カテーテル12から針先16aを露出した多重管部18を構成する。なお、内針16の外周面は、一部が軸方向に沿って切りかかれることで溝部が設けられてもよい。内針16は横穴が設けられていてもよい。また、内針16は中実針であってもよい。
内針16の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料、硬質樹脂、セラミックス等があげられる。内針16は、適宜の固着方法(融着、接着、インサート成形等)により、ハウジング20の針保持部材25に強固に固着される。
ハウジング20は、図2に示すように、下壁21と、下壁21の両側辺から上方向に突出する一対の側壁22、23とを有し、その内側に収容空間20aが形成された細長い椀状に形成されている。ハウジング20を構成する樹脂材料は、特に限定されず、例えば、カテーテルハブ14であげた材料を適宜選択し得る。なお、このカテーテル組立体10Aは、カテーテル操作部材60及びセーフティ機構40を上側に露出している。あるいは、カテーテル組立体10Aは、ハウジング20に上壁を形成したり、蓋体を取り付けたりしてカテーテル操作部材60やセーフティ機構40等を覆う構成でもよい。
下壁21は、図6A及び図6Bに示すように、平坦状に形成された一対の側辺部21a、21aと、一対の側辺部21a、21aの間に挟まれ下方向に円弧状に窪むガイド溝部24とを有する。ガイド溝部24は、カテーテルハブ14及びセーフティ機構40をハウジング20の長手方向に沿って摺動自在に配置する。また、下壁21の基端側のガイド溝部24には、内針16を保持する針保持部材25が装着される装着孔24aが設けられている。
針保持部材25は、図2及び図6Bに示すように、幅方向中央部の保持基部26と、保持基部26の下方に突出するフック状連結部27と、保持基部26の下側寄りの両側面から幅方向外側にそれぞれ突出する一対の支持補強片28、28とを有する。保持基部26の上部には、ハウジング20の軸方向に平行に延びる保持孔26aが貫通形成されている。内針16は、この保持孔26aに挿入されて、溶着や接着等の適宜の固着手段により固定される。フック状連結部27は、装着孔24aに挿入されてハウジング20に引っ掛かることで、針保持部材25をハウジング20に強固に固定する。
また、支持補強片28は、保持基部26に連結される横板28aと、横板28aの突出端から上方向に突出する縦板28bとを有する。ハウジング20にフック状連結部27を固定した状態では、横板28aが一対の側辺部21a、21aに接触支持され、縦板28bが一対の側壁22、23の内面に接触固定される。これにより、ハウジング20に対する針保持部材25のぶれ等が防止され、内針16を良好に保持することが可能となる。なお、針保持部材25は、ハウジング20に一体成形されていてもよい。
一対の側壁22、23は、下壁21と共に長手方向に平行に延び、基端側及び中間側の上下高さが一定で、この中間側に対し先端側の上下高さが幅広に形成されている。各側壁22、23の先端側上部には、溝状のレール部29がそれぞれ設けられている。一対のレール部29、29は、各側壁22、23の先端側上部に形成された開放部29aに連なっており、さらに基端方向に向かって各側壁22、23の内面を直線状に延び、延在方向中間部の上面に連なっている。一対のレール部29、29は、カテーテル操作部材60の側縁を収容して、カテーテル操作部材60の進退をガイドする。また、開放部29aは、ハウジング20の上側に切り欠かれることで、カテーテル操作部材60の湾曲を許容する。
さらに、一方の側壁22は、幅方向外側に膨出する膨出部22aを有し、この膨出部22aには、支持部材30を取り付けるための配置用凹部22bが設けられる。配置用凹部22bは、側壁22の先端から基端方向に向かって切り欠かれて、下壁21とレール部29の間に位置している。配置用凹部22bの形成位置の下壁21及び側壁22には、支持部材30を回転自在に取り付ける支承孔部22c(図2参照)が上下一対で設けられている。
支持部材30は、図6Aに示すように、カテーテル操作部材60に保持されたカテーテル12(多重管部18)の下側を支えるために取り付けられる。この支持部材30は、配置用凹部22bの一対の支承孔部22c、22cに回転自在に取り付けられる軸棒部31と、軸棒部31の軸心から直交方向に突出した支持本体32と、軸棒部31の上端に設けられる上部突部33を有する。
支持本体32は、正面視でクランク状に形成され、カテーテル12を適度な弾力で支持する。上部突部33は、幅方向内側にレール部29に連なるガイド凹部33aを有し、このガイド凹部33aには、穿刺可能状態で、カテーテル操作部材60の側縁が配置される。
支持本体32は、カテーテル操作部材60がハウジング20内に収容されている状態で、軸棒部31によって側壁22の内側、すなわちカテーテル12の下方に位置してカテーテル12を支持可能に待機する。これにより、ユーザからカテーテル操作部材60に下方向に向かう押圧力が加わると、支持本体32がカテーテル12を下支えして、カテーテル12の撓みを抑制する。一方、カテーテル操作部材60がハウジング20から抜け出す際には、カテーテル操作部材60の形状に基づき、支持本体32を側壁22の外側に向かって回転させる。これにより、支持部材30は、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材60及びセーフティ機構40をハウジング20からスムーズに送出させる。
一方、セーフティ機構40は、初期状態で、内針16を貫通配置している。そして、カテーテル12と内針16の離脱に伴い、移動してきた針先16aを内部に収容して針先16aの再露出を防止する。図2及び図5に示すように、このセーフティ機構40は、全体的に、上下方向に幅広で、左右方向に幅狭な外観を呈し、内針16の針先16aを覆う内筒41と、この内筒41を相対移動自在に内部に挿入する外筒50とにより構成されている。セーフティ機構40は、内筒41が外筒50に対し、外筒50が内針16及びハウジング20に対しそれぞれ相対移動することで、内針16の針先16aを収容する位置に移動する。
内筒41は、穿刺可能状態で、その先端部が外筒50の先端よりも基端位置にあり、内針16の抜去操作にともない外筒50の先端から突出するように変位する。この内筒41は、箱体42と、箱体42から先端方向に突出する頭部43と、箱体42の側面に一体形成された一対のアーム44、44と、箱体42から基端方向に突出する内側筒部45とを備える。図7A及び図7Bに示すように、箱体42、頭部43及び内側筒部45の内部には、内針16を通す挿通孔46が貫通形成されている。
箱体42は、上下方向が長く、幅方向が短い直方形状を呈しており、外筒50の収容体に収容可能なサイズに形成されている。箱体42の内部は、挿通孔46を若干拡張した空洞42aとなっている。この空洞42aには、針先16aの再露出を防止するため、シャッタ47が設けられる。また、箱体42の先端面に設けられる頭部43は、カテーテルハブ14の基端から中空部14aに挿入されてカテーテルハブ14を所定の接続強度で嵌合する。
シャッタ47は、平面断面視でU字状に形成され、空洞42aの幅に合った左右幅を有する板バネとして構成されている。シャッタ47は、内針16が空洞42aを貫通した状態で、内針16の上側の空間に弾性変形した状態で収容され、U字状の湾曲部と反対側の端部が相互に近接している。内針16が基端方向に後退すると、シャッタ47の内針16と接触していた端部が弾性復元して空洞42aの下側に開く。これによりシャッタ47は、空洞42a内で、内針16の針先16aに対し面状に対向し内針16の再露出を防止する。
一対のアーム44、44は、箱体42の上下方向の側面に連結され、内筒41の軸方向に沿って箱体42の上方と下方を先端方向に延在している。各アーム44、44は、外力が作用しない自然状態では、延在方向先端部が外筒50の幅方向よりも外側に拡がるように形成されている。そして、延在方向先端部は、穿刺可能状態(内筒41と外筒50が重なり合った状態)で、外筒50の側壁により内側に寄るように弾性的に押さえられる。
一対の延在方向先端部の内側には、幅方向内側に突出するフック44aが設けられ、これらフック44aは、穿刺可能状態で、内側に寄ることによりカテーテルハブ14のフランジ15に引っ掛かる。これにより、内筒41は、カテーテルハブ14の基端側に挿入された頭部43と一対のフック44a、44aとの間で、カテーテルハブ14を挟み込んで強固に接続保持する。内筒41が外筒50の先端側に変位すると、延在方向先端部が弾性的に拡開して、一対のフック44a、44aによるフランジ15の引っ掛かりを解除する。その結果、カテーテルハブ14からの離脱が許容される。
内筒41の内側筒部45は、外筒50の外筒側中空部54に収容可能な円筒状に形成されている。図7A及び図7Bに示すように、内側筒部45の先端側(箱体42と内側筒部45の連結箇所)には、穿刺可能状態で、内筒41と外筒50の離脱を防止するストッパ部48、及び挿通孔46と連通しストッパ部48を変位自在に配置する許容空間45aが設けられている。
また、内側筒部45のストッパ部48よりも基端側の外周面には、内側突部49が設けられている。この内側突部49は、外筒50の長孔52aに挿入され、内筒41と外筒50の相対移動時に、内筒41と外筒50の所定以上の相対変位を規制して、内筒41が外筒50から完全に抜けることを防止する。
一方、外筒50は、図2、図5、図7A及び図7Bに示すように、収容体51と、収容体51から基端方向に延びる外側筒部52とを備える。収容体51は、箱体42と略同形状で、箱体42よりも一回り大きく形成されており、その内側に収容部51aが設けられている。そして、収容部51aは、一方の側部(図2中の右側部)と先端部が一体的に連なるように、横向きに開放している。穿刺可能状態では、収容部51a内に、カテーテルハブ14の基端と内筒41の先端側(一対のアーム44、44及び箱体42等)が配置される。また収容体51の上下方向の各内面には、外筒50の軸方向と平行に延び、アーム44が摺動可能に挿入される凹溝53がそれぞれ設けられている。
外側筒部52は、内筒41の内側筒部45よりも長く形成され、軸方向に沿って貫通形成された外筒側中空部54を備える。外側筒部52の先端側の外周面には、外筒側中空部54に連通する長孔52aが形成されている。また、外側筒部52の基端側の外周面には、後述するカテーテル操作部材60の離脱規制部63の基端方向の抜けを防ぐ基端フランジ部55が設けられている。
さらに、外側筒部52の基端側には、外筒側中空部54を概ね閉塞する基端壁56が設けられている。この基端壁56には、内針16を貫通配置することができ、内針16の外径に略一致する口部56aが形成されている。そして、口部56aを構成する基端壁56は、内針16と共に、内針16の抜けを防止する抜け止め機能を有している。
すなわち、図7Bに示すように、本実施形態に係る内針16は、針先16a寄りの外周面に、他の部分の外径よりも径方向外側に突出する針側突起16cを有する。針側突起16cは、カテーテル12の内腔12aを通過可能な外径であるが、口部56aの内径よりも大きく形成されている。そのため、内針16を基端側に後退移動した際に、針側突起16cが口部56aを構成する基端壁56に引っ掛かって、セーフティ機構40に対する内針16の抜けが防止される。
以上の内筒41及び外筒50を有するセーフティ機構40は、図7Aに示すように、穿刺可能状態で、内筒41の挿通孔46(許容空間45a)に貫通配置された内針16により、ストッパ部48が外筒50の長孔52aに配置されてストッパ部48の内側への変位が阻止されている。そのため、ストッパ部48は外筒50に引っ掛かることになり、外筒50に対する内筒41の相対移動を規制する。よって、セーフティ機構40は、内針16やハウジング20に対し内筒41及び外筒50を一体的に相対移動させることができる。
その一方で、セーフティ機構40は、内針16の針先16aがストッパ部48よりも基端側に移動することにより、図7Bに示すように、ストッパ部48が許容空間45aを移動自在となる。そのため、内筒41が外筒50に対して相対移動可能となり、内筒41が進出すると外筒50に押されたストッパ部48が許容空間45aを通して挿通孔46に配置される。内筒41は、さらに進出することで、図4に示すように、一対のアーム44、44を外筒50の収容体51から露出してカテーテルハブ14を離脱可能とする。
図2及び図5に示すように、カテーテル組立体10Aのカテーテル操作部材60は、カテーテル12を直接保持すると共にカテーテルハブ14に装着されることで、内針16及びハウジング20に対しカテーテル12及びカテーテルハブ14を相対的に進退させる。このカテーテル操作部材60は、ハウジング20の長手方向に延びる操作板部61と、操作板部61の基端に連結されカテーテルハブ14を離脱自在に収納するハブ収納部62(ハブ配置部)と、ハブ収納部62から基端方向に延びセーフティ機構40に装着される離脱規制部63とを有する。
操作板部61は、ユーザの指が当てられて進退操作がなされる部位である。操作板部61の一対の側縁は、初期状態で、一対のレール部29、29と、一対の側壁22、23の上面とに配置される。この操作板部61は、充分に薄肉に形成されることで、操作板部61の面方向と直交する方向、つまり内針16から離れる方向に湾曲可能な可撓性を有する。操作板部61(カテーテル操作部材60)を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、カテーテルハブ14であげた材料を適宜選択し得る。なお、カテーテル12に沿って延在する部位は、板状に限定されず、種々の構成(例えば、棒状)を適用してよい。
図8Aに示すように、操作板部61の上面には、上側リブ61a及びタブ61bが設けられ、操作板部61の先端には、先端反り部64が設けられ、操作板部61の下面には、保持部65及び下側リブ61cが設けられる。上側リブ61a及び下側リブ61cは、長手方向に沿って複数設けられ、操作板部61の短手方向(幅方向)に沿って延びていることで、操作板部61の幅方向の強度を高めている。
先端反り部64は、図8Bに示すように、操作板部61の下面側に突出する肉厚部を有し、この肉厚部から先端方向に向かって薄肉になりつつ、上方に向かって湾曲している。肉厚部の幅方向中央部には、カテーテル12が非接触又は弱い摩擦力で通される挿通溝64aが形成されている。先端反り部64は、カテーテル操作部材60の進出に伴い、反っている下面側が患者に接触する又はユーザに把持されることで、操作板部61が斜め上方に向かうように案内する。
一方、カテーテル操作部材60の保持部65は、操作板部61の長手方向に沿って1以上(図8B中では3つ)設けられる。保持部65は、操作板部61の長手方向に等間隔に配置され、各箇所でカテーテル12の外周面に接触して保持する。各保持部65は、操作板部61の下面から下方向に突出する一対の突片65a、65bを有する。
一対の突片65a、65bは、操作板部61の幅方向中間部を挟んで互いに対称形状に形成されている。一対の突片65a、65bは、操作板部61の幅方向に幅広な矩形状に形成され、カテーテル12に対向する各内側縁は、カテーテル12の外径よりも若干広い間隔に設定されている。各内側縁の下部側には、幅方向内側に微量に突出して、カテーテル12の外径よりも若干狭い間隔に設定される爪部が設けられている。
カテーテル12は、カテーテル操作部材60との組付において、一対の爪部に引っ掛けられて一対の突片65a、65b間に咥え込まれることで保持される。また、図8Bに示すように、一対の突片65a、65bは、操作板部61の長手方向に沿って相互に位相(形成位置)がずれるように突出形成される。つまり、保持部65は、カテーテル12を同軸上で挟み込まないことにより、カテーテル12を弱い係合力で保持する。このため、カテーテル操作部材60は、操作板部61が湾曲する際に、一対の突片65a、65bがカテーテル12の引っ掛かりをずれたタイミングで外していくことができる。なお、保持部65の構成は特に限定されず、操作板部61の下面自体、又は下面から突出する突部に形成した溝や凹部でもよい。
一方、カテーテル操作部材60のハブ収納部62は、操作板部61から下方向に突出する一対の側板66、66と、操作板部61から上方向に多少突出した半円筒状の上板67とによってドーム状に形成される。一対の側板66、66の基端側及び中間側は、ハウジング20の側壁に合わせて平行に延びている。一対の側板66、66の中間側よりも先端側は、先端方向に向かってそれぞれ内側に傾斜することで先端方向に三角状を呈している。
一対の側板66、66と上板67の内側には、カテーテルハブ14を回転自在に収納する収納室62aが設けられている。この収納室62aは、下部及び基端において外部に開放されている。また本実施形態において、ハブ収納部62は、単にカテーテルハブ14を収納室62aに配置しているだけであり、カテーテルハブ14のカテーテル操作部材60に対する下方への移動を規制する保持力を有していない。カテーテル操作部材60の進出操作時の操作力は、セーフティ機構40及び後記のハブ係合部69によってカテーテルハブ14に伝達され、後退時の操作力は、一対の側板66、66によってカテーテルハブ14に伝達される。
また図8Aに示すように、離脱規制部63は、ハブ収納部62の一対の側板66、66のうち一方の側板66に連設されている。この離脱規制部63は、側板66から基端方向に延びる延在部68と、延在部68の側面に設けられるハブ係合部69と、延在部68の基端に設けられる規制本体部70とを有する。
延在部68は、その延在方向の長さがセーフティ機構40の外筒50の全長に対応する長さに設定されており、穿刺可能状態で、基端が外側筒部52の基端(基端フランジ部55)に接触する。また、延在部68の上下方向の幅は、側板66の上下幅と同一に設定されている。すなわち、離脱規制部63は、側板66が直線状に長く延びた外観となっていることで、離脱規制部63自体の剛性を確保している。
ハブ係合部69は、延在部68の途中位置(ハブ収納部62の基端寄り)で幅方向内側(ハブ収納部62の軸心の延長線)に向かって突出形成されている。このハブ係合部69は、ハブ収納部62に収納したカテーテルハブ14のフランジ15に接触することで、カテーテル操作部材60の進出操作時におけるカテーテルハブ14の一体移動を可能とする。ハブ係合部69は、延在部68の長手方向に所定長さを有するブロック状に形成されている。これにより、穿刺可能状態で、その突出面がセーフティ機構40の内筒41に接触して延在部68の姿勢を安定化させる。
規制本体部70は、正面視で、延在部68の基端に連なる連結部71と、この連結部71に連なり延在部68の長手方向と直交する幅方向内側に向かって突出し、全体的にC字状を呈する係止棒部72とを有する。係止棒部72の内側には、外筒50の外側筒部52の外径よりも僅かに大径な直径を有する係止用空間73が形成されている。そのため、係止棒部72は、外側筒部52の外周面に摺動可能に係止される。連結部71は、係止棒部72を外側筒部52に係止させつつ、延在部68の姿勢がセーフティ機構40の軸方向に沿うように幅方向内側に若干突出している。
係止棒部72は、連結部71の反対側に係止用空間73に連通する連通隙間72aを有する。連通隙間72aを構成する係止棒部72の一対の突出端部は、外側筒部52の外径よりも狭い適度な幅(例えば、外側筒部52の外径の80%以下)で離間している。また、係止棒部72は、外側筒部52の軸方向に沿う方向と、外側筒部52の径方向に沿う方向に四方の端面を有する断面方形状に形成されている。これにより、規制本体部70は、組立時に、外側筒部52の軸方向に沿って一対の突出端部が離間するように捻れさせることで、連通隙間72aを通して係止用空間73に外側筒部52を導くことを可能とする。その一方で、係止棒部72は、外側筒部52に外装した状態で径方向に充分な剛性を発揮して、外側筒部52から簡単に外れない構造となっている。なお、係止棒部72は他の断面形状に形成されていてもよい。
以上の構成からなるカテーテル組立体10Aは、図1に示す組立状態(穿刺可能状態)で、カテーテル操作部材60の離脱規制部63が外筒50の外側筒部52に対して相対的にスライド可能に係止されている。また、外側筒部52の外筒側中空部54には、内筒41が進退可能に収容されて、この内筒41の頭部43にカテーテルハブ14の基端が保持された状態となっている(図7Aも参照)。さらに、カテーテル操作部材60のハブ収納部62に、カテーテルハブ14の先端部分が収納され、カテーテルハブ14よりも基端側にハブ係合部69が配置されることで、セーフティ機構40、カテーテル操作部材60、カテーテルハブ14の一体的な移動が可能となっている。
そして、カテーテル操作部材60は、操作板部61の保持部65においてカテーテル12を咥え込むことでカテーテル12を適度な保持力で保持している。このように組み付けられた各部品に内針16が貫通挿入されて、カテーテル12との間で多重管部18を形成し、ハウジング20の収容空間20aに各部品が一体的に収容されている。また穿刺可能状態では、カテーテル操作部材60の操作板部61が、ハウジング20の一対の側壁22、23の上面及びレール部29に配置されて直線性が維持される。さらに、ハウジング20の先端において、支持部材30が多重管部18の下側を支持している。そのため、多重管部18は、ハウジング20内で直線に延在した状態で良好に保持される。
第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Aは、上述したように、患者への輸液の導入部を構築する際に用いられる。このカテーテル組立体10Aの使用において、ユーザは、ハウジング20を把持操作して多重管部18を患者に穿刺する(穿刺操作)。穿刺時には、保持部65がカテーテル12を保持すると共に、支持部材30がカテーテル12を支持することで、多重管部18の撓みを防止している。
多重管部18の穿刺状態において、ユーザは、内針16に対しカテーテル12を相対的に進出させて血管内に挿入する(カテーテル進出操作)。この際、ユーザは、カテーテル操作部材60の上側リブ61aやタブ61bに指を当てて、ハウジング20と相対的にカテーテル操作部材60を先端方向にスライドさせる。これにより、カテーテル操作部材60の操作板部61は、図3Aに示すように、先端方向への進出に伴い患者の皮膚等に先端反り部64が接触する、又はユーザが先端反り部64を把持する等により、多重管部18の軸線方向から遠のくように湾曲する。これにより、各保持部65が多重管部18を順次外していく。
また、カテーテル操作部材60の進出に伴い、カテーテルハブ14及びセーフティ機構40も一体的に進出する。そして、カテーテル操作部材60は、ハウジング20を抜け出る際に、側板66が支持部材30に接触することで、ハウジング20の外側に支持部材30を回転させる。これにより、カテーテル操作部材60、カテーテルハブ14及びセーフティ機構40がハウジング20の先端から抜け出て、外部に露出される。
カテーテル12を血管内に充分に進出させた後、ユーザは、内針16及びハウジング20を基端方向に引き抜くことで、カテーテル12を挿入したまま内針16を患者から抜去する(内針後退操作)。さらに、ユーザは、カテーテル操作部材60、カテーテルハブ14及びセーフティ機構40に対して内針16及びハウジング20を相対的に後退させることで、カテーテルハブ14からの離脱を図る。
この内針後退操作時に、セーフティ機構40は、内針16がストッパ部48よりも基端側に後退することで、ストッパ部48の許容空間45aへの移動を許容する(図7A及び図7B参照)。そして、内針16は、針側突起16cが外筒50の基端壁56に引っ掛かることで、セーフティ機構40への収容が継続される。セーフティ機構40内では、ストッパ部48又はシャッタ47が、針先16aの前で展開することにより針先16aの再露出を防止する。
一方、内筒41は、ストッパ部48による外筒50の係合がなくなることで、外筒50に対して先端方向に進出することが可能となる。また、カテーテル操作部材60の離脱規制部63は、外筒50に対して相対的に摺動可能となっている。そのため図3Bに示すように、外筒50の後退に伴い、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材60及び内筒41が一体的に進出し、外筒50の先端から箱体42が露出する。そして、内筒41の内側突部49が外筒50の収容体51に引っ掛かった段階(図7B参照)では、一対のアーム44、44が充分に露出されて、カテーテルハブ14の係合を解除する。これによりカテーテルハブ14は、内筒41の頭部43との係合のみの第2状態に移行する。つまり、穿刺可能状態で、カテーテルハブ14とセーフティ機構40とが強い接続強度で接続されていたものが、内針後退操作後にカテーテルハブ14が離脱可能な弱い接続強度となる。
カテーテル操作部材60は、離脱規制部63が外筒50との係止を維持したまま、内筒41よりも若干進出可能となり、この進出に伴いカテーテルハブ14を内筒41の頭部43から抜け出させる(離脱操作)。これによりカテーテルハブ14がカテーテル操作部材60のハブ収納部62から分離可能となり、適宜のタイミングでカテーテル12及びカテーテルハブ14によって構成される留置組立体19(第1組立体)が患者に良好に留置される。
その一方で、カテーテル12及びカテーテルハブ14から分離した内針16、ハウジング20、セーフティ機構40及びカテーテル操作部材60は、連続的に接続した廃棄予定組立体80(第2組立体)となっている。すなわち、カテーテル操作部材60、内針16に対して所定距離だけ移動した位置で、セーフティ機構40に係止される(離脱が規制される)ことで、廃棄される部品群を1つのまとまりとして取り扱うことができる。また、この際、セーフティ機構40が内針16を保護することでユーザ等への誤刺を防止する。従って、ユーザは、廃棄操作により、この廃棄予定組立体80を効率的且つ安全に廃棄することができる。
従って、ユーザによるカテーテル組立体10Aの操作をまとめると、(A)穿刺操作、(B)カテーテル進出操作、(C)内針後退操作、(D)離脱操作、(E)廃棄操作の操作手順となる。
以上のように、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、カテーテル操作部材60が離脱規制部63を有することで、カテーテル操作部材60のハウジング20からの離脱を規制して、取扱性を向上させることができる。すなわち、カテーテル操作部材60が所定距離移動して移動が規制された位置でもハウジング20に接続されているので、カテーテル組立体10Aの使用時には、抜去した内針16、ハウジング20、セーフティ機構40及びカテーテル操作部材60をまとめて廃棄することが可能となる。また、従来の操作手順に比べて、内針16及びハウジング20を先に廃棄する操作が省略されることになるので、操作手順が簡単化する。従って、ユーザは、操作時の手間や煩わしさの低減が図られて、カテーテル組立体10Aを一層容易に取り扱うことができる。
この場合、カテーテル組立体10Aは、第1組立体(カテーテル12、カテーテルハブ14)と第2組立体(廃棄予定組立体80)とに分離可能であるため、第1組立体を患者側に留置する一方で、廃棄予定組立体80を容易に廃棄することができる。これに加えて、離脱規制部63によりカテーテル操作部材60とセーフティ機構40の接続を継続することで、カテーテル組立体10Aは、セーフティ機構40に内針16を収容しつつ、カテーテル操作部材60の離脱を規制することができる。また、カテーテルハブ14とセーフティ機構40の相互の接続強度が、穿刺可能状態(第1状態)よりも、内針後退操作後の第2状態において小さいことで、カテーテルハブ14は、セーフティ機構40からの離脱を簡単な操作で行うことができる。これにより、カテーテル操作部材60とカテーテルハブ14との分離も簡単化する。
また、ユーザは、穿刺時に、カテーテルハブ14が収容されたハウジング20を把持してカテーテル12及び内針16を安定的に穿刺することができ、穿刺後に、カテーテル12及びカテーテルハブ14を内針16に対し良好に移動させることができる。その一方で、カテーテル操作部材60の進出操作では、ハウジング20の外部にカテーテルハブ14を露出した第2状態とすることで、カテーテル操作部材60からカテーテルハブ14を簡単に分離させることができる。
また、離脱規制部63が、延在部68及び規制本体部70を有することで、カテーテル組立体10Aは、セーフティ機構40の所定位置にカテーテル操作部材60を簡単に接続させることができる。そして、カテーテル操作部材60は、ユーザの操作によりセーフティ機構40を先端方向に容易に引き出すことができる。さらに、離脱規制部63が、ハブ係合部69を有することで、カテーテル操作部材60は、カテーテル操作部材60の進出操作時に、カテーテルハブ14の進出を補助して、操作をより一層安定的に実施させることができる。
なお、カテーテル組立体10Aは、上述した構成に限定されるものではなく、種々の変形例及び応用例を採用し得る。例えば、カテーテル組立体10Aのカテーテル操作部材60は、離脱規制部63にハブ係合部69を備えず、ハブ収納部62等においてカテーテルハブ14を係合する構成でもよい。具体的には、ハブ収納部62の内面にU字状の溝を形成する一方で、カテーテルハブ14の外面に環状の突起を設けた構成とすることで、カテーテルハブ14とカテーテル操作部材60とを一体的に移動可能とする。その一方で、カテーテル操作部材60が上方向に引き上げられることで、カテーテルハブ14を収納室62aの下側から容易に離脱させることができる。また、カテーテル組立体10Aは、内針16に挿通され、内針16に対して進退可能なガイドワイヤを備えていてもよい。
以下、本発明のカテーテル組立体10Aの他の実施形態(第2〜第6実施形態)について説明していく。なお、以降の説明において、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aと同一の構成又は同一の機能を有する構成には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、図11〜図15Bに示すように、カテーテルハブ14の基端部に弁体100(中間部材:図12参照)を接続し、この弁体100とセーフティ機構140を接続した構成としている点で、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aと異なる。また、カテーテル組立体10Bのカテーテル操作部材160は、セーフティ機構140の構造に対応するように構成されている。
詳細には、図12に示すように、弁体100は、カテーテルハブ14の中空部14aに挿入されて嵌合される嵌合部102と、嵌合部102の基端側に連なり基端方向に短く突出してセーフティ機構140に接続される接続部104とを有する。嵌合部102及び接続部104の内部には、内針16を挿通すると共に、内針16の外周面に密着する弁孔106が形成されている。
嵌合部102は、弁体100の軸方向中間部から先端方向に向かって緩やかに先細りとなるテーパ状に形成されている。嵌合部102(弁体100)は、カテーテルハブ14への挿入に伴い弾性変形して、カテーテルハブ14の内面に液密に密着する。
弁体100を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の各種弾性材料があげられる。弁体100は、中空部14aの気体を基端方向に抜けさせるため、多孔質性を有していてもよい。
また、弁体100は弾性体と、それを取り囲むより硬質な材料とで構成されていてもよい。このように、弾性体と、それを取り囲むより硬質な材料とで構成することで、弁体100に針が貫通した状態において弁体が経時変形することを防止することができる。また、ユーザが弁体100を把持しやすくなる。また、弁体100とセーフティ機構140の離脱強度のコントロールがしやすくなる。
一方、接続部104は、嵌合部102の境界から基端方向に向かって所定長さ延びており、その外周面には係止溝104aが設けられている。接続部104は、穿刺可能状態で、セーフティ機構140の外筒150内に挿入されることで、セーフティ機構140に設けられた一対のアーム44、44のフック44aが係止溝104aに引っ掛けられる。係止溝104aは、例えば、断面三角状に窪むと共に、接続部104の周方向に沿って環状に形成される。
セーフティ機構140は、第1実施形態と同様に、内筒141及び外筒150により構成されている。内筒141は、第1実施形態と同様に、箱体42及び内側筒部45を有すると共に、内針16が挿通配置される挿通孔46を軸心に備える。内筒141の箱体42の上下方向両側面には、弁体100の接続部104を係合保持する一対のアーム44、44が設けられている。
内筒141の内側筒部45の先端側には、遮断部材142と、遮断部材142の上下方向の変位を許容する許容空間45aが上下に貫通形成されている。許容空間45aは、挿通孔46に連通している。遮断部材142は、連結アーム143を介して箱体42に連結されており、穿刺可能状態で、内針16が許容空間45aに位置することで、内針16の外面に押されて許容空間45aの上側位置に配置される。そして、セーフティ機構140に対する内針16の後退により、内針16が遮断部材142よりも基端側に移動すると、遮断部材142が許容空間45aの下方に変位可能となる。そして、内筒141が外筒150に対して先端方向に相対移動することで、その上側の傾斜面が外筒150の外側筒部52に案内されて、遮断部材142が外筒150の内部に入り込む。そして、内側筒部45の内側突起が外筒150の長孔52aの先端に移動した位置では、遮断部材142の上下の変位が外筒150の収容体151の内面により規制され、挿通孔46を遮断する。これにより、遮断部材142の基端面が内針16に対向するようになり、内針16の再露出を防止する。
外筒150は、図11及び図13Bに示すように、その幅方向両側面が平坦面に形成され、上下方向両側面が円弧状に形成された筒状の収容体151と、第1実施形態と同様の長孔52aを有する外側筒部52とを備える。収容体151の内部には、内筒141の箱体42及び一対のアーム44、44を収容する収容室151aが設けられている。この収容室151aは、上下方向に幅広に形成され、収容体151の先端に設けられた先端開口151bに連通している。
外筒150の外側筒部52は、軸方向に平行な外周面に形成され、またその基端には基端フランジ部55が設けられている。外側筒部52の基端部には図示しない抜け止め部材152(図13B参照)が設けられており、この抜け止め部材152は、外筒150からの内針16の離脱を防止する機能を有している(第3実施形態の抜け止め部材246も参照)。
一方、カテーテル操作部材160は、図13Aに示すように、第1実施形態と同様に構成された操作板部61と、操作板部61の基端に連結された離脱規制部163とを有する。離脱規制部163は、操作板部61の面方向に連なる一対の突片164、164と、各突片164、164の側縁の下側に連結されて基端方向に延びる一対の延在部168、168と、一対の延在部168、168の側面に各々設けられる一対のハブ係合部169、169と、一対の延在部168、168の基端を架橋する規制本体部170とを有する。
一対の延在部168、168は、その延在方向の長さがセーフティ機構140の外筒150の全長に対応する長さに設定されており、穿刺可能状態で、基端が外側筒部52の基端フランジ部55に接触する。カテーテル12は、穿刺可能状態で、操作板部61の保持部65に保持される一方で、カテーテルハブ14は、一対の延在部168、168の間に配置されてカテーテル操作部材160の上方及び下方に露出されている。
一対の延在部168、168は、一対の突片164、164から基端方向に向かって下側に幅広となり、途中位置から一定の幅で基端方向に延び、ハブ係合部169の基端から上側に幅広となる板状に形成されている。そして、基端側の規制本体部170により、一対の延在部168、168同士を連結することで、一対の延在部168、168の剛性を高めている。
一対のハブ係合部169、169は、一対の延在部168、168の途中位置で幅方向内側に向かって突出形成されている。一対のハブ係合部169、169は、第1実施形態と同様にブロック状に形成され、ハブ収納部62に収納したカテーテルハブ14の基端に接触することで、カテーテル操作部材160の進出操作時におけるカテーテルハブ14の一体移動を可能とする。
規制本体部170は、一対の延在部168の幅方向内側に向かって突出形成される一対の側方連結部171、171と、一対の側方連結部171、171から円弧を描いて架橋する架橋部172とを備える。一対の側方連結部171、171及び架橋部172は、延在部168の延在方向に沿って充分な厚みを有するように形成されている。また、一対の側方連結部171、171と架橋部172は、その内側に略円形状の係止用空間173を有し、この係止用空間173に連通する連通隙間172aを下方に開口させたC字状に形成されている。
一対の側方連結部171、171の下部側には、一対の側方連結部171の軸方向の長さよりも短い一方で、外側筒部52の外径よりも幅狭な係止突起174、174がそれぞれ設けられている。この規制本体部170は、組立時に、一対の係止突起174、174を乗り越えるように外側筒部52を強い力で押し込むことで、連通隙間172aを通して係止用空間173に外側筒部52を挿入する。外側筒部52は、係止用空間173に配置された状態で、一対の側方連結部171、171及び架橋部172に対して比較的容易に相対移動(摺動)可能となる。また、規制本体部170は、外側筒部52を外装した状態で、架橋部172が剛性を発揮して、外側筒部52から簡単に外れないように機能する。
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、基本的には、以上のように構成されるものであり、以下その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Bは、図11に示す穿刺可能状態(第1状態)で使用され、第1実施形態と同様に、穿刺操作及びカテーテル進出操作がなされる。カテーテル進出操作において、ユーザは、操作板部61を先端方向に押し出すと、操作板部61の保持部65がカテーテル12を保持しつつ、カテーテル操作部材160の一対のハブ係合部169がカテーテルハブ14の基端を押してカテーテルハブ14を進出させる。これによりカテーテルハブ14の弁体100に、フック44aを引っ掛かけているセーフティ機構140(内筒141、及び内筒141の遮断部材142が引っ掛かった外筒150)がカテーテルハブ14と一体的に移動する。操作板部61は、進出時の湾曲によりカテーテル12の保持を解除していく。
カテーテル進出操作によりカテーテル12が患者の内部に挿入されると、ユーザは、内針16及びハウジング20を基端方向に引き抜く内針後退操作を行う。内針後退操作において、図14Aに示すようにカテーテルハブ14がハウジング20の先端から露出される第2状態となる。この際、セーフティ機構140は、内針16が遮断部材142よりも基端側に後退することで、遮断部材142の許容空間45aへの移動を許容する(図12参照)。そして、内針16は、太くなっている針先16aが外筒150の基端壁56に設けられた抜け止め部材152に引っ掛かることで、セーフティ機構140への収容が継続される。セーフティ機構140内では、遮断部材142が、外筒150に押されて挿通孔46を塞ぐことで針先16aの再露出を防止する。
内筒141は、遮断部材142による外筒150との引っ掛かりがなくなると、外筒150に対して先端方向に進出する。これにより図14Bに示すように、外筒150と相対的に、カテーテルハブ14、カテーテル操作部材160及び内筒141が一体的に進出して、外筒150の先端から箱体42が露出する。そして、内筒141の内側突部49が外筒150の収容体151に引っ掛かった段階では(図12も参照)、一対のアーム44、44が充分に露出されて弁体100との係合を解除する。
これにより、カテーテル12、カテーテルハブ14及び弁体100は、カテーテル操作部材160に対して自由状態となって、図15Aに示すように、留置組立体19として廃棄予定組立体180から分離される(離脱操作)。すなわち、カテーテルハブ14に対するセーフティ機構140の接続強度が所定の強度だったものが、第2状態ではゼロに移行して自動的にカテーテルハブ14がカテーテル操作部材160から離脱する。
その後、ユーザは、輸液チューブのコネクタを接続する際に、図15Bに示すように、カテーテルハブ14から弁体100を取り外し、カテーテル12とカテーテルハブ14を患者に留置する。一方、廃棄予定組立体180であるカテーテル12及びカテーテルハブ14から分離した内針16、ハウジング20、セーフティ機構140及びカテーテル操作部材160は、ユーザによってまとめて廃棄される(廃棄操作)。
以上のように、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bも、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aと同様の効果を得ることができる。特に、このカテーテル組立体10Bは、カテーテルハブ14内に弁体100を接続していることで、カテーテル操作部材160をカテーテルハブ14と係合させない構成としている。これにより弁体100とセーフティ機構140の接続解除によって、カテーテルハブ14からのカテーテル操作部材160の離脱を一層簡単化することができる。
なお、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bも、様々な変形例をとり得ることは勿論である。例えば、カテーテルハブ14とセーフティ機構140の間に設けられる構成は、弁体100に限定されず、カテーテルハブ14とセーフティ機構140を接続可能な種々の中間部材を採用してよい。例えば、中間部材は、カテーテルハブ14と同様の樹脂材料により硬質に形成され、カテーテルハブ14のフランジに係合して中空部14aを塞ぐ接続機構と、接続機構の基端に連なりセーフティ機構140に保持される被保持機構とを有するとよい。
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係るカテーテル組立体10Cは、図16〜図20Bに示すように、セーフティ機構240及びカテーテル操作部材260の構成が第1及び第2実施形態に係るカテーテル組立体10A、10Bと異なる。
詳細には、セーフティ機構240は、図16に示すように、幅方向中央部を分割基点として個別に成形した2つの部品を組み付けて相互に固着することで、1つの部材に構成してハウジング20内に収容固定される。このセーフティ機構240は、先端から基端方向に向かって、再露出防止機構部241、被装着部242及び抜け止め部243を有する。
再露出防止機構部241は、上下幅が長く左右幅が短い直方形状に形成されており、その内部には、シャッタ47が収容される空洞42aが設けられている(図17参照)。空洞42aには、セーフティ機構240を構成する2つの部品により、シャッタ47の配置を固定する配置用壁部244が設けられている。
被装着部242は、再露出防止機構部241の基端に連なり、径方向内側に窪んだ凹溝245を有する。凹溝245は、カテーテル操作部材260の規制本体部270の軸方向の厚みと同程度の幅に形成されており、この凹溝245に入り込むようにカテーテル操作部材260の規制本体部270が装着される。
抜け止め部243は、抜け止め部材246を収容する小さな空間を有し、凸状に形成された抜け止め部材246の先端を固定保持している。内針16の針先16a近くの外径は、この抜け止め部材246よりも太く(幅広に)形成されており、抜け止め部材246からの抜けが規制される。
一方、カテーテル操作部材260は、図18A及び図18Bに示すように、操作板部61、ハブ収納部62及び離脱規制部263を有する。ハブ収納部62の内部には、一対の側板66、66及び上板67から内側に突出する円弧状突起262が設けられ、この円弧状突起262は、カテーテルハブ14の外周面に形成された環状溝214に挿入される。円弧状突起262は、環状溝214に嵌め込まれずに挿入されるだけであり、カテーテル操作部材260は、カテーテルハブ14のカテーテル操作部材260に対する下方への移動を規制する保持力を有していない。従って、カテーテルハブ14は、セーフティ機構240及びカテーテル操作部材260に対して接続強度がゼロとなって接続されている。
離脱規制部263は、図18A及び図18Bに示すように、一対の側板66、66の上側側面に連結されて基端方向に所定長さ延びる一対の延在部268、268と、一対の延在部268、268の基端を架橋する規制本体部270とを有する。一対の延在部268、268は、操作板部61と同じ高さで細長い平板状に形成され、穿刺可能状態でハウジング20の側壁22、23の上面に沿って配置される。従って、一対の延在部268、268は、ハウジング20のレール部29内を移動可能である。
規制本体部270は、係止用空間73及び連通隙間72aを有するC字状を呈し、軸方向に所定の厚みを有する板状に形成されている。この規制本体部270は、セーフティ機構240の凹溝245に入り込んで、凹溝245の底部(セーフティ機構240の筒状部)に嵌合するように構成されている。
第3実施形態に係るカテーテル組立体10Cは、基本的には以上のように構成され、以下、その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Cは、図16に示す穿刺可能状態で使用され、第1及び第2実施形態と同様に、穿刺操作及びカテーテル進出操作がなされる。カテーテル進出操作において、ユーザは、操作板部61を先端方向に押し出すと、ハブ収納部62の円弧状突起262がカテーテルハブ14を前進させ、また規制本体部270がセーフティ機構240を前進させる。操作板部61は、進出時に湾曲することで、カテーテル12の保持を解除していく。
カテーテル進出操作によりカテーテル12が患者の内部に挿入されると、ユーザは、内針16及びハウジング20を基端方向に引き抜く内針後退操作を行う。内針後退操作において、セーフティ機構240は、内針16がシャッタ47よりも基端側に後退することで、シャッタ47により空洞42aを自動的に閉じる。そして、内針16は、太くなっている針先16aがセーフティ機構240に設けられた抜け止め部材246に引っ掛かることで、セーフティ機構240への収容が継続される。
カテーテル操作部材260は、ハウジング20の先端から露出されることで、ハブ収納部62からカテーテルハブ14を離脱可能とする。特に、このカテーテル組立体10Cは、留置組立体19がカテーテル操作部材260とセーフティ機構240に対して接続強度がゼロとなっており、カテーテルハブ14内で内針16が抜けると、カテーテル操作部材260から自動的に離れることになる。これにより、ユーザは、図19Bに示すように、カテーテル12及びカテーテルハブ14である留置組立体19を患者に簡単に留置することができる。その一方で、ユーザは、廃棄予定組立体280(第2組立体)である内針16、ハウジング20、セーフティ機構240及びカテーテル操作部材260をまとめて廃棄することができる(廃棄操作)。
以上のように、第3実施形態に係るカテーテル組立体10Cも、第1及び第2実施形態のカテーテル組立体10A、10Bと同様の効果を得ることができる。また、このカテーテル組立体10Cは、カテーテルハブ14とセーフティ機構240の相互の接続強度がゼロとなっていることで、カテーテル操作部材260とカテーテルハブ14との分離をより一層容易に行うことができる。その結果、カテーテルハブ14とカテーテル操作部材260の離脱操作を省略することができ、ユーザはカテーテル組立体10Cを一層簡単に操作することが可能となる。またこの場合は、離脱操作において生じる可能性がある、カテーテル12の位置ずれやカテーテルハブ14の汚染等を抑制することができる。
なお、カテーテル組立体10Cのカテーテル操作部材260は、ハブ収納部62によるカテーテルハブ14の収納状態において、カテーテルハブ14を適度な接続強度で保持して、カテーテルハブ14がハブ収納部62の下方に簡単に抜けないように構成してもよい。この場合、カテーテル操作部材260からカテーテルハブ14の離脱を操作し易くするため、図20Aに示すように、カテーテルハブ14のカテーテル操作部材260から露出されている上面にタブ215を設けることが好ましい。ユーザは、このタブ215を下方向に押すことでカテーテルハブ14をハブ収納部62から簡単に離脱させることができる。
また、図20Bに示すように、カテーテルハブ14の外周面に幅方向外側に突出する一対の操作ウイング216、216を設けて、各操作ウイング216、216がカテーテル操作部材260の一対の側板66、66よりも外側に突出した構成でもよい。ユーザは、この一対の操作ウイング216、216を下方向に押すことで、カテーテルハブ14をハブ収納部62から簡単に離脱させることができる。また、一対の操作ウイング216、216は、カテーテルハブ14の留置状態において患者の体表に容易に貼付可能な貼付部として機能させることもできる。なお、操作ウイング216は、ハブ収納部62の外側に突出していれば、その形状について特に限定されず、例えば外周面に1つだけ設けられてもよい。
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係るカテーテル組立体10Dは、図21〜図22Cに示すように、セーフティ機構340として、カテーテルハブ14の進出に伴いハウジング320内に内針16を自動的に後退移動させる構成となっていることで、第1〜第3実施形態に係るカテーテル組立体10A〜10Cと異なる。
カテーテル組立体10Dの構造は、特に限定されないが、例えば、ハウジング320に対しカテーテルハブ14が所定の進出量となったことをトリガに、内針16を保持している針保持部材325を弾性部材(コイルバネ326等)により基端方向に移動させる構造を採用するとよい。具体的に、ハウジング320は、先端部が開口した有底の角筒状に形成され、その内部にカテーテル操作部材360が連結される中継筒327と、中継筒327内に収容される筒状の針保持部材325と、針保持部材325を基端方向に付勢するコイルバネ326とを有する。また、針保持部材325は、穿刺可能状態で、ロック部材328によりハウジング320に係合されており基端方向への移動が規制されている。
中継筒327は、カテーテルハブ14の内部に挿入されて、カテーテルハブ14を保持する頭部327aと、頭部327aから基端方向に向かって所定長さ延びる基端筒部327bとを有する。この頭部327aの外周面には、連結溝部327cが設けられている。カテーテル操作部材360の離脱規制部363は、この中継筒327(セーフティ機構340)の連結溝部327cに嵌合されて離脱が規制されると共に、カテーテル12、カテーテルハブ14及び中継筒327を一体的に進出させる。なお、カテーテル操作部材360は、保持部65、ハブ収納部62等を有していてもよい。基端筒部327bの外周面の途中位置には、ロック部材328が配置される。
一方、針保持部材325は、中継筒327内に挿入されその先端部において内針16を保持する内側保持部329と、内側保持部329の基端から径方向外側に突出しさらに内側保持部329の外側で先端方向に延びる外側受筒330とを有する。外側受筒330の所定位置には、ロック部材328を貫通配置する貫通口部330aが設けられている。また、外側受筒330の先端面は、コイルバネ326を受ける座に構成されている。
ロック部材328は、側面断面視で、三角形状に形成されており、中継筒327の外周面に配置された状態で、針保持部材325の貫通口部330aを貫通し、その一部がハウジング320の内面に設けられたロック用穴部320aに挿入される。これによりロック部材328は、針保持部材325の基端方向への移動を規制しつつ、中継筒327を相対的に摺動可能としている。
第4実施形態に係るカテーテル組立体10Dは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Dは、図21及び図22Aに示す穿刺可能状態で使用され、第1実施形態と同様に、穿刺操作及びカテーテル進出操作がなされる。カテーテル進出操作において、ユーザは、カテーテル操作部材360をハウジング320と相対的に先端方向に押し出す。これにより、カテーテル操作部材360の離脱規制部363が連結している中継筒327を一体的に進出させ、カテーテル12及びカテーテルハブ14も進出していく。一方、針保持部材325は、ロック部材328によって移動が規制された状態を継続する。
カテーテル進出操作によりカテーテル12が患者の内部に挿入されると、ユーザは、内針16及びハウジング320を基端方向に引き抜く内針後退操作を行う。内針後退操作において、中継筒327は、ハウジング320及び針保持部材325が基端方向に後退していくことにより、相対的に先端側に移動する。そして図22Bに示すように、ロック部材328が中継筒327の基端部に移動すると、ハウジング320のロック用穴部320aからロック部材328が抜け出して、ハウジング320に対する針保持部材325の相対移動を可能とする。針保持部材325は、コイルバネ326により基端方向に付勢されていることから、ロック部材328のロック解除に基づきコイルバネ326が弾性的に伸張して基端方向に後退する。これにより、内針16が自動的に後退してハウジング320内に収容されることで、針先16aの再露出を防止する。
一方、中継筒327は、カテーテルハブ14が所定距離進出した段階で、ハウジング320内の抜け防止突部320bに引っ掛かることで、ハウジング320からの抜けが防止される。さらに、カテーテル操作部材360は、中継筒327に連結されているため、中継筒327からの離脱が防止される。従って、廃棄予定組立体380(内針16、ハウジング320、針保持部材325、中継筒327)が一体的に接続されており、留置組立体19であるカテーテル12及びカテーテルハブ14だけが廃棄予定組立体380から分離され留置される。廃棄予定組立体380は、ユーザによってまとめて廃棄される。
以上のように、第4実施形態に係るカテーテル組立体10Dも、第1〜第3実施形態に係るカテーテル組立体10A〜10Cと同様の効果を得ることができる。特に、このカテーテル組立体10Dは、廃棄予定組立体380がハウジング320と相対的に内針16を後退させてハウジング320内に収容することで、内針16の再露出を簡単に防ぐことができ、取扱時(廃棄時)の安全性を一層高めることができる。
〔第5実施形態〕
第5実施形態に係るカテーテル組立体10Eは、カテーテル操作部材460が進出に伴い、ハウジング420に係止されることにより離脱が防止される点で、第1〜第4実施形態に係るカテーテル組立体10A〜10Dとは異なる。また、このカテーテル組立体10Eは、内針16を後退した際に内針16を露出した状態で廃棄がなされる。すなわち、本発明に係るカテーテル組立体は、第1〜第4実施形態に示すようなセーフティ機構40、140、240、340を備えない構成であってもよい。
詳細には、カテーテル組立体10Eは、穿刺可能状態で、ハウジング420よりも基端方向に延出するカテーテル操作部材460と、このカテーテル操作部材460を係止するための係止機構421を有するハウジング420とを含んで構成される。
カテーテル操作部材460は、操作板部61と、ハブ収納部462と、ハブ収納部462の上板467に面一に連なり基端方向に所定長さ延びる離脱規制部463とを有する。ハブ収納部462は、カテーテルハブ14の先端部分を収納する収納室462aを有すると共に、収納室462aの基端側に開口462bを有することで、カテーテルハブ14のフランジ15を露出する構成となっている。ハブ収納部462の上板467は、カテーテルハブ14の形状に合わせて、円弧状に盛り上がったドーム部468と、このドーム部468の両側方に連なると共に操作板部61に面一に連なる一対の上板側片469、469を有する。一対の上板側片469、469は、ハウジング420の一対のレール部29に挿入可能なサイズに形成され、穿刺可能状態で、ハウジング420の側壁22、23の上面に載置される。また、一対の上板側片469、469のうち支持部材30の設置側の上板側片469には、操作板部61の側縁と共に幅方向内側に切り欠いた切り欠き部469aが設けられている。切り欠き部469aに連なる上板側片469の先端側は、基端方向に向かってテーパ状に幅広となるテーパ縁部469bを有する。
離脱規制部463は、上板467の一対の上板側片469に連結されて、基端方向に延在する延在部464と、延在部464の基端部に設けられる規制本体部470とを有する。延在部464は、操作板部61の左右幅と同一の左右幅で、且つハウジング420のレール部29を通過可能な厚みに形成され、基端方向に平面状に延在している。延在部464の先端は、開口462bの基端縁を構成している。
規制本体部470は、延在部464の基端において上面に突出し、幅方向に延在する突条部471として構成されている。この突条部471は、図24に示すように、延在部464の面方向に直交する先端面471aを有すると共に、延在部464の一方の側縁よりも幅方向外側に突出する突出部472を有する。突出部472は、側面視で、先端と下部側に鋭角を有する直角三角形に形成され、且つハウジング420の側壁22の外側面と一致する突出量に設定されている。
一方、ハウジング420の係止機構421は、一対の側壁22、23の上部で、レール部29の基端側に設けられている。この係止機構421は、レール部29の上部側を構成する一対の側壁22、23に、カテーテル操作部材460の突条部471の先端面471aに当たる当接面422を有する。当接面422は、ハウジング420の軸方向に直交する面に形成されており、先端面471aに面接触可能となっている。
また、係止機構421は、支持部材30が設けられる側壁22の上面で、当接面422の形成箇所から若干基端側に離れた位置に後退規制突起423を有する。後退規制突起423は、側壁22の上面から僅かに突出する程度であり、また操作板部61、ハブ収納部462の上板側片469、及び離脱規制部463の延在部464の各側縁が内側を通過可能なように、側壁22の外面側に設けられて、幅狭になっている。この後退規制突起423の先端側は、ハウジング420の軸方向に直交する係止端面424に形成されている。さらに、後退規制突起423は、係止端面424の上端から基端方向に向かって下方向に傾斜する傾斜面425を有する。
第5実施形態に係るカテーテル組立体10Eは、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その作用効果について説明する。
カテーテル組立体10Eは、図23に示す穿刺可能状態で使用され、第1〜第4実施形態と同様に、穿刺操作及びカテーテル進出操作がなされる。カテーテル進出操作において、ユーザは、操作板部61を先端方向に押し出すと、カテーテル操作部材460の延在部464の円弧状突起262がカテーテルハブ14の環状溝214を前進させる(図25Aも参照)。また、操作板部61は、進出時に湾曲することで、保持部65によるカテーテル12の保持を解除していく。
このカテーテル進出操作において、図25A及び図25Bに示すように、カテーテル操作部材460の操作板部61の側縁は、ハウジング420のレール部29を通ると共に、支持部材30の軸棒部31の上部突部33に設けられたガイド凹部33aを通って移動する。このため、支持部材30は、回転が規制されてカテーテル12を下支えする。
そして、カテーテル操作部材460は、図25Cに示すように、操作板部61の側縁が通り過ぎて切り欠き部469aに至った段階で、ハブ収納部462の側板66が支持本体32に接触して支持部材30を回転させる。この際、ガイド凹部33aに切り欠き部469aが位置することで、上部突部33の回転を許容し軸棒部31を基点に支持本体32を容易に回転させることができる。その結果、図25Cに示すように、支持部材30(上部突部33)は、この回転時に90°回転する。
さらに、カテーテル操作部材460は、切り欠き部469aから延在部464の側縁を通過させる。上述したように、延在部464は、先端側がテーパ縁部469bに形成されており、支持部材30の上部突部33は、このテーパ縁部469bが接触することで、90°回転した位置からさらに回転を行う(図25D参照)。その結果、支持部材30は180°回転して、図24に示すように、ハウジング420の側壁22の外側に支持部材30を露出させる。これにより、カテーテル操作部材460の延在部464は、支持部材30の設置箇所をスムーズに通りつつ、レール部29によってガイドされる。
カテーテル進出操作によりカテーテル12が患者の内部に挿入されると、ユーザは、内針16及びハウジング420を基端方向に引き抜く内針後退操作を行う。内針後退操作において、カテーテル操作部材460の離脱規制部463は、ハウジング420に対して延在部464が相対的に進出することになり、図26Aに示すように、カテーテルハブ14をハウジング420から露出させることができる。カテーテルハブ14は、露出に伴い、ハブ収納部462からカテーテルハブ14を離脱可能な第2状態となる。この際、カテーテル操作部材460は、円弧状突起262がカテーテルハブ14の環状溝214に係合して、カテーテルハブ14を弱い保持力で保持している。そのため、ユーザは、離脱操作を簡単に行って、図26Bに示すように、留置組立体19(カテーテル12及びカテーテルハブ14)をカテーテル操作部材460から適宜のタイミングで外して患者に留置する。
また図24に戻り、規制本体部470の突出部472は、内針後退操作において、ハウジング420の側壁22の上面に形成され後退規制突起423の傾斜面425を乗り越える。これにより、規制本体部470の突条部471の先端面471aが当接面422に接触するようになり、ハウジング420からのカテーテル操作部材460の離脱が防止される。さらに、後退規制突起423を乗り越えた突出部472の基端面が係止端面424に対向するようになる。そのため、ハウジング420に対するカテーテル操作部材460の後退が規制されることになり、カテーテル操作部材460とハウジング420が良好に係止される。よって、ユーザは、廃棄予定組立体480である内針16、ハウジング420及びカテーテル操作部材460をまとめて廃棄することができる(廃棄操作)。
以上のように、第5実施形態に係るカテーテル組立体10Eも、第1〜第4実施形態に係るカテーテル組立体10A〜10Dと同様の作用効果を得ることができる。また、このカテーテル組立体10Eは、カテーテル操作部材460の離脱規制部463が、延在部464及び規制本体部470を有し、ハウジング420の所定位置においてカテーテル操作部材460の移動を規制して離脱を防止することができる。また、規制本体部470は、ハウジング420の係止機構421に容易且つ確実に係止されることになり、カテーテル操作部材460の離脱を確実に規制することが可能となる。
なお、ハウジング420とカテーテル操作部材460が係止して離脱を規制するカテーテル組立体10Eでも、種々の構成を採用することが可能であり、例えば、カテーテル組立体10Eは、離脱規制部463の延在部464を柔軟に構成してハウジング420内に収容した構成でもよい。柔軟な延在部464は、カテーテル操作部材460が進出してもハウジング420に接続され続けることで、カテーテル操作部材460とハウジング420の離脱を規制することができる。また、柔軟な延在部464は、カテーテル組立体10Eの全長を短くすることができるので、ユーザによる操作をより容易にすることができる。
また例えば、図27Aに示すように、内針16をハウジング420の基端方向に後退させて収容する構成としてもよい。この場合、カテーテル組立体10Eは、図に示す穿刺可能状態で、ユーザにより穿刺操作が行われる。その後、カテーテル進出操作及び内針後退操作が行われると、図27Bに示すように、カテーテル操作部材460がハウジング420に引っ掛かる。
そして、この状態において、ユーザがハウジング420に設けられた図示しないボタンを押すことで、図27Cに示すように、弾性部材482の付勢力に基づきハウジング420の基端方向に内針16(針保持部材325)を移動してハウジング420内に収容する。カテーテル組立体10Eは、この内針16の後退により、カテーテルハブ14から内針16が抜けて、廃棄予定組立体480からカテーテル12及びカテーテルハブ14を離脱させる。なお、内針16を後退移動させる機構は、ボタン操作によらず、第4実施形態と同様にカテーテル操作部材460が所定量進出したことをトリガとして、自動的に後退させる構成を採用してもよい。
〔第6実施形態〕
第6実施形態に係るカテーテル組立体10Fは、図28〜図30に示すように、第5実施形態に係るカテーテル組立体10Eと同様の構成に構成されるが、カテーテル操作部材560に保持リング561(貫通保持部)を設けた点で、カテーテル組立体10Eと異なる。
詳細には、カテーテル操作部材560の離脱規制部563は、ハブ収納部462の基端に連なる延在部464と、延在部464の基端に設けられる規制本体部470とを有し、延在部464の下面に上記の保持リング561を備える。この保持リング561は、延在部464の先端寄りにおいて、下方に向かって突出して正面視で略半円状を呈している(図30も参照)。また、保持リング561は、図29A及び図30に示すように、カテーテルハブ14よりも後方部分において延在部464の長手方向の所定範囲にわたって延びている。保持リング561の内部には、保持リング561の軸方向に沿って、内針16を挿通保持可能な保持孔561aが貫通形成されている。
以上の構成からなるカテーテル組立体10Fは、穿刺可能状態で、内針16がカテーテルハブ14及び保持リング561にそれぞれ挿入されていることにより、内針16の延在状態及びカテーテル操作部材560の延在状態が良好に維持されている。その結果、カテーテルハブ14とカテーテル操作部材560とのずれが防止される。
一方、カテーテル進出操作及び内針後退操作の際も、カテーテル操作部材560の保持リング561に内針16が保持されていることで、内針16及びカテーテル操作部材560の相互の撓みが抑制される。また、カテーテルハブ14から内針16が抜けた後も、カテーテル操作部材560の保持リング561によって内針16を保持することで、内針16が直ぐに自由状態となることを防ぐことができる。
さらに、カテーテル操作部材560は、内針後退操作においてハウジング420に対して進出すると、離脱規制部563の規制本体部470がハウジング420の係止機構421に係止されて離脱が防止される。従って、内針16、ハウジング420、カテーテル操作部材560を廃棄予定組立体580としてまとめて廃棄することができる。
以上のように、第6実施形態に係るカテーテル組立体10Fも、第1〜第5実施形態に係るカテーテル組立体10A〜10Fと同様の効果を得ることができる。また、このカテーテル組立体10Fは、延在部464が保持リング561を有することで、カテーテル操作部材560が進出した際に、内針16及びカテーテル操作部材560の撓みを抑制することができる。さらに、保持リング561は、内針16がカテーテルハブ14から抜去される前に、カテーテル操作部材560がカテーテルハブ14から離脱することを防止できる。従って、カテーテル操作部材560の進出操作を良好に実施させることができる。
また、このカテーテル組立体10Fでも、種々の変形例を採ることが可能であり、例えば、保持リング561を有しているカテーテル組立体10Fでも、図27A〜図27Cに示すハウジング420内の基端方向に内針16を後退させる構成を採用してもよい。
また例えば、カテーテル組立体10Fは、保持リング561をセーフティ機構340として機能させることができる。この場合、保持リング561は、カテーテル操作部材560の規制本体部470がハウジング420の係止機構421に係止される位置(図26Aも参照)において、保持リング561の保持孔561aに内針16の針先16aを収容する位置に設けられる。ハウジング420及びカテーテル操作部材560は、上述したようにハウジング420に対するカテーテル操作部材560の先端方向への抜けと、基端方向への逆戻りが規制されるので、保持リング561の保持孔561aに内針16を持続的に収容することができ、針先16aの再露出を防ぐことができる。
さらに、図30に示すように、カテーテル組立体10Fは、カテーテルハブ14の内部に弁581を収容した構成でもよい。この場合、保持リング561の保持孔561aの軸線と、弁581の中心部の弁孔581aの軸線が一致するように構成する。これにより、保持孔561a及び弁孔581aに挿通される内針16を直線状に延在させることができ、内針16とカテーテルハブ14とのずれを一層確実に防止することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。