JP2017177183A - 鉄含有銅合金の連続鋳造方法 - Google Patents

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大展 小林
芳徳 釘宮
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芳徳 釘宮
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Noriaki Suzuki
紀晃 鈴木
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Abstract

【課題】酸素含有量が多い鉄を含む銅合金からであっても、鋳型内における溶湯面の上下の変動を抑制しつつ、鋳塊を連続的に製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、鉄含有銅合金を連続鋳造する方法であって、溶湯に含まれる酸素濃度を40ppm以上200ppm以下とする方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄含有銅合金の連続鋳造方法に関する。
一般に銅および銅合金の鋳造には、代表的にはバッチ式製造方法および連続式製造方法がある。いずれの方法においても、溶解炉からの溶湯を分配樋(タンディッシュ)を通じて鋳造のための鋳型に注ぎ、鋳塊を得る。このとき、高融点の元素を高濃度含有する合金に対して、十分に合金元素を溶解させるため、溶解時間を十分に確保したり、分配樋に導入するに際して加熱したりといった工夫がなされる。
特許文献1には、比重が小さく、かつ、高融点の元素を高濃度で含有する合金を用いる場合や、効率への高度な要求に対応すべく溶解時間を短くする必要がある場合においては、上述した工夫も十分ではないという課題を解決するべく、途中の流路における溶湯の流れを調整し、未溶解元素の量を軽減した銅合金鋳塊を連続的に製造する技術が記載されている。
特開2012−061507号公報
ところで、溶湯中の酸素量が多いと酸化物が形成され、これがタンディッシュから鋳型への流路に付着することがあり、溶湯の流れが悪くなることがある。また、合金中の酸化物のような固体物が存在すると、最終製品の特性に影響することがある。
したがって、特許文献1では、「酸素と活性な元素を添加する場合はこの脱ガス装置6によって溶湯中の酸素量を10ppm以下、望ましくは5ppm以下とする。」と低酸素濃度で扱うことが示されている。また、この実施する具体的な方法として「固体還元剤やガスを使用した脱ガス装置6を設置する。」と記載されており、固体還元剤の代表な例としては活性カーボンである。
しかし、本発明者らは、上記のような技術を用いて、鉄含有銅合金を鋳造した際に、タンディッシュから鋳型への流路の溶湯の流れが悪くなる現象にしばしば遭遇した。この場合には、タンディッシュにおける溶湯面が上昇しないように、保持炉からの溶湯の供給を抑えることになるが、結果として、鋳型内に送り込まれる溶湯が減少して、鋳型内の溶湯面が下がってしまう。また、タンディッシュから鋳型への流路の溶湯の流れが急に回復することもあり、この場合には結果として、鋳型内の溶湯面が急に上昇してしまう。このような鋳型内の溶湯面の上下の変動は、操業の安定を欠くことになり、また製品の品質面に好ましくない。そこで、タンディッシュから鋳型への流路の溶湯の流れが悪くなる現象の原因を鑑みるに、溶湯中に固形物が発生し、ストッパとタンディッシュの出口、又はスパウトノズルの入口である狭い部分に固体物が詰まって、溶湯の流れが悪くなっているためと推察された。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鋳型内における溶湯面の上下の変動を抑制しつつ、酸素含有量が多い鉄含有銅合金から鋳塊を連続的に製造する方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、固形物が炭化物であるとの仮説のもとに、分配樋内を流れる鉄含有銅合金を溶解させた溶湯に含まれる酸素濃度を一定量とすることで、固形物の発生を制御でき、鋳型内における溶湯面の上下の変動を抑制して、スムーズな溶湯の鋳型への注入を可能とする技術を見出した。
かかる知見を基礎として完成した本発明は以下のものである。
(1)鉄含有銅合金を連続鋳造する方法であって、溶湯に含まれる酸素濃度を40ppm以上200ppm以下とする方法。
(2)前記溶湯は、シャフト炉で銅合金を溶解させて得られた、(1)に記載の方法。
(3)前記シャフト炉では、銅合金原料を空燃比0.7〜0.9の範囲に設定して、バーナーで加熱する、(2)に記載の方法。
(4)前記酸素濃度の調整を保持炉にて活性カーボンの添加により行う、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記鉄含有銅合金の鉄含有量が100〜2000ppmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記鉄含有銅合金が、さらにリンを10〜1000ppmの量で含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、酸素含有量が多い鉄を含む銅合金からであっても、鋳型内における溶湯面の上下の変動を抑制しつつ、鋳塊を連続的に製造する方法を提供することができる。
本発明を実施する一態様である連続鋳造装置を模式的に示す図である。 連続鋳造装置のタンディッシュ周りを拡大して示す図である。
以下、本発明の鉄含有銅合金を連続鋳造する方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明を実施する一態様である銅合金の連続鋳造装置を模式的に示す図である。
図1において、銅合金の連続鋳造装置は銅原料を溶解するシャフト炉1、銅が溶解した溶湯を保持する保持炉2、合金元素を添加する合金元素溶解樋(合金元素添加樋)4、タンディッシュ5、および鋳造機6で構成されている。
シャフト炉1では、銅原料を溶解する際に酸素を吹き込んでバーナーであぶるため、結果として酸素濃度が高い溶湯が得られ、この溶湯は保持炉2へ送られる。このバーナーで銅原料をあぶる際には雰囲気を調整することが望ましく、例えば空燃比(実際の空気量/燃料が完全燃焼に必要な理論空気量の比)を0.7〜0.9、好ましくは0.8〜0.9になるように調整することが好ましい。
また、保持炉2では、シャフト炉1からの溶湯の流量や温度が調整され、溶湯が合金元素溶解樋4へ送られる。保持炉2では、溶湯の保温、および酸素の混入を防ぐために溶湯被覆材を溶湯表面に配置することが好ましい。この被覆材としては、活性カーボンより還元力の低いものが好ましい。特に、保持炉2からの溶湯中の酸素濃度が高すぎる場合には、酸素濃度を調整するための活性カーボンを添加する装置(活性カーボン添加装置3)を設けて、保持炉2に活性カーボンが溶湯中に導入されるように添加される。この活性カーボンは、溶湯中の溶融銅合金を還元し、酸素濃度を低下させる。
また、活性カーボンの添加量は、活性カーボン種にもよるが、溶湯中の酸素濃度を200ppm以下、好ましくは100ppm以下とするような量とすることが好ましい。なお、活性カーボンの添加量が多すぎると、例えば銅原料に含まれる鉄などが炭化物を形成しやすくなり、後述するタンディッシュ5から鋳造機6へ溶湯を注入する際に詰まりの一因となり得るため、好ましくない。この観点から、活性カーボンは、溶湯中の酸素濃度が40ppm以上となる程度に添加されることが好ましい。また、後述するように、活性カーボンは、保持炉2から出た後、例えばタンディッシュ5などでは添加されない。
また、活性カーボンとしては、木炭、活性炭などを好適に用いることができる。
なお、酸素濃度の調整は、活性カーボンによる調整のかわりに、窒素ガス、一酸化炭素ガスによる雰囲気を調整することによるものであってもよいが、活性カーボンを使用することは、反応が早いため、ハンドリングに優れるという観点で好ましい。
また、保持炉2にて保持される溶湯の酸素含有量が、上述した範囲であれば活性カーボン添加は不要となることは言うまでもないが、上述した範囲であっても酸素含有量を低減させる要請がある場合には、活性カーボンの添加を行う。
この酸素含有量に関する要請には、鋳造機で得られる鋳塊にリンを含める場合に、要求されるリン含有量に対応して設定されることが挙げられる。
これは、酸素含有量が高すぎると、鋳塊にリンを取り込ませることが困難となる知見が得られていること、および鋳塊に含める鉄の含有量からも影響を受けるという知見が得られていることから、鋳塊に求められる仕様としての所定の鉄含有量が決まり、含有させるリンの量が決まると、許容される酸素含有量も決まることになることによる。すなわち、溶湯の酸素含有量はこの許容される酸素含有量に応じて設定され、活性カーボンを添加する場合は、当該設定された酸素含有量となるように、その添加量が決まることになる。
なお、リンを添加しない場合には、溶湯中の酸素含有量は、前述のように、タンディッシュ5からから鋳造機6への注入時に詰まりを起こさない程度であればよく、リン添加時に比べて厳密に管理する必要がないことはもちろんである。
さらに、保持炉2から導入される溶湯は、合金元素溶解樋4に送られて、合金元素添加装置7から送られる合金成分、すなわち鉄および必要に応じてリンが添加される。鉄の添加量は、鋳塊の鉄成分が100〜2000ppmとなるように調整される。また、リンの添加量も同様に、鋳塊のリン成分が、10〜1000ppmとなるように調整される。
タンディッシュ5では、合金元素溶解樋4から導入される溶湯が、後述のように、一定の注入速度となるように調整されて、鋳造機6に注入される。
ここで、図2はタンディッシュ5の周りを拡大して示す図である。
図2において、タンディッシュの分配樋21よりスパウトノズル25を介して、鋳型23に溶湯24を注入し、鋳型における溶湯面の高さを一定に保持して鋳造を行っている。図2の鋳型23の中の溶湯は、図示されない冷却装置によって、鋳型23の内壁を介して冷却されて、図2の下方向へと徐々に移動しながら冷却固化されて、柱状の合金固体へと変化してゆく。下方へ移動しつつ冷却固化された溶湯の量を補うように、上方のスパウトノズル25からはさらに溶湯が注入されて、結果として、鋳型における溶湯面の高さは一定に保持される。
また、タンディッシュ5には、スパウトノズル25から流出する溶湯の量を補うように、新しい溶湯が流入してくるので、結果として、タンディッシュの分配樋21における溶湯面の高さもまた一定に保持される。
このように溶湯面の高さを一定にする操業を維持するには、例えば、スパウトノズル25から流出する溶湯の量を多くする(流速を早くする)ためには、図示されない保持炉からの溶湯の供給を増やす。保持炉は、炉体を傾転させて、保持炉から樋に溶湯を流し込み、タンディッシュに溶湯を供給しているので、その傾転の調節によって供給量を増減できる。さらに、微調整として、分配樋21から鋳型23へ溶湯24を注入するにあたり、溶湯24がスパウトノズル25を通るに際して、スパウトノズル25の分配樋21の側の開口を調節するためのストッパ22を、当該開口を大きくするように配置することもできる。すなわち図2においては矢印の上方方向に移動させればよい。逆にストッパ22を、前記開口を小さくするように位置したときにはスパウトノズル25から流出する溶湯の量が小さくなる(流速が遅くなる)。
すなわち、スパウトノズル25から鋳型23の中への溶湯24の流速は、主として保持炉からの供給量によって調整でき、微調整としてストッパ22の位置を図2に示したように上下方向に移動させて制御することができる。ただし、ストッパ22の上下方向への移動による制御は、できるだけ行うことなく、溶湯24の流速を一定に維持できるように操業することが通常である。
しかし、このような一定条件での操業中に、鋳型内における溶湯面の高さが、意図せずに下降してしまうことがあった。この原因は、スパウトノズル25から流出する溶湯の量が減少したことである。そして、本発明者は、スパウトノズル25の分配樋21の側の開口と、ストッパ22の先端との間で形成される、溶湯流出間隙が、固形物によって目詰まりを起こして、それによってスパウトノズル25から流出する溶湯の量が減少したという仮説を得た。
なお、銅合金を垂直連続鋳造するとき、その添加物として鉄を含む場合は分配樋21のストッパ22の先端とタンディッシュ5出口の狭い部分に固体物が挟まって目詰まりが生成しやすい。
本発明者は、タンディッシュ5に導入される溶湯中の酸素濃度を、当該タンディッシュに導入される前に、上述した範囲とすることにより、鋳型内における溶湯面の高さの下降を抑制できることを見いだした。これは、分配樋21のストッパ22とタンディッシュ出口の狭い部分の目詰まりの原因である固形物の形成を抑制できるためであると考えられる。
従来において、溶湯の酸素濃度を調整する必要が生じた場合、タンディッシュにおいても活性カーボンなどの還元剤を導入していたが、前述のように、過剰に還元剤が導入されると、目詰まりの原因である固形物になり得るような物質が生じるやすい環境になることがあった。そのような場合、鋳型23内における溶湯面の高さが下降した場合には、固形物の破砕や流出を狙って、スパウトノズル25の分配樋21の側の開口と、ストッパ22の先端との間で形成される、溶湯流出間隙の付近に衝撃を与えたり、あるいはストッパ22を上方向へ急に上昇させるなどの、ケースバイケースの対処を行っていた。あるいは、タンディッシュの分配樋への溶湯の供給量を減少させて、鋳型内における溶湯面の高さの下降を抑制していた。
本発明では、タンディッシュに導入される溶湯の酸素濃度を調整すること、および保持炉から下流側、特にタンディッシュにおいて溶湯中の酸素濃度を調整するための活性カーボンを添加しないことにより、鋳型内における溶湯面の高さの意図しない下降を抑制することができるようになる。なお、保持炉で用いた被覆材は保持炉から送り出された後も溶湯の表面に用いることが好ましい。このようにして、酸素含有量が多い鉄を含む銅合金からであっても、鋳型内における溶湯面の高さの意図しない下降を抑制して、鋳塊を連続的に製造する方法を提供することが可能になる。
以下に本発明の実施例を示すが、以下の実施例に本発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例)
シャフト炉1にて銅原料を溶解して得られた溶湯を保持炉2に送り、以降の溶湯の流量を調整した。なお、保持炉2にて、溶湯の表面に被覆材を導入し、当該溶湯を1250℃に調整した。溶湯を保持炉2から活性カーボン添加装置3に送り、活性カーボンとして木炭を添加した。このとき、酸素濃度が40ppm以上となるようにした。さらに、溶湯を合金元素溶解樋4に送り、合金元素添加装置7から鉄およびリンを添加し、これらの添加物元素を溶湯中に溶解させた。このとき、鉄は100〜2000ppmとなるように、リンは200ppmとなるように調整した。添加物元素が溶解した溶湯を、タンディッシュ5に送り、鋳造機6に単位時間あたり一定量となるように注入した。
結果として、鋳造の間、タンディッシュ5中の溶湯表面が上昇することなく、一定の鋳造速度で250tを連続鋳造することができた。
(比較例)
実施例と同じ成分の銅合金を同じ設備を用いて鋳造した。活性カーボンを、溶湯中の酸素濃度が10ppmとなるような添加量にて添加した。タンディッシュへ移された溶湯を1200℃に維持したまま、スパウトノズルを通じて鋳型へ注ぎ込んだ。
その結果、鋳造中に、タンディッシュ5中の溶湯表面が上昇し始めたため、タンディッシュへの溶湯の供給量を下げ、鋳造速度を落として鋳造をし、100tしか鋳造できなかった。

Claims (6)

  1. 鉄含有銅合金を連続鋳造する方法であって、溶湯に含まれる酸素濃度を40ppm以上200ppm以下とする方法。
  2. 前記溶湯は、シャフト炉で銅合金を溶解させて得られた、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シャフト炉では、銅合金原料を空燃比0.7〜0.9の範囲に設定して、バーナーで加熱する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸素濃度の調整を保持炉にて活性カーボンの添加により行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記鉄含有銅合金の鉄含有量が100〜2000ppmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記鉄含有銅合金が、さらにリンを10〜1000ppmの量で含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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