JP2017177525A - 印刷装置、印刷用版ロール及びアニロックスロール - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の塗装模様を被印刷物の表面に安定して付与することができる、印刷用版ロールに対するアニロックスロールの位置を、目視により簡単に決定することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】アニロックスロールと、該アニロックスロールと並列する版胴及び該版胴の外周面に取り付けられた印刷版を有し、かつ前記アニロックスロールから供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールと、を備えた印刷装置であって、印刷時における、前記アニロックスロールの表面と前記印刷用版ロールの表面との接触状態を目視で確認可能な視認部を備える。
【選択図】図3
【解決手段】アニロックスロールと、該アニロックスロールと並列する版胴及び該版胴の外周面に取り付けられた印刷版を有し、かつ前記アニロックスロールから供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールと、を備えた印刷装置であって、印刷時における、前記アニロックスロールの表面と前記印刷用版ロールの表面との接触状態を目視で確認可能な視認部を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、印刷装置、印刷用版ロール及びアニロックスロールに関する。
従来、被印刷物の表面にフレキソ印刷法等により塗装模様を付与する印刷処理が知られている(特許文献1,2参照)。
フレキソ印刷法では、版胴に版下クッションを介して巻き付けられたフレキソ版を有する印刷用版ロールを用い、アニロックスロールに付着した塗料をフレキソ版の表面に形成された印刷用凸部に転写させ、この印刷用凸部に転写した塗料を被印刷物の表面に印刷することで印刷処理が行われる。
印刷処理を行うにあたり、印刷用版ロールの回転軸とアニロックスロールの回転軸とは互いに略平行で、かつ、印刷用版ロールがアニロックスロールに軸方向にわたって均一に圧接される位置(以下、理想位置という場合がある)に、印刷用版ロールに対してアニロックスロールが配置されていることが理想である。これにより、アニロックスロールに付着した塗料がフレキソ版の表面に軸方向にわたって均一に転写され、所望の塗装模様が被印刷物の表面に付与される。
しかしながら、フレキソ版は弾性材からなるため、印刷用版ロールに対するアニロックスロールの位置の調整が難しく、オペレーターの経験に頼って感覚で位置決めをするため、印刷用版ロールに対してアニロックスロールが理想位置に配置されないことがある。そのため、被印刷物の表面に塗装模様を付与すると、アニロックスロールに付着した塗料がフレキソ版の表面に軸方向にわたって均一に転写されないため、塗装模様が付与された被印刷物の箇所によっては実際付与された塗装模様の面積が所望の塗装模様の面積よりも小さく、外観にバラツキが生じることがあった。このようにアニロックスロールに付着した塗料がフレキソ版の表面に軸方向にわたって均一に転写されないと、所望の塗装模様を被印刷物の表面に安定して付与することができない。また、印刷用版ロールに対するアニロックスロールの位置の調整に時間がかかり、時間の短縮化が望まれていた。
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、印刷用版ロールに対するアニロックスロールの位置を目視により簡単に決定することができ、所望の塗装模様を被印刷物の表面に安定して付与することができる印刷装置、印刷用版ロール及びアニロックスロールを提供することを目的とするものである。
本発明の印刷装置は、アニロックスロールと、該アニロックスロールと並列する版胴及び該版胴の外周面に取り付けられた印刷版を有し、かつ前記アニロックスロールから供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールと、を備えた印刷装置であって、印刷時における、前記アニロックスロールの表面と前記印刷用版ロールの表面との接触状態を目視で確認可能な視認部を備える。
本発明の印刷装置において、前記視認部は、前記印刷版の表面に設けられ、該印刷版の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置していることが好ましい。
本発明の印刷装置において、前記視認部は、前記印刷用版ロールの軸方向両端部に形成されていることが好ましい。
本発明の印刷装置において、前記視認部は、前記印刷用版ロールの周方向全体に亘って形成されていることが好ましい。
本発明の印刷装置において、前記印刷版には、該印刷版の非印刷領域に塗料が滞留するのを防止する滞留防止凹部が設けられ、該滞留防止凹部の底面が前記視認部の表面よりも径方向内側に位置することが好ましい。
本発明の印刷用版ロールは、前記印刷装置に用いられる印刷用版ロールであって、前記視認部を備える。
本発明のアニロックスロールは、前記印刷装置に用いられるアニロックスロールであって、前記視認部を備える。
本発明によれば、印刷用版ロールに対するアニロックスロールの位置を目視により簡単に決定することができ、所望の塗装模様を被印刷物の表面に安定して付与することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第一実施形態に係る印刷装置1]
図1は、本発明の第一実施形態に係る印刷装置1の概略説明図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10の概略断面図である。図2では、印刷版11の厚みを拡大している。
図1は、本発明の第一実施形態に係る印刷装置1の概略説明図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10の概略断面図である。図2では、印刷版11の厚みを拡大している。
印刷装置1は、被印刷物90の表面にフレキソ印刷法により塗装模様を付与する印刷処理に用いられる輪転式の装置であり、図1に示すように、印刷用版ロール10と、アニロックスロール20と、塗料供給パン30と、落下塗料回収パン40と、塗料返送手段50と、搬送手段60と、クリーニング手段70と、塗料移送手段80とを備える。印刷用版ロール10は、図2に示すように、視認部111が形成された印刷版11と、版胴12とを有する。塗料返送手段50は、図1に示すように塗料返送路51及びポンプ52を有する。搬送手段60は、搬送台61及び圧ロール62を有する。クリーニング手段70は、クリーニングロール71及びドクターブレード72を有する。塗料移送手段80は、塗料回収パン81、塗料案内路82及びポンプ83を有する。
印刷用版ロール10は、回転自在に配置されており、印刷処理前のロール位置調整(以下、セッティングという)の際、上下方向に移動可能である。アニロックスロール20及びクリーニングロール71は、印刷用版ロール10に接触して回転自在に配置されており、セッティングの際、それぞれ水平方向に移動可能である。塗料供給パン30は、塗料供給パン30内の塗料がアニロックスロール20の表面と接触するように配置されている。落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収できるように、印刷用版ロール10の下方に配置されている。塗料返送路51は、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30に供給できるように配置されている。圧ロール62は、印刷用版ロール10の圧力を受けながら被印刷物90を搬送できるように、印刷用版ロール10の下方で、印刷用版ロール10と対向して配置されている。ドクターブレード72は、クリーニングロール71の表面に付着した塗料を取り除くことができるように配置されている。塗料回収パン81は、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を回収できるように、クリーニングロール71及びドクターブレード72の下方に配置されている。塗料案内路82は、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30に供給できるように配置されている。ここで、下方とは重力方向で下向きを意味する。上方とは重力方向で上向きを意味する。水平方向とは、重力方向と直交する方向を意味する。
印刷処理は以下のようにして行われる。まず、塗料供給パン30内の塗料をアニロックスロール20の表面と接触させ、アニロックスロール20に塗料を供給する。次いで、アニロックスロール20に付着している塗料を印刷用版ロール10の表面の少なくとも一部(少なくとも印刷用凸部112の表面112a)に転写させる。最後に、印刷用版ロール10の表面に転写した塗料を、搬送手段60により走行している被印刷物90の表面に印刷する。この印刷処理を連続的に行うことで、表面に塗装模様が付与された被印刷物90が連続的に製造される。この際、印刷用版ロール10に残存している塗料はクリーニングロール71によって回収される。このクリーニングロール71により回収された塗料はドクターブレード72によって掻取り回収される。
第一実施形態では、印刷版11は、図2に示すように、その表面に視認部111を備える。そして、セッティングの際、視認部111の表面と、アニロックスロール20の表面とがちょうど接する位置に、印刷用版ロール10に対してアニロックスロール20が配置され、この配置で印刷処理を行う。そのため、印刷用版ロール10の回転軸12aとアニロックスロール20の回転軸とは互いに略平行で、かつ、印刷用版ロール10がアニロックスロール20に軸方向にわたって均一に圧接される位置(以下、理想位置という場合がある)に、印刷用版ロール10に対してアニロックスロール20が配置され、印刷処理を行うことになる。これにより、アニロックスロール20に付着した塗料が印刷用版ロール10に軸方向において毎回決まった量転写するため、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に安定して付与することができる。
第一実施形態では、印刷装置1は、図1に示すように、落下塗料回収パン40と、この落下塗料回収パン40によって回収された塗料を塗料供給パン30に戻す塗料返送手段50とを備える。落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10の下方に設けられ、滞留防止凹部114によって非印刷領域Nにおける滞留が妨げられて、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収する。これにより、滞留防止凹部114を有さない従来の印刷用版ロールを用いた場合には廃棄等していた塗料を回収して塗料供給パン30に戻し、再利用することができるため、従来の印刷用版ロールを用いた場合よりも環境負荷が少なく、さらに印刷装置のランニングコストに優れる。
なお、第一実施形態では印刷装置1は、印刷用版ロール10と、アニロックスロール20と、塗料供給パン30と、落下塗料回収パン40と、塗料返送手段50と、搬送手段60と、クリーニング手段70と、塗料移送手段80とを備えるが、本発明はこれに限定されず、印刷装置の構成は、アニロックスロールと、印刷用版ロールとを備えれば特に限定されない。
[第一実施形態に係る印刷用版ロール10]
本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10は、アニロックスロール20から供給された塗料で被印刷物90を印刷する。すなわち、印刷用版ロール10は、フレキソ印刷法により被印刷物90の表面に塗装模様を付与する印刷処理において、表面にアニロックスロール20から供給された塗料が転写され、転写した塗料を被印刷物90の表面に印刷する印刷処理に用いられる。印刷用版ロール10は、図2に示すように、印刷版11と、円筒型の版胴12とを有する。版胴12はアニロックスロール20と並列している。印刷版11は版胴12の外周面に取り付けられている。版胴12は、回転軸12aと、版下クッション12bとを有する。版下クッション12bは回転軸12aの外周面に設けられている。
本発明の第一実施形態に係る印刷用版ロール10は、アニロックスロール20から供給された塗料で被印刷物90を印刷する。すなわち、印刷用版ロール10は、フレキソ印刷法により被印刷物90の表面に塗装模様を付与する印刷処理において、表面にアニロックスロール20から供給された塗料が転写され、転写した塗料を被印刷物90の表面に印刷する印刷処理に用いられる。印刷用版ロール10は、図2に示すように、印刷版11と、円筒型の版胴12とを有する。版胴12はアニロックスロール20と並列している。印刷版11は版胴12の外周面に取り付けられている。版胴12は、回転軸12aと、版下クッション12bとを有する。版下クッション12bは回転軸12aの外周面に設けられている。
印刷用凸部112の表面112aに対応する径、すなわち印刷用版ロール10の外径D10は、図2に示すように、軸方向にわたって一定である。印刷用版ロール10の外径D10の大きさや、印刷用版ロール10の軸方向の長さ(印刷版11の軸方向の長さ)は、被印刷物90の表面に付与する塗装模様の意匠や、被印刷物90のサイズなどに応じて適宜調整すればよい。
印刷版11は、図2に示すように、印刷処理を行う印刷領域Pと、印刷領域Pの軸方向両外側に、印刷処理を行わない非印刷領域N,Nとを有する。印刷版11の印刷領域Pは被印刷物90と接触する部位であり、印刷版11の非印刷領域Nは被印刷物90と接触しない部位である。印刷領域Pの外周面の一部(少なくとも印刷用凸部112の表面112a)にはアニロックスロール20から塗料が転写し、この転写した塗料を被印刷物90に印刷する。非印刷領域Nの外周面はアニロックスロール20と接触してもよいし、接触しなくてもよい。印刷領域Pの軸方向の長さは、印刷版11の軸方向の長さに対して、好ましくは85〜90%である。
第一実施形態では、印刷版11は、図2に示すように、その表面の各非印刷領域N,N内に、印刷時における、アニロックスロール20の表面と印刷用版ロール10の表面との接触状態を目視で確認可能な視認部111を有する。この視認部111により、後述するように印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の位置を調整することができる。
視認部111は、図2に示すように、印刷版11の表面に設けられ、印刷版11の最外面よりも所定寸法で、すなわち後述する距離Lで径方向内側に位置している。ここで、印刷版11の最外面とは、印刷用凸部112の表面112aを指す。すなわち、印刷版11の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置しているとは、視認部111の表面111aが、径方向において、印刷用凸部112の表面112aの位置よりも径方向で内側にあることをいう。視認部111の表面111aは印刷用凸部112の表面112aの位置と、印刷用凹部113の表面113aの位置との間に位置するように形成されていることがより好ましい。視認部111は、図2に示すように、凸部により構成されている。
視認部111は、アニロックスロール20の表面と印刷用版ロール10の表面との接触状態を目視で確認するためのものである。言い換えると、視認部111は、印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の位置を調整するためのものである。すなわち、セッティングの際、印刷用版ロール10に対してアニロックスロール20を印刷用版ロール10の径方向に押し付けて、アニロックスロール20の表面と各視認部111,111の表面111a,111aとがちょうど接する位置に配置することで、印刷用版ロール10に対してアニロックスロール20を理想位置に配置することができる。このように理想位置に配置することで、アニロックスロール20に付着した塗料が印刷版11の表面に軸方向にわたって均一に転写され、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与することができる。
図3Aは、印刷用版ロール10の表面とアニロックスロール20の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図3Bは、印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の理想位置を示す概略説明図である。なお、図3A及び図3Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール20の表面形状の記載は省略している。
アニロックスロール20の表面と各視認部111,111の表面111a,111aとがちょうど接するか否かは、目視により簡単に決定することができる。すなわち、セッティングの際、図3Aに示すように、印刷版11の印刷領域Pにおける表面(具体的には印刷用凸部112の表面112a)とアニロックスロール20の表面とをちょうど接触させると、視認部111,111の表面111a,111aとアニロックロール20の表面との間に隙間部X,Xが存在するようになる。このちょうど接触させた状態から、印刷用版ロール10に対してアニロックスロール20を印刷用版ロール10の径方向に押し付けていくと、印刷版11は変形し、隙間部X,Xの量は次第に減少していき、ついには図3Bに示すように、隙間部X,Xが存在しなくなる。この隙間部X,Xがちょうど存在しなくなる位置が、アニロックスロール20の表面と視認部111,111の表面111a,111aとがちょうど接する位置である。隙間部Xの存在の有無は目視により簡単に把握することができるため、アニロックスロール20の表面と視認部111,111の表面111a,111aとがちょうど接する位置を目視により簡単に決定できる。このように、印刷用版ロール10を用いれば、視認部111を有さない従来の印刷用版ロールを用いる場合のように、オペレーターの経験に頼って感覚で位置決めをしなくとも、目視により簡単に、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に安定して付与することができる位置を決定することができる。さらに、印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の位置を調整する時間の短縮化を図ることができる。
視認部111,111は、図2に示すように、印刷用版ロール10の軸方向両端部(以下、単に軸方向両端部という場合がある)に形成されている。そのため、印刷用版ロール10を用いれば、セッティングの際、例えば、視認部111を印刷領域P又は非印刷領域Nに1箇所有する印刷用版ロールを用いる場合よりも、印刷用版ロール10及びアニロックスロール20の軸方向における左右のバランス調整をし易くなる。すなわち、視認部111,111の表面111a,111aが軸方向両端部に形成されていると、セッティングの際、2箇所の隙間部X,Xが存在するようになるため、視認部111を印刷領域P又は非印刷領域Nに1箇所有する印刷用版ロールを用いる場合よりも、視覚的に、印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の位置をより簡単に決定することができる。なお、第一実施形態では視認部111,111は、図2に示すように、軸方向両端部に形成されているが、本発明はこれに限定されない。また、第一実施形態では各非印刷領域N,N内に設けられた視認部111,111はその断面形状などは互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非印刷領域ごとに断面形状等の異なる視認部が設けられていてもよい。
視認部111は印刷用版ロール10の周方向全体に亘って形成されている。視認部111は環状凸部状になっている。これにより、セッティングの際、周方向の一部に形成された視認部を有する印刷用版ロールを用いる場合のように、視認部の外周面とアニロックスロールの表面との間に存在する隙間部が目視できるように印刷用版ロールを正転又は逆転させて視認部の位置を調整する必要がない。そのため、印刷用版ロール10を用いれば、視認部が周方向の一部に形成されている印刷用版ロールを用いる場合に比べて、より簡単に印刷用版ロール10に対するアニロックスロール20の位置を決定することができる。なお、第一実施形態では、視認部111の断面形状は、図2に示すように四角形状であるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、半円形状、半楕円形状、山形状、多角形状、階段形状などであってもよい。また、第一実施形態では、視認部111は印刷用版ロール10の周方向全体に亘って連続して形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、視認部は、印刷用版ロールの周方向に亘って断続的に形成されていてもよいし、印刷用版ロールの周方向に対して斜傾した方向で全周に亘って形成されていてもよい。
視認部111の表面111aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離Lは、すなわち、印刷版11の最外面から径方向内側における視認部111の位置までの所定距離は、印刷用凸部112の突出高さH3(印刷用凹部113の表面113aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離)よりも小さく、印刷用凸部112のパターンなどに応じて適宜選択すればよく、好ましくは0.1〜0.5mm、より好ましくは0.2〜0.4mmである。視認部111の幅W1は、隙間部Xの視認のし易さなどを考慮して適宜選択すればよく、好ましくは5〜20mm、より好ましくは10〜20mmである。幅W1が上記範囲内であれば、アニロックスロール20の表面と各視認部111,111の表面111a,111aとがちょうど接触した瞬間を視覚的に把握し易くなる。
第一実施形態では、印刷版11は、図2に示すように、視認部111の軸方向内側に、印刷版11の非印刷領域N,Nにおける塗料の滞留を防止する滞留防止凹部114を有する。滞留防止凹部114は、図2に示すように、その滞留防止凹部114の底面114aが、径方向において、印刷用凹部113の表面113aの位置よりも内側に位置するように形成されている。滞留防止凹部114の底面114aは視認部111の表面111aよりも径方向内側に位置している。さらに、滞留防止凹部114には、段差面114b,114c及び底面114aからなる溝(以下、環状溝という)が周方向に亘って形成されている。
視認部111は、このような滞留防止凹部114を有するので、印刷処理中に、印刷不良が生じにくくなる。具体的には、印刷処理を連続的に行うと、印刷版11と被印刷物90とが圧接し、この圧接よって、印刷版11の表面における印刷領域Pの外側に、即ち軸方向外側に、徐々に押し出されてきた塗料は、滞留防止凹部114の軸方向内側の側面である段差面114cを伝って該滞留防止凹部114内に流入し、さらに該滞留防止凹部114の軸方向外側の側面である段差面114bにより軸方向外側へのさらなる流動が妨げられて、環状溝内をつたって下方に流動するようになり、最後には、印刷用版ロール10から下方に落下するようになる。そのため、印刷処理中に、印刷版11の表面に付着している塗料は印刷版11を越えて版胴12の側面及び回転軸12aまで流動しにくく、印刷版11の非印刷領域N,Nである軸方向端部、版胴12の側面、及び回転軸12aに塗料が滞留しにくくなるため、滞留した塗料が被印刷物90にハネ飛んだり、被印刷物90に落下、付着することはほとんどない。その結果、印刷処理を連続的に行っても、滞留防止凹部114を有さない従来の印刷用版ロールを用いる場合よりも印刷不良が生じにくくなり、さらにメンテナンス性にも優れる。さらに、滞留防止凹部114は環状溝となっているので、軸方向外側に勢いよく流動してきた塗料が段差面114bに接触して軸方向内側へ流動した(以下、跳ね返ったという)としても、この跳ね返った塗料は段差面114cにより軸方向内側へのさらなる流動が妨げられ、溝内をつたって下方に流動するようになる。これにより、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与しやすくなる。なお、第一実施形態では、滞留防止凹部114は印刷用版ロール10の周方向全体に亘って形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、凹部は、周方向の一部に形成されていてもよいし、軸方向に垂直な方向に対して傾斜する方向に全周にわたって形成されていてもよい。また、第一実施形態では各非印刷領域N,Nに設けられた滞留防止凹部114,114の断面形状、サイズ等は互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非印刷領域ごとに断面形状等の異なる凹部であってもよい。
滞留防止凹部114は印刷版11自体に設けられている。すなわち、印刷版11は滞留防止凹部114を有する。つまり、印刷用凸部112及び印刷用凹部113を形成する凹凸形状と同様に、印刷版11自体に滞留防止凹部114が形成されている。そのため、例えば、印刷版11を分断して形成された滞留防止凹部を有する印刷用版ロールを用いる場合よりも、滞留防止凹部114内に塗料が滞留しにくく、滞留した塗料が被印刷物90にハネ飛んだり、被印刷物90に落下、付着することはほとんどない。また、視認部111の軸方向に隣接して滞留防止凹部114が設けられていると、視認部111の軸方向に隣接して滞留防止凹部114が設けられていない場合に比べて、径方向における視認部111の高低差が大きくなり、視認部111の表面111aの位置を視覚的に把握しやすくすることができる。
環状溝の断面形状は、図2に示すように四角形状である。滞留防止凹部114の底面114aは視認部111の表面111aよりも径方向内側に位置する。そのため、理想位置でも溝がつぶれず、塗料の滞留を防止できる。滞留防止凹部114の底面114aは、印刷用凹部113の表面113aよりも径方向内側に位置する。そのため、溝が深くなるので、塗料の滞留を防止する効果が向上する。視認部111及び滞留防止凹部114において、底面114aから表面111aまでの径方向の距離H2は、印刷版11の径方向の厚さより小さく、印刷処理を連続的に行った際、塗料の軸方向外側へのさらなる流動を妨げることができる高さであれば特に限定されず、好ましくは5mm以上、より好ましくは15〜20mmである。滞留防止凹部114の底面114aは視認部111の表面111aよりも距離H2径方向内側に位置する。底面114aの幅W2は、印刷版11の版面に供給する塗料の塗布量などに応じて適宜調整すればよく、好ましくは5〜15mm、より好ましくは5〜10mmである。なお、環状溝の断面形状は、図2に示すように四角形状であるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、環状溝の断面形状は、例えば、半円形状、半楕円形状、V字形状、多角形状、階段形状などであってもよい。
印刷版11は、供給された塗料で被印刷物90を印刷する複数の印刷用凸部112を表面に有する。すなわち、印刷版11の印刷領域Pには、図2に示すように、印刷用凹部113から突出する、パターン形成用の複数の印刷用凸部112が設けられている。印刷用凹部113は、印刷領域P内で被印刷物90と接触しない箇所であり、印刷用凹部113が存在することで被印刷物90の表面に所望の塗装模様を付与することができる。印刷用凸部112の突出高さH3は、被印刷物90の表面に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよく、好ましく1.0〜1.5mmである。
印刷用凹部113の表面113aの位置は、図2に示すように、滞留防止凹部114の底面114aの位置よりも、径方向において外側に位置している。これにより、印刷処理を連続的に行うことによって、軸方向外側に流動してきた塗料は、環状溝が形成されている印刷用版ロール10の滞留防止凹部114,114からより集中的に落下するようになるので、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収し易くなる。印刷用凸部112の径方向の断面形状や、印刷用凸部の周方向の表面の形状などは、被印刷物90に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよい。
印刷版11の材質としては、特に限定されず、好ましくはアスカーゴム硬度計C型によるゴム硬度が50度未満の材質であり、より好ましくは30度以上50度未満の材質であり、具体的にEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等のゴム材を用いることができる。ゴム硬度が上記範囲内であれば、自然なかすれを表現し易く、塗装される箇所と塗装されない箇所の境界が明確になりすぎず自然な風合いの塗装模様を被印刷物90の表面に付与しやすくなる。印刷版11の厚みは特に限定されず、好ましくは5〜10mmである。
版胴12を構成する回転軸12aの材質としては、特に限定されず、鉄などのフレキソ印刷法に用いられる回転軸として一般的に用いられる公知の材質が挙げられる。
版胴12を構成する版下クッション12bの材質としては、印刷版11よりもゴム硬度が低い材質で形成されるのが好ましく、例えばIIR(ブチルゴム)等のゴム材やスポンジ材で形成されるのが好ましい。版下クッション12bのゴム硬度は10度以上30度未満の範囲が好ましく、例えばそのゴム硬度を20度とすることができる。版下クッション12bのゴム硬度が上記範囲内であれば、印刷版11の被印刷物90表面への追従がより安定する。
円筒型の版胴12の材質としては、特に限定されず、鉄などのフレキソ印刷法に用いられる版胴として一般的に用いられる公知の材質が挙げられる。
印刷用版ロール10の製造方法としては、例えば、印刷版11の材質からなるシートの一方の面に直接レーザーを照射して表面を削り、パターン形成用の複数の印刷用凸部112と、印刷用凹部113と、視認部111と、滞留防止凹部114とに対応する凹凸形状を形成して印刷版11を得、回転軸12aの表面に版下クッション12bを巻き付けて固定して版胴12を得た後、版胴12における版下クッション12bの表面を覆うように重ねて印刷版11を巻き付けて固定する方法などが挙げられる。印刷版11、版下クッション12bを固定するに際し、公知の接着剤などを用いてもよい。
(アニロックスロール20)
アニロックスロール20は、塗料供給パン30から供給された塗料を印刷用版ロール10の表面に転写させるために用いられる。アニロックスロール20としては、例えば、鉄シリンダ表面に彫刻でセルが彫られ、これにクロムめっきが施されたクロムメッキロールなどの公知のアニロックスロールを用いることができる。アニロックスロール20の表面形状、すなわち彫刻するセルの形状は、塗料の供給量や塗装模様などに応じて適宜選択すればよく、例えば、ダイヤモンドパターン(ひし形)、ハニカムパターン(六角形)、ピラミッドパターン、ヘリカルパターンなどが挙げられる。
アニロックスロール20は、塗料供給パン30から供給された塗料を印刷用版ロール10の表面に転写させるために用いられる。アニロックスロール20としては、例えば、鉄シリンダ表面に彫刻でセルが彫られ、これにクロムめっきが施されたクロムメッキロールなどの公知のアニロックスロールを用いることができる。アニロックスロール20の表面形状、すなわち彫刻するセルの形状は、塗料の供給量や塗装模様などに応じて適宜選択すればよく、例えば、ダイヤモンドパターン(ひし形)、ハニカムパターン(六角形)、ピラミッドパターン、ヘリカルパターンなどが挙げられる。
塗料としては、特に限定されず、被印刷物90の表面に付与する塗装模様などに応じて適宜調整すればよく、例えば、無機質板に対して塗装模様を付与するためにはアクリルエマルジョン塗料などを用いることができる。塗料の粘度は、特に限定されず、好ましくは1000〜1600mPa・sである。
(塗料供給パン30)
塗料供給パン30は、アニロックスロール20に塗料を供給するために用いられる。塗料供給パン30としては、塗料を貯蔵することができる容器であれば、形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。
塗料供給パン30は、アニロックスロール20に塗料を供給するために用いられる。塗料供給パン30としては、塗料を貯蔵することができる容器であれば、形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。
(落下塗料回収パン40)
落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10の軸方向両端部の下方に設けられ、段差面114bによって非印刷領域N,Nにおける滞留が妨げられて、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収するために用いられる。落下塗料回収パン40としては、印刷用版ロール10の滞留防止凹部114,114から落下する塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。印刷用版ロール10の両端部の下方に落下塗料回収パン40が1個だけ配置されていてもよい。第一実施形態では、塗料回収手段として落下塗料回収パン40を用いたが、本発明はこれに限定されず、塗料回収手段は、印刷用版ロールから落下する塗料を回収できれば特に限定されず、例えば、バキューム装置で落下する塗料を吸い取る構成であってもよい。また、第一実施形態では、印刷用版ロール10の滞留防止凹部114,114の下方に落下塗料回収パン40が2個配置されているが、本発明はこれに限定されず、落下塗料回収パンは1個だけ配置されていてもよいし、3個以上配置されていてもよい。
落下塗料回収パン40は、印刷用版ロール10の軸方向両端部の下方に設けられ、段差面114bによって非印刷領域N,Nにおける滞留が妨げられて、印刷用版ロール10から落下する塗料を回収するために用いられる。落下塗料回収パン40としては、印刷用版ロール10の滞留防止凹部114,114から落下する塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。印刷用版ロール10の両端部の下方に落下塗料回収パン40が1個だけ配置されていてもよい。第一実施形態では、塗料回収手段として落下塗料回収パン40を用いたが、本発明はこれに限定されず、塗料回収手段は、印刷用版ロールから落下する塗料を回収できれば特に限定されず、例えば、バキューム装置で落下する塗料を吸い取る構成であってもよい。また、第一実施形態では、印刷用版ロール10の滞留防止凹部114,114の下方に落下塗料回収パン40が2個配置されているが、本発明はこれに限定されず、落下塗料回収パンは1個だけ配置されていてもよいし、3個以上配置されていてもよい。
(塗料返送手段50)
塗料返送手段50は、落下塗料回収パン40によって回収された塗料を塗料供給パン30内に戻すために用いられる。塗料返送手段50は、図1に示すように、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料返送路51と、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ52と、を有する。塗料返送路51は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
塗料返送手段50は、落下塗料回収パン40によって回収された塗料を塗料供給パン30内に戻すために用いられる。塗料返送手段50は、図1に示すように、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料返送路51と、落下塗料回収パン40内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ52と、を有する。塗料返送路51は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
(搬送手段60)
搬送手段60は、被印刷物90を搬送するために用いられる。被印刷物90を搬送することで、連続的に印刷処理を行うことができる。搬送手段60は、被印刷物90を載置するための搬送台61と、印刷用版ロール10と対向し、印刷用版ロール10から被印刷物90にかかる圧力を受けるための圧ロール62とを有する。搬送台61としては、特に限定されず、例えば、搬送用の樹脂ベルトなどが挙げられる。なお、第一実施形態では、搬送手段60として搬送台61及び圧ロール62を用いたが、本発明はこれに限定されず、搬送手段は、被印刷物を搬送することができれば、例えば、複数の搬送用ロールのみから構成されていてもよい。
搬送手段60は、被印刷物90を搬送するために用いられる。被印刷物90を搬送することで、連続的に印刷処理を行うことができる。搬送手段60は、被印刷物90を載置するための搬送台61と、印刷用版ロール10と対向し、印刷用版ロール10から被印刷物90にかかる圧力を受けるための圧ロール62とを有する。搬送台61としては、特に限定されず、例えば、搬送用の樹脂ベルトなどが挙げられる。なお、第一実施形態では、搬送手段60として搬送台61及び圧ロール62を用いたが、本発明はこれに限定されず、搬送手段は、被印刷物を搬送することができれば、例えば、複数の搬送用ロールのみから構成されていてもよい。
(クリーニング手段70)
クリーニング手段70は、被印刷物90の表面に塗料を印刷した後、塗料を新たに供給する前に、印刷用版ロール10の表面に残存している塗料を回収するために用いられる。クリーニング手段70は、印刷用版ロール10の表面に残存している塗料を回収するためのクリーニングロール71と、クリーニングロール71の表面に付着した塗料を除去するためのドクターブレード72と、を有する。クリーニングロール71としては、特に限定されず、公知のクリーニングロールを用いることができる。ドクターブレード72としては、掻き取り性及び耐久性を備えるものが好ましく、例えば材質としてSUSからなるものが好ましい。
クリーニング手段70は、被印刷物90の表面に塗料を印刷した後、塗料を新たに供給する前に、印刷用版ロール10の表面に残存している塗料を回収するために用いられる。クリーニング手段70は、印刷用版ロール10の表面に残存している塗料を回収するためのクリーニングロール71と、クリーニングロール71の表面に付着した塗料を除去するためのドクターブレード72と、を有する。クリーニングロール71としては、特に限定されず、公知のクリーニングロールを用いることができる。ドクターブレード72としては、掻き取り性及び耐久性を備えるものが好ましく、例えば材質としてSUSからなるものが好ましい。
(塗料移送手段80)
塗料移送手段80は、被印刷物90の表面に印刷されなかった塗料を回収し、塗料供給パン30内に戻して再利用するために用いられる。塗料移送手段80は、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を主に回収するための塗料回収パン81と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料案内路82と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ83とを有する。塗料回収パン81としては、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。塗料案内路82は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
塗料移送手段80は、被印刷物90の表面に印刷されなかった塗料を回収し、塗料供給パン30内に戻して再利用するために用いられる。塗料移送手段80は、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を主に回収するための塗料回収パン81と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内に案内するための塗料案内路82と、塗料回収パン81内の塗料を塗料供給パン30内へ汲み上げるためのポンプ83とを有する。塗料回収パン81としては、クリーニングロール71及びドクターブレード72によりクリーニングロール71から取り除いた塗料を回収できる容器であれば形状、サイズ等は特に限定されず、塗料の供給量などに応じて適宜調整すればよい。塗料案内路82は塗料の供給量を調整するためのバルブを有していてもよい。
(被印刷物90)
被印刷物90としては、特に限定されず、例えばフレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、繊維セメント板、プレキャストコンクリート板、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete、ALC)板、石膏ボード等の無機質板などが挙げられる。被印刷物90の表面には、複数の凸部が形成されていてもよく、隣り合う凸部間には目地状の凹部が形成されていてもよい。各凸部の形状は特に限定されず、正面視矩形状などが挙げられる。凸部の表面には、全面にわたって、複数の微細凸部が形成されていてもよい。凸部の突出高さ(目地状の凹部の深さ寸法)は、好ましくは2〜8mmである。微細凸部の突出高さ(隣り合う微細凸部間の凹部の深さ寸法)は、凸部の突出高さよりも小さければよく、例えば1〜7mmである。また、印刷処理後、被印刷物90の塗膜模様が付与された面の全面にわたってクリア塗装が施され、被印刷物90はその表面にクリア塗膜を有していてもよい。被印刷物90のサイズは特に限定されず、例えば、印刷用版ロール10の印刷領域Pの軸方向の長さに対して2分の1程度のサイズであってもよい。
被印刷物90としては、特に限定されず、例えばフレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、繊維セメント板、プレキャストコンクリート板、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete、ALC)板、石膏ボード等の無機質板などが挙げられる。被印刷物90の表面には、複数の凸部が形成されていてもよく、隣り合う凸部間には目地状の凹部が形成されていてもよい。各凸部の形状は特に限定されず、正面視矩形状などが挙げられる。凸部の表面には、全面にわたって、複数の微細凸部が形成されていてもよい。凸部の突出高さ(目地状の凹部の深さ寸法)は、好ましくは2〜8mmである。微細凸部の突出高さ(隣り合う微細凸部間の凹部の深さ寸法)は、凸部の突出高さよりも小さければよく、例えば1〜7mmである。また、印刷処理後、被印刷物90の塗膜模様が付与された面の全面にわたってクリア塗装が施され、被印刷物90はその表面にクリア塗膜を有していてもよい。被印刷物90のサイズは特に限定されず、例えば、印刷用版ロール10の印刷領域Pの軸方向の長さに対して2分の1程度のサイズであってもよい。
[第二実施形態に係る印刷装置]
図4は、本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロール13の概略説明図である。図5Aは、印刷用版ロール13の表面とアニロックスロール20の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図5Bは、印刷用版ロール13に対するアニロックスロール20の理想位置を示す概略説明図である。なお、図5A及び図5Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール20の表面形状の記載は省略した。
図4は、本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロール13の概略説明図である。図5Aは、印刷用版ロール13の表面とアニロックスロール20の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図5Bは、印刷用版ロール13に対するアニロックスロール20の理想位置を示す概略説明図である。なお、図5A及び図5Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール20の表面形状の記載は省略した。
本発明の第二実施形態に係る印刷装置は、上記の印刷用版ロール10の代わりに、印刷用版ロール13を用いる他は上記の印刷装置1と同様である。そのため、第二実施形態に係る印刷装置の印刷用版ロール13以外の部品については図1と同じ符号を用い、説明を省略する。また、図5A及び図5Bにおいて、図2の第一実施形態に示した構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
第二実施形態による印刷処理では、視認部141の表面141aが被印刷物90の表面に接触しないように被印刷物90を搬送台61上に載置して行うことができる。具体的には、圧ロール62の軸方向に、被印刷物90を複数枚並べ、隣接する被印刷物90,90間の隙間に視認部141の表面141aが位置するようにして、印刷処理を行ってもよい。これにより、視認部141の表面141aが被印刷物90の表面に接触しなくなり、これらの接触により付与されるカスレ模様などが被印刷物90の表面に印刷されにくくなる。
[第二実施形態に係る印刷用版ロール13]
本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロール13は、図4に示すように、印刷版11の代わりに、印刷領域P内に視認部141が形成されている印刷版14を用いる他は印刷用版ロール10と同様であり、印刷版14と、円筒型の版胴12とを有する。印刷版14は、版胴12の表面に取り付けられている。版胴12は、回転軸12aと、版下クッション12bとを有する。版下クッション12bは回転軸12aの外周面に設けられている。
本発明の第二実施形態に係る印刷用版ロール13は、図4に示すように、印刷版11の代わりに、印刷領域P内に視認部141が形成されている印刷版14を用いる他は印刷用版ロール10と同様であり、印刷版14と、円筒型の版胴12とを有する。印刷版14は、版胴12の表面に取り付けられている。版胴12は、回転軸12aと、版下クッション12bとを有する。版下クッション12bは回転軸12aの外周面に設けられている。
印刷用凸部112の表面112aに対応する径、すなわち印刷用版ロール13の外径D13は、図4に示すように、軸方向にわたって一定である。印刷用版ロール13の外径D13の大きさや、印刷用版ロール13の軸方向の長さ(印刷版14の軸方向の長さ)は、被印刷物90の表面に付与する塗装模様の意匠や、被印刷物90のサイズなどに応じて適宜調整すればよい。
第二実施形態では、印刷版14は、図4に示すように、印刷版14の印刷領域P内の表面に、印刷時における、アニロックスロール20の表面と印刷用版ロール13の表面との接触状態を目視で確認可能な視認部141を有する。この視認部141により、印刷用版ロール13に対するアニロックスロール20の位置を調整することができる。視認部141は印刷用版ロール13の表面に周方向にわたって形成されている。
視認部141は、図4に示すように、印刷版14の表面に設けられ、印刷版14の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置している。ここで、印刷版14の最外面とは、印刷用凸部112の表面112aを指す。すなわち、視認部141の表面141aを印刷版14の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置しているとは、視認部141は、その表面141aが、径方向において、印刷用凸部112の表面112aの位置よりも径方向で内側にあることをいう。視認部141の表面141aが印刷用凸部112の表面112aの位置と、印刷用凹部113の表面113aの位置との間に位置するように形成されていることがより好ましい。
視認部141は、アニロックスロール20の表面と印刷用版ロール13の表面との接触状態を目視で確認するためのものである。言い換えると、視認部141は、印刷用版ロール13に対するアニロックスロール20の位置を調整するためのものである。すなわち、セッティングの際、印刷用版ロール13に対してアニロックスロール20を印刷用版ロール13の径方向に押し付けて、アニロックスロール20の表面と各視認部141,141の表面141a,141aとがちょうど接する位置に配置することで、印刷用版ロール13に対してアニロックスロール20を理想位置に配置することができる。このように印刷用版ロール13に対してアニロックスロール20を理想位置に配置することで、アニロックスロール20に付着した塗料が印刷版14の表面に軸方向にわたって均一に転写され、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与することができる。
アニロックスロール20の表面と視認部141の表面141aとがちょうど接するか否かは、目視により簡単に決定することができる。すなわち、印刷処理を行う前に、印刷用版ロール13に対してアニロックスロール20を配置する際、図5Aに示すように、印刷版14の印刷領域Pにおける表面とアニロックスロール20の表面とをちょうど接触させると、視認部141の表面141aとアニロックロール20の表面との間に隙間部Xが存在するようになる。このちょうど接触させた状態から、印刷用版ロール13に対してアニロックスロール20を印刷用版ロール13の径方向に押し付けていくと、印刷版14は変形し、隙間部Xの体積は次第に減少していき、ついには図5Bに示すように、隙間部Xが存在しなくなる。この隙間部Xがちょうど存在しなくなる位置が、アニロックスロール20の表面と視認部141の表面141aとがちょうど接する位置であり、隙間部Xの有無は目視により簡単に把握することができる。そのため、アニロックスロール20の表面と視認部141の表面141aとがちょうど接する位置を目視により簡単に決定できる。
視認部141の表面141aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離H4は、印刷用凸部112の突出高さH3(図2参照)よりも小さく、印刷用凸部112のパターンなどに応じて適宜選択すればよく、好ましくは0.1〜0.5mm、より好ましくは0.2〜0.4mm低めである。視認部141の表面141aの幅W4は、セッティングの際、隙間部Xを存在させることができれば印刷用凸部112のパターンなどに応じて適宜選択すればよい。
[第一実施形態の変形例に係る印刷用版ロール]
第一実施形態の変形例に係る印刷用版ロールは、第一実施形態において、第二実施形態のように、印刷版11の印刷領域P内に視認部141がさらに形成されている印刷版である。すなわち、印刷版は、その表面の各非印刷領域N,N内に視認部111を有するとともに、印刷領域P内に視認部141を有する。それ以外は印刷用版ロール10と同様である。
第一実施形態の変形例に係る印刷用版ロールは、第一実施形態において、第二実施形態のように、印刷版11の印刷領域P内に視認部141がさらに形成されている印刷版である。すなわち、印刷版は、その表面の各非印刷領域N,N内に視認部111を有するとともに、印刷領域P内に視認部141を有する。それ以外は印刷用版ロール10と同様である。
[第三実施形態に係る印刷装置]
図6は、本発明の第三実施形態に係るアニロックスロール21の概略断面図である。図7Aは、図6に示す印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール21の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図7Bは、この印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の理想位置を示す概略説明図である。なお、図7A及び図7Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール21の表面形状の記載は省略した。
図6は、本発明の第三実施形態に係るアニロックスロール21の概略断面図である。図7Aは、図6に示す印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール21の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図7Bは、この印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の理想位置を示す概略説明図である。なお、図7A及び図7Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール21の表面形状の記載は省略した。
第三実施形態に係る印刷装置は、第一実施形態に係る印刷装置1の印刷用版ロール10及びアニロックスロール20の代わりに、印刷用版ロール15及びアニロックスロール21を用いる他は上記の印刷装置1と同様である。そのため、第三実施形態に係る印刷装置の印刷用版ロール15及びアニロックスロール21以外の部品については図1と同じ符号を用い、説明を省略する。また、図6及び図7において、図2及び図3の第一実施形態に示した構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
[第三実施形態に係る印刷用版ロール15]
第三実施形態に係る印刷用版ロール15は、非印刷領域N,N内に、視認部111,111及び滞留防止凹部114,114が設けられていない。すなわち、印刷用版ロール15は従来の印刷用版ロールである。
第三実施形態に係る印刷用版ロール15は、非印刷領域N,N内に、視認部111,111及び滞留防止凹部114,114が設けられていない。すなわち、印刷用版ロール15は従来の印刷用版ロールである。
[第三実施形態に係るアニロックスロール21]
本発明の第三実施形態に係るアニロックスロール21は、外径が軸方向にわたって異なるロールである。具体的には、アニロックスロール21は、図6に示すように、外径D21aの大径部21aと、この大径部21aの軸方向両端部に連結された、外径D21bが外径D21aよりも小径の小径部21bとを有する。
本発明の第三実施形態に係るアニロックスロール21は、外径が軸方向にわたって異なるロールである。具体的には、アニロックスロール21は、図6に示すように、外径D21aの大径部21aと、この大径部21aの軸方向両端部に連結された、外径D21bが外径D21aよりも小径の小径部21bとを有する。
アニロックスロール21は、転写領域PTと、非転写領域NTとを有する。転写領域PTは、印刷処理中に印刷用版ロール15と接触し、印刷用版ロール15に塗料を供給する部位、すなわち印刷用版ロール15の印刷領域Pに対応する部位である。非転写領域NTは、転写領域PTの軸方向両外側の部位である。第三実施形態では、図6に示すように、大径部21aの大部分が転写領域PTである。
第三実施形態では、アニロックスロール21は、図6に示すように、その表面の非転写領域NT,NT内に、アニロックスロール21の表面と印刷用版ロール15の表面との接触状態を目視で確認可能な、凸状の視認部22,22を備える。視認部22は、アニロックスロール21の表面に設けられ、アニロックスロール21の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置している。ここで、第三実施形態において、アニロックスロール21の最外面とは、大径部21aの表面を意味する。この視認部22により、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の位置を調整することができる。
視認部22は、アニロックスロール21の表面と印刷用版ロール15の表面との接触状態を目視で確認するためのものである。言い換えると、視認部22は、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の位置を調整するためのものである。すなわち、セッティングの際、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール21を印刷用版ロール15の径方向に押し付けて、印刷用版ロール15の表面と各視認部22,22の表面22a,22aとがちょうど接する位置に配置することで、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール21を理想位置に配置することができる。このように理想位置に配置することで、アニロックスロール21に付着した塗料が印刷版の表面に軸方向にわたって均一に転写され、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与することができる。
アニロックスロール21の表面と各視認部22,22の表面22a,22aとがちょうど接するか否かは、目視により簡単に決定することができる。すなわち、セッティングの際、図7Aに示すように、印刷版の印刷領域Pにおける表面(具体的には印刷用凸部112の表面112a)とアニロックスロール21の表面とをちょうど接触させると、視認部22,22の表面22a,22aと印刷用版ロール15の表面との間に隙間部X,Xが存在するようになる。このちょうど接触させた状態から、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール21を印刷用版ロール15の径方向に押し付けていくと、印刷版は変形し、隙間部X,Xの量は次第に減少していき、ついには図7Bに示すように、隙間部X,Xが存在しなくなる。この隙間部X,Xがちょうど存在しなくなる位置が、印刷用版ロール15の表面と視認部22,22の表面22a,22aとがちょうど接する位置である。隙間部Xの存在の有無は目視により簡単に把握することができるため、印刷用版ロール15の表面と視認部22,22の表面22a,22aとがちょうど接する位置を目視により簡単に決定できる。このように、アニロックスロール21を用いれば、視認部22を有さない従来のアニロックスロールを用いる場合のように、オペレーターの経験に頼って感覚で位置決めをしなくとも、目視により簡単に、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に安定して付与することができる位置を決定することができる。さらに、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の位置を調整する時間の短縮化を図ることができる。
視認部22,22は、図7Aに示すように、印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール21の表面とをちょうど接触させた状態において、印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されている。そのため、アニロックスロール21を用いれば、セッティングの際、例えば、視認部22を転写領域PT又は非転写領域NTに1箇所有するアニロックスロールを用いる場合よりも、印刷用版ロール15及びアニロックスロール21の軸方向における左右のバランス調整をし易くなる。すなわち、視認部22,22の表面22a,22aが印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されていると、セッティングの際、2箇所の隙間部X,Xが存在するようになるため、視認部22を転写領域PT又は非転写領域NTに1箇所有するアニロックスロールを用いる場合よりも、視覚的に、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の位置をより簡単に決定することができる。なお、第三実施形態では視認部22,22は、図7Aに示すように、印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されているが、本発明はこれに限定されない。また、第三実施形態では各非転写領域NT,NT内に設けられた視認部22,22はその断面形状などは互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非転写領域ごとに断面形状等の異なる視認部が設けられていてもよい。
視認部22はアニロックスロール21の周方向全体に亘って形成されている。これにより、セッティングの際、周方向の一部に形成された視認部を有するアニロックスロールを用いる場合のように、視認部の外周面と印刷用版ロールの表面との間に存在する隙間部が目視できるようにアニロックスロールを正転又は逆転させて視認部の位置を調整する必要がない。そのため、アニロックスロール21を用いれば、視認部が周方向の一部に形成されているアニロックスロールを用いる場合に比べて、より簡単に印刷用版ロール15に対するアニロックスロール21の位置を決定することができる。なお、第三実施形態では、視認部22の断面形状は、図6に示すように四角形状であるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、半円形状、半楕円形状、山形状、多角形状、階段形状などであってもよい。また、第三実施形態では、視認部22はアニロックスロール21の周方向全体に亘って連続して形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、視認部は、アニロックスロールの周方向に亘って断続的に形成されていてもよいし、アニロックスロールの周方向に対して斜傾した方向で全周に亘って形成されていてもよい。
視認部22の表面22aから大径部21aの表面までの径方向の距離Lは、すなわち、アニロックスロール21の最外面から径方向内側における視認部22の位置までの所定距離は、第一実施形態で述べた視認部111の表面111aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離Lの長さと同じであればよい。視認部22の幅W1は、隙間部Xの視認のし易さなどを考慮して適宜選択すればよく、第一実施形態で述べた視認部111の幅W1と同じ長さであればよい。
アニロックスロール21としては、例えば、鉄シリンダ表面に彫刻でセルが彫られ、これにクロムめっきが施されたクロムメッキロールなどの公知のアニロックスロールを用いることができる。アニロックスロール21の表面形状、すなわち彫刻するセルの形状は、塗料の供給量や塗装模様などに応じて適宜選択すればよく、例えば、ダイヤモンドパターン(ひし形)、ハニカムパターン(六角形)、ピラミッドパターン、ヘリカルパターンなどが挙げられる。
[第四実施形態に係る印刷装置]
図8は、本発明の第四実施形態に係るアニロックスロール23の概略断面図である。図9Aは、図8に示す印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール23の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図9Bは、この印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の理想位置を示す概略説明図である。なお、図9A及び図9Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール23の表面形状の記載は省略した。
図8は、本発明の第四実施形態に係るアニロックスロール23の概略断面図である。図9Aは、図8に示す印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール23の表面とをちょうど接触させた状態を示す概略説明図である。図9Bは、この印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の理想位置を示す概略説明図である。なお、図9A及び図9Bにおいて、印刷用凸部112及び印刷用凹部113の形状及びアニロックスロール23の表面形状の記載は省略した。
第四実施形態に係る印刷装置は、アニロックスロール21の代わりに、アニロックスロール23を用いる他は第三実施形態に係る印刷装置と同様である。そのため、第四実施形態に係る印刷装置のアニロックスロール23以外の部品については図6及び図7と同じ符号を用い、説明を省略する。
[第四実施形態に係るアニロックスロール23]
本発明の第四実施形態に係るアニロックスロール23は、図8に示すように、外径が後述する視認部24を除いて軸方向にわたって一定であるロールである。
本発明の第四実施形態に係るアニロックスロール23は、図8に示すように、外径が後述する視認部24を除いて軸方向にわたって一定であるロールである。
アニロックスロール23は、転写領域PTと、非転写領域NT,NTとを有する。転写領域PTは、印刷処理中に印刷用版ロール15と接触し、印刷用版ロール10に塗料を供給する部位、すなわち印刷用版ロール15の印刷領域Pに対応する部位である。非転写領域NTは、転写領域PTの軸方向両外側の部位である。
第四実施形態では、アニロックスロール23は、図8に示すように、その表面の非転写領域NT,NT内に、アニロックスロール23の表面と印刷用版ロール15の表面との接触状態を目視で確認可能な、凹状の視認部24を備える。視認部24は、アニロックスロール23,23の表面に設けられ、アニロックスロール23の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置している。この視認部24により、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の位置を調整することができる。
視認部24は、アニロックスロール23の表面と印刷用版ロール15の表面との接触状態を目視で確認するためのものである。言い換えると、視認部24は、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の位置を調整するためのものである。すなわち、セッティングの際、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール23を印刷用版ロール15の径方向に押し付けて、印刷用版ロール15の表面と各視認部24,24の底面24a,24aとがちょうど接する位置に配置することで、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール23を理想位置に配置することができる。このように理想位置に配置することで、アニロックスロール23に付着した塗料が印刷版の表面に軸方向にわたって均一に転写され、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に付与することができる。
アニロックスロール23の表面と各視認部24,24の底面24a,24aとがちょうど接するか否かは、目視により簡単に決定することができる。すなわち、セッティングの際、図9Aに示すように、印刷版の印刷領域Pにおける表面(具体的には印刷用凸部112の表面112a)とアニロックスロール23の表面とをちょうど接触させると、視認部24,24の底面24a,24aと印刷用版ロール15の表面との間に隙間部X,Xが存在するようになる。このちょうど接触させた状態から、印刷用版ロール15に対してアニロックスロール23を印刷用版ロール15の径方向に押し付けていくと、印刷版は変形し、隙間部X,Xの量は次第に減少していき、ついには図9Bに示すように、隙間部X,Xが存在しなくなる。この隙間部X,Xがちょうど存在しなくなる位置が、印刷用版ロール15の表面と視認部24,24の底面24a,24aとがちょうど接する位置である。隙間部Xの存在の有無は目視により簡単に把握することができるため、印刷用版ロール15の表面と視認部24,24の底面24a,24aとがちょうど接する位置を目視により簡単に決定できる。このように、アニロックスロール23を用いれば、視認部24を有さない従来のアニロックスロールを用いる場合のように、オペレーターの経験に頼って感覚で位置決めをしなくとも、目視により簡単に、所望の塗装模様を被印刷物90の表面に安定して付与することができる位置を決定することができる。さらに、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の位置を調整する時間の短縮化を図ることができる。
視認部24,24は、図9Aに示すように、印刷用版ロール15の表面とアニロックスロール23の表面とをちょうど接触させた状態において、印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されている。そのため、アニロックスロール23を用いれば、セッティングの際、例えば、視認部24を転写領域PT又は非転写領域NTに1箇所有するアニロックスロールを用いる場合よりも、印刷用版ロール15及びアニロックスロール23の軸方向における左右のバランス調整をし易くなる。すなわち、視認部24,24の底面24a,24aが印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されていると、セッティングの際、2箇所の隙間部X,Xが存在するようになるため、視認部24を転写領域PT又は非転写領域NTに1箇所有するアニロックスロールを用いる場合よりも、視覚的に、印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の位置をより簡単に決定することができる。なお、第四実施形態では視認部24,24は、図9Aに示すように、印刷用版ロール15の軸方向両端部に位置するように形成されているが、本発明はこれに限定されない。また、第四実施形態では各非転写領域NT,NT内に設けられた視認部24,24はその断面形状などは互いに同一のものであるが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非転写領域ごとに断面形状等の異なる視認部が設けられていてもよい。
視認部24はアニロックスロール23の周方向全体に亘って形成されている。これにより、セッティングの際、周方向の一部に形成された視認部を有するアニロックスロールを用いる場合のように、視認部の外周面と印刷用版ロールの表面との間に存在する隙間部が目視できるようにアニロックスロールを正転又は逆転させて視認部の位置を調整する必要がない。そのため、アニロックスロール23を用いれば、視認部が周方向の一部に形成されているアニロックスロールを用いる場合に比べて、より簡単に印刷用版ロール15に対するアニロックスロール23の位置を決定することができる。なお、第四実施形態では、視認部24の断面形状は、図8に示すように四角形状であるが、本発明はこれに限定されない。また、第四実施形態では、視認部24はアニロックスロール23の周方向全体に亘って連続して形成されているが、本発明はこれに限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、視認部は、アニロックスロールの周方向に亘って断続的に形成されていてもよいし、アニロックスロールの周方向に対して斜傾した方向で全周に亘って形成されていてもよい。
視認部24の底面24aからアニロックスロール23の表面までの径方向の距離Lは、すなわち、アニロックスロール23の最外面から径方向内側における視認部24の位置までの所定距離は、第一実施形態で述べた視認部111の表面111aから印刷用凸部112の表面112aまでの径方向の距離Lの長さと同じであればよい。視認部24の幅W1は、隙間部Xの視認のし易さなどを考慮して適宜選択すればよく、第一実施形態で述べた視認部111の幅W1と同じ長さであればよい。
アニロックスロール23としては、例えば、鉄シリンダ表面に彫刻でセルが彫られ、これにクロムめっきが施されたクロムメッキロールなどの公知のアニロックスロールを用いることができる。アニロックスロール23の表面形状、すなわち彫刻するセルの形状は、塗料の供給量や塗装模様などに応じて適宜選択すればよく、例えば、ダイヤモンドパターン(ひし形)、ハニカムパターン(六角形)、ピラミッドパターン、ヘリカルパターンなどが挙げられる。
1 印刷装置
10,13,15 印刷用版ロール
11,14 印刷版
111 視認部
112 印刷用凸部
113 印刷用凹部
114 滞留防止凹部
12 版胴
141 視認部
20,21,23 アニロックスロール
90 被印刷物
10,13,15 印刷用版ロール
11,14 印刷版
111 視認部
112 印刷用凸部
113 印刷用凹部
114 滞留防止凹部
12 版胴
141 視認部
20,21,23 アニロックスロール
90 被印刷物
Claims (7)
- アニロックスロールと、
該アニロックスロールと並列する版胴及び該版胴の外周面に取り付けられた印刷版を有し、かつ前記アニロックスロールから供給された塗料で被印刷物を印刷する印刷用版ロールと、
を備えた印刷装置であって、
印刷時における、前記アニロックスロールの表面と前記印刷用版ロールの表面との接触状態を目視で確認可能な視認部を備えることを特徴とする印刷装置。 - 前記視認部は、前記印刷版の表面に設けられ、該印刷版の最外面よりも所定寸法径方向内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記視認部は、前記印刷用版ロールの軸方向両端部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記視認部は、前記印刷用版ロールの周方向全体に亘って形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
- 前記印刷版には、該印刷版の非印刷領域に塗料が滞留するのを防止する滞留防止凹部が設けられ、該滞留防止凹部の底面が前記視認部の表面よりも径方向内側に位置することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置に用いられる印刷用版ロールであって、前記視認部を備えることを特徴とする印刷用版ロール。
- 請求項1に記載された印刷装置に用いられるアニロックスロールであって、前記視認部を備えることを特徴とするアニロックスロール。
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