JP2017177621A - 竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法 - Google Patents

竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法 Download PDF

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昌巳 三谷
孝之 堀部
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孝之 堀部
泰士 藤澤
Hiroshi Fujisawa
泰士 藤澤
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Abstract

【課題】機械的強度および耐水性にも優れており、また様々な用途に適用可能で竹材および杉材の廃材の再利用を促進することができる竹粉および杉粉を混入した成形体の製造方法を提供する。【解決手段】竹材を蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に分級して得られた竹粉と、杉材を粉砕処理し、更に分級して得られた杉粉を混合して成形用粉末材料とし、この成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とする。前記蒸煮処理を、150℃以下の温度で行うことが好ましい。また、成形用粉末材料の竹粉と杉粉の混合比率を、質量比で1:3〜3:1の割合とし、かつ含水率を3%以下とすることが好ましい。【選択図】図1

Description

竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法に関するものである。
従来から、資源の有効利用、自然や人体に悪影響を与える化学物質の使用の低減、有害物質の廃棄やCO排出の低減などを目的として、植物資源由来のリグノセルロース含有材料を利用する試みがなされている。前記リグノセルロースは、植物の茎葉などの主成分であって、セルロース、ヘミセルロース、リグニンおよびその他の微量成分から構成されており、木材や草やもみ殻など多くの植物資源がリグノセルロースを含み、これらを総称してリグノセルロース含有材料と言っている。
従来は、家屋や家具等の解体廃材、古紙、刈り草や刈り枝などのリグノセルロース含有材料を、ファイバー状あるいはチップ状にしたうえ熱硬化性接着剤をバインダーとして、各種ボードやパネル等の成形体の形で再利用する試みがなされている。しかしながら、破砕・乾燥等の加工コストがかかるという点や用途が限られているという点から、依然として廃棄・焼却処分されている場合が多かった。
そこで本件出願人は、特許文献1に示されるようにコルク粉末を添加したリグノセルロース系可塑性材料や、特許文献2に示されるようにセルロース、ヘミセルロース、リグニン等のリグノセルロースを含む竹材を原料とした竹繊維成形体の製造方法を開発し、先に特許出願している。しかしながら、実用的使用のためには、更に機械的強度や耐水性の向上、酸劣化の防止などを図る必要があるという問題があった。
特許第4504754号公報 特開2007−283661号公報
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、機械的強度および耐水性にも優れており、また酸劣化の防止も図られており様々な用途に適用可能で竹材および杉材の廃材の再利用を促進することができる竹粉および杉粉を混入した成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の竹粉および杉粉を混入した成形体の製造方法は、竹材を蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に分級して得られた竹粉と、
杉材を粉砕処理し、更に分級して得られた杉粉を混合して成形用粉末材料とし、
この成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とすることを特徴とするものである。
その他の好ましい実施形態によれば、前記蒸煮処理を、150℃以下の低い温度で行うことが好ましい。
また、その他の好ましい実施形態によれば、前記成形用粉末材料の竹粉と杉粉の混合比率を、質量比で1:3〜3:1の割合とし、かつ含水率を3%以下とすることが好ましい。
本発明の竹粉および杉粉を混入した成形体の製造方法では、竹材を蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に分級して得られた竹粉と、杉材を粉砕処理し、更に分級して得られた杉粉を混合して成形用粉末材料とし、この成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とするので、竹材および杉材の廃材の有効利用を図ることができ、また機械的強度および耐水性にも優れており、またまた酸劣化の防止も図られている製品を製造することができる。
また、蒸煮処理を150℃以下の低い温度で行うようにする場合は、一般的な蒸煮処理(約200℃で処理)に比べて低温であるため、加水分解が抑えられて、より大きな機械的強度を得ることができ、また、製品自身の酸劣化や腐食を防止することができる。更には、従来は高圧に耐えるボイラが必要であったが(約16気圧以上)、低圧ボイラで対応することが可能となる(約5気圧以下)。
また、成形用粉末材料の竹粉と杉粉の混合比率を、質量比で1:3〜3:1の割合とする場合は、機械的強度および耐水性にも優れた製品を製造することができる。また、含水率を3%以下とする場合は、優れた機械的強度を発揮することができる。
本発明の実施の形態を示すフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明に係る成形体の製造方法の一例を示すフローチャートである。本発明では、竹粉と杉粉を混合して得られた成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とする点に特徴的構成を有している。
以下、各工程について説明する。
前記竹粉は、竹材を蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に分級して得られる。
前記蒸煮処理は、飽和水蒸気あるいは飽和水蒸気下で加熱することにより行われる。具体的には、耐圧容器内で高圧下において飽和水蒸気に竹材料を曝すことによって行う。これにより、リグノセルロースが加水分解されて低分子化した状態となり、後述するように加熱・加圧した場合に熱流動してプラスチックのような流動性および成形性を得ることとなる。
処理温度は、一般的には160〜250℃の範囲で行うのに対して、本発明では110〜150℃の比較的低い温度範囲で行う。これは、本発明者が研究した結果、従来のように高い温度で蒸煮処理すると、加水分解が進んで有機酸の生成により酸性となって竹材料自身が酸劣化するおそれがあり、また機器の腐食が懸念されることを解明したことに基づく。この結果、本発明の蒸煮処理では加水分解が抑えられて、より大きな機械的強度を得ることができ、また製品自身の酸劣化や機器の腐食を軽減することができる。更に、高圧用のボイラ(約16気圧以上)が必要になるという欠点があるのに対し、150℃以下であれば、低圧ボイラ(約5気圧以下)で対応が可能となるという利点もある。
蒸煮処理を終了させるには、徐々に圧力を下げることもできるし、一挙に開放して大気圧まで下げることもできる。大気圧まで一挙に開放する場合は、竹材内部の水分が蒸気化されることで材料内部において爆発が生じ、竹材料の組織が破壊されることとなり、この結果、自動的に細分化されて繊維状や粉末状等に粉砕処理することができることとなり好ましい。
このように蒸煮処理を施した竹材は、ヘミセルロースとリグニンが加水分解されて低分子化した状態で材料内に保持され、あるいは材料表面に浸出した状態となっている。そして、ヘミセルロースの分解成分は自己接着性に寄与し、リグニンの分解成分は流動性に寄与することで、加熱・加圧した場合に熱流動してプラスチックのような流動性および成形性を発揮することとなる。なお、セルロースは蒸煮処理によっても加水分解されることなく、成分を維持したまま構造物質として寄与することとなる。
次に、蒸煮処理後は、竹材を乾燥・粉砕する。
乾燥処理するのは、水分が多量にあると、加熱・加圧成形して熱流動させる場合に水分が気化して、膨れや割れなどの成形不良を引き起こしたり、成形品の機械的強度が低下するからである。乾燥手段としては、高温下での乾燥や常温下での送風等による乾燥等いずれであってもよい。
粉砕処理するのは、後の成形工程において、加熱・加圧した場合に均一かつ効率的に熱流動を起こさせるためである。粒子形状は薄片状、球状、繊維状、不定形状等いずれでもよい。また、粉砕には一般的なボールミルやミキサー等を利用することができる。
次に、得られた粉砕物を分級する。
分級は、比較的に長いセルロース繊維と、長さの短い柔細胞などのその他の物質とを分離する工程である。セルロース繊維は成形体中において繊維同士が絡まって補強材として機能するが、長すぎると流動性を阻害して成形性を低下させる要因となる。本発明者が研究した結果、32メッシュの篩で分級して、篩を通過したものだけを竹材料として使用し、柔細胞比率を高めると流動性に問題がなく機械的強度にも優れた成形体を得られることが確認できた。勿論、用途に応じて篩の細かさを換えることや、2個の篩(32メッシュと60メッシュの篩)を用いて一定範囲内の長さに分級することもできる。
なお、篩を通過せずに集めた長いセルロース繊維は、例えばナノファイバーの原料等として別途使用に供することができる。
一方、前記杉粉は、杉材を粉砕処理し、更に分級して得られる。
杉材は、粉砕処理と分級を行えば所望の杉粉を得ることができる。粉砕処理と分級処理は、前述した竹材と同様にして行うことができる。
以上のようにして得られた竹粉と杉粉を混合して成形用粉末材料とする。
成形用粉末材料の竹粉と杉粉の混合比率は、質量比で1:3〜3:1の割合とすることが好ましい。竹粉の混合比率がこれより多いと、成形性が低下するおそれがあり、一方、これより少ないと、十分な機械的強度が得られないおそれがあるからである。
また、成形用粉末材料の含水率([成形用粉末材料に含まれている水分の重量/成形用粉末材料の乾燥状態の重量]×100[%]で表される数値)を3%以下とすることが好ましい。3%を超えて水分が存在すると、本材料を加熱して流動化させる際、水分が気化して、膨れや割れなどの成形不良を引き起こしたり、成形品の機械的強度が低下するからである。なお、含水率は材料に対して外部から水分を付与することによっても調整することができる。
次に成形工程では、前記成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とする。
加熱しながら加圧するための手段としては、例えば、一般的に使用されている合成樹脂を成形するための成形機などを使用することができる。具体的には、圧縮成形機、押出成形機、射出成形機、トランスファー成形機などを使用することができる。本発明では、圧縮成形機やトランスファー成形機を使用することが好ましい。これらの成形機を使用することによって、成形用粉末材料を加熱しながら加圧するのと同時に可塑化して、所定の形状に成形することができる。ただし、150℃以下の蒸煮材料は、蒸煮時の分解が少ない分、成形時の熱履歴でガスが多く発生する傾向があるため、成形時は十分な脱気や冷却をすることが好ましい。
成形用粉末材料を加熱しながら加圧する際の温度条件は、好ましくは80℃以上220℃以下であり、より好ましくは100℃以上200℃以下である。加圧条件は、好ましくは10MPa以上80MPa以下であり、より好ましくは25MPa以上60MPa以下である。つまり、予め蒸煮処理した竹繊維と杉繊維をこの範囲まで加熱しながら加圧することによって、竹繊維と杉繊維を可塑化および流動化させるとともに形状を付与することができる。このようにして得られた竹材および杉材を原料とした成形体は、表面が平滑なプラスチック様の成形体となる。
本発明によれば、竹繊維が細分化されていることにより成形性が良好であり、複雑な形状を含め、いろいろな形状の成形品を作製することができる。例えば、カップ、皿などの日用品やスタンプなどの文房具を作ることが可能である。また、ボードやパネルなどの建築資材を作ることが可能である。さらに、曲げ強さや耐衝撃性など、ある程度の機械的強度が要求される部品を作ることも可能である。例えば、自動車部品、家電器機用の部品、OA機器用など、各種製品の部品を作ることが可能であり、歯車やカムなどの機械要素を作ることも可能である。
竹材を、145℃で1時間蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に32メッシュの篩で分級して竹粉を得た。一方、杉材を同様に粉砕処理し、更に分級して杉粉を得た。これらの竹粉と杉粉を質量比1:1の割合で混合して成形用粉末材料(含水率2.5%)とした。この成形用粉末材料を成形型内に充填後、加熱しながら加圧して100×100×4(mm)の平板状成形体を製造した。成形条件は、型温度200℃、圧力30MPa、成形時間25分である。
得られた成形体の3点曲げ試験、シャルピー衝撃試験、pH試験を行った。
3点曲げ試験は、JIS K7171に基づき、幅10mm、厚み4mm、支点間距離64mmの試験片を対象に行った。破断応力50MPa以上を〇、破断応力40〜50MPaを△、破断応力40MPa未満を×として評価した。
シャルピー衝撃試験は、JIS K7111−1幅10mm、厚み4mm、支点間距離60mmの試験片を対象に行った。2.0以上を〇、1.5〜2.0を△、1.5未満を×として評価した。
pH試験は、4.500以上を〇、3.500〜4.500を△、3.500未満を×とした。
得られた結果を[表1]の実施例に示す。3点曲げ試験、シャルピー衝撃試験、pH試験の評価はいずれも〇で、総合評価は〇であった。
一方、竹材を200℃で1時間蒸煮処理して得た竹粉を混合した成形用粉末材料を用い、その他は全て同じ条件とした場合に得られた成形体を比較例として、同様に3点曲げ試験、シャルピー衝撃試験、pH試験の評価を行った結果は、[表1]の比較例に示すとおりであり、総合評価は△であった。
Figure 2017177621

Claims (3)

  1. 竹材を蒸煮処理した後、乾燥・粉砕処理し、更に分級して得られた竹粉と、
    杉材を粉砕処理し、更に分級して得られた杉粉を混合して成形用粉末材料とし、
    この成形用粉末材料を成形型内で加熱しながら加圧して成形体とすることを特徴とする竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法。
  2. 蒸煮処理を、150℃以下の低い温度で行う請求項1に記載の竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法。
  3. 成形用粉末材料の竹粉と杉粉の混合比率を、質量比で1:3〜3:1の割合とし、かつ含水率を3%以下とする請求項1または2に記載の竹材および杉材を原料とした成形体の製造方法。
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