JP2017177683A - 撥水性被膜付基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕基材表面に撥水性の被膜を有する撥水性基材であって、前記被膜が無機酸化物粒子を含み、該無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材の間隙に接着材が介在する粒子層と、該粒子層を覆う撥水性のオーバーコート層とを有し、前記無機酸化物粒子の上部が前記接着材から露出した凹凸形状をなし、該凹凸形状を保つように前記オーバーコート層によって覆われた凹凸構造を前記被膜表面に有することを特徴とする撥水性被膜付基材。
〔2〕無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)が20〜600nmであって、接着材の膜厚(UF)が6〜400nmであり、該無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)に対する接着材の膜厚(UF)の比(UF/DP)が1/3〜2/3であって、該無機酸化物粒子の平均粒子径(D P )の1/3〜2/3が接着材から露出していることを特徴とする前記[1]に記載する撥水性被膜付基材。
〔3〕撥水性被膜の膜厚が30nm〜700nmであることを特徴とする前記[1]または前記[2]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔4〕撥水性被膜表面の凹凸構造の凸部平均高さ(TF)が10〜300nmの範囲であり、凸部間の平均距離(ビッチ幅)(WF)が1〜1000nmの範囲であることを特徴とする前記[1]〜前記[3]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔5〕 無機酸化物粒子は、形状が球状、板状、金平糖状、塊状またはヒマワリ状の何れかであるか、または形状が球状、板状、金平糖状、塊状またはヒマワリ状の何れかであって多孔質であることを特徴とする前記[1]〜前記[4]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔6〕前記ヒマワリ状の粒子は、無機酸化物からなる基体粒子と、該基体粒子表面を被覆する無機酸化物の微細粒子からなり、該ヒマワリ状の粒子表面が該微細粒子による微細凹凸を有することを特徴とする前記[5]に記載する撥水性被膜付基材。
〔7〕前記ヒマワリ状の粒子は、撥水性被膜の凹凸構造の表面に微細な凹凸を有し、該微細凹凸の凸部平均高さ(TFF)が0.5〜10nmの範囲であり、該微細凹凸の凸部間の平均距離(ビッチ幅)(WFF)が1〜30nmの範囲であることを特徴とする前記[6]に記載する撥水性被膜付基材。
〔8〕水との接触角が130°以上であることを特徴とする前記[1]〜前記[7]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔9〕無機酸化物粒子がSiO2、Al2O3、Sb2O5、ZrO2、TiO2、Fe2O3、CeO2、AgO、CuO、Cu2O、ZnOおよびこれらの複合酸化物または混合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]〜前記[8]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔10〕接着材が、エマルジョン樹脂であって、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]〜前記[9]の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
〔11〕無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散している粒子層形成用塗布液と、撥水性のオーバーコート層形成用塗布液とからなることを特徴とする撥水性被膜形成用塗布液。
〔12〕樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が、無機酸化物粒子の平均粒子径(D P )と同等か小さい(De≦DP)ことを特徴とする前記[11]に記載する撥水性被膜形成用塗布液。
〔13〕無機酸化物粒子の体積量(G)と、樹脂エマルジョン粒子の体積量(M)との体積量比(G/[G+M])が0.25〜0.9の範囲であることを特徴とする前記[11]または前記[12]に記載する撥水性被膜形成用塗布液。
〔14〕粒子層形成用塗布液が、無機酸化物粒子が極性溶媒に分散した分散液と、樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒に懸濁した懸濁液とからなり、前記分散液と前記懸濁液の混合によって無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散した粒子層形成用塗布液になる前記[11]〜前記[13]の何れかに記載する撥水性被膜形成用塗布液。
〔15〕オーバーコート層形成用塗布液が、フッ素含有化合物、アルキル基含有化合物またはシリコーン系化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする前記[11]〜前記[14]の何れかに記載する撥水性被膜形成用塗布液。
〔16〕無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子とが極性溶媒中に単分散し懸濁している粒子層形成用塗布液を基材に塗布して前記無機酸化物粒子相互の間隙に前記樹脂エマルジョン粒子を介在させ、塗布後、該樹脂エマルジョン粒子を崩壊させて前記無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材との間隙に樹脂を入り込ませて接着材を介在させると共に該無機酸化物粒子の上部が該接着材から露出した凹凸形状を有する粒子層を形成し、次いで、該粒子層の無機酸化物粒子が露出した凹凸形状表面に、該凹凸形状を保つようにオーバーコート層形成用塗布液を塗布して、該オーバーコート層によって覆われた凹凸構造を有する撥水性被膜を基材表面に形成することを特徴とする撥水性被膜付基材の製造方法。
〔17〕無機酸化物粒子の分散液と樹脂エマルジョン粒子の懸濁液を混合して、無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子とが極性溶媒中に混在して単分散した粒子層形成用塗布液を調製し、該塗布液を基材に塗布する前記[16]に記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
〔18〕粒子層形成用塗布液に含まれる樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)と同等か小さい(De≦DP)ことを特徴とする前記[16]または前記[17]に記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
〔19〕粒子層形成用塗布液に含まれる無機酸化物粒子の体積量(G)と、樹脂エマルジョン粒子の体積量(M)との体積量比(G/[G+M])が0.25〜0.9の範囲であることを特徴とする前記[16]〜前記[18]の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
〔20〕エマルジョン樹脂として、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂からなる樹脂エマルジョン粒子を極性溶媒に懸濁させた樹脂エマルジョン粒子懸濁液と、無機酸化物粒子を極性溶媒に分散させた無機酸化物粒子分散液を混合して粒子層形成用塗布液を調製することを特徴とする前記[16]〜前記[19]の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
〔21〕前記樹脂エマルジョン粒子の崩壊を、加熱乾燥、電子線の照射または紫外線(UV)の照射の何れかにより行うことを特徴とする前記[16]〜前記[20]の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
本発明の撥水性被膜付基材は、基材表面に撥水性の被膜を有する撥水性基材であって、前記被膜が無機酸化物粒子を含み、該無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材の間隙に接着材が介在する粒子層と、該粒子層を覆う撥水性のオーバーコート層とを有し、前記無機酸化物粒子の上部が前記接着材から露出した凹凸形状をなし、該凹凸形状を保つように前記オーバーコート層によって覆われた凹凸構造を前記被膜表面に有することを特徴とする撥水性被膜付基材である。
基材1の材質は制限されない。例えば、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等、繊維等、不織布等やモルタル材、スレート材、コンクリート等を用いることができる。接着材4はエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、スチレン樹脂、および、これらの共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種によって形成することができる。
無機酸化物粒子5は、例えば、SiO2、Al2O3、Sb2O5、ZrO2、TiO2、Fe2O3、CeO2、AgO、CuO、Cu2O、ZnOおよびこれらの複合酸化物または混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの粒子は所望の粒子径の球状粒子を容易に得ることができ、化学的にも安定であるので好ましい。
金平糖状無機酸化物粒子は、その粒子表面に多数の疣状突起を有する球状の粒子で疣状突起と粒子表面のメニスカスの曲率半径が負となるものであり、その構造は概ね金平糖に類似したものである。後述するヒマワリ状粒子は基体粒子に微細粒子を接合して凹凸を有しているが、微細粒子と基体粒子のメニスカスの曲率半径は正となるものである。金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)は10〜150nm、さらには10〜130nmの範囲にあることが好ましい。金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)が10nm未満では、疣状突起を有する粒子としては得ることが困難であり、所望の微細凹凸が形成することが難しい。また、金平糖状無機酸化物粒子の平均粒子径(DA)が150nmを超えると撥水性被膜の強度、硬度、基材との密着性が不十分となる場合がある。
金平糖状無機酸化物粒子の表面粗度=(SA1)/(SA2) ・・・(1)
(SA2)=6000/(DA)×d・・・・・・(2)
塊状粒子は、粒子が不規則に固まっている粒子である。これを構成する粒子は、異形や不定形状等のものでも良く、複数の形状のものから構成されていてもよい。塊状になると粒子表面に不規則な凹凸が形成されるため撥水被膜を得た場合により高い撥水性が得られる。
ヒマワリ状粒子20は、図3の断面図に示すように、無機酸化物の基体粒子21と、該基体粒子表面を被覆する無機酸化物の微細粒子22を有し、粒子全体の断面がヒマワリ状の粒子である。図示する基体粒子21は模式的に球状を示しているが、異形、板状、多面体状であってもよい。微細粒子22は概ね球状粒子である。ヒマワリ状粒子20は基体粒子21の表面が前記微細粒子22による微細な凹凸を有しているので、優れた撥水性が得られ、密着性が強く、親水被膜によるファウリングや劣化が効果的に抑制され、防汚性を有し、長期にわたって高い撥水性を維持することができる。
D=6000/SAM×d・・・・(3)
微細粒子の1個当たりの表面積=4π( (DC2)/2)2
基体粒子の1個当たりの表面積=4π( (DC1)/2)2
ヒマワリ状無機酸化物粒子1個あたりの微細粒子の個数(n)=4π(DC1/2+DC2/2)2(R/(π(DC2/2)2)) 〔ここで、Rは最密充填時の充填率を表す。〕
1個当たりの微細粒子の重量=(4/3π)(DC2/2)(dC2)
1個当たりの基体粒子の重量=(4/3π)(DC1/2)(dC1)
〔ここで、dC1は基体粒子の粒子密度(g/ml)を、dC2は微細粒子の粒子密度(g/ml)を表す。〕
ヒマワリ状無機酸化物粒子1個当たりの重量=[微細粒子の個数(n)]×[微細粒子1個当たりの重量]+[基体粒子1個の重量]
これらより、ヒマワリ状無機酸化物粒子の1個あたりの表面積=[基体粒子の1個当たりの表面積]+[微細粒子の1個当たりの表面積]×[ヒマワリ状無機酸化物粒子1個あたりの微細粒子の個数(n)] となる。
従って、ヒマワリ状無機酸化物粒子の計算上の比表面積(SC)(m2/g)は、
比表面積(SC)=[ヒマワリ状無機酸化物粒子の1個あたりの表面積]/[ヒマワリ状無機酸化物粒子1個当たりの重量] となる。
なお、シリカの粒子密度は2.2g/mlであり、基体粒子や微細粒子としてシリカを使用した場合はこの値を使用した。
本発明の撥水性被膜付基材を製造する被膜形成用塗布液は、無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散している粒子層形成用塗布液と、撥水性のオーバーコート層形成用塗布液とからなる。
粒子層形成用塗布液は無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散している液である。該塗布液において、樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)は無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)と同等か小さい(De≦DP)ことが好ましい。樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)と同等か小さい(De≦DP)ことによって、無機酸化物粒子が樹脂エマルジョン粒子によって覆われ難くすることができる。樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)より大きいと、樹脂エマルジョン粒子が崩壊したときに、無機酸化物粒子が崩壊した樹脂によって被覆される場合がある。
無機酸化物粒子分散液の調製
無機酸化物粒子を極性溶媒に加え、ミキサーなどで撹拌して無機酸化物粒子分散液を調製する。無機酸化物粒子分散液の固形分濃度は0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜15重量%がさらに好ましい。該無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)は20〜600nmの範囲が好ましい。
(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類。
(ロ)酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプルピル、酢酸プルピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類。
(ハ)エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類。
(ニ)ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プルピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類を含む撥水性溶媒。
(ホ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類。
(ヘ)トルエン等、N−メチルピロリドン等。
(ト)水
樹脂エマルジョン粒子懸濁液は樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒に懸濁した懸濁液である。エマルジョン樹脂としては、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂が好ましい。被膜形成工程で樹脂エマルジョン粒子を崩壊させて接着材を形成するので、これらの樹脂は接着材の成分になる。
無機酸化物粒子分散液と樹脂エマルジョン粒子懸濁液を混合し、撹拌して無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子とが極性溶媒中に混在し単分散した粒子層形成用塗布液を調製する。無機酸化物粒子分散液に珪酸液を添加し、加熱熟成させた後に樹脂エマルジョン粒子懸濁液を混合すると良い。珪酸液を添加すると、無機酸化物粒子としてヒマワリ状粒子を用いたときに、ヒマワリ状粒子の微細粒子が基体粒子に良く固着して脱落しない。
オーバーコート層形成用塗布液は、粒子層表面を覆う撥水性のオーバーコート層を形成する液であり、フッ素含有化合物、アルキル基含有化合物またはシリコーン系化合物の少なくとも1種を含むものが好ましい。
フッ素含有化合物としては、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどの含フッ素シラン誘導体、パーフルオロヘキシルホスホン酸、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロデシルホスホン酸などの含フッ素ホスホン酸誘導体、あるいは市販品ではフロロテクノロジー製のフロロサーフ、NODASCREEN製のINTシリーズなどが挙げられる。
本発明の撥水性被膜付基材は、前記被膜形成用塗布液を用い、該塗布液を基材に塗布して前記無機酸化物粒子相互の間隙に前記樹脂エマルジョン粒子が介在した粒子層を形成し、塗布後、加熱乾燥して該樹脂エマルジョン粒子の崩壊によって前記無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材との間隙に樹脂(接着材)が入り込み、該無機酸化物粒子の上部が該接着材から露出した凹凸形状を有する粒子層を形成し、該粒子層の表面に撥水性のオーバーコート層を形成することによって製造される。
(II)樹脂エマルジョン粒子32を極性溶媒33に懸濁させた樹脂エマルジョン粒子懸濁液34を調製する工程(樹脂エマルジョン粒子懸濁液調整工程)。
(III)分散液30と懸濁液34を混合して被膜形成用塗布液35を調製する工程(塗布液調製工程)。
(IV)塗布液35を基材1に塗布し、無機酸化物粒子5の相互の間隙に樹脂エマルジョン粒子32が介在した塗布液の層を形成する工程(塗布工程)。
(V)塗布液を加熱乾燥して樹脂エマルジョン粒子34を崩壊させて無機酸化物粒子5の相互間隙および無機酸化物粒子5と基材1との間隙に樹脂(接着材)を入り込ませて、無機酸化物粒子の上部が接着材から露出した粒子層3を形成する工程(粒子層形成工程)。
(VI)粒子層3の表面にオーバーコート層形成用塗布液を塗布し、乾燥させてオーバーコート層7を形成する工程(オーバーコート層形成工程)。
(VII)オーバーコート層を形成した後に基材を加熱処理する(基材の加熱処理工程)。
(IV)塗布工程:塗布液を基材に塗布し、無機酸化物粒子相互の間隙に樹脂エマルジョン粒子が介在した粒子層を形成する。塗布方法は特に制限されず、例えば、バーコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、グラビアコート法、スリットコート法、加圧塗布法等を用いることができる。前記塗布液には無機酸化物粒子と共に樹脂エマルジョン粒子が含まれているので、一度の塗布作業で無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子を基材上に塗布することができる。また、塗布液中で無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子は均一に分散しているので、この塗布作業によって、無機酸化物粒子相互の間隙に樹脂エマルジョン粒子が介在した状態の塗布液の層を形成することができる。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、アクリル−スチレン〕
無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子)分散液[A1]の調製
(基体粒子の調製)
シリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに、陽イオン交換樹脂(ROHMHARS社製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌した後に該陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
(基体粒子分散液の調製)
精製シリカゾル750gに、ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製:タキバイン#1000、Al2O3濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈してSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体粒子分散液3658gを調製した。該基体粒子分散液のpHは3.7であった。
(微細粒子の添加)
前記基体粒子分散液(SiO2濃度4.1重量%)3658gに、被覆用の微細粒子としてシリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)294gを混合した。この混合分散液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは3.5であった。
(ヒマワリ状粒子分散液の調製)
前記混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによってSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状粒子分散液[A1]を調製した。該分散液のHは7.0であった。
(平均粒子径DPの測定)
ヒマワリ状粒子の平均粒子径(DP)は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、10個の長径を測定し、その平均値とした。
(被覆率の測定)
ヒマワリ状粒子の分散液を120℃に加熱して乾燥し、該ヒマワリ状粒子の比表面積をBET法で測定し、被覆率を求めた。被覆率は前記式(4)に従って求めた。
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を2g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C1]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径(De)、De/DP比、樹脂量、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
変性アルコール(日本アルコール販売社製品:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)2252.5gに水159.0gと濃度61重量%の硝酸3.3gを添加し、25℃で5分撹拌した。ついで、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製品:TSL8257、固形分濃度98%)46.4gを添加し、25℃で5分間撹拌した後に、60℃で3時間処理した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)356.9gとジアセトンアルコール(DAA)213.91gを添加し、25℃で30分処理して固形分濃度1.50重量%のフッ素含有シリカ系塗布液を調製した。
ついで、固形分濃度1.50重量%のフッ素含有シリカ系塗布液100gにPGM10gと混合アルコール(日本アルコール販売社製品:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)40gを添加し、固形分濃度1.0%のオーバーコート層形成用塗布液[D1]を調製した。
ナイロン繊維を粒子層形成用塗布液[C1]に1分間ディッピングした後、4mm/secで引き上げた。その後80℃にて30分乾燥した。ついで、固形分濃度1.0%のオーバーコート層形成用塗布液[D1]に1分間ディッピングした後に4mm/secで引き上げた。その後80℃にて30分乾燥した。さらに、その後150℃にて30分加熱処理し撥水性被膜付基材[E1]を調製した。該撥水性被膜付基材[E1]について、粒子層の膜厚(D P )、接着材の膜厚(UF)、被膜の凹凸構造の平均凸部高さ(TF)、平均凸部間距離(WF)、微細凹凸の微細凹凸(TFF)、微細凹凸のピッチ幅(WFF)、撥水性(接触角)、風合い、汚れ落ち性、密着性を測定した。この結果を表2に示す。
インクが完全に落ちる :◎ インクがよく見ると残っている:○
インクがやや残っている:△ インクが明らかに残っている :×
塗布前後で感触が変わらないもの :◎
塗布後に僅かにゴワゴワ感があるもの :○
塗布後に少しゴワゴワ感があるもの :△
塗布後に明らかにゴワゴワ感があるもの:×
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂少量、アクリル−スチレン〕
粒子層形成用塗布液[C2]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC株式会社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を0.2g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C2]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E2]の製造
粒子層形成用塗布液[C2]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E2]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂多量、アクリル−スチレン〕
被膜形成用塗布液[C3]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を5g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C3]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E3]の製造
粒子層形成用塗布液[C3]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E3]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、エマルシ゛ョン粒子径小、アクリル−スチレン〕
エマルション樹脂粒子懸濁液[B2]の調製
樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)100gに1%塩酸と純水を添加してpH4.5の20%希釈液250gを調製した。その後、ホモミキサーを用いて1500rpmで15分撹拌して、エマルション樹脂粒子懸濁液[B2]を調製した。この樹脂エマルション懸濁液[B2]について、TEMを用いて観察したところ、平均粒子径30nmの樹脂エマルションであった。
粒子層形成用塗布液[C4]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B2]を5g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C4]を得た。該塗布液のpHは6.0であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E4]の製造
粒子層形成用塗布液[C4]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E4]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、アクリル−ウレタン〕
粒子層形成用塗布液[C5]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B3](DIC社製CG-5010EF:粒子サイズ100nm:濃度45重量%、アクリル−ウレタン)を2.22g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C5]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E5]の製造
粒子層形成用塗布液[C5]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E5]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、アクリル−シリコーン〕
粒子層形成用塗布液[C6]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B4](DIC社製SA−6360:粒子サイズ150nm:濃度50重量%、アクリル−シリコーン)を2g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C6]を得た。該塗布液のpHは8.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E6]の製造
粒子層形成用塗布液[C6]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E6]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔小粒子ヒマワリ状粒子、樹脂量標準、アクリル−スチレン〕
無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子)分散液[A2]の調製
(基体粒子の調製)
シリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSI−45P、平均粒子径45nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに陽イオン交換樹脂(ROHMHARS社製:デュオライト)150gを混合し、30℃で0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。ついで、精製シリカゾル750gにポリ塩化アルミニウム(多木化学社製:タキバイン#1000、Al2O3濃度23.55重量%)9.2gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈したSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体用金属酸化物粒子分散液[a−2]3662gを調製した。ついで、この基体用金属酸化物粒子分散液[a-2]3662gに、シリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSN−350、平均粒子径7nm、表面電位−23mV、SiO2濃度16.6重量%、pH3.7)595gを混合した。このとき、混合分散液のpHは3.5であった。ついで、混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなる無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子)分散液[A2]を調製した。分散液のpHは6.5であった。
粒子層形成用塗布液[C7]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A2]90gを使用した以外は実施例1と同様にして粒子層形成用塗布液[C7]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E7]の製造
粒子層形成用塗布液[C7]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E7]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔金平糖粒子、樹脂量標準、アクリル−スチレン〕
粒子層形成用塗布液[C8]の調製
金平糖シリカ粒子分散液(日揮触媒化成社製:カタロイドCO−80A、平均粒子径80nm、比表面積43m2/g、表面電位−60mV、SiO2濃度40重量%、pH10.2)22.5gを使用した以外は実施例1と同様にして粒子層形成用塗布液[C8]を得た。該塗布液のpHは9.5であった。金平糖粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、金平糖粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔金平糖粒子/(金平糖粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E8]の製造
粒子層形成用塗布液[C8]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E8]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔実施例1の基材変更〕
撥水性被膜付基材[E9]の製造
粒子層形成用塗布液[C1]を、ガラス基板(浜新社製品:FL硝子、厚さ:3mm、屈折率:1.51)にバーコーター法で塗布し、80℃で10分間乾燥し以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[E9]を製造し、耐洗濯性以外は実施例1と同様に膜の物性を測定した。
残存升目の数100個: ◎ 残存升目の数95〜99個:○
残存升目の数90〜94個:△ 残存升目の数89個以下 :×
測定結果を表1、表2に示す。
〔ヒマワリ状粒子AgO複合化、樹脂量標準、アクリル−スチレン〕
無機酸化物粒子(ヒマワリ状粒子)分散液[A3]の調製
(基体粒子の調製)
シリカゾル(日揮触媒化成社製:カタロイドSI−80P、平均粒子径80nm、表面電位−60mV、SiO2濃度20重量%、pH10.2)750gに、陽イオン交換樹脂(ROHMHARS社製:デュオライト)150gを混合し、0.5時間撹拌した。ついで、陽イオン交換樹脂を分離した後、陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌した後に該陰イオン交換樹脂を分離して、SiO2濃度20重量%の精製シリカゾル750gを調製した。
(基体粒子分散液の調製)
前記精製シリカゾル750gに、ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製:タキバイン#1000、Al2O3濃度23.55重量%)5.1gを添加し、常温で0.5時間撹拌した。ついで、純水2903gを添加して希釈してSiO2濃度4.1重量%のシリカからなる基体粒子分散液3658gを調製した。該基体粒子分散液のpHは3.7であった。
(微細粒子の添加)
前記基体粒子分散液(SiO2濃度4.1重量%)3658gに、被覆用の微細粒子としてAgO-SiO-Al2O3ナノ粒子(日揮触媒化成社製:ATOMY BALL UA平均粒子径10nm、表面電位−20mV、濃度1.5重量%、pH7.0)3253gを混合した。その後ロータリーエバポレーターで濃度5.0重量に濃縮した。
(ヒマワリ状粒子分散液の調製)
前記混合分散液に陰イオン交換樹脂(三菱化学社製:SUNNUP−C)135gを混合し、0.5時間撹拌し、ついで、陰イオン交換樹脂を分離し、ロータリーエバポレーターによりSiO2濃度10重量%のシリカからなるヒマワリ状粒子分散液[A3]を調製した。該分散液のHは7.0であった。
(平均粒子径DPの測定)
前記ヒマワリ状粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、10個の長径を測定し、その平均値とした。
(被覆率の測定)
前記ヒマワリ状粒子の分散液を120℃に加熱して乾燥し、該ヒマワリ状粒子の比表面積をBET法で測定し、被覆率を求めた。被覆率は前記式(4)に従って求めた。
粒子層形成用塗布液[C10]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A3]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を2g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[C11]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表1に示した。
撥水性被膜付基材[E10]の製造
粒子層形成用塗布液[C10]を使用した以外は実施例10と同様にして撥水性被膜付基材[E10]を製造し、耐洗濯性以外は実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表2に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂オリゴマー(非エマルジョン)〕
接着材形成用塗布液[R1]の調製
変性アルコール(日本アルコール販売社製:ソルミックスA−11、メタノールとエタノールとイソプロピルアルコールの混合アルコール)72.5gに水10.0gと濃度61重量%の硝酸0.1gを添加し、25℃で10分撹拌した。ついで、テトラエトキシシラン(多摩化学工業社製:正珪酸エチル‐A、SiO2濃度28.8重量%)17.4gを添加し、30℃で30分撹拌してテトラエトキシシラン加水分解物(固形分濃度5.0重量%、分子量1000)のシリカからなる接着材形成用塗布液[R1]を調製した。
粒子層形成用塗布液[R2]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、粒子層形成用塗布液[R1]を20g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して被膜形成用塗布液[R2]を得た。該塗布液のpHは3.8であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、ヒマワリ状粒子と樹脂の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表3に示した。
撥水性被膜付基材[R3]の製造
粒子層形成用塗布液[R2]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[R3]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表4に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂無添加〕
粒子層形成用塗布液[L2]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後エタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液[L2]を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、ヒマワリ状粒子と樹脂の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表3に示した。
撥水性被膜付基材[L3]の製造
粒子層形成用塗布液[L2]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[L3]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表4に示す。
〔標準粒子径ヒマワリ状粒子、樹脂過剰量〕
粒子層形成用塗布液[M2]の調製
前記ヒマワリ状粒子分散液[A1]90gに、5%珪酸液を1.8g添加し、80℃で3時間熟成した。その後、樹脂エマルジョン粒子懸濁液[B1](DIC株式会社製CG8370:粒子サイズ100nm:濃度50重量%、アクリル−スチレン)を72g添加し、次いでエタノールを添加して固形分濃度を5重量%に調製し、マグネチックスターラーで、室温下、1時間撹拌して粒子層形成用塗布液(R3)を得た。該塗布液のpHは7.5であった。ヒマワリ状粒子の濃度、樹脂の種類、樹脂エマルジョン粒子の粒子径、ヒマワリ状粒子と樹脂エマルジョン粒子の量比〔ヒマワリ状粒子/(ヒマワリ状粒子+樹脂エマルジョン粒子〕、固形分濃度、pHを表3に示した。
撥水性被膜付基材[M3]の製造
粒子層形成用塗布液[M2]を使用した以外は実施例1と同様にして撥水性被膜付基材[M3]を製造し、実施例1と同様に膜の物性を測定した。この結果を表4に示す。
〔基材の物性〕
実施例1〜10に使用した基材(ナイロン、ガラス、スレート)の物性を測定して表4に示した。
Claims (21)
- 基材表面に撥水性の被膜を有する撥水性基材であって、前記被膜が無機酸化物粒子を含み、該無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材の間隙に接着材が介在する粒子層と、該粒子層を覆う撥水性のオーバーコート層とを有し、前記無機酸化物粒子の上部が前記接着材から露出した凹凸形状をなし、該凹凸形状を保つように前記オーバーコート層によって覆われた凹凸構造を前記被膜表面に有することを特徴とする撥水性被膜付基材。
- 無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)が20〜600nmであって、接着材の膜厚(UF)が6〜400nmであり、該無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)に対する接着材の膜厚(UF)の比(UF/DP)が1/3〜2/3であって、該無機酸化物粒子の平均粒子径(D P )の1/3〜2/3が接着材から露出していることを特徴とする請求項1に記載する撥水性被膜付基材。
- 撥水性被膜の膜厚が30nm〜700nmであることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 撥水性被膜表面の凹凸構造の凸部平均高さ(TF)が10〜300nmの範囲であり、凸部間の平均距離(ビッチ幅)(WF)が1〜1000nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 無機酸化物粒子は、形状が球状、板状、金平糖状、塊状またはヒマワリ状の何れかであるか、または形状が球状、板状、金平糖状、塊状またはヒマワリ状の何れかであって多孔質であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 前記ヒマワリ状の粒子は、無機酸化物からなる基体粒子と、該基体粒子表面を被覆する無機酸化物の微細粒子からなり、該ヒマワリ状の粒子表面が該微細粒子による微細凹凸を有することを特徴とする請求項5に記載する撥水性被膜付基材。
- 前記ヒマワリ状の粒子は、撥水性被膜の凹凸構造の表面に微細な凹凸を有し、該微細凹凸の凸部平均高さ(TFF)が0.5〜10nmの範囲であり、該微細凹凸の凸部間の平均距離(ビッチ幅)(WFF)が1〜30nmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載する撥水性被膜付基材。
- 水との接触角が130°以上であることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 無機酸化物粒子がSiO2、Al2O3、Sb2O5、ZrO2、TiO2、Fe2O3、CeO2、AgO、CuO、Cu2O、ZnOおよびこれらの複合酸化物または混合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 接着材が、エマルジョン樹脂であって、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れかに記載する撥水性被膜付基材。
- 無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散している粒子層形成用塗布液と、撥水性のオーバーコート層形成用塗布液とからなることを特徴とする撥水性被膜形成用塗布液。
- 樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が、無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)と同等か小さい(De≦DP)ことを特徴とする請求項11に記載する撥水性被膜形成用塗布液。
- 無機酸化物粒子の体積量(G)と、樹脂エマルジョン粒子の体積量(M)との体積量比(G/[G+M])が0.25〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項11または請求項12に記載する撥水性被膜形成用塗布液。
- 粒子層形成用塗布液が、無機酸化物粒子が極性溶媒に分散した分散液と、樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒に懸濁した懸濁液とからなり、前記分散液と前記懸濁液の混合によって無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子が極性溶媒中に混在して単分散した粒子層形成用塗布液になる請求項11〜請求項13の何れかに記載する撥水性被膜形成用塗布液。
- オーバーコート層形成用塗布液が、フッ素含有化合物、アルキル基含有化合物またはシリコーン系化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項11〜請求項14の何れかに記載する撥水性被膜形成用塗布液。
- 無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子とが極性溶媒中に単分散し懸濁している粒子層形成用塗布液を基材に塗布して前記無機酸化物粒子相互の間隙に前記樹脂エマルジョン粒子を介在させ、塗布後、該樹脂エマルジョン粒子を崩壊させて前記無機酸化物粒子相互の間隙および該無機酸化物粒子と前記基材との間隙に樹脂を入り込ませて接着材を介在させると共に該無機酸化物粒子の上部が該接着材から露出した凹凸形状を有する粒子層を形成し、次いで、該粒子層の無機酸化物粒子が露出した凹凸形状表面に、該凹凸形状を保つようにオーバーコート層形成用塗布液を塗布して、該オーバーコート層によって覆われた凹凸構造を有する撥水性被膜を基材表面に形成することを特徴とする撥水性被膜付基材の製造方法。
- 無機酸化物粒子の分散液と樹脂エマルジョン粒子の懸濁液を混合して、無機酸化物粒子と樹脂エマルジョン粒子とが極性溶媒中に混在して単分散した粒子層形成用塗布液を調製し、該塗布液を基材に塗布する請求項16に記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
- 粒子層形成用塗布液に含まれる樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径(De)が無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)と同等か小さい(De≦DP)ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
- 粒子層形成用塗布液に含まれる無機酸化物粒子の体積量(G)と、樹脂エマルジョン粒子の体積量(M)との体積量比(G/[G+M])が0.25〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項16〜請求項18の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
- エマルジョン樹脂として、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、またはスチレン系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂からなる樹脂エマルジョン粒子を極性溶媒に懸濁させた樹脂エマルジョン粒子懸濁液と、無機酸化物粒子を極性溶媒に分散させた無機酸化物粒子分散液を混合して粒子層形成用塗布液を調製することを特徴とする請求項16〜請求項19の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
- 前記樹脂エマルジョン粒子の崩壊を、加熱乾燥、電子線の照射または紫外線(UV)の照射の何れかにより行うことを特徴とする請求項16〜請求項20の何れかに記載する撥水性被膜付基材の製造方法。
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