JP2017177902A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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正憲 松岡
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翔太 丹山
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Abstract

【課題】 運転者の手によって操作される制動制御装置において、その操作の煩雑さが低減され得るものを提供する。【解決手段】 制動制御装置は、運転者の手によって操作される制動操作部材と、制動操作部材の操作量Bpaを取得する制動操作量取得手段と、走行速度Vxaを取得する速度取得手段と、車輪に制動力を発生させる制動手段と、操作量Bpaに基づいて制動手段を制御して制動力を調整する制御手段と、を備える。制御手段は、走行速度Vxaに基づいて、車両が停止状態を継続しているか、否かを判定し、車両が停止状態を継続していないことを判定した場合には、操作量Bpaを所定操作量bp0より大きい作動値bpxからゼロに向けて変化させる操作遷移時に、制動力を作動値bpxに相当する作動相当力fbxからゼロに向けて減少し、車両が停止状態を継続していることを判定した場合には、操作遷移時に、制動力を作動相当力fbxのままに維持する。【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、「モータの電力消費量を最小限に抑えることができる車両保持制御装置及び車両保持制御方法の提供」することを目的に、「車両の登坂状態が検出され、かつブレーキペダル17のオフ状態を検出した際に、ブレーキ油圧を保持した後に、徐々に解放する油圧ヒルホールド手段と、走行駆動力を供給可能なフロントモータ4、リヤモータ6と、各モータの駆動力を制御するモータECU11,12とを備えた車両保持制御装置であって、登坂状態の車両1のずり下がりを防止するのに必要な必要車両保持力を路面勾配と車両重量に基づいて導出するエンジンECU13を備え、モータECU11,12は、油圧ヒルホールド手段により徐々に油圧が解放されて減少する車両保持力が、エンジンECU13により導出された必要車両保持力以下になるときに、不足した車両保持力をフロントモータ4やリヤモータ6のトルクで補う」ことが記載されている。
ところで、出願人は、特許文献2に記載されるような、運転者の手によって操作される装置を開発している。このような装置では、車両のオーディオ装置、ナビゲーション装置等を操作する際に、車両の停止状態を維持するため、駐車ブレーキを作動させる必要がある。例えば、信号待ち等において、オーディオ装置の音量を僅かに調節するための駐車ブレーキ操作が、運転者には煩雑に感じられることがある。
特開2012−186962号公報 特開2008−014204号公報
本発明の目的は、運転者の手によって操作される制動制御装置において、その操作の煩雑さが低減され得るものを提供することである。
本発明に係る車両の制動制御装置は、車両の運転者の手によって操作される制動操作部材(BP)と、前記制動操作部材(BP)の操作量(Bpa)を取得する制動操作量取得手段(BPA)と、前記車両の走行速度(Vxa)を取得する速度取得手段(VXA、CMB)と、前記車両の車輪(WH)に制動力(Fba)を発生させる制動手段(BRK)と、前記操作量(Bpa)に基づいて前記制動手段(BRK)を制御して、前記制動力(Fba)を調整する制御手段(CTL)と、を備える。
本発明に係る車両の制動制御装置では、前記制御手段(CTL)は、前記走行速度(Vxa)に基づいて、「前記車両が停止状態を継続しているか、否か」を判定し、「前記車両が停止状態を継続していないこと」を判定した場合には、前記操作量(Bpa)を所定操作量(bp0)より大きい作動値(bpx)から「0(ゼロ)」に向けて変化させる操作遷移時に、前記制動力(Fba)を前記作動値(bpx)に相当する作動相当力(fbx)から「0(ゼロ)」に向けて減少し、「前記車両が停止状態を継続していること」を判定した場合には、前記操作遷移時に、前記制動力(Fba)を前記作動相当力(fbx)のままに維持するよう構成される。
また、本発明に係る車両の制動制御装置では、前記制動力(Fba)を解除する解除手段(SKJ、AP、SW、CMB)が備えられ、前記制御手段(CTL)は、前記車両の運転者が、前記解除手段(SKJ、AP、SW、CMB)を操作するまで、前記制動力(Fba)を前記作動相当力(fbx)のままに維持するよう構成される。
さらに、本発明に係る車両の制動制御装置では、前記制御手段(CTL)は、前記走行速度(Vxa)が「0(ゼロ)」になった時点(t0)から所定時間(tsx)を経過した時点(t2)で、「前記車両が停止状態を継続していること」を判定するよう構成される。
上記構成によれば、「車両が停止状態を継続していること」が判定される場合には、車両の停止状態を維持する停止維持制御が実行される。したがって、目標押圧力Fbt(結果、実押圧力Fba)は、作動相当力fbxから「0」に減少されることはなく、作動相当力fbxのままの保持状態が継続される。このため、車両の停止状態は維持され、運転者は制動操作部材BP以外の装置、部材を操作することができる。
本発明に係る車両の制動制御装置を搭載した車両の全体構成図である。 制御手段、及び、加圧ユニットを説明するための機能ブロック図である。 停止維持制御の処理を説明するための機能ブロック図である。 本発明に係る車両の制動制御装置の作用・効果を説明するための時系列線図である。
<本発明に係る車両の制動制御装置の全体構成>
図1の全体構成図を参照して、本発明に係る制動制御装置BCSについて説明する。ここでは、制動制御装置BCSは、電気モータMTRを駆動源として、制動液を介して、車輪WHに制動力を与えるものが例示される。
制動制御装置BCSを備える車両には、制動操作部材BP、制動操作量取得手段BPA、速度取得手段VXA、加速操作部材AP、加速操作量取得手段APA、操作スイッチSW、制御手段CTL、制動手段BRK、及び、報知手段HCHが備えられる。さらに、車両の各々の車輪WHには、ブレーキキャリパCRP、ホイールシリンダWC、回転部材KTB、及び、摩擦部材MSBが備えられている。
制動操作部材BPは、車両を減速、又は、停止状態を維持するために、運転者の手(例えば、手指)によって操作される部材である。制動操作部材BPが操作されることによって、車輪WHの制動トルクが調整され、車輪WHに制動力が発生される。また、制動操作部材BPの操作の強弱によって、制動力の大小が調整される。
操作量取得手段(操作量センサ)BPAは、制動操作部材BPに設けられる。制動操作量取得手段BPAによって、運転者による制動操作部材BPの操作量(制動操作量)Bpaが取得(検出)される。具体的には、制動操作量取得手段BPAとして、制動操作部材BPの操作変位を検出する操作変位センサ、及び、制動操作部材BPの操作力を検出する操作力センサのうちの少なくとも1つが採用される。即ち、制動操作量取得手段BPAは、操作変位センサ、及び、操作力センサについての総称である。したがって、制動操作量Bpaは、制動操作部材BPの操作変位、及び、操作力のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。操作量Bpaは、制御手段CTLに入力される。
速度取得手段VXAによって、車両の走行速度Vxaが取得(検出)される。例えば、各車輪WHに車輪速度センサが設けられ、これらからの信号(車輪速度)に基づいて、車両速度Vxaが演算される。
加速操作部材APは、車両を発進、加速、又は、走行速度を維持するために、運転者によって操作される部材である。加速操作部材APは、運転者の足、又は、手によって操作される。運転者は、車両を発進させることを意図して、加速操作部材APを操作する。このため、加速操作部材APは、停止維持制御を解除して、制動力を「0」に向けて減少させるための「解除手段SKJ」に相当する。
加速操作量取得手段APAは、加速操作部材APに設けられ、運転者による加速操作部材APの操作量(加速操作量)Apaが取得(検出)される。具体的には、加速操作量取得手段APAとして、加速操作部材APの操作変位を検出する操作変位センサ、及び、加速操作部材APの操作力を検出する操作力センサのうちの少なくとも1つが採用される。加速操作量Apaは、加速操作部材APの操作変位、及び、操作力のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。加速操作量Apaは、制御手段CTLに入力される。
操作スイッチSWは、停止維持制御を解除して、制動力を「0」に向けて減少させる。即ち、操作スイッチSWは、加速操作部材APと同様に、「解除手段SKJ」に相当する。操作スイッチSWからのスイッチ信号Swaは、制御手段CTLに入力される。ここで、スイッチ信号Swaは、「オン」又は「オフ」の信号であり、「オン」信号が停止維持制御の解除(又は、不要)を指示する。
制御手段(コントローラともいう)CTLは、制動操作量Bpa、車両速度Vxa、加速操作量Apa、及び、スイッチ信号Swaに基づいて、加圧ユニットKAUを制御する。具体的には、制御手段CTLのマイクロプロセッサには、電気モータMTRを制御するための制御アルゴリズムがプログラムされている。そして、上記の制動操作量Bpa等に基づいて、摩擦部材MSBが回転部材KTBを押圧する力(押圧力)の目標値(目標押圧力)Fbtが演算される。制動手段BRKに制動液が採用される場合には、目標押圧力Fbtは、加圧ユニットKAUが出力する液圧の目標値(目標液圧)である。
制御手段CTLには、制動操作量Bpaに基づいて車輪WHの制動力を調整するための通常のブレーキ制御(単に、通常制御ともいう)を実行する通常制御ブロックTBCと、後述する車両の停止維持制御を実行する停止維持制御ブロックTIJと、が含まれる。停止維持制御ブロックTIJの実行が開始される時点で、制御手段CTLは、報知手段HCHに報知信号Hchを出力する。報知手段HCHは、音、光等によって、制御実行開始の旨が、運転者に報知される。例えば、報知手段HCHとして、電子音装置が採用される。
≪制動手段BRK≫
制動手段BRKによって、摩擦部材MSBが回転部材KTBに押圧される。結果、車輪WHに制動力が発生される。制動手段BRKは、ホイールシリンダWC、加圧ユニットKAU、制動配管HKN、及び、押圧力取得手段FBAにて構成される。
車両の各車輪WHには、キャリパCRPが設けられる。キャリパCRPは、2つの摩擦部材(例えば、ブレーキパッド)MSBを介して、回転部材(例えば、ブレーキディスク)KTBを挟み込むように構成される。キャリパCRP内にて、ホイールシリンダWCが設けられる。ホイールシリンダWC内の液圧が調整されることによって、ホイールシリンダWC内のピストンが回転部材KTBに対して移動(前進、又は、後退)される。このピストンの移動によって、摩擦部材MSBが回転部材KTBに押し付けられて摩擦力が発生する。回転部材KTBと車輪WHとは、固定シャフトKSFを介して固定されているため、このときに生じる摩擦力によって、車輪WHに制動トルクが与えられ、制動力が発生される。ここで、キャリパCRPとして、浮動型キャリパが採用されている。
加圧ユニットKAUは、電気モータMTRによって駆動され、ホイールシリンダWCと制動配管HKNにて接続されている。加圧ユニットKAUが吐出する制動液によってホイールシリンダWCの液圧が増加され、摩擦部材MSBが回転部材KTBに押圧される。加圧ユニットKAUの電気モータMTRは、目標押圧力Fbtに基づいて制御される。なお、電気モータMTRは、電力源(蓄電池BAT、発電機ALT)から電力の供給を受ける。
加圧ユニットKAU、又は、ホイールシリンダWCには、実際の押圧力Fbaを取得(検出)するための押圧力取得手段FBAが設けられる。加圧ユニットKAUが動力制動液によって伝達される場合、実押圧力Fbaは、加圧ユニットKAUが出力する液圧の実際値(実液圧)である。したがって、押圧力取得手段FBAとして、液圧センサが採用される。検出された実押圧力Fbaは、加圧ユニットKAUに入力される。加圧ユニットKAUでは、目標押圧力Fbtと実押圧力Fbaとに基づくフィードバック制御が実行され、実押圧力Fbaが目標押圧力Fbtと一致するように制御される。
図1では、ディスク型制動装置(ディスクブレーキ)の構成が例示されている。この場合、摩擦部材MSBはブレーキパッドであり、回転部材KTBはブレーキディスクである。ディスク型制動装置に代えて、ドラム型制動装置(ドラムブレーキ)が採用され得る。ドラムブレーキの場合、キャリパCRPに代えて、ブレーキドラムが採用される。また、摩擦部材MSBはブレーキシューであり、回転部材KTBはブレーキドラムである。
車両速度Vxa、及び、加速操作量Apaのうちの少なくとも1つが、他の装置によって検出、又は、演算され、通信バス(例えば、CAN通信バス)CMBを介して、制御手段CTLに入力される。この場合、通信バスCMBが、速度取得手段VXA、及び、加速操作量取得手段APAのうちの少なくとも1つに相当する。
制動液を介して、摩擦部材MSBを回転部材KTBに押し付ける制動手段BRKについて説明したが、制動手段BRKは、制動液を介さず、直接、摩擦部材MSBを回転部材KTBに押圧するもの(所謂、電動ブレーキ)が採用され得る。また、動力源として、アキュムレータを用いるものが、制動手段BRKとして採用され得る。
<制御手段CTL、及び、加圧ユニットKAUの実施形態>
図2の機能ブロック図を参照して、制御手段CTL、及び、加圧ユニットKAUについて説明する。制御手段CTL、及び、加圧ユニットKAUの一部は、電子制御ユニットECU内に形成されている。
≪制御手段CTL≫
制御手段(コントローラともいう)CTLは、制御アルゴリズムであって、電子制御ユニットECUのマイクロプロセッサにプログラムされている。制御手段CTLは、通常制御ブロックTBC、及び、停止維持制御ブロックTIJにて構成される。制御手段CTLからは、目標押圧力Fbtが加圧ユニットKAUに出力される。
通常制御ブロックTBCには、目標押圧力演算ブロックFBTが形成されている。目標押圧力演算ブロックFBTでは、制動操作量Bpa、及び、演算特性(演算マップ)CFbtに基づいて、目標押圧力Fbtが演算される。ここで、目標押圧力Fbtは、加圧ユニットKAUによって発生される制動液圧(即ち、押圧力)の目標値である。具体的には、目標押圧力Fbtの演算特性(演算マップ)CFbtにおいて、制動操作量Bpaが「0(ゼロ)」(制動操作が行われていない場合に対応)以上から所定値bp0未満の範囲では目標押圧力Fbtが「0」に演算される。制動操作量Bpaが所定値bp0以上では、操作量Bpaの増加にしたがって、目標押圧力Fbtが「0」から単調増加するように演算される。ここで、所定値bp0は、制動操作部材BPの「遊び」に相当する値であり、予め設定されている値である。
停止維持制御ブロックTIJでは、運転者が制動操作部材BPから手を放した場合においても、車両の停止状態を維持できるよう、制動操作量Bpa、車両速度Vxa等に基づいて、目標押圧力Fbtが演算される。停止維持制御ブロックTIJでの目標押圧力Fbtの演算方法の詳細については、後述する。
≪加圧ユニットKAU≫
加圧ユニットKAUは、目標押圧力Fbtに基づいて、電気モータMTRを制御し、実押圧力Fbaを調整する。加圧ユニットKAUは、電子制御ユニットECU内に形成される駆動部分KDBと、アクチュエータ部分ACTと、で構成される。
加圧ユニットKAUの駆動部KDBは、目標押圧力Fbtに基づいて、電気モータMTRを制御し、駆動する。駆動部KDBは、指示通電量演算ブロックIMS、フィードバック制御ブロックFBC、目標通電量演算ブロックIMT、及び、駆動回路DRVにて構成される。
指示通電量演算ブロックIMSでは、目標押圧力Fbt、及び、予め設定された演算特性(演算マップ)CIsa、CIsbに基づいて、加圧ユニットKAUを駆動する電気モータMTRの指示通電量Ims(電気モータMTRを制御するための通電量の目標値)が演算される。指示通電量Ims用の演算マップは、アクチュエータ部ACT(動力伝達機構DDK等)のヒステリシスによる影響を考慮して、2つの特性CIsa、CIsbで構成されている。
ここで、「通電量」とは、電気モータMTRの出力トルクを制御するための状態量(状態変数)である。電気モータMTRは電流に概ね比例するトルクを出力するため、通電量の目標値(目標通電量)として電気モータMTRの電流目標値が用いられ得る。また、電気モータMTRへの供給電圧を増加すれば、結果として電流が増加されるため、目標通電量として供給電圧値が用いられ得る。さらに、パルス幅変調におけるデューティ比によって供給電圧値が調整され得るため、このデューティ比(一周期における通電時間の割合)が通電量として用いられ得る。
フィードバック制御ブロックFBCでは、液圧の目標値(目標押圧力)Fbt、及び、液圧の実際値(実押圧力)Fbaを制御の状態変数として、これらに基づいて、電気モータMTRのフィードバック通電量Ifbが演算される。指示通電量Imsに基づく制御だけでは、誤差が発生するため、フィードバック制御ブロックFBCでは、この誤差を補償することが行われる。フィードバック制御ブロックFBCは、比較演算、及び、フィードバック通電量演算ブロックIFBにて構成される。
比較演算によって、液圧の目標値Fbtと実際値Fbaとが比較される。ここで、液圧の実際値Fbaは、液圧センサFBAによって取得(検出)される液圧の検出値(吐出液圧)である。例えば、比較演算では、目標押圧力(目標値)Fbtと、吐出液圧(検出値)Fbaとの偏差(液圧偏差)eFbが演算される。液圧偏差eFb(制御変数)は、フィードバック通電量演算ブロックIFBに入力される。
フィードバック通電量演算ブロックIFBには、比例要素ブロック、微分要素ブロック、及び、積分要素ブロックが含まれる。比例要素ブロックでは、偏差eFbに比例ゲインKpが乗算されて、偏差eFbの比例要素が演算される。微分要素ブロックでは、偏差eFbが微分されて、これに微分ゲインKdが乗算されて、偏差eFbの微分要素が演算される。積分要素ブロックでは、偏差eFbが積分されて、これに積分ゲインKiが乗算されて、偏差eFbの積分要素が演算される。そして、比例要素、微分要素、及び、積分要素が、加算されることによって、液圧フィードバック通電量Ifbが演算される。即ち、フィードバック通電量演算ブロックIFBでは、目標押圧力Fbtと吐出液圧Fbaとの比較結果に基づいて、吐出液圧(検出値)Fbaが液圧の目標押圧力(目標値)Fbtに一致するよう(即ち、偏差eFbが「0(ゼロ)」に近づくよう)、所謂、液圧に基づくPID制御のフィードバックループが形成されている。
目標通電量演算ブロックIMTでは、指示通電量(目標値)Ims、及び、フィードバック通電量(補償値)Ifbに基づいて、通電量の最終的な目標値である目標通電量Imtが演算される。具体的には、指示通電量Imsに対して、フィードバック通電量Ifbが加えられ、それらの和が目標通電量Imtとして演算される(即ち、Imt=Ims+Ifb)。
目標通電量演算ブロックIMTでは、電気モータMTRの回転すべき方向(即ち、液圧の増減方向)に基づいて、目標通電量Imtの符号(値の正負)が決定される。また、電気モータMTRの出力すべき回転動力(即ち、液圧の増減量)に基づいて、目標通電量Imtの大きさが演算される。具体的には、制動液圧を増加する場合には、目標通電量Imtの符号が正符号(Imt>0)に演算され、電気モータMTRが正転方向に駆動される。一方、制動液圧を減少させる場合には、目標通電量Imtの符号が負符号(Imt<0)に決定され、電気モータMTRが逆転方向に駆動される。さらに、目標通電量Imtの絶対値が大きいほど電気モータMTRの出力トルク(回転動力)が大きくなるように制御され、目標通電量Imtの絶対値が小さいほど出力トルクが小さくなるように制御される。
駆動回路DRVによって、目標通電量Imtに基づいて、電気モータMTRの出力が調整される。駆動回路DRVには、スイッチング素子(パワートランジスタ)によって、ブリッジ回路BRGが形成されている。例えば、電気モータMTRとして、ブラシレスモータが採用される場合には、ブリッジ回路BRGとして、6つのスイッチング素子にて3相ブリッジ回路が形成される。ここで、スイッチング素子は、電気回路の一部をオン又はオフできる素子であり、MOS−FET、IGBTが採用される。
先ず、駆動回路DRVでは、目標通電量Imtに基づいて、各スイッチング素子についてパルス幅変調を行うための駆動信号が演算される。具体的には、目標通電量Imtに基づいて、各相(U相、V相、W相)のパルス幅のデューティ比(一周期に対するオン時間の割合)が決定される。そして、デューティ比(目標値)に基づいて、ブリッジ回路BRGを構成する各スイッチング素子をオン状態(通電状態)にするか、或いは、オフ状態(非通電状態)にするかの駆動信号が演算される。
各駆動信号によって、各スイッチング素子の通電、又は、非通電の状態が、個別に制御される。デューティ比が大きいほど、各スイッチング素子において、単位時間当りの通電時間が長くされ、より大きな電流がコイルに流される。したがって、電気モータMTRの回転動力が大とされる。
駆動回路DRVには、通電量取得手段(例えば、電流センサ)IMAが備えられ、実際の通電量が取得(検出)される。通電量取得手段IMAの検出値(例えば、実際の電流値)が、目標値と一致するよう、所謂、電流フィードバック制御が実行される。具体的には、実際の通電量と目標通電量との偏差に基づいて、デューティ比が修正(微調整)される。この電流フィードバック制御によって、高精度なモータ制御が達成され得る。
電気モータMTRとして、ブラシレスモータに代えて、ブラシ付モータ(単に、ブラシモータともいう)が採用され得る。この場合、ブリッジ回路BRGとして、4つのスイッチング素子にて形成されるHブリッジ回路が用いられる。ブラシレスモータの場合と同様に、電気モータMTRには、回転角センサMKAが設けられ、駆動回路DRVには、通電量取得手段IMAが設けられる。
加圧ユニットKAUのアクチュエータ部ACTは、電子制御ユニットECU(特に、駆動回路DRV)によって駆動される電気モータMTRを動力源として、制動配管HKNに制動液を排出(圧送)する。そして、圧送された制動液圧によって、加圧ユニットKAUのアクチュエータ部ACTは、車輪WHに制動トルク(制動力)を付与する。加圧ユニットKAUは、電気モータMTR、動力伝達機構DDK、加圧ロッドKRD、加圧シリンダKCL、加圧ピストンPKC、及び、押圧力取得手段FBAにて構成される。
動力伝達機構DDKは、電気モータMTRの回転動力を減速し、且つ、直線動力に変換して加圧ロッドKRDに出力する。具体的には、動力伝達機構DDKには、減速機(図示せず)が設けられ、電気モータMTRからの回転動力が減速されてねじ部材(図示せず)に出力される。そして、ねじ部材によって、回転動力が加圧ロッドKRDの直線動力に変換される。即ち、動力伝達機構DDKは、回転・直動変換機構である。
加圧ロッドKRDには加圧ピストンPKCが固定される。加圧ピストンPKCは、加圧シリンダKCLの内孔に挿入され、ピストンとシリンダとの組み合わせが形成されている。具体的には、加圧ピストンPKCの外周には、シール部材が設けられ、加圧シリンダKCLの内孔(内壁)との間で液密性が確保される。即ち、加圧シリンダKCLと加圧ピストンPKCとによって区画される流体室Rkc(「加圧室Rkc」と称呼する)が形成される。
加圧ユニットKAUの加圧室Rkcは、制動配管HKNに接続されている。加圧シリンダKCL内にて、加圧ピストンPKCが中心軸方向に移動されることによって、加圧室Rkcの体積が変化される。この体積変化によって、制動液は、制動配管(パイプ)HKNを介して、加圧シリンダKCLとホイールシリンダWCとの間で移動される。加圧シリンダKCLからの制動液の出し入れによって、ホイールシリンダWC内の液圧が調整される。
押圧力取得手段(液圧センサ)FBAが、加圧室Rkcの液圧Fbaを取得(検出)するために、加圧ユニットKAUに設けられる。吐出液圧(検出値)Fbaは、加圧ユニットKAUの駆動部KDB(特に、フィードバック制御ブロックFBC)に入力される。
<停止維持制御の処理>
図3のフロー図を参照して、停止維持制御ブロックTIJにおける処理について説明する。停止維持制御とは、運転者の手によって操作される制動操作部材BPから、運転者が手を放した場合であっても、車両の停止状態が維持されるものである。なお、停止維持制御が実行されない場合には、通常制御(図2参照)が実行される。
先ず、ステップS110にて、制動操作量Bpa、車両の走行速度(車両速度)Vxa、解除信号Skj(例えば、加速操作量Apa)、及び、目標押圧力Fbt(又は、実押圧力Fba)が読み込まれる。次に、ステップS120に進む。
ステップS120にて、解除信号Skjに基づいて、「停止維持制御の解除が指示されているか、否か」が判定される。ステップS120にて、解除信号Skjがオン状態であり、「停止維持制御の解除が指示されている」ことが肯定される場合(「YES」の場合)、ステップS130に進む。一方、ステップS120にて、解除信号Skjがオフ状態であり、「停止維持制御の解除が指示されている」ことが否定される場合(「NO」の場合)には、ステップS110に戻る。
ここで、解除信号Skjは、加速操作量Apa、及び、スイッチ信号Swaのうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る。加速操作量Apaが所定値ap0(加速操作部材APの「遊び」に相当する値)よりも大きい場合には、解除信号Skjはオン状態にされ、加速操作量Apaが所定値ap0以下の場合には、解除信号Skjはオフ状態にされる。また、スイッチ信号Swaがオン状態では、解除信号Skjがオン状態とされ、スイッチ信号Swaがオフ状態では、解除信号Skjがオフ状態とされる。
ステップS130にて、制動操作量Bpaに基づいて、「運転者の手によって制動操作が行われているか、否か」が判定される。具体的には、制動操作量Bpaが所定値bp0(制動操作部材BPの「遊び」に相当する値)よりも大である場合に「制動操作中である」ことが判定される。また、制動操作量Bpaが所定値bp0以下である場合に「制動操作中ではない(非制動操作である)」ことが判定される。ステップS130にて、「制動操作中である」ことが肯定される場合(「YES」の場合)、ステップS140に進む。一方、ステップS130にて、「制動中である」ことが否定される場合(即ち、非制動であり、「NO」の場合)には、ステップS110に戻る。
ステップS140にて、車両速度Vxaに基づいて、「車両が停止しているか、否か」が判定される。具体的には、車両速度Vxaが「0(ゼロ)」である場合に「車両が停止中である」ことが判定される。また、車両速度Vxaが「0」より大きい場合に「停止中ではない(走行中である)」ことが判定される。ステップS120にて、「車両停止中である(Vxa=0)」ことが肯定される場合(「YES」の場合)、ステップS150に進む。一方、ステップS140にて、「車両停止中である」ことが否定される場合(即ち、Vxa≠0であり、「NO」の場合)には、ステップS110に戻る。
ステップS150にて、ステップS140が肯定された時点(演算周期)の目標押圧力Fbtが、作動相当力fbxとして記憶される。また、ステップS150では、その時点での実押圧力Fbaが、作動相当力fbxとして記憶されてもよい。したがって、ステップS150では、目標押圧力Fbt、及び、実押圧力Fbaのうちの少なくとも1つに基づいて、作動相当力fbxが記憶され得る。処理は、ステップS160に進む。
ステップS160にて、タイマ処理が実行される。ステップS160では、ステップS140の判定条件が初めて肯定された時点(演算周期)に、時間カウンタが開始される。そして、ステップS140が肯定され続ける時間(「Vxa=0」の継続時間)Tkzが積算される。処理は、ステップS170に進む。
ステップS170にて、ステップS160のタイマ処理が開始されてからの継続時間Tkzが、「所定時間tsxを経過したか、否か」が判定される。「Vxa=0」の状態が所定時間tsxに亘って経過した場合(「YES」の場合)には、ステップS180に進む。一方、「Vxa=0」の状態が所定時間tsxを経過していない場合(「NO」の場合)には、ステップS110に戻される。ここで、所定時間tsxは、予め設定された、判定のためのしきい値である。
ステップS180では、停止維持制御が実行される。具体的には、停止維持制御が実行されている場合には、運転者が制動操作部材BPから手を放して、制動操作量Bpaが「0」に向けて減少されても、実押圧力Fbaが、ステップS150にて記憶された作動相当力fbxのままに維持される。したがって、車両の停止を維持した状態で、運転者は制動操作以外の操作(例えば、ナビゲーション装置、オーディオ装置、等の操作)が可能となる。
車両の停止状態(即ち、「Vxa=0」の状態)が所定時間tsxに亘って経過した場合に、停止維持制御の実行が開始される。このため、車両が停止した直後に、再度、車両を発進させるような走行操作(一旦停止標識での停車、渋滞走行での操作等)において、停止維持制御の開始、終了が繰り返されることがなく、制御の煩雑さが回避され得る。なお、ステップS170が初めて肯定された時点(即ち、停止維持制御の開始時点)にて、報知信号Hchが制御手段CTLから、報知手段HCHに出力され、停止維持制御の実行が開始された旨が、運転者に報知される。
ステップS150での処理において、作動相当力fbxに代えて、制動操作量Bpaに基づいて、作動値bpxが記憶され得る。これは、制動操作量Bpaに基づいて、目標押圧力Fbt(最終的には、実押圧力Fba)が調整されることに因る。また、作動相当力fbxは、継続時間Tkzが「0」から所定時間tsxに到るまでの目標押圧力Fbt、及び、実押圧力Fbaのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。例えば、継続時間Tkzが、「0〜tsx」までの期間の目標押圧力Fbt、及び、実押圧力Fbaのうちの少なくとも1つの最大値が、作動相当力fbxとして記憶され得る。同様に、作動値bpxは、継続時間Tkzが「0」から所定時間tsxに到るまでの制動操作量Bpaに基づいて決定される。例えば、継続時間Tkzが、「0〜tsx」までの期間の制動操作量Bpaの最大値が、作動値bpxとして記憶され得る。作動相当力fbx、作動値bpxとして、各々の最大値が採用されるため、確実な車両の停止状態が継続され得る。
<作用・効果>
図4の時系列線図を参照して、本発明に係る制動制御装置の作用・効果について説明する。ここで、運転者は、車両の走行中に値bpx(作動値として記憶される値)の制動操作を継続し、車両を停止させる。そして、その制動操作を継続した後に、制動操作部材BPから手を放すような状況を想定する。ここで、実押圧力Fbaは、目標押圧力Fbtと一致するように制御されるため、目標押圧力Fbtと実押圧力Fbaとは重なっている。
先ず、制動操作部材BPの「遊び」に相当する所定値bp0よりも大きい値bpxの制動操作に基づき、加圧ユニットKAUによって作動相当力fbxが発生される。そして、この作動相当力fbxに対応した制動力が発生され、車両の走行速度(車両速度)Vxaは減少する。時点t0にて、車両が停止し、車両速度Vxaが「0」となる。時点t0にて、ステップS160の継続時間Tkzの積算が開始される。
時点t2にて、継続時間Tkzが所定時間tsxとなり、「車両が停止継続状態であること」が判定され、停止維持制御が開始される。この時点で、停止維持制御が開始されたことが、報知手段HCHからの音、表示等によって、運転者に報知される。
車両の停止後であって、継続時間Tkzが所定時間tsx未満の時点(例えば、時点t1)では、破線(a)で示すように、制動操作量Bpaが作動値bpxから「0」に向けて減少されても、ステップS170の条件が満足されないため、停止維持制御は開始されていない(即ち、演算特性CFbtに基づく通常のブレーキ制御が実行される)。したがって、「車両が停止継続状態であること」が否定され、停止維持制御は実行されず、目標押圧力Fbt(結果、実押圧力Fba)は、破線(b)で示すように、作動相当力fbxから「0」に向けて減少される。停止維持制御の開始条件として「Tkz≧tsx」が採用されるため、車両停止直後に発進を必要とする走行状況(一旦停止、渋滞走行、等)において、制御の煩雑さが回避され得る。
時点t3にて、運転者は制動操作部材BPから手を放すため、制動操作量Bpaは、作動値bpxから「0」に減少される。しかし、時点t2以降は、停止維持制御が実行されているため、目標押圧力Fbt(結果、実押圧力Fba)は、作動相当力fbxから「0」に減少されることはなく、作動相当力fbxのままの保持状態が継続される。このため、車両の停止状態は維持され、運転者は制動操作部材BP以外の装置、部材を操作することができる。
その後、運転者は加速操作部材APを操作する。時点t4にて、加速操作量Apaが所定値(加速操作部材APの遊び相当値)ap0を超過し、ステップS120の条件が肯定されると、停止維持制御の実行が終了される。このため、目標押圧力Fbt(結果、実押圧力Fba)は、作動相当力fbxから「0」に向けて減少され、車両は停止状態から発進される。結果、車両速度Vxaが増加される。
BP…制動操作部材、BRK…制動手段、KAU…加圧ユニット、MTR…電気モータ、CTL…制御手段(コントローラ)、BPA…制動操作量取得手段、FBA…押圧力取得手段、Bpa…制動操作量、bpx…作動値、fbx…作動相当値。

Claims (3)

  1. 車両の運転者の手によって操作される制動操作部材と、
    前記制動操作部材の操作量を取得する制動操作量取得手段と、
    前記車両の走行速度を取得する速度取得手段と、
    前記車両の車輪に制動力を発生させる制動手段と、
    前記操作量に基づいて前記制動手段を制御して、前記制動力を調整する制御手段と、
    を備えた車両の制動制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記走行速度に基づいて、前記車両が停止状態を継続しているか、否かを判定し、
    前記車両が停止状態を継続していないことを判定した場合には、前記操作量を所定操作量より大きい作動値からゼロに向けて変化させる操作遷移時に、前記制動力を前記作動値に相当する作動相当力からゼロに向けて減少し、
    前記車両が停止状態を継続していることを判定した場合には、前記操作遷移時に、前記制動力を前記作動相当力のままに維持するよう構成された、車両の制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制動制御装置であって、
    前記制動力を解除する解除手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記車両の運転者が、前記解除手段を操作するまで、
    前記制動力を前記作動相当力のままに維持するよう構成された、車両の制動制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記走行速度がゼロになった時点から所定時間を経過した時点で、前記車両が停止状態を継続していることを判定するよう構成された、車両の制動制御装置。
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