以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における媒体搬送装置を示す外観図、図2は本発明の第1の実施の形態における媒体搬送装置の要部説明図である。なお、図2において、(a)は媒体搬送装置の外観図、(b)は(a)におけるC部断面図である。
図において、10は、本実施の形態における媒体搬送装置であり、下部11、及び、蝶番等から成る可動連結部11aを介して、前記下部11に対して矢印Bで示されるように、相対的に回動可能に連結された上部12を備える。そして、前記媒体搬送装置10は、図示されない画像形成装置の上端に前記下部11が載置されるようにして、前記画像形成装置に装填される。該画像形成装置は、例えば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機(MFP:Multi Function Peripheral)であるが、前記媒体搬送装置10を備えるとともに、インクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式等の各種の方式を利用して、印刷用紙等の用紙に画像を形成することができるものであれば、プリンタであってもよいし、ファクシミリ機であってもよいし、複写機であってもよいし、いかなる種類のものであってもよい。ここでは、説明の都合上、前記画像形成装置が複合機であり、前記媒体搬送装置10が複合機に装填された自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)である場合についてのみ説明する。
前記媒体搬送装置10は、図1に示されるように、1枚のみの媒体Pを矢印Aで示される第1の方向に搬送して、画像形成装置が備える図示されない画像読取部に送り込む。該画像読取部は、例えば、フラットベッド型スキャナ等のスキャナ装置を備え、前記媒体搬送装置10によって送り込まれた原稿である媒体Pをスキャンして、該媒体Pの画像を読み取るようになっている。そして、媒体Pを搬送する際には、上部12は、下部11の上を覆うように、閉じた状態となっている。すなわち、前記下部11は上側を向いた第2のガイド部としての下側ガイド面13を備え、前記上部12は下側を向いた第1のガイド部としての上側ガイド面14を備え、閉じた状態では、下側ガイド面13と上側ガイド面14とが所定の距離だけ離れた状態で互いに対向し、前記媒体Pは、下側ガイド面13と上側ガイド面14との隙間を通って前記第1の方向に搬送される。つまり、互いに対向する下側ガイド面13と上側ガイド面14との隙間が媒体Pの搬送路として機能する。なお、図1及び2(a)に示される例では、説明のために、上部12が下部11から離間するように回動して、開いた状態となっている。
また、前記媒体Pは、例えば、小切手、手形、領収書、伝票サイズの用紙等の幅の狭い媒体であるが、単票、すなわち、1枚のみの媒体であれば、いかなる種類、いかなるサイズの媒体であってもよい。
前記上部12の上側ガイド面14には、媒体Pを搬送するための搬送部としてのピックアップローラ15及び給紙ローラ16が回転可能に配設されている。前記ピックアップローラ15及び給紙ローラ16は、図示されないモータ等の駆動源からの駆動力を受けて、回転して媒体Pを前記第1の方向に搬送する。なお、前記上側ガイド面14における給紙ローラ16よりも前記第1の方向下流側には、必要に応じて、上側搬送補助ローラ18aを回転可能に配設することもできる。また、前記上側ガイド面14における給紙ローラ16の一側(図1において右側)には、媒体Pの重走を検出するための超音波を発信する発信部30aが配設されている。該発信部30aは、媒体Pの搬送路の上流側であってローラ類を避けた位置に配設される必要がある。そのため、図に示される例において、発信部30aは、所定の距離W1だけ給紙ローラ16から第2の方向(第1の方向に直交する方向、すなわち、上側ガイド面14の幅方向)に離れた位置にオフセットされて配設されている。なお、給紙ローラ16は、搬送される媒体Pの幅方向中心にほぼ対応する位置に配設されているので、発信部30aは、第2の方向に関して媒体Pの中心から所定の距離W1だけオフセットされている、とも言える。
また、前記下部11の下側ガイド面13には、媒体Pを1枚ずつに分離するための分離ローラ17が回転可能に配設されている。なお、前記下側ガイド面13における分離ローラ17よりも前記第1の方向下流側には、必要に応じて、下側搬送補助ローラ18bを回転可能に配設することもできる。また、前記下側ガイド面13における分離ローラ17の一側(図1において右側)には、媒体Pの重走を検出するための超音波を受信する受信部30bが配設されている。該受信部30bは、発信部30aと同様に、媒体Pの搬送路の上流側であってローラ類を避けた位置に配設される必要がある。そのため、図に示される例において、受信部30bは、所定の距離W2だけ分離ローラ17から第2の方向に離れた位置にオフセットされて配設されている。なお、分離ローラ17は、搬送される媒体Pの幅方向中心にほぼ対応する位置に配設されているので、受信部30bは、第2の方向に関して媒体Pの中心から所定の距離W2だけオフセットされている、とも言える。前記発信部30a及び受信部30bは、協働して超音波センサとして機能する。
なお、上部12と下部11とが閉じた状態では、上側ガイド面14と下側ガイド面13とは、前述のように、互いに対向し、さらに、図2(a)に示されるように、発信部30aと受信部30bとが互いに対向し、給紙ローラ16と分離ローラ17とが互いに対向するようになっている。そして、前記給紙ローラ16と分離ローラ17とは、中央部ローラとして機能する。また、図に示される例において、前記発信部30a及び受信部30bは、給紙ローラ16及び分離ローラ17の右側に配設されているが、給紙ローラ16及び分離ローラ17の左側に配設されていてもよい。
図2(b)には、上部12と下部11とが閉じた状態で上側ガイド面14と下側ガイド面13との間に形成される媒体Pの狭い搬送路の横断面であって、前記給紙ローラ16及び分離ローラ17並びに発信部30a及び受信部30bの位置における第2の方向に延在する横断面が示されている。図2(b)に示されるように、前記発信部30aは、発信器31aと該発信器31aの周囲を囲む円筒状乃至円錐台状の筒状部材である発信側ホーン33aとを備える。該発信側ホーン33aは、媒体Pの重走を検出するための超音波の指向性を高めるものであって、超音波の出口端である第1の開口34aは、前記発信器31aの発信面32aに面し、上側ガイド面14に開いている。なお、超音波は発信器31aの発信面32aから発信される。該発信面32aは発信側ホーン33aの中心軸に直交する方向に延在する略円形の面であって、前記発信面32aから発信された超音波は、前記発信側ホーン33aを通ってその中心軸方向に進行し、前記第1の開口34aから下側ガイド面13に向けて出射される。
また、前記受信部30bは、受信器31bと該受信器31bの周囲を囲む円筒状乃至円錐台状の筒状部材である受信側ホーン33bとを備える。該受信側ホーン33bは、媒体Pの重走を検出するための超音波の指向性を高めるものであって、超音波の入口端である第2の開口34bは、前記受信器31bの受信面32bに面し、下側ガイド面13に開いている。なお、前記発信器31aの発信面32aから発信された超音波は、前記受信器31bの受信面32bで受信される。該受信面32bは受信側ホーン33bの中心軸に直交する方向に延在する略円形の面であって、前記第2の開口34bから進入した超音波は、前記受信側ホーン33bを通ってその中心軸方向に進行し、前記受信面32bで受信される。
図2(b)に示されるように、距離W2は、第2の方向における第2の開口34bの中心と分離ローラ17の中心との間の距離であり、距離W1は、第2の方向における第1の開口34aの中心と給紙ローラ16の中心との間の距離である。本実施の形態においては、W1>W2となっている。これは、発信器31aの発信面32aの中心と受信器31bの受信面32bの中心とを通る仮想直線L1が、第2の方向に延在する横断面において、上側ガイド面14及び下側ガイド面13に直交する方向に対して、所定の角度だけ傾斜していることを示している。また、本実施の形態において、第1の開口34a及び第2の開口34bは、仮想直線L1の延在する方向において、互いに対向している。
このように、前記発信部30a及び受信部30bは、媒体Pの重走の検出精度を向上させるために、媒体Pの搬送面、すなわち、搬送される媒体Pの面に対して、傾斜させられている。図に示される例において、前記発信部30a及び受信部30bは、発信側ホーン33a及び受信側ホーン33bの中心軸に沿って進む超音波の進行方向が、第2の方向に延在する横断面において、媒体Pの搬送面(又は搬送路)に対して、90度以下の所定の角度で傾斜するように配設されている。
次に、前記発信部30a及び受信部30bの構成の詳細について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における媒体の搬送路の要部を拡大した第1の横断面図、図4は本発明の第1の実施の形態における上側ガイド面及び下側ガイド面の要部を拡大した平面図、図5は本発明の第1の実施の形態における媒体の搬送路の要部を拡大した第2の横断面図、図6は本発明の第1の実施の形態における媒体の搬送路の要部を拡大した第3の横断面図、図7は第1の比較例における媒体の搬送路の要部を拡大した横断面図である。なお、図4において、(a)は上側ガイド面の平面図、(b)は下側ガイド面の平面図である。
図7に示されるように、発信器31aの発信面32aから発信された超音波は、主として、矢印Dで示されるように、発信側ホーン33aの中心軸方向に進行して媒体Pを通過し、減衰して受信器31bの受信面32bで受信される。しかし、超音波の一部は、矢印D1で示されるように、媒体Pの表面で反射した後、矢印D2で示されるように、媒体Pの幅方向の端部を回折し、減衰することなく、受信側ホーン33b内に到達してしまうことがある。特に、媒体Pが幅の狭いものである場合には、その可能性が高くなる。このように、超音波の一部が媒体Pの幅方向の端部を回折して受信側ホーン33b内に到達すると、媒体Pの重走の検出精度が低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1のガイド部としての上側ガイド面14に第1の突起部としての第1のリブ21が配設され、第2のガイド部としての下側ガイド面13に第2の突起部としての第2のリブ22が配設されている。なお、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、必ずしも両方が配設される必要はなく、いずれか一方のみが配設されていればよいが、ここでは、両方が配設されている例について説明する。
前記第1のリブ21は、図3に示されるように、上側ガイド面14から下方に向かって(下側ガイド面13に向かって)突出する突起であり、図4(a)に示されるように、平面視において、第1の方向に延在する細長い突起である。また、前記第2のリブ22は、図3に示されるように、下側ガイド面13から上方に向かって(上側ガイド面14に向かって)突出する突起であり、図4(b)に示されるように、平面視において、第1の方向に延在する細長い突起である。
なお、前記第1のリブ21の幅方向(第2の方向)の寸法は、前記第2のリブ22よりも小さくなっている。これは、媒体Pの搬送負荷を低減するためである。本実施の形態において、媒体Pは、上側ガイド面14に突き当たりながら搬送されるので、上側ガイド面14に配設される第1のリブ21の幅が狭い、すなわち、幅方向の寸法が小さいことが望ましい。なお、必要に応じて、前記第1のリブ21の幅方向の寸法を、前記第2のリブ22よりも大きくすることもできる。
また、前記第1のリブ21と第2のリブ22とは、前記上側ガイド面14及び下側ガイド面13と直交する方向に、互いに対向する。さらに、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、前記上側ガイド面14及び下側ガイド面13に一体的に形成されたものであってよいし、別個に形成されて、前記上側ガイド面14及び下側ガイド面13に取り付けられたものであってもよい。
また、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、第2の方向に関して、第1の開口34aにおける媒体Pの中心と反対側、すなわち、前記媒体Pの幅方向の端部寄りに配設されている。図に示される例において、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、第2の方向に関して、第1の開口34a及び第2の開口34bよりも、媒体Pの幅方向外側に配設されている。望ましくは、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、媒体Pの幅方向の端部と第1の開口34a及び第2の開口34bとの間に位置する。さらに望ましくは、前記第1のリブ21及び第2のリブ22は、第1の開口34a及び第2の開口34bに近接して配設されている。
図3に示されるように、前記第1のリブ21によって、第1の開口34aよりも媒体Pの幅方向外側の部位において、上側ガイド面14と媒体Pとの間隙の少なくともかなりの部分が遮断される。これにより、媒体Pの表面で反射した超音波が媒体Pの幅方向の端部に進行することが防止される。また、前記第2のリブ22によって、第2の開口34bよりも媒体Pの幅方向外側の部位において、下側ガイド面13と媒体Pとの間隙の少なくともかなりの部分が遮断される。これにより、媒体Pの幅方向の端部を回折した超音波が第2の開口34bに進行することが防止される。したがって、媒体Pの表面で反射した超音波が媒体Pの幅方向の端部を回折して受信側ホーン33b内に到達することが効果的に防止され、媒体Pの重走の検出精度の低下を効果的に防止することができる。
図5に示されるように、例えば、第1のリブ21の幅方向の寸法を約1.5〔mm〕とし、第2のリブ22の幅方向の寸法を約4.5〔mm〕とすることができる。媒体Pは、上側ガイド面14に突き当たりながら搬送され、下側ガイド面13には突き当たらないので、下側ガイド面13に配設される第2のリブ22の幅を広く、すなわち、幅方向の寸法を大きくしても、媒体Pの搬送負荷が増大することはない。なお、第1のリブ21及び第2のリブ22の幅方向の寸法は、0.1〜5.0〔mm〕の範囲であれは、上側ガイド面14及び下側ガイド面13と媒体Pとの間隙を通過する超音波を効果的に遮断することができる。
また、媒体Pの幅方向、すなわち、第2の方向に関して、第1のリブ21と第2のリブ22とが互いに対向する範囲は、0.1〔mm〕以上であることが望ましい。なお、本実施の形態における媒体搬送装置10において、上部12と下部11との組立誤差は、第2の方向に関して±1.0〔mm〕であると考えられる。そのため、ある程度の余裕を考慮して、第2のリブ22の幅方向の寸法を約4.5〔mm〕としておけば、前記組立誤差が生じても、確実に、第1のリブ21と第2のリブ22とを互いに対向させることができ、これにより、媒体Pの表面で反射した超音波が媒体Pの幅方向の端部を回折して受信側ホーン33b内に到達することを効果的に防止することができる。このように、第1のリブ21と第2のリブ22とが互いに0.1〔mm〕以上の幅で対向していれば、超音波を効果的に遮断することができ、媒体Pの重走の検出精度の低下を効果的に防止することができる。
仮に、第1のリブ21と第2のリブ22とが互いに対向していない場合、媒体Pは、第1のリブ21の位置では下側ガイド面13に向かって変形して逃げてしまい、第2のリブ22の位置では上側ガイド面14に向かって変形して逃げてしまう、つまり、対向するリブの無い方向に逃げてしまう。そのため、第1のリブ21又は第2のリブ22と媒体Pとの間隙が大きくなり、超音波が遮断されずに通過してしまう。
また、上下方向、すなわち、媒体Pの厚さ方向に関しては、図6に示されるように、媒体Pの厚さ寸法をE1とし、第1のリブ21と第2のリブ22との間隙をE2とした場合、3E1≦E2の関係が成立するように、すなわち、第1のリブ21と第2のリブ22との間隙E2を媒体Pの厚さE1の3倍以上にすることが望ましい。
次に、前記構成の媒体搬送装置10の動作について説明する。ここでは、媒体Pの重走を検出する動作についてのみ説明する。
図8は本発明の第1の実施の形態における媒体搬送装置の重走検出用制御システムを説明する図である。
図に示されるように、媒体搬送装置10は制御部40を備える。該制御部40は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート等を備える一種のコンピュータであり、発信部30a及び受信部30bの動作を制御して、媒体Pの重走を検出する。なお、前記制御部40は、ピックアップローラ15、給紙ローラ16、分離ローラ17等の動作を制御して、媒体Pを搬送する動作を含む媒体搬送装置10の全動作を制御するものであってもよい。さらに、前記制御部40は、前記画像形成装置が備える図示されない制御部と協働するものであってもよいし、該制御部の一部であってもよい。
図に示される例において、制御部40は、パルス生成回路42、増幅回路43、フィルタ回路44及び増幅回路45を備える。そして、前記パルス生成回路42が生成した送信パルスは、増幅回路43によって増幅された後、発信部30aの発信器31aに送信される。該発信器31aは、受信した送信パルスに応じて、超音波を発信する。前記発信器31aの発信面32aから発信された超音波は、主として、矢印Dで示されるように、発信側ホーン33aの中心軸方向に進行して媒体Pを通過し、減衰して受信器31bの受信面32bで受信される。該受信面32bで受信された超音波に応じて受信器31bが出力した出力信号は、フィルタ回路44によってノイズが除去された後、増幅回路45によって増幅される。そして、制御部40は、増幅された受信器31bの出力信号に基づき、媒体Pが複数枚重なった状態で搬送されているか否かの判定、すなわち、重送判定を行う。
また、前記発信器31aの発信面32aから発信された超音波の一部は、矢印D1で示されるように、媒体Pの表面で反射し、第1の開口34aから媒体Pの幅方向外側に向けて進行する。しかし、第1の開口34aよりも媒体Pの幅方向外側の部位において、上側ガイド面14と媒体Pとの間隙のかなりの部分が第1のリブ21によって遮断されているので、媒体Pの表面で反射した超音波は、前記第1のリブ21と干渉して大きく減衰する。また、矢印D2で示されるように、媒体Pの幅方向の端部を回折した超音波は、第2の開口34bよりも媒体Pの幅方向外側の部位において、下側ガイド面13と媒体Pとの間隙のかなりの部分が第2のリブ22によって遮断されているので、該第2のリブ22と干渉し、更に減衰する。
これにより、媒体Pの表面で反射し、媒体Pの幅方向の端部を回折して受信側ホーン33b内に到達する超音波は、低減される。したがって、実質的には、媒体Pを通過した超音波のみが受信器31bの受信面32bで受信されるので、制御部40は、重送判定を正確に行うことができ、高精度で媒体Pの重走を検出することができる。
このように、本実施の形態においては、第1のリブ21及び第2のリブ22が第1の開口34a及び第2の開口34bよりも、媒体Pの幅方向外側に配設されている。これにより、媒体Pの表面で反射し、媒体Pの幅方向の端部を回折して受信側ホーン33b内に到達する超音波を除去することができ、媒体Pを通過した超音波のみを受信器31bの受信面32bで受信することができる。したがって、高精度で媒体Pの重走を検出することができる。
換言すると、本実施の形態では、重送検出センサのホーン近傍に突起部構造を設けることによって、幅狭媒体を使用した際、媒体に反射した超音波を、媒体搬送路送信側のガイド面に設けられた突起部により遮断することができ、超音波の媒体端部への到達を低減することができる。また、媒体端部へ到達し該媒体端部を回折した一部の超音波も媒体搬送路受信側に設けられた突起部により遮断されるので、受信側ホーンへの進入を防ぐことができる。したがって、媒体を通過した超音波のみを検出することができ、正常に重送を判別することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図9は本発明の第2の実施の形態における媒体の搬送路の要部を拡大した第1の横断面図、図10は本発明の第2の実施の形態における上側ガイド面及び下側ガイド面の要部を拡大した平面図、図11は本発明の第2の実施の形態における媒体の搬送路の要部を拡大した第2の横断面図、図12は第2の比較例における媒体の搬送路の要部を拡大した横断面図である。なお、図10において、(a)は上側ガイド面の平面図、(b)は下側ガイド面の平面図である。
図12に示されるように、発信器31aの発信面32aから発信された超音波は、主として、矢印Dで示されるように、発信側ホーン33aの中心軸方向に進行して媒体Pを通過し、減衰して受信器31bの受信面32bで受信される。しかし、媒体Pが比較的幅が狭いものである場合、第2の方向に関して、媒体Pの幅方向の端部が第1の開口34a及び第2の開口34b内、すなわち、第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側の端部より内側に位置することとなるので、超音波の一部は、矢印D3で示されるように、媒体Pの幅方向の端部と第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側の端部との間を通り、媒体Pを通過することなく直接受信側ホーン33b内に到達してしまうことがある。このように、超音波の一部が媒体Pを通過することなく直接受信側ホーン33b内に到達すると、媒体Pの重走の検出精度が低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1のガイド部としての上側ガイド面14に第1の遮蔽部23が配設され、第2のガイド部としての下側ガイド面13に第2の遮蔽部24が配設されている。なお、前記第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、必ずしも両方が配設される必要はなく、いずれか一方のみが配設されていればよいが、ここでは、両方が配設されている例について説明する。
前記第1の遮蔽部23は、図9に示されるように、第2の方向における媒体Pの中心と反対側に配設され、上側ガイド面14において、第1の開口34aの幅方向外側端から幅方向内側に向かって延在する部材であって、発信器31aの発信面32aに面する部材である。また、前記第2の遮蔽部24は、図9に示されるように、第2の方向における媒体Pの中心と反対側に配設され、下側ガイド面13において、第2の開口34bの幅方向外側端から幅方向内側に向かって延在する部材であって、受信器31bの受信面32bに面する部材である。
なお、前記第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、必ずしも発信面32a及び受信面32bに対して平行である必要はなく、図9に示されるように、発信面32a及び受信面32bに対して傾斜し、上側ガイド面14及び下側ガイド面13と同一面上に延在していてもよい。また、前記第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、発信面32a及び受信面32bに近接している必要はなく、図9に示されるように、発信面32a及び受信面32bから離間して第1の開口34a及び第2の開口34bの一部を遮蔽するようになっていてもよい。要するに、前記第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、発信面32aから発信されて受信面32bで受信される超音波の通路である発信側ホーン33a及び受信側ホーン33b内の一部を遮蔽する部材であれば、いかなる部材であってもよい。
図10に示されるように、第1の遮蔽部23の遮蔽率をF1とし、第2の遮蔽部24の遮蔽率をF2とすると、F1及びF2を、例えば、それぞれ、約28〔%〕及び36〔%〕とすることができる。なお、第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24の遮蔽率は、必ずしも、このような数値である必要はなく、発信部30a及び受信部30bの性能に影響を及ぼさない範囲内であればよく、例えば、約15〜45〔%〕の範囲で任意に設定することができる。これにより、媒体Pを通過することなく直接受信側ホーン33b内に到達する超音波を効果的に遮蔽することができ、媒体Pの重走の検出精度の低下を効果的に防止することができる。
なお、図10に示される例では、第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24の遮蔽率は、上側ガイド面14及び下側ガイド面13と同一面上における第1の開口34a及び第2の開口34bの面積に対する第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24の比率として示されているが、該比率は、発信面32a及び受信面32bの面上における発信面32a及び受信面32bの面積に対する第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24によって遮蔽される面積の比率と同一である、と理解することができる。
図11に示されるように、本実施の形態において、第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、仮想直線L1の延在する方向において、発信面32a及び受信面32bをそれぞれ遮蔽する。また、第2の方向における第1の開口34aの幅方向内側寄りの第1の遮蔽部23の端部、すなわち、第1の端部を23aとし、第2の方向における第2の開口34bの幅方向内側寄りの端部、すなわち、第2の遮蔽部24の第2の端部を24aとすると、前記第1の端部23aと第2の端部24aとを結ぶ仮想直線L2は、発信面32aの中心と受信面32bの中心とを結ぶ仮想直線L1と略平行となっていることが望ましい。ここで、略平行とは、仮想直線L1と仮想直線L2とが厳密に平行であるか、又は、厳密に平行でなくても、一方の他方に対する傾斜角度が10度以下であること、すなわち、仮想直線L1と仮想直線L2との角度が0〜10度であることを意味する。これにより、媒体Pを通過することなく直接受信側ホーン33b内に到達する超音波を効果的に遮蔽することができ、かつ、指向性の高い超音波を発信及び受信する発信部30a及び受信部30bの性能に影響を及ぼすことがない。
また、前記第1の端部23a及び第2の端部24aは、図10に示されるように、第1の方向に直線状に延在することが望ましい。さらに、第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24は、第2の方向における第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側の端部から第1の端部23a及び第2の端部24aまでの領域を隙間なく密に遮蔽するものであることが望ましい。これにより、媒体Pを通過することなく直接受信側ホーン33b内に到達する超音波を効果的に遮蔽することができ、媒体Pの重走の検出精度の低下を効果的に防止することができる。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における媒体搬送装置10の動作について説明する。前記第1の実施の形態と同様に、媒体Pの重走を検出する動作についてのみ説明する。
図13は本発明の第2の実施の形態における媒体搬送装置の重走検出用制御システムを説明する図である。
本実施の形態においても、媒体搬送装置10は、前記第1の実施の形態と同様の制御部40を備える。そして、前記パルス生成回路42が生成した送信パルスは、増幅回路43によって増幅された後、発信部30aの発信器31aに送信される。該発信器31aは、受信した送信パルスに応じて、超音波を発信する。前記発信器31aの発信面32aから発信された超音波は、主として、矢印Dで示されるように、発信側ホーン33aの中心軸方向に進行して媒体Pを通過し、減衰して受信器31bの受信面32bで受信される。該受信面32bで受信された超音波に応じて受信器31bが出力した出力信号は、フィルタ回路44によってノイズが除去された後、増幅回路45によって増幅される。そして、制御部40は、増幅された受信器31bの出力信号に基づき、媒体Pが複数枚重なった状態で搬送されているか否かの判定、すなわち、重送判定を行う。
ところで、媒体Pが比較的幅が狭いものである場合、第2の方向に関して、媒体Pの幅方向の端部が第1の開口34a及び第2の開口34b内、すなわち、第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側の端部より内側に位置することとなる。しかし、本実施の形態においては、第1の遮蔽部23及び第2の遮蔽部24が、第2の方向における第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側の端部から第1の端部23a及び第2の端部24aまでの範囲を遮蔽している。したがって、媒体Pの幅方向の端部と第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側端との間を通り抜けて、直接受信側ホーン33b内に到達してしまう矢印D3で示されるような超音波は、存在し得ない。その結果、実質的には、媒体Pを通過した超音波のみが受信器31bの受信面32bで受信されるので、制御部40は、重送判定を正確に行うことができ、高精度で媒体Pの重走を検出することができる。
このように、本実施の形態においては、上側ガイド面14に発信器31aの発信面32aに面する第1の遮蔽部23が配設され、下側ガイド面13に受信器31bの受信面32bに面する第2の遮蔽部24が配設されている。これにより、媒体Pの幅が狭くても、媒体Pの幅方向の端部と第1の開口34a及び第2の開口34bの幅方向外側端との間を通り抜けて受信側ホーン33b内に到達する超音波を除去することができ、媒体Pを通過した超音波のみを受信器31bの受信面32bで受信することができる。したがって、高精度で媒体Pの重走を検出することができる。
換言すると、本実施の形態においては、重送検出センサのホーンに遮蔽部を追加したことで、媒体幅が狭いことに起因する重送検出センサのホーンと媒体との間に隙間が生じる状態を防ぐことができ、これにより、送信された超音波が直接受信されてしまうことが低減される。したがって、受信側の超音波センサは用紙を通過した超音波のみを受信することが出来るようになり、正常に重送を判別することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図14は本発明の第3の実施の形態における上側ガイド面及び下側ガイド面の要部を拡大した平面図である。なお、図において、(a)は上側ガイド面の平面図、(b)は下側ガイド面の平面図である。
本実施の形態においては、第1の遮蔽部23に第1の突起部としての第1のリブ21が設けられ、第2の遮蔽部24に第2の突起部としての第2のリブ22が設けられている。すなわち、第1の遮蔽部23と第1のリブ21とが一体的に形成され、第2の遮蔽部24と第2のリブ22とが一体的に形成されている。したがって、上側ガイド面14を下方から観ると、図14(a)に示されるように、第1の開口34aにおける幅方向外側の端部近傍は第1のリブ21に遮蔽された状態に、また、下側ガイド面13を上方から観ると、図14(b)に示されるように、第2の開口34bにおける幅方向外側の端部近傍は第2のリブ22に遮蔽された状態になっている。
このように、本実施の形態においては、第1の遮蔽部23に第1の突起部としての第1のリブ21が設けられ、第2の遮蔽部24に第2の突起部としての第2のリブ22が設けられているので、媒体搬送装置10の部品点数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
なお、その他の点の構成、動作及び効果については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図15は本発明の第4の実施の形態における上側ガイド面及び下側ガイド面の要部を拡大した平面図である。
本実施の形態においては、第1のガイド部としての上側ガイド面14及び第2のガイド部としての下側ガイド面13に第3の遮蔽部25が配設されている。該第3の遮蔽部25は、発信器31aの発信面32a及び受信器31bの受信面32bに面する部材であって、図に示されるように、上側ガイド面14及び下側ガイド面13の中央部を遮蔽している。つまり、発信部30a及び受信部30bを含む超音波センサの中央部が、第3の遮蔽部25によって遮蔽されている。
一般に、超音波センサは、感度のバラツキが大きく、感度のバラツキの全ての範囲を使用することができるような制御によって、超音波センサを使用することは非常に困難である。そのため、従来は、感度によりランク分けされた超音波センサを使用せざるを得なかった。
これに対して、本実施の形態においては、発信側ホーン33aにおける超音波の出口端である第1の開口34aの中央部、及び、受信側ホーン33bにおける超音波の入口端である第2の開口34bの中央部が第3の遮蔽部25のよって遮蔽されているので、センサ感度が最大となる発信側ホーン33a及び受信側ホーン33bの中央部を通過する超音波が遮断される。
このようにして超音波が遮断されると、受信器31bの受信面32bでの超音波の受信レベルが所定の割合で低下するが、この割合は、個々の超音波センサの感度に依らず、一定である。したがって、感度の高い超音波センサでは受信面32bでの超音波の受信レベルの低下量が大きいのに対して、感度の低い超音波センサでは受信面32bでの超音波の受信レベルの低下量は小さい。その結果、個々の超音波センサにおける受信面32bでの超音波の受信レベルの差は、従来よりも小さくなる。
つまり、本実施の形態においては、超音波センサにおける感度のバラツキを平準化することができる。
なお、その他の点の構成、動作及び効果については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
また、前記第1〜第4の実施の形態においては、媒体搬送装置10が自動原稿送り装置(ADF)である場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、媒体Pの重走を検出する機能を備えるすべての媒体搬送装置に適用可能である。
さらに、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。