JP2017178558A - クレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】組立分解途中での保管準備が容易に実現されるとともに、保管スペースが縮小可能とされるクレーンを提供する。【解決手段】クレーン1は、旋回体10と、ブーム13と、駆動制御部と、を備える。ブーム13は、旋回体10に軸支される下部ブーム13Aを備える。駆動制御部は、作業モードと駐機モードとを備える。作業モードでは、ブーム13が旋回体10に装着され、ブーム13の対地角の上限値が第1の対地角に設定される。駐機モードでは、下部ブーム13Aを含むブーム13の一部のみが旋回体10に装着され、ブーム13の一部の起伏が許容されるとともに、ブーム13の一部の対地角の上限値が第1の対地角よりも小さな第2の対地角に設定される。ブーム13の一部の対地角が第2の対地角以下の場合、ブーム起伏用ロープ17が繰り出された際にブーム13の一部が自重によって倒伏し始める。【選択図】図1

Description

本発明は、回動可能に軸支されたブームを備えたクレーンに関する。
従来、移動式クレーンとして、クレーン本体と、ブームと、を備えたものが知られている。ブームはクレーン本体の前部に回動可能に取り付けられる。
特許文献1には、このようなブームを備えたクレーンが開示されている。ブームは、複数の構造体からなり、クレーン本体に軸支される下部ブームを含む。下部ブームに、複数の中間ブームが連結されることで、長尺のブームが構成される。
特開2007−284167号公報
上記のようなクレーンでは、クレーン本体に下部ブームのみが取り付けられた状態で、クレーンが保管される場合がある。この場合、下部ブームが地面に沿うような姿勢とされると、クレーンの保管スペースが増大されるため、下部ブームが起立されることが望ましい。この際、ブーム全体と比較して軽量な下部ブームが大きく起立されると、作業が再開される際に、軸支部の摩擦などによって下部ブームが倒伏できないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、組立分解途中での保管準備が容易に実現されるとともに、保管スペースが縮小可能とされるクレーンを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係るクレーンは、軸支部を備えるクレーン本体と、前記クレーン本体の前記軸支部に回動可能に支持される下部ブームを含むブームと、前記ブームに接続されるブーム起伏用ロープと、前記ブーム起伏用ロープを巻き取ることで前記ブームを起伏させるブーム起伏用ウインチと、前記ブーム起伏用ウインチを制御する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部は、前記ブームが前記クレーン本体に装着された状態において、予め設定された第1の対地角以下の範囲で前記ブームを起伏させる作業モードと、前記下部ブームを含む前記ブームの一部のみが前記クレーン本体に装着された状態において、予め前記第1の対地角よりも小さく設定され、かつ、前記ブーム起伏用ロープが繰り出された際に前記ブームの一部が自重によって倒伏し始めることが可能な第2の対地角以下の範囲で前記ブームの一部を起伏させ、前記ブームの一部の対地角が前記第2の対地角を超えることを禁止する駐機モードと、を備えることを特徴とする。
本構成によれば、クレーンの駆動制御部が、作業モードと駐機モードとを備える。作業モードでは、予め設定された第1の対地角以下の範囲でブームが起伏する。一方、駐機モードでは、下部ブームを含むブームの一部が第1の対地角よりも小さな第2の対地角以下の範囲で起伏する。このため、駐機モードにおいてブームの一部が過剰に起立されることが抑止される。また、ブーム起伏用ロープが繰り出された際にブームの一部が自重によって倒伏し始めることが可能とされ、組立または分解作業途中でもクレーンを安定して保管することができる。
上記の構成において、前記作業モードおよび前記駐機モードの実行中に所定の条件が満たされた場合に、前記ブームまたは前記ブームの一部の起伏動作を禁止する安全装置を更に有し、前記駆動制御部は、前記作業モードおよび前記駐機モードに加え、前記クレーン本体に対する前記ブームの組立および分解を可能とする組立分解モードを更に備え、当該組立分解モードにおいて前記安全装置を制御して前記ブームの起伏動作の制限を解除することが望ましい。
本構成によれば、クレーンの分解組立作業時には、組立分解モードが実行される。この際、安全装置によるブームの起伏動作の制限が解除されるため、作業モードと異なるようなブームの起伏が可能とされる。一方、作業モードおよび駐機モードでは、安全装置によるブームの起伏動作が制限されているため、作業者が、駐機モードへの移行時に安全装置の制限を解除する必要が抑止される。
上記の構成において、前記ブーム起伏用ロープの張力を検出する張力検出部と、前記ブームの対地角を検出する角度検出部と、を更に有し、前記駆動制御部は、前記張力検出部および前記角度検出部の検出結果に基づいて前記クレーン本体に前記ブームの一部のみが装着されていると判定し、前記作業モードから前記駐機モードに移行することが望ましい。
本構成によれば、クレーンの保管作業に際して、張力検出部および角度検出部の検出結果に基づいて、駐機モードに移行することができる。
上記の構成において、前記ブームの一部の対地角に応じて予め設定された前記ブーム起伏用ロープの張力の上限値を格納する記憶部と、前記角度検出部の検出結果に応じて、前記記憶部から前記ブームの一部の前記対地角に対応した前記張力の上限値を出力する出力部と、を更に有し、前記駆動制御部は、前記張力検出部によって検出された前記張力が前記出力された上限値以下の場合に、前記作業モードから前記駐機モードに移行することが望ましい。
本構成によれば、張力検出部によって検出された張力が出力された上限値以下の場合に、ブームの一部のみがクレーン本体に装着されていると判定され、駐機モードへの移行を実行することができる。
上記の構成において、モード切替スイッチを含む操作部を更に有し、前記駆動制御部は、前記モード切替スイッチの切替動作に応じて、前記作業モードから前記駐機モードに移行することが望ましい。
本構成によれば、クレーンの保管作業に際して、作業者がモード切替スイッチを操作するだけで、駐機モードに移行することができる。
上記の構成において、前記ブームの先端部に回動可能に軸支されるジブと、前記ジブを回動させることで前記ジブを起伏させるジブ起伏ユニットと、を更に有し、前記駆動制御部は、前記駐機モードにおいて、前記ジブ起伏ユニットによる前記ジブの起伏を制限することが望ましい。
本構成によれば、クレーンがジブを備える場合であっても、駐機モードへの移行時に、ジブ起伏ユニットが誤って作動することが防止される。
本発明によれば、組立分解途中での保管準備が容易に実現されるとともに、保管スペースが縮小可能とされるクレーンが提供される。
本発明の一実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンの電気的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいて、下部ブームを含むブームの一部がクレーン本体に装着された様子を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいて、下部ブームを含むブームの一部が起立された状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおけるモード切替のフローチャートである。 本発明の変形実施形態に係るクレーンにおけるモード切替のフローチャートである。 本発明の変形実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の変形実施形態に係るクレーンの側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン1の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本発明に係るクレーン1の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、クレーン1の移動方向や使用態様などを限定するものではない。
クレーン1は、クレーン本体に相当する旋回体10と、この旋回体10を旋回可能に支持し、地面上で走行可能な走行体11と、起伏部材としてのブーム13と、ブーム起伏ユニット13Pと、を備える。また、旋回体10の前端部には、キャブ12が備えられている。キャブ12は、クレーン1の運転席に相当する。キャブ12には、後記の操作部60(図2)が備えられている。キャブ12の近傍には、ブーム13を軸支する不図示の軸支部が備えられている。
図1に示されるブーム13は、いわゆるラチス型であり、下部ブーム13Aと、一または複数(図例では1個)の中間ブーム13Bと、ブーム先端部13Cとから構成される。具体的には、下部ブーム13Aは、旋回体10の前部に備えられた軸支部に起伏方向に回動可能となるように連結される。中間ブーム13Bは、下部ブーム13Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。ブーム先端部13Cは中間ブーム13Bの先端側に着脱可能に継ぎ足される。ブーム13は、下部ブーム13Aの下端部に備えられたブームフット13Sを支点として旋回体10の軸支部に回動可能に軸支(支持)される。また、下部ブーム13Aの後側およびブーム先端部13Cの先端側には、第1シーブ131および第2シーブ132が備えられている。第1シーブ131および第2シーブ132には、後記のとおりロープが掛けられる。なお、本発明ではブームの具体的な構造は上記に限定されない。例えば、当該ブームの中間ブーム13Bの数は、上記とは異なるものでもよい。また、中間ブーム13Bが備えられず、下部ブーム13Aにブーム先端部13Cが直接連結されるものでもよい。
ブーム起伏ユニット13Pは、ブーム13を旋回体10の軸支部回りに回動させることで、ブーム13を起伏させる。ブーム起伏ユニット13Pは、ガントリ14と、ブーム起伏用ウインチ16と、ブーム起伏用ロープ17と、を備える。
ガントリ14は、旋回体10の略中央部から上方かつ後方に向かって立設された支柱である。ガントリ14の先端部には、ガントリシーブ141が備えられている。また、ガントリ14の倒れを抑止するために、ガントリ14の先端部と旋回体10の後端部とは、ガイリンク15によって接続されている。ガイリンク15は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイリンク15は、金属製の線材やロープなどからなる。
ブーム起伏用ロープ17は、下部ブーム13Aに接続される。詳しくは、ブーム起伏用ロープ17は、ブーム起伏用ウインチ16から引き出され、ガントリ14のガントリシーブ141と下部ブーム13Aの先端側に配置された第1シーブ131との間で複数回掛け回される。なお、ガントリシーブ141および第1シーブ131に掛け回された後のブーム起伏用ロープ17の先端部は、ガントリ14の先端部に固定される。
ブーム起伏用ウインチ16は、旋回体10のうちガントリ14の基端部の後側に配置される。ブーム起伏用ウインチ16は、ブーム起伏用ロープ17の巻き取りおよび繰り出しを行うことで、ブーム13をガントリ14に対して相対的に回動させながらブーム13を起伏させる。特に、ブーム起伏用ウインチ16は、ブーム起伏用ロープ17を巻き取ることでブーム13を旋回体10の軸支部回りに起立させ、ブーム起伏用ロープ17を繰り出すことでブーム13を自重によって前記軸支部回りに倒伏させる。
クレーン10は、更に、吊り荷(被吊り上げ体)の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ18を備えている。本実施形態に係るクレーン1では、主巻用ウインチ18は、旋回体10のうちキャブ12の後側に備え付けられている。他の実施形態において、主巻用ウインチ18は、ブーム13の下部ブーム13Aに備え付けられてもよい。
主巻用ウインチ18は、主巻ロープ19による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。主巻用ウインチ18から引き出された主巻用ロープ19の先端部(ロープ先端部19A)には、吊荷用の不図示の主フックが備え付けられる。そして、主巻ロープ19は、ブーム13の先端部の第2シーブ132と、主フックに設けられた不図示のシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ18が主巻ロープ19の巻き取りや繰り出しを行うと、第2シーブ132と主フックのシーブとの間の距離が変わって、ブーム13の先端部から垂下されたロープ先端部19Aに連結された主フックの巻上げ及び巻下げが行われる。なお、同様にして、クレーン1には不図示の補巻用ウインチが備えられ、補巻ロープによる吊り荷の巻上げ及び巻下げを行ってもよい。
更に、図1を参照して、クレーン1は、張力検出部20と、角度検出部21と、を備える。張力検出部20は、下部ブーム13Aの先端側において第1シーブ131の近傍に配置されている。張力検出部20は、ブーム起伏用ロープ17の張力Tを検出する。角度検出部21は、下部ブーム13Aの下端部(ブームフット13S)の近傍に配置されている。角度検出部21は、ブーム13(下部ブーム13A)の対地角θ(ブーム13の長手方向に延びる中心線と水平線とがなす角度)を検出する。
図2は、本実施形態に係るクレーン1の電気的なブロック図である。クレーン1は、更に、制御部50と、操作部60と、安全装置62とを備える。
制御部50は、クレーン1の動作を統括的に制御するもので、制御信号の送受先として、張力検出部20、角度検出部21、操作部60および安全装置62に加え、前述のブーム起伏用ウインチ16、主巻用ウインチ18および走行体11などに電気的に接続されている。なお、制御部50は、クレーン1に備えられたその他のユニットにも電気的に接続されている。
操作部60は、キャブ12(図1)の内部に配置され、クレーン1の作業者によって操作される。本実施形態では、操作部60は、ブーム起伏用ウインチ16および主巻用ウインチ18の操作に用いられる不図示の操作レバーなどを含む。また、操作部60は、スイッチ61を備える。スイッチ61は、後記のとおり、作業者が作業モードを切り替える際に使用される。スイッチ61は、本発明のモード切替スイッチとして機能する。
安全装置62は、後述の作業モードおよび駐機モードにおいて、所定の条件が満たされた場合にブーム13の起伏動作を制限する。このため、安全装置62は、ブーム起伏用ウインチ16に電気的に接続されている。一例として、安全装置62は、ブーム13にかかる負荷が所定の値を超えた場合に、ブーム起伏用ウインチ16によるブーム13の起伏動作を禁止する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、駆動制御部51、出力部52、判定部53および記憶部54を機能的に有するよう動作する。
駆動制御部51は、キャブ12に搭乗した作業者の操作に基づいて、ブーム起伏用ウインチ16や主巻用ウインチ18の巻き取りおよび繰り出しを制御する。また、駆動制御部51は、走行体11を制御してクレーン1の走行を制御する。
また、駆動制御部51は、クレーン1の複数の動作モードを備えている。本実施形態では、駆動制御部51は、作業モード、組立分解モードおよび駐機モードを備えている。作業モードは、クレーン1が通常使用されるためのモードである。作業モードでは、ブーム13が旋回体10に装着された状態において、ブーム13の先端側から垂下された主巻用ロープ19による吊り荷の吊り上げ作業が許容される。組立分解モードは、クレーン1の組立、分解を行うためのモードであり、一例として、旋回体10に対するブーム13の組立および分解が可能とされる。更に、駐機モードは、クレーン1が一時的に保管されるために、所定の保管準備が行われるためのモードである。
記憶部54は、下部ブーム13A(ブームの一部)の対地角θに応じたブーム起伏用ロープ17の張力Tの上限値TLを予め格納している。また、記憶部54は、後述の第1および第2の対地角θをそれぞれ格納している。
出力部52は、角度検出部21が検出したブーム13の一部の対地角θに応じて記憶部54からブーム起伏用ロープ17の張力の上限値TLを出力する。
判定部53は、駆動制御部51の一部として機能し、張力検出部20および角度検出部21の検出結果に基づいて、旋回体10に下部ブーム13Aのみが装着されていることを判定する。特に、判定部53は、張力検出部20によって検出された張力Tが上限値TL以下の場合に、旋回体10に下部ブーム13Aのみが装着されていると判定する。換言すれば、判定部53は、旋回体10にブーム13全体が装着されていないことを判定する。
図3は、本実施形態に係るクレーン1において、下部ブーム13Aがクレーン本体に装着された様子を示す側面図である。図4は、クレーン1において、下部ブーム13Aが起立された状態を示す側面図である。
図1に示されるようなクレーン1の組立時には、図3に示すように、ブーム13のうち下部ブーム13Aが旋回体10に装着される。その後、下部ブーム13Aに順次、中間ブーム13Bおよびブーム先端部13Cが連結される。同様に、クレーン1の分解時には、ブーム13が旋回体10に軸支された状態で、ブーム先端部13Cおよび中間ブーム13Bが順次取り外されることで、図3に示すような状態とされる。このように、旋回体10に下部ブーム13Aのみが取り付けられた状態で、クレーン1の組立、分解作業が中断され、クレーン1が保管されることがある。
この場合、下部ブーム13Aが旋回体10から前方に突出しているため、クレーン1の保管スペースが増大してしまう。このため、図4に示すように、ブーム起伏用ウインチ16の巻き上げによって下部ブーム13Aが起立されることで、クレーン1の保管スペースが縮小されることが望ましい。仮に、通常の作業モードにおいて下部ブーム13Aのみが起立され始めると、主巻用ロープ19の過巻を制限するリミットスイッチ(不図示)などが未だ装着されていないため、所定のエラーが発生し、クレーン1(ブーム起伏用ウインチ16)の動作が自動的に停止されてしまう。この場合、作業者によってリミットスイッチの検知を停止させる解除作業が必要となる。また、保管後の作業再開時に、リミットスイッチの検知を再開させる作業が忘れられると、作業が効率的に再開できないという問題があった。
また、リミットスイッチの検知が解除された後、下部ブーム13Aが起立される際に、下部ブーム13Aの対地角θが大きくなりすぎると、組立分解作業の再開時に、ブーム起伏用ウインチ16の繰り出しによっても下部ブーム13Aが下降しないという不具合が生じやすい。図1に示すようなブーム13が旋回体10に軸支されている場合と比較して、下部ブーム13A単体では、その重量が軽い。このため、下部ブーム13Aの対地角θが大きすぎると、下部ブーム13Aの回転モーメントによる移動力よりも、ブームフット13Sと旋回体10の軸支部との間の摩擦力の方が大きく、下部ブーム13Aが下降しにくくなる。この場合、ブーム起伏用ウインチ16がブーム起伏用ロープ17を繰り出しても、ブーム起伏用ロープ17が弛み、下部ブーム13Aが倒伏しにくい。一例として、図1のようなクレーン1の使用時にはブーム13の対地角θは70°から80°の範囲で使用されるが、図4のクレーン1の保管時には上記の理由から下部ブーム13Aの対地角θは60°以下に設定されることが望ましい。このため、クレーン1の保管に際し、下部ブーム13Aを起立させるためには、作業者が下部ブーム13Aの対地角θを慎重に確認しながら、ブーム起伏用ウインチ16の巻き上げを行う必要がある。
このような課題を解決するために、本実施形態では、クレーン1が駆動制御部51を備えている。図5は、本実施形態に係るクレーン1における駐機モードへのモード切替のフローチャートである。前述のように、駆動制御部51は、作業モード、駐機モードおよび組立分解モードの3つのモードを備えている。なお、クレーン1の組立分解作業では、通常の作業モードとは異なる複雑なクレーン1の操作が求められる。このため、組立分解モードの実行は、キャブ12に搭乗した作業者の意思で、開始されることが望ましい。
駆動制御部51は、作業モードにおいて、主巻用ロープ19による吊り荷の吊り上げ作業を許容するとともに、ブーム13の対地角θの上限値を第1の対地角に設定する。この結果、ブーム13の起伏は、第1の対地角以下の範囲で行われる。本実施形態では、第1の対地角は予め80°に設定されている。一方、駆動制御部51は、下部ブーム13A(ブーム13の一部)のみが旋回体10に装着されている駐機モードにおいて、下部ブーム13Aの起伏を許容するとともに、下部ブーム13Aの対地角θの上限値を上記の第1の対地角よりも小さな第2の対地角に設定する。第2の対地角は、ブーム起伏用ロープ17が繰り出された際に下部ブーム13Aが自重によって倒伏し始めることが可能な角度である。本実施形態では、第2の対地角θは予め60°に設定されている。なお、図5では、第2の対地角θがθLと示されている。
クレーン1の通常状態では、作業モードまたは組立分解モードが実行されている。図5を参照して、クレーン1の保管準備作業が開始されると、駆動制御部51は、現在のモードが作業モードか否かを確認する(図5のステップS01)。クレーン1のモードが組立分解モードである場合(ステップS01でNO)、そのまま作業者の意思でクレーン1の組立分解作業が継続されるため、駆動制御部51による駐機モードへの移行は実行されない(END)。
一方、クレーン1が作業モードであった場合(図5のステップS01でYES)、角度検出部21によってブーム13(下部ブーム13A)の対地角θが検出される(ステップS02)。なお、この段階では、駆動制御部51は、旋回体10にブーム13全体が装着されているか、下部ブーム13Aのみが装着されているかを認識していない。その後、出力部52(図2)は、角度検出部21が検出した対地角θに応じて、記憶部54からブーム起伏用ロープ17の張力の上限値TLを出力する(ステップS03)。次に、判定部53が、張力検出部20によって検出されたブーム起伏用ロープ17の張力Tと、出力部52によって出力された上限値TLとを比較する(ステップS04)。
判定部53は、張力検出部20によって検出されたブーム起伏用ロープ17の張力Tが上限値TL以下の場合に、旋回体10に下部ブーム13Aのみが装着されていると判定する(ステップS04でYES)。この結果、駆動制御部51は、作業モードから駐機モードに移行する(ステップS05)。駐機モードでは、安全のために主巻用ウインチ18の動作が制限され、ブーム起伏用ウインチ16の巻き上げ、繰り出し動作および走行体11の走行が許容される。
一方、判定部53は、張力検出部20によって検出されたブーム起伏用ロープ17の張力Tが上限値TLよりも大きい場合に、旋回体10にブーム13全体が装着されていると判定する(ステップS04でNO)。この場合、駆動制御部51は、作業モードから駐機モードへの移行を許容せず、モード移行制御を終了する(END)。
駆動制御部51によって、作業モードから駐機モードに移行されると(ステップS05)、作業者または駆動制御部51によって、ブーム起伏用ウインチ16が巻き上げられ、下部ブーム13Aが起立される。この際、判定部53は、角度検出部21が検出する対地角θと、予め記憶部54に格納された第2の対地角θLとを比較する(ステップS06)。そして、角度検出部21が検出する対地角θが第2の対地角θL以上となると(ステップS06でYES)、駆動制御部51はブーム起伏用ウインチ16の巻き上げを停止させ、下部ブーム13Aの起立を制限(停止)する(ステップS07)。
以上のように、本実施形態では、クレーン1の駆動制御部51が、作業モードと駐機モードとを備えている。作業モードでは、主巻用ロープ19による吊り荷の吊り上げ作業が実行可能とされる。この際、ブーム13の対地角θは第1の対地角まで許容される。一方、駐機モードでは、下部ブーム13Aの対地角θが第1の対地角よりも小さな第2の対地角に設定される。このため、駐機モードにおいて下部ブーム13Aが過剰に起立されることが抑止される。この結果、クレーン1の保管後、作業の再開時に、下部ブーム13Aを容易に倒伏させることができる。したがって、組立分解途中での保管準備が容易に実現されるとともに、保管スペースが縮小可能とされるクレーン1が提供される。
また、本実施形態では、クレーンの分解組立作業時には、作業者からの入力指示によって、駆動制御部51が組立分解モードを実行する。この際、安全装置62によるブーム13の起伏動作の制限が解除されるため、通常の作業モードと異なるようなブームの起伏が可能とされる。一方、作業モードおよび駐機モードでは、安全装置62によるブーム13の起伏動作が引き続き制限されているため、作業者が、作業モードから駐機モードへの移行時に安全装置62の制限を解除する必要が抑止される。
更に、本実施形態では、クレーン1の保管作業に際して、張力検出部20および角度検出部21の検出結果に基づいて旋回体10に下部ブーム13Aのみが装着されていることが判定され、駐機モードに移行することができる。このため、作業者の経験および感覚に基づいて下部ブーム13Aを起立させる場合と比較して、安全かつ効率的にクレーン1の保管準備が実行される。また、駐機モードでは、ブーム起伏用ウインチ16の巻き上げ、繰り出しに加え、走行体11の走行および旋回体10の旋回が駆動制御部51によって許容される。このため、駐機モードに移行した後、クレーン1の保管のために、旋回体10を移動、旋回させることができる。
以上、本発明の各実施形態に係るクレーン1について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係るクレーンは、所定のクレーン本体とブームとを備えるものであればよい。更に、本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、クレーン1の保管時に、ブーム13の一部として下部ブーム13Aのみが旋回体10に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。クレーン1の保管時に、ブーム13の一部として下部ブーム13Aおよび中間ブーム13Bのみが旋回体10に装着される態様でもよい。また、上記の実施形態では、クレーン1の作業時および保管時のいずれの場合であっても、ブーム起伏用ロープ17が下部ブーム13Aに接続される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態において、クレーム1の作業時に、ブーム起伏用ロープ17はブーム13のうち下部ブーム13Aよりも先端側に接続されてもよい。この場合、クレーム1の保管時には、ブーム13の先端側からブーム起伏用ロープ17が取り外され、下部ブーム13Aに装着されればよい。また、ブーム起伏用ロープ17には、不図示のスプレッダ、ガイリンクなどの接続アタッチメントが装着され、当該接続アタッチメントがブーム13(下部ブーム13A)に接続されてもよい。
(2)また、上記の実施形態では、駆動制御部51が実行するモードとして、作業モード、駐機モードおよび組立分解モードの3つのモードをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。駆動制御部51は、作業モードおよび駐機モードの2つのモードを実行するものでもよい。この場合、図5のフローチャートでは、ステップS01が実行されることなく、ステップS02が開始されればよい。
(3)また、上記の実施形態では、張力検出部20および角度検出部21の検出結果に基づいて、作業モードから駐機モードに移行する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6は、本発明の変形実施形態に係るクレーンにおけるモード切替のフローチャートである。本変形実施形態では、ステップS11において、作業者が操作部60のスイッチ61(駐機モードスイッチ)をONすると、駆動制御部51が作業モードから駐機モードに移行する(ステップS12)。その後、図6のステップS13およびステップ14については、先の実施形態に係る図5のステップS06およびステップS07と同様である。このような構成によれば、駆動制御部51がスイッチ61の切替動作に応じて作業モードから駐機モードに移行するため、作業者の意思によって速やかにモード切替を行うことができる。
(4)また、上記の実施形態では、図1に示されるクレーン1の構造を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図7および図8は、本発明の変形実施形態に係るクレーン1A、1Bの側面図である。図7に示されるクレーン1Aは、先の実施形態に係るクレーン1(図1)と比較して、第1マスト71、第2マスト72、マスト起伏用ロープ73、ガイリンク74およびガイリンク75を備える点で相違する。第1マスト71および第2マスト72は、ブーム13の後方において旋回体10に回動可能に支持されている。第1マスト71の先端部と第2マスト72の先端部とはガイリンク74によって接続されている。また、マスト起伏用ロープ73は、旋回体10の後端部と第1マスト71の先端部との間に複数回掛け回されている。ブーム起伏用ウインチ16がマスト起伏用ロープ73の巻き取り、繰り出しを行うと、第1マスト71および第2マスト72が旋回体10に対して一体的に回動する。この結果、第2マスト72の先端部から延ばされたガイリンク75に接続されたブーム13が回動、起伏する。このような構成においても、下部ブーム13Aのみ(ブーム13の一部)が旋回体10に装着された状態で、ブーム起伏用ウインチ16の巻き取り動作によって、下部ブーム13Aが起立される。この際、駆動制御部51(図2)が本発明に係る駐機モードを実行することで、効率的にクレーン1Aの保管準備を実行することができる。
また、図8に示されるクレーン1Bは、先の実施形態に係るクレーン1(図1)と比較して、ジブ80、リアストラット81、フロントストラット82、ガイリンク83、ジブ起伏用ウインチ84、ジブ起伏用ロープ85を備える点で相違する。ジブ80は、ブーム13の先端部に回動可能に軸支される。リアストラット81およびフロントストラット82は、ジブ80の後方においてブーム13の先端部に回動可能に支持されている。なお、リアストラット81およびフロントストラット82は、ジブ80の基端部に軸支されてもよい。更に、リアストラット81がブーム13に軸支され、フロントストラット82がジブ80に軸支されてもよい。ジブ80の先端部とフロントストラット82の先端部とはガイリンク83によって接続されている。また、ジブ起伏用ウインチ84から引き出されたジブ起伏用ロープ85は、リアストラット81の先端部とフロントストラット82の先端部との間に複数回掛け回されている。ジブ起伏用ウインチ84がジブ起伏用ロープ85の巻き取り、繰り出しを行うと、リアストラット81を支柱として、フロントストラット82およびジブ80が一体的に回動する。この結果、ジブ80が回動、起伏する。このような構成においても、下部ブーム13Aのみ(ブーム13の一部)が旋回体10に装着された状態で、ブーム起伏用ウインチ16の巻き取り動作によって、下部ブーム13Aが起立される。この際、駆動制御部51(図2)が本発明に係る駐機モードを実行することで、効率的にクレーン1Bの保管準備を実行することができる。なお、リアストラット81、フロントストラット82、ガイリンク83、ジブ起伏用ウインチ84、ジブ起伏用ロープ85は、本発明のジブ起伏ユニット80Pを構成する。ジブ起伏ユニット80Pは、ジブ80を回動させることでジブ80を起伏させる機能を備える。また、本変形実施形態では、駆動制御部51(図2)は、駐機モードにおいてジブ起伏ユニット80Pのジブ起伏用ウインチ84を制御してジブ80の起伏を制限(禁止)することが望ましい。この場合、クレーン1にジブ起伏用ウインチ84が備えられている場合であっても、駐機モードへの移行時にジブ起伏用ウインチ84が誤って作動することが防止される。
1,1A,1B クレーン
10 旋回体(クレーン本体)
11 走行体
12 キャブ
13 ブーム
13A 下部ブーム
13B 中間ブーム
13C ブーム先端部
13P ブーム起伏ユニット
14 ガントリ
15 ガイリンク
16 ブーム起伏用ウインチ
17 ブーム起伏用ロープ
18 主巻用ウインチ
19 主巻用ロープ
20 張力検出部
21 角度検出部
50 制御部
51 駆動制御部
52 出力部
53 判定部
54 記憶部
60 操作部
61 スイッチ(モード切替スイッチ)
62 安全装置
80 ジブ
80P ジブ起伏ユニット

Claims (6)

  1. 軸支部を備えるクレーン本体と、
    前記クレーン本体の前記軸支部に回動可能に支持される下部ブームを含むブームと、
    前記ブームに接続されるブーム起伏用ロープと、
    前記ブーム起伏用ロープを巻き取ることで前記ブームを起伏させるブーム起伏用ウインチと、
    前記ブーム起伏用ウインチを制御する駆動制御部と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、
    前記ブームが前記クレーン本体に装着された状態において、予め設定された第1の対地角以下の範囲で前記ブームを起伏させる作業モードと、
    前記下部ブームを含む前記ブームの一部のみが前記クレーン本体に装着された状態において、予め前記第1の対地角よりも小さく設定され、かつ、前記ブーム起伏用ロープが繰り出された際に前記ブームの一部が自重によって倒伏し始めることが可能な第2の対地角以下の範囲で前記ブームの一部を起伏させ、前記ブームの一部の対地角が前記第2の対地角を超えることを禁止する駐機モードと、を備えることを特徴とするクレーン。
  2. 前記作業モードおよび前記駐機モードの実行中に所定の条件が満たされた場合に、前記ブームまたは前記ブームの一部の起伏動作を禁止する安全装置を更に有し、
    前記駆動制御部は、前記作業モードおよび前記駐機モードに加え、前記クレーン本体に対する前記ブームの組立および分解を可能とする組立分解モードを更に備え、当該組立分解モードにおいて前記安全装置を制御して前記ブームの起伏動作の制限を解除することを特徴とする請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記ブーム起伏用ロープの張力を検出する張力検出部と、
    前記ブームの対地角を検出する角度検出部と、
    を更に有し、
    前記駆動制御部は、前記張力検出部および前記角度検出部の検出結果に基づいて前記クレーン本体に前記ブームの一部のみが装着されていると判定し、前記作業モードから前記駐機モードに移行することを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン。
  4. 前記ブームの一部の対地角に応じて予め設定された前記ブーム起伏用ロープの張力の上限値を格納する記憶部と、
    前記角度検出部の検出結果に応じて、前記記憶部から前記ブームの一部の前記対地角に対応した前記張力の上限値を出力する出力部と、
    を更に有し、
    前記駆動制御部は、前記張力検出部によって検出された前記張力が前記出力された上限値以下の場合に、前記作業モードから前記駐機モードに移行することを特徴とする請求項3に記載のクレーン。
  5. モード切替スイッチを含む操作部を更に有し、
    前記駆動制御部は、前記モード切替スイッチの切替動作に応じて、前記作業モードから前記駐機モードに移行することを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン。
  6. 前記ブームの先端部に回動可能に軸支されるジブと、
    前記ジブを回動させることで前記ジブを起伏させるジブ起伏ユニットと、
    を更に有し、
    前記駆動制御部は、前記駐機モードにおいて、前記ジブ起伏ユニットによる前記ジブの起伏を禁止することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のクレーン。
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