JP2017178683A - 水素供給装置及び水素供給方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば二酸化炭素を水素化して蟻酸又はメタノール等として輸送又は貯蔵する技術が提案されている。蟻酸は、二酸化炭素の水素化反応で得られ、水素化後の蟻酸の脱水素反応で水素生成しやすい点から、水素貯蔵用材料として注目されている。
<1> 蟻酸が供給され、触媒を用いた蟻酸の分解反応により水素生成し外部へ水素を供給する、少なくとも2つの水素生成手段と、前記水素生成手段のそれぞれに配置され、水素生成手段を加熱する加熱手段と、前記水素生成手段の少なくとも2つを連通し、かつ、水素供給を終了した水素生成手段における前記水素を含む水素含有ガス及び前記触媒を含む触媒含有液を、前記水素供給を終了した水素生成手段から該水素生成手段以外の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する移送配管と、を備えた水素供給装置である。
<2> 前記水素生成手段として、少なくとも、第1の水素生成手段、及び第2の水素生成手段を備え、前記移送配管の少なくとも一つが、開閉弁を有し、かつ、前記第1の水素生成手段及び前記第2の水素生成手段の間を連通していることが好ましい。
<3> 前記水素生成手段として、少なくとも、第1の水素生成手段、第2の水素生成手段、及び第3の水素生成手段を備え、かつ、更に、
開閉弁を有し、かつ、前記第1の水素生成手段及び前記第2の水素生成手段の間を連通し、前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する第1の移送配管と、開閉弁を有し、かつ、前記第2の水素生成手段及び前記第3の水素生成手段の間を連通し、前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する第2の移送配管と、開閉弁を有し、かつ、前記第3の水素生成手段と、前記第2の水素生成手段及び前記第3の水素生成手段とは異なる水素生成手段(例えば前記第1の水素生成手段)との間で連通し、前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する第3の移送配管と、を備えていることが好ましい。
これにより、急激な温度上昇を抑えつつ、3つ以上の水素生成手段のいずれか1つにおいて輪番で蟻酸を分解反応させて水素を生成、供給し、かつ、他の2つの水素生成手段間では、一方の水素生成手段内に存在する水素含有ガス及び触媒含有液を他方の水素生成手段へ移送して有効に利用することができる。
水素生成手段としては、第1の水素生成手段、第2の水素生成手段、及び第3の水素生成手段に加え、さらに1つ以上の水素生成手段を備えてもよい。
<4> 前記第1の水素生成手段で前記水素供給を行う場合、水素供給終了後の、前記第1の水素生成手段及び前記第2の水素生成手段とは異なる水素生成手段から前記第2の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送して分解反応を開始し、かつ、前記第2の水素生成手段で前記水素供給を開始し、
前記第2の水素生成手段で前記水素供給を行う場合、前記第1の水素生成手段での水素供給終了後に、前記第1の水素生成手段から前記第3の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送して分解反応を開始し、かつ、前記第3の水素生成手段で前記水素供給を開始することが好ましい。
このように、水素含有ガス及び触媒含有液を、水素含有ガスを触媒含有液と接触させて移送することにより、水素の移送に伴う急激な温度上昇を抑えつつ、蟻酸の分解反応で水素を生成した水素生成手段における残存の水素含有ガス及び触媒含有液を他の水素生成手段において有効に利用することができる。
<5> 前記移送配管の一端は、前記水素含有ガス及び前記触媒含有液が移送される水素生成手段の底部に接続されていることが好ましい。
水素含有ガス及び触媒含有液(好ましくは、水素と二酸化炭素を含む水素含有ガス及び触媒と水を含む触媒含有液)を移送する移送配管が、水素含有ガス及び触媒含有液が移送される水素生成手段の底部において接続された構造であると、水素含有ガス及び触媒含有液を、水素含有ガスを触媒含有液中にバブリングさせながら水素生成手段へ移送することができ、攪拌効果を与えることができる。更に、発熱の原因となる水素を含む気相の、液相との熱交換時間も確保され、著しい温度上昇を抑えるのに有効である。
<6> 前記移送配管は、水素生成手段の側部の内壁に沿った方向に少なくとも前記水素含有ガス及び前記触媒含有液を流出することにより、前記水素含有ガス及び前記触媒含有液を水素生成手段に供給することが好ましい。
移送配管によって、移送される水素含有ガス及び触媒含有液(好ましくは、水素と二酸化炭素を含む水素含有ガス及び触媒と水を含む触媒含有液)が水素生成手段の側部の内壁に沿った方向に向けて供給されるので、旋回流が生じ、攪拌効果を与え、急激な温度上昇に対する低減効果が高い。更に、発熱の原因となる水素が含まれる気相の液相との熱交換時間も確保され、著しい温度上昇を抑えるのに有効である。
<7> 少なくとも前記触媒が移送される水素生成手段の内部の、移送後の温度を85℃以下の範囲にすることができる。
<8> 第1の水素生成手段に蟻酸を供給し、触媒を用いて蟻酸を分解反応させて水素生成し外部へ水素を供給する水素供給工程を少なくとも有し、前記水素供給工程を終了した前記第1の水素生成手段における前記水素を含む水素含有ガス及び前記触媒を含む触媒含有液を、前記水素供給工程を終了した水素生成手段から前記第1の水素生成手段に連通された第2の水素生成手段へ、前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する水素供給方法である。
また、第2の発明では、例えば蟻酸量に見合う反応を終了した水素生成手段以外の、水素生成の開始を予定している水素生成手段において、反応を終了した水素生成手段内に存在する水素及び二酸化炭素等の気体を無駄に廃棄せず、水素の有効利用及び触媒の継続使用が可能である。
<9> 前記水素生成工程として、第1の水素生成手段に蟻酸を供給し、触媒を用いて蟻酸を分解反応させて水素生成し外部へ水素を供給する第1の水素生成工程と、第2の水素生成手段に蟻酸を供給し、触媒を用いて蟻酸を分解反応させて水素生成し外部へ水素を供給する第2の水素生成工程と、第3の水素生成手段に蟻酸を供給し、触媒を用いて蟻酸を分解反応させて水素生成し外部へ水素を供給する第3の水素生成工程と、を少なくとも有し、
前記第1の水素供給工程を開始した後、水素供給工程終了後の、前記第1の水素生成手段及び前記第2の水素生成手段とは異なる水素生成手段から前記第2の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送して分解反応を開始し、かつ、前記第2の水素生成工程を開始し、
前記第2の水素生成工程を開始した後、前記第1の水素供給工程終了後に、前記第1の水素生成手段から前記第3の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送して分解反応を開始し、かつ、前記第3の水素生成工程を開始することが好ましい。
これにより、水素の移送に伴う急激な温度上昇を抑えつつ、蟻酸の分解反応で水素を生成した水素生成手段における残存の水素等及び触媒を他の水素生成工程において有効に利用することができる。
なお、高圧水素とは、常温(35℃)下、圧力が10MPa以上である圧縮水素ガスのことをいう。
本発明の水素供給装置の第1実施形態を図1〜図4を参照して説明する。第1実施形態の水素供給装置は、蟻酸から水素を生成する水素生成手段として2つの反応槽を備え、2つの反応槽の1つにおいて輪番で水素を生成し供給するものである。
HCOOH → CO2 + H2
また、蟻酸の分解反応には、下記の脱水反応が競争反応として生じる場合があるが、上記の脱炭酸反応が優先的に進行するように触媒(例えば、非特許文献1に例示されている触媒)を選定し、加熱下及び触媒の存在下にて反応させるようになっている。
HCOOH → CO + H2O
本実施形態では、反応槽22、24のそれぞれに加熱手段であるヒータユニット12、14が取り付けられており、各反応槽の円筒形の側部曲面から加熱可能とされている。
反応槽の加熱温度は、熱電対を反応槽内に挿入し、測定対象である液相に接触させて測定することができる。
本実施形態のヒータユニットとしては、ブロックヒーターが用いられており、円筒形の反応槽の周囲全体を加熱して反応温度を安定的に保持することができる。ヒータユニットとしては、上記のほか、リボンヒーター、燃料電池の排熱、ガスバーナー等を使用してもよい。
閾値は、水素を高圧水素として外部に供給し得る圧力であればよく、20MPa以上とすることができ、80MPa以上が好適である。
上記とは逆に、水素排出管40内のガス圧力が閾値を下回った場合は、外部へ供給可能な高圧水素の量、すなわち反応槽で生成される水素の量が低減しているため、開閉弁を閉状態としてもよい。そして、例えば反応槽を切り替えて継続的に高圧水素が生成され、水素排出管40内のガス圧力が再び閾値を超えた場合は、開閉弁を開状態とし、高圧水素の外部への供給量を増やすことができる。
二酸化炭素の分離手段としては、例えば、水素を選択的に分離する水素分離膜、吸着剤、冷却等を用いてもよい。
図1に示すように、反応槽22の周囲を取り囲むヒータユニット12で反応槽22を加熱し、触媒作用を利用して蟻酸の分解反応を行わせる。この際、バルブV2は開状態にされ、他のバルブV4、V5は閉状態とされている。反応槽22で水素が生成されると、生成水素は、水素供給配管32を通じて共通配管30に送られ、さらに水素排出管40内を流通する。水素は、同時に生成される二酸化炭素を含む混合ガスとして流通する。図示しないが、水素排出管40が開閉弁を備えている場合、開閉弁は閉状態とされるので、反応槽22及び流量調整弁間における水素圧は上昇し、水素排出管40内における水素圧が予め定められた閾値(例えば80MPa)を超えた場合、高圧水素が充満した状態といえるので、開閉弁を開として高圧水素を外部へ供給する。
さらに、本実施形態では、水素含有ガス及び触媒含有液を反応槽24に流出するにあたり、水素含有ガス及び触媒含有液を図3に示すように流出し、バブリングしながら旋回流をつくって撹拌しながら収容されるので、各成分が互いに接触する時間を長く確保されるようになっている。したがって、水素含有ガスの反応槽24への移送に伴う温度上昇が効果的に抑制されている。
なお、移送される側の反応槽24における底部とは、上記目的を達成するのに十分な深度より深い場所、具体的には、気相部の移送が始まった際に移送配管の移送先側の一端が少なくとも液相の液面よりも下の位置、すなわち液相に浸漬する位置が好ましい。
<システム仕様>
・水素供給圧力:80MPa
・蟻酸濃度:15mol/L
・触媒濃度:2.0mmol/L(反応初期における値)
・ヒータユニット:電気式、80℃ (ガス式ないしは燃料電池の排熱も可)
・容器容量:1000ml(高さ100mm)
・周囲温度:室温(30℃)
・反応槽形状:円筒
このように、触媒等が移送された反応槽における温度が85℃以下に抑えられていることが好ましい。移送後の反応槽の内部の温度が85℃以下であると、安全性が高く、高圧水素の継続的な供給に好適である。移送後の反応槽の内部の温度は、蟻酸の脱炭酸反応に影響を来たさない範囲であれば低いほど良く、更には80℃以下がより好ましい。
上記した反応槽22と同様に、反応槽24の周囲を取り囲むヒータユニット14で反応槽24を加熱し、触媒作用を利用して水素生成及び水素供給を行う。この際、バルブV4は開状態にされ、他のバルブV2、V5(及び必要により水素排出管40に設けられた開閉弁)は閉状態とされる。反応槽24で水素生成されると、生成した水素は、水素供給配管34を通じて共通配管30に送られ、さらに水素排出管40内を流通する。上記の通り、水素排出管40が開閉弁(不図示)を備える場合は、開閉弁は閉状態とされるので、反応槽24及び開閉弁間における水素圧は上昇する。水素排出管40内における水素圧が予め定められた閾値(例えば80MPa)を超えた場合、高圧水素が充満した状態といえるので、開閉弁を開とし、高圧水素を外部へ供給する。
反応槽22への移送の際、図2及び図3と同様に、初めに触媒含有液を反応槽22の側部曲面の内壁面(内周面)に沿った方向に流出して収容しておき、その後、収容されている触媒含有液中に水素含有ガスをバブリングさせながら流出する。これにより、水素を含む水素含有ガスを移送する際にジュールトムソン効果で生じやすい反応槽22における急激な温度上昇が抑制され、高圧水素の生成、供給を安全に継続することができる。
さらに、本実施形態では、水素含有ガス及び触媒含有液を反応槽22に流出するにあたり、水素含有ガス及び触媒含有液を図3に示すように流出し、バブリングしながら旋回流をつくって撹拌しながら収容されるので、各成分が互いに接触する時間を長く確保されるようになっている。したがって、水素含有ガスの反応槽22への移送に伴う温度上昇が効果的に抑制されている。
本発明の水素供給装置の第2実施形態を図5〜図6を参照して説明する。第2実施形態の水素供給装置は、蟻酸から水素を生成する水素生成手段として3つの反応槽を備え、3つの反応槽の1つにおいて輪番で水素を生成し供給するものである。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
反応槽の加熱温度及び測定方法については、第1実施形態と同様である。
ヒータユニット16は、ヒータユニット12、14と同様に、円筒形の反応槽26の側部曲面の周囲を取り囲むように取り付けられており、反応槽26の周囲全体が加熱されるようになっている。
また、円筒形の反応槽24の底部には、第2の移送配管38の一端が接続され、他端は反応槽26の底部に接続されている。第2の移送配管38により、反応槽24と反応槽26とは互いに連通されている。
水素排出管40は開閉弁を備えていてもよく、開閉弁を備える場合の詳細については、第1実施形態と同様である。
以下、図6を参照し、反応槽26で高圧水素を生成するフェーズ1の終了状態から、フェーズ2→フェーズ3→フェーズ1の順に輪番で高圧水素を生成する動作を説明する。
ここで、反応槽22における、水素生成速度の低下、又は水素生成開始から一定時間経過したことを条件として、高圧水素を生成する反応槽の切り替えにそなえ、図5に示すバルブV7を開状態にし、既に高圧水素の生成を終了して停止している反応槽26から待機槽である反応槽24へ水素含有ガス及び触媒含有液を移送する。移送終了後は、バルブV7を閉状態とする。
なお、蟻酸の分解反応に用いられる触媒の詳細は、第1実施形態と同義であり、好ましい態様も同様である。
ここで、反応槽24における、水素生成速度の低下、又は水素生成開始から一定時間経過したことを条件として、高圧水素を生成する反応槽の切り替えにそなえ、バルブV3を開状態にし、既に高圧水素の生成を終了して停止している反応槽22から待機槽である反応槽26へ触媒等を移送する。移送終了後は、バルブV3を閉状態とする。
ここで、反応槽26における、水素生成速度の低下、又は水素の生成開始から一定時間経過したことを条件として、高圧水素を生成する反応槽の切り替えにそなえ、バルブV5を開状態にし、既に高圧水素の生成を終了して停止している反応槽24から待機槽である反応槽22へ触媒等を移送する。移送終了後は、バルブV5を閉状態とする。
22、24、26・・・反応槽(水素生成手段)
33、35、38・・・移送配管
100、200・・・水素供給装置
V2〜V7・・・開閉弁
Claims (6)
- 蟻酸が供給され、触媒を用いた蟻酸の分解反応により水素生成し外部へ水素を供給する、少なくとも2つの水素生成手段と、
前記水素生成手段のそれぞれに配置され、水素生成手段を加熱する加熱手段と、
前記水素生成手段の少なくとも2つを連通し、かつ、水素供給を終了した水素生成手段における前記水素を含む水素含有ガス及び前記触媒を含む触媒含有液を、前記水素供給を終了した水素生成手段から該水素生成手段以外の水素生成手段へ前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する移送配管と、
を備えた水素供給装置。 - 前記水素生成手段として、少なくとも第1の水素生成手段及び第2の水素生成手段を備え、前記移送配管の少なくとも一つは、開閉弁を有し、かつ、前記第1の水素生成手段及び前記第2の水素生成手段の間を連通する請求項1に記載の水素供給装置。
- 前記移送配管の一端は、前記水素含有ガス及び前記触媒含有液が移送される水素生成手段の底部に接続されている請求項1又は請求項2に記載の水素供給装置。
- 前記移送配管は、水素生成手段の側部の内壁に沿った方向に少なくとも前記水素含有ガス及び前記触媒含有液を流出することにより、前記水素含有ガス及び前記触媒含有液を水素生成手段に供給する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水素供給装置。
- 前記水素含有ガス及び前記触媒含有液が移送される水素生成手段の内部の、前記移送後の温度が85℃以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水素供給装置。
- 第1の水素生成手段に蟻酸を供給し、触媒を用いて蟻酸を分解反応させて水素生成し外部へ水素を供給する水素供給工程を少なくとも有し、
前記水素供給工程を終了した前記第1の水素生成手段における前記水素を含む水素含有ガス及び前記触媒を含む触媒含有液を、前記水素供給工程を終了した水素生成手段から前記第1の水素生成手段に連通された第2の水素生成手段へ、前記水素含有ガスを前記触媒含有液と接触させて移送する水素供給方法。
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