JP2017179633A - 抗菌性撥水布帛、それを用いてなる雨具及び衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】水に濡れた後に乾燥させずに放置しても、生乾き臭の発生を長期間抑制し、耐久性に優れた撥水性を有する抗菌性撥水布帛を提供する。【解決手段】JIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後のモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯20回後のJIS L 1092:2009 7.2に基づく撥水性が2級以上であることを特徴とする、抗菌性撥水布帛である。【選択図】なし
Description
本発明は、耐久性に優れた撥水性を有し、生乾き臭の発生を長期間抑制し得る抗菌性撥水布帛、並びに、それを用いてなる雨具及び衣服に関する。
近年、臭いに対する関心が高まっているなか、住宅環境又はライフスタイルの変化により、洗濯後の衣料などを部屋干し乾燥する機会が増えている。しかし、衣料などを部屋干しした場合は、いわゆる部屋干し臭と呼ばれる生乾き臭が発生することが多く、その改善が求められている。また、傘又はレインコートなどの雨具、ウインドブレーカーなどの衣料においても、実使用後(例えば、水に濡れた環境下での使用後)に、乾燥させずに濡れたままの状態で放置していると、生乾き臭が発生する問題がある。特に、突然ゲリラ豪雨に見舞われた後に高温環境となるような天候変化の激しい夏場に使用される、晴雨兼用傘又はスポーツウェアなどにおいては、生乾き臭の問題は深刻である。
こうした現状に対して、衣料に対して抗菌剤又は消臭剤等を付与し、臭いを抑制する方法が様々に検討されている。例えば特許文献1では、洗濯し脱水した後の繊維製品に対して、特定の抗菌剤をスプレーで噴霧し接触させることで、生乾き臭を抑制する手法が提案されている。
しかしながら、特許文献1では、洗濯のたびに抗菌剤をスプレー噴射しなければならず、手間がかかるばかりか、抗菌性を維持することが困難である。そこで、特許文献2では、撥水剤が付与された繊維布帛に対し、マイクロカプセル化した光触媒半導体をコーティングすることで、耐久性のある消臭性、抗菌性、又は抗カビ性、並びに撥水性を発現させている。しかし、特許文献2においては、生乾き臭の抑制に関しては全く検討されていない。
特許文献3では、吸水速乾性に優れる織編物に対し、金属組成物を含む抗菌剤を付与することで洗濯乾燥性を向上させ、生乾き臭又は汗臭を抑制し得る衣料用織編地が得られている。しかしながら、特許文献3には吸水速乾による乾燥性の高い織編物についての技術が記載されているのみであり、耐久性に優れる撥水性と生乾き臭に対する防臭性とを同時に向上させようとすることについては何ら検討されていない。
また、特許文献4では、材料部品に光触媒を使用した傘が記載されている。特許文献5には合成樹脂多層フィルムシートを使用した晴雨兼用傘が提案されている。しかし特許文献4又は5の技術を用いたとしても、耐久性に優れた撥水性と生乾き臭に対する防臭性との何れもが、同時に向上された布帛を得ることは困難である。
本発明は、このような現状に鑑み、耐久性に優れた撥水性と、抗菌性に優れることによる生乾き臭抑制との何れも達成し得る布帛を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、家庭洗濯10回後のJIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、モラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつ家庭洗濯20回後における撥水性が2級以上である布帛は、耐久性のある撥水性、及び抗菌性に優れ、水に塗れたまま乾燥させずに放置しても生乾き臭の発生を長期間抑制し得るものであることを初めて見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(10)を要旨とする。
(1)抗菌性撥水布帛であって、JIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(A)で算出されたモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯20回後のJIS L 1092:2009 7.2に基づく撥水性が2級以上であることを特徴とする、抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
(2)JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(B)で算出された殺菌活性値が2.5以上である、(1)の抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、前記抗菌性撥水布帛が傘地として用いられた傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置するという雨水曝露及び放置を1サイクルとして、この操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製されたものである。
(1)抗菌性撥水布帛であって、JIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(A)で算出されたモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯20回後のJIS L 1092:2009 7.2に基づく撥水性が2級以上であることを特徴とする、抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
(2)JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(B)で算出された殺菌活性値が2.5以上である、(1)の抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、前記抗菌性撥水布帛が傘地として用いられた傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置するという雨水曝露及び放置を1サイクルとして、この操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製されたものである。
(3)基布の少なくとも片面に、抗菌剤を含有する抗菌層と、撥水剤を含有する撥水層とがこの順に形成されてなる、(1)又は(2)の抗菌性撥水布帛。
(4)基布の少なくとも片面に、抗菌剤及び撥水剤を含有する抗菌撥水層が形成されてなる、(1)又は(2)の抗菌性撥水布帛。
(4)基布の少なくとも片面に、抗菌剤及び撥水剤を含有する抗菌撥水層が形成されてなる、(1)又は(2)の抗菌性撥水布帛。
(5)前記撥水剤が、炭素数6以下のフルオロアルキルアクリレート基を有するフッ素系撥水剤である、(3)又は(4)の抗菌性撥水布帛。
(6)前記撥水層又は前記抗菌撥水層に、トリアジン化合物及び/又はブロックイソシアネート系架橋剤が含有されている、(3)〜(5)の何れかの抗菌性撥水布帛。
(6)前記撥水層又は前記抗菌撥水層に、トリアジン化合物及び/又はブロックイソシアネート系架橋剤が含有されている、(3)〜(5)の何れかの抗菌性撥水布帛。
(7)前記抗菌剤が、有機窒素系化合物、無機系酸化物及びピリジン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種である、(3)〜(6)の何れかの抗菌性撥水布帛。
(8)前記基布が、構成繊維としてポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維を50質量%以上含むものである、(3)〜(7)の何れかの抗菌性撥水布帛。
(8)前記基布が、構成繊維としてポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維を50質量%以上含むものである、(3)〜(7)の何れかの抗菌性撥水布帛。
(9)(1)〜(8)の何れかの抗菌性撥水布帛を用いてなる、雨具。
(10)(1)〜(8)の何れかの抗菌性撥水布帛を用いてなる、衣服。
(10)(1)〜(8)の何れかの抗菌性撥水布帛を用いてなる、衣服。
本発明の抗菌性撥水布帛は、生乾き臭の原因菌であるモラクセラ菌に対して有効な抗菌剤を用いているため、生乾き臭の原因物質であると言われている4−メチル−3−ヘキセン酸の発生を抑制することができ、その結果、生乾き臭を抑制することができる。さらに、こうした抗菌剤は、一般的な菌に対する殺菌性をも有しているため、様々な臭い発生の抑制に関しても有効である。さらに、本発明の抗菌性撥水布帛は撥水性の耐久性に優れているため、例えば雨具又は衣料などに用いられた際に、降雨若しくは降雪時などにおける使用後又は洗濯後に、簡単に水滴を払うことが可能であり、基布への水の浸透が抑制できる。そのため、例えば、塗れたまま乾燥せずに放置した場合、又は洗濯後に部屋干しした場合であっても、生乾き臭の抑制効果に顕著に優れるという相乗効果が奏される。
以下、本発明について詳細に説明する。
[第一の抗菌性撥水布帛]
本発明の第一の態様(第一の抗菌性撥水布帛)は、基布の少なくとも片面に、抗菌剤を含有する抗菌層と、撥水剤を含有する撥水層とがこの順に形成されてなるものである。
[第一の抗菌性撥水布帛]
本発明の第一の態様(第一の抗菌性撥水布帛)は、基布の少なくとも片面に、抗菌剤を含有する抗菌層と、撥水剤を含有する撥水層とがこの順に形成されてなるものである。
(基布)
基布を構成する繊維としては、例えば、綿、麻、羊毛、カシミア、絹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、ハイウェットモジュラスレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなどの再生繊維、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染ポリエステル、ポリ乳酸などのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル、又はモダクリル(登録商標:カネカロン)などのアクリル繊維が挙げられる。これらの繊維を単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。なかでも、例えば雨具のように水に曝される環境下で用いられる用途に鑑みると、耐久性に優れる撥水性の観点から、ポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維(例えば、ポリエステル若しくはポリアミドからなるマルチフィラメント、又はポリエステル若しくはポリアミド短繊維を含む紡績糸)を主たる構成繊維として含むことが好ましい。具体的には、基布中におけるポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の合計が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
基布を構成する繊維としては、例えば、綿、麻、羊毛、カシミア、絹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、ハイウェットモジュラスレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなどの再生繊維、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染ポリエステル、ポリ乳酸などのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル、又はモダクリル(登録商標:カネカロン)などのアクリル繊維が挙げられる。これらの繊維を単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。なかでも、例えば雨具のように水に曝される環境下で用いられる用途に鑑みると、耐久性に優れる撥水性の観点から、ポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維(例えば、ポリエステル若しくはポリアミドからなるマルチフィラメント、又はポリエステル若しくはポリアミド短繊維を含む紡績糸)を主たる構成繊維として含むことが好ましい。具体的には、基布中におけるポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の合計が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
基布の形態は特に限定されず、例えば、織物、編物、又は不織布などが採用できるが、なかでも撥水性により優れる観点から、織物であることが好ましい。織物であった場合、その組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織などの三原組織及びその変化組織、並びに、経二重織、緯二重織等の片二重組織及び経緯二重織などが挙げられる。特に、水の浸透を十分に抑制する(耐水性を高める)ため、又は撥水性をより高めるために、高密度織物であることが好ましい。
基布が織物であった場合、高密度織物であることの指標としては、例えばカバーファクター(CF)が1500以上3000以下であることが好ましい。織物のCFが1500以上であると密度の低下を抑制できるため、織物組織の拘束力が強くなり空隙が低減し、撥水性がより向上する。また、CFが3000を超えると、織物は過度に密に詰まってしまい、織物の滑脱抵抗が増加することで引裂強力が低下する場合がある。
なお、織物のカバーファクター(CF)は下記式より求めることができる。
CF=X√D1+Y√D2
X:織物1インチ当りの経糸本数
Y:織物1インチ当りの緯糸本数
D1:織物構成経糸の繊度(dtex)
D2:織物構成緯糸の繊度(dtex)
なお、織物のカバーファクター(CF)は下記式より求めることができる。
CF=X√D1+Y√D2
X:織物1インチ当りの経糸本数
Y:織物1インチ当りの緯糸本数
D1:織物構成経糸の繊度(dtex)
D2:織物構成緯糸の繊度(dtex)
(抗菌層)
抗菌層には抗菌剤が含有される。抗菌剤としては、例えば、有機窒素系化合物、無機化合物、又はピリジン系抗菌剤が挙げられる。
抗菌層には抗菌剤が含有される。抗菌剤としては、例えば、有機窒素系化合物、無機化合物、又はピリジン系抗菌剤が挙げられる。
有機窒素系化合物としては、第4級アンモニウム塩、有機窒素硫黄系化合物、又はフェニールアミド化合物などが挙げられる。なかでも、抗菌性の耐久性の観点から、ポリヘキサメチレングアニジン塩が好ましく、特に、重金属及びハロゲン原子を含まないポリヘキサメチレングアニジン塩が好適である。具体的には、下記一般式(I)で示される構造の有機窒素系化合物が好ましい。
上記式(I)中、nは1以上の整数である。Aは硝酸、蟻酸、酢酸、安息香酸、デヒドロ酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、ソルビン酸、燐酸、フマル酸、マレイン酸、炭酸、硫酸又はパラトルエンスルホン酸である。
上記化学式(I)で示される構造を有する抗菌剤の市販品としては、例えば大和化学工業株式会社製の抗菌剤「AA−2100KII(商品名)」などが知られている。
無機酸化物からなる抗菌剤としては、例えば、両性金属化合物、塩基性金属化合物、又は酸性金属化合物からなるものが挙げられる。両性金属化合物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、又は酸化スズなどが挙げられる。塩基性金属化合物としては、酸化マグネシウム、又は酸化カルシウムなどが挙げられる。そして、酸性金属化合物としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、又は酸化鉄などが挙げられる。なかでも、抗菌性の耐久性に優れる観点から、酸化亜鉛系の抗菌剤が好ましい。無機酸化物からなる抗菌剤の市販品としては、例えば、大和化学工業株式会社製の酸化亜鉛系抗菌剤「アモルデンNAZ−30(商品名)」などが挙げられる。
ピリジン系抗菌剤としては、例えば、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−6トリクロロメチルピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5,−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリンジンチオール−1−オキシドナトリウム、1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニル)ベンゼン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバニン酸メチル、又は5−クロロ−2メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどからなるものが挙げられる。なかでも、抗菌性の耐久性に優れる観点から、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛からなるものが好ましい。
上記した抗菌剤のなかでも、モラクセラ菌に対する抗菌性に優れる観点からは、無機酸化物からなる抗菌剤がさらに好ましく、両性金属化合物からなる抗菌剤が特に好ましく、酸化亜鉛系抗菌剤が最も好ましい。
抗菌層における抗菌剤の含有量(付着量)は、基布100質量%に対し、固形分質量として0.05〜2質量%の範囲が好ましく、0.1〜1質量%の範囲がより好ましい。0.05質量%以上であると抗菌性により優れるものとなる。一方、2質量%以下であると、コスト面で有利であるばかりか、後述の撥水層が均一に形成され易いため撥水性にいっそう優れるものとなる。
抗菌層には、抗菌剤の脱落を抑制するとともに抗菌性の耐久性を向上させるために、抗菌剤とともにバインダー樹脂を含有させることが好ましい。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はシリコーン系樹脂が挙げられる。なかでも、抗菌性の耐久性に優れる観点からアクリル系樹脂が好ましい。抗菌層におけるバインダー樹脂の含有量(付着量)は、基布100質量%に対し、固形分質量として0.1〜5質量%であることが好ましく、0.3〜2質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であると抗菌性の耐久性により優れるものとなる。5質量%以下であると後述の撥水剤の浸透性低下を抑制することができるため、撥水性により優れるものとなる。
抗菌層において、抗菌剤とバインダー樹脂とを併用する場合、抗菌剤とバインダー樹脂との質量比(バインダー樹脂/抗菌剤)は、耐久性に優れる抗菌性と撥水性とのバランスから、0.05〜10であることが好ましく、0.5〜3であることがより好ましい。
抗菌層においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種の添加剤(例えば、浸透剤、柔軟剤、防しわ剤など)が含有されていてもよい。防しわ剤としては、グリオキザール系樹脂又は尿素ホルマリン樹脂が挙げられ、これらの樹脂とともに気層のホルマリン加工などを併用してもよい。柔軟剤としては、例えばアミノ変性シリコーンに代表されるシリコーン系柔軟剤などが挙げられる。特に、抗菌層に浸透剤が含有されていると、抗菌剤の付着性がよくなるため抗菌性により優れるうえ、後述の撥水剤の浸透性がより向上し、初期の撥水性および撥水性の耐久性により優れるものとなるため、好ましい。
(撥水層)
第一の抗菌性撥水布帛においては、上記抗菌層の上に、撥水剤を含有する撥水層が積層されて形成されている。こうした構成により、抗菌性に加えて撥水性にも優れた布帛とすることができる。
第一の抗菌性撥水布帛においては、上記抗菌層の上に、撥水剤を含有する撥水層が積層されて形成されている。こうした構成により、抗菌性に加えて撥水性にも優れた布帛とすることができる。
撥水層に含有される撥水剤としては、例えば、シリコーン系撥水剤又はフッ素系撥水剤などが挙げられる。なかでも、撥水性により優れる観点からは、フッ素系撥水剤が好ましく、炭素数が6以下のフルオロアルキルアクリレート基を有するフッ素系撥水剤がより好ましい。特に、フッ素原子と炭素原子4〜6個が結びついたC4〜6有機フッ素化合物(C4〜C6)を主成分とするフッ素系撥水剤がより好ましく、環境配慮の観点から、パーフルオロヘキサン酸(C6)系撥水剤がさらに好ましく、PFOA(パーフルオロオクタン酸)を実質的に含有しないものが特に好ましい。
PFOAを実質的に含有しないフッ素系撥水剤の市販品としては、例えば、アサヒガードEシリーズ(旭硝子株式会社製)、NKガードSシリーズ(日華化学株式会社製)、ユニダインマルチシリーズ(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。
撥水層における撥水剤の含有量(付着量)は、基布100質量%に対し、固形分質量として0.1〜2質量%であることが好ましく、0.3〜2質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であると撥水性により優れるものとなる。2質量%を超えると、コスト的に不利になるばかりか、風合いが硬くなったり、ガムアップなどが発生して加工性が悪化したりする場合がある。
撥水層には、撥水性の耐久性を向上させるために、架橋剤が含有されていることが好ましい。架橋剤としては、撥水性の耐久性に優れる点から、トリアジン化合物架橋剤(メラミン樹脂系架橋剤)又はブロックイソシアネート架橋剤が好ましい。また、基布の主たる構成繊維がポリエステル繊維又はポリアミド繊維である場合は、繊維との相性がよく撥水性の耐久性により優れることから、トリアジン化合物架橋剤が好ましい。また、基布が構成繊維としてセルロース系繊維を含む場合は、布帛の耐久性の観点から、ブロックイソシアネート系架橋剤が好ましい。
トリアジン化合物としては、下記一般式(II)で示される化合物が挙げられる。
上記式(II)中、R1~R6は何れも−H、−OH、−CH2OH3、−CH2OC2H5、−CH2OH、−CH2CH2OH及び−CH2CH2CH2OHなる群から選ばれる一種である。
ブロックイソシアネート系架橋剤としては、例えば、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物、又はポリイソシアネート化合物が挙げられる。具体的な化合物名としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、又はジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。これらのうち、撥水性の耐久性により優れる観点から、トリイソシアネート化合物がさらに好ましく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリスビュレット変性体のようなヘキサメチレンジイソシアネートの変性物が特に好ましい。架橋剤としてブロックイソシアネート系架橋剤とトリアジン化合物とを併用して含有させると、撥水性の耐久性により優れたものとなる。
撥水層における架橋剤の含有量(付着量)は、基布100質量%に対して、固形分質量として0.01〜1質量%であることが好ましく、0.1〜0.5質量%であることがより好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、撥水性の耐久性と、風合いとのバランスによりいっそう優れるものとなる。
撥水層においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種の添加剤(例えば、浸透剤、柔軟剤、防しわ剤など)が含有されていてもよい。防しわ剤としては、グリオキザール系樹脂又は尿素ホルマリン樹脂が挙げられ、これらの樹脂とともに気層のホルマリン加工などを併用してもよい。柔軟剤としては、例えばアミノ変性シリコーンに代表されるシリコーン系柔軟剤などが挙げられる。特に、撥水層において浸透剤が含有されていると、撥水剤の浸透性が向上し、初期の撥水性および撥水性の耐久性により優れるものとなるため、好ましい。
こうした添加剤を用いる場合、その含有量(合計量)は、基布100質量%に対し固形分質量で0.1〜10質量%の範囲であることが好ましい。この範囲を満足することにより、柔軟剤を用いると、ソフト感に優れ、反発感又はヌメリ感のある風合いが得られる。防しわ剤を用いると、しわが抑制されるのは勿論のこと、ヌメリ感の少ない風合いも得られる。これらの添加剤は必要に応じて併用してもよい。
また、水に曝される環境下での用途(例えば、雨具など)に所望される撥水性及び耐水性をよりいっそう向上させるために、カレンダー処理が施されていてもよい。カレンダー処理としては、加熱された熱スチールロールと、紙製又は樹脂製の対向ロールとの間に織物を通過させる方法が挙げられる。また、同様の理由から、一方の面にラミネート又はコーティングなどが施されていてもよい。コーティング法としては、ナイフコーター等を用い、布帛片面に樹脂をコーティングする方法が挙げられる。
[第二の抗菌性撥水布帛]
本発明の抗菌性撥水布帛の別の態様(第二の抗菌性撥水布帛)について、以下に述べる。第二の抗菌性撥水布帛は、基布の少なくとも片面に、抗菌剤と撥水剤とを含有する抗菌撥水層が形成されてなるものである。
本発明の抗菌性撥水布帛の別の態様(第二の抗菌性撥水布帛)について、以下に述べる。第二の抗菌性撥水布帛は、基布の少なくとも片面に、抗菌剤と撥水剤とを含有する抗菌撥水層が形成されてなるものである。
(基布)
第二の抗菌性撥水布帛において、基布としては、上記第一の抗菌性撥水布帛において用いられるものと同様のものが挙げられる。
第二の抗菌性撥水布帛において、基布としては、上記第一の抗菌性撥水布帛において用いられるものと同様のものが挙げられる。
(抗菌撥水層)
抗菌撥水層に含有される抗菌剤としては、上記第一の抗菌性撥水布帛において記載されたものと同様のものが挙げられ、抗菌剤の含有量(付着量)も同様の範囲とすることができる。また、第一の抗菌性撥水布帛と同様に、抗菌剤とともにバインダー樹脂を使用することができ、バインダー樹脂の含有量(付着量)も、第一の抗菌性撥水布帛と同様の範囲とすることができる。
抗菌撥水層に含有される抗菌剤としては、上記第一の抗菌性撥水布帛において記載されたものと同様のものが挙げられ、抗菌剤の含有量(付着量)も同様の範囲とすることができる。また、第一の抗菌性撥水布帛と同様に、抗菌剤とともにバインダー樹脂を使用することができ、バインダー樹脂の含有量(付着量)も、第一の抗菌性撥水布帛と同様の範囲とすることができる。
抗菌撥水層に含有される撥水剤としては、上記第一の抗菌性撥水布帛において記載されたものと同様のものが挙げられ、撥水剤の含有量(付着量)も同様の範囲とすることができる。また、第一の抗菌性撥水布帛と同様に、撥水剤とともに架橋剤を使用することができ、バインダー樹脂の含有量(付着量)も、第一の抗菌性撥水布帛と同様の範囲とすることができる。
抗菌撥水層においては、上記第一の抗菌性撥水布帛と同様に、各種の添加剤(浸透剤など)が含有されていてもよい。添加剤の含有量(合計量)は第一の抗菌性撥水布帛と同様の範囲とすることができる。
第二の抗菌性撥水布帛においては、上記第一の抗菌性撥水布帛と同様に、カレンダー処理、ラミネート又はコーティングが施されていることが好ましい。
本発明の抗菌性撥水布帛(第一の抗菌性撥水布帛、第二の抗菌性撥水布帛)は、抗菌性及び撥水性の何れにも優れるものである。つまり、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後における、JIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、モラクセラ菌(Moraxella osloensis ATCC 19955)、黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)及び大腸菌(Escherichia coil NBRC 3301)に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯20回後におけるJIS L 1092:2009 7.2に基づく撥水性が2級以上である。
殺菌活性値について以下に述べる。生乾き臭の原因物質は主に4−メチル−3−ヘキセン酸であると推察されており、その原因物質を発生させる源(原因菌)は、主にモラクセラ菌であると推察されている。モラクセラ菌とは、シュードモナス目に分類される真正細菌の属にあたり、グラム陰性球菌である。さらに、モラクセラ菌は、ヒト又は動物の口腔又は上気道などの粘膜に存在する常在菌であり、家庭内の様々な場所にも存在し、洗濯後の衣類などに残存しやすい。このモラクセラ菌に起因する4−メチル−3−ヘキセン酸の発生により、生乾き臭特有の雑巾のような強い臭いが発生する。
本発明の抗菌性撥水布帛は、上記モラクセラ菌の他、黄色ブドウ状球菌、大腸菌に対しても、所定の抗菌性(殺菌活性値が0以上)を示す。そのため、原因菌そのものの発生及び増殖を抑えることにより生乾き臭を抑制できるうえ、通常の抗菌性布帛が有する一般的な抗菌性も兼備する。
本発明の抗菌性撥水布帛においては、抗菌性の評価にあたりJIS L 1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)を採用する。この試験に従って、下記計算式(A)により、各々の菌種について殺菌活性値を算出する。殺菌活性値とは抗菌性の指標となるもので、この値が0未満になると、モラクセラ菌などの繁殖又は増殖を抑制することができず、生乾き臭の発生の可能性が高くなる。なお、上記菌種の全てに対し殺菌活性値を0以上の範囲にするために、例えば、上記したように、好ましい種類の抗菌剤を用いたり、抗菌剤の固着量を特定の範囲としたり、抗菌剤とともにバインダー樹脂を併用したりすることができる。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
なお、標準布帛とは、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛である。
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
なお、標準布帛とは、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛である。
本発明においては、耐久性を確認する指標として家庭洗濯を採用する。この家庭洗濯とは、JIS L 0217 103法(1995)に準拠するものであり、つり干しにより乾燥させるものである
本発明の抗菌性撥水布帛は撥水性の耐久性も優れているため、上記の家庭洗濯20回後の撥水性として2級以上を達成することができる。なお、撥水性は、JIS L 1092:2009 7.2はっ水度試験(スプレー試験)により評価される。
また、生乾き臭抑制効果の持続性(抗菌性の耐久性)を、以下のようにして評価する。すなわち、上記の家庭洗濯を10回繰り返し行った後の、上記抗菌性試験によるモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌の殺菌活性値により評価する。殺菌活性値が0以上の範囲であれば、持続性があると判断する。家庭洗濯10回後においても殺菌活性値が0以上であると、抗菌性の耐久性に優れるものであり、長期の使用にも十分に耐え得るものといえる。
また、本発明の抗菌性撥水布帛は、JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、下記式(B)で計算される殺菌活性値が2.5以上であることが好ましい。この範囲を達成することにより、実使用における抗菌性の持続性により優れるものであるといえる。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、抗菌性撥水布帛が傘地として用いられた傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置するという雨水曝露及び放置を1サイクルとして、この操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製されたものである。
また、接種溶液中の生菌個数は、例えば、1×103〜1×108個であることが好ましい。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、抗菌性撥水布帛が傘地として用いられた傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置するという雨水曝露及び放置を1サイクルとして、この操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製されたものである。
また、接種溶液中の生菌個数は、例えば、1×103〜1×108個であることが好ましい。
上記のような物性(抗菌性及び撥水性、並びにこれらの耐久性)を同時に達成するためには、以下のような手法を採用することができる。つまり、抗菌剤の種類若しくは含有量、撥水剤の種類若しくは含有量、バインダー樹脂の種類若しくは含有量、架橋剤の種類若しくは含有量、基布の構成、又は添加剤の使用などを好ましいものとすることで、顕著に優れた物性を達成することができる。
次に、本発明の抗菌性撥水布帛を製造する方法について説明する。
(第一の製造方法)
第一の抗菌性撥水布帛を製造する方法(第一の製造方法)の一例について、以下に説明する。基布上に、まず抗菌層を形成し(抗菌加工)、次いで撥水層を形成する(撥水加工)。抗菌層の形成方法としては、連続工程法、又は吸尽工程法が挙げられる。連続工程法は、抗菌剤を含有する水分散液中に、又は抗菌剤とバインダー樹脂とを含有する水分散液中に基布を含浸し、絞液後、熱処理する方法である。吸尽工程法とは、抗菌剤を分散させた浴中に基布を投入した状態で熱処理し、繊維内部に抗菌剤、又は抗菌剤とバインダー樹脂を吸尽させる方法である。
(第一の製造方法)
第一の抗菌性撥水布帛を製造する方法(第一の製造方法)の一例について、以下に説明する。基布上に、まず抗菌層を形成し(抗菌加工)、次いで撥水層を形成する(撥水加工)。抗菌層の形成方法としては、連続工程法、又は吸尽工程法が挙げられる。連続工程法は、抗菌剤を含有する水分散液中に、又は抗菌剤とバインダー樹脂とを含有する水分散液中に基布を含浸し、絞液後、熱処理する方法である。吸尽工程法とは、抗菌剤を分散させた浴中に基布を投入した状態で熱処理し、繊維内部に抗菌剤、又は抗菌剤とバインダー樹脂を吸尽させる方法である。
連続工程法においては、通常のパッドドライ法などを用いることができる。基布の含浸後に、例えばマングルなどを用いて絞液するが、絞り率は特に限定されるものではなく、例えば40〜110%の範囲であればよい。また、水分散液には、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種の添加剤を含有させてもよい。例えば、撥水性の悪化に影響しないイソプロピルアルコール等の浸透剤を添加することにより、抗菌剤、及び必要に応じて添加されたバインダー樹脂を、基布に対してより浸透させることができる。
絞液後に熱処理する。熱処理の条件は特に限定されるものではなく、例えば、80〜180℃の温度で1〜10分間行うことができる。熱処理条件をこうした範囲とすると、基布の黄変を抑制することができる。熱処理を行う際には、例えばピンテンターなどの通常の装置を用いることができる。
吸尽工程法は、例えば、抗菌剤を分散させた浴中に基布を投入し、60℃〜135℃で15分〜60分間吸尽させる方法(浴中吸尽処理法)である。この場合、抗菌剤のみを分散させた浴中で吸尽させてもよいし、必要に応じて実行される後工程としての染色工程を簡略化する観点から、抗菌剤と染料とを分散させた浴中にて同時に吸尽させてもよい。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、上記したような抗菌加工の前において、任意の前処理(例えば、精練、漂白、酵素処理、減量又はシルケット加工など)を行ってもよい。
上記抗菌加工の後の基布において、撥水層を形成する(撥水加工)。つまり、撥水剤(特に、フッ素系撥水剤)を含む水分散液、又は撥水剤と架橋剤とを含む水分散液に、抗菌加工後の基布を含浸し、熱処理する。
水分散液には、基布への撥水剤の浸透性や風合い、防しわ性をよりいっそう向上させるために、各種の添加剤(例えば、浸透剤、柔軟剤、又は防しわ剤など)を添加してもよい。特に、浸透剤を添加した場合は、抗菌剤の付着性がよくなるため抗菌性により優れるうえに、撥水剤の浸透性がより向上し初期の撥水性および撥水性の耐久性により優れるものとなるため、好ましい。
撥水加工としては、通常のパッドドライ法などを用いればよい。撥水加工において、含浸後に絞液するが、絞り率は特に限定されるものではなく、例えば、40〜110%であればよい。熱処理条件は特に限定されるものではなく、80〜180℃の温度で1〜10分間行えばよい。熱処理には、例えば、ピンテンターなどの通常の装置を用いることができる。撥水剤としてフッ素系撥水剤を用いた場合は、撥水性の耐久性により優れるために、熱処理としては2段階の熱処理(上記熱処理の後にさらに熱処理する)を行うことがより好ましい。2段階目の熱処理条件としては、例えば、温度150〜180℃で30〜300秒間であればよい。
(第二の製造方法)
第二の抗菌性撥水布帛を製造する方法の一例について(第二の製造方法)、以下に説明する。つまり、基布の上に抗菌撥水層を形成する(抗菌撥水加工)。詳しくは、上記のような抗菌剤及び撥水剤(特に、フッ素系撥水剤)を含む水分散液に基布を含浸し、次いで熱処理する。この水分散液には、上記したようなバインダー樹脂、架橋剤、又は各種加工剤を添加してもよい。
第二の抗菌性撥水布帛を製造する方法の一例について(第二の製造方法)、以下に説明する。つまり、基布の上に抗菌撥水層を形成する(抗菌撥水加工)。詳しくは、上記のような抗菌剤及び撥水剤(特に、フッ素系撥水剤)を含む水分散液に基布を含浸し、次いで熱処理する。この水分散液には、上記したようなバインダー樹脂、架橋剤、又は各種加工剤を添加してもよい。
抗菌撥水加工としては、通常のパッドドライ法などを用いればよい。抗菌撥水加工において、基布を水分散液へ含浸した後に絞液するが、絞り率は特に限定されるものではなく、例えば、40〜110%であればよい。熱処理条件は特に限定されるものではなく、80〜180℃の温度で1〜10分間行えばよい。熱処理には、例えば、ピンテンターなどの通常の装置を用いることができる。第一の製造方法と同様に、熱処理を2段階に分けて行ってもよい。
本発明の抗菌性撥水布帛は、上記のように、例えば基布に対して抗菌加工及び撥水加工を施すか、又は抗菌撥水加工を施すことで得ることができる。つまり、本発明の抗菌性撥水布帛は生乾き臭のモラクセラ菌、及び一般的な菌(黄色ブドウ状球菌、大腸菌)に有効な抗菌剤が用いられているため、原因物質と言われている4−メチル−3−ヘキセン酸の発生を抑制するとともに一般的な抗菌性にも優れており、例えば、雨又は雪などの水に曝される環境下で用いられる用途において使用した後乾燥させずに放置しても、或いは洗濯後に部屋干ししても、生乾き臭を効果的に抑えることができる。
さらに、本発明の抗菌性撥水布帛は、撥水性の耐久性に優れるため、基布への水の浸透を抑制することができ、簡単に水滴を払うことが可能である。その結果、布帛上の水残りが抑制され、生乾き臭をより効果的に抑えることができる。
そのため、雨又は雪のような水分に曝される環境で使用される用途に好適であり、具体的には、雨具(雨傘又は晴雨兼用傘の傘地、レインコート、ベビーカー用雨カバー、鞄カバー)、衣料(スポーツウェア、ウインドブレーカー、ダウンジャケット)、又はテント、タープ、寝袋などのアウトドア用品、各種の保護シートなどの資材に好適に用いることができる。
以下、実施例に従って本発明を具体的に説明する。本発明はこの実施例に限定されない。なお、布帛の評価又は測定は、以下の方法により行った。
各種菌に対する抗菌性
JIS L 1902(2002)「繊維製品の抗菌性試験」に規定の菌液吸収法に基づき、下記式(A)により、JIS L 0217 103法(1995)に基づく家庭洗濯を10回行った後の殺菌活性値を求めた。菌としてモラクセラ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎肝菌を用い、それぞれについて評価した。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
なお、標準布帛として、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛を用いた。
JIS L 1902(2002)「繊維製品の抗菌性試験」に規定の菌液吸収法に基づき、下記式(A)により、JIS L 0217 103法(1995)に基づく家庭洗濯を10回行った後の殺菌活性値を求めた。菌としてモラクセラ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎肝菌を用い、それぞれについて評価した。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
なお、標準布帛として、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛を用いた。
実使用における抗菌性
JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)に従って、下記式(B)により、実使用後における環境に相当する殺菌活性値を求めた。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)に従って、下記式(B)により、実使用後における環境に相当する殺菌活性値を求めた。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、以下のようにして調製した。すなわち、実施例および比較例で得られた布帛を傘地として用い、傘を作製した。この傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置した。これら雨水曝露及び放置を1サイクルとして、こうした操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製した。
この時の接種溶液中の生菌個数は8.2×105個であった。
この時の接種溶液中の生菌個数は8.2×105個であった。
生乾き臭に対する官能評価
実施例及び比較例で得られた布帛を10cm×10cmのサイズに裁断し、これに上記した実使用における抗菌性評価で用いた接種溶液を付与し、約100%の湿潤状態で濡らしたものを試験片とした。この試験片を、2Lの窒素ガスが充填された容器に入れ、37℃24時間放置した。放置後の布帛に対し、下記の基準で臭気強度の官能評価を行った。
0:無臭
1:やっと感知できる臭い
2:何の臭いであるかわかる弱い臭い
3:生乾き臭を楽に感知できる臭い
4:生乾き臭が強い
5:生乾き臭が強烈である
実施例及び比較例で得られた布帛を10cm×10cmのサイズに裁断し、これに上記した実使用における抗菌性評価で用いた接種溶液を付与し、約100%の湿潤状態で濡らしたものを試験片とした。この試験片を、2Lの窒素ガスが充填された容器に入れ、37℃24時間放置した。放置後の布帛に対し、下記の基準で臭気強度の官能評価を行った。
0:無臭
1:やっと感知できる臭い
2:何の臭いであるかわかる弱い臭い
3:生乾き臭を楽に感知できる臭い
4:生乾き臭が強い
5:生乾き臭が強烈である
撥水性
JIS L 1092(2009)「はっ水度試験」に規定されているスプレー法に従って、初期の撥水性、及びJIS L 0217 103法(1995)に基づく家庭洗濯20回後の撥水性を評価した。
JIS L 1092(2009)「はっ水度試験」に規定されているスプレー法に従って、初期の撥水性、及びJIS L 0217 103法(1995)に基づく家庭洗濯20回後の撥水性を評価した。
(実施例1)
経糸としてポリエステル短繊維(単糸繊度:1.3dtex、平均繊維長38mm)65質量%、綿糸35質量%からなる65番手の紡績糸を、緯糸としてポリエステルのみからなるマルチフィラメント(84dtex48フィラメント)を各々配し、平織物の生機を製織した(経密度128本/吋、緯密度98本/吋、カバーファクター2112)。この生機に対して常法に従って精練、漂白を行い、その後シルケット加工、反応染料及び分散染料を40g/Lの濃度で用いた染色加工を行って基布を得た。この基布において、ポリエステル系繊維の含有率の合計は80質量%であった。
経糸としてポリエステル短繊維(単糸繊度:1.3dtex、平均繊維長38mm)65質量%、綿糸35質量%からなる65番手の紡績糸を、緯糸としてポリエステルのみからなるマルチフィラメント(84dtex48フィラメント)を各々配し、平織物の生機を製織した(経密度128本/吋、緯密度98本/吋、カバーファクター2112)。この生機に対して常法に従って精練、漂白を行い、その後シルケット加工、反応染料及び分散染料を40g/Lの濃度で用いた染色加工を行って基布を得た。この基布において、ポリエステル系繊維の含有率の合計は80質量%であった。
次に、この基布に対して抗菌加工を行った。詳しくは、下記処方(1)にて示す組成の水分散液を調製した後、この水分散液からなる浴に上記基布を含浸した。その後、マングルで絞り率が50%となるように絞液し、テンターを用いて130℃で2分間乾燥した。
(処方1)
アモルデンNAZ−30(大和化学工業株式会社製、酸化亜鉛系抗菌剤、固形分濃度:30質量%)30g/L
ファイコート70K(大和化学工業株式会社製、アクリル系バインダー樹脂、固形分濃度:25質量%)30g/L
テキスポートSN−10(日華化学株式会社製、浸透剤)2g/L
アモルデンNAZ−30(大和化学工業株式会社製、酸化亜鉛系抗菌剤、固形分濃度:30質量%)30g/L
ファイコート70K(大和化学工業株式会社製、アクリル系バインダー樹脂、固形分濃度:25質量%)30g/L
テキスポートSN−10(日華化学株式会社製、浸透剤)2g/L
次に、撥水加工を行った。下記処方(2)に示す組成の水分散液を調製した後、この水分散液からなる浴に上記基布を含浸した。その後、マングルで絞り率が50%となるように絞液し、テンターを用いて130℃で2分間乾燥した後に、170℃で1分間熱処理を行った。その後、160℃にてカレンダー処理を行い、実施例1の抗菌性撥水布帛を得た。
(処方2)
LSE−009(明成化学工業株式会社製、炭素数6のフッ素系撥水剤、固形分濃度18質量%)50g/L
ベッカミンM−3(DIC株式会社製、メラミン樹脂からなるトリアジン系架橋剤、固形分濃度80質量%)5g/L
キャタリストACX(DIC株式会社、有機アミン系触媒、固形分濃度35質量%)3g/L
LSE−009(明成化学工業株式会社製、炭素数6のフッ素系撥水剤、固形分濃度18質量%)50g/L
ベッカミンM−3(DIC株式会社製、メラミン樹脂からなるトリアジン系架橋剤、固形分濃度80質量%)5g/L
キャタリストACX(DIC株式会社、有機アミン系触媒、固形分濃度35質量%)3g/L
この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は、基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量(含有量)は同0.2質量%であった。なお、各々の剤の付着量は、下記式に基づいて算出した。
付着量(含有量)(%)=[(処方液中の薬剤濃度/100)×(絞り率/100)×(薬剤の固形分濃度/100)]×100
付着量(含有量)(%)=[(処方液中の薬剤濃度/100)×(絞り率/100)×(薬剤の固形分濃度/100)]×100
実施例2
基布の経糸をポリエステルのみからなるマルチフィラメント(84dtex72フィラメント)に変更し、織物(経密度141本/吋、緯密度112本/吋、カバーファクター2318)とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
基布の経糸をポリエステルのみからなるマルチフィラメント(84dtex72フィラメント)に変更し、織物(経密度141本/吋、緯密度112本/吋、カバーファクター2318)とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
実施例3
上記処方1における抗菌剤の種類をピリジン系抗菌剤(大阪化成株式会社製、商品名「マルカサイドYP−DP」)に変更し、さらに抗菌剤の付着量が0.45質量%となるように固形分濃度を変更した以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例3の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は上述のように基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
上記処方1における抗菌剤の種類をピリジン系抗菌剤(大阪化成株式会社製、商品名「マルカサイドYP−DP」)に変更し、さらに抗菌剤の付着量が0.45質量%となるように固形分濃度を変更した以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例3の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は上述のように基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
実施例4
上記処方1においてアクリル系バインダー樹脂を省いた以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例4の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
上記処方1においてアクリル系バインダー樹脂を省いた以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例4の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
実施例5
上記処方2において架橋剤を省いた以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例5の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であった。
上記処方2において架橋剤を省いた以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例5の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であった。
実施例6
基布としての織物構成を、経密度90本/吋、緯密度70本/吋、カバーファクター1466とした以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例6の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
なお、上記実施例1〜6では、第一の抗菌性撥水布帛に相当する布帛が得られた。
基布としての織物構成を、経密度90本/吋、緯密度70本/吋、カバーファクター1466とした以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例6の抗菌性撥水布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
なお、上記実施例1〜6では、第一の抗菌性撥水布帛に相当する布帛が得られた。
(実施例7)
実施例2の抗菌加工及び撥水加工を省き、下記処方(3)に示す水分散液を用いて抗菌撥水加工を施した以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例7の抗菌性撥水布帛(第二の抗菌性撥水布帛に相当)を得た。
実施例2の抗菌加工及び撥水加工を省き、下記処方(3)に示す水分散液を用いて抗菌撥水加工を施した以外は、実施例2と同様の操作を行って、実施例7の抗菌性撥水布帛(第二の抗菌性撥水布帛に相当)を得た。
(処方3)
アモルデンNAZ−30(大和化学工業株式会社製、無機酸化物である酸化亜鉛系抗菌剤、固形分濃度:30質量%)30g/L
ファイコート70K(大和化学工業株式会社製、アクリル系バインダー樹脂、固形分濃度:25質量%)30g/L
テキスポートSN−10(日華化学株式会社製、浸透剤)2g/L
LSE−009(明成化学工業株式会社製、炭素数6のフッ素系撥水剤、固形分濃度18質量%)50g/L
ベッカミンM−3(DIC株式会社製、メラミン樹脂からなるトリアジン系架橋剤、固形分濃度80質量%)5g/L
キャタリストACX(DIC株式会社、有機アミン系触媒、固形分濃度35質量%)3g/L
アモルデンNAZ−30(大和化学工業株式会社製、無機酸化物である酸化亜鉛系抗菌剤、固形分濃度:30質量%)30g/L
ファイコート70K(大和化学工業株式会社製、アクリル系バインダー樹脂、固形分濃度:25質量%)30g/L
テキスポートSN−10(日華化学株式会社製、浸透剤)2g/L
LSE−009(明成化学工業株式会社製、炭素数6のフッ素系撥水剤、固形分濃度18質量%)50g/L
ベッカミンM−3(DIC株式会社製、メラミン樹脂からなるトリアジン系架橋剤、固形分濃度80質量%)5g/L
キャタリストACX(DIC株式会社、有機アミン系触媒、固形分濃度35質量%)3g/L
ここで、抗菌撥水加工は、絞り率50%となるように絞液し、テンターを用いて180℃で1.5分間乾燥・熱処理することにより行った。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分質量で0.45質量%であり、撥水剤の付着量は同0.45質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であり、架橋剤の付着量は同0.2質量%であった。
(比較例1)
上記処方(2)に示す組成の水分散液による撥水加工を省いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1の布帛を得た。
上記処方(2)に示す組成の水分散液による撥水加工を省いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1の布帛を得た。
(比較例2)
上記処方(1)に示す組成の水分散液による抗菌加工を省いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2の布帛を得た。
上記処方(1)に示す組成の水分散液による抗菌加工を省いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2の布帛を得た。
(比較例3)
上記処方(2)に示す組成の水分散液において、撥水剤の量を5g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例3の布帛を得た。この布帛において、撥水剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.045質量%であり、架橋剤の付着量は同0.20質量%であった。
上記処方(2)に示す組成の水分散液において、撥水剤の量を5g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例3の布帛を得た。この布帛において、撥水剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.045質量%であり、架橋剤の付着量は同0.20質量%であった。
(比較例4)
上記処方(1)に示す組成の水分散液において、抗菌剤の量を5g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例4の布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.075質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であった。
上記処方(1)に示す組成の水分散液において、抗菌剤の量を5g/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例4の布帛を得た。この布帛において、抗菌剤の付着量(含有量)は基布100質量%に対して固形分濃度で0.075質量%であり、バインダー樹脂の付着量は同0.38質量%であった。
実施例1〜7、比較例1〜4で得られた布帛を用いて評価を行った結果を表1に示す。なお、表中、「初期」とは家庭洗濯を施す前の布帛を指す。
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られた本発明の抗菌性撥水布帛は、適切な量の抗菌剤及び撥水剤が用いられ、さらに浸透剤を併用しているために、何れもモラクセラ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎肝菌の発生又は増殖が効果的に抑制されており、さらに撥水性の耐久性に優れるものであった。さらに、実際に生乾き臭抑制効果に優れていた。
特に、実施例2の抗菌性撥水布帛は、基布としてポリエステルマルチフィラメントのみからなるものを用いたために、実施例1と比較すると撥水性により優れていた。また、抗菌剤として特に好ましい酸化亜鉛系抗菌剤を用いているために、ピリジン系抗菌剤が用いられた実施例3と比較すると、抗菌性により優れていた。さらにまた、抗菌層にバインダー樹脂が用いられているために、実施例4と比較すると抗菌性の耐久性により優れており、生乾き臭抑制効果に優れていた。さらにまた、撥水層に架橋剤が用いられているために、実施例5と比較すると撥水性の耐久性により優れていた。さらにまた、基布として高密度織物が用いられていたために、基布としてカバーファクターが1466である織物が用いられた実施例6と比較すると撥水性により優れていた。
比較例1の布帛は撥水層が形成されていないために、また比較例3の布帛は撥水剤の量が過少であったために撥水性に劣るものであった。さらに、撥水性が低下したことにより、布帛表面の水残りが多くなったためか、実施例1と比較すると官能試験においてより劣っていた。
比較例2の布帛は抗菌層が形成されていないために、また比較例4の布帛は抗菌剤の量が過少であったために抗菌性に劣っており、官能試験においても生乾き臭が強かった。
Claims (10)
- 抗菌性撥水布帛であって、
JIS L 1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(A)で算出されたモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する殺菌活性値が何れも0以上であり、かつ
JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯20回後のJIS L 1092:2009 7.2に基づく撥水性が2級以上であることを特徴とする、抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Ma−Mc (A)
Ma:標準布帛の試験菌接種直後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値
Mc:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値 - JIS L1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯10回後の下記式(B)で算出された殺菌活性値が2.5以上であることを特徴とする、請求項1記載の抗菌性撥水布帛。
L(殺菌活性値)=Md−Me (B)
Md:接種溶液の濃度
Me:対象布帛の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
ここで、接種溶液は、前記抗菌性撥水布帛が傘地として用いられた傘を1時間雨水に曝し、次いで折り畳んで常温で24時間放置するという雨水曝露及び放置を1サイクルとして、この操作を50サイクル繰り返した後に、500cm2サイズの傘地をサンプリングし、滅菌済みの精製水1000cm2を用いて菌を抽出することで調製されたものである。 - 基布の少なくとも片面に、抗菌剤を含有する抗菌層と、撥水剤を含有する撥水層とがこの順に形成されてなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗菌性撥水布帛。
- 基布の少なくとも片面に、抗菌剤及び撥水剤を含有する抗菌撥水層が形成されてなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗菌性撥水布帛。
- 前記撥水剤が、炭素数6以下のフルオロアルキルアクリレート基を有するフッ素系撥水剤であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の抗菌性撥水布帛。
- 前記撥水層又は前記抗菌撥水層に、トリアジン化合物及び/又はブロックイソシアネート系架橋剤が含有されていることを特徴とする、請求項3〜5の何れか1項に記載の抗菌性撥水布帛。
- 前記抗菌剤が、有機窒素系化合物、無機系酸化物及びピリジン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項3〜6の何れか1項に記載の抗菌性撥水布帛。
- 前記基布が、構成繊維としてポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維を50質量%以上含むものであることを特徴とする、請求項3〜7の何れか1項に記載の抗菌性撥水布帛。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の抗菌性撥水布帛を用いてなることを特徴とする、雨具。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の抗菌性撥水布帛を用いてなることを特徴とする、衣服。
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