JP2017181733A - 多層膜付き基板の再生方法、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モリブデン(Mo)と珪素(Si)の少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜を有する多層膜が基板上に形成された多層膜付き基板4を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる少なくとも一つと過酸化水素とを含む水溶液からなる剥離液2に接触させて、基板4から前記多層反射膜を剥離除去し、基板4を再生する。
【選択図】図1
Description
即ち、反応性イオンエッチングを行うための大掛かりで且つ複雑な構造のエッチング装置を使用するため、ランニングコストが高くなる。また、エッチング装置のチャンバー内に付着したMo/Si多層膜成分の付着物の掃除が困難である。さらに、多層膜除去を反応性イオンエッチングによって行うため、多層膜除去後に基板に変質層が形成されたり、或いは基板の厚さ方向にダメージが発生してしまう。このような変質層やダメージを完全に除去して基板を再生するには、研磨取代を多くとる必要があり、再研磨加工に長時間を要するので、工程上の負荷が大きく、コストが高くなる。
即ち、基板と多層膜の間に耐腐食性バリヤー層がないと、エッチングによる基板のダメージが大きく、再研磨して基板を再生するにしても、再研磨の工程負荷が大きく、コストが高くなる。EUV反射型マスク用の基板として用いられる例えばSiO2−TiO2系の低膨張ガラスでは、上記エッチングによる基板表面の荒れが特に大きく、基板のダメージが大きい。このような基板のダメージを減らすには、基板と多層膜の間に耐腐食性バリヤー層(例えば耐腐食性アモルファス炭素バリヤー層)を設ける必要があるが、その結果として、多層反射膜付き基板の製造工程が増えるだけでなく、基板を再生する際にはこの耐腐食性バリヤー層を除去する必要があり、何れにしても工程の追加によりコストが高くなる。
また、前記特許文献3に記載された剥離液は、弗素化合物と酸化剤を含むエッチング液を使用しているため、作業者の安全性の確保が必要であるという課題があった。
(構成1)モリブデン(Mo)と珪素(Si)の少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜を有する多層膜が基板上に形成された多層膜付き基板を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる少なくとも一つと過酸化水素とを含む水溶液からなる剥離液に接触させて、前記基板から前記多層反射膜を剥離除去し、基板を再生することを特徴とする多層膜付き基板の再生方法。
構成1によれば、モリブデン(Mo)と珪素(Si)の少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜を有する多層膜が形成された多層膜付き基板を、弗素化合物を含有しない特定の水溶液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる少なくとも一つと、過酸化水素とを含む水溶液)からなる剥離液に接触させることで、基板上から多層膜を剥離除去して基板を再生することが出来る。本発明による多層膜付き基板の再生方法は、弗素化合物を含有しない特定の水溶液からなる剥離液を使用するので、多層膜の剥離除去による基板のダメージを少なくできる。また、多層膜付き基板を剥離液と接触させることが可能な容器(例えば処理槽)を用いて実施でき、大掛かりで構造の複雑な装置は必要としない。
上記MoとSiの少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜は、例えば13〜14nmの短波長のEUV光に対する反射率が高い、MoとSiの数nmの薄膜を交互に積層したMo/Si多層反射膜である。
上記多層膜付き基板は、例えばEUV反射型マスクブランク或いはEUV反射型マスクの製造に使用する多層反射膜付き基板、又は、EUVリソグラフィーシステムにおける多層反射膜ミラーとして使用する多層反射膜付き基板である。
構成2によれば、前記剥離液にキレート剤を含まれていることにより、前記多層膜のエッチング速度を高めることができ、多層膜の剥離時間を大幅に短縮することができる。
構成3によれば、前記キレート剤として、アミノカルボン酸系キレート剤、又はホスホン酸系キレート剤を使用することができる。
構成4によれば、前記多層膜付き基板として、前記基板上に前記多層反射膜が形成された多層反射膜付き基板以外に、前記多層反射膜上に形成された保護膜、吸収体膜、導電膜の少なくとも何れかが形成された多層膜付き基板であっても、剥離液を交換することなく同一の剥離液で多層膜付き基板に形成されている全ての膜を剥離除去し、基板を再生することができる。
構成5によれば、前記多層膜を剥離除去した基板表面を、例えば表面粗さ(二乗平均平方根粗さ(RMS))で0.15nmRms以下に回復することができる。EUV反射型マスク用のガラス基板の場合、表面粗さがRMSで0.15nmRms以下になるよう精密研磨(鏡面研磨)する。本発明による多層膜付き基板の再生方法は、多層膜の剥離除去による基板のダメージが少なく、再精密研磨の工程負荷が少ないので、基板の再生コストを低減でき、高品質の基板を再生することができる。
構成6のように、剥離液の温度を上記範囲とすることにより、さらに短い処理時間で前記多層膜を基板から剥離除去することができ、基板のダメージも少なくできる。
構成7のように、本発明により再生された基板を使用した多層反射膜付き基板を製造することができる。
構成8のように、本発明により再生された基板を使用した反射型マスクブランクを製造することができる。
本発明の一実施の形態は、基板上に、MoとSiの少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜とを有する多層膜が形成された多層膜付き基板を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる少なくとも一つと、過酸化水素とを含む水溶液からなる剥離液と接触させて、前記基板から多層膜を剥離除去し、基板を再生する。
前記剥離液は、アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水)と過酸化水素水とを混合して使用することができる。アルカリ水溶液としては、濃度が5〜20%が好ましく、さらに好ましくは、5〜10%が望ましい。過酸化水素水としては、濃度が20〜40%が好ましく、さらに好ましくは、25〜35%が望ましい。そして、アルカリ水溶液と過酸化水素水の比率は、アルカリ水溶液:過酸化水素水=1:1〜5:1とすることが好ましい。アルカリ水溶液:過酸化水素水の比率が1:1未満であると、前記多層膜の剥離の進行が遅くなり、結果として処理時間が長くなり、剥離しづらくなる。一方、アルカリ水溶液:過酸化水素水=5:1超であると、剥離が早く進行し、処理時間は短縮できるものの、基板ダメージが大きい(表面が粗くなる)。
剥離液の温度については、50℃以上100℃以下の範囲内とするのが好ましい。
また、処理時間については、多層膜が基板から剥離除去されるのに十分な時間であればよい。本発明の剥離液の場合、上述の剥離液の濃度や温度によっても、或いは多層膜の構成や膜厚にもよるが、概ね60〜300分の範囲で本発明の作用が好ましく得られる。
また代表的なホスホン酸系キレート剤としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP:Hydroxyethlidene Diphosphonic Acid)を使用することができる。
前記キレート剤は、アルカリ水溶液に含有するのが良く、キレート剤の濃度は、0.1〜5%が好ましく、さらに好ましくは1〜3%が望ましい。
前記保護膜は、吸収体膜に転写パターンを形成する際に、エッチング停止層として下層の多層反射膜を保護する機能を有し、通常、多層反射膜と吸収体膜との間に形成される。保護膜としては、ルテニウム(Ru)単体以外に、ルテニウム(Ru)に、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、レニウム(Re)を含有させたルテニウム合金を使用することができる。また、ルテニウムやルテニウム合金に、酸素(O)、窒素(N)などを含むルテニウム化合物やルテニウム合金化合物を使用することができる。
尚、上記説明した保護膜、吸収体膜及び、裏面膜は、単層、複数層どちらでも構わない。
また、前記多層膜付き基板としては、前記多層反射膜付き基板の前記多層反射膜や前記保護膜上に吸収体膜パターンが形成された、いわゆる反射型マスクであっても構わない。
精密研磨は、通常、基板主表面に、酸化セリウム、コロイダルシリカ等の遊離砥粒を含有する研磨液を供給しながら、研磨パッドを用いて行う。この際、基板の片面ずつ研磨する片面研磨方法、基板の両面を同時に研磨する両面研磨方法の何れを用いてもよい。本発明による多層膜付き基板の再生方法は、多層反射膜の剥離除去による基板のダメージが少ないので、再精密研磨の工程負荷が少なくて済む。従って、基板の再生コストを低減でき、しかも高品質の基板を再生することができる。
また、本発明による多層膜付き基板の再生方法により再生された基板上に、少なくとも、露光光(例えばEUV光)を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上に設けられる露光光を吸収する吸収体膜とを形成することにより、露光用反射型マスクブランクを製造することが出来る。必要に応じて、多層反射膜と吸収体膜の間に、吸収体膜へのパターン形成時のエッチング環境に耐性を有し、多層反射膜を保護するための保護を有していてもよい。
次に、実施例により本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。
実施例1として、EUV反射型マスクブランクの製造に用いる多層反射膜付き基板の再生方法を例に取り説明する。
基板の表面粗さが二乗平均平方根粗さ(RMS:Root Mean Square)で0.15nm以下に鏡面研磨されたSiO2−TiO2ガラス基板上に、イオンビームスパッタリング法により、Si膜を4.2nm成膜、Mo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として、40周期積層した後、最後にSi膜を4nm成膜して、多層反射膜付き基板を作製した。
この得られた多層反射膜付き基板を、表面欠陥検査装置にて検査したところ、基板と多層反射膜との間に異物が介在したと思われる凸状の膜下欠陥を発見した。
本実施例による多層反射膜剥離の場合、従来のような弗素化合物を含む剥離液を使用しないので、多層反射膜の剥離後の基板ダメージが少なくすることができ、再研磨の工程負荷も少ないことにより、基板の再生コストを従来よりも低減することができる。また、多層反射膜を剥離するのに大掛かりな乾式エッチング(ドライエッチング)を必要とせず、再生コストが安いという利点もある。
実施例1により再生された基板を使用して再度、イオンビームスパッタリング法によりMo/Si膜の多層反射膜を形成し、多層反射膜付き基板を作製した。
この得られた多層反射膜付き基板を、表面欠陥検査装置にて検査したところ、上述の凸状の膜下欠陥は確認されなかった。
この多層反射膜付き基板を使用して、EUV反射型マスクブランク、及びEUV反射型マスクの製造方法を以下に説明する。
次に、保護膜上に、吸収体膜として、タンタルとホウ素と窒素からなるTaBN膜(膜厚:70nm)を形成した。成膜は、Ta及びBを含むターゲットを用いて、TaBN膜はArとN2の混合ガスの反応性スパッタリングにより行った。
最後に、多層反射膜が形成された基板と反対側の裏面に、タンタル(Ta)膜(膜厚:70nm)を形成した。成膜は、Taターゲットを用いて、スパッタガスとして、Arを用いてDCマグネトロンスパッタ方によって行った。
以上のようにして、本実施例のEUV反射型マスクブランクを得た。
まず、上記EUV反射型マスクブランク上に電子線描画用レジストを塗布し、135℃でベーク処理してレジスト膜を形成し、電子線により描画して、現像を行い、レジストパターンを形成した。
このレジストパターンをマスクとして、TaBN膜からなる吸収体膜を、塩素を用いてドライエッチングし、吸収体膜パターンを形成した。
更に吸収体膜パターン上に残ったレジストパターンを100℃の熱硫酸で除去し、EUV反射型マスクを作製した。この反射型マスクを用いて、半導体基板上へのパターン転写を行ったところ、高精度のパターン転写を行うことができた。
実施例3として、EUV反射型マスクブランクの再生方法を例に取り説明する。
実施例2と同じ膜構成のEUV反射型マスクブランクを準備した。つまり、SiO2−TiO2ガラス基板上に、多層反射膜(Si膜:4.2nm、Mo:2.8nm、40周期積層膜)と、RuNbからなる保護膜(膜厚:2.5nm)と、TaBN膜(膜厚:70nm)からなる吸収体膜とを有し、裏面にTa膜(膜厚:70nm)の導電膜が形成されたEUV反射型マスクブランクである。
実施例4として、EUV反射型マスクの再生方法を例にとり説明する。
実施例2と同じ構造のEUV反射型マスクを準備した。つまり、SiO2−TiO2ガラス基板上に、多層反射膜(Si膜:4.2nm、Mo:2.8nm、40周期積層膜)と、RuNbからなる保護膜(膜厚:2.5nm)と、TaBN膜(膜厚:70nm)からなる吸収体膜パターンを有し、裏面にTa膜(膜厚:70nm)の導電膜が形成されたEUV反射型マスクである。
こうして導電膜、多層反射膜、保護膜、吸収体膜パターンを剥離した基板の電子顕微鏡にて観察したところ、これらの膜の残滓は確認されなかった。また、実施例1と同様に、導電膜、多層反射膜等を剥離した基板の表面及び裏面は、若干表面粗さは粗くなったものの鏡面状態が保たれており、基板表面を再精密研磨することによって容易に表面粗さ(RMS)を0.15nmRms以下に回復することができ、平坦度も100nm以下にすることができた。
実施例2と同様に、上述の実施例3及び実施例4により再生された基板を使用して再度、イオンビームスパッタリング法によりMo/Si膜の多層反射膜を形成し、DCマグネトロンスパッタ法により、RuNb膜の保護膜、TaBN膜からなる吸収体膜、及び裏面にTa膜の導電膜を形成してEUV反射型マスクブランクを得た。さらに、このEUV反射型マスクブランクを用いて、EUV反射型マスクを作製した。この反射型マスクを用いて、半導体基板上へのパターン転写を行ったところ、高精度のパターン転写を行うことができた。
実施例6として、実施例1における多層反射膜付き基板の再生方法、実施例3におけるEUV反射型マスクブランクの再生方法、及び実施例4におけるEUV反射型マスクの再生方法で使用した剥離液を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)(濃度:1%)のキレート剤を含有した水酸化カリウム水溶液(濃度:10%)と過酸化水素水(濃度:25%)の混合水溶液を用いた以外は実施例1、3、4と同様に基板再生を行った。
剥離液としてキレート剤を添加することにより、処理時間は約15〜20%短縮することができた。
次に、上述の実施例に対する比較例を説明する。
前記特許文献2に記載された塩素含有ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)(特許文献2に記載されたエッチング条件)により、実施例1と同じ多層反射膜付き基板におけるMo/Si多層反射膜を剥離した。その結果、30分程度でMo/Si多層反射膜を剥離することができた。しかし、剥離した基板の表面には、反応性イオンエッチングによる深さ方向に基板ダメージや変質層が確認された。基板表面を再精密研磨することでそれらを除去した。
また、このような反応性イオンエッチングによる多層反射膜剥離の場合、反応性イオンエッチング装置のチャンバー内に付着した多層反射膜成分の付着物の掃除が困難であること、装置が大掛かりであることから、再生コストが高くなるという欠点がある。
2 剥離液
3 ホルダー
4 多層膜付き基板(多層反射膜付き基板)
Claims (8)
- モリブデンと珪素の少なくとも一方を含む2種以上の屈折率の異なる材料を交互に積層してなる多層反射膜を有する多層膜が基板上に形成された多層膜付き基板を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアから選ばれる少なくとも一つと過酸化水素とを含む水溶液からなる剥離液に接触させて、前記基板から前記多層反射膜を剥離除去し、基板を再生することを特徴とする多層膜付き基板の再生方法。
- 前記剥離液には、キレート剤が含まれていることを特徴とする請求項1記載の多層膜付き基板の再生方法。
- 前記キレート剤は、アミノカルボン酸系キレート剤、又はホスホン酸系キレート剤であることを特徴とする請求項2記載の多層膜付き基板の再生方法。
- 前記多層膜は、前記多層反射膜上に形成されたルテニウムを含有する保護膜、タンタルを含有する吸収体膜、前記基板を挟んで前記多層反射膜と反対側に形成されたタンタルを含有する導電膜の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の多層膜付き基板の再生方法。
- 前記基板から多層膜を剥離除去した後、前記基板の表面を精密研磨することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の多層膜付き基板の再生方法。
- 前記剥離液の温度を50℃以上100℃以下とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の多層膜付き基板の再生方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の多層膜付き基板の再生方法により再生された基板上に、露光光を反射する多層反射膜を形成することを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の多層膜付き基板の再生方法により再生された基板上に、少なくとも、露光光を反射する多層反射膜と、該多層反射膜上に設けられる露光光を吸収する吸収体膜とを形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
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