JP2017183151A - 蓄電素子 - Google Patents

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理史 高野
明彦 宮崎
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明彦 宮崎
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Abstract

【課題】低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することを抑制できる蓄電素子の提供。
【解決手段】正極、負極の少なくともいずれか一方の電極は、粒子状の活物質とセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)とを含む活物質層を有し、活物質の平均粒子径D50は、1〜5μm未満である。セルロース誘導体のエーテル化度は、0.6〜1.8であるか、又は、活物質層の一方の面の表面粗さRaは、0.15〜1.20μmである蓄電素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、リチウムを吸蔵・放出可能な正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、電解質とを備えるリチウム二次電池が知られている。この種の電池としては、負極の活物質層が、活物質とカルボキシメチルセルロースとを有する電池が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の電池の活物質では、活物質粉末100gを2gのカルボキシメチルセルロースと共に200gの水に分散させてなる分散液について、JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒が現れ始める粒子径が、50μm以下である。即ち、特許文献1に記載の電池では、上記の粒が現れ始める粒子径が50μm以下となるような活物質(比較的大きい粒子を含まない活物質)が負極に採用されている。
ところで、特許文献1に記載の電池では、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下する場合がある。
特許第4765253号公報
本実施形態は、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することを抑制できる蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、正極と負極とを電極として備え、少なくともいずれか一方の電極は、電極基材と、粒子状の活物質とセルロース誘導体とを含む活物質層であって電極基材に重ねられた活物質層とを有し、活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満であり、活物質層の一方の面であって電極基材に重ならない方の面の表面粗さRaは、0.15μm以上1.20μm以下である。上記構成の蓄電素子によれば、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することを抑制できる。
本実施形態の蓄電素子は、正極と負極とを電極として備え、少なくともいずれか一方の電極は、粒子状の活物質とセルロース誘導体とを含む活物質層を有し、活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満であり、セルロース誘導体のエーテル化度は、0.6以上1.8以下である。上記構成の蓄電素子によれば、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することを抑制できる。
上記の蓄電素子では、活物質層の密度は、0.6g/cm以上1.5g/cm以下であってもよい。斯かる構成により、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することをより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、活物質層の目付量は、0.3g/100cm以上1.0g/100cm以下であってもよい。斯かる構成により、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することをより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、上記のいずれか一方の電極は、負極であってもよい。
本実施形態によれば、低温で充放電が繰り返されることによって容量が低下することを抑制できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ説明する。蓄電素子には、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図7に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111の表面に重ねられ且つ活物質を含む活物質層112と、を有する。本実施形態では、活物質層112は、金属箔111の両面にそれぞれ重なる。なお、正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112は、粒子状の活物質と、粒子状の導電助剤と、バインダとを含む。正極活物質層112(1層分)の厚みは、通常、12μm以上70μm以下である。正極活物質層112(1層分)の目付量は、7.6mg/cm以上16.5mg/cm 以下である。正極活物質層112の密度は、1.7g/cm 以上3.0g/cm 以下である。目付量及び密度は、金属箔111の一方の面を覆うように配置された1層分におけるものである。正極活物質層112の密度は、正極11を所定の大きさに切りだし、質量と厚みとを測定した後、正極活物質層112を金属箔111から剥離し、金属箔111の質量と厚みとを測定し、金属箔111の質量及び厚みを、極板の質量及び厚みからそれぞれ差し引くことによって測定される。
正極11の活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質の平均粒子径D50は、通常、3μm以上8μm以下である。活物質の平均粒子径D50は、粒径の粒度分布において小径側から体積累積分布を描き、体積累積頻度が50%となる平均粒子径(メディアン径とも呼ばれる)である。平均粒子径D50は、レーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いた測定によって求める。測定条件については、実施例において詳しく説明する。なお、製造された電池の活物質の平均粒子径D50を測定する場合、例えば、電池を放電した後、該電池を乾燥雰囲気下で解体する。次に、活物質層を取り出してジメチルカーボネートで洗浄して砕いた後、2時間以上真空乾燥する。その後、粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。
本実施形態では、正極11の活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物(ただし、0<p≦1.3であり、q+r+s=1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiCoO などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112の導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極12は、金属箔121(負極基材)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)非被覆部125を有する。負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極活物質層122は、粒子状の活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。
負極活物質層122の一方の面であって金属箔121に重ならない方の面の表面粗さRaは、通常、0.15μm以上1.20μm以下である。表面粗さRaは、0.26μm以上であってもよく、0.36μm以上であってもよい。表面粗さRaは、0.45μm以下であってもよく、0.39μm以下であってもよい。表面粗さRaは、レーザ顕微鏡(測定機器)を用いて測定され、JIS B0601−2001に記載された方法に従って決定される、算術平均粗さである。表面粗さRaは、例えば、セルロース誘導体のエーテル化度を変化させることによって、調整することができる。具体的に、セルロース誘導体のエーテル化度を小さくすることにより、表面粗さRaを小さくすることができる。また、表面粗さRaを調整する方法としては、負極活物質層122を形成するための合剤(後述)を混練するときの合剤の固形分比を変化させる方法が挙げられる。具体的には固形分比を上げることで表面粗さRaを小さくすることができる。
負極活物質層122では、バインダの割合は、負極の活物質とバインダとの合計質量に対して、5質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極12の活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極の活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極12の活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満である。平均粒子径D50は、1.5μm以上4.0μm以下であってもよい。負極12の活物質の平均粒子径D50は、上記のごとく、正極11の活物質の平均粒子径D50と同様にして測定される。
負極活物質層122(1層分)の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。負極活物質層122の目付量(1層分)は、通常、0.3g/100cm以上1.0g/100cm以下である。目付量(1層分)は、0.35g/100cm以上であってもよい。目付量(1層分)は、0.4g/100cm以下であってもよい。負極活物質層122の密度(1層分)は、通常、0.6g/cm以上1.5g/cm以下である。密度(1層分)は、0.97g/cm以上1.11g/cm以下であってもよい。
負極活物質層に用いられるバインダは、正極活物質層に用いられるバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。
負極活物質層122は、セルロース誘導体を含む。セルロース誘導体は、セルロースのヒドロキシ基の一部が親水基を有する化合物と反応したものである。セルロース誘導体に導入された親水基は、エーテル結合によってセルロースを構成する炭素と結合している。親水基を有する化合物とセルロースのヒドロキシ基との反応の数を表す指標は、例えば後述するエーテル化度である。
セルロース誘導体は、例えば、カルボキシメチルセルロース(塩を含む)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。本実施形態のセルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロースである。カルボキシメチルセルロースは、塩の状態であってもよい。
セルロース誘導体のエーテル化度は、通常、0.6以上1.8以下である。0.8以上1.5以下であってもよい。セルロース誘導体のエーテル化度は、セルロース誘導体の水溶性の指標の1つである。セルロース誘導体のエーテル化度が大きいほど、セルロース誘導体は、水に溶解しやすくなる。一方、セルロース誘導体のエーテル化度が小さいほど、セルロース誘導体は、水に溶解しにくくなる。セルロース誘導体は、水に不溶のセルロースのヒドロキシ基の一部がエーテル結合に置き換わったものである。セルロース誘導体の全部が水に溶解するわけではない。セルロース誘導体を水と共存させると、水に溶解せず塊状となった不溶物が生じる。これにより、負極活物質層122を形成するための合剤(後述)が水を溶媒として含む場合、合剤においてセルロース誘導体の一部は、溶解しない。従って、負極活物質層122は、粒径が10μm以上200μm以下の塊状の不溶物を有する。
セルロース誘導体のエーテル化度は、例えば、下記の測定方法によって求められる。セルロース誘導体0.5〜0.7gを秤量し、ろ紙に包んでルツボ中で灰化させる。冷却後、灰化物を500mLビーカーに移し、水を約250mL加え、さらに0.05mol/L濃度の硫酸水溶液35mLを加え、30分間煮沸する。冷却後、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1mol/L水酸化カリウム水溶液で逆滴定し、次の式によってエーテル化度を算出する。
A={(af−bf)/秤量した量[g]}−アルカリ度(または+酸度)
エーテル化度=(162×A)/(10,000−80×A)
A:セルロ−ス誘導体1g中の結合アルカリに消費された0.05mol/L硫酸のmL
a:0.05mol/L硫酸の使用mL
f:0.05mol/L硫酸の力価
b:0.1mol/L水酸化カリウムの滴定mL
:0.1mol/L水酸化カリウムの力価
セルロース誘導体の分子量は、通常、20万以上140万以下である。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、多孔質なセパレータ基材を有する。本実施形態のセパレータ4は、セパレータ基材のみを有する。セパレータ4は、正極11及び負極12間の短絡を防ぐために正極11及び負極12の間に配置されている。
セパレータ基材は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ基材の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、まず、金属箔(電極基材)に活物質を含む合剤を塗布し、活物質層を形成し、電極(正極11及び負極12)を作製する。次に、正極11、セパレータ4、及び負極12を重ね合わせて電極体2を形成する。続いて、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
電極(正極11)の作製では、金属箔の両面に、活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。合剤の塗布量を調整することによって、正極活物質層112の目付量を調整することができる。正極活物質層112を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された正極活物質層112を所定の圧力でロールプレスする。プレス圧を調整することにより、正極活物質層112の密度を調整できる。負極12も同様にして作製する。なお、負極の作製では、活物質とバインダとセルロース誘導体(増粘剤)と溶媒(水)とを混合することによって合剤を調製する。
電極体2の形成では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1では、負極12は、粒子状の活物質とセルロース誘導体とを含む負極活物質層122を有する。活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満であり、セルロース誘導体のエーテル化度は、0.6以上1.8以下である。上記の蓄電素子1では、セルロース誘導体のエーテル化度が0.6以上1.8以下であるため、負極活物質層122は、粒径が10μm以上200μm以下の不溶物を有する。詳しくは、負極活物質層122は、活物質とセルロース誘導体と水とを混合した合剤を金属箔121に塗布することによって形成されている。上述したように、セルロース誘導体の一部は、水に溶解せず塊状の不溶物を生じることから、負極活物質層122は、粒径が10μm以上200μm以下の不溶物を含む。斯かる不溶物は、平均粒子径D50が1μm以上5μm未満の活物質よりも大きい。これにより、不溶物の間に活物質が充填された状態になると考えられる。不溶物の間が活物質で充填された状態では、活物質間の導電性が比較的良好となる。従って、活物質間の導電性が比較的良好であるため、低温で充放電が繰り返されても電池の容量が低下することが抑制される。これにより、低温で充放電が繰り返されることによって電池の容量が低下することを抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極活物質層122の一方の面であって金属箔121に重ならない方の面の表面粗さRaは、0.15μm以上1.20μm以下である。上述したような適度な大きさのセルロース誘導体由来の不溶物が負極活物質層122に含まれていることにより、上記表面粗さRaが0.15μm以上1.20μm以下となっている。即ち、上記表面粗さRaが0.15μm以上1.20μm以下であることは、適度な大きさの不溶物であって活物質よりも大きい不溶物が負極活物質層122に含まれることに起因する。セルロース誘導体由来の適度な大きさの不溶物が負極活物質層122に含まれることにより、不溶物の間に活物質が適度に充填された状態になると考えられる。このような状態では、低温で充放電が繰り返されても、活物質間の導電性が比較的良好となる。従って、低温で充放電が繰り返されることによって電池の容量が低下することを抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極活物質層122の上記表面粗さRaは、0.365μm以上0.450μm以下であってもよい。負極活物質層122に含まれるセルロース由来の不溶物が適度な大きさであることによって、上記表面粗さRaが0.365μm以上0.450μm以下となる。これにより、不溶物の間に活物質が適度に充填された状態となる。従って、高レートでの充放電を繰り返したときに電流ムラが発生することをより抑制できる。従って、電池の抵抗が大きくなることや入出力性能が低下することをより抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極活物質層122(1層分)の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。負極活物質層122の目付量(1層分)は、通常、0.3g/100cm 以上1.0g/100cm 以下である。負極活物質層122の密度(1層分)は、通常、0.6g/cm 以上1.5g/cm 以下である。これにより、低温で充放電が繰り返されることによって電池の容量が低下することをより確実に抑制できる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、セルロース誘導体を含む負極活物質層を有する負極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、セルロース誘導体を含む正極活物質層を有してもよい。
上記の実施形態では、活物質を含む活物質層が金属箔に直接接した正極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、バインダと導電助剤とを含む導電層であって活物質層と金属箔との間に配置された導電層を有してもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図8に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。
(試験例1)
(1)正極の作製
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の一次粒子が互いに凝結した凝結粒子とを、混合し、混練することで、正極用の合剤を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量は、それぞれ4.5質量%、4.5質量%、91質量%とした。調製した正極用の合剤を、アルミニウム箔(15μm厚み)の両面に、乾燥後の塗布量(目付量)が8.61mg/cmとなるようにそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行った。その後、真空乾燥して、水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚みは、32μmであった。活物質層の密度は、2.69g/cmであった。
(2)負極の作製
活物質としては、粒子状の非晶質炭素(難黒鉛化炭素)を用いた。バインダとしては、スチレンブタジエンゴムを用いた。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースNa塩(ダイセル社製 製品名「2200」)を用いた。負極用の合剤は、溶剤として水と、バインダと、セルロース誘導体と、活物質とを混合、混練することで調製した。セルロース誘導体は、1.0質量%となるように配合し、バインダは、2.0質量%となるように配合し、活物質は、97.0質量%となるように配合した。調製した負極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が3.8mg/cmとなるように、銅箔(10μm厚み)の両面にそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行い、真空乾燥して、水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚みは、39μmであった。活物質層の密度は、0.974g/cmであった。なお、活物質層の密度は、負極を所定の大きさに切りだし、質量と厚みとを測定した後、活物質層を金属箔から剥離し、金属箔の質量及び厚みを測定し、負極の質量及び厚みから金属箔の質量及び厚みをそれぞれ差し引くことによって測定した。
(3)セパレータ
セパレータとして厚みが22μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。ポリエチレン製微多孔膜の透気度は、100秒/100ccであった。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、いずれも1容量部ずつ混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ケース内への電極体の配置
上記の正極、上記の負極、上記の電解液、セパレータ、及びケースを用いて、一般的な方法によって電池を製造した。
まず、セパレータが上記の正極および負極の間に配されて積層されてなるシート状物を巻回した。次に、巻回されてなる電極体を、ケースとしてのアルミニウム製の角形電槽缶のケース本体内に配置した。続いて、正極及び負極を2つの外部端子それぞれに電気的に接続させた。さらに、ケース本体に蓋板を取り付けた。上記の電解液を、ケースの蓋板に形成された注液口からケース内に注入した。最後に、ケースの注液口を封止することにより、ケースを密閉した。
・正極及び負極の活物質の平均粒子径D50について
いったん製造した電池から正極及び負極の各活物質層を取り出した。活物質層に対してジメチルカーボネートで洗浄し、砕いて、その後2時間以上真空乾燥する前処理を施した。測定装置としてレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD2200」)、測定制御ソフトとして専用アプリケーションソフトフェアDMSver2を用いた。具体的な測定手法としては、散乱式の測定モードを採用し、測定試料(活物質)が分散する分散液が循環する湿式セルを2分間超音波環境下に置いた後に、レーザ光を照射し、測定試料から散乱光分布を得た。そして、散乱光分布を対数正規分布により近似し、その粒度分布(横軸、σ)において最小を0.021μm、最大を2000μmに設定した範囲の中で累積度50%(D50)にあたる粒径を平均粒子径とした。また、分散液は、界面活性剤と、分散剤としてのSNディスパーサント 7347−C(製品名)またはトリトンX−100(製品名)とを含む。分散液には、分散剤を数滴加えた。
・負極活物質層の表面粗さRaについて
いったん製造した電池から負極活物質層を取り出し、上記と同じ前処理を施した。測定装置としてレーザ顕微鏡(キーエンス社製「VK−8510」)、ソフトウェアとしてVK−H1Wを用いた。具体的な測定方法として、レンズの倍率を100倍とし、測定試料を平滑になるようにして測定台に設置した後、レーザ光を照射し、測定試料表面のカラーイメージを得た。そして、表面のカラーイメージからソフトウェアにより表面粗さRaを算出した。
(試験例2〜11)
それぞれ表1に示すエーテル化度を有するセルロース誘導体を用いた点以外は、試験例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
<繰り返し充放電後の容量維持率の評価(サイクル試験)>
25℃において5A定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2V定電圧で合計3時間充電した後、5A定電流で、終止電圧2.4Vの条件で放電することにより初期放電容量を測定した。容量確認試験後の電池について、前述の容量確認試験で得られた放電容量の85%を充電することで電池のSOC(State Of Charge)を85%に調整後、−30℃にて4時間保持し、その後40A定電流10秒の充放電をおこなった後に280秒休止するサイクルを10000サイクル繰り返した。サイクル実施後、容量確認を実施し、サイクル前後での容量維持率を算出した。
本実施形態の所定の構成を有する電池では、繰り返し充放電試験(サイクル試験)後の容量維持率が高かった。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、 112:正極活物質層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 正極と負極とを電極として備え、
    少なくともいずれか一方の電極は、電極基材と、粒子状の活物質とセルロース誘導体とを含む活物質層であって前記電極基材に重ねられた活物質層と、を有し、
    前記活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満であり、
    前記活物質層の一方の面であって前記電極基材に重ならない方の面の表面粗さRaは、0.15μm以上1.20μm以下である、蓄電素子。
  2. 正極と負極とを電極として備え、
    少なくともいずれか一方の電極は、粒子状の活物質とセルロース誘導体とを含む活物質層を有し、
    前記活物質の平均粒子径D50は、1μm以上5μm未満であり、
    前記セルロース誘導体のエーテル化度は、0.6以上1.8以下である、蓄電素子。
  3. 前記活物質層の密度は、0.6g/cm以上1.5g/cm 以下である、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記活物質層の目付量は、0.3g/100cm以上1.0g/100cm 以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記いずれか一方の電極は、負極である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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