JP2017183171A - 架空送電線、及び架空送電線の製造方法 - Google Patents

架空送電線、及び架空送電線の製造方法 Download PDF

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晴人 鈴木
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Abstract

【課題】電線の笑いが生じることを抑制することができる架空送電線、及び架空送電線の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の素線を撚り合わせてなる撚線層を複数備え、複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層が設けられ、第1撚線層を構成する素線の表面のうち、少なくとも第2撚線層に対面する領域は、粗面化されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、架空送電線、及び架空送電線の製造方法に関する。
発電所等から都市部等まで高圧の大電力を伝送するため、複数の鉄塔間に架空送電線(以下、電線)が架線される。このような電線は、例えば、複数の導電性の素線を撚り合わせることにより構成される(例えば、特許文献1参照)。
鉄塔間に電線を架線する際には、例えば、鉄塔に設けられた金車に電線を通過させることによって、電線を延線方向に導く(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−117722号公報 特開昭56−94910号公報
しかしながら、金車に電線を通過させる際に、電線の最外撚線層を構成する素線のみが延線方向とは逆向きに少しずつ送られることで、電線の撚り状態が崩れ(緩み)、素線間に隙間が形成される現象が生じる可能性があった。この現象は、電線の「笑い」と呼ばれている。このような電線の笑いが生じると、局所的に飛び出した素線が金車に干渉することによって電線を継続して延線することが困難となったり、電線の笑いが生じた部分で素線が折れ曲がったりする可能性があった。
本発明の目的は、電線の笑いが生じることを抑制することができる架空送電線、及び架空送電線の製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、
複数の素線を撚り合わせてなる撚線層を複数備え、
前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層が設けられ、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域は、粗面化されている架空送電線が提供される。
本発明の他の態様によれば、
複数の素線を撚り合わせることにより、撚線層を複数形成する撚線層形成工程を備え、
前記撚線層形成工程では、
前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層を形成し、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域を、粗面化させる架空送電線の製造方法が提供される。
本発明によれば、電線の笑いが生じることを抑制することができる架空送電線、及び架空送電線の製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係る架空送電線の軸方向と直交する断面図である。 図1の一部を拡大した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る架空送電線の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る架空送電線の製造装置を示す構成概略図である。 本発明の第2実施形態に係る架空送電線の軸方向と直交する断面図の一部を拡大した図である。 本発明の第2実施形態に係る架空送電線の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る架空送電線の製造装置を示す構成概略図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)架空送電線
本発明の第1実施形態に係る架空送電線について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る架空送電線の軸方向と直交する断面図である。
本実施形態に係る架空送電線(以下、電線10)は、素線330の一部を粗面化することで、撚線層200間での最外素線340の動きを抑制し、電線10の笑いを抑制するよう構成されている。具体的には、電線10は、例えば、鋼心部100と、複数の撚線層(外部撚線層)200と、を備えている。
なお、以下において、電線10の「軸方向」とは、電線10の中心軸の方向のことをいい、電線10の長手方向と言い換えることができる。また、電線10の「径方向」とは、電線10の軸方向に垂直な方向のことをいい、電線10の短手方向と言い換えることができる。また、電線10の「周方向」とは、電線10の外周に沿った方向のことをいう。また、素線300の「内周面」とは、電線10の中心軸側の面のことをいい、素線300の「外周面」とは、内周面と反対側の面のこという。
(鋼心部)
図1に示されているように、鋼心部100は、電線10の中心に設けられ、架線時に電線10の張力を負担するテンションメンバとして機能するように構成されている。具体的には、鋼心部100は、電線10の軸方向に延在して設けられる。また、鋼心部100は、例えば、複数の心線110が撚り合わせられることにより構成されている。ここでは、例えば、鋼心部100には、7本の心線110が撚り合わせられており、軸方向から見て、1本の心線110を中心として、その周りに、6本の心線110が中心対称に配置されている。心線110のそれぞれの断面形状は、例えば、円形となっている。
鋼心部100を構成する心線110は、例えば、鋼線部112と、被覆部114と、を有している。鋼線部112は、電線10の張力に耐えうる線状部材として構成され、例えば、鋼線、またはインバ線からなっている。被覆部114は、鋼線部112の外周を覆うように設けられ、例えば、アルミニウム(Al)または亜鉛(Zn)からなっている。鋼線部112が被覆部114で覆われることにより、鋼線部112の腐食が抑制される。ここでは、心線110は、例えば、アルミ覆鋼線(AC線)として構成され、鋼線部112は鋼線であり、被覆部114はAlである。
(撚線層)
撚線層200は、送電時に主に電流を流す導体部分として構成されている。撚線層200は、複数の導電性の素線300が撚り合わせられることにより構成されている。撚線層200を構成する複数の素線300のそれぞれは、例えば、AlまたはAl合金からなっている。ここでは、素線300は、例えば、耐熱アルミ合金線(TAL)、超耐熱アルミ合金線(ZTAL)、または特別耐熱アルミ合金線(XTAL)のいずれかである。
撚線層200は、例えば、鋼心部100の中心軸を中心として同心円状に複数積層されている。本実施形態では、例えば、撚線層200は、4層設けられている。具体的には、電線10は、例えば、鋼心部100側から外側に向けて、撚線層(第1撚線層)210と、撚線層(第2撚線層)220と、撚線層(第3撚線層)230と、最外撚線層(第4撚線層)240と、を有している。なお、以下において、「素線300」との表現を、各撚線層200を構成する素線の総称として用い、撚線層210を構成する素線300を「素線310」とし、撚線層220を構成する素線300を「素線320」とし、撚線層230を構成する素線300を「素線330」とし、最外撚線層240を構成する素線300を「最外素線340」とする。
撚線層210は、鋼心部100の外周に隣接し、鋼心部100の外周を囲むように設けられている。撚線層210を構成する素線310は、例えば、いわゆる異型線として構成され、素線310の断面は、扇形(セグメント形)となっている。詳細には、素線310は、例えば、内周面312と、外周面314と、側面316と、を有している。内周面312は、円弧状に凹んでいる。外周面314は、内周面312が凹んだ方向に円弧状に突出している。一対の側面316は、それぞれ、内周面312と外周面314とを繋ぐように設けられている。複数の素線310のそれぞれの側面316は、鋼心部100の径方向(電線10の径方向)に沿うように配置されている。また、複数の素線310は、互いに側面316で接して鋼心部100の周方向(電線10の周方向)に並べられている。これにより、撚線層210は、電線10の軸方向から見て、鋼心部100の外周を囲むように、円環状に構成されている。また、撚線層210において、複数の素線310のそれぞれの内周面312および外周面314は、電線10の軸方向から見て、鋼心部100の中心軸を中心とする同心円を形成している。撚線層210の内周面312は鋼心部100の外周側に対面し、その一方で、撚線層210の外周面314は後述する撚線層220の内周面322に対面している。
撚線層220は、撚線層210の外周に隣接し、撚線層210の外周を囲むように設けられている。撚線層220を構成する素線320も、撚線層210を構成する素線310と同様に、例えば、異型線として構成され、素線320の断面は、扇形(セグメント形)となっている。詳細には、素線320は、内周面322と、外周面324と、側面326と、を有している。複数の素線320は、互いに側面326で接して鋼心部100の周方向(電線10の周方向)に並べられている。これにより、撚線層220は、電線10の軸方向から見て、撚線層210の外周を囲むように、円環状に構成されている。また、撚線層220の内周面322は撚線層210の外周面314に対面し、その一方で、撚線層220の外周面324は後述する撚線層230の内周面332に対面している。
撚線層230は、撚線層220の外周に隣接し、撚線層220の外周を囲むように設けられている。撚線層230を構成する素線330も、撚線層210を構成する素線310と同様に、例えば、異型線として構成され、素線330の断面は、扇形(セグメント形)となっている。詳細には、素線330は、内周面332と、外周面334と、側面336と、を有している。複数の素線330は、互いに側面336で接して鋼心部100の周方向(電線10の周方向)に並べられている。これにより、撚線層230は、電線10の軸方向から見て、撚線層220の外周を囲むように、円環状に構成されている。また、撚線層230の内周面332は撚線層220の外周面324に対面する一方で、撚線層230の外周面334は後述する最外撚線層240の内周側に対面している。
以上のように撚線層210、撚線層220および撚線層230のそれぞれが扇形の素線300で構成されることにより、撚線層210、撚線層220および撚線層230のそれぞれにおいて、素線300が層状に密に充填される。これにより、撚線層が断面円形の素線により構成される場合と比較して、各撚線層200を構成する素線300の断面積を大きくすることができる。その結果、各撚線層200の電流容量を増加させることが可能となる。
最外撚線層240は、撚線層230の外周に隣接し、撚線層230の外周を囲むように設けられている。最外撚線層240を構成する最外素線340は、例えば、いわゆる円形素線(丸形素線)として構成され、最外素線340の断面は、円形となっている。複数の最外素線340は、撚線層230の外周の周方向に互いに接して均等に配置されている。
(断面構造の詳細)
次に、図2を用い、本実施形態の電線10の断面構造の詳細について説明する。図2は、図1の一部を拡大した断面図である。
図2に示すように、最外撚線層240の直内側に位置する撚線層230において、撚線層230を構成する素線330の表面のうち、少なくとも最外撚線層240に対面する外周面334は、粗面化されている。これにより、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を高めることができる。
具体的には、素線330の外周面334は、素線330の他の面(内周面332および側面336)よりも粗くなっている。粗面化していない内周面332および側面336等における凹凸の最大深さが例えば0.003mm未満であるのに対して、本実施形態の外周面334における凹凸の最大深さは、例えば、0.003mm以上0.1mm以下である。外周面314における凹凸の最大深さが0.003mm未満であると、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を充分に高めることができない可能性がある。これに対して、外周面334における凹凸の最大深さが0.003mm以上であることにより、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を効果的に高めることができる。一方で、外周面334における凹凸の最大深さが0.1mm超であると、素線330の疲労限応力値が低下する可能性がある。この場合、各素線300が振動し、疲労限応力値以上の力が連続して働いたときに、素線330が破断するおそれがある。これに対して、外周面334における凹凸の最大深さが0.1mm以下であることにより、素線330の疲労限応力値を所定値以上に維持し、素線330が破断することを抑制することができる。
また、電線10の径方向に隣接する撚線層230と最外撚線層240との間には、摩擦係数を高める粒子400が介在している。撚線層230と最外撚線層240とは、粒子400を介して接している。粒子400は、粗面化された撚線層230の外周面334の上に均等に分散されている。これにより、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数をさらに高めることができる。
粒子400は、例えば、非導電性材料からなっている。具体的には、粒子400は、砂粒からなっている。
粒子400の直径は、例えば、0.4mm以上1.0mm以下である。粒子400の直径が0.4mm未満であると、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を充分に高めることができない可能性がある。これに対して、粒子400の直径が0.4mm以上であることにより、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を効果的に高めることができる。一方で、粒子400の直径が1.0mm超であると、電線10の外径が過大となる可能性がある。また、粒子400が大きすぎて、撚線層230と最外撚線層240との間に介在する粒子400の数を増やすことができず、かえって摩擦力が低下してしまう可能性がある。これに対して、粒子400の直径が1.0mm以下であることにより、電線10の外径が過大となることを抑制することができる。また、撚線層230と最外撚線層240との間に所定数の粒子400を介在させ、摩擦力を向上させることができる。
撚線層230と最外撚線層240との間に介在する粒子400の介在量、すなわち、電線10の単位長さあたりの、撚線層230と最外撚線層240との間に介在する粒子400の質量(単位g/m)は、例えば、0.5g/m以上1g/m以下である。粒子400の介在量が0.5g/m未満であると、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を充分に高めることができない可能性がある。これに対して、粒子400の介在量が0.5g/m以上であることにより、撚線層230と最外撚線層240との摩擦係数を効果的に高めることができる。一方で、粒子400の介在量が1.0g/m超であると、粒子400が多すぎて、撚線層230と最外撚線層240との間から粒子400がこぼれ落ちてしまう可能性がある。または、粒子400が多すぎて、電線10が過剰に重くなってしまう。これに対して、粒子400の介在量が1.0g/m以下であることにより、撚線層230と最外撚線層240との間に所定量の粒子400を保持させ、粒子400がこぼれ落ちることを抑制することができる。また、粒子400の介在量が1.0g/mであれば、電線10が過剰に重くなることはない。
なお、本実施形態では、最外撚線層240を構成する最外素線340の表面、すなわち電線10の外周面は、粗面化されていない。これにより、金車に電線10を通過させる際に、金車と電線10との摩擦係数が高くなることを抑制し、金車に電線10を滑らかに通過させることができる。
以上のように構成される本実施形態の電線10では、撚線層230の素線330の表面の一部が粗面化されるとともに、撚線層230と最外撚線層240との間に粒子400が介在することにより、本実施形態の電線10における撚線層230と最外撚線層240との間の摩擦力は、これらの処理が施されていない通常の電線における内側撚線層と最外撚線層との間の摩擦力と比較して、約10倍程度となる。具体的には、通常の電線において、内側撚線層と最外撚線層との間の摩擦係数が1以上2以下であるのに対して、本実施形態の電線10において、撚線層230と最外撚線層240との間の摩擦係数は、例えば、10以上25以下となる。これにより、撚線層230と最外撚線層240との間における素線300の相互の動きを抑制することができる。その結果、延線時の電線10の笑いが生じることを抑制することが可能となる。
(2)架空送電線の製造方法
次に、図3および図4を用い、本実施形態に係る電線10の製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係る架空送電線の製造方法を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る架空送電線の製造装置を示す構成概略図である。
(S110:準備工程)
まず、鋼心部100を構成する心線110を準備する。具体的には、熱間押出法により、鋼線の外周にアルミニウムを被覆することで、熱間押出材を形成する。そして、円形の開口を有する伸線ダイスを設けた伸線機を用い、熱間押出材を伸線することにより、アルミ覆鋼線からなる心線110を形成する。
また、撚線層200を構成する素線300を準備する。扇形の開口を有する異型伸線ダイスを設けた伸線機を用い、アルミ合金材を伸線することにより、断面扇形の素線310を形成する。また、素線310と開口サイズの異なる異型伸線ダイスを設けた伸線機を用い、素線320および素線330のそれぞれを形成する。また、円形の開口を有する伸線ダイスを設けた伸線機を用い、断面円形の最外素線340を形成する。
(撚線層形成工程)
次に、以下のようにして、複数の素線300を撚り合わせることにより、撚線層200を複数形成する。本実施形態では、撚線層形成工程は、例えば、第1撚線層形成工程S211と、第2撚線層形成工程S221と、第3撚線層形成工程S231と、粗面化工程S232と、粒子付着工程S233と、最外撚線層形成工程S240と、を有している。これらの工程は、独立して行われるのではなく、製造装置50を用いて連続的に行われる。
(S211:第1撚線層形成工程)
まず、図示しない撚線機を用い、例えば7本の心線110を撚り合わせることにより、鋼心部100を形成する。
次に、第1撚線機512を用い、鋼心部100の外周を囲むように複数の素線310を撚り合わせることにより、撚線層210を形成する。このとき、素線310の表面は粗面化されていないため、複数の素線310を滑らかに撚り合わせることができる。
(S221:第2撚線層形成工程)
次に、第2撚線機522を用い、撚線層210の外周を囲むように複数の素線320を撚り合わせることにより、撚線層220を形成する。このとき、素線320の表面は粗面化されていないため、複数の素線320を滑らかに撚り合わせることができる。
(S231:第3撚線層形成工程)
次に、第3撚線機532を用い、撚線層220の外周を囲むように複数の素線330を撚り合わせることにより、撚線層230を形成する。このとき、素線330の表面(特に側面336)は粗面化されていないため、複数の素線330を滑らかに撚り合わせることができる。
(S232:粗面化工程)
次に、粗面化装置534を用い、撚線層230の外周面334を粗面化させる。具体的には、粗面化装置534は、サンドブラスト装置として構成されている。粗面化装置534を用い、粒子状の研磨材を圧縮空気によって撚線層230に向けて均一に吹き付ける。これにより、素線330の外周面334における凹凸の最大深さを、例えば、0.003mm以上0.1mm以下とする。
(S233:粒子付着工程)
次に、粒子付着装置536を用い、撚線層230の外周面334上に、摩擦係数を高める粒子400を付着させる。具体的には、粒子付着装置536は、スプレー塗布装置として構成されている。粒子付着装置536を用い、例えば、砂粒からなる粒子400を水に分散させた溶液を撚線層230の外周に向けて均一に吹き付ける。そして、図示しない乾燥機を用い、所定温度に加熱された乾燥空気を撚線層230の外周に向けて吹き付けることで、水を蒸発させる。これにより、例えば、0.5g/m以上1g/m以下の粒子400を、撚線層230の外周面334上に付着させる。
(S240:最外撚線層形成工程)
次に、第4撚線機542を用い、撚線層230の外周を囲むように複数の最外素線340を撚り合わせることにより、最外撚線層240を形成する。このとき、最外素線340の表面は粗面化されていないため、複数の最外素線340を滑らかに撚り合わせることができる。この工程により、電線10の径方向に隣接する撚線層230と最外撚線層240との間に、上記した粒子400を介在させる。
以上により、本実施形態に係る電線10が製造される。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)所定の撚線層200を構成する素線300の表面のうち、少なくとも外側の撚線層200に対面する領域(例えば素線330の外周面334)は、粗面化されている。これにより、電線10の径方向に隣接する2つの撚線層200間の摩擦係数を高めることができる。そして、2つの撚線層200間における素線300の相互の動きを抑制することができる。その結果、延線時の電線10の笑いが生じることを抑制することができる。
(b)本実施形態では、特に、最外撚線層240の直内側に位置する撚線層230において、撚線層230を構成する素線230の表面のうち、少なくとも最外撚線層240に対面する領域(外周面334)が、粗面化されている。ここで、電線10では、最外撚線層240よりも内側に位置する撚線層210,220,230同士は、比較的強固に結束されている。しかしながら、最外撚線層240と、その直内側の撚線層230とは、互いに緩み易い傾向にある。したがって、本実施形態のように、撚線層230の外周面334が粗面化されていることにより、互いに緩み易い傾向にある最外撚線層240と撚線層230との間の摩擦力を高めることができる。その結果、延線時に、最外撚線層240と撚線層230との間で笑いが生じることを効果的に抑制することが可能となる。
(c)電線10の径方向に隣接する撚線層230および最外撚線層240は、摩擦係数を高める粒子400を介して接している。これにより、撚線層230および最外撚線層240の間の摩擦係数をさらに高めることができ、撚線層230および最外撚線層240間における素線300の相互の動きを確実に抑制することができる。
(d)撚線層230を構成する素線330の表面のうち、少なくとも外側の撚線層200に対面する領域(例えば外周面334)は、該素線330の他の領域よりも粗くなっている。同一の撚線層230において隣り合う素線330は、互いに滑らかな領域(側面336)で接している。一方で、撚線層230は、粗面化された領域(外周面334)で、最外撚線層240に隣接している。これにより、同一の撚線層230内での素線330の動きをある程度許容しつつ、同一の撚線層230を超える素線330の動きを抑制することができる。例えば、金車を電線10が通過する際には、電線10に対して局所的な応力が加わるため、電線10の笑いを生じない程度に各撚線層200の素線300が動いて応力を緩和することが求められる場合がある。このような場合に、同一の撚線層230内での素線330の動きをある程度許容することで、素線330に応力が集中することを抑制し、素線330が損傷することを抑制することが可能となる。その一方で、同一の撚線層230を超えるような素線330の動きを抑制することで、電線10の笑いが生じることを抑制することが可能となる。
また、製造方法の観点では、第3撚線層形成工程において、素線330の外周領域(外周面334)以外の領域(特に側面336)が滑らかな状態で保たれることにより、複数の素線330を滑らかに撚り合わせることができる。
(e)撚線層230を構成する素線330の断面は、扇形となっている。撚線層230は、複数の扇形の素線330が互いに側面336で接して周方向に並べられることで、円環状に構成されている。撚線層230における外周面334は、鋼心部100の中心軸(電線10の中心軸)を中心とする同心円を形成し、最外撚線層240の内周側に対面している。これにより、撚線層230を構成する素線330の断面が仮に円形である場合と比較して、本実施形態では、撚線層230において、最外撚線層240の内周側に対面する領域(外周面334)の面積を広くすることができる。そして、このように広い面積を有する外周面334を粗面化することで、撚線層230および最外撚線層240間の摩擦力を効果的に向上させることができる。
(f)本実施形態では、最外撚線層240を構成する最外素線340は、円形素線として構成されている。このような場合、円形素線で構成される最外撚線層240と、その直内側の最外撚線層240との接触面積が小さく、最外撚線層240と撚線層230とが互いに緩み易い。そこで、本実施形態のように、撚線層230の外周面334を粗面化することにより、最外撚線層240と撚線層230と接触面積が小さくても、これらの間の摩擦力を高めることができる。したがって、本実施形態は、最外撚線層240を構成する最外素線340が円形素線として構成されている場合に特に有効である。
(g)電線10の製造工程では、撚線層230を形成した後に、該撚線層230の外周領域(外周面334)を粗面化する。このとき、該撚線層230においては、複数の素線330が周方向に並べられているので、各素線330の外周領域のみが外側に露出し、その一方で、各素線330の外周領域以外の領域(内周面332および側面336等)は、隣接する素線300によって隠れている。この状態で撚線層230を粗面化することで、撚線層230の外周領域のみを選択的且つ容易に粗面化することが可能となる。また、撚線層230の外周領域を粗面化した後に、粗面化された撚線層230の外周を囲むように最外撚線層240を形成する工程を中断することなく連続的に行うことが可能となる。
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の電線12では、最外撚線層の直内側に位置する撚線層以外の撚線層も粗面化されている点が第1実施形態の電線10と異なる。以下、第1実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)架空送電線
図5を用い、本実施形態の電線12について説明する。図5は、本実施形態に係る架空送電線の軸方向と直交する断面図の一部を拡大した図である。
図5に示すように、電線12は、例えば、鋼心部100と、撚線層212と、撚線層222と、撚線層232と、最外撚線層242と、を備えている。なお、本実施形態において「撚線層202」との表現を、撚線層212、撚線層222、撚線層232、または最外撚線層242の総称として用い、「素線302」との表現を、各撚線層202を構成する素線の総称として用いる。
撚線層212を構成する素線350の表面のうち、少なくとも撚線層222に対面する外周面354は、粗面化されている。これにより、撚線層212と撚線層222との摩擦係数を高めることができる。
具体的には、素線350の外周面354は、素線350の他の面(内周面352および側面356)よりも粗くなっている。本実施形態の外周面354における凹凸の最大深さは、例えば、0.003mm以上0.1mm以下である。
また、電線10の径方向に隣接する撚線層212と撚線層222との間には、摩擦係数を高める粒子400が介在している。撚線層212と撚線層222とは、粒子400を介して接している。粒子400は、粗面化された撚線層212の外周面354の上に均等に分散されている。これにより、撚線層212と撚線層222との摩擦係数をさらに高めることができる。なお、粒子400の直径は、例えば、0.4mm以上1.0mm以下である。
撚線層212と撚線層222との間に介在する粒子400の介在量、すなわち、電線10の単位長さあたりの、撚線層212と撚線層222との間に介在する粒子400の質量(単位g/m)は、例えば、0.5g/m以上1g/m以下である。
本実施形態では、撚線層222の表面の一部、および撚線層232の表面の一部にも、上記のような撚線層212の外周面354と同様の処理が施されている。
具体的には、撚線層222を構成する素線360の表面のうち、少なくとも撚線層232に対面する外周面364は、粗面化されている。素線320の外周面364は、素線360の他の面(内周面362および側面366)よりも粗くなっている。素線360の外周面364における凹凸の最大深さは、素線350の外周面354における凹凸の最大深さと同様である。これにより、撚線層222と撚線層232との摩擦係数を高めることができる。
また、電線10の径方向に隣接する撚線層222と撚線層232との間においても、摩擦係数を高める粒子400が介在している。撚線層222と撚線層232との間に介在する粒子400は、撚線層212と撚線層222との間に介在する粒子400と同様に構成されている。これにより、撚線層222と撚線層232との摩擦係数をさらに高めることができる。
また、第2撚線層232を構成する素線370の表面のうち、少なくとも最外撚線層242に対面する外周面374は、粗面化されている。素線370の外周面374は、素線370の他の面(内周面372および側面376)よりも粗くなっている。素線370の外周面334における凹凸の最大深さは、素線350の外周面354における凹凸の最大深さと同様である。これにより、撚線層232と最外撚線層242との摩擦係数を高めることができる。
また、電線10の径方向に隣接する撚線層232と最外撚線層242との間においても、摩擦係数を高める粒子400が介在している。撚線層232と最外撚線層242との間に介在する粒子400は、撚線層212と撚線層222との間に介在する粒子400と同様に構成されている。これにより、撚線層232と最外撚線層242との摩擦係数をさらに高めることができる。
なお、最外撚線層242を構成する最外素線380の表面、すなわち電線10の外周面は、粗面化されていない。
(2)架空送電線の製造方法
次に、図6および図7を用い、本実施形態に係る電線12の製造方法について説明する。図6は、本実施形態に係る架空送電線の製造方法を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る架空送電線の製造装置を示す構成概略図である。
(S110:準備工程)
まず、鋼心部100を構成する心線110と、断面扇形の素線350,360,370と、断面円形の最外素線340と、を準備する。
(撚線層形成工程)
次に、以下のようにして、複数の素線302を撚り合わせることにより、撚線層202を複数形成する。本実施形態では、撚線層形成工程は、例えば、第1撚線層形成工程S251と、第1粗面化工程S252と、第1粒子付着工程S253と、第2撚線層形成工程S261と、第2粗面化工程S262と、第2粒子付着工程S263と、第3撚線層形成工程S271と、第3粗面化工程S272と、第3粒子付着工程S273と、最外撚線層形成工程S280と、を有している。これらの工程は、独立して行われるのではなく、製造装置52を用いて連続的に行われる。
(S251:第1撚線層形成工程)
まず、図示しない撚線機を用い、例えば7本の心線110を撚り合わせることにより、鋼心部100を形成する。
次に、第1撚線機552を用い、鋼心部100の外周を囲むように複数の素線350を撚り合わせることにより、撚線層212を形成する。このとき、素線350の表面(特に側面356)は粗面化されていないため、複数の素線350を滑らかに撚り合わせることができる。
(S252:第1粗面化工程)
次に、第1粗面化装置554を用い、撚線層212の外周面354を粗面化させる。具体的には、第1粗面化装置554は、第1実施形態の粗面化装置534と同様に、サンドブラスト装置として構成されている。第1粗面化装置554を用いることにより、撚線層212の外周面354における凹凸の最大深さを、例えば、0.003mm以上0.1mm以下とする。
(S253:第1粒子付着工程)
次に、第1粒子付着装置556を用い、撚線層212の外周面354上に、摩擦係数を高める粒子400を付着させる。具体的には、第1粒子付着装置556は、第1実施形態の粒子付着装置536と同様に、スプレー塗布装置として構成されている。第1粒子付着装置556を用いることにより、0.5g/m以上1g/m以下の粒子400を、撚線層212の外周面354上に付着させる。
(S261:第2撚線層形成工程)
次に、第2撚線機562を用い、撚線層212の外周を囲むように複数の素線360を撚り合わせることにより、撚線層222を形成する。このとき、素線360の表面(特に側面366)は粗面化されていないため、複数の素線360を滑らかに撚り合わせることができる。この工程により、電線12の径方向に隣接する撚線層212と撚線層222との間に、上記した粒子400を介在させる。
(S262:第2粗面化工程)
次に、第2粗面化装置564を用い、撚線層222の外周面364を粗面化させる。具体的には、第2粗面化装置564は、第1粗面化装置554と同様に、サンドブラスト装置として構成されている。第2粗面化装置564を用いることにより、素線360の外周面364における凹凸の最大深さを、素線350の外周面354における凹凸の最大深さと同様とする。
(S263:第2粒子付着工程)
次に、第2粒子付着装置566を用い、撚線層222の外周面364上に、摩擦係数を高める粒子400を付着させる。具体的には、第2粒子付着装置566は、第1粒子付着装置556と同様に、スプレー塗布装置として構成されている。第2粒子付着装置566を用いることにより、例えば、撚線層212の外周面354上の粒子400と同等量の粒子400を、撚線層222の外周面364上に付着させる。
(S271:第3撚線層形成工程)
次に、第3撚線機572を用い、撚線層222の外周を囲むように複数の素線370を撚り合わせることにより、撚線層232を形成する。このとき、素線370の表面(特に側面376)は粗面化されていないため、複数の素線370を滑らかに撚り合わせることができる。この工程により、電線12の径方向に隣接する撚線層222と撚線層232との間に、上記した粒子400を介在させる。
(S272:第3粗面化工程)
次に、第3粗面化装置574を用い、撚線層232の外周面374を粗面化させる。具体的には、第3粗面化装置574は、第1粗面化装置554と同様に、サンドブラスト装置として構成されている。第3粗面化装置574を用いることにより、素線370の外周面374における凹凸の最大深さを、素線350の外周面354における凹凸の最大深さと同様とする。
(S273:第3粒子付着工程)
次に、第3粒子付着装置576を用い、撚線層232の外周面374上に、摩擦係数を高める粒子400を付着させる。具体的には、第3粒子付着装置576は、第1粒子付着装置556と同様に、スプレー塗布装置として構成されている。第3粒子付着装置576を用いることにより、例えば、撚線層212の外周面354上の粒子400と同等量の粒子400を、撚線層232の外周面374上に付着させる。
(S280:最外撚線層形成工程)
次に、第4撚線機582を用い、撚線層232の外周を囲むように複数の最外素線380を撚り合わせることにより、最外撚線層280を形成する。このとき、最外素線380の表面は粗面化されていないため、複数の最外素線380を滑らかに撚り合わせることができる。この工程により、電線12の径方向に隣接する撚線層270と最外撚線層280との間に、上記した粒子400を介在させる。
以上により、本実施形態に係る電線12が製造される。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、最外撚線層242の直内側に位置する撚線層232の外周面374だけでなく、撚線層212の外周面354、および撚線層222の外周面364も、粗面化されている。これにより、撚線層232および最外撚線層242の間の摩擦係数だけでなく、撚線層212および撚線層222の間の摩擦係数と、撚線層222および撚線層232の間の摩擦係数とを高めることができる。
ここで、金車に電線12を通過させる際には、上述したように、電線12の最外撚線層242を構成する最外素線380のみが金車側へ送られることで、最外撚線層242と、その直内側の撚線層232との撚り状態が崩れ(緩み)、撚線層232および最外撚線層242の間で笑いが生じ易い。このとき、撚線層232および最外撚線層242の間で笑いが生じると、撚線層212および撚線層222の間や、撚線層222および撚線層232の間においても笑いが生じることがある。そこで、本実施形態のように、撚線層212の外周面354、および撚線層222の外周面364を粗面化しておくことにより、撚線層212および撚線層222の間の摩擦係数と、撚線層222および撚線層232の間の摩擦係数とを高めることができ、撚線層212および撚線層222の間や、撚線層222および撚線層232の間における素線302の相互の動きを抑制することができる。これにより、撚線層212および撚線層222の間や、撚線層222および撚線層232の間においても笑いが生じることを抑制することが可能となる。その結果、電線12全体として笑いが生じることを抑制することが可能となる。
(b)撚線層230および最外撚線層240の間だけでなく、撚線層212および撚線層222の間や、撚線層222および撚線層232の間においても、摩擦係数を高める粒子400が介在している。これにより、撚線層212および撚線層222の間の摩擦係数や、撚線層222および撚線層232の間の摩擦係数をさらに高めることができ、撚線層212および撚線層222の間や、撚線層222および撚線層232の間における素線300の相互の動きを確実に抑制することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態および変形例について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、撚線層が例えば4層設けられる場合について説明したが、撚線層は2〜3層、または5層以上設けられていてもよい。
上述の実施形態では、撚線層210、撚線層220および撚線層230のそれぞれの素線300の断面が扇形である場合について説明したが、第1撚線層、第2撚線層および第3撚線層のそれぞれの素線の断面は円形であってもよい。この場合、円形の素線の表面のうち、少なくとも外側の撚線層に対面する領域が粗面化されていればよい。ただし、上述の実施形態のように素線の断面が扇形であるほうが、外側の撚線層に対面する外周面の面積を広くすることができるため好ましい。
上述の実施形態では、最外撚線層240を構成する最外素線340が円形素線である場合について説明したが、最外撚線層を構成する最外素線は異型素線であってもよい。
上述の実施形態では、粒子400が非導電性材料からなっている場合について説明したが、粒子は導電性であってもよい。
上述の実施形態では、粗面化工程(粗面化工程S232等)において、サンドブラスト装置としての粗面化装置(粗面化装置534等)を用いて、撚線層200の外周面を粗面化する場合について説明したが、粗面化工程において、ブラッシング装置としての粗面化装置を用いて、撚線層の外周面を粗面化してもよい。また、ブラッシング装置としての粗面化装置を用いる場合は、素線を形成(伸線)する準備工程において、ブラッシング装置としての粗面化装置により、素線の外周面を選択的に粗面化してもよい。
上述の第2実施形態では、撚線層212の外周面354、撚線層222の外周面364、および撚線層232の外周面374のそれぞれが粗面化されている場合について説明したが、複数の撚線層のうち、少なくとも1つの撚線層の外周面が粗面化されていれば、外周面が粗面化された撚線層と、その撚線層に隣接する外側の撚線層との間において笑いを抑制する効果を得ることができる。
上述の第2実施形態では、内側の撚線層202を構成する素線302のうち、少なくとも外側の撚線層202に対面する領域(外周面)が粗面化されている場合について説明したが、外側の撚線層を構成する素線のうち、少なくとも内側の撚線層に対面する領域(内周面)が粗面化されていてもよい。この場合の電線の製造方法としては、撚線形成工程の際に撚線層の内周面を粗面化することは困難であるので、例えば、上述のように素線を形成する準備工程において、ブラッシング装置としての粗面化装置により、素線の内周面を選択的に粗面化することが好ましい。
または、内側の撚線層を構成する素線のうち、少なくとも外側の撚線層に対面する領域(外周面)と、外側の撚線層を構成する素線のうち、少なくとも内側の撚線層に対面する領域(内周面)との両方が粗面化されていてもよい。この場合も、例えば、素線を形成する準備工程において、ブラッシング装置としての粗面化装置により、素線の外周面および内周面を選択的に粗面化することが好ましい。この場合によれば、内側の撚線層の外周領域と、外側の撚線層の内周領域との両方が粗面化されていることにより、2つの撚線層間の摩擦係数をさらに高めることができる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
複数の素線を撚り合わせてなる撚線層を複数備え、
前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層が設けられ、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域は、粗面化されている架空送電線が提供される。
(付記2)
好ましくは、付記1に記載の架空送電線であって、
前記第2撚線層は、前記複数の撚線層のうち、最も外側に位置する。
(付記3)
好ましくは、付記1又は2に記載の架空送電線であって、
前記電線の径方向に隣接する前記第1撚線層と前記第2撚線層とは、摩擦係数を高める粒子を介して接している。
(付記4)
好ましくは、付記3に記載の架空送電線であって、
前記粒子は、非導電性材料からなる。
(付記5)
好ましくは、付記3又は4に記載の架空送電線であって、
前記粒子は、砂からなる。
(付記6)
好ましくは、付記3〜5のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記粒子の直径は、0.4mm以上1.0mm以下である。
(付記7)
好ましくは、付記1〜6のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域は、他の領域よりも粗くなっている。
(付記8)
好ましくは、付記1〜7のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記第2撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第1撚線層に対面する領域は、粗面化されている。
(付記9)
好ましくは、付記1〜8のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記第2撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第1撚線層に対面する領域は、他の領域よりも粗くなっている。
(付記10)
好ましくは、付記1〜9のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記第1撚線層を構成する前記素線は、軸方向から見て、
円弧状に凹む内周面と、
前記内周面が凹んだ方向に円弧状に突出する外周面と、
前記内周面と前記外周面とを繋ぐ側面と、を有し、
前記第1撚線層は、前記複数の素線が互いに前記側面で接して周方向に並べられることで、円環状に構成される。
(付記11)
好ましくは、付記10に記載の架空送電線であって、
前記第1撚線層の前記外周面は、前記第2撚線層の内周側に対面し、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記外周面は、粗面化されている。
(付記12)
好ましくは、付記10又は11に記載の架空送電線であって、
前記第1撚線層の前記内周面は、前記第2撚線層の外周側に対面し、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記内周面は、粗面化されている。
(付記13)
好ましくは、付記1〜12のいずれかに記載の架空送電線であって、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域における凹凸の最大深さは、0.003mm以上0.1mm以下である。
(付記14)
本発明の他の態様によれば、
複数の素線を撚り合わせることにより、撚線層を複数形成する撚線層形成工程を備え、
前記撚線層形成工程では、
前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層を形成し、
前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域を、粗面化させる架空送電線の製造方法が提供される。
(付記15)
好ましくは、付記14に記載の架空送電線の製造方法であって、
前記撚線層形成工程は、
複数の第1素線を撚り合わせることにより前記第1撚線層を形成する第1撚線層形成工程と、
前記第1撚線層の外周領域を粗面化させる粗面化工程と、
前記第1撚線層の外周を囲むように複数の第2素線を撚り合わせることにより前記第2撚線層を形成する第2撚線層形成工程と、を有する。
(付記16)
本発明の他の態様によれば、
複数の第1素線を撚り合わせることにより第1撚線層を形成する第1撚線機と、
前記第1撚線層の外周領域を粗面化させる粗面化装置と、
前記第1撚線層の外周を囲むように複数の第2素線を撚り合わせることにより第2撚線層を形成する第2撚線機と、を備える架空送電線の製造装置が提供される。
10,12 架空送電線(電線)
50,52 製造装置
100 鋼心部
110 心線
112 鋼線部
114 被覆部
200,202,210,212、220,222,230,232 撚線層(外部撚線層)
240,242 最外撚線層
300,302 素線
310〜330,350〜370 素線
312,322,332,352,362,372 内周面
314,324,334,354,364,374 外周面
316,326,336,356,366,376 側面
340,380 最外素線
400 粒子
512,552 第1撚線機
522,562 第2撚線機
532,572 第3撚線機
534 粗面化装置
536 粒子付着装置
542,582 第4撚線機
554 第1粗面化装置
556 第1粒子付着装置
564 第2粗面化装置
566 第2粒子付着装置
574 第3粗面化装置
576 第3粒子付着装置

Claims (9)

  1. 複数の素線を撚り合わせてなる撚線層を複数備え、
    前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層が設けられ、
    前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域は、粗面化されている架空送電線。
  2. 前記第2撚線層は、前記複数の撚線層のうち、最も外側に位置する請求項1に記載の架空送電線。
  3. 前記電線の径方向に隣接する前記第1撚線層と前記第2撚線層とは、摩擦係数を高める粒子を介して接している請求項1又は2に記載の架空送電線。
  4. 前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域は、他の領域よりも粗くなっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の架空送電線。
  5. 前記第1撚線層を構成する前記素線は、軸方向から見て、
    円弧状に凹む内周面と、
    前記内周面が凹んだ方向に円弧状に突出する外周面と、
    前記内周面と前記外周面とを繋ぐ側面と、を有し、
    前記第1撚線層は、前記複数の素線が互いに前記側面で接して周方向に並べられることで、円環状に構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の架空送電線。
  6. 前記第1撚線層の前記外周面は、前記第2撚線層の内周側に対面し、
    前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記外周面は、粗面化されている請求項5に記載の架空送電線。
  7. 前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域における凹凸の最大深さは、0.003mm以上0.1mm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の架空送電線。
  8. 複数の素線を撚り合わせることにより、撚線層を複数形成する撚線層形成工程を備え、
    前記撚線層形成工程では、
    前記複数の撚線層のうち、第1撚線層に電線の径方向に隣接するように第2撚線層を形成し、
    前記第1撚線層を構成する前記素線の表面のうち、少なくとも前記第2撚線層に対面する領域を、粗面化させる架空送電線の製造方法。
  9. 前記撚線層形成工程は、
    複数の第1素線を撚り合わせることにより前記第1撚線層を形成する第1撚線層形成工程と、
    前記第1撚線層の外周領域を粗面化させる粗面化工程と、
    前記第1撚線層の外周を囲むように複数の第2素線を撚り合わせることにより前記第2撚線層を形成する第2撚線層形成工程と、を有する請求項8に記載の架空送電線の製造方法。
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