JP2017183193A - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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宏樹 矢内
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亜希子 岡部
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Abstract

【課題】更なる高容量化と、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇抑制とを両立可能なニッケル水素蓄電池を提供する。【解決手段】本発明のニッケル水素蓄電池は、帯状の正極、帯状の負極、および正極と負極との間に介在する帯状のセパレータが巻回された電極群と、電極群に含まれる電解質と、を備える。正極は、正極活物質としてニッケル化合物を含み、負極は、負極活物質として水素吸蔵合金を含む。負極の表面には、フッ素樹脂が付着しており、負極は、電極群の最外周に配される第1部分と、第1部分以外の第2部分とを有する。第1部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1は、第2部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2よりも多い。【選択図】図1

Description

本発明は、巻回式電極群を備えるニッケル水素蓄電池に関する。
ニッケル水素蓄電池は、帯状の正極、帯状の負極、およびこれらの間に介在する帯状のセパレータが巻回された電極群と、電極群に含まれる電解質と、を備える。正極は、正極活物質としてニッケル化合物を含み、負極は、負極活物質として水素吸蔵合金を含む。
ニッケル水素蓄電池では、過充電時における負極での水素ガスの発生を抑制すべく、通常は、負極の容量を正極の容量よりも大きくしている。
過充電時には、正極において、水酸化物イオンの酸化により酸素ガスが発生する。正極で発生した酸素ガスは負極に吸収される。具体的には、負極において、酸素ガスは、水素吸蔵合金中の水素と反応して、水に還元される。このように、ニッケル水素蓄電池では、負極の容量を正極の容量よりも大きくして、過充電時の負極での水素ガスの発生を抑制しつつ正極で発生した酸素ガスを負極で還元消費させることにより、過充電時の電池内圧の上昇が抑制される。
一方、過放電時には、正極において、水の還元により水素ガスが発生する。正極で発生した水素ガスは、負極に吸収される。具体的には、負極において、水素ガスは、水素吸蔵合金と反応して、合金が水素化される。このように、ニッケル水素蓄電池では、過放電時に正極で発生した水素ガスを負極に吸収させることにより、過放電時の電池内圧の上昇が抑制される。
特許文献1では、過充電時の負極の酸素ガス消費反応を高めるべく、水素吸蔵合金を含む負極の表面に、粒径0.05〜1.0μmの単粒子状のフッ素樹脂を、当該負極1cmあたり0.0005〜0.005g存在させることが提案されている。また、特許文献2では、水素吸蔵合金を含む負極の表面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を0.02〜0.11mg/cm付着させることが提案されている。このPTFEは、低開孔率の導電性芯材を用いる場合に生じる活物質剥がれを防止するために用いられるが、負極表面に付着しているため、負極のガス吸収性は改善される。
負極のガス吸収(合金の水素化または酸素ガスの還元反応)は、水素吸蔵合金表面の電解質層が形成されている箇所と、電解質層が形成されていない箇所との境界面、つまり、気相(ガス)と、液相(電解質)と、固相(水素吸蔵合金)との三相界面で行われる。よって、負極における三相界面の形成度合は、負極のガス吸収性に影響を与える。特許文献1および2に記載のように、負極の表面に撥水性を有するフッ素樹脂を付与することにより、負極において三相界面が形成され易くなるため、負極のガス吸収性が向上すると考えられる。
特開2004−327387号公報 特開2010−161014号公報
ところで、ニッケル水素蓄電池を更に高容量化するためには、電池内の空間にできるだけ、正極活物質および負極活物質を充填し、残空間の容積を小さくすることが必要になる。電池内(電極群内)の残空間の容積が小さくなると、電極群内に滞留可能なガス量が減少するため、過充電時および過放電時にガス発生に伴い電池内圧が急激に上昇し易くなる。
特許文献1および2に記載の手法では、負極のガス吸収性をある程度改善することはできるが、電池を更に高容量化する場合において電池内圧の上昇を十分に抑制することは困難である。電池内圧が過度に上昇すると、電解質が電池外へ漏出するおそれがある。
本発明の目的は、高容量化と、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇抑制とを両立可能なニッケル水素蓄電池を提供することである。
本発明の一局面は、帯状の正極、帯状の負極、および前記正極と前記負極との間に介在する帯状のセパレータが巻回された電極群と、前記電極群に含まれる電解質と、を備え、
前記正極は、正極活物質としてニッケル化合物を含み、
前記負極は、負極活物質として水素吸蔵合金を含み、
前記負極の表面には、フッ素樹脂が付着しており、
前記負極は、前記電極群の最外周に配される第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とを有し、
前記第1部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mは、前記第2部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mよりも多い、ニッケル水素蓄電池に関する。
本発明によれば、高容量化と、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇抑制とを両立可能なニッケル水素蓄電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係るニッケル水素蓄電池を模式的に示す断面図である。 図1の円筒形電池を模式的に示す横断面図である。 図2のIIIで示される円に囲まれた部分の拡大図である。 図2の電極群に使用される負極の一例を模式的に示す概略斜視図である。 図4の負極の概略側面図である。 図2の電極群に使用される負極の他の例を模式的に示す概略斜視図である。 図6の負極の概略側面図である。 図2の電極群に使用される負極のさらに他の例を模式的に示す概略斜視図である。 図8の負極の概略側面図である。
本発明は、正極活物質としてニッケル化合物を含む帯状の正極、負極活物質として水素吸蔵合金を含む帯状の負極、および正極と負極との間に介在する帯状のセパレータが巻回された電極群と、電極群に含まれる電解質と、を備え、負極の表面にフッ素樹脂が付着しているニッケル水素蓄電池に関する。
ニッケル水素蓄電池をさらに高容量化するためには、電池内の空間にできるだけ、正極活物質及び負極活物質を充填し、残空間の容積を小さくすることが必要になる。電池内(電極群内)の残空間の容積が小さくなると、電池内(電極群内)に滞留可能なガス量が減少するため、過充電時および過放電時にガス発生に伴い電池内圧が急激に上昇し易くなる。これに対しては、負極の表面に付着するフッ素樹脂量をさらに増やして、負極のガス吸収性をさらに高めることが考えられる。しかし、単に負極の表面に付着するフッ素樹脂量をさらに増やすだけでは、負極の全体においてフッ素樹脂が占める体積が増加し、負極活物質が電解質と接触する領域が減少してしまい、電池容量の低下を招いてしまう。
そこで、本発明は、フッ素樹脂を付着させる量を、負極の特定の部分において、多くするものである。すなわち、電極群の最外周に配される第1部分(以下、単に第1部分と称する。)と、第1部分以外の第2部分(以下、単に第2部分と称する。)とを有する負極において、第1部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mを、第2部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mよりも多くするものである。この場合には、第1部分の単位容量当たりに付着するフッ素樹脂の質量は、第2部分の単位容量当たりに付着するフッ素樹脂の質量よりも多くなっている。すなわち、第1部分の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nは、第2部分の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2nよりも多くなっている。上記第1部分は、電極群の最外周のすべてに配されてもよく、電極群の最外周の一部に配されてもよい。
<Mとすることで、第1部分のガス吸収性をより高めることができ、電池内において負極のガス吸収を効率良く行うことができ、電池内圧の上昇を抑制する効果がより顕著に得られる。よって、電池内に充填する正負極活物質量を増やして、電池内の残空間の容積を減らした場合でも、過充電時および過放電時の正極からのガス発生に伴う電池内圧の上昇を十分に抑制することができる。その結果、電池内圧が過度に上昇することによる電解質の電池外への漏出を防ぐことができる
第1部分の外周側は、負極端子部を兼ねる電池ケースと対向し、正極と対向しないため、第1部分では、第2部分と比べて、正極との反応に利用される負極活物質の量は少ない。このため、第1部分において、第2部分と比べて、ガス吸収性をより高めるために、負極活物質量に対してフッ素樹脂量を増やしてもよい。第1部分において負極活物質が電解質と接触する領域が減少し、第1部分の負極活物質の利用率がある程度低下しても、電池容量の低下を避けることができるからである。すなわち、電池容量を低下させることなく、第1部分では、第2部分と比べて、負極活物質量に対してフッ素樹脂量を増やすことができる。また、電池容量を低下させることなく、M<Mとするために、第2部分における単位面積当たりの負極活物質量と比べて第1部分における単位面積当たりの負極活物質量を減らすことができる。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)が挙げられる。
負極の表面にフッ素樹脂を付着させる方法としては、例えば、フッ素樹脂の分散液を、負極(負極活物質層)の表面に塗布した後、乾燥する方法が用いられる。分散媒としては、例えば、エタノール、トルエン、メタノール、イソプロパノールのような有機媒体が用いられる。
負極の表面に付着させるフッ素樹脂の質量は、負極の表面に塗布するフッ素樹脂の分散液の量を適宜変えることにより、調整可能である。フッ素樹脂の粒子と、分散媒とを、1:5から1:20の質量比で混合して得られたフッ素樹脂の分散液を負極表面に塗布する場合、負極の単位面積あたりのフッ素樹脂の分散液の塗布量は、例えば、0.3〜0.6mg/cmである。
第1部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、5.3〜12.5mg/gであることが好ましい。第1部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mが12.5mg/g以下であると、高容量化し易い。第1部分の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mが5.3mg/g以上であると、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇をより確実に抑制することができる。
第1部分の単位質量あたりに付着するフッ素樹脂の質量Mと、第2部分の単位質量あたりに付着するフッ素樹脂の質量Mとは、関係式:
1.05≦M/M≦2.5
を満たすことが好ましい。
/Mが1.05以上であると、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇をより確実に抑制することができる。M/Mが2.5以下であると、高容量化し易い。
電池の放電特性の向上効果および電池内圧の上昇抑制効果がバランス良く得られることから、M/Mは、より好ましくは1.1〜2.2、さらに好ましくは1.3〜2.0、特に好ましくは1.5〜1.9である。
高容量化の観点から、負極は、負極集電体と、当該負極集電体の両方の表面に形成された負極活物質層とを有するのが好ましい。フッ素樹脂は、負極の外周側の表面(負極の外周側に位置する負極活物質層の表面)および負極の内周側の表面(負極の内周側に位置する負極活物質層の表面)の両方に付着している。負極集電体には、多孔性または無孔の基板を用いてもよい。
負極集電体に用いられる無孔の基板としては、例えば、金属箔が用いられる。負極集電体に用いられる多孔性の基板としては、例えば、エキスパンデッドメタル、パンチングメタル、金属ネットが用いられる。負極集電体の材質としては、例えば、ニッケル、またはニッケルをメッキした鉄などが挙げられる。
なお、負極集電体が多孔性の基板からなる場合には、負極は、多孔性基板の外表面を覆う負極活物質の被覆層と、多孔性基板の孔内に負極活物質が充填された層とを含む。被覆層が、上記の負極活物質層に相当する。負極集電体の表面に形成された負極活物質層の厚みとは、被覆層の厚みを指す。
多孔性の基板の開孔率は、例えば、30〜45%である。
負極活物質としては、公知の水素吸蔵合金を用いればよく、例えば、A型(またはCeNi型)、AB型(CaCu型またはMmNi型(Mmはミッシュメタルを示す)など)、AB型(またはCeNi型)、および/またはAB型(MgCu型など)などの結晶構造を有するものが挙げられる。
負極活物質層や負極活物質充填層は、負極活物質に加えて、結着剤、導電剤、および/または増粘剤を含む負極合剤の層であってもよい。結着剤としては、樹脂材料、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)などのゴム状材料、ポリオレフィン樹脂、および/またはアクリル樹脂(そのNaイオン架橋体も含む)が例示できる。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその塩、ポリビニルアルコール、および/またはポリエチレンオキサイドが挙げられる。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、導電性繊維、および/または有機導電性材料が挙げられる。
負極は、公知の手法を用いて作製すればよい。
<Mとする方法としては、例えば、負極全体(負極活物質層)の厚みを一定にして、第1部分の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aよりも、多くする第1の方法が挙げられる。
また、第2の方法として、第1部分の負極(負極活物質層)の厚みを、第2部分の負極(負極活物質層)の厚みよりも小さくした上で、さらに、負極の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量を一定にするか(M1A=M2Aとするか)、または、第1部分の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aよりも多くする方法が挙げられる。
上記の第2の方法で用いられる負極として、第1部分における、負極の厚みT1nと、負極集電体の厚みT1cとの差(T1n−T1c)と、第2部分における、負極の厚みT2nと、負極集電体の厚みT2cとの差(T2n−T2c)とは、関係式:
0.4≦(T1n−T1c)/(T2n−T2c)≦1.0
を満たすことが好ましい。
(T1n−T1c)/(T2n−T2c)が0.4以上であると、第1部分におけるガス吸収に必要な負極容量を確保することができることから、過充電時および過放電時の電池内圧の上昇をより確実に抑制することができる。(T1n−T1c)/(T2n−T2c)が1.0以下であると、高容量化し易いとともに、正極に対向する第2部分に十分な負極を配置することにより、良好な放電特性が得られ易い。
なお、(T1n−T1c)は、第1部分における、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の総厚みT1naに相当する。(T2n−T2c)は、第2部分における、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の総厚みT2naに相当する。
なお、負極集電体が多孔性の基板である場合には、負極集電体の厚みとは、孔を有しない部分の基板の厚みを指す。
(T1n−T1c)/(T2n−T2c)は、0.4〜0.95であることがより好ましい。上記範囲内である場合には、負極の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂量を一定にして、すなわちM1A=M2Aとして、M/Mを1.05〜2.5の範囲内に容易に調整することができる。
上記の第2の方法で用いられる負極は、電極群の内周側に位置する本体部と、電極群の最外周に位置する薄肉部と、これらの間に位置するテーパ部と、を有することが好ましい。電極群を構成する際、このテーパ部に、正極の外端が重なるように配される。薄肉部の長手方向の長さは、電極群の最外周の長手方向の長さの、例えば、50〜115%であり、70〜110%または80〜105%であることが好ましい。
この場合、負極における電極群の最外周に位置する薄肉部が、上記の第1部分に相当する。負極における第1部分以外の部分が、上記の第2部分に相当する。ただし、第2部分の厚みとは、本体部の厚みを指す。なお、M<Mを満たす領域は、負極の巻き終わり側の端部から第1部分の長さの、例えば85%以上の長さに亘って設けられる。
上記負極を用いることにより、負極の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量(負極の単位面積当たりに塗布するフッ素樹脂の分散液の質量)を一定にして、容易にM<Mとすることができ、負極へフッ素樹脂を付着させる作業がし易くなる。
また、上記負極を用いることにより、正極の外端の位置で計測される電極群の径が過度に大きくなることが抑制されるため、電極群の電池ケースへの挿入し易さを確保できる。また、薄肉部に比べてテーパ部では負極活物質層の厚みが大きいため、正極の外端近傍における負極活物質と正極活物質との量的バランス(N/P比のバランス)が崩れることが抑制される。よって、容量や出力の低下を抑制することができる。
第1部分の外周側は正極と対向しないため、第1部分(特に第1部分の外周側の負極活物質層)では、第2部分と比べて、正極との反応に利用される負極活物質の量は少ない。このため、電池容量を低下させることなく、第2部分における単位面積当たりの負極活物質量と比べて第1部分における単位面積当たりの負極活物質量を減らす、すなわち、第1部分において薄肉部を設けることができる。
薄肉部では、少なくとも外周側の負極活物質層の厚みが本体部の外周側の負極活物質層の厚みに比べて小さくなっていればよく、さらに内周側においても、薄肉部の負極活物質層の厚みが本体部の内周側の厚みに比べて小さくなっていてもよい。また、テーパ部も、少なくとも外周側の負極活物質層の厚みが本体部側から薄肉部側に向かって傾斜的に小さくなっていればよい。外周側に加えて、内周側においても、テーパ部の負極活物質層の厚みが本体部側から薄肉部側に向かって傾斜的に小さくなっていてもよい。
少なくとも、第1部分の外周側の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Oが、第2部分の外周側の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Oよりも多くなっていればよい。第1部分の内周側の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1iは、第2部位の負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2iよりも多くてもよく、当該質量M2iと同一でもよい。
正極は、少なくとも正極活物質を含んでいればよく、焼結体の正極集電体に後述する正極合剤を成形させたものであってもよい。また、正極は、多孔性または無孔の正極集電体と、正極集電体に付着した正極活物質とを含んでもよい。より具体的には、正極は、多孔性または無孔の基板からなる正極集電体と、当該正極集電体の表面の少なくとも一方に形成され、もしくは正極集電体の空隙に充填された正極合剤とを有してもよい。
正極集電体に用いられる無孔の基板としては、例えば、金属箔が用いられる。正極集電体に用いられる多孔性の基板としては、例えば、シート状の発泡体または焼結体が用いられる。正極集電体の材質としては、例えば、ニッケルまたはニッケル合金が挙げられる。
正極活物質としては、水酸化ニッケルまたはオキシ水酸化ニッケルのようなニッケル化合物が用いられる。
正極活物質層および正極活物質充填層は、正極活物質に加えて、結着剤、導電剤、および/または増粘剤を含む正極合剤の層であってもよい。導電剤、結着剤および増粘剤としては、公知の材料を用いればよく、負極について例示したものから適宜選択してもよい。また、導電剤としては、水酸化コバルト、および/またはγ型のオキシ水酸化コバルトなどの導電性のコバルト酸化物を用いてもよい。
正極は、公知の手法を用いて作製すればよい。
セパレータとしては、公知のものを用いればよく、例えば、樹脂製の微多孔膜や不織布が用いられる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ酸化ビニルなどのビニル樹脂、ポリアミド樹脂、またはアクリル樹脂が用いられ、これらを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。各セパレータの厚さは、例えば、10〜300μmの範囲から適宜選択でき、例えば、15〜200μmであってもよい。
電解質としては、アルカリ(アルカリ電解質)を含む水溶液が使用される。アルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、および/または水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。アルカリ電解液の比重は、例えば、1.03〜1.55である。
電池としては、例えば、円筒形電池や角形電池が挙げられる。円筒形電池の場合には、有底円筒状の電池ケースに略円形状の断面を有する電極群が収容される。角形電池の場合には、有底角筒状の電池ケースに略扁平形状の電極群が収容される。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施形態に係るニッケル水素蓄電池を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るニッケル水素蓄電池の構造を模式的に示す断面図である。
円筒形のニッケル水素蓄電池は、帯状の正極2、帯状の負極1、およびこれらの間に介在する帯状のセパレータ3(第1セパレータ)が渦巻き状に巻回された電極群と、電極群に含まれる電解質と、を備える。電解質を含む電極群は、有底円筒形の電池ケース4に収容されている。電極群の負極1は、最外周において、電池ケース4と接触する。これにより、電池ケース4は、負極1と電気的に接続されるため、負極端子を兼ねることができる。電池ケース4の開口部には、絶縁ガスケット8を介して、安全弁6を備える封口板7が配置され、電池ケース4の開口端部が内側にかしめられることにより、円筒形電池が密閉されている。封口板7は、正極端子を兼ねており、正極集電板9を介して、正極2と電気的に接続されている。
図2は、図1のニッケル水素蓄電池を模式的に示す横断面図である。図3には、正極の外端近傍(つまり、図2のIIIで示される円で囲まれた部分)の拡大図を示す。図4は、図2の電極群に使用される負極の一例を模式的に示す概略斜視図である。図5は図4の負極の概略側面図である。
図2に示される電極群では、正極2と、負極1とが、セパレータ(第1セパレータ)3を介して巻回されている。負極1は、電極群の内周側に位置する本体部1aと、電極群の最外周に位置する薄肉部1cと、これらの間に位置するテーパ部1bと、を有する。薄肉部1cが、第1部分Pに相当する。本体部1aと、テーパ部1bとを合わせた部分が、第2部分Pに相当する。ここで、第2部分Pの厚みとは、本体部1aの厚みを指す。
薄肉部1cは、負極1の外端から長さLの領域であり、テーパ部1bは、薄肉部1cに隣接する長さLの領域である。本体部1aは、負極1のうち、薄肉部1cおよびテーパ部1b以外の領域であり、長さLを有する。なお、正極2の最外周は、第1セパレータ3を介して負極1の薄肉部1cで覆われており、薄肉部1cが電池ケース4の内壁に接触している。
負極1は、多孔性または無孔の基板からなる負極集電体11と、負極集電体11の表面に形成された負極活物質層12とを含む。負極集電体11が多孔性の基板からなる場合には、負極集電体11は多数の孔(図示しない)を有する。負極活物質層12は、負極集電体11の外周側の表面に形成された負極活物質層12aと、負極集電体11の内周側の表面に形成された負極活物質層12bとを含む。負極1の薄肉部1cにおける外周側の負極活物質層12aの厚みt3oは、本体部1aにおける外周側の負極活物質層12aの厚みt1oよりも小さくなっている(t1o>t3o)。そして、テーパ部1bの外周側の負極活物質層12aの厚みt2oは、本体部1a側から薄肉部1cに向かって傾斜的に小さくなっている。すなわち、厚みt2oは、t3o≦t2o≦t1oの範囲で、傾斜的に変動する。
負極1(負極活物質層12aおよび12b)の表面には、フッ素樹脂(図示しない)が付着している。このとき、第1部分P(薄肉部1c)の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、第2部分P(本体部1aと、テーパ部1b)の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mよりも多い。
<Mとすることで、第1部分Pのガス吸収性をより高めることができ、電池内において負極のガス吸収を効率良く行うことができ、電池内圧の上昇を抑制する効果がより顕著に得られる。よって、電池内に充填する正負極活物質量を増やして、電池内の残空間の容積を減らした場合でも、過充電時および過放電時の正極からのガス発生に伴う電池内圧の上昇を十分に抑制することができる。
第1部分Pの外周側の負極活物質層12aは、正極と対向しないため、第1部分Pの外周側の負極活物質層12aでは、第2部分Pの外周側の負極活物質層12aと比べて、正極との反応に利用される負極活物質の量は少ない。このため、電池容量を低下させることなく、第2部分Pの負極活物質層12aの厚みt1oよりも第1部分Pの負極活物質層12aの厚みt3oを小さくすることができる。よって、負極のガス吸収性をさらに高めると同時に、電池の更なる高容量化が可能となる。
負極1の本体部1aの厚みは、例えば0.1〜0.6mmであり0.2〜0.4mmであることが好ましい。
本体部1aにおける外周側の負極活物質層12aの厚みt1oおよび内周側の負極活物質層12bの厚みtは、それぞれ、例えば0.03〜0.3mmであり、好ましくは0.08〜0.2mmである。厚みt1oおよびtは、それぞれ、正極活物質量とのバランスなどを考慮して適宜決めればよい。
第1部分Pにおける、負極集電体11の両面に形成された負極活物質層12の総厚みT1naの、第2部分Pにおける、負極集電体11の両面に形成された負極活物質層12の総厚みT2naの比:T1na/T2naは、0.4〜0.95が好ましい。T1na/T2naが上記範囲内である場合には、負極の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂量を一定にして、M/Mを1.05〜2.5の範囲内に容易に調整することができる。総厚みT1naは、薄肉部1cの外周側の負極活物質層12aの厚みt3oと内周側の負極活物質層12bの厚みtとを合わせた値である。総厚みT2naは、本体部1aの外周側の負極活物質層12aの厚みt1oと内周側の負極活物質層12bの厚みtとを合わせた値である。
負極集電体11には、例えば、パンチングメタルやエキスパンデッドメタルのような多孔性の基板(例えば、厚み20.0〜50.0μm、開孔率30〜45%)が用いられる。
上記範囲の厚みおよび開孔率を有する多孔性の基板の表面に、負極活物質層12が形成された負極1を用いて、第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mを5.3〜12.5mg/gとする場合、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nは、例えば、6〜17mg/gの範囲となる。
また、上記負極1を用いて、M/Mを1.05〜2.5の範囲とする場合には、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nの、第2部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2nに対する比:M1n/M2nは、例えば、1.05〜2.94の範囲となる。
負極1の場合においてM<Mとする方法としては、例えば、負極1の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量を一定にする、すなわち第1部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aと同一とする方法が挙げられる。また、別の方法としては、例えば、第1部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aよりも多くする方法が挙げられる。
フッ素樹脂を負極に付着させる作業効率の観点から、負極1の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量を一定にする(M1A=M2Aとする)ことが好ましい。この場合、第1部分Pの外周側の負極活物質層12aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Oが、第2部分Pの外周側の負極活物質層12aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Oよりも多くなる。なお、第1部分Pの内周側の負極活物質層12bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1iは、第2部分Pの内周側の負極活物質層12bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2iと同一である。
第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、例えば、長さLを有する薄肉部1cの巻き終わり側の端部から長さL/2までの領域内において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求められる。
第2部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、例えば、本体部1aの長手方向の中央付近において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求められる。
内周側の負極活物質層12bの厚みtは、本体部1aとテーパ部1bと薄肉部1cとで同じである。厚みtは、厚みt1oと、同じでもよく、異なっていてもよい。
本実施形態では、厚みtは一定としたが、対向する正極2の正極活物質量とのバランスを考慮して、必要に応じて部位により変えてもよい。
電極群では、正極2の外端が、第1セパレータ3を介して、負極1のテーパ部1bと重なるように配されている。巻回式電極群を構成する場合に、テーパ部1bおよび薄肉部1cを含む負極1を用いることにより、正極2の外端の位置で計測される電極群の径が過度に大きくなることが抑制されるため、電極群の電池ケース4への挿入し易さを確保できる。また、薄肉部1cに比べてテーパ部1bでは負極活物質層12aの厚みが大きいため、正極2の外端近傍における負極活物質と正極活物質との量的バランス(N/P比のバランス)が崩れることが抑制される。よって、容量や出力の低下を抑制することができる。
電極群では、正極2の外端が、少なくともテーパ部1bと重なるように、正極2および負極1を配すればよいが、正極2の外端の端面の位置が、テーパ部1bの長さ方向の中心付近になるように正極2および負極1を配することが好ましい。例えば、正極2の外端の端面が、テーパ部1bの長さ方向の中心を挟んで、±0.2×Lの領域(好ましくは±0.1×Lの領域)に位置するように、正極2の外端をテーパ部1bと重ねることが好ましい。
正極2の外端およびその周辺において、テーパ部1bと対向する領域の長さ(正極2の外端の端面からの長さ)は、正極2の長さの、例えば、1〜15%であり、1〜5%であることが好ましい。
テーパ部1bの長さLが短いとテーパ部の勾配が急になり、テーパ部1bに配置した正極の外端およびその周辺に応力が加わり易くなるため、テーパ部1bの勾配をある程度小さくする、つまり、長さLがある程度の大きさを有するようにすることが好ましい。このような観点から、テーパ部の長さLは、負極の最外周の長さの、1/6よりも長いことが好ましく、1/5以上または1/4以上であってもよい。テーパ部の長さLは、負極の最外周の長さの1/2以下であることが好ましい。
第2セパレータ3aは、負極1のテーパ部1bと、正極2の外端に接触している第1セパレータ3との間に配されている。これにより、正極2の外端およびその周辺において、内部短絡が起こったり、内部抵抗が増加して発熱したりすることを抑制することができる。第2セパレータ3aは、正極2の外端を支えるように、少なくとも正極2の外端およびその周辺と重なるように配されていればよい。
上記以外に、第2セパレータ3aは、正極2の外端と負極1のテーパ部1bとの間に配してもよい。このとき、第2セパレータ3aを、正極2の外端を保護するように、正極2の外端と重ねて配することが好ましい。また、上記以外に、正極2の外端と、負極1のテーパ部1bに接する第1セパレータ3との間に配してもよい。
テーパ部1bおよび第2セパレータ3aにより、正極2の外端に加わる応力を軽減できるため、負極1の巻回数を多くしたり、厚みを厚くしたりしても、正極2の外端およびその周辺における内部短絡の発生を抑制できる。負極1の巻回数は、円筒形電池のサイズに応じて選択できるが、例えば、円筒形電池の外径が6〜24mmである場合、2〜10mmとすることができ、3〜6mmとしてもよい。
本体部1aは、電極群の中心側(または内周側)に位置し、両方の表面が正極2と対向して、電極反応を主として担う領域である。本明細書では、便宜上、外周側の薄肉部1cとテーパ部1bとを除く中心側の負極1の領域全体を本体部1aと称するが、本体部1aのうち、負極1の最内周の正極2と対向していない領域では、必要に応じて、負極活物質層12の厚みを部分的に小さくしてもよい。
第2セパレータ3aの長さは、Lの、例えば、50〜200%であり、80〜100%であってもよい。第2セパレータ3aは、正極2の外端およびその周辺を保護できればよい。そのため、第2セパレータ3aの長さが、テーパ部1bの長さLよりも短くても十分な効果が得られる。この場合、第2セパレータ3aの長さは、Lの、例えば、50%以上100%未満であり、80%以上100%未満であることが好ましい。
正極2と負極1とを電気的に絶縁する機能は第1セパレータ3が担うため、第2セパレータ3aの幅を、正極2および/または負極1の幅よりも小さくしてもよい。ただし、正極2の外端およびその周辺における内部短絡の発生をさらに効果的に抑制する観点からは、第2セパレータ3aの幅は、正極2の幅よりも大きいことが好ましく、負極1の幅よりも大きくてもよい。また、第2セパレータ3aの幅を第1セパレータ3の幅と同程度にしてもよい。
なお、第2セパレータ3aの長さとは、電極の長さ方向と平行な方向における第2セパレータ3aの長さであり、第2セパレータ3aの幅とは、電極の長さ方向とは垂直な方向における第2セパレータ3aの長さである。
(実施の形態2)
本実施の形態のニッケル水素蓄電池について、図6および7を参照しながら説明する。図6は、図2の電極群に使用される負極の他の例を模式的に示す概略斜視図である。図7は図6の負極の概略側面図である。負極1の代わりに負極21を用いる以外は、実施の形態1と同様の構成である。
負極21は、電極群の内周側に位置する本体部21aと、最外周に位置する薄肉部21cと、これらの間に位置するテーパ部21bと、を有する。薄肉部21cが、第1部分Pに相当する。本体部21aとテーパ部21bとを合わせた部分が、第2部分Pに相当する。ここで、第2部分Pの厚みとは、本体部21aの厚みを指す。負極21は、多孔性または無孔の基板からなる負極集電体31と、負極集電体31の表面に形成された負極活物質層32とを含む。負極集電体31が多孔性の基板からなる場合には、負極集電体31は多数の孔(図示しない)を有する。負極活物質層32は、負極集電体31の外周側の表面に形成された負極活物質層32aと、内周側の表面に形成された負極活物質層32bとを含む。負極活物質層32aは、図4および図5に示す負極活物質層12aと同じである。
外周側の負極活物質層32aの場合と同様に、負極21の薄肉部21cにおける内周側の負極活物質層32bの厚みt3iは、本体部21aにおける内周側の負極活物質層32bの厚みt1iよりも小さくなっている(t1i>t3i)。テーパ部31bにおける内周側の負極活物質層32bの厚みt2iは、本体部31a側から薄肉部31cに向かって傾斜的に小さくなっている。つまり、厚みt2iは、t3i≦t2i≦t1iの範囲で、傾斜的に変動する。
負極21は、テーパ部21bおよび薄肉部21cを有するため、実施の形態1において負極1を用いた場合と同様の効果が得られる。
薄肉部21cにおいて、外周側の負極活物質層32aおよび内周側の負極活物質層32bのいずれも、厚みを薄くしているので、薄肉部1cにおいて外周側の負極活物質層12aの厚みだけを薄くした実施の形態1の場合よりも、本体部と薄肉部との間(第1部分と第2部分との間)において厚み変化を設け易い。
負極21(負極活物質層32aおよび32b)の表面にはフッ素樹脂(図示しない)が付着している。第1部分P(薄肉部21c)の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、第2部分P(本体部21aとテーパ部21bを合わせた部分)の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mよりも多い。質量MおよびMは、実施の形態1と同様の方法により求めればよい。
<Mとすることで、第1部分Pのガス吸収性をより高めることができ、電池内において負極のガス吸収を効率良く行うことができ、電池内圧の上昇を抑制する効果がより顕著に得られる。よって、電池内に充填する正負極活物質量を増やして、電池内の残空間の容積を減らした場合でも、過充電時および過放電時の正極からのガス発生に伴う電池内圧の上昇を十分に抑制することができる。
第1部分Pの外周側は、正極と対向しないため、第1部分Pでは、第2部分Pと比べて、正極との電池反応に利用される負極活物質の量は少ない。このため、電池容量を低下させることなく、t1o>t3oかつt1i>t3iとして、第2部分Pの負極活物質層32の総厚み(t1o+t1i)よりも、第1部分Pの負極活物質層32の総厚み(t3o+t3i)を小さくすることができる。よって、負極のガス吸収性をさらに高めると同時に、電池の更なる高容量化が可能となる。
負極21の本体部21aの厚みは、例えば0.1〜0.6mmであり、0.2〜0.4mmであることが好ましい。
本体部21aにおける外周側の負極活物質層32aの厚みt1oおよび内周側の負極活物質層32bの厚みt1iは、それぞれ、例えば0.01〜0.3mmであり、好ましくは0.08〜0.2mmである。厚みt1oおよびt1iは、それぞれ、正極活物質量とのバランスなどを考慮して適宜決めればよい。
第1部分Pにおける、負極集電体31の両面に形成された負極活物質層32の総厚みT1naの、第2部分Pにおける、負極集電体31の両面に形成された負極活物質層32の総厚みT2naの比:T1na/T2naは、0.4〜0.95が好ましい。T1na/T2naが上記範囲内である場合には、負極の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂量を一定にして、M/Mを1.05〜2.5の範囲内に容易に調整することができる。総厚みT1naは、薄肉部21cの外周側の負極活物質層32aの厚みt3oと内周側の負極活物質層32bの厚みt3iとを合わせた値である。総厚みT2naは、本体部21aの外周側の負極活物質層32aの厚みt1oと内周側の負極活物質層32bの厚みt1iとを合わせた値である。
負極集電体31には、例えば、パンチングメタルやエキスパンデッドメタルのような多孔性の基板(例えば、厚み20.0〜50.0μm、開孔率30〜45%)が用いられる。
上記範囲の厚みおよび開孔率を有する多孔性の基板の表面に、負極活物質層32が形成された負極21を用いて、第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mを5.3〜12.5mg/gとする場合、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nは、例えば、6〜17mg/gの範囲となる。
また、上記負極21を用いて、M/Mを1.05〜2.5の範囲とする場合には、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nの、第2部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2nに対する比:M1n/M2nは、例えば、1.05〜2.94の範囲となる。
負極21の場合においてM<Mとする方法としては、例えば、負極21の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量を一定にする、すなわち第1部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aと同一とする方法が挙げられる。また、別の方法としては、例えば、第1部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aよりも多くする方法が挙げられる。
フッ素樹脂を負極21に付着させる作業効率の観点から、負極21の単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量を一定にする(M1A=M2Aとする)ことが好ましい。この場合、第1部分Pの外周側の負極活物質層32aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1oが、第2部分Pの外周側の負極活物質層32aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2oよりも多くなる。また、第1部分Pの内周側の負極活物質層32bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1iが、第2部分Pの内周側の負極活物質層32bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2iよりも多くなる。
本実施形態では、内周側の負極活物質層32bの厚みを、外周側の負極活物質層32aの厚みと同様に変化させているが、テーパ部において、負極活物質層の厚みの勾配、外周側と内周側とで必ずしも同じである必要はなく、相違させてもよい。内周側の負極活物質層の厚みが本体部側から薄肉部側に向かって減少し始める位置は、必ずしも本体部とテーパ部との間(つまり、外周側の負極活物質層の厚みが本体部側から薄肉部側に向かって減少し始める位置)と一致している必要はなく、本体部およびテーパ部のいずれと重なっていてもよい。同様に、内周側の負極活物質層の厚みの減少が収束する位置は、テーパ部の終点(テーパ部と薄肉部との間)と必ずしも一致している必要はなく、テーパ部および薄肉部のいずれと重なっていてもよい。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態のニッケル水素蓄電池について、図8および9を参照しながら説明する。図8は、図2の電極群に使用される負極のさらに他の例を模式的に示す概略斜視図である。図9は図8の負極の概略側面図である。負極1の代わりに負極41を用いる以外は、実施の形態1と同様の構成である。
負極41は、多孔性または無孔の基板からなる負極集電体51と、負極集電体51の表面に形成された負極活物質層52とを含む。負極集電体51が多孔性の基板からなる場合には、負極集電体51は多数の孔(図示しない)を有する。負極活物質層52は、負極集電体51の外周側の表面に形成された負極活物質層52aと、内周側の表面に形成された負極活物質層52bとを含む。
この場合、負極における電極群の最外周に位置する部分全体が、上記の第1部分に相当する。負極における第1部分(最外周)以外の部分が、上記の第2部分に相当する。なお、M<Mを満たす領域は、負極の巻き終わり側の端部から第1部分の長さの、例えば85%以上の長さに亘って設けられる。
負極41の第1部分Pおよび第2部分Pのいずれにおいても、負極活物質層52aは一定の厚みtを有し、負極活物質層52bは一定の厚みtを有する。負極活物質層52bは負極活物質層12bと同様の構成である。
負極41(負極活物質層52aおよび52b)の表面にはフッ素樹脂(図示しない)が付着している。第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、第2部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mよりも多い。
<Mとすることで、第1部分Pのガス吸収性をより高めることができ、電池内において負極のガス吸収を効率良く行うことができ、電池内圧の上昇を抑制する効果がより顕著に得られる。よって、電池内に充填する正負極活物質量を増やして、電池内の残空間の容積を減らした場合でも、過充電時および過放電時の正極からのガス発生に伴う電池内圧の上昇を十分に抑制することができる。
第1部分Pの外周側は、正極と対向しないため、第1部分P(特に負極活物質層52a)では、第2部分Pと比べて、正極との反応に利用される負極活物質の量は少ない。このため、電池容量を低下させることなく、第1部分Pの表面に付着させるフッ素樹脂量を多くすることができる。よって、負極のガス吸収性をさらに高めると同時に、電池の更なる高容量化が可能となる。
負極41の厚みは、例えば0.1〜0.6mmであり、0.2〜0.4mmであることが好ましい。
負極41の外周側の負極活物質層52aの厚みt1oおよび内周側の負極活物質層52bの厚みt1iは、それぞれ、例えば0.01〜0.3mmであり、好ましくは0.1〜0.2mmである。厚みt1oおよびt1iは、それぞれ、正極活物質量とのバランスなどを考慮して適宜決めればよい。
負極集電体51には、例えば、パンチングメタルやエキスパンデッドメタルのような多孔性の基板(例えば、厚み2.0〜5.0μm、開孔率30〜45%)が用いられる。
上記範囲の厚みおよび開孔率を有する多孔性の基板の表面に、負極活物質層52が形成された負極41を用いて、第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mを5.3〜12.5mg/gとする場合、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nは、例えば、6〜17mg/gの範囲となる。
また、上記負極41を用いて、M/Mを1.05〜2.5の範囲とする場合には、第1部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1nの、第2部分Pの負極活物質の単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2nに対する比:M1n/M2nは、例えば、1.05〜2.94の範囲となる。
負極41の場合においてM<Mとする方法としては、例えば、第1部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1Aを、第2部分Pの単位面積当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2Aよりも多くする方法が挙げられる。
より具体的には、少なくとも、第1部分Pの外周側の負極活物質層52aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1oを、第2部分Pの外周側の負極活物質層52aの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2oよりも多くすればよい。第1部分Pの内周側の負極活物質層52bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M1iは、第2部分Pの内周側の負極活物質層52bの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量M2iと同じでもよく、当該質量M2iよりも多くてもよい。
本実施形態では、第1部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、例えば、第1部分Pの巻き終わり側の端部から長手方向の長さの1/2までの領域内において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求められる。
第2部分Pの単位質量当たりに付着するフッ素樹脂の質量Mは、例えば、第2部分Pの長手方向の中央付近において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求められる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の手順で、容量2300mAhの単3形の円筒形ニッケル水素蓄電池を作製した。
(1)負極の作製
以下の手法により、図6および7に示す負極を作製した。
水素吸蔵合金粉末(La0.40Ce0.60Ni3.63Co0.76Mn0.42Al0.29、平均粒径=約45μm)100質量部に対して、結着剤としてのSBR0.7質量部、増粘剤としてのCMC0.15質量部、導電剤としてのケッチェンブラック0.3質量部、酸化抑制剤としての酸化イットリウム0.7質量部を加え、さらに適量の水を添加して混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。なお、SBRは、水分散液の形態で使用した。
なお、水素吸蔵合金粉末には、公知の方法によりアルカリ処理を施したものを用いた。アルカリ処理は、例えば、アルカリ水溶液に水素吸蔵合金の粒子を接触(例えば、浸漬などにより接触)させ、必要に応じて乾燥することにより行うことができる。アルカリ水溶液としては、NaOHやKOHのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液が用いられる。
得られた負極合剤スラリーを、負極集電体としての多孔性基板の両面(外表面)および空孔内に正極容量の1.25倍になるように塗布した。多孔性基板には、表面にニッケルメッキを施した鉄製パンチングメタル(厚み60μm、孔径1mm、開孔率42%)を用いた。このとき、負極集電体の両面に形成される負極活物質層の厚みが、本体部とテーパ部と薄肉部とで異なるように、負極合剤スラリーの塗布量を負極集電体の長さ方向において変化させた。負極合剤スラリーの塗膜は、95℃で10分間乾燥させた後、塗膜を負極集電体とともにローラでプレスすることにより、負極を形成した。
得られた負極21の本体部21aは、負極集電体31の長さ方向の一端部から長さL1=100mmの領域に形成された。本体部21aの負極活物質層32aの厚みt1oおよび負極活物質層32bの厚みt1iは、それぞれ、0.14mmであった。
テーパ部21bは、本体部と薄肉部との間の領域に形成されており、テーパ部の長さL=10mmであった。
薄肉部21cは、負極集電体31の長さ方向の他端部から長さL=45mmの領域に形成された。
(2)負極の表面へのフッ素樹脂の付着
超音波ホモジナイザー(振幅80μm、周波数20kHz)を用いて、フッ素樹脂としてのPTFEの粒子と、エタノールとを、1:15の質量比で混合することにより、PTFE分散液を調製した。使用したPTFE粒子は、窒素ガス吸着法によるBET比表面積が3m/gであり、最大粒径が20μmであり、平均粒径が12μmであった。
上記で得られたPTFE分散液を、上記で得られた負極の表面(負極活物質層の表面)に塗布した。このとき、負極の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量は、約0.50mg/cmとした。得られた塗膜を有する負極を、120℃で1分間乾燥し、負極活物質層の表面にPTFEが付着した負極を作製した。このとき、負極活物質層の表面に形成されたPTFE層の厚みは9〜20μmであった。
(3)正極の作製
下記の手順で、非焼結式ニッケル正極を作製した。
まず、共沈成分として亜鉛2.5質量%およびコバルト1.0質量%を含有する水酸化ニッケル粉末を、硫酸コバルト水溶液に添加した。得られた混合物を撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:1mol/L)を徐々に滴下してpHを11に調整した後、さらに所定時間撹拌を続けた。得られた混合物から、沈殿物をろ別した。ろ別した沈殿物を、水洗し、真空乾燥することにより、水酸化ニッケル粒子の表面が5質量%の水酸化コバルトで被覆された粉末を得た。
上記で得られた粉末1質量部に対して、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:48質量%)10質量部を添加した。得られた混合物を、撹拌下、85℃で8時間加熱処理し、その後、水洗して、65℃で乾燥した。この加熱処理により、水酸化ニッケル粒子表面の水酸化コバルトを含む層において、水酸化コバルトの一部が高次化されてオキシ水酸化コバルトに変換されるとともに、ナトリウムが導入される。水酸化ニッケル粒子の表面に、オキシ水酸化コバルトおよび1質量%のナトリウムを含有する被覆層が形成された複合体粒子を得た。
得られた複合体粒子と、酸化亜鉛との混合粉末100質量部に、結着剤としてのCMCを含む水溶液(CMC濃度:0.2質量%)25質量部を添加して混合することにより、正極合剤スラリーを調製した。なお、混合粉末中の複合体粒子と酸化亜鉛との質量比は、100:2であった。
得られた正極合剤スラリーを、正極集電体としてのニッケル発泡体(面密度(目付)約325g/m2、厚み約1.2mm)の両面(外表面)および空孔内に塗布し、乾燥させた。乾燥物を、厚みが0.66mmとなるように圧延することにより正極(長さ118mm、幅44.7mm、厚み0.66μm)を得た。
なお、正極集電体の長さ方向の一端部には、活物質を保持しない芯材の露出部を設け、この露出部に、正極リードを接続した。
(4)ニッケル水素蓄電池の作製
上記で得られた負極と、上記で得られた正極との間に、第1セパレータ(長さ330mm、幅47mm、厚み0.090mm)を配し、これらを、渦巻状に捲回することにより、電極群を作製した。このとき、負極の本体部が内周側、薄肉部が外周側となり、正極の外端が負極のテーパ部と重なるように巻回した。また、このとき、正極の外端とテーパ部との間で、かつテーパ部と第1セパレータとの間に、第2セパレータ(長さ10mm、幅47mm、厚み0.090mm)を配した。第2セパレータは、長さ方向の中心近傍に正極の外周側の端面が来るように配置した。なお、第1セパレータおよび第2セパレータとしては、スルホン化処理したポリプロピレン製の不織布(厚み90μm、目付50g/m2、およびスルホン化度1.90×10-3)を用いた。電極群における負極の巻回数は、5であった。
得られた電極群を、開口部側にリング状の溝部を有する単3形の有底円筒形の金属製電池ケース(外径14.60mm)に挿入し、最外周の負極(薄肉部)を電池ケースの内面に接触させた。また、正極に接続した正極リードを、封口体の蓋板の内底面に溶接した。なお、封口体は、中央に円形のガス抜き孔を有する蓋板と、蓋板の周縁に装着された絶縁パッキンと、蓋板の頂面の中央部に、ガス抜き孔を塞ぐように配された弁体と、弁体を覆う突出部を有するキャップ状の正極端子とを備えている。
次いで、電池ケース内に、アルカリ電解液を注入し、電池ケースの開口部を、封口体で覆い、絶縁パッキンを介してかしめることにより、封口した。電池ケースの周面を外側から押圧することにより縮径した。そして、電池ケースを、高さ方向に押圧することにより、電池総高が50.25mmとなるように電池ケースの開口部側に形成された溝部を圧着した。なお、アルカリ電解液としては、水酸化ナトリウムを7.5mol/Lの濃度で含む水溶液を用いた。
封口体の上部に、ドーナツ状の絶縁部材を、正極端子の突出部を絶縁部材の中央の孔から突出させた状態で配置した。次いで、封口体の周縁部(封口体上に配された絶縁部材の周縁部)と、電池ケースの周面と、電池ケースの底面の周縁部とを覆うように、外装ラベルを装着することにより、電池を得た。
上記負極の作製において、薄肉部21cの負極活物質層32aの厚みt3oおよび負極活物質層32bの厚みt3iを、表1に示す値に変えて、負極(a−1)〜(a−7)を作製した。上記負極(a-1)〜(a-7)を用いて、電池(A-1)〜(A-7)を作製した。
負極(a−1)〜(a−7)に対する、M、M、M/M、M1n/M2n、およびT1na/T2naの値を表1に示す。
Figure 2017183193
なお、T1na/T2naは、第1部分における、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の総厚みT1naの、第2部分における、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の総厚みT2naに対する比である。T2naは、負極21の本体部21aの厚みと、負極集電体31(孔を有しない部分)の厚みとの差より求めた。T1naは、負極21の薄肉部21cの厚みと、負極集電体31(孔を有しない部分)の厚みとの差より求めた。
は、第1部分の単位質量当たりに付着するPTFEの質量(mg/g)を表す。
実施例1では、Mは、長さLを有する薄肉部21cの巻き終わり側の端部から長さL/2までの領域内において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するPTFEの質量とを測定することにより求めた。当該測定を3箇所について行い、その平均値より求めた。
後述する実施例2および比較例1では、Mは、第1部分Pの巻き終わり側の端部から長手方向の長さの1/2までの領域内において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求めた。当該測定を3箇所について行い、その平均値より求めた。
/Mは、第1部分の単位質量当たりに付着するPTFEの質量Mの、第2部分の単位質量当たりに付着するPTFEの質量Mに対する比を表す。
実施例1では、Mは、本体部21aの長手方向の中央付近において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するPTFEの質量とを測定することにより求めた。当該測定を3箇所について行い、その平均値より求めた。
後述する実施例2および比較例1では、Mは、第2部分Pの長手方向の中央付近において、所定の大きさの円形状に打ち抜き、打ち抜いた部分の質量と、当該部分に付着するフッ素樹脂の質量とを測定することにより求めた。当該測定を3箇所について行い、その平均値より求めた。
1n/M2nは、第1部分の負極活物質の単位質量当たりに付着するPTFEの質量M1nの、第2部分の負極活物質の単位質量当たりに付着するPTFEの質量M2nに対する比を表す。
1nは、以下の手順により求めた。まず、上記Mの測定で求めた、所定の大きさで打ち抜いた部分に付着するPTFEの質量の値に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに付着するPTFEの質量を求めた。次に、実施例1では、薄肉部21cの大きさおよび薄肉部21cに充填した負極活物質の質量に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりの負極活物質の質量を求めた。後述する実施例2および比較例1では、第1部分Pの大きさおよび第1部分Pに充填した負極活物質の質量に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりの負極活物質の質量を求めた。そして、得られた上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに付着するPTFEの質量と、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに充填される負極活物質の質量とに基づいて、M1nを求めた。
2nは、以下の手順により求めた。まず、上記Mの測定で求めた、所定の大きさで打ち抜いた部分に付着するPTFEの質量の値に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに付着するPTFEの質量を求めた。次に、実施例1では、本体部21aの大きさおよび本体部21aに充填した負極活物質の質量に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりの負極活物質の質量を求めた。後述する実施例2および比較例1では、第2部分Pの大きさおよび第2部分Pに充填した負極活物質の質量に基づいて、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりの負極活物質の質量を求めた。そして、得られた上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに付着するPTFEの質量と、上記打ち抜いた部分の単位面積当たりに充填される負極活物質の質量とに基づいて、M1nを求めた。
《実施例2》
以下の手法により、図8および9に示す負極41を作製した。
第1部分の負極集電体の両面に形成される負極活物質層の厚みを、第2部分の負極集電体の両面に形成される負極活物質層の厚みと同じとした。具体的には、負極の第1部分および第2部分のいずれにおいても、負極集電体の両面に形成される負極活物質層の厚みを0.14mmとした。
第1部分の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量を、第2部分の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量(約0.50mg/cm)よりも多くした。具体的には、第1部分の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量を変えることで、Mを表2に示す値に変えた。
Figure 2017183193
上記以外は、実施例1と同様の方法により、負極(b-1)〜(b-7)を作製した。
負極(b−1)〜(b−7)に対する、M、M、およびM/Mの値を表2に示す。
実施例1の負極の代わりに負極(b−1)〜(b−7)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、電池(B−1)〜(B−7)を作製した。
《比較例1》
第1部分の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量を、第2部分の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量と同じとした。具体的には、負極の第1部分および第2部分のいずれにおいても、負極の単位面積当たりに塗布するPTFE分散液の質量を、約0.50mg/cmとした。
上記以外は、実施例2と同様の方法により、負極(c)を作製した。
実施例1の負極の代わりに負極(c)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、電池(C)を作製した。
上記で作製した電池に対して、下記の評価を行った。下記の(i)および(ii)の評価試験に対して、実施例1および2ならびに比較例1の各電池を、それぞれ50個ずつ準備した。
[評価]
(i)放電容量の測定
20℃の環境下において、下記条件で充電した後、60分間休止し、その後、下記条件で放電し、このときの放電容量を測定した。電池50個の測定値の平均値を求めた。
(充電条件)
充電電流:0.5CA、充電時間:2時間24分、充電制御:−dV制御(=5mV)
(放電条件)
放電電流:1.0CA、終止電圧:1.0V
(ii)過充電試験
上記で得られた電池の底部に直径1.0mmの孔を開け、圧力センサを取り付けた。この電池を、20℃の環境下において、1.0CAの電流値で、充電状態(SOC)が満充電の110%まで充電し、このときの電池内圧を測定した。電池50個の測定値の平均値を求めた。
各電池の評価結果を表1および2に示す。なお、表1および2中の放電容量、および過充電時の電池内圧の値は、それぞれ、比較例1の電池(C)の放電容量および過充電時の電池内圧の値を100とした指数として示す。
比較例1の電池(C)では、良好な放電容量が得られたが、過充電時に電池内圧が大幅に上昇した。
これに対して、本発明の実施例1および2の電池(A−1)〜(A−7)および電池(B−1)〜(B−7)では、高容量が得られるとともに、過充電時において電池内圧の上昇が十分に抑制された。特に、M/Mが1.1〜2.2である電池(A−2)〜(A−6)および(B−2)〜(B−6)では、電池内圧の上昇抑制効果および電池の放電特性の向上効果がバランス良く得られた。
本発明に係るニッケル水素蓄電池は、高容量化した場合であっても、電池内圧の上昇を抑制できるため、乾電池の代替品の他、各種機器の電源として好適に用いられる。
1、21、41 負極
1a、21a 本体部
1b、21b テーパ部
1c、21c 薄肉部
2 正極
3 第1セパレータ
3a 第2セパレータ
4 電池ケース
6 安全弁
7 封口板
8 絶縁ガスケット
9 正極集電板
11、31、51 負極集電体
12、12a、12b、32a、32b、32c、52a、52b 負極活物質層

Claims (4)

  1. 帯状の正極、帯状の負極、および前記正極と前記負極との間に介在する帯状のセパレータが巻回された電極群と、前記電極群に含まれる電解質と、を備え、
    前記正極は、正極活物質としてニッケル化合物を含み、
    前記負極は、負極活物質として水素吸蔵合金を含み、
    前記負極の表面には、フッ素樹脂が付着しており、
    前記負極は、前記電極群の最外周に配される第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とを有し、
    前記第1部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mは、前記第2部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mよりも多い、ニッケル水素蓄電池。
  2. 前記第1部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mは、5.3〜12.5mg/gである、請求項1に記載のニッケル水素蓄電池。
  3. 前記第1部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mと、前記第2部分の単位質量当たりに付着する前記フッ素樹脂の質量Mとは、関係式:
    1.05≦M/M≦2.5
    を満たす、請求項1または2に記載のニッケル水素蓄電池。
  4. 前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の両方の表面に形成された負極活物質層とを有し、
    前記第1部分における、前記負極の厚みT1nと、前記負極集電体の厚みT1cとの差(T1n−T1c)と、前記第2部分における、前記負極の厚みT2nと、前記負極集電体の厚みT2cとの差(T2n−T2c)とは、関係式:
    0.4≦(T1n−T1c)/(T2n−T2c)≦1.0
    を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル水素蓄電池。
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