JP2017185010A - ミシン用補助装置およびそれを用いたミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】ミシンにおいて、曲線形状の端縁部を有する生地の縫い付けに関し、経験の浅い作業者であっても所定の品質の縫い上がりを得ることができるようにする。
【解決手段】ミシンSは、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地W1,W2の端縁部同士を、両端縁部が重ね合わされた状態で作業者から見て手前側から奥側に向かう送り方向Aに送りながら縫い合わせるミシン装置1と、ミシン装置1の手前側に配置され、ミシン装置1における生地の送り方向Aに直交する左右方向の各生地の端縁部から縫い目までの位置ずれを自動補正する自動補正装置20と、自動補正装置20の手前側に配置され、ミシン装置1による一方の生地の送り動作を補助する補助装置30と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシン用補助装置およびそれを用いたミシンに関するものである。
従来から、ミシン装置に設けられるガイド装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。
特許文献1には、生地の端縁部に関して自動的に制御して位置合わせをするための縫製機械用加工物ガイド装置が開示されている。具体的に、このガイド装置は、ミシン装置における生地の送り方向と直交する方向に延びる回転軸を中心に回転して、ミシン装置側に生地の端縁部を送る円筒状のガイドホイールと、外周部がガイドホイールの外周面から該回転軸に沿った方向に回動可能に突出し、この外周部の回転軸に沿った方向への回動により生地の端縁部から縫い目までの該回転軸に沿った方向の位置ずれを補正するホイールと、を備えている。
特開平06−182074号公報
上記特許文献1のガイド装置では、ガイドホイールが生地の送り方向と直交する方向に延びる回転軸を中心に回転するように構成されているため、例えば直線形状の端縁部を有する生地であれば、当該ガイド装置によりその生地の端縁部の直線形状を送り方向に沿わせることで、ミシン装置に対して正確かつ容易に生地を案内することが可能となる。
しかしながら、例えばシャツを構成する身頃の端縁部(袖口部分)と袖部の端縁部とはそれぞれ曲線形状が異なっていることが一般的であり、このような互いに異なる曲線形状の端縁部を有する2枚の生地を特許文献1のガイド装置によりミシン装置側に案内する場合、縫製作業者は、両手で両生地を持って送り方向に直交する方向に両生地をそれぞれ動かしながら端縁部と縫い目までの間隔を調整しなければならない。このような調整作業を行うためには高い熟練度を有する縫製作業の技能が必要になる。このことから、経験の浅い作業者が縫製作業を行った場合には縫い合わせ部分にしわ等の不具合が生じるおそれがある。すなわち、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する2枚の生地の縫い付けを行う場合、特許文献1のミシンでは、熟練者のような卓越した技能を要し、経験の浅い作業者では品質的に一定の縫い上がりを得ることが困難であった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな装置を設けることで、曲線形状の端縁部を有する生地の縫い付けに関し、経験の浅い作業者であっても所定の品質の縫い上がりが得られるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、曲線形状の端縁部を有する一方の生地をミシン装置および自動補正装置に対してスムーズに送るための補助装置を新たに設けるようにした。
具体的には、本発明の第1の形態はミシン用補助装置に係り、このミシン用補助装置は、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の該端縁部同士を送り方向に送りながら縫い合わせるミシン装置の手前側に配置され、かつ該ミシン装置における生地の送り方向に直交する左右方向の各生地の端縁部から縫い目までの位置ずれを自動補正する自動補正装置に設けられるものである。ミシン用補助装置は、自動補正装置の手前側に配置され、かつミシン装置による一方の生地の送り動作を補助する補助装置を備えている。そして、補助装置は、自動補正装置に向かって延びるように配置されたガイド部と、該ガイド部に移動可能に設けられ、一方の生地の端縁部の縫い終わり側を引っ張り状態に保持してミシン装置の送り動作に抵抗力を加えることにより、該端縁部を略直線状に変形させるクランプ部と、を有することを特徴とする。
この第1の形態では、補助装置によって、一方の生地の端縁部の縫い終わり側を引っ張り状態に保持してミシン装置の送り動作に抵抗力を加えることにより、その端縁部を略直線状に変形させることが可能になる。すなわち、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の縫い付けを行う場合において、一方の生地については端縁部を補助装置で曲線形状から略直線状に変形させて自動補助装置に対し送り方向に向かってそのまま送ることが可能になる一方、他方の生地についてのみ送り方向に直交する左右方向に生地を動かしながら端縁部と縫い目までの間隔を調整すればよい。換言すれば、補助装置で曲線形状から略直線状に変形させた一方の生地の端縁部を基準にして、一方の生地の端縁部に他方の生地の曲線形状を沿わせながら両生地の端縁部同士を縫い合わせていくことが可能になる。このように、一方の生地の送り動作を補助する補助装置を設けたことにより、縫い合わせ部分にしわ等の不具合が生じるおそれが減少しかつ作業者の負担が軽減されるため、経験の浅い作業者であっても所定の品質の縫い上がりを得ることができる。
第2の形態は、第1の形態において、ガイド部は、送り方向に向かって直線状に延びかつクランプ部が往復移動可能に支持されるレール部と、該レール部を、手前側端部を上下位置が調整可能となるように奥側端部で回動可能に支持する支持部と、を有することを特徴とする。
この第2の形態では、レール部の手前側端部における上下位置を調整することによって、クランプ部のミシン装置に対する生地の引っ張り状態を適宜調整することができる。
第3の形態は、第2の形態において、クランプ部は、レール部を上下両側から挟持した状態で転動して該レール部の長手方向に沿って往復移動可能な上下のローラーを有しており、該レール部は、支持部により、レールの奥側端部の高さが手前側端部よりも高くなるように傾斜しており、該クランプ部は、該レール部を該ローラーが転動して手前側端部から奥側端部に向かって傾斜登り方向に移動するときの該クランプ部の自重による抵抗により、該レール部上を受動的に移動するように構成されていることを特徴とする。
この第3の形態では、傾斜したレール部をクランプ部が上下のローラーの転動によって手前側端部から奥側端部に向かって傾斜登り方向に移動するときのクランプ部の自重による抵抗によりレール部上を受動的に移動することから、特別な電動部品を用いずとも簡単な構成でミシン装置の送り動作に合わせて一方の生地の端縁部の縫い終わり側を保持して引っ張ることができる。
第4の形態は、第2または第3の形態において、支持部には、クランプ部と接触したときに、該クランプ部による一方の生地端縁部の縫い終わり側の保持状態を解除させるスイッチ部が設けられていることを特徴とする。
この第4の形態では、クランプ部が生地の端縁部の縫い終わり側を保持した状態でレール部を移動してスイッチ部に接触すると、クランプ部による一方の生地端縁部の縫い終わり側の保持状態が解除される。このようにスイッチ部により、簡単な構成でクランプ部による一方の生地の保持状態を解除して、該生地端縁部の縫い終わり側をスムーズにミシン装置まで送ることができるとともに、その後は、クランプ部をその自重等でレール部の傾斜に沿って手前側に戻すことができる。
第5の形態は、第1の形態において、補助装置は、ミシン装置における生地の送り速度を検知する送り速度センサと、クランプ部をガイド部に沿って移動させる駆動部と、クランプ部がガイド部上で、送り速度センサにより検知された送り速度に同期して自動的に移動するように駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
この第5の形態では、クランプ部がレール部上を能動的に移動可能になり、クランプ部の速度が常に送り速度に適した速度になるように制御することができる。
第6の形態はミシンに係り、このミシンは、第1〜第5の形態のいずれか1つに記載のミシン用補助装置を備えることを特徴とする。
この第6の形態では、第1の形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明によると、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の縫い付けを行う場合において、一方の生地の端縁部の縫い終わり側を引っ張り状態に保持してミシン装置の送り動作に抵抗力を加えるように送り動作を補助する補助装置を設けたことにより、縫い合わせ部分にしわ等の不具合が生じるおそれが減少しかつ作業者の負担が軽減されるため、経験の浅い作業者であっても所定の品質の縫い上がりを得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るミシンを上方から見て示す斜視図である。 図2は、ミシンを側方から見て示す斜視図である。 図3は、図2に示すミシン装置および自動補正装置の部分拡大斜視図である。 図4は、補助装置の正面図である。 図5は、奥側支持部およびクランプ部を示す部分拡大側面図である。 図6は、手前側支持部を上方から見て示す部分拡大斜視図である。 図7は、クランプ部を下方から見て示す斜視図である。 図8は、クランプ部の側面図である。 図9は、シャツにおける身頃および袖部の縫製前形状を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1および図2は、本発明の実施形態に係るミシンSを示し、このミシンSは、ミシン装置1、自動補正装置20、および補助装置30を主たる要素として備えている。以下、各装置について詳細に説明する。なお、本実施形態において、ミシン装置1、自動補正装置20、および補助装置30は、いずれも作業台T上に設置されている。
以下の説明において、「上方(上側)」および「下方(下側)」とはミシンSの上下方向の位置関係を表している。また、ミシンSを使用する縫製作業者から見たときのミシン装置1を基準にした場合に、「手前側」とはミシン装置1よりも縫製作業者に近い側を表す一方、「奥側」とは縫製作業者からミシン装置1よりも遠い側の位置関係を表すものとする。また、「左右方向」とは平面視で後述する生地の送り方向Aと直交する方向を表すものとする。
(ミシン装置)
ミシン装置1は、主に縁かがり縫いに用いられるオーバロックミシンであり、具体的には、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地W1,W2(図9参照)の端縁部同士を、両端縁部が重ね合わされた状態で縫製作業者から見て送り方向Aに送りながら縫い合わせ可能に構成されている。なお、図9では、上側生地W1がシャツの袖部を、下側生地W2がシャツの身頃をそれぞれ示している。
図1〜図3に示すように、ミシン装置1は本体部2を備えており、この本体部2における上下方向の略中央には略矩形箱状のシリンダベッド部3が取り付けられている。
シリンダベッド部3の上部には、手前側から送り方向Aに送られていく生地を載置する針板4が水平に配設されている。この針板4には、後述するミシン針7をシリンダベッド部3の内部に落とすための針落ち孔(図示せず)と、送り方向Aに延びる送り溝(図示せず)とが設けられている。また、送り溝の内部には、送り溝内で針棒6の上下往復動に同期して楕円運動を行いながら針板4の上面に載置された生地を送る送り歯(図示せず)が設けられている。
シリンダベッド部3の上方には、ミシンヘッド部5が取り付けられている。このミシンヘッド部5の下部には、針板4に向かって下方に延びる針棒6および針棒6の下端部に固定されたミシン針7が設けられている。このミシンヘッド部5には針棒6を上下に往復移動させるための駆動機構(図示せず)が内蔵されている。また、ミシンヘッド部5の下方には、アーム部8が取り付けられており、このアーム部8には押え部11が設けられている。
このようなミシン装置1により、針板4の上面に生地を載置し、押え板11で押さえながら本体部2を駆動させることによって、ミシン針7で生地の端縁部を縁かがり縫いすることができる。なお、本実施形態によるミシン装置1は周知の機構を用いている。そして、上述した構成以外の他の構成についてはその詳細な説明を省略する。
(自動補正装置)
図1〜図3に示すように、前記自動補正装置20は、ミシン装置1の手前側に配置されており、ミシン装置1における生地の送り方向Aに直交する左右方向の各生地の端縁部から縫い目までの位置ずれを自動補正するものである。
具体的に、図3に示すように、自動補正装置20はブラケット21Aを有しており、このブラケット21Aには左右方向に間隔をあけて並んだ2つの歯付きプーリ22,22が設けられていて、このプーリ22,22間に歯付ベルトからなる送りベルト24が内周面の歯部を歯付プーリに噛み合わせた状態で巻き掛けられている。また、ブラケット21Aには一方のプーリ22を駆動させるためのモータ23が取り付けられており、このモータ23の作動によりプーリ22,22が正転または逆転し、送りベルト24が左右方向に移動する。送りベルト24の外周面は、生地を送り得る程度の摩擦係数を有する。
また、本体部2の上面にはブラケット2aが取付固定され、このブラケット2aは、送りベルト24真上の位置まで手前側に突出する突出部2bを有し、この突出部2bには上下方向に延びるエアシリンダからなる押圧シリンダ28が取付固定されている。この押圧シリンダ28のピストンロッド28aはブラケット2aの突出部2bを貫通してその下側に延び、その先端(下端)には昇降部27が移動一体に取り付けられている。この昇降部27は円柱状のもので、その下端部には半球形状の押え部27aが形成されており、押圧シリンダ28の伸張動作によりピストンロッド28aと共に昇降部27が下降移動したときに、その半球形状の押え部27aにより送りベルト24上の生地を挟み込み、その状態で送りベルト24の移動により生地を左右方向に送るようになっている。
そして、前記押圧シリンダ28は、針板4上に送られてくる生地の端縁部から縫い目までの左右方向に沿った方向の位置ずれを自動検知する検知部(図示せず)による検知信号を受けた外部エア供給装置(図示せず)から空気供給を受けて作動するようになっている。
すなわち、検知部の検知信号によって押圧シリンダ28が伸張動作すると、そのピストンロッド28a下端の昇降部27が下降し、その下端の押え部27aが送りベルト24上に配置された生地に強く接触する。そして、検知部の検知信号によるモータ23の駆動により、生地は、押え部27aおよび送りベルト24に挟まれた状態で送りベルト24の動きに応じ左右いずれかの方向に移動することになる。これにより、左右方向の各生地の端縁から縫い目までの位置ずれが自動補正されるようになる。なお、この自動補正が終了すると、押圧シリンダ28の伸張動作が停止して収縮動作し、昇降部27が上昇して元の状態に戻るようになる。
(補助装置)
図1および図2に示すように、補助装置30は、自動補正装置20の手前側に配置されており、ミシン装置1による一方の生地の送り動作を補助するように構成されている。この補助装置30は、自動補正装置20に向かって延びるように配置されたガイド部31と、このガイド部31に移動可能に設けられたクランプ部50と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
図1および図4に示すように、ガイド部31は、クランプ部50が往復移動可能に支持されるレール部32を有している。このレール部32は、送り方向Aに向かって直線状に延びる細長い略板状に形成されており、厚さ方向に対向する両側面が左右両側に位置し、幅方向が上下鉛直面に沿うように配置されている。また、ガイド部31は、レール部32を長さ方向両端部で支持する支持部としての奥側支持部33および手前側支持部40を有している。
奥側支持部33は、レール部32の奥側に設けられており、レール部32の奥側端部32aを鉛直面内で上下方向に回動可能に支持している。具体的に、図5に示すように、自動補助装置30の手前側近傍に位置する作業台Tには、上方に向かって延びる支持脚34が取付固定されており、この支持脚34の上部に、レール部32の奥側端部32aが水平方向の奥側回動軸35によって上下方向に回動可能に支持されている。
図1および図4に示すように、手前側支持部40は、レール部32の手前側に設けられており、レール部32の手前側端部32bを上下方向に昇降可能に支持して、その高さ位置を変更できるようにしている。具体的に、図6に示すように、自動補助装置30から手前側に遠く離れた位置の作業台T上に台座部41が設けられており、この台座部41は、作業台Tに形成した貫通孔Hを跨ぐようにして作業台T上に取付固定されている。この台座部41の左側には、上下方向に延びる板状の昇降スライド部43が、台座部41に2本のねじV,Vにより固定した略L字状の固定金具42との間で長さ方向にスライド可能(昇降可能)に支持された状態で取り付けられている。昇降スライド部43は、作業台Tの貫通孔H内に挿通され、その上端部はレール部32の手前側端部32bが水平方向の手前側回動軸44によって上下方向に回動可能に支持されている。
また、台座部41には、起立状に上下方向に延びるエアシリンダからなる調整シリンダ45がピストンロッド(図示せず)を台座部41に貫通させた状態で固定され、この調整シリンダ45のピストンロッドは作業台Tの貫通孔Hを通ってその下側に延び、その先端部(下端部)は前記昇降スライド部43の下端部に移動一体に連結されており、調整シリンダ45の回動軸44および奥側端部32aの奥側支持部33との連結により昇降スライド部43を上下方向に昇降移動させることにより、レール部32の手前側端部32bにおける上下位置を調整することが可能になっている。そして、調整シリンダ45により昇降スライド部43の上下位置を調整することによって、図4に示すように、レール部32は、奥側端部32aが手前側端部32bよりも高くなるように傾斜している。
次に、図5、図7および図8に示すように、前記クランプ部50は、略T字状の基部51を有している。基部51の上部右側には板状のローラー支持部53が基部51と間隔をあけて平行に配置され、このローラー支持部53は基部51の右面上部に、2つの円柱状の連結部52,52により、基部51の右面と間隔をあけて対向するように一体的に取り付けられている。ローラー支持部53の下部左面(基部51との対向面)には、幅方向に間隔をあけて水平に並べられた例えば2つの上ローラー54,54が左右水平方向の軸心回りに回転可能に支持されている。また、基部51の右面下部には、上ローラー54,54間の真下に位置する下ローラー55が左右水平方向の軸心回りに回転可能に支持されている。図1および図4に示すように、クランプ部50がレール部32に設置された状態において、上ローラー54,54および下ローラー55がレール部32を上下両側から挟持した状態で転動することにより、クランプ部50がレール部32の長手方向に沿って往復移動可能になっている。
一方、基部51の左面には、上方向に突出するピストンロッド56aを有するエアシリンダからなるクランプシリンダ56が固定されている。このクランプシリンダ56には外部エア供給装置(図示せず)のエアチューブ58,58を差し込むためのエア供給口57,57が設けられており、このエア供給口57,57を介して外部エア供給装置からクランプシリンダ56内に加圧空気が供給されてクランプシリンダ56が伸縮動作し、そのピストンロッド56aの突出長さが変化するようになっている。クランプシリンダ56のピストンロッド56a上部には円状の保持部59が一体的に固定され、この保持部59の上面には円柱状の凸部60が上方に向かって突設されている。
また、基部51の上端部には、前記保持部59とその上方に対向するように左側に延びる天板部61がねじ止めにより取付固定され、この天板部61には、保持部59の凸部60を遊嵌合状態で嵌挿するための円形の孔部62が貫通形成されている。
そして、図8に示すように、外部エア供給装置からクランプシリンダ56に加圧空気が供給されると、クランプシリンダ56が伸張動作してピストンロッド56aが保持部59と共に上方に向かって移動し、保持部59の凸部60が天板部61の孔部62に嵌挿されるようになる(図8の仮想線を参照)。そして、外部エア供給装置からクランプシリンダ56内に空気が供給され続ける限り、この嵌挿状態が維持される。このような保持部59の動作によって、一方の生地の端縁部における縫い終わり側を保持することが可能となる。
図4に示すように、レール部32は奥側端部32aが手前側端部32bよりも高くなるように傾斜していることから、クランプ部50は、他の外力が作用しない限り、自重によりレール部32の傾斜に沿って手前側に移動するようになる。ところが、クランプ部50が一方の生地端縁部の縫い終わり側を保持している状態でミシン装置1に生地がセットされ、送り方向Aに生地を送ると、クランプ部50は、送り動作する生地に引っ張られてレール部32を手前側端部32bから奥側端部32aに向かって登るように移動する。すなわち、クランプ部50は、レール部32を手前側端部32bから奥側端部32aに向かって傾斜登り方向に移動するときのクランプ部50の自重による抵抗により、レール部32上を受動的に移動するようになる。そして、例えば図9に示す下側生地W2(身頃)を補助装置30にセットしてミシン装置1を作動させると、クランプ部50が下側生地W2の端縁部の縫い終わり側を自重抵抗により引っ張り状態に保持し、下側生地W2の端縁部を略直線状に変形させる(図4参照)。
ここで、図4および図5に示すように、奥側支持部33の支持脚34には、接点部36aを有するリミットスイッチからなるスイッチ部36が設けられている。このスイッチ部36は、外部エア供給装置に対し例えば電気的に接続されており、接点部36aにクランプ部50が接触して、その接触をスイッチ部36が検出したときに、スイッチ部36から切換信号が出力されて、その切換信号に基づきクランプシリンダ56のピストンロッド56aが保持部59と一体的に下降移動するようになっている。このように、スイッチ部36の接点部36aにクランプ部50が接触すると、クランプ部50のクランプシリンダ56のピストンロッド56aおよび保持部59が下方に移動する。これにより、クランプ部50による一方の生地端縁部の縫い終わり側の保持状態が解除され、クランプ部50は自重によりレール部32の傾斜に沿って手前側に移動する。
また、図1および図4に示すように、レール部32には、クランプ部50を所定の位置に位置決め可能なストッパー部37が取り付けられている。このストッパー部37はレール部32に任意の位置に移動可能に固定されており、ストッパー部37により、クランプ部50は、自重によりレール部32の傾斜に沿って手前側に移動しても、所定の位置に位置決めされたストッパー部37に当接してそれ以上手前側に移動しないようになっている。
(実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態に係るミシンSでは、補助装置30によって、一方の生地の端縁部の縫い終わり側を引っ張り状態に保持してミシン装置1の送り動作に抵抗力を加えることにより、端縁部を略直線状に変形させることが可能になっている。例えば本実施形態のように、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地W1,W2のうち、補助装置30により曲線形状から略直線状に変形させた下側生地W2(身頃)については、端縁部を自動補助装置30に対し送り方向Aに向かってそのまま送ることが可能になる一方、上側生地W1(袖部)については、補助装置30を使用せずに送り方向Aに直交する左右方向に下側生地W2を動かしながら端縁部と縫い目までの間隔を調整すればよい。換言すれば、補助装置30で曲線形状から略直線状に変形させた下側生地W2の端縁部を基準にして、下側生地W2の端縁部に上側生地W1の曲線形状を沿わせながら生地W1,W2の端縁部同士を縫い合わせていくことが可能になる。
したがって、こうして一方の生地の送り動作を補助する補助装置30を設けたことにより、互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の縫い付けを行う場合において、縫い合わせ部分にしわ等の不具合が生じるおそれが減少しかつ作業者の負担が軽減される。そのため、経験の浅い作業者であっても所定の品質の縫い上がりを得ることができる。
また、レール部32および支持部33,40を有するガイド部31では、レール部32の手前側端部32bにおける上下位置を調整することによって、クランプ部50のミシン装置1に対する生地の引っ張り状態を適宜調整することができる。
また、上下のローラー54,55を有するクランプ部50は、手前側端部32bから奥側端部32aに向かって傾斜登り方向に移動するときのクランプ部50の自重による抵抗により、傾斜したレール部32上を受動的に移動することから、特別な電動部品を用いずとも簡単な構成でミシン装置1の送り動作に合わせて一方の生地の端縁部の縫い終わり側を保持して引っ張ることができる。
さらに、奥側支持部33には、クランプ部50と接触したときに、クランプ部50による一方の生地端縁部の縫い終わり側の保持状態を解除させるスイッチ部36が設けられているため、簡単な構成により奥側支持部33側でクランプ部50による一方の生地の保持状態を解除して、当該生地端縁部の縫い終わり側をスムーズにミシン装置1まで送ることができる。それとともに、その後は、クランプ部50をその自重でレール部32の傾斜に沿って手前側に戻すことができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態に係るミシンSにおいて、クランプ部50は、レール部32を手前側端部32bから奥側端部32aに向かって傾斜登り方向に移動するときのクランプ部50の自重による抵抗により、レール部32上を受動的に移動する形態を示したが、この形態に限られない。例えば、補助装置30は、ミシン装置1における生地の送り速度を検知する送り速度センサと、クランプ部50をガイド部31に沿って移動させる駆動部と、クランプ部50がガイド部31上で、送り速度センサにより検知された送り速度に同期して自動的に移動するように駆動部を制御する制御部と、を有する形態であってもよい。このような補助装置30であれば、クランプ部50がレール部32上を能動的に移動可能になり、クランプ部50の速度が常に送り速度に適した速度になるように制御することができる。
また、上記実施形態に係るミシンSの補正装置30では、外部エア供給装置からの空気供給によるクランプシリンダ56を動力源として一方の生地の端縁部の縫い終わり側を保持するクランプ部50を示したが、この形態に限られず、クランプ部50は、他の手段による動力源(例えばモータや電磁石など)を用いた形態であってもよい。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明は、例えば互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の縫い付けに用いられるミシン装置に設けられる補助装置およびそれを用いたミシンとして産業上の利用が可能である。
S:ミシン
1:ミシン装置
20:自動補正装置
30:補助装置
31:ガイド部
32:レール部
32a:奥側端部
32b:手前側端部
33:奥側支持部(支持部)
34:支持脚
36:スイッチ部
40:手前側支持部(支持部)
50:クランプ部
54:上ローラー
55:下ローラー
59:保持部
61:天板部
A:送り方向
T:作業台
W1:上側生地
W2:下側生地

Claims (6)

  1. 互いに異なる曲線形状の端縁部を有する上下2枚の生地の該端縁部同士を送り方向に送りながら縫い合わせるミシン装置の手前側に配置され、該ミシン装置における生地の送り方向に直交する左右方向の各生地の端縁部から縫い目までの位置ずれを自動補正する自動補正装置に設けられるミシン用補助装置であって、
    前記自動補正装置の手前側に配置され、前記ミシン装置による一方の生地の送り動作を補助する補助装置を備え、
    前記補助装置は、
    前記自動補正装置に向かって延びるように配置されたガイド部と、
    前記ガイド部に移動可能に設けられ、前記一方の生地の端縁部の縫い終わり側を引っ張り状態に保持して前記ミシン装置の送り動作に抵抗力を加えることにより、該端縁部を略直線状に変形させるクランプ部と、を有する、ミシン用補助装置。
  2. 請求項1に記載のミシン用補助装置において、
    前記ガイド部は、
    前記送り方向に向かって直線状に延びかつ前記クランプ部が往復移動可能に支持されるレール部と、
    前記レール部を、手前側端部を上下位置が調整可能となるように奥側端部で回動可能に支持する支持部と、を有する、ミシン用補助装置。
  3. 請求項2に記載のミシン用補助装置において、
    前記クランプ部は、前記レール部を上下両側から挟持した状態で転動して該レール部の長手方向に沿って往復移動可能な上下のローラーを有しており、
    前記レール部は、前記支持部により、前記レール部の奥側端部の高さが手前側端部よりも高くなるように傾斜しており、
    前記クランプ部は、前記レール部を前記ローラーが転動して手前側端部から奥側端部に向かって傾斜登り方向に移動するときの該クランプ部の自重による抵抗により、該レール部上を受動的に移動するように構成されている、ミシン用補助装置。
  4. 請求項2または3に記載のミシン用補助装置において、
    前記支持部には、前記クランプ部と接触したときに、該クランプ部による一方の生地端縁部の縫い終わり側の保持状態を解除させるスイッチ部が設けられている、ミシン用補助装置。
  5. 請求項1に記載のミシン用補助装置において、
    前記補助装置は、
    前記ミシン装置における生地の送り速度を検知する送り速度センサと、
    前記クランプ部を前記ガイド部に沿って移動させる駆動部と、
    前記クランプ部が前記ガイド部上で、前記送り速度センサにより検知された前記送り速度に同期して自動的に移動するように前記駆動部を制御する制御部と、を有する、ミシン用補助装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のミシン用補助装置を備える、ミシン。
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