JP2017189010A - 電機子及び直流モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、インシュレータの構造を改変し、コイルと電機子コアとが接触することを有効に回避することができる電機子及び直流モータを提供することにある。【解決手段】インシュレータ29は、インシュレータ底部29Aと、このインシュレータ底部29Aからティース本体部22aの周方向両側面に沿って延びるインシュレータ側壁部29Bと、このインシュレータ側壁部29Bの径方向外側端部からティース片22bの径方向中心側を向く面を覆うように延出するインシュレータ延出壁29Cと、このインシュレータ延出壁29Cからティース片22bの径方向端部に沿って延びるインシュレータ先端壁29Dとを備える。そして、ティース本体部22aを挟んで対面するインシュレータ側壁部29B,29B間の周方向距離は、インシュレータ底部29A側の方が軸方向端部側よりも小さくなるように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は直流モータに係り、特に、電機子コアに絶縁用のインシュレータを搭載した電機子及び当該電機子を備えた直流モータに関するものである。
一般的に、様々な機構の動力源としてモータが使用されている。
このようなモータでは、例えば、電機子コアに規則的にコイルを施して電機子とし、このコイルに流れる電流の方向を切替えることにより、界磁用磁石との相互作用で、ロータ側が回転するように構成されている。
一般的に、電機子コアは、板体であるコアシートを複数枚積層させることにより形成されている。このコアシートは、例えば、円環状の部分から、複数の略T形状の板体が径方向に放射状に延びた構成を採り、これらコアシートが積層された状態においては、複数の略T形状の板体が積層されて、複数のティースとなっている。
コイルは、このティース間に形成される軸方向に延びる間隙(スロット)を渡るように、ティースに巻き付けられている。
しかしながら、このように、ティースにコイルを巻き付けるにあたり、このコイルとティース(電機子コア)を絶縁する必要がある。
このように、ティースとコイル(電機子コア)を簡易に絶縁することができる技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、コイルとティース(電機子コア)とを絶縁するためのインシュレータが開示されている。
当該技術におけるインシュレータは、回転軸に嵌挿される円筒部と、積層コアの端面(軸方向端面)と同一形状に形成されたコア端面絶縁部と、電機子コアの各スロット内に各々嵌挿されるスロット絶縁部と、が備えられている。
このスロット絶縁部は、スロットの内壁面を覆うように配置され、スロット内部に配置されているコイルと、電機子コアと、の間を絶縁している。
特開2001−286085号公報
このように、特許文献1のような技術においては、インシュレータを電機子コアのスロットと、コイルと、の間に介在させ、当該箇所を絶縁することが可能である。
しかしながら、特許文献1の技術においては、コイルがスロットの内部から若干外側へはみ出した場合、ティースの先端部分と接触し、ショートを起こす可能性があった。
つまり、コイルエンド形成後に、コイルが外周側に僅かに広がることがあり、この際、ティースの先端部分と接触してしまう恐れがあった。
このため、不良率を低減させ、手直し工数を削減するために、インシュレータの改良が求められていた。
また、従来の技術では、インシュレータの形状が複雑で、取付け作業が煩雑であり、これの改良も求められていた。そして、同時に、電機子コアへの固定性が悪くなることを回避し、固定性を良くすることも課題であった。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、インシュレータの構造を改変し、コイルと電機子コアとが接触することを有効に回避することができる電機子及び当該電機子を備えた直流モータを提供することにある。
また、本発明の他の木体は、インシュレータの、電機子コアへの取付け作業性と固定性が改良された電機子及び当該電機子を備えた直流モータを提供することにある。
上記課題は、本発明に係る直流モータによれば、中央に回転軸が挿通される円筒形状のコア基体と、該コア基体から径方向放射状に突出する複数のティース部と、を備えた電機子コアと、該電機子コアを軸方向両側から覆う複数のインシュレータと、隣接する前記ティース部間のスロットを渡って、該インシュレータを介在させて前記ティース部に巻回されるコイルと、を有して構成される電機子であって、前記ティース部は、前記コア基体から径方向に延びるティース本体部と、該ティース本体部の端部から両周方向に各々突出するティース片と、を有して構成されており、前記インシュレータは、前記電機子コアの軸方向端面の形状に整合し、該軸方向端面を覆うインシュレータ底部と、該インシュレータ底部から前記ティース本体部の周方向両側面に沿って延びるインシュレータ側壁部と、該インシュレータ側壁部の径方向外側端部から前記ティース片の径方向中心側を向く面を覆うように延出するインシュレータ延出壁と、該インシュレータ延出壁から前記ティース片の径方向端部に沿って延びるインシュレータ先端壁と、を備え、前記ティース本体部を挟んで対面する前記インシュレータ側壁部間の周方向距離は、前記インシュレータ底部側の方が軸方向端部側よりも小さくなるように構成されていることにより解決される。
このように、本発明においては、インシュレータによって、ティース部を効果的に被覆できる構成を採った。
つまり、インシュレータにおいて、インシュレータ延出壁から更に、インシュレータ先端壁を伸ばし、ティース片の周方向端部まで、絶縁範囲を延ばした。
これにより、コイルがスロットから径方向外側へ広がった場合であっても、コイルがティース片の周方向端部に直接接触することを有効に防止することができる。つまり、インシュレータ先端壁の介在により、当該部分を絶縁することができる。
よって、コイルと電機子コアとが接触することを有効に回避することができる。
また、ティース本体部を挟んで対面するインシュレータ側壁部間の周方向距離は、インシュレータ底部側の方が軸方向端部側よりも小さくなるように構成されている。これにより、挿入側(軸方向端部側)の間隔が大きいため、インシュレータのティース部への取付け作業性が良くなり、更に、インシュレータ底部側の間隔を小さくして、ティース部へ堅固に固定されるようにしたため、インシュレータのティース部への固定性が良くなる。
このとき、具体的には、前記ティース本体部を挟んで対面する2個の前記インシュレータ側壁部の肉厚は、前記インシュレータ底部から先端部に向かうにつれて小さくなっていると好適であると好適である。
このように、構成されていると、簡易に、ティース本体部を挟んで対面するインシュレータ側壁部間の周方向距離を、インシュレータ底部側の方が軸方向端部側よりも小さくなるように構成することができる。
更に、このとき、前記インシュレータ底部のうち、前記ティース本体部の前記軸方向端面を覆う部分の周方向幅は、径方向中心側から先端側に向かうにつれて狭くなるようにテーパ状に形成されていると好適である。
このように構成されていると、最大応力が付加される径方向中心側の幅を大きくして応力を減少させるとともに、先端側の幅を狭くしてティース部への固定性を確保することができる。このため、応力を減らしてインシュレータ割れ等の不具合を防止することが可能となるとともに、インシュレータのティース部への固定性もまた向上させることができる。
また、このとき、前記ティース本体部を挟んで対面する2個の前記インシュレータ側壁部の、前記インシュレータ底部からの軸方向距離は、異なっていると好適である。
このように構成されていると、軸方向距離が大きい側のインシュレータ側壁部をガイドとして、インシュレータを電機子コアに装着することができるため、取付け作業性が向上する。
更に、このとき、具体的には、前記電機子コアに対し軸方向基端部側及び出力側から各々配設された2個の前記インシュレータを備え、一方の前記インシュレータの、前記インシュレータ底部からの軸方向距離が大きい側の前記インシュレータ側壁部の軸方向端部と、他方の前記インシュレータの、前記インシュレータ底部からの軸方向距離が小さい側の前記インシュレータ側壁部の軸方向端部と、が軸方向に突き合わされた状態で2個の前記インシュレータが配置されていると好適である。
このように構成されていると、2個のインシュレータが電機子コアに装着された際、2個のインシュレータ側壁部の軸方向総長が全て同一となり、片側のインシュレータ側壁の軸方向距離を小さくしたために絶縁範囲が小さくなるといった不具合がなくなる。
また、本発明に係る直流モータは、前記回転軸に固定され、前記コイルと電気的に連結される整流子と、該整流子に摺接して前記コイルへと給電するブラシと、請求項1乃至請求項5いずれか一項に記載の電機子と、該電機子と対面するように配置された界磁用の磁石と、を備えるものである。
本発明によれば、インシュレータ先端壁を追加し、ティース片の周方向端部まで、絶縁範囲を広げたため、コイルがティース片の周方向端部に直接接触することを有効に防止し、絶縁の信頼性を高めることができる。
また、インシュレータにおいて、ティース部を被覆する部分の挿入側(軸方向端部側)の間隔を大きくし、インシュレータ底部側の間隔を小さくした。このため、インシュレータのティース部への取付け作業性が良くなるとともに、インシュレータのティース部への固定性が良くなる。
このように、本発明によれば、インシュレータの構造を改変し、コイルと電機子コアとが接触することを有効に回避することができるとともに、インシュレータの取付け作業性及び固定性を共に良好とすることができる。
本発明の一実施形態に係るポンプ用モータ装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るモータのコイル状態とブラシ配設位置を平面状に展開した模式図である。 本発明の一実施形態に係る電機子の側面を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電機子の平面図である。 本発明の一実施形態に係るインシュレータの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るインシュレータの一部を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るインシュレータの保護範囲を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るティース部が格納される部分のサイズ構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るインシュレータの肉厚を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るティース本体被覆部のサイズ構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、インシュレータにて、電機子コアとコイルとの間を絶縁する構成の電機子に関するものであり、このインシュレータに改良を加え、絶縁性を向上させたものである。
そして、この電機子を備えた直流モータを駆動源とするポンプ用モータ装置を励磁している。
図1乃至図10は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はポンプ用モータ装置の概略構成図、図2はモータのコイル状態とブラシ配設位置を平面状に展開した模式図、図3は電機子の側面を示す説明図、図4は電機子の平面図、図5はインシュレータの斜視図である。なお、図5(a)及び図5(b)は、説明のため、異なった方向からインシュレータを見た図である。また、図6はインシュレータの一部を示す説明図、図7はインシュレータの保護範囲を示す説明図、図8はティース部が格納される部分のサイズ構成を示す説明図、図9はインシュレータの肉厚を示す説明図、図10はティース本体被覆部のサイズ構成を示す説明図である。
<モータの具体的適用例について>
最初に、本発明に係る直流モータ(「モータ10」と記す)の具体的適用例として、ポンプ用モータ装置Sの構成例について簡単に説明する。
当該例示したポンプ用モータ装置Sは、アンチロックブレーキングシステムに好適に使用される装置である。この装置においては、モータ10の回転力が、油圧ポンプのピストン32の直線往復運動に変換され、これにより油圧が制御されることによって、ブレーキディスクの制動力が制御されるように構成されている。
以下、簡単に構成を説明する。
本実施形態に係るポンプ用モータ装置Sは、モータ部1と、ポンプ部2と、を組み合わせることにより構成されている。
なお、モータ10の出力側とは、モータ10の動力が伝達されていく側であり、本実施形態においてはポンプ部2に向かう側となる。また、基端部側とは、回転軸21の軸方向に沿って反対側を指すものである。
<モータ部について>
モータ部1を構成するモータ10は、直流モータであり、本実施形態においては、所謂ポンプ用モータである。
なお、図1は、本実施形態に係るポンプ用モータ装置Sの概略構成を説明する説明図であるが、説明のため、一部切欠き部分(予圧付与部分)に内部形状を記してある。
図1に示すように、モータ10は、本実施形態のモータ10のケース部材として、有底円筒状のヨークハウジング11に囲繞されており、このヨークハウジング11の開口部(出力側に配設される)がブラシホルダ12で閉塞された基本構成を有する。
ヨークハウジング11の筒部内周面には、界磁用のマグネット13が固着されている。本実施形態においては、マグネット13の磁極数は6極である。ヨークハウジング11の底部中央部には、内側に向けて円筒状に突出形成された軸受保持部11aが設けられ、軸受保持部11aの内周面にはリア軸受14が圧入されている。マグネット13の内側にはロータ20が回転可能に収容され、ロータ20の回転軸21の基端部がリア軸受14にて支持されている。
ロータ20は、回転軸21と、回転軸21に一体回転可能に組み付けられる電機子コア22と、電機子コア22に巻装されるコイル23と、回転軸21に固定されコイル23と電気的に接続される整流子24と、電機子コア22に取付けられるインシュレータ29と、を備えて構成されている。
図示は省略するが、本実施形態に係る電機子コア22は、軸方向に分割される複数の部位にて構成されている。例えば、電機子コア22は軸方向に4つの部位で構成されている。
この場合、モータ10の基端部側(リア軸受14側)から順に、第1コアブロックA、第2コアブロックB、第3コアブロックC(図示せず)、第4コアブロックD(図示せず)とする。第1〜第4コアブロックA〜Dは、磁性金属板材よりなるコアシートを軸方向に複数枚積層して構成されるものであり、外周側に周方向等間隔にコイル23の巻装のための18個のティース部22Bの構成要素を備えている。なお、第1〜第4コアブロックA〜Dの各コアシートは、環状部分に適宜に設けたかしめ固定部にて軸方向積層前後で互いに連結されている。
本実施形態においては、マグネット13の磁極数「6」に対し、ロータ20側の突極数は「18」に設定されている。なお、各ティース部22Bの構成要素は、第1〜第4コアブロックA〜Dで同形状に構成されている。
なお、これら、第1〜第4コアブロックA〜Dを組み合わせた状態における、各ティース部22Bの構成要素の集合体が、ティース部22Bとなる。
つまり、ティース部22Bは積層体であるが、これを一個として扱う場合「ティース部22B」と記している。
電機子コア22の内周側においては、各ティース部22Bの各構成要素の基端部同士は互いに円環状に連結されるが、第1及び第4コアブロックA,D、第2コアブロックB、第3コアブロックCで各ブロックを構成するコアシートの環状形状を異ならせている。本実施形態においては、各ブロックを構成するコアシートの環状形状の外径を同じとし、内径を異ならせる。
一例を挙げると、第3コアブロックCは、その内周側の孔が回転軸21の圧入のための軸孔となっており、第3コアブロックCは、その軸孔へ回転軸21を圧入することで回転軸21に固定される。なお、第1コアブロックAは第2コアブロックBに固定され、その第2コアブロックBは第3コアブロックCの一側面側に固定されるとともに、第4コアブロックDは第3コアブロックCの他側面側に固定される。つまり、第1,第2,第4コアブロックA,B,Dは、回転軸21に直接固定されず、第3コアブロックCを通じて回転軸21に対して間接的に固定されている。
第2コアブロックBは、その内周側の孔の内径が、第1コアブロックAの内周側の孔の内径よりも小さくなっており、このため、第2コアブロックBの基端部側の面と、第1コアブロックAの内周側の孔の側面と、で空間が形成されるが、この空間を「予圧部材配設空間H1」と記す。
なお、第4コアブロックDの孔部は整流子24の一部の収容に用いられる。
このような第1〜第4コアブロックA〜Dよりなる電機子コア22は、前述したように、第3コアブロックCの軸孔に回転軸21が圧入されることで、回転軸21に対して第3コアブロックCが直接的に固定され、第1,第2,第4コアブロックA,B,Dが間接的に固定されることとなる。
回転軸21の基端部はリア軸受14にて回転可能に支持され、リア軸受14の外輪がヨークハウジング11の軸受保持部11aに圧入されるのに対し、内輪には回転軸21が遊嵌されている。つまり、回転軸21(ロータ20)は、軸方向に移動可能に支持されている。
また、予圧部材配設空間H1には、ウエーブワッシャW1が配置されている。
このウエーブワッシャW1に、予圧部材配設空間H1において、第2コアブロックBの基端部側の面と、リア軸受14の出力側面との間に介在するように張設され、軸方向への予圧を付与するものである。つまり、このウエーブワッシャW1は、リア軸受14の出力側面を支点とし、自身の付勢力を第2コアブロックBの端面(基端部側端面)に作用させて、ロータ20を先端側(出力側)に押圧するものである。
また、図1に示すように回転軸21の先端側には、整流子24が固定されている。この図1に示すように、整流子24の外周面には複数個のセグメント24aが固定されており、電機子コア22のティース部22Bに巻装されたコイル23の端末線が対応のセグメント24aに対して接続されている。整流子24から突出する回転軸21の先端部は、出力部21aとなっている。
この出力部21aは、回転軸21と同軸の同軸部121aと、この回転軸21の軸からずれた位置(偏心した位置)に軸を持つ偏心部121bと、により構成されている。
そして、同軸部121aの外周にはフロント軸受17が配置されており、偏心部121bの外周には、出力用軸受121dが配置されている。本例では、この出力用軸受121dとして、ニードルベアリングを使用している。
このフロント軸受17は、ポンプ部2を構成するポンプハウジング31に配設されるとともに、出力用軸受121dの外周部は、ポンプ部2を構成するピストン32に当接するよう配置される。
また、前述の通り、ロータ20は、18本のティース部22Bを有するとともに、整流子24には18個のセグメント24aが配置されている(18スロット及び18セグメント)。
なお、ブラシ27、セグメント24a、コイル23、の電気的接続状態の例として、図2を示した。この図2は、上記接続状態を、平面に展開した説明図である。
また、本実施形態においては、ステータであるヨークハウジング11に配設されるマグネット13は6磁極となるよう構成されている。
また、ロータ20を構成している電機子コア22には、インシュレータ29が取付けられる。
本実施形態では、インシュレータ29は2個使用されており、軸方向出力側端部及び基端部側端部から、各々、電機子コア22に装着されるよう構成されている。
そして、このインシュレータ29は、電機子コア22において、コイル23が接触する箇所全てを被覆するように取付けられるものであり、この介在により、電機子コア22とコイル23とが絶縁される。
このインシュレータ29の詳細な構成は、本実施形態の主要構成であるため、後に詳述する。
以上のように構成されたロータ20等を内部に収容したヨークハウジング11の開口部には、ブラシホルダ12が装着される。ブラシホルダ12の中心部に設けた挿通孔12aからは、回転軸21の先端部に設けた出力部21aが外部に突出している。
なお、本実施形態において、この挿通孔12aは、径の異なる3個の部分にて構成されている。
つまり、基端部側には、整流子24の径と整合する径を有する整流子配設孔G1が形成され、その整流子配設孔G1の出力側には、回転軸21の径より僅かに大きい径の回転軸配設孔G2が形成されている。また、この回転軸配設孔G2の出力側には、フロント軸受17の最大径と整合する径を有する軸受配設孔G3が形成されている。
このように構成されているため、回転軸配設孔G2に回転軸21を配設した状態において、ブラシホルダ12の基端部側(整流子配設孔G1)には、整流子24の基端部側の一部が配置されるとともに、出力側(回転軸配設孔G2)にはフロント軸受17の基端部側の一部が配置されることとなる。
また、ブラシホルダ12の基端部側面には、ブラシ装置25が形成されている。
本実施形態においては、6個のブラシ装置25が形成されている。
ブラシ装置25は、矩形筒状の被覆部26を有し、この被覆部26内に、直方体状のブラシ27が径方向に進退可能に収容されている。ブラシ27は、その後端面がスプリング28の付勢力を受け、整流子24の外周面のセグメント24aに圧接するよう構成されている。そして、ブラシ27及び整流子24を通じてロータ20のコイル23に給電が行われ、ロータ20に回転のための磁界を生じさせる。
更に、ブラシホルダ12に形成された挿通孔12a近方には、ブラシホルダ12の出力側の面から軸方向出力側に突出する態様でブラシホルダ保持部12bが一体に形成されている。ブラシホルダ保持部12bには、一端がブラシ27に電気的に接続された配線兼用プレート12cが埋設されている。ブラシホルダ12は、ブラシホルダ保持部12bが、ポンプハウジング31に固定される。
<ポンプ部について>
次いで、ポンプ部2について説明する。
図1に示すように、ポンプ部2は、ポンプハウジング31を備えており、そのモータ部1と対向する面にモータ部1から突出する偏心部121b及び出力用軸受121dを格納する伝達室31aが形成されている。この伝達室31aは、ポンプハウジング31においてモータ部1と当接する面を回転軸21の軸方向に沿って有底円筒状に凹設するように穿たれた孔部であり、出力用軸受121dを外装した偏心部121bが偏心運動可能となる空間サイズが確保されている。
この略円筒状に穿たれた伝達室31aの底面部分を「伝達室底面部311」と記し、側面部分を「伝達室側面部312」と記す。
また、ポンプハウジング31には伝達室31aから径方向外側に延びる態様でピストン収容部31bが形成されている。ピストン収容部31bに収容されたピストン32は、偏心部121bの径方向において出力用軸受121dと当接しており、ロータ20の回転に伴ってピストン収容部31b内を摺動する。ピストン32が摺動することによってピストン収容部31bに連通する油圧室31c内の流体が加圧され、油圧室31c内に充填された作動油が圧送される。
<モータ部とポンプ部の組付け>
上記のように構成されたモータ部1は、ポンプ部2に組付けられる。
このとき、ブラシホルダ12を構成するブラシホルダ保持部12bが、ポンプハウジング31に固定される。
また、出力用軸受121dが外装された偏心部121bは、伝達室31a内部に配置される。このとき、出力用軸受121dの外側壁は、ピストン32の端部に当接している。
そして、フロント軸受17が、伝達室31aにおけるモータ部1配設側の開口端を閉塞するように取付けられる。つまり、伝達室31aを構成する伝達室側面部312の開口端付近に取付けられることとなる。
より詳しく説明すると、フロント軸受17は、その基端部側がブラシホルダ12に形成された軸受配設孔G3に配置された状態で、その出力側が伝達室31aを構成する伝達室側面部312に取付けられる。
このように構成されているので、モータ部1をポンプ部2に組付けた状態においては、回転軸21はリア軸受14とフロント軸受17とによって回転可能に支承されるとともに、伝達室31a内に偏心部121b及び出力用軸受121dを配置して、回転軸21の回転力を偏心部121b及び出力用軸受121dに伝達することができる。
そして、このように出力用軸受121dは、偏心部121bを介して、ピストン32に対し駆動力を付与することとなる。
<電機子の詳細について>
次いで、図3及び図4により、電機子コア22の形状について、本発明と関連の深い部分を説明する。特に、外形の構造について説明する。なお、前述の通り、本実施形態に係る電機子コア22は、複数の円盤状のコアシートを軸方向に積層することにより、軸方向に高さを持った立体形状に形成されている。本実施形態におけるインシュレータ29は、複数のコアシートが積層されて一体となった電機子コア22に対して設置されるものであるため、以下、電機子コア22を一個の部品として説明する。
本実施形態に係る電機子コア22は、軸方向に内孔が延びる略円筒形状のコア基体22Aと、このコア基体22Aの外側面から径方向外側へ放射状に延びる複数のティース部22Bと、を有して構成されている。前述の通り、本実施形態においては、ティース部22Bは、18個形成されている。つまり、中心角20°離隔するよう周方向等間隔に並んでいる。なお、コア基体22Aの内孔(軸方向に穿たれた孔)には、回転軸21が挿通されるが、この形状は、前述の通りであるため説明は省略する。
ティース部22Bは、コア基体22Aの外側面から径方向外側へ放射状に延びる略角柱状のティース本体部22aと、このティース本体部22aの先端から周方向に延びるティース片22bと、を有して構成されている。
このティース片22bは、ティース本体部22a先端(中心から離れる側)の周方向両側から、周方向に沿って延出する壁であり、円弧状に湾曲している。
よって、軸方向平面視においては、ティース部22Bは、略T字形状となっている。
隣接するティース部22B,22B間は、対面するティース本体部22aの側壁及びティース片22bの内側面(中心方向側を向く面)で構成される空間が形成されており、この空間が、スロットK1となっている。なお、隣接するティース片22b,22bは、接触することなく離隔しており、よって、このスロットK1は、閉じた空間ではない。
このように、構成された電機子コア22に対して、スロットK1を渡りながら、ティース本体部22aに対してコイル23が巻回されていく(巻き方に関しては図2参照)。つまり、このスロットK1には幾重にもコイル23が配置されることとなる(図3、図4参照)。なお、図3及び図4に関しては、コイル23は、一本ずつ図示しておらず、同じ箇所を走るコイル23は、複数本まとめて図示してある。
<インシュレータの構成について>
次いで、図3乃至図5により、インシュレータ29について説明する。
本実施形態に係るインシュレータ29は、樹脂製の絶縁用部材であり、本実施形態においては、2個使用されている。
つまり、インシュレータ29,29を、軸方向基端部側と軸方向出力側と、から各々電機子コア22に挿入するものである。
インシュレータ29は、電機子コア22の軸方向端面を被覆するインシュレータ底部29Aと、インシュレータ底部29Aから軸方向に延出するインシュレータ側壁部29B及びインシュレータ延出壁29Cと、を有して構成されている。
インシュレータ底部29Aは、電機子コア22の端面形状に整合する形状(ほぼ同一形状)に形成されている。つまり、円環状の部分からT形状の部分が放射状に延出する形状となっている。
インシュレータ底部29Aの内、電機子コア22を構成するコア基体22Aの軸方向端面を覆う部分を「コア基体被覆部291」と記す。また、ティース本体部22aの軸方向端面を覆う部分を「ティース本体被覆部292」と記し、ティース片22bの軸方向端面を覆う部分を「ティース片被覆部293」と記す。なお、隣接するティース本体被覆部292,292の対向する辺の中心側端部は、コア基体被覆部291と連続する部分で接している。
図6に示すように、インシュレータ側壁部29Bは、ティース本体被覆部292において、径方向に延びるとともに径方向に対面する両辺から、軸方向に沿って延びる壁体であり、同様にインシュレータ延出壁29Cは、ティース片被覆部293から軸方向に沿って、インシュレータ側壁部29Bが延びる方向と同方向に向けて延びる壁体である。なお、インシュレータ側壁部29Bとインシュレータ延出壁29Cとは、その端部において連続している。
また、インシュレータ先端壁29Dは、インシュレータ延出壁29Cの径方向端部から、ティース片被覆部293の径方向端部に沿って延びる壁体である。
つまり、インシュレータ側壁部29Bは、径方向に沿って外側(中心と離れる側)に延びた後、その外側(中心と離れる側)端部がインシュレータ延出壁29Cと連続し、このインシュレータ延出壁29Cは、ティース片22bの内側の面(中心側を向く面)に沿って延びる構成をとる。そして、このインシュレータ延出壁29Cの径方向端部からはこれに連続して、ティース片被覆部293の径方向端部を囲むように覆うインシュレータ先端壁29Dが延びている。
このように、本実施形態においては、ティース片被覆部293の周方向端部に沿って、インシュレータ先端壁29Dが延びており、このため、コイル23とティース片22bとの接触を効果的に回避することができる。
つまり、図7に示すように、スロットK1内に配置される複数のコイル23が外側方向に広がっても、ティース片22bの周方向端部は、インシュレータ先端壁29Dにより被覆されているため、コイル23は、ティース片22bの周方向端部と直接的に接触せず、樹脂製のインシュレータ先端壁29Dにより絶縁される。
よって、ティース片被覆部293を備えることにより、絶縁性が向上する。
また、インシュレータ側壁部29Bは、ティース本体被覆部292の周方向に対面する両辺から各々延びており、同様に、インシュレータ延出壁29Cは、ティース本体被覆部292において、径方向に延びるとともに径方向に対面する両辺の外側(中心と離れる側)の端部から径方向に各々延びる壁である。
つまり、インシュレータ側壁部29Bとインシュレータ延出壁29Cとインシュレータ先端壁29Dとは、一個のティース本体被覆部292に対して2個形成されるものであるが、これらの軸方向長さは異なるように構成されている。
換言すれば、図8に示すように、ティース本体被覆部292において、径方向に延びるとともに周方向に対面する両辺の一方に形成されているインシュレータ側壁部29Bとインシュレータ延出壁29Cとインシュレータ先端壁29Dとの組(「一方の組」と記す)の軸方向長さと、同両辺の他方に形成されているインシュレータ側壁部29Bとインシュレータ延出壁29Cとインシュレータ先端壁29Dとの組(他方の組」と記す)の軸方向長さと、を見ると、一方の組の軸方向長さが大きく(以下、こちら側の組を「大長さ壁L1」と記す)、他方の組の軸方向長さが小さく(以下、こちら側の組を「小長さ壁L2」と記す)なっている。
このように軸方向の長さが異なっていると、電機子コア22にインシュレータ29を挿入する際に、大長さ壁L1側をガイドとして挿入することができるので、挿入配置が容易となる。
そして、前述のように、本実施形態においては、インシュレータ29を軸方向基端部側と出力側から各々電機子コア22に挿入する構成としているが、この時、一方側から挿入されたインシュレータ29の大長さ壁L1が配置されている場所には、他方側から挿入されるインシュレータ29の小長さ壁L2が配置されるように、これら2個のインシュレータ29,29が挿入される。
つまり、大長さ壁L1の軸方向長さをt1、小長さ壁L2の軸方向長さをt2、軸方向の必要長(ティース部22Bの軸方向に延びる側壁の軸方向長さ)をt3とすると、以下の関係が成り立っている。
t1+t2≒t3
よって、必要長であるt3を確保しながら、インシュレータ29のガイド機能もまた備えることができる。
更に、図9に示すように、本実施形態においては、ティース本体部22aを挟んで対面する前記インシュレータ側壁部29B,29B間の周方向距離は、インシュレータ底部29A側の周方向距離t4の方が軸方向端部側の周方向距離t5よりも小さくなるように構成されている。
つまり、電機子コア22の挿入側(距離t5)は、組付け性の悪化を防止すべく、従来通りの開口幅を設けているが、インシュレータ底部29A側の幅(t4)を僅かではあるが小さくして、コイル23を巻回する際の力でインシュレータ29がずれることを防止している。このように、インシュレータ29が電機子コア22にしっかりと嵌まるため、インシュレータ29がずれて巻線フォーマが挿入できなくなり、コイル作業が実行できなくなることを有効に防止することができる。
そして、図9に示すように、本実施形態においては、電機子コア22の挿入側の径方向幅(距離t5)と、インシュレータ底部29A側の径方向幅(距離t4)を変えるために、インシュレータ側壁部29Bの肉厚を変えている。
つまり、このように、インシュレータ側壁部29Bのインシュレータ底部29A側の肉厚t6のほうが、端部側(挿入側)の肉厚t7よりも大きくなるように、内側をテーパ状にして除変させている。換言すると、ティース本体部22aを挟んで対向する面側をテーパ面とし、インシュレータ底部29A側の周方向距離t4の方が軸方向端部側の周方向距離t5よりも小さくしている。
また、図10に示すように、インシュレータ底部29Aのティース本体被覆部292の幅(径方向距離)は、一定ではない。
つまり、ティース本体被覆部292のコア基体被覆部291側の幅(周方向距離)t8は、径方向端部側の幅(周方向距離)t9よりも大きくなるように構成されている。
このように構成されていることによって、最大応力が掛かる部分の幅(周方向距離)を大きくして応力負担を減らし、径方向端部側の幅(周方向距離)をできるだけ小さくして、ティース本体部22aへの固着度を高めてガタつきを防止することができる。
以上のように、各部のバランスを取りながら、t1、t2、t4、t5、t6、t7、t8、t9のサイズを調整するとよい。
つまり、上記の大小関係を満たすように、幅・高さ・肉厚等を変化させて、インシュレータ29が形成されるとよい。
このように、本実施形態に係るインシュレータ29は、インシュレータ先端壁29Dを備えたため、絶縁保護範囲が広がり、これにより、コイル23巻回時にスロットK1内から外側へコイル23が広がっても、コイル23とティース片22bとが直接接触せず、このインシュレータ先端壁29Dにより絶縁される。
また、上記の大小関係を満たすことにより、インシュレータ29の電機子コア22への取付け性を向上させるとともに、取付け後の堅固な固定性もまた確保することができる。
S・・ポンプ用モータ装置、1・・モータ部、2・・ポンプ部、
10・・モータ(直流モータ)、
11・・ヨークハウジング、11a・・軸受保持部、
12・・ブラシホルダ、12A・・基体板、
12a・・挿通孔、G1・・整流子配設孔、G2・・回転軸配設孔、G3・・軸受配設孔、
12b・・ブラシホルダ保持部、12c・・配線兼用プレート、
13・・マグネット、14・・リア軸受、17・・フロント軸受、
20・・ロータ、
22・・電機子コア、
22A・・コア基体、
22B・・ティース部、22a・・ティース本体部、22b・・ティース片、
23・・コイル、A〜D・・コアブロック、
21・・回転軸、21a・・出力部、121a・・同軸部、121b・・偏心部、
121d・・出力用軸受、
24・・整流子、24a・・セグメント、
25・・ブラシ装置、26・・被覆部、
27・・ブラシ、28・・スプリング、
29・・インシュレータ、
29A・・インシュレータ底部、
291・・コア基体被覆部、292・・ティース本体被覆部、
293・・ティース片被覆部、
29B・・インシュレータ側壁部、29C・・インシュレータ延出壁、
29D・・インシュレータ先端壁、
31・・ポンプハウジング、
31a・・伝達室、311・・伝達室底面部、312・・伝達室側面部、
31b・・ピストン収容部、31c・・油圧室、32・・ピストン、
H1・・予圧部材配設空間、K1・・スロット、
L1・・大長さ壁、L2・・小長さ壁、
W1・・ウエーブワッシャ

Claims (6)

  1. 中央に回転軸が挿通される円筒形状のコア基体と、該コア基体から径方向放射状に突出する複数のティース部と、を備えた電機子コアと、
    該電機子コアを軸方向両側から覆う複数のインシュレータと、
    隣接する前記ティース部間のスロットを渡って、前記インシュレータを介在させて前記ティース部に巻回されるコイルと、を有して構成される電機子であって、
    前記ティース部は、前記コア基体から径方向に延びるティース本体部と、該ティース本体部の端部から両周方向に各々突出するティース片と、を有して構成されており、
    前記インシュレータは、前記電機子コアの軸方向端面の形状に整合し、該軸方向端面を覆うインシュレータ底部と、該インシュレータ底部から前記ティース本体部の周方向両側面に沿って延びるインシュレータ側壁部と、該インシュレータ側壁部の径方向外側端部から前記ティース片の径方向中心側を向く面を覆うように延出するインシュレータ延出壁と、該インシュレータ延出壁から前記ティース片の径方向端部に沿って延びるインシュレータ先端壁と、を備え、
    前記ティース本体部を挟んで対面する前記インシュレータ側壁部間の周方向距離は、前記インシュレータ底部側の方が軸方向端部側よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする電機子。
  2. 前記ティース本体部を挟んで対面する2個の前記インシュレータ側壁部の肉厚は、前記インシュレータ底部から先端部に向かうにつれて小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の電機子。
  3. 前記インシュレータ底部のうち、前記ティース本体部の前記軸方向端面を覆う部分の周方向幅は、径方向中心側から先端側に向かうにつれて狭くなるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電機子。
  4. 前記ティース本体部を挟んで対面する2個の前記インシュレータ側壁部の、前記インシュレータ底部からの軸方向距離は、異なっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の電機子。
  5. 前記電機子コアに対し軸方向基端部側及び出力側から各々配設された2個の前記インシュレータを備え、
    一方の前記インシュレータの、前記インシュレータ底部からの軸方向距離が大きい側の前記インシュレータ側壁部の軸方向端部と、
    他方の前記インシュレータの、前記インシュレータ底部からの軸方向距離が小さい側の前記インシュレータ側壁部の軸方向端部と、が軸方向に突き合わされた状態で2個の前記インシュレータが配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電機子。
  6. 前記回転軸に固定され、前記コイルと電気的に連結される整流子と、該整流子に摺接して前記コイルへと給電するブラシと、請求項1乃至請求項5いずれか一項に記載の前記電機子と、該電機子と対面するように配置された界磁用の磁石と、を備えた直流モータ。
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