JP2017189192A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波による血管径と血流速の計測に係る改良技術を提供する。
【解決手段】血管壁特定部60は、超音波画像内の血管の計測部位を通る血管径計測ラインから得られる画像情報に基づいて、血管の血管壁の位置を特定する。血管径計測部62は、血管壁の位置に基づいて血管の血管径を計測する。血流速計測部64は、血管径計測ラインと交差関係にある複数のドプラ計測ラインのうち、計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、血管内の血流速を計測する。
【選択図】図1
【解決手段】血管壁特定部60は、超音波画像内の血管の計測部位を通る血管径計測ラインから得られる画像情報に基づいて、血管の血管壁の位置を特定する。血管径計測部62は、血管壁の位置に基づいて血管の血管径を計測する。血流速計測部64は、血管径計測ラインと交差関係にある複数のドプラ計測ラインのうち、計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、血管内の血流速を計測する。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波診断装置に関し、特に血管を診断する超音波診断装置に関する。
血管の機能の評価において、例えば血管内皮機能評価の方法として、血流反応性血管拡張(FMD:Flow Mediated Dilatation)が知られている。FMDによる血管内皮機能測定は、血管の内皮機能の評価や動脈硬化の診断などに有用とされている。FMDの一般的な測定手順は次のとおりである。
まず、被検者の安静時における上腕動脈の血管径を計測し、次に被検者の前腕部分をカフなどで5分程度駆血する。その後、駆血を解除すると上腕動脈の血管径が拡張し、徐々に安静時の血管径に戻る。そして、駆血解除からの血管径変化と安静時の血管の状態から上腕動脈の内皮機能が評価される。
FMDによる血管内皮機能評価において、血管径の計測には超音波診断装置を利用することができる(例えば特許文献1,2参照)。つまり、超音波診断装置により、安静時、駆血時、駆血解除後の血管壁の位置が特定され、例えば、安静時の血管径と駆血解除後の血管径が比較される。
さらに、例えばFMDによる血管内皮機能評価において、血管の血管径の計測結果に加え、その血管内における血流速の計測結果を利用する評価も行われている。血流速の計測にも、超音波診断装置のドプラ計測に係る機能を利用することができる。
血管の血管壁とその血管内の血流速の両方を計測することができる超音波診断装置は、血管の診断において重要な役割を担っており、血管の診断に係る機能のさらなる改良が期待されている。
本発明は、超音波による血管径と血流速の計測に係る改良技術を提供することにある。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、超音波画像内の血管の計測部位を通る少なくとも1つの血管径計測ラインから得られる画像情報に基づいて、前記血管の血管壁の位置を特定する血管壁特定部と、前記血管壁の位置に基づいて前記血管の血管径を計測する血管径計測部と、前記少なくとも1つの血管径計測ラインと交差関係にある複数のドプラ計測ラインのうち、前記計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、前記血管内の血流速を計測する血流速計測部と、を有することを特徴とする。
血管径は血管の長軸に対して直交する方向で計測されることが望ましい。そのため、上記構成における各血管径計測ラインは、例えば血管の長軸に対して直角または直角に近い角度で交差するラインであることが望ましい。一方、ドプラ情報に基づいて血流速を計測する場合、血流は全体的に血管の長軸方向に流れるため、長軸に対して直交しない方向から血流のドプラ情報(ドプラシフト)を得ることが望ましい。そのため、上記構成における各ドプラ計測ラインは、例えば血管の長軸に対して直交しない交差角度をもつラインであることが望ましい。
以上の理由から、上記構成における各血管径計測ラインと各ドプラ計測ラインは、互いに平行ではない交差関係にある。例えば、各血管径計測ラインは血管径の計測に適した角度で血管に交差するように配置され、これにより血管径の計測精度が高められる。また、例えば、ドプラ計測ラインは血流の計測に適した角度で血管に交差するように配置され、これにより血流速の計測精度が高められる。
さらに、上記構成においては、血管の計測部位を通る少なくとも1つの血管径計測ラインを利用して血管径が計測され、その計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを利用して血流速が計測される。したがって、上記構成によれば、互いに交差関係にある各血管径計測ラインと各ドプラ計測ラインを利用して血管径と血流速の計測精度を高めつつ、互いに同じ計測部位において血管径と血流速を計測することが可能になる。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前記超音波画像内の前記血管の長軸断面に対して関心領域カーソルを設定するカーソル設定部をさらに有し、前記関心領域カーソル内で特定される前記血管の前壁と後壁に挟まれた領域を前記計測部位とする、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、前記関心領域カーソル内の前壁と後壁の位置に基づいて決定される前記血管の中心位置を前記基準位置とし、前記カーソル設定部は、前記血管の中心位置を通る前記基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソルを前記超音波画像内に設定することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波画像内の前記血管に対して、血流速の計測方向を示す角度補正カーソルが設定され、前記血流速計測部は、前記基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報と前記角度補正カーソルの角度情報とに基づいて、前記血管内における前記計測方向の血流速を計測することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、計測された血管径と血流速に基づいて、前記血管の診断情報として、血流速と血管径の比を算出することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波診断装置は、複数時相に対応した前記超音波画像の中から前記血管の血管径と血流速を計測する計測時相を選択する時相選択部をさらに有し、心電波形のR波に対応した特徴時相よりも血流速が大きい参照時相が設定され、前記時相選択部は、前記特徴時相から前記参照時相までの遅延時間に基づいて、前記血管を有する生体から得られる心電波形内において特定されるR波の時相から前記遅延時間だけ遅れた時相を前記計測時相として選択することを特徴とする。
本発明により、超音波による血管径と血流速の計測に係る改良技術が提供される。例えば、本発明の好適な態様によれば、互いに交差関係にある各血管径計測ラインと各ドプラ計測ラインを利用して血管径と血流速の計測精度を高めつつ、互いに同じ計測部位において血管径と血流速を計測することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態として好適な超音波診断装置の全体構成図である。プローブ10は、超音波を送受する超音波探触子であり、被検体(生体)内の血管を含む診断領域で超音波ビームを走査する。図1に示す具体例において、プローブ10は、例えばリニアプローブが好適であり、電子的走査により血管の長軸方向に沿って超音波ビームを移動させる。なお、リニアプローブとは異なる走査態様のプローブ10が利用されてもよいし、電子的走査のみ、機械的走査のみ、または電子的走査と機械的走査の組み合わせにより診断領域内で超音波ビームを立体的に走査するプローブ10が利用されてもよい。
送受信部12は、プローブ10が備える複数の振動素子を送信制御して送信ビームを形成し、送信ビームを診断領域内で走査させる。また、送受信部12は、複数の振動素子から得られる複数の受信信号を整相加算処理して受信ビームを形成し、診断領域内の全域から受信信号を収集する。つまり、送受信部12は、送信ビームフォーマと受信ビームフォーマの機能を備えている。
断層画像形成部20は、診断領域内から収集される受信信号に基づいて、診断領域のBモード画像(断層画像)データを形成する。つまり、血管の長軸断面を含んだ断層画像の画像データが形成される。
ドプラ処理部30は、診断領域内から収集される受信信号に基づいて、ドプラ情報を得る。ドプラ処理部30は、血管内を流れる血流からドプラ情報(ドプラシフトの情報)を得ることによりドプラ画像の画像データを形成する。なお、ドプラ画像の画像データに基づいて、例えば診断領域の断層画像内(主に血管内)の各点における速度を色等によって表現したドプラ画像(カラードプラ)の画像データが形成される。ドプラ画像は、ドプラ処理部30において形成されてもよいし、表示処理部70において形成されてもよい。
図1の超音波診断装置は、診断領域内における血管の血管径とその血管内の血流速を計測する機能を備えている。その計測に係る機能は主に計測処理ブロックにおいて実現される。計測処理ブロックは、データ記憶部42と時相選択部44とカーソル設定部50と血管壁特定部60と血管径計測部62と血流速計測部64によって構成される。計測処理ブロックによって実行される計測に係る機能については後に詳述する。
表示処理部70は、断層画像形成部20から得られるBモード画像の画像データと、ドプラ処理部30から得られるドプラ画像の画像データと、計測処理ブロックから得られる計測結果とに基づいて表示画像を形成する。表示処理部70において形成された表示画像は表示部80に表示される。
制御部100は、図1の超音波診断装置内を全体的に制御する。制御部100による全体的な制御には、操作デバイス90を介して医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付した各部)のうち、送受信部12,断層画像形成部20,ドプラ処理部30,時相選択部44,カーソル設定部50,血管壁特定部60,血管径計測部62,血流速計測部64,表示処理部70の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
データ記憶部42は、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等の記憶デバイスによって実現できる。表示部80の好適な具体例は液晶モニタ等である。操作デバイス90は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部100は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波診断装置の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の超音波診断装置により実現される血管の計測に係る機能等について詳述する。なお、図1に示した構成(部分)については以下の説明において図1の符号を利用する。
図1の超音波診断装置は、血流反応性血管拡張(FMD:Flow Mediated Dilatation)による血管内皮機能評価において好適な機能を備えている。FMDによる血管内皮機能評価においては、安静時から駆血解除後に亘って約10分間程度の診断期間内で、複数時相に亘って各時相ごとに断層画像形成部20がBモードの画像データを形成し、ドプラ処理部30がドプラ画像の画像データを形成する。
図2は、FMDにおける診断期間を説明するための図である。図2には、FMDの診断中における血管径の変化が示されている。なお、横軸が診断時刻(計測時刻)であり縦軸が血管径を示している。
FMDの診断においては、例えば上腕動脈の血管が診断対象とされ、被検者の安静時状態から血管のBモード画像データとドプラ画像データが形成される。図2において、期間Iが安静時状態である。
次に、被検者の前腕部がカフなどで駆血される。図2において、期間IIが駆血状態である。血管径は、駆血直後から徐々に減少した後、ほぼ一定値を維持する。駆血は、例えば5分程度行われる。駆血状態の期間IIにおいて、血管のBモード画像データとドプラ画像データが形成されてもよい。
そして、駆血状態の後にカフが開放される。図2において、期間IIIがカフ開放後の期間である。カフが開放されると、血管径は、開放直後から例えば30秒から40秒程度経過した時刻T1ごろから拡大をはじめる。そして血管径が最大値に達した後、徐々に減少して安静時状態の血管径に戻る。カフ開放後の期間IIIにおいても血管のBモード画像データとドプラ画像データが形成される。
図1の超音波診断装置は、期間Iから期間IIIまでの全期間に亘って、各時相ごとに(各フレームごとに)血管のBモード画像データとドプラ画像データを形成し、血管の断層画像に関する動画像を表示部80に表示する。
さらに、図1の超音波診断装置は、FMDの診断結果として、%FMD(パーセントFMD)を算出する。%FMDは次式により算出される。
[数1]%FMD=((開放後最大径−安静時径)/安静時径)×100
つまり、%FMDの算出においては、安静時における血管径である安静時径と、カフを開放した後の血管径の最大値である開放後最大径が必要となる。
[数1]%FMD=((開放後最大径−安静時径)/安静時径)×100
つまり、%FMDの算出においては、安静時における血管径である安静時径と、カフを開放した後の血管径の最大値である開放後最大径が必要となる。
そこで、図1の超音波診断装置は、図2の期間Iから期間IIIまでの全診断期間のうち、安静時状態の期間Iにおける10心拍程度の期間と、カフ開放後の期間IIIにおける最大血管径を含む期間を注目期間として、注目期間内における複数時相(複数フレーム)のBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶する。
制御部100は、例えば、操作デバイス90を介して入力されるユーザ(検査者)の操作に応じて、注目期間内における複数時相のBモード画像データをデータ記憶部42に記憶する。
FMDの診断において、検査者は、まず、被検者の安静時状態において、操作デバイス90を操作して、安静時状態における複数時相の画像データを記憶する指示を入力する。この操作を受け、制御部100は、例えば、予め設定されている記録時間(例えば10秒程度)のBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶する。
なお、被検体内の拍動(心拍)の計測結果である生体信号データが得られている場合には、生体信号データを参照して、例えば、予め設定されている心拍数(例えば10心拍程度)のBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶するようにしてもよい。
安静時状態における診断の後に、被検者の前腕部がカフなどで駆血され、期間IIの駆血状態における診断が行われる(図2参照)。但し、%FMDの算出においては期間IIの駆血状態での血管径が不要であるため、この期間IIの画像データは、データ記憶部42に記憶しなくてもよい。もちろん、参考データとして、期間IIにおけるBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶するようにしてもよい。
駆血状態の後にカフが開放されると、検査者は、表示部80に表示されるBモード画像つまり血管の断層画像に関する動画像を見ながら、例えば血管径が最大となるタイミングで操作デバイス90を操作して、最大血管径を含む期間(最大径期間)における複数時相の画像データを記憶する指示を入力する。この操作を受けて、制御部100は、例えば、予め設定されている記録時間(例えば数十秒程度または数十心拍程度)だけ、操作のタイミングから遡った期間のBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶する。
つまり、動画像で最大径を確認した直後のタイミングでユーザが操作するため、そのタイミングから数十秒だけ遡って、最大径となる時相のBモード画像データとドプラ画像データが記憶される。もちろん、ユーザ操作のタイミングよりも時間的に前の画像データに加えてそのタイミングよりも時間的に後の画像データが例えば数十秒程度記憶されてもよい。
また、駆血状態の後にカフが開放され、血管径が拡大をはじめる時刻T1(図2参照)を含む開放期間におけるBモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶するようにしてもよい。また、カフ開放により血管がどれだけずれたのかを後にユーザが確認できるように、カフ開放前の期間から、Bモード画像データとドプラ画像データをデータ記憶部42に記憶するようにしてもよい。
このように、図1の超音波診断装置は、安静時から駆血解除後に亘って約10分間ほどの長期間の診断期間内で、FMDの診断において必要とされる最小限の画像データを選択的にデータ記憶部42に記憶することができる。そのため、診断期間の全時相(全フレーム)の画像データを記憶する場合に比べて、データ記憶部42の記憶容量を大幅に小さくすることができる。また、FMDの診断において必要とされる最小限の画像データが選択されているためデータ記憶部42に記憶されたデータを利用する後段の処理における負荷も軽減される。
データ記憶部42には、被検体内の拍動(心拍)の計測結果である生体信号データも記憶される。例えば心電計などにより計測される心電波形などの生体信号のデータが記憶される。なお、生体信号データはBモード画像データとドプラ画像データの各々に対応付けられて記憶される。つまり、各時相ごとに得られて記憶されるBモード画像データに対して、そのBモード画像データの時相と生体信号データの時相とを対応付けて、Bモード画像データと共に生体信号データがデータ記憶部42に記憶される。また、各時相ごとに得られて記憶されるドプラ画像データに対して、そのドプラ画像データの時相と生体信号データの時相とを対応付けて、ドプラ画像データと共に生体信号データがデータ記憶部42に記憶される。
時相選択部44は、データ記憶部42に記憶された複数時相の画像データの中から、各時相の画像データに対応付けられた生体信号データを参照して、計測時相に対応した画像データを選択する。血管径は脈動の影響で一心拍内において変化している。つまり、血管径は、図2に示す巨視的な変化に加えて、微視的に見ると脈動の影響で周期的に変化している。そこで、血管径の評価における脈動の影響を低減または除去するために、時相選択部44により、一心拍内における特定の時相である計測時相に対応した画像データが選択される。
図3は、計測時相の画像データの選択を説明するための図である。図3には、データ記憶部42に記憶されているBモード画像データ(符号B)の具体例が示されている。つまり、安静時状態における安静期間と、カフを開放した直後の開放期間と、最大となる血管径を含んだ最大径期間における複数時相(複数フレーム)のBモード画像データが示されている。Bモード画像データは、例えば、取得された順に、つまり時相順に記憶されている。なお、Bモード画像データと同様にドプラ画像データ(符号D)も時相順にデータ記憶部42に記憶されている。
時相選択部44は、データ記憶部42に記憶されている複数時相(複数フレーム)の画像データの中から計測時相に対応した画像データを選択する。つまり、図3において「計測」と図示された各時相(各フレーム)の画像データ(Bモード画像データとドプラ画像データ)が、例えば時相順に次々に選択される。こうして、安静期間と開放期間と最大径期間から得られる計測時相に対応した複数のBモード画像データと複数のドプラ画像データが選択される。
計測時相は血流速の比較的大きな時相であることが望ましい。そこで、計測時相を決定するために、ユーザにより参照時相が設定される。
図4は、参照時相の設定を説明するための図である。図4には、計測対象となる血管を有する生体(被検者)から得られる心電波形が図示されている。心電波形には、各心拍ごとにP波,Q波,R波,S波,T波などの特徴的な波形部分が含まれており、これらの波形部分が複数心拍に亘って繰り返し出現する。特に、拡張末期に対応したR波は、他の波形部分に比べて振幅が大きく変化も鋭敏であるため検出の対象として好適である。そのため、例えばR波の時相が計測時相とされてもよい。しかし、R波の時相においては血流速が比較的小さいため、血流速が比較的大きくなる時相を計測時相とすることが望ましい。
そこで、R波に対応した時相よりも血流速が大きくなる参照時相が設定される。参照時相の設定においては、例えば、データ記憶部42に記憶されたドプラ画像データに基づくドプラ画像と、ドプラ画像データに対応付けられた生体信号データに基づく心電波形が表示部80に表示される。また、心電波形上には時相カーソルTCも表示され、時相カーソルTCの位置(時相)に対応したドプラ画像が表示部80に表示される。
医師や検査技師等のユーザ(検査者)は、表示部80に表示されるドプラ画像を確認しながら、例えば操作デバイス90を利用して時相カーソルTCを移動させ、血流速が比較的大きくなる時相、望ましくは血流速が最大となる時相に時相カーソルTCを設定する。時相カーソルTCが設定された時相が参照時相として設定される。
参照時相が設定されると、R波に対応した特徴時相から参照時相までの遅延時間が算出される。遅延時間は、ユーザが設定する参照時相に応じて変化する。遅延時間は、例えば150ms〜200ms程度に設定されることが望ましい。なお、複数の心拍に対して複数の参照時相が設定された場合には、複数の参照時相に対応した複数の遅延時間の平均値などを遅延時間としてもよい。
そして、図3を利用して説明した計測時相の選択において、時相選択部44は、データ記憶部42に記憶された複数時相の画像データの中から、各時相の画像データに対応付けられた生体信号データを参照して、つまり画像データに対応付けられた心電波形を参照して、R波の時相から遅延時間だけ遅れた時相である計測時相に対応した画像データを次々に選択する。これにより、データ記憶部42に記憶された複数時相の画像データの中から計測時相に対応した複数のBモード画像データと複数のドプラ画像データが選択される。計測時相に対応した複数の画像データが選択されると、カーソル設定部50により関心領域カーソルが設定される。
図5は、関心領域カーソルの具体例1示す図である。図5には、診断対象となる血管の長軸断面を含んだBモード画像が図示されている。
Bモード画像は、複数のビームラインから得られるデータ(ビームラインデータ)で構成される。各ビームラインは、深さ方向に沿って形成される。プローブ10がリニアプローブであれば、互いに平行な複数のビームラインが形成される。なお、深さ方向に対して角度(ステアリング角度)をもつ互いに平行な複数のビームラインが形成されてもよい。
カーソル設定部50は、計測時相のうちの代表的な時相である基準時相のBモード画像データ内において、例えば、安静時状態における計測時相のBモード画像データ内に関心領域カーソルを設定する。
図5に示す具体例1において、関心領域カーソル(RC)は実線で示す2本の直線で構成されており、2本の直線で囲まれた領域が関心領域となる。例えば、安静時状態における計測時相のBモード画像が表示部80に表示され、ユーザが操作デバイス90を利用してそのBモード画像内において血管の注目部位が含まれるように関心領域カーソルの位置(2本の直線の位置)を移動させ、さらに関心領域カーソルの大きさ(2本の直線の間隔)を調整する。そして、所望の位置と大きさに調整したところでユーザが決定操作を行うことにより、関心領域カーソルが設定される。
図6は、関心領域カーソルの具体例2示す図である。図6に示す具体例2の関心領域カーソル(RC)は矩形状であり、実線の直線で囲まれた矩形領域が関心領域となる。図6における関心領域カーソルもユーザにより位置と大きさが調整される。なお、図6の具体例2では、関心領域カーソルの横方向(走査方向)の大きさと縦方向(深さ方向)の大きさがユーザにより調整される。関心領域カーソルが設定されると、関心領域カーソルが設定された位置において血管の計測が行われる。
ところで、FMDにおいて安静時の血管径と駆血解除後の血管径を比較する場合には、安静時と駆血解除後において同一部位の血管径を計測することが望ましい。ところが、駆血解除のためにカフを開放すると、被検者の前腕部分が動いてしまい、安静時と駆血解除後における血管径の計測位置がずれてしまう可能性がある。つまり、駆血解除後の診断時相において血管の位置が安静時状態からずれてしまう可能性がある。
そこで、カーソル設定部50は、安静時状態からの血管の位置のずれに応じて、複数時相に亘って関心領域カーソルを移動させてもよい。例えば、所望の計測時相のBモード画像内において血管の位置のずれを確認したユーザが、操作デバイス90を利用して、そのBモード画像内において関心領域カーソルを移動させて決定操作を行い、基準時相の関心領域カーソルによって特定される血管の位置を目標位置とし、所望の計測時相における関心領域カーソルをその目標位置に移動して設定するようにしてもよい。
関心領域カーソルにより関心領域が設定されると、血管壁特定部60は、計測時相に対応した各Bモード画像データ内の関心領域内の画像データに基づいて血管壁の位置を特定する。血管壁の位置を特定するにあたっては、公知の様々な画像処理技術を利用することができるが、例えば特許文献1(特開2014−50536号公報)に説明される処理を利用することが望ましい。つまり、血管壁特定部60は、計測時相の各Bモード画像データの関心領域内において、血管の内腔に対応した内腔領域を特定する内腔特定処理と、内腔領域から血管外側に向かう画素値の変化に基づいて血管の内膜又は中膜と外膜の境界位置を特定する中内膜特定処理を実行し、内膜又は中膜と外膜の境界の位置を血管壁の位置とする。血管壁は、浅い側の前壁と深い側の後壁のそれぞれについて特定される。
血管壁特定部60は、関心領域内における複数の血管径計測ライン上で各血管径計測ラインごとに前壁と後壁の位置を特定する。血管径は血管の長軸に対して直交する方向で計測されることが望ましい。そのため、各血管径計測ラインは、例えば血管の長軸に対して直角または直角に近い角度で交差するラインであることが望ましい。例えばBモード画像データを構成する複数のビームラインを複数の血管径計測ラインとすることが望ましい。そこで、血管壁特定部60は、関心領域内を通る複数のビームライン上で各ビームラインごとに前壁と後壁の位置を特定する。そして、関心領域内で特定される血管の前壁と後壁に挟まれた領域が計測部位とされる。
血管径計測部62は、血管壁特定部60により特定された血管壁の位置に基づいて血管径を計測する。血管径計測部62は、関心領域内を通る各血管径計測ライン(各ビームライン)ごとに、前壁と後壁の距離(前壁後壁距離)を算出する。そして、血管径計測部62は、例えば、関心領域内を通る複数の血管径計測ライン(複数のビームライン)から得られる複数の前壁後壁距離に基づいて血管径を算出する。例えば、複数の前壁後壁距離の平均値が血管径とされる。
図1の超音波診断装置は、血管径の他に血流速も計測する。血流速の計測においては複数のドプラ計測ラインが利用される。複数のドプラ計測ラインは、複数の血管径計測ラインと交差関係にあることが望ましい。複数のドプラ計測ラインのうち、計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソルがカーソル設定部50により設定される。
図7は、基準ラインカーソルの具体例を示す図である。図7には、Bモード画像上において血流速を色で表現したカラードプラ画像が図示されている。
ドプラ情報に基づいて血流速を計測する場合、血流は全体的に血管の長軸方向に流れるため、長軸に対して直交しない方向から血流のドプラ情報(ドプラシフト)を得ることが望ましい。そのため、ドプラ情報を得るための各ドプラ計測ラインは、例えば血管の長軸に対して直交しない交差角度をもつラインであることが望ましい。
そこで、ドプラ情報を得る際には、例えば、深さ方向に対してステアリング角度θをもつ複数のドプラ用ビームラインが形成され、各ドプラ用ビームラインから収集される受信信号に基づいて、各ドプラ用ビームラインごとにドプラ情報が得られる。プローブ10がリニアプローブであれば、互いに平行な複数のドプラ用ビームラインが利用される。そして、例えば複数のドプラ用ビームラインが複数のドプラ計測ラインとして利用される。
カーソル設定部50は、複数のドプラ計測ラインのうち、計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソル(LC)を設定する。計測部位内の基準位置の好適な具体例は血管の中心位置Cである。
血管の中心位置Cは、関心領域カーソル(RC)の位置と関心領域カーソル内における前壁と後壁の位置に基づいて決定される。例えば、中心位置Cの走査方向の座標は、図7に示す関心領域カーソル(RC)を構成する2本の直線(深さ方向の)から等距離の位置とされる。なお、関心領域カーソル(RC)が矩形であれば(図6参照)、深さ方向に沿う2本の直線(2本の辺)から等距離の位置が中心位置Cの走査方向の座標とされる。
また、中心位置Cの深さ方向の座標は、例えば関心領域カーソル(RC)内における前壁平均位置と後壁平均位置の中間位置とされる。なお、前壁平均位置は、例えば関心領域カーソル(RC)内を通る複数の血管径計測ライン(複数のビームライン)から得られる複数の前壁位置の平均値であり、後壁平均位置は、例えば関心領域カーソル(RC)内を通る複数の血管径計測ライン(複数のビームライン)から得られる複数の後壁位置の平均値である。
カーソル設定部50は、ステアリング角度θをもつ複数のドプラ計測ライン(複数のドプラ用ビームライン)のうち、血管の中心位置Cを通る(又は中心位置Cに最も近い)基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソル(LC)を設定する。
血流速計測部64は、計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、血管内の血流速を計測する。血流速計測部64は、基準ラインカーソル(LC)を基準として決定されるドプラ計測範囲内にある複数のドプラ計測ラインから得られるドプラ情報を利用する。
図8は、ドプラ計測範囲の具体例を示す図である。図8には、Bモード画像上において血流速を色で表現したカラードプラ画像内に設定された関心領域カーソル(RC)と基準ラインカーソル(LC)が図示されている(図7参照)。ドプラ計測範囲は、基準ラインカーソルを基準として決定される。
図8に示す具体例において、ドプラ計測範囲は、基準ラインカーソルを中心として基準ラインカーソルに平行な2本の直線(一点鎖線)に挟まれた幅W2の領域である。幅W2は走査方向の幅であり、例えば関心領域カーソルの走査方向の幅W1に基づいて決定される。具体的には、ドプラ計測範囲の幅W2は関心領域カーソルの幅W1に等しい(W2=W1)ことが望ましい。
血流速計測部64は、ドプラ計測範囲内にある複数のドプラ計測ラインから得られるドプラ情報を利用して血流速を計測する。血流速計測部64は、例えば、ドプラ計測範囲内において、望ましくは血管の前壁と後壁に挟まれた領域内において、複数個所(複数のドプラ計測ポイント)から得られるドプラ情報に基づいて、それら複数個所の血流速を算出し、例えばそれら複数個所の血流速の平均値をドプラ計測範囲の血流速として算出する。
図8の具体例において、基準ラインカーソル(LC)は、血管径の計測対象となる計測部位内の中心位置Cを通るように設定され、また、基準ラインカーソルを中心としてドプラ計測範囲が設定される。したがって、血管径の計測部位内の中心とドプラ計測範囲の中心が一致する。さらに、図8の具体例のように、ドプラ計測範囲の幅W2と関心領域カーソルの幅W1を等しくすることにより、ドプラ計測範囲内における血管の領域と、関心領域カーソル内における血管の領域とを、実質的に一致させることができる。つまり、血管径が計測された計測部位と実質的に同じ計測部位から血流速を得ることができる。
図9は、Bモード画像がステアリングされた場合の具体例を示す図である。図9に示す具体例では、深さ方向に対して角度(ステアリング角度)をもつ互いに平行な複数のビームラインによってBモード画像が構成されている。例えば、図9に示す深さ方向(縦方向)に対して血管の長軸が傾斜している場合に、血管の長軸方向に対して複数のビームラインが直交するように、複数のビームラインのステアリング角度が調整される。
Bモード画像がステアリングされた場合には、図9に示すように、関心領域カーソル(RC)も各ビームラインと同じステアリング角度で傾斜させることが望ましい。図9の具体例においても、ユーザが操作デバイス90を利用して関心領域カーソルの位置と大きさを設定する。
また、カーソル設定部50は、ステアリング角度θをもつ複数のドプラ計測ライン(複数のドプラ用ビームライン)のうち、血管の中心位置Cを通る(又は中心位置Cに最も近い)基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソル(LC)を設定する。さらに、基準ラインカーソルを中心としてドプラ計測範囲が設定される。
図9の具体例においても、つまりBモード画像がステアリングされた場合においても、ドプラ計測範囲の幅W2と関心領域カーソルの幅W1を等しくすることにより、ドプラ計測範囲内における血管の領域と、関心領域カーソル内における血管の領域とを、実質的に一致させることができる。
なお、図8または図9の具体例において、カーソル設定部50により設定された基準ラインカーソル(LC)の位置をユーザが修正(微調整)できるようにしてもよい。また、ドプラ計測範囲の幅W2をユーザが適宜に調整できるようにしてもよい。また、例えば、関心領域カーソル(RC)の位置と幅W1が変更された場合には、その変更に追従するように、基準ラインカーソル(LC)の位置とドプラ計測範囲の幅W2も変更される。
図10は、角度補正カーソルの具体例を示す図である。図10に示す具体例のように、Bモード画像(カラードプラ画像)内に、血流速の計測方向を示す角度補正カーソル(AC)が設定されてもよい。カーソル設定部50は、例えば、基準ラインカーソル(LC)上に(基準ラインカーソルと交差するように)角度補正カーソル(AC)を形成する。角度補正カーソル(AC)はサンプルゲート(SG)と共に形成されることが望ましい。なお、サンプルゲート(SG)は、ドプラ情報を取得する範囲(基準ラインカーソル上の範囲)を示すものであり、その範囲つまりサンプルゲート(SG)のゲート幅はユーザが適宜に調整することができる。基準ラインカーソル(LC)にサンプルゲート(SG)が付与されることでドプラ計測範囲が特定され、ゲート内における血管内の任意の場所のドプラ情報に基づいて血流速が算出可能である。
角度補正カーソル(AC)は、例えば、血管の中心位置C(図7〜図9参照)に、または中心位置Cの近傍に表示され、ユーザが操作デバイス90を利用して、角度補正カーソル(AC)の角度(走査方向に対する角度)を設定する。
角度補正カーソル(AC)が示す方向(棒状に形成される角度補正カーソルの長手方向)が血流速の計測方向となる。角度補正カーソル(AC)が設定されている場合、血流速計測部64は、ドプラ計測範囲内にある複数のドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、角度補正カーソルが示す計測方向の血流速を計測する。具体的には、各ドプラ計測ラインの角度(ステアリング角度)と角度補正カーソルの角度情報に基づいて、血流速の計測方向成分が算出され、例えば、ドプラ計測範囲内における計測方向成分の平均値がドプラ計測範囲内の血流速として算出される。
図11は、FMDによる血管内皮機能評価に関する表示画像の具体例を示す図である。図11に示す表示画像は、Bモード画像(B)、Aモード波形(A)、Mモード画像(M)、血管径変化波形(D)、血流速変化波形(V)を含んでおり、表示処理部70により形成されて表示部80に表示される。
Bモード画像(B)は、各時相のBモード画像データに対応した画像であり、Bモード画像内には、血管の長軸断面が映し出されている。時相選択部44により選択された計測時相に対応した複数(複数フレーム)のBモード画像データのうち、例えばユーザ(検査者)によって指定された時相のBモード画像が表示される。もちろん、計測時相に対応した複数のBモード画像が例えば時相順に次々に表示されてもよい。なお、Bモード画像内には、カーソル設定部50により設定された関心領域カーソル(RC)と基準ラインカーソル(LC)も表示される。
Aモード波形(A)は、Bモード画像内に指定された関心領域カーソル内における深さ方向の輝度値の変化を示す波形である。例えば、関心領域カーソル内の代表ライン(1本のラインデータ)に対応したAモード波形が形成される。また、関心領域カーソル内の複数ライン、例えば関心領域カーソル内の全ラインデータから得られる輝度値の平均値により、Aモード波形が形成されてもよい。
また、Aモード波形内に、血管壁特定部60において特定された血管壁の位置を示す血管壁マーカmを表示してもよい。血管壁は、浅い側の前壁と深い側の後壁のそれぞれについて特定され、例えば、前壁と後壁に対応した2つの血管壁マーカmがAモード波形内に表示される。これら2つの血管壁マーカmの間の距離が血管径となる。
Mモード画像(M)は、関心領域カーソル(RC)から得られるライン画像を複数時相に亘って時間軸方向に沿って並べた画像である。例えば、時相1、時相2、時相3、・・・の順に、複数時相のBモード画像データの各々から次々に得られるライン画像に基づいて、Mモード画像が形成される。なお、ライン画像は、関心領域カーソル内の代表ライン(1本のラインデータ)に対応した画像でもよいし、関心領域カーソル内の複数ライン、例えば、関心領域カーソル内の全ラインデータから得られる輝度値の平均値の画像でもよい。また、Mモード画像内に、血管壁特定部60において特定された血管壁の位置を示す血管壁マーカを表示してもよい。
血管径変化波形(D)は、血管径計測部62において計測される血管径の時間変化を示す波形である。つまり、横軸を時間軸、縦軸を血管径の値として、各時相ごとに算出される血管径を示したものが血管径変化波形である。
なお、血管径変化波形の時間軸とMモード画像の時間軸は、互いに揃えて表示される。また、血管径変化波形とMモード画像内には、時相カーソルTが表示される。時相カーソルTは、例えば、操作デバイス90を利用してユーザが所望の時相に移動させることができ、時相カーソルTに対応した時相のBモード画像が表示される。また、例えば、血管径が最大となる時相に時相カーソルTを表示させてもよいし、血管径が最小となる時相や安静時の時相を示すカーソルが表示されてもよい。
血流速変化波形(V)は、血流速計測部64において計測される血流速の時間変化を示す波形である。つまり、横軸を時間軸とし、縦軸を血流速の値として、各時相ごとに算出される血流速を示したものが血流速変化波形である。なお、血流速変化波形の時間軸と血管径変化波形の時間軸とMモード画像の時間軸は互いに揃えて表示され、血流速変化波形上にも時相カーソルTが表示される。
さらに、表示画像内には、%FMD(パーセントFMD)の算出結果や血管径の値なども表示される。%FMDの値(10.7%)は、安静時における血管径である安静時径とカフを開放した後の血管径の最大値である開放後最大径に基づいて、既に説明した数1式により算出される。そして、血管径として、例えば、安静時の血管径(3.92mm)と最大値の血管径(4.34mm)が表示される。また、最大時と安静時の血管径の差分値(0.42mm)が表示されてもよい。
また、表示画像内には、血管の診断情報として、血流速と血管径の比(血流速/血管径)の算出結果が表示される。血流速と血管径の比は、例えば、血流速が最大となった時相における血流速とその時相における血管径に基づいて、制御部100または計測処理ブロックにより算出される。図11に示す具体例では、血流速が最大となった時相の最大血流速28.8cm/sとその時相の血管径3.05mmに基づいて算出された血流速/血管径=94.6[1/s]が表示されている。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 プローブ、12 送受信部、20 断層画像形成部、30 ドプラ処理部、42 データ記憶部、44 時相選択部、50 カーソル設定部、60 血管壁特定部、62 血管径計測部、64 血流速計測部、70 表示処理部、80 表示部、90 操作デバイス、100 制御部。
Claims (6)
- 超音波画像内の血管の計測部位を通る少なくとも1つの血管径計測ラインから得られる画像情報に基づいて、前記血管の血管壁の位置を特定する血管壁特定部と、
前記血管壁の位置に基づいて前記血管の血管径を計測する血管径計測部と、
前記少なくとも1つの血管径計測ラインと交差関係にある複数のドプラ計測ラインのうち、前記計測部位内の基準位置を通る基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報に基づいて、前記血管内の血流速を計測する血流速計測部と、
を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記超音波画像内の前記血管の長軸断面に対して関心領域カーソルを設定するカーソル設定部をさらに有し、
前記関心領域カーソル内で特定される前記血管の前壁と後壁に挟まれた領域を前記計測部位とする、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記関心領域カーソル内の前壁と後壁の位置に基づいて決定される前記血管の中心位置を前記基準位置とし、
前記カーソル設定部は、前記血管の中心位置を通る前記基準ドプラ計測ラインに対応した基準ラインカーソルを前記超音波画像内に設定する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記超音波画像内の前記血管に対して、血流速の計測方向を示す角度補正カーソルが設定され、
前記血流速計測部は、前記基準ドプラ計測ラインを含む少なくとも1つのドプラ計測ラインから得られるドプラ情報と前記角度補正カーソルの角度情報とに基づいて、前記血管内における前記計測方向の血流速を計測する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
計測された血管径と血流速に基づいて、前記血管の診断情報として、血流速と血管径の比を算出する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
複数時相に対応した前記超音波画像の中から前記血管の血管径と血流速を計測する計測時相を選択する時相選択部をさらに有し、
心電波形のR波に対応した特徴時相よりも血流速が大きい参照時相が設定され、
前記時相選択部は、前記特徴時相から前記参照時相までの遅延時間に基づいて、前記血管を有する生体から得られる心電波形内において特定されるR波の時相から前記遅延時間だけ遅れた時相を前記計測時相として選択する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016078603A JP2017189192A (ja) | 2016-04-11 | 2016-04-11 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2016078603A JP2017189192A (ja) | 2016-04-11 | 2016-04-11 | 超音波診断装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2017189192A true JP2017189192A (ja) | 2017-10-19 |
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ID=60084638
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112037163A (zh) * | 2019-05-17 | 2020-12-04 | 深圳市理邦精密仪器股份有限公司 | 一种基于超声图像的血流量自动测量方法和装置 |
| JP2021533856A (ja) * | 2018-08-02 | 2021-12-09 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | マルチフレーム二次元画像および動画モード画像においてキャリパ測定を同期させるための方法およびシステム |
| CN115708695A (zh) * | 2022-11-25 | 2023-02-24 | 苏州圣泽医疗科技有限公司 | 测量血管直径的方法、装置、存储介质和电子设备 |
-
2016
- 2016-04-11 JP JP2016078603A patent/JP2017189192A/ja active Pending
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