JP2017189771A - 微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明における原料流体は、原料である被析出物質を、後述する溶媒に溶解または分子分散(以下、単に、溶解とする。)したものである。
本発明における被析出物質は特に限定されないが、有機物や無機物、有機無機の複合物などが挙げられ、例えば、金属元素や非金属元素の単体、またそれらの化合物などが挙げられる。化合物としては、塩、酸化物、水酸化物、水酸化酸化物、窒化物、炭化物、錯体、有機化合物や、それらの水和物や有機溶媒和物などが挙げられる。これらは単一の被析出物質であっても良く、2種類以上が混合された混合物であっても良い。
なお、上記の被析出物質は、出発原料として用いられる被析出物質と、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質の状態は同じであっても異なっていてもよい。例えば、出発原料として用いられる被析出物質が金属化合物であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質が上記金属化合物を構成する金属の単体であってもよく、出発原料として用いられる被析出物質が金属単体であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質も同じ金属単体であってもよい。さらに、出発原料として用いられる被析出物質が単数または複数種の金属化合物の混合物であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質が、出発原料として用いられる被析出物質である単数または複数種の金属化合物と、析出流体に含まれる被析出物質を析出させるための単数または複数種の物質とが反応して得られた物質であってもよい。
本発明における析出流体は、原料流体と混合して上記被析出物質を微粒子として析出させるものである。析出流体としては、後述する溶媒を単独でまたは二種以上を混合して用いても良く、上記被析出物質を析出させるための物質として、下記の物質を上記溶媒中に含むものであっても良い。特に限定されないが、例えば、塩酸や硫酸、硝酸や王水、トリクロロ酢酸やトリフルオロ酢酸、リン酸やクエン酸、アスコルビン酸などの無機または有機の酸のような酸性物質や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化アルカリや、トリエチルアミンやジメチルアミノエタノールなどのアミン類などの塩基性物質、上記の酸性物質や塩基性物質の塩または化合物などが挙げられる。また、上記被析出物質を還元することができる還元性物質、例えば、金属及び/または金属化合物を溶媒に溶解して得られる金属溶液中に含まれる、金属及び/または金属化合物、好ましくは金属イオンを還元することができる還元性物質も挙げられる。上記還元性物質は特に限定されないが、ヒドラジンまたはヒドラジン一水和物、ホルムアルデヒド、スルホキシル酸ナトリウム、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム金属塩、水素化トリエチルホウ素金属塩、グルコース、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、ジメチルホルムアミド、ピロガロール、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2・H2O)、ロンガリットC(NaHSO2・CH2O・2H2O)、金属の化合物またはそれらのイオン、好ましくは遷移金属の化合物またはそれらのイオン(鉄、チタンなど)などが挙げられる。上記に挙げた還元性物質には、それらの水和物や有機溶媒和物、または無水物などを含む。これらの被析出物質を析出させるための物質は、それぞれ単体で使用しても良く、二種以上が混合された混合物として使用しても良い。
本発明における原料流体や析出流体に用いる溶媒としては特に限定されないが、イオン交換水やRO水、純水や超純水などの水や、メタノールやエタノールのようなアルコール系有機溶媒や、エチレングリコールやプロピレングリコール、トリメチレングリコールやテトラエチレングリコール、またはポリエチレングリコールやグリセリンなどのポリオール(多価アルコール)系有機溶媒、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン系有機溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチルのようなエステル系有機溶媒、ジメチルエーテルやジブチルエーテルなどのエーテル系有機溶媒、ベンゼンやトルエン、キシレンなどの芳香族系有機溶媒、ヘキサンや、ペンタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶媒などが挙げられる。また上記アルコール系有機溶媒やポリオール系有機溶媒を溶媒として用いた場合には、溶媒そのものが還元性物質としても働く利点があり、特に、金属微粒子を作製する場合には有効である。上記溶媒はそれぞれ単独で使用しても良く、二種以上を混合して使用しても良い。特に、析出流体に関しては、上述の通り、上記溶媒を単独で析出流体として用いることも可能である。
本発明における金属流体は、金属及び/または金属化合物を上記の溶媒に溶解したものであり、上記の原料流体となる。
本発明における金属は、特に限定されない。好ましくは化学周期表上における全ての金属である。金属元素としては、例えば、Ti、Fe、W、Pt、Au、Cu、Ag、Pb、Ni、Mn、Co、Ru、V、Zn、Zr、Sn、Ta、Nb、Hf、Cr、Mo、Re、In、Ir、Os、Y、Tc、Pd、Rh、Sc、Ga、Al、Bi、Na、Mg、Ca、Ba、La、Ce、Nd、Ho、Euなどの金属元素が挙げられる。また、本発明においては、これらの金属元素に加えて、B、Si、Ge、As、Sb、C、N、O、S、Te、Se、F、Cl、Br、I、Atの非金属元素を挙げることができる。それらの金属について、単一の元素であっても良く、複数の金属元素からなる合金や金属元素に非金属元素を含む物質であっても良い。当然、卑金属と貴金属の合金としても実施できる。
また、上記の金属(上記に列挙した非金属元素をも含む)の単体に加えて、それら金属の化合物である金属化合物を上記の溶媒に溶解したものを金属流体として用いることができる。本発明における金属化合物としては特に限定されないが、例えば、金属の塩、酸化物、水酸化物、水酸化酸化物、窒化物、炭化物、錯体、有機塩、有機錯体、有機化合物、またはそれら金属化合物の水和物や有機溶媒和物などが挙げられる。金属塩としては、特に限定されないが、金属の硝酸塩や亜硝酸塩、硫酸塩や亜硫酸塩、蟻酸塩や酢酸塩、リン酸塩や亜リン酸塩、次亜リン酸塩や塩化物、オキシ塩やアセチルアセトナート塩、またはそれら金属塩の水和物や有機溶媒和物などや、有機化合物としては金属のアルコキシドなどが挙げられる。これらの金属化合物は単独で使用しても良く、複数以上が混合された混合物として使用しても良い。また、上記の金属及び/または金属化合物は、上記の溶媒に溶解された金属流体として用いる事が好ましい。
本発明における還元性流体は、上記に挙げた還元性物質を少なくとも1種類含むものとする。また、上記の還元性物質を溶媒と混合または溶解して、還元性物質溶液としたものを還元性流体として使用することが好ましい。この場合、還元性流体が析出流体となる。
本発明においては、上記原料流体と析出流体、または金属溶液と還元性流体との混合を
接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する方法を用いて行うことが好ましく、
する事によって被析出物質の微粒子を析出させ、析出させた微粒子を含む流体を吐出液として排出させることが好ましい。また、本発明においては、例えば、本願出願人による、特許文献7に示される装置と同様の原理の装置を用いて、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体中で微粒子を析出させ、析出させた微粒子を含む流体を吐出液として排出させることが好ましい。このような原理の装置を用いる事によって、均一且つ均質に微粒子を作製する事が可能である。
この鏡面研磨の面粗度は、特に限定されないが、好ましくはRa0.01〜1.0μm、より好ましくはRa0.03〜0.3μmとする。
このように、3次元的に変位可能に保持するフローティング機構によって、第2処理用部20を保持することが望ましい。
P=P1×(K−k)+Ps
なお、図示は省略するが、近接用調整面24を離反用調整面23よりも広い面積を持ったものとして実施することも可能である。
この凹部13の先端と第1処理用面1の外周面との間には、凹部13のない平坦面16が設けられている。
さらに、第1、第2流体等の被処理流動体の温度を制御したり、第1流体と第2流体等との温度差(即ち、供給する各被処理流動体の温度差)を制御することもできる。供給する各被処理流動体の温度や温度差を制御するために、各被処理流動体の温度(処理装置、より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前の温度)を測定し、処理用面1,2間に導入される各被処理流動体の加熱又は冷却を行う機構を付加して実施することも可能である。
また、本発明においては、目的や必要に応じて各種分散剤や界面活性剤を用いる事ができる。特に限定されないが、界面活性剤及び分散剤としては一般的に用いられる様々な市販品や、製品または新規に合成したものなどを使用できる。一例として、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤や、各種ポリマーなどの分散剤などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の界面活性剤及び分散剤は、原料流体もしくは析出流体、またはその両方に含まれていてもよい。また、上記の界面活性剤及び分散剤は、原料流体とも析出流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
一般的に微粒子の作製は、核または核が結晶性の場合には結晶子が生成する工程と、その核及び/または結晶子が粒子として集合及び/または成長する工程とから成る。一般的に微粒子は、複数の核または結晶子からなる場合が多い。微粒子の核または結晶子が生成する工程においては、原料流体に溶解していた被析出物質に由来する分子やイオン、クラスター等が、析出流体と混合された結果、溶解度の変化や、析出流体との反応によって、核または結晶子として析出する。その後、核または結晶子が生成した原料流体と析出流体との混合液中において、核または結晶子が集合体となり、さらに未だ分子やイオン、クラスター等として存在する被析出物質が、先に析出した核または結晶並びにそれらの集合体を発端として析出することで、粒子が成長する。これまで、上記の、対向して配設された、接近・離反可能な、一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面1,2間の極微小な空間にできる薄膜流体中おいて原料流体と析出流体とを混合することにより、上記の分子やイオン、クラスター等の拡散を促進させることができるため、均一かつ均質な核生成及び粒子成長を可能とし、均一かつ均質な微粒子の製造を可能としてきた。しかし、処理用面間において生成した微粒子における結晶子について、目的の大きさまで成長させることが困難な場合があった。結晶子の成長は、上記粒子と同様に、一つの結晶子が成長する場合と、複数の結晶子の集合体における結晶子間の境目において、拡散が起こることで成長が起こる場合、もしくはその両方の場合がある。本発明においては、上記の処理用面1,2間から排出された吐出液に含まれる微粒子の結晶子を成長させて目的の微粒子を得る工程を、上記の処理用面1,2間より吐出させた吐出液中において行うことによって、より結晶子径が制御しやすく、また大きな結晶子を作製することを可能とした。さらにこれによって、上記の処理用面1,2間にできる薄膜流体中において析出させた微粒子を含む流体の処理用面1,2間における滞留時間をこれまで以上に短くすることを可能とした。言い換えると、一定時間における、処理流量をこれまで以上に増加することを可能とした。よって、本発明においては、上記の、接近・離反可能な処理用面1,2間において、均一かつ均質な微粒子を生成させ、その微粒子を含む流体を処理用面1,2間より吐出液として排出させた後、結晶子を成長させることによって実施できる。本発明においては、上述の通り、核または結晶子には、上記少なくとも2つの処理用面の間にできる薄膜流体中において生成させた微粒子の核または結晶子や、生成させた微粒子の核または結晶子を上記処理用面間にできる薄膜流体中においてある程度の大きさにまで成長させた成長途中の微粒子などの上記薄膜流体中において析出される種々のものが含まれる。
本発明における微粒子は、結晶性であってもアモルファスであってもまたは一部分アモルファスを含む結晶性の微粒子であっても良い。核についても同様に結晶性であってもアモルファスであっても良いが、結晶性の場合には結晶子と記載する。また、核または結晶子は、成長の途中においてその結晶性に変化を伴っても実施できる。例えば、アモルファスの核を発端として、アモルファスの微粒子を析出させ、その後の核の成長によって、結晶性の核(結晶子)となって微粒子についても結晶性の微粒子となっても良い。また、結晶子を発端として結晶性の微粒子を析出させ、その後の成長によって、その結晶型が変化する場合なども含む。
本発明は、上記処理用面1,2間より排出させた吐出液中の微粒子に含まれる、当該核または結晶子を成長させることで実施できる。
本発明における成長の工程を行う手段の一例としては、上記に説明した装置の処理用面1,2間より排出させた吐出液をビーカーやタンクのような空容器等で回収し、成長と成長の完了をさせることで実施できる。その際、容器に回収された吐出液を攪拌してもよく、攪拌のための装置並びに方法については特に限定されない。
吐出液が回収され、容器への導入開始から成長の完了まで、吐出液は逐次混合された状態となるため、貯蔵などの吐出液を滞留させる容器では成長の進行度合いに影響し、不均一な成長や新たな核の生成の原因となる可能性がある。このため、本発明においては、上記の処理用面間より吐出させた吐出液を、一端に流入口を有し他端に流出口を有する管状容器等に導入し、管状容器内において成長の工程を完了させることが好ましい。具体的には、図4に示すように、処理用面1,2間より排出させた吐出液を捕集するためのベッセル61を設け、ベッセル61の下端に管状容器62を接続する。この接続箇所が管状容器の入口63となる。ベッセル61に接続された管状容器62内に管状容器入口63から吐出液を導入し、管状容器62内において、吐出液に含まれる微粒子の核または結晶子を成長させることで実施できる。上記の方法においては、上記処理用面1,2間にできる薄膜流体中において微粒子を析出させて、微粒子を含む流体を吐出液として排出させる工程と、管状容器62内に管状容器の入口63から吐出液を導入し、管状容器内にて吐出液に含まれる微粒子の結晶子を成長させて目的の微粒子を得る工程とを連続的に行うことができる。また、後述するように、管状容器62にミキサーを内蔵したり、管状容器62に温度調整機構65を設けてもよい。さらに、原料流体とも析出流体とも異なる第3の流体を供給するための供給装置66を設け、その開口部67をベッセル61内に配位して、吐出液とともに第3の流体を管状容器62に導入して両者を混合させてもよい。
また、吐出液が回収され、容器への導入開始から成長の工程を完了させるまでにその成長の進行度合いを制御できる流体を吐出液と混合することで成長を制御しても良い。それによって、上記の処理用面1,2間において析出させた均一かつ均質な微粒子の核または結晶子を、均一かつ均質な状態として成長させることが可能である。本発明においては、処理用面間において生成させた微粒子の核または結晶子を、処理用面間より吐出させた後に、前記微粒子の核または結晶子よりもその径を大きく成長させることによって実施できる。
なお、核または結晶子の成長は、必ずしも完了するまで行う必要はなく、核または結晶子が目的の径にまで成長した段階でその成長を終了させてもよい。成長を終了させる手段は、特に限定されない。
本発明において、微粒子の核または結晶子を成長させるための管状容器としては、一端に流入口を有し他端に流出口を有するものであれば特に限定されない。微粒子作製における成長工程において、処理用面1,2間より排出させた吐出液及び吐出液に含まれる微粒子や微粒子の核または結晶子他の物質とは不活性な材質からなる管状容器が好ましい。また、管状容器の径についても、特に限定されない。処理用面1,2間から吐出される吐出液を入口63から滞り無く導入し、出口64から排出できる径であることが好ましい。また、管状容器の長さにおいても特に限定されないが、処理用面1,2間から排出された吐出液が管状容器に導入されてから排出されるまでに、上記成長の工程を完了できる管状容器の長さであることが好ましい。また、吐出液は、上記の処理用面1,2間から排出されたのち、速やかに管状容器62に導入される。
また、管状容器内にミキサーを内蔵したものであっても良い。例えば、静止型混合器(スタティックミキサー)のようなものを管状容器内に設けた構造のものでも実施できる。さらに、管状容器の中の吐出液の温度を調節する機構を持つものでも実施できる。それによって、成長の進行を制御しやすくなる利点がある。温度を調節する機構並びに方法としては特に限定されないが、ジャケット構造やの二重管構造として、温度調節用の熱媒・冷媒などを用いても良いし、コイル式熱交換器、例えば商品名、Mコイル(エム・テクニック製)のような構造としても実施できる。その他、ペルチェ素子などを用いる方法や、直接加熱・冷却する方法でも実施できる。管状容器内に上記処理用面1,2間から排出された吐出液を導入する機構としては、特に限定されないが、ポンプや圧縮気体の圧力により導入する方法や、管状容器内を回転容積式のポンプのような形状としても実施できる。その他、重力を利用して、管状容器の上から下に処理用面1,2間から排出された吐出液を通過させるような方法も実施できる。
pH測定には、HORIBA製の型番D−51のpHメーターを用いた。各被処理流動体を流体処理装置に導入する前に、その被処理流動体のpHを室温にて測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察には、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM):日本電子製のJSM−7500Fを使用した。観察条件としては、観察倍率を1万倍以上とし、微粒子の粒子径については、10箇所の平均値を採用した。
X線回折(XRD)測定には、粉末X線回折測定装置X‘Pert PRO MPD(XRD スペクトリス PANalytical事業部製)を使用した。測定条件は,Cu対陰極,管電圧45kV,管電流40mA,走査速度1.6°/minである。
中央から第1流体の金属流体としてニッケル溶液(4.69wt% 硫酸ニッケル六水和物(NiSO4・6H2O)/ 81.12wt% エチレングリコール(EG)/ 0.80wt% ポリエチレングリコール600(PEG600)/ 13.39 wt% 純水(H2O)を、供給圧力=0.29MPaG、回転数3600rpm、143℃、800ml/min.で送液しながら、第2流体の還元性流体として、還元性物質溶液(10wt% 水酸化カリウム(KOH)/20wt% 純水(H2O)/70wt% ヒドラジン一水和物(HMH))を25℃、60ml/min.で処理用面1,2間に導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。また、pHメーターを用いて測定した、第1流体のpHは4.12であり、pH試験紙を用いて測定した、第2流体のpHは14以上であった。処理用面1,2間から排出させた直後の吐出液は95℃であり、黒色であった。
実施例1〜5として、上記の条件で処理用面1,2間から排出させたニッケル微粒子を含む吐出液を20秒間、一つの容器に回収した。回収中に吐出液が黄緑色の濁った状態から黒色に変化する様子が確認され、20秒間回収を行い、回収を完了させた約20秒後に目視による吐出液の色の変化は無くなり、その時の吐出液の温度は95℃であった。オイルバスを用いて、回収完了後の吐出液の温度を95℃に保温し、120分間保持した。吐出直後、95℃での保温を10分間、30分間、60分間、120分間したものについサンプリングし、ニッケル微粒子を回収するために、室温になるまで静置した(室温までの冷却時間、約10分間)。その後、ニッケル微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した後に、純水にて洗浄する作業を3回行い、25℃の条件で大気圧にて乾燥した。乾燥後粉体のXRD測定の結果、FCC型のNiと一致する結晶構造を持つことがわかり、さらに粉体を HNO3で溶解させた溶液のICP測定より、不純物のない、ニッケル微粒子が作製されたことがわかった。図5に実施例3において得られたニッケル微粒子のSEM写真を示す。上記、吐出液回収完了直後、直後より10分後、30分後、60分後、120分後の全ての100m程度のニッケル微粒子が均一に作製できていることを確認した。
実施例6〜9として、図4の装置に示すように、管状容器62に接続された吐出液を捕集するためのベッセル61を設置した。また、管状容器62は、ウォーターバス65に浸した。中央から第1流体の金属流体としてニッケル溶液(4.99wt% 硫酸ニッケル六水和物(NiSO4・6H2O)/ 95.01 wt% 純水(H2O)を、供給圧力=0.30MPaG、回転数3000rpm、98℃で送液しながら、第2流体の還元性流体として、還元性物質溶液(15wt% 水酸化ナトリウム(NaOH)/34wt% 純水(H2O)/51wt% ヒドラジン一水和物(HMH))を53℃で処理用面1,2間に導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。また、pHメーターを用いて測定した、第1流体のpHは4.52であり、pH試験紙を用いて測定した、第2流体のpHは14以上であった。ニッケル溶液と還元剤溶液とを処理用面1,2間において、体積比、1:1の割合で混合させ、ニッケル微粒子の微粒子を含む流体を吐出液として処理用面1,2間より排出させ、吐出液を連続的に管状容器入口63から管状容器内へ導入させ、管状容器出口64より排出させた。吐出液はベッセル61内に停滞することなく、連続的に排出された。管状容器出口64から排出された吐出液の温度が95℃となるように、オイルバス65の温度を設定した。実施例1〜5と同様の作業にてニッケル微粒子を回収し、XRD測定並びにSEM観察を行った。XRD測定結果、SEM観察結果共に、実施例1〜5と同様に不純物のない、ニッケル微粒子が作製されたことがわかった。吐出液の管状容器62内の滞留時間を変更した実施例を、得られた結晶子径と合わせて表2に示す。
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d20 開口部
61 ベッセル
62 管状容器
63 管状容器の入口
64 管状容器の出口
65 温度調節機構、オイルバス
66 供給装置
67 開口部
本発明における原料流体は、原料である被析出物質を、後述する溶媒に溶解または分子分散(以下、単に、溶解とする。)したものである。
本発明における被析出物質は特に限定されないが、有機物や無機物、有機無機の複合物などが挙げられ、例えば、金属元素や非金属元素の単体、またそれらの化合物などが挙げられる。化合物としては、塩、酸化物、水酸化物、水酸化酸化物、窒化物、炭化物、錯体、有機化合物や、それらの水和物や有機溶媒和物などが挙げられる。これらは単一の被析出物質であっても良く、2種類以上が混合された混合物であっても良い。
なお、上記の被析出物質は、出発原料として用いられる被析出物質と、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質の状態は同じであっても異なっていてもよい。例えば、出発原料として用いられる被析出物質が金属化合物であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質が上記金属化合物を構成する金属の単体であってもよく、出発原料として用いられる被析出物質が金属単体であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質も同じ金属単体であってもよい。さらに、出発原料として用いられる被析出物質が単数または複数種の金属化合物の混合物であって、後述する析出流体との混合によって析出される被析出物質が、出発原料として用いられる被析出物質である単数または複数種の金属化合物と、析出流体に含まれる被析出物質を析出させるための単数または複数種の物質とが反応して得られた物質であってもよい。
本発明における析出流体は、原料流体と混合して上記被析出物質を微粒子として析出させるものである。析出流体としては、後述する溶媒を単独でまたは二種以上を混合して用いても良く、上記被析出物質を析出させるための物質として、下記の物質を上記溶媒中に含むものであっても良い。特に限定されないが、例えば、塩酸や硫酸、硝酸や王水、トリクロロ酢酸やトリフルオロ酢酸、リン酸やクエン酸、アスコルビン酸などの無機または有機の酸のような酸性物質や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化アルカリや、トリエチルアミンやジメチルアミノエタノールなどのアミン類などの塩基性物質、上記の酸性物質や塩基性物質の塩または化合物などが挙げられる。また、上記被析出物質を還元することができる還元性物質、例えば、金属及び/または金属化合物を溶媒に溶解して得られる金属溶液中に含まれる、金属及び/または金属化合物、好ましくは金属イオンを還元することができる還元性物質も挙げられる。上記還元性物質は特に限定されないが、ヒドラジンまたはヒドラジン一水和物、ホルムアルデヒド、スルホキシル酸ナトリウム、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム金属塩、水素化トリエチルホウ素金属塩、グルコース、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、ジメチルホルムアミド、ピロガロール、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2・H2O)、ロンガリットC(NaHSO2・CH2O・2H2O)、金属の化合物またはそれらのイオン、好ましくは遷移金属の化合物またはそれらのイオン(鉄、チタンなど)などが挙げられる。上記に挙げた還元性物質には、それらの水和物や有機溶媒和物、または無水物などを含む。これらの被析出物質を析出させるための物質は、それぞれ単体で使用しても良く、二種以上が混合された混合物として使用しても良い。
本発明における原料流体や析出流体に用いる溶媒としては特に限定されないが、イオン交換水やRO水、純水や超純水などの水や、メタノールやエタノールのようなアルコール系有機溶媒や、エチレングリコールやプロピレングリコール、トリメチレングリコールやテトラエチレングリコール、またはポリエチレングリコールやグリセリンなどのポリオール(多価アルコール)系有機溶媒、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン系有機溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチルのようなエステル系有機溶媒、ジメチルエーテルやジブチルエーテルなどのエーテル系有機溶媒、ベンゼンやトルエン、キシレンなどの芳香族系有機溶媒、ヘキサンや、ペンタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶媒などが挙げられる。また上記アルコール系有機溶媒やポリオール系有機溶媒を溶媒として用いた場合には、溶媒そのものが還元性物質としても働く利点があり、特に、金属微粒子を作製する場合には有効である。上記溶媒はそれぞれ単独で使用しても良く、二種以上を混合して使用しても良い。特に、析出流体に関しては、上述の通り、上記溶媒を単独で析出流体として用いることも可能である。
本発明における金属流体は、金属及び/または金属化合物を上記の溶媒に溶解したものであり、上記の原料流体となる。
本発明における金属は、特に限定されない。好ましくは化学周期表上における全ての金属である。金属元素としては、例えば、Ti、Fe、W、Pt、Au、Cu、Ag、Pb、Ni、Mn、Co、Ru、V、Zn、Zr、Sn、Ta、Nb、Hf、Cr、Mo、Re、In、Ir、Os、Y、Tc、Pd、Rh、Sc、Ga、Al、Bi、Na、Mg、Ca、Ba、La、Ce、Nd、Ho、Euなどの金属元素が挙げられる。また、本発明においては、これらの金属元素に加えて、B、Si、Ge、As、Sb、C、N、O、S、Te、Se、F、Cl、Br、I、Atの非金属元素を挙げることができる。それらの金属について、単一の元素であっても良く、複数の金属元素からなる合金や金属元素に非金属元素を含む物質であっても良い。当然、卑金属と貴金属の合金としても実施できる。
また、上記の金属(上記に列挙した非金属元素をも含む)の単体に加えて、それら金属の化合物である金属化合物を上記の溶媒に溶解したものを金属流体として用いることができる。本発明における金属化合物としては特に限定されないが、例えば、金属の塩、酸化物、水酸化物、水酸化酸化物、窒化物、炭化物、錯体、有機塩、有機錯体、有機化合物、またはそれら金属化合物の水和物や有機溶媒和物などが挙げられる。金属塩としては、特に限定されないが、金属の硝酸塩や亜硝酸塩、硫酸塩や亜硫酸塩、蟻酸塩や酢酸塩、リン酸塩や亜リン酸塩、次亜リン酸塩や塩化物、オキシ塩やアセチルアセトナート塩、またはそれら金属塩の水和物や有機溶媒和物などや、有機化合物としては金属のアルコキシドなどが挙げられる。これらの金属化合物は単独で使用しても良く、複数以上が混合された混合物として使用しても良い。また、上記の金属及び/または金属化合物は、上記の溶媒に溶解された金属流体として用いる事が好ましい。
本発明における還元性流体は、上記に挙げた還元性物質を少なくとも1種類含むものとする。また、上記の還元性物質を溶媒と混合または溶解して、還元性物質溶液としたものを還元性流体として使用することが好ましい。この場合、還元性流体が析出流体となる。
本発明においては、上記原料流体と析出流体、または金属溶液と還元性流体との混合を接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する方法を用いて行うことが好ましく、上記薄膜流体中で原料流体と析出流体とを混合する事によって被析出物質の微粒子を析出させ、析出させた微粒子を含む流体を吐出液として排出させることが好ましい。また、本発明においては、例えば、本願出願人による、特許文献7に示される装置と同様の原理の装置を用いて、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体中で微粒子を析出させ、析出させた微粒子を含む流体を吐出液として排出させることが好ましい。このような原理の装置を用いる事によって、均一且つ均質に微粒子を作製する事が可能である。
この鏡面研磨の面粗度は、特に限定されないが、好ましくはRa0.01〜1.0μm、より好ましくはRa0.03〜0.3μmとする。
このように、3次元的に変位可能に保持するフローティング機構によって、第2処理用部20を保持することが望ましい。
P=P1×(K−k)+Ps
なお、図示は省略するが、近接用調整面24を離反用調整面23よりも広い面積を持ったものとして実施することも可能である。
この凹部13の先端と第1処理用面1の外周面との間には、凹部13のない平坦面16が設けられている。
さらに、第1、第2流体等の被処理流動体の温度を制御したり、第1流体と第2流体等との温度差(即ち、供給する各被処理流動体の温度差)を制御することもできる。供給する各被処理流動体の温度や温度差を制御するために、各被処理流動体の温度(処理装置、より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前の温度)を測定し、処理用面1,2間に導入される各被処理流動体の加熱又は冷却を行う機構を付加して実施することも可能である。
また、本発明においては、目的や必要に応じて各種分散剤や界面活性剤を用いる事ができる。特に限定されないが、界面活性剤及び分散剤としては一般的に用いられる様々な市販品や、製品または新規に合成したものなどを使用できる。一例として、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤や、各種ポリマーなどの分散剤などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の界面活性剤及び分散剤は、原料流体もしくは析出流体、またはその両方に含まれていてもよい。また、上記の界面活性剤及び分散剤は、原料流体とも析出流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
一般的に微粒子の作製は、核または核が結晶性の場合には結晶子が生成する工程と、その核及び/または結晶子が粒子として集合及び/または成長する工程とから成る。一般的に微粒子は、複数の核または結晶子からなる場合が多い。微粒子の核または結晶子が生成する工程においては、原料流体に溶解していた被析出物質に由来する分子やイオン、クラスター等が、析出流体と混合された結果、溶解度の変化や、析出流体との反応によって、核または結晶子として析出する。その後、核または結晶子が生成した原料流体と析出流体との混合液中において、核または結晶子が集合体となり、さらに未だ分子やイオン、クラスター等として存在する被析出物質が、先に析出した核または結晶並びにそれらの集合体を発端として析出することで、粒子が成長する。これまで、上記の、対向して配設された、接近・離反可能な、一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面1,2間の極微小な空間にできる薄膜流体中おいて原料流体と析出流体とを混合することにより、上記の分子やイオン、クラスター等の拡散を促進させることができるため、均一かつ均質な核生成及び粒子成長を可能とし、均一かつ均質な微粒子の製造を可能としてきた。しかし、処理用面間において生成した微粒子における結晶子について、目的の大きさまで成長させることが困難な場合があった。結晶子の成長は、上記粒子と同様に、一つの結晶子が成長する場合と、複数の結晶子の集合体における結晶子間の境目において、拡散が起こることで成長が起こる場合、もしくはその両方の場合がある。本発明においては、上記の処理用面1,2間から排出された吐出液に含まれる微粒子の結晶子を成長させて目的の微粒子を得る工程を、上記の処理用面1,2間より吐出させた吐出液中において行うことによって、より結晶子径が制御しやすく、また大きな結晶子を作製することを可能とした。さらにこれによって、上記の処理用面1,2間にできる薄膜流体中において析出させた微粒子を含む流体の処理用面1,2間における滞留時間をこれまで以上に短くすることを可能とした。言い換えると、一定時間における、処理流量をこれまで以上に増加することを可能とした。よって、本発明においては、上記の、接近・離反可能な処理用面1,2間において、均一かつ均質な微粒子を生成させ、その微粒子を含む流体を処理用面1,2間より吐出液として排出させた後、結晶子を成長させることによって実施できる。本発明においては、上述の通り、核または結晶子には、上記少なくとも2つの処理用面の間にできる薄膜流体中において生成させた微粒子の核または結晶子や、生成させた微粒子の核または結晶子を上記処理用面間にできる薄膜流体中においてある程度の大きさにまで成長させた成長途中の微粒子などの上記薄膜流体中において析出される種々のものが含まれる。
本発明における微粒子は、結晶性であってもアモルファスであってもまたは一部分アモルファスを含む結晶性の微粒子であっても良い。核についても同様に結晶性であってもアモルファスであっても良いが、結晶性の場合には結晶子と記載する。また、核または結晶子は、成長の途中においてその結晶性に変化を伴っても実施できる。例えば、アモルファスの核を発端として、アモルファスの微粒子を析出させ、その後の核の成長によって、結晶性の核(結晶子)となって微粒子についても結晶性の微粒子となっても良い。また、結晶子を発端として結晶性の微粒子を析出させ、その後の成長によって、その結晶型が変化する場合なども含む。
本発明は、上記処理用面1,2間より排出させた吐出液中の微粒子に含まれる、当該核または結晶子を成長させることで実施できる。
本発明における成長の工程を行う手段の一例としては、上記に説明した装置の処理用面1,2間より排出させた吐出液をビーカーやタンクのような空容器等で回収し、成長と成長の完了をさせることで実施できる。その際、容器に回収された吐出液を攪拌してもよく、攪拌のための装置並びに方法については特に限定されない。
吐出液が回収され、容器への導入開始から成長の完了まで、吐出液は逐次混合された状態となるため、貯蔵などの吐出液を滞留させる容器では成長の進行度合いに影響し、不均一な成長や新たな核の生成の原因となる可能性がある。このため、本発明においては、上記の処理用面間より吐出させた吐出液を、一端に流入口を有し他端に流出口を有する管状容器等に導入し、管状容器内において成長の工程を完了させることが好ましい。具体的には、図4に示すように、処理用面1,2間より排出させた吐出液を捕集するためのベッセル61を設け、ベッセル61の下端に管状容器62を接続する。この接続箇所が管状容器の入口63となる。ベッセル61に接続された管状容器62内に管状容器入口63から吐出液を導入し、管状容器62内において、吐出液に含まれる微粒子の核または結晶子を成長させることで実施できる。上記の方法においては、上記処理用面1,2間にできる薄膜流体中において微粒子を析出させて、微粒子を含む流体を吐出液として排出させる工程と、管状容器62内に管状容器の入口63から吐出液を導入し、管状容器内にて吐出液に含まれる微粒子の結晶子を成長させて目的の微粒子を得る工程とを連続的に行うことができる。また、後述するように、管状容器62にミキサーを内蔵したり、管状容器62に温度調整機構65を設けてもよい。さらに、原料流体とも析出流体とも異なる第3の流体を供給するための供給装置66を設け、その開口部67をベッセル61内に配位して、吐出液とともに第3の流体を管状容器62に導入して両者を混合させてもよい。
また、吐出液が回収され、容器への導入開始から成長の工程を完了させるまでにその成長の進行度合いを制御できる流体を吐出液と混合することで成長を制御しても良い。それによって、上記の処理用面1,2間において析出させた均一かつ均質な微粒子の核または結晶子を、均一かつ均質な状態として成長させることが可能である。本発明においては、処理用面間において生成させた微粒子の核または結晶子を、処理用面間より吐出させた後に、前記微粒子の核または結晶子よりもその径を大きく成長させることによって実施できる。
なお、核または結晶子の成長は、必ずしも完了するまで行う必要はなく、核または結晶子が目的の径にまで成長した段階でその成長を終了させてもよい。成長を終了させる手段は、特に限定されない。
本発明において、微粒子の核または結晶子を成長させるための管状容器としては、一端に流入口を有し他端に流出口を有するものであれば特に限定されない。微粒子作製における成長工程において、処理用面1,2間より排出させた吐出液及び吐出液に含まれる微粒子や微粒子の核または結晶子他の物質とは不活性な材質からなる管状容器が好ましい。また、管状容器の径についても、特に限定されない。処理用面1,2間から吐出される吐出液を入口63から滞り無く導入し、出口64から排出できる径であることが好ましい。また、管状容器の長さにおいても特に限定されないが、処理用面1,2間から排出された吐出液が管状容器に導入されてから排出されるまでに、上記成長の工程を完了できる管状容器の長さであることが好ましい。また、吐出液は、上記の処理用面1,2間から排出されたのち、速やかに管状容器62に導入される。
また、管状容器内にミキサーを内蔵したものであっても良い。例えば、静止型混合器(スタティックミキサー)のようなものを管状容器内に設けた構造のものでも実施できる。さらに、管状容器の中の吐出液の温度を調節する機構を持つものでも実施できる。それによって、成長の進行を制御しやすくなる利点がある。温度を調節する機構並びに方法としては特に限定されないが、ジャケット構造やの二重管構造として、温度調節用の熱媒・冷媒などを用いても良いし、コイル式熱交換器、例えば商品名、Mコイル(エム・テクニック製)のような構造としても実施できる。その他、ペルチェ素子などを用いる方法や、直接加熱・冷却する方法でも実施できる。管状容器内に上記処理用面1,2間から排出された吐出液を導入する機構としては、特に限定されないが、ポンプや圧縮気体の圧力により導入する方法や、管状容器内を回転容積式のポンプのような形状としても実施できる。その他、重力を利用して、管状容器の上から下に処理用面1,2間から排出された吐出液を通過させるような方法も実施できる。
pH測定には、HORIBA製の型番D−51のpHメーターを用いた。各被処理流動体を流体処理装置に導入する前に、その被処理流動体のpHを室温にて測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察には、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM):日本電子製のJSM−7500Fを使用した。観察条件としては、観察倍率を1万倍以上とし、微粒子の粒子径については、10箇所の平均値を採用した。
X線回折(XRD)測定には、粉末X線回折測定装置X‘Pert PRO MPD(XRD スペクトリス PANalytical事業部製)を使用した。測定条件は,Cu対陰極,管電圧45kV,管電流40mA,走査速度1.6°/minである。
中央から第1流体の金属流体としてニッケル溶液(4.69wt% 硫酸ニッケル六水和物(NiSO4・6H2O)/ 81.12wt% エチレングリコール(EG)/ 0.80wt% ポリエチレングリコール600(PEG600)/ 13.39 wt% 純水(H2O)を、供給圧力=0.29MPaG、回転数3600rpm、143℃、800ml/min.で送液しながら、第2流体の還元性流体として、還元性物質溶液(10wt% 水酸化カリウム(KOH)/20wt% 純水(H2O)/70wt% ヒドラジン一水和物(HMH))を25℃、60ml/min.で処理用面1,2間に導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。また、pHメーターを用いて測定した、第1流体のpHは4.12であり、pH試験紙を用いて測定した、第2流体のpHは14以上であった。処理用面1,2間から排出させた直後の吐出液は95℃であり、黒色であった。
実施例1〜5として、上記の条件で処理用面1,2間から排出させたニッケル微粒子を含む吐出液を20秒間、一つの容器に回収した。回収中に吐出液が黄緑色の濁った状態から黒色に変化する様子が確認され、20秒間回収を行い、回収を完了させた約20秒後に目視による吐出液の色の変化は無くなり、その時の吐出液の温度は95℃であった。オイルバスを用いて、回収完了後の吐出液の温度を95℃に保温し、120分間保持した。吐出直後、95℃での保温を10分間、30分間、60分間、120分間したものについサンプリングし、ニッケル微粒子を回収するために、室温になるまで静置した(室温までの冷却時間、約10分間)。その後、ニッケル微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した後に、純水にて洗浄する作業を3回行い、25℃の条件で大気圧にて乾燥した。乾燥後粉体のXRD測定の結果、FCC型のNiと一致する結晶構造を持つことがわかり、さらに粉体を HNO3で溶解させた溶液のICP測定より、不純物のない、ニッケル微粒子が作製されたことがわかった。図5に実施例3において得られたニッケル微粒子のSEM写真を示す。上記、吐出液回収完了直後、直後より10分後、30分後、60分後、120分後の全ての100m程度のニッケル微粒子が均一に作製できていることを確認した。
実施例6〜9として、図4の装置に示すように、管状容器62に接続された吐出液を捕集するためのベッセル61を設置した。また、管状容器62は、ウォーターバス65に浸した。中央から第1流体の金属流体としてニッケル溶液(4.99wt% 硫酸ニッケル六水和物(NiSO4・6H2O)/ 95.01 wt% 純水(H2O)を、供給圧力=0.30MPaG、回転数3000rpm、98℃で送液しながら、第2流体の還元性流体として、還元性物質溶液(15wt% 水酸化ナトリウム(NaOH)/34wt% 純水(H2O)/51wt% ヒドラジン一水和物(HMH))を53℃で処理用面1,2間に導入し、第1流体と第2流体とを薄膜流体中で混合した。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定した。また、pHメーターを用いて測定した、第1流体のpHは4.52であり、pH試験紙を用いて測定した、第2流体のpHは14以上であった。ニッケル溶液と還元剤溶液とを処理用面1,2間において、体積比、1:1の割合で混合させ、ニッケル微粒子の微粒子を含む流体を吐出液として処理用面1,2間より排出させ、吐出液を連続的に管状容器入口63から管状容器内へ導入させ、管状容器出口64より排出させた。吐出液はベッセル61内に停滞することなく、連続的に排出された。管状容器出口64から排出された吐出液の温度が95℃となるように、オイルバス65の温度を設定した。実施例1〜5と同様の作業にてニッケル微粒子を回収し、XRD測定並びにSEM観察を行った。XRD測定結果、SEM観察結果共に、実施例1〜5と同様に不純物のない、ニッケル微粒子が作製されたことがわかった。吐出液の管状容器62内の滞留時間を変更した実施例を、得られた結晶子径と合わせて表2に示す。
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d20 開口部
61 ベッセル
62 管状容器
63 管状容器の入口
64 管状容器の出口
65 温度調節機構、オイルバス
66 供給装置
67 開口部
Claims (12)
- 微粒子の製造方法において、
(I)対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面の間にできる薄膜流体中において、微粒子を析出させ、上記析出させた微粒子を含む流体を吐出液として排出させる第1の工程と、
(II)前記吐出液中において、前記析出させた微粒子の核または結晶子を成長させる第2の工程との、
上記少なくとも2つの工程を含むことを特徴とする微粒子の製造方法。 - 上記析出させた微粒子が結晶性の微粒子であることを特徴とする、請求項1記載の微粒子の製造方法。
- 少なくとも1種類の被析出物質を溶媒に溶解または分子分散させた原料流体と、前記被析出物質を微粒子として析出させるための析出流体とを、上記薄膜流体中で混合し、前記被析出物質の微粒子を析出させることを特徴とする、請求項1に記載の微粒子の製造方法。
- 上記原料流体は、上記被析出物質として少なくとも1種類の金属及び/または金属化合物を溶媒に溶解した流体であり、
上記析出流体は、還元性物質を少なくとも1種類含む還元性流体であり、
上記析出させた微粒子が金属微粒子であることを特徴とする請求項3に記載の微粒子の製造方法。 - 上記の第2の工程において、上記析出させた微粒子の粒子径の成長度合いよりも、上記析出させた微粒子の核の成長度合いまたは上記析出させた微粒子の結晶子径の成長度合いの方が大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の微粒子の製造方法。
- 上記の第2の工程において、上記析出させた微粒子の粒子径を変化させずに、上記析出させた微粒子の核の大きさまたは上記析出させた微粒子の結晶子径を変化させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の微粒子の製造方法。
- 上記の第2の工程において、上記吐出液を吐出直後の温度で10分間以上保温することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の微粒子の製造方法。
- 前記第2の工程は、一端に流入口を有し他端に流出口を有する容器内に、前記流入口から前記吐出液を導入し、
上記管状容器内において上記析出させた微粒子の核または結晶子を成長させるものであることを特徴とする請求項1〜7の何れか記載の微粒子の製造方法。 - 上記管状容器内に、混合器を設け、上記管状容器内の流体を混合することを特徴とする、請求項8に記載の微粒子の製造方法。
- 上記第1の工程と、上記第2の工程とを連続的に行うことを特徴とする請求項1〜9の何れか記載の微粒子の製造方法。
- 上記管状容器に温度調節機構を設け、上記管状容器内の流体の温度を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の微粒子の製造方法。
- 上記管状容器の長さ及び/またはその径を調整することによって、上記管状容器内の流体の上記管状容器内での滞留時間を制御することを特徴とする請求項8、9、11のいずれか記載の微粒子の製造方法。
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