JP2017190996A - アーク故障検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光発電システムの構成やアークの発生位置に関わらず、また、PCS内のインバータのスイッチングノイズによる影響を低減して高精度な検出を可能としたアーク故障検出装置を提供する。【解決手段】直流回路を開閉する遮断器210と直流母線300との間に設けられ、かつ、直流回路201の電流を検出する電流センサ221と、電流センサ221により検出した電流の特定周波数成分の周波数スペクトルを算出する周波数解析部223と、周波数スペクトルの周波数ごとに対数演算する対数演算処理部224と、その対数演算値の総和値を演算する総和値演算部225と、上記総和値の大きさと所定の閾値とに基づいて直流回路201におけるアーク故障の有無を判定し、遮断器210の開放及び警報出力を行うアーク故障判定処理部229と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、太陽光発電システムの太陽光パネルが接続された直流回路におけるアークの発生(以下、アーク故障ともいう)を検出するアーク故障検出装置に関するものである。
近年、二酸化炭素の排出等による環境負荷低減への意識の高まり、エネルギー政策の見直し等により、メガソーラや家庭用太陽光発電を含む太陽光発電システムの導入が進んでいる。これらのシステムでは、比較的高い直流電圧(200[V]〜1,000[V]程度)が用いられているため、システム内の直流回路で発生した直流アークによる火災事故が問題視されつつある。
直流回路では、交流回路と異なって電流ゼロ点が存在しないため、一旦発生したアークは消えにくく、火災に至りやすいという問題がある。
このような問題に鑑み、米国では、米国電気工事基準としてNEC690.11が規格化され、太陽光発電装置には直流アークを検出して保護可能なデバイスを実装することが義務付けられており、UL規格1699Bにより機器の仕様が規定されている。このため、今後、日本やヨーロッパ等においても同様に規格化される可能性がある。
このような問題に鑑み、米国では、米国電気工事基準としてNEC690.11が規格化され、太陽光発電装置には直流アークを検出して保護可能なデバイスを実装することが義務付けられており、UL規格1699Bにより機器の仕様が規定されている。このため、今後、日本やヨーロッパ等においても同様に規格化される可能性がある。
従来、太陽光発電システム等の直流回路におけるアーク検出手段または装置としては、以下に示すものが知られている。
例えば、特許文献1に記載されたアーク検出手段では、太陽光発電システム内の端子台でのネジの締め忘れ等により接続が不完全な場合にアークが発生して短絡や断線故障に至る点に着目し、端子台の入出力側配線間の電圧及び出力電流の変動状態を検出することにより、端子台のアークを電気ノイズ等と区別して検出可能としている。
例えば、特許文献1に記載されたアーク検出手段では、太陽光発電システム内の端子台でのネジの締め忘れ等により接続が不完全な場合にアークが発生して短絡や断線故障に至る点に着目し、端子台の入出力側配線間の電圧及び出力電流の変動状態を検出することにより、端子台のアークを電気ノイズ等と区別して検出可能としている。
また、特許文献2には、メガソーラのように多数の太陽光パネルが複数系統に分かれており、かつ、パワーコンディショナシステム(以下、PCSともいう)内のインバータのスイッチングノイズが重畳する直流回路に適用されるアーク検出装置が開示されている。このアーク検出装置では、直流回路を開閉する遮断器の端子間に設けた電圧センサの出力をパワースペクトルに変換し、このパワースペクトルからインバータのスイッチングノイズに相当する周波数帯域を除去した後のパワースペクトルの傾きに基づいて、直流回路におけるアークの発生を検出している。
特許文献1に記載された発明は、端子台の近傍で電圧及び電流の変動が発生した場合にアークの検出が可能になるものである。しかしながら、特にメガソーラ等の大規模な太陽光発電システムでは、ケーブル等が長距離にわたって敷設されており、アークに起因する故障は様々な箇所で発生する可能性がある。このため、端子台付近の電圧センサに対して遠方の太陽光パネル側でアークが発生した場合には、電圧センサ付近で急激な電圧変動はほとんどないため、アークの発生を検出することが困難であった。
また、特許文献2に係る先行技術は、アーク故障時に発生する電圧の高周波成分を検知するものである。ここで、アーク故障が発生した太陽光パネル系統(故障ストリング)と健全な太陽光パネル系統(健全ストリング)とを区別して検出するためには、逆流防止ダイオード付きの太陽光発電システムとする必要がある。しかし、2015年現在、世界的な主流は、逆流に対する安全策としてPVヒューズが使用されており、このシステムでは、故障ストリングと健全ストリングとを区別することができず、アーク発生時にはその発生個所を遮断するためにシステム全体を停止しなくてはならないと共に、故障点の特定や復旧に多くの時間を要している。
従って、太陽光発電システムの構成によっては、故障ストリングと健全ストリングとを区別できないため、太陽光発電事業の継続性が悪いという問題があった。
従って、太陽光発電システムの構成によっては、故障ストリングと健全ストリングとを区別できないため、太陽光発電事業の継続性が悪いという問題があった。
また、前述したように、特許文献2においては、PCSによるスイッチングノイズ周波数成分を特定してこの成分をパワースペクトルから除去しているが、PCSによってはインバータのスイッチング周波数を可変にしたものもあるため、このスイッチング周波数が変化した場合にアークの検出精度が低下するおそれもあった。
そこで、本発明の解決課題は、システムの構成やアークの発生位置に関わらず、また、スイッチングノイズに影響されることなく高精度な検出を可能としたアーク故障検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係るアーク故障検出装置は、直流回路を開閉する遮断器と直流母線との間に接続され、かつ、
前記直流回路の電流を検出する電流センサと、
前記電流センサにより検出した電流の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、
前記周波数スペクトルの周波数ごとに対数演算する対数演算処理部と、
前記対数演算処理部による対数演算値の総和値を演算する総和値演算部と、
前記総和値の大きさと所定の閾値とに基づいて前記直流回路におけるアーク故障の有無を判定するアーク故障判定処理部と、を備えたものである。
前記直流回路の電流を検出する電流センサと、
前記電流センサにより検出した電流の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、
前記周波数スペクトルの周波数ごとに対数演算する対数演算処理部と、
前記対数演算処理部による対数演算値の総和値を演算する総和値演算部と、
前記総和値の大きさと所定の閾値とに基づいて前記直流回路におけるアーク故障の有無を判定するアーク故障判定処理部と、を備えたものである。
請求項2に係るアーク故障検出装置は、請求項1に記載したアーク故障検出装置において、前記アーク故障判定処理部は、所定の設定時間内に、前記総和値が第一閾値を超えた回数が第二閾値を超えた場合に、前記直流回路におけるアーク故障有りと判定するものである。
請求項3に係るアーク故障検出装置は、請求項1または2に記載したアーク故障検出装置において、前記電流センサの出力から特定周波数成分の電流を抽出する信号抽出部を備え、前記信号抽出部の出力を前記周波数解析部へ入力するものである。
請求項4に係るアーク故障検出装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置において、前記アーク故障判定処理部によってアーク故障有りと判定されたときに、アークの発生を通報する警報装置を備えたものである。
請求項5に係るアーク故障検出装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置において、前記アーク故障判定処理部によってアーク故障有りと判定されたときに、前記遮断器を開放するものである。
請求項6に係るアーク故障検出装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置が、太陽光パネルの出力電流が流れる前記直流回路に接続され、前記太陽光パネルと共に一つのストリングを構成しているものである。
請求項7に係るアーク故障検出装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置が、複数の太陽光パネルの出力電流がそれぞれ流れる前記直流回路を集約した直流母線上の1箇所に接続されているものである。
本発明は、故障ストリングに特徴的に発生する電流信号の高周波成分(アークノイズ)に基づいてアーク故障を検出するものである。このアークノイズは、同一系統内であれば、故障点や検出位置に関わらず観測可能であり、逆流防止ダイオードの有無に関係なく得られるため、アーク故障が発生したストリングの特定も容易である。
従って、本発明によれば、様々な構成の太陽光発電システムに適用可能なアーク故障検出装置を得ることができる。
また、本発明においては、電流センサの出力の周波数スペクトルを周波数ごとに対数演算し、その総和値に基づいてアーク故障を判定するため、他の周波数成分に比べて信号強度が大きいPCSのスイッチングノイズによる影響を低減し、故障電流が小さい場合でも高精度にアーク故障を検出することが可能である。
従って、本発明によれば、様々な構成の太陽光発電システムに適用可能なアーク故障検出装置を得ることができる。
また、本発明においては、電流センサの出力の周波数スペクトルを周波数ごとに対数演算し、その総和値に基づいてアーク故障を判定するため、他の周波数成分に比べて信号強度が大きいPCSのスイッチングノイズによる影響を低減し、故障電流が小さい場合でも高精度にアーク故障を検出することが可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態のアーク故障検出装置を備えた太陽光発電システムの概略構成図である。まず、図1に基づいて太陽光発電システムの構成を説明する。
図1は、この実施形態のアーク故障検出装置を備えた太陽光発電システムの概略構成図である。まず、図1に基づいて太陽光発電システムの構成を説明する。
一般的に、太陽光発電システムは、複数の太陽光パネルがストリング単位で並列接続された回路によって構成されている。図1において、ストリングS1,S2は、太陽光パネル1と開閉・アーク故障検出ブロック100、及び、太陽光パネル2と開閉・アーク故障検出ブロック200をそれぞれ備え、これらのストリングS1,S2が直流回路101,201に接続されている。
図1では、ストリングが二つ並列に接続されているが、更に多数のストリングが並列接続される場合もある。また、各ストリングにおいて、複数の太陽光パネルが適宜、直列または並列に接続される場合もあるが、ここでは図示を省略する。
図1では、ストリングが二つ並列に接続されているが、更に多数のストリングが並列接続される場合もある。また、各ストリングにおいて、複数の太陽光パネルが適宜、直列または並列に接続される場合もあるが、ここでは図示を省略する。
ストリングS1,S2は、直流母線300を介してパワーコンディショナシステム(PCS)400に接続されている。なお、PCS400の主な機能はインバータによる直流/交流変換によって代表されるため、図1では直流/交流変換を示す記号によってPCS400を示している。太陽光パネル1,2により発電した直流電力は、直流回路101,201、開閉・アーク故障検出ブロック100,200及び直流母線300を介してPCS400により商用周波数の交流電力に変換され、一般家庭や工場等の需要家に供給される。
本実施形態のアーク故障検出装置は、開閉・アーク故障検出ブロック100,200の各一部を構成しており、ストリング単位でアーク故障を検出する。
本実施形態のアーク故障検出装置は、開閉・アーク故障検出ブロック100,200の各一部を構成しており、ストリング単位でアーク故障を検出する。
図2は、図1における一方のストリングS2、特に開閉・アーク故障検出ブロック200内のアーク故障検出装置220の構成を示している。ここで、ストリングS1,S2の構成は同一であり、本実施形態では、図1の故障点FのようにストリングS2におけるアークの発生を仮定しているため、図2ではストリングS2側を示している。
図2において、開閉・アーク故障検出ブロック200は、遮断器210とアーク故障検出装置220とを備えている。
遮断器210は、太陽光パネル2とアーク故障検出装置220との間に接続され、後述する第二閾値判定部228の出力によって開閉制御される。
アーク故障検出装置220は、直流回路201の片側の線路に配置された変流器等の電流センサ221を備えている。図2では、電流センサ221が正極側線路に配置されているが、負極側線路に配置しても良い。
遮断器210は、太陽光パネル2とアーク故障検出装置220との間に接続され、後述する第二閾値判定部228の出力によって開閉制御される。
アーク故障検出装置220は、直流回路201の片側の線路に配置された変流器等の電流センサ221を備えている。図2では、電流センサ221が正極側線路に配置されているが、負極側線路に配置しても良い。
電流センサ221の出力は、信号抽出部としての狭帯域フィルタ部222に送られて電流の特定周波数成分が抽出される。この狭帯域フィルタ部222にはディジタルフィルタを使用しても良いが、後段の処理では高周波成分のみを処理するので、マイコンの分解能を十分確保するためにも、オペアンプや抵抗、コンデンサ等を使用したアナログ回路によって構成することが望ましい。
狭帯域フィルタ部222により抽出された電流の特定周波数成分は、周波数解析部223に送られる。この周波数解析部223以降では、マイコンやDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)等によって以下の演算をディジタル処理し、アーク故障の有無を判定する。
図3は、この実施形態における一連の信号処理を示すフローチャートである。
狭帯域フィルタ部222から出力された電流の特定周波数成分は、周波数解析部223にてFFT(高速フーリエ変換)により所定の時間間隔で周波数解析され、周波数スペクトルが算出される(ステップST1)。算出された周波数スペクトルは周波数ごとに対数演算処理部224にて対数演算され(ステップST2)、対数演算値の総和値が総和値演算部225により算出される(ステップST3)。
狭帯域フィルタ部222から出力された電流の特定周波数成分は、周波数解析部223にてFFT(高速フーリエ変換)により所定の時間間隔で周波数解析され、周波数スペクトルが算出される(ステップST1)。算出された周波数スペクトルは周波数ごとに対数演算処理部224にて対数演算され(ステップST2)、対数演算値の総和値が総和値演算部225により算出される(ステップST3)。
次に、算出された総和値は、図2のアーク故障判定処理部229内の第一閾値判定部226により、第一閾値と比較される(ステップST4)。そして、総和値が第一閾値を超えた回数をカウント部227により計数し、第二閾値判定部228では、設定時間内に前記総和値が第一閾値を超えた回数が第二閾値を超えた場合にアーク故障と判定する(ステップST5 YES,ST6)。この故障判定信号を用いて、図2の遮断器210を開放すると共に、アーク故障警報装置230を介して警報を発生させる。また、総和値が第一閾値を超えた回数が第二閾値を超えない場合には、アーク故障ではないと判定する(ステップST5NO,ステップST7)。
ここで、前記第一閾値及び第二閾値は、システムの構成に応じて予め設定された値である。
ここで、前記第一閾値及び第二閾値は、システムの構成に応じて予め設定された値である。
次いで、本実施形態によるアーク故障の検出動作を、図4〜図12の実験結果(故障点を図1のFと仮定)に基づいて説明する。
始めに、アーク発生時の太陽光発電システム内の挙動について説明する。
図4は、アーク故障検出装置220の設置位置における直流回路201の電圧波形を示し、図5は、各ストリングS1,S2の直流回路101,201を流れる電流波形を示している。なお、故障点Fでは、図4,図5における時間0[sec]にアークが発生したものとする。
始めに、アーク発生時の太陽光発電システム内の挙動について説明する。
図4は、アーク故障検出装置220の設置位置における直流回路201の電圧波形を示し、図5は、各ストリングS1,S2の直流回路101,201を流れる電流波形を示している。なお、故障点Fでは、図4,図5における時間0[sec]にアークが発生したものとする。
図4から明らかなように、アーク故障検出装置220の設置位置における直流回路201の電圧は、アーク発生前後でほとんど変化していない。これは、ごく短時間のアークが発生した場合には、PCS400によって電圧がほぼ一定に制御されるためである。従って、直流回路の電圧変動に基づいてアーク故障を検出することは困難である。
一方、電流について考察すると、図5から明らかなように、健全ストリングS1では直流回路101に電圧変動がないため、電流もほとんど変動していない。
これに対し、故障ストリングS2ではアークの発生直後に電流が大きく変動し、その後に平均値が低下した状態が維持されている。その理由としては、故障ストリングS2の太陽光パネル2の電圧が故障点Fのアーク電圧(20[V]〜50[V]程度)の分だけ故障点F側より上昇したため、太陽光パネル2(太陽電池)の電流電圧特性により、太陽光パネル2の出力電流が電圧の増加に伴って減少したことによる。
これに対し、故障ストリングS2ではアークの発生直後に電流が大きく変動し、その後に平均値が低下した状態が維持されている。その理由としては、故障ストリングS2の太陽光パネル2の電圧が故障点Fのアーク電圧(20[V]〜50[V]程度)の分だけ故障点F側より上昇したため、太陽光パネル2(太陽電池)の電流電圧特性により、太陽光パネル2の出力電流が電圧の増加に伴って減少したことによる。
上述したようにアーク発生前後の電流値の挙動を観測してアーク故障を検出することも考えられるが、太陽光パネルの出力電流は日射量に応じて時々刻々と変化するので、単に電流値の変化のみに基づいて判断することは難しい。
そこで、本実施形態では、以下のようにしてアーク故障を検出するようにした。
そこで、本実施形態では、以下のようにしてアーク故障を検出するようにした。
まず、図6は、ストリングS2の故障点Fでアークが発生した時の、健全ストリングS1側のアーク故障検出装置における電流検出値の周波数解析結果を示し、図7は、図6と同じタイミングにおける故障ストリングS2側のアーク故障検出装置220における電流検出値の周波数解析結果を示している。
図6の健全ストリングS1側では、アーク発生前後(発弧前後)で周波数特性はほとんど変わらないが、図7の故障ストリングS2側では、発弧後に、100[kHz]付近までの周波数成分が発弧前に比べて上昇している。これは、一般的にはアークノイズと呼ばれる信号によるものであり、このアークノイズは、アークが発生した故障ストリングのみに顕著に現れることが知られている。よって、図1に示すように、ストリングごとにアーク故障検出装置を設置した場合には、アークノイズに着目して信号処理を行うことで故障ストリングの特定が可能となる。
図6の健全ストリングS1側では、アーク発生前後(発弧前後)で周波数特性はほとんど変わらないが、図7の故障ストリングS2側では、発弧後に、100[kHz]付近までの周波数成分が発弧前に比べて上昇している。これは、一般的にはアークノイズと呼ばれる信号によるものであり、このアークノイズは、アークが発生した故障ストリングのみに顕著に現れることが知られている。よって、図1に示すように、ストリングごとにアーク故障検出装置を設置した場合には、アークノイズに着目して信号処理を行うことで故障ストリングの特定が可能となる。
本発明のアーク故障検出装置は、図13に示すように、直流母線300に複数のストリングS1,S2が並列に接続されており、これらを集約する形で1台の開閉・アーク故障検出ブロック(アーク故障検出装置)500を配置することも可能である。この場合、故障ストリングの特定はできないが、システム内のいずれかのストリングにおいてアークが発生したことは検知可能であり、アーク故障検出装置も太陽光発電システムに1台配置するのみで良い。
この配置では、一方のストリングS2(太陽光パネル2)でアークが発生すると、アーク故障検出装置内の電流センサ221には、故障ストリングS2からの電流に加えて、健全なストリングS1(太陽光パネル1)からの電流が重畳して流れることになる。
従って、アーク故障検出装置は、十数[A]程度の電流が流れる場合にも誤動作せず、また、故障ストリングの電流に健全ストリングの電流が重畳された場合でも、アーク故障を適切に検出する必要がある。
この配置では、一方のストリングS2(太陽光パネル2)でアークが発生すると、アーク故障検出装置内の電流センサ221には、故障ストリングS2からの電流に加えて、健全なストリングS1(太陽光パネル1)からの電流が重畳して流れることになる。
従って、アーク故障検出装置は、十数[A]程度の電流が流れる場合にも誤動作せず、また、故障ストリングの電流に健全ストリングの電流が重畳された場合でも、アーク故障を適切に検出する必要がある。
図8は、図13のように、直流母線300とPCS400との間に1台の開閉・アーク故障検出ブロック(アーク故障検出装置)500が接続されている場合の、アーク発生前後(発弧前後)における電流振幅の周波数解析結果を示している。なお、開閉・アーク故障検出ブロック500の構成は、図2に示した開閉・アーク故障検出ブロック200と同様であり、図8は図2の周波数解析部223の出力に相当する。
図8に示した例は、アーク故障検出装置内の電流センサ221による電流検出値が12[A]の場合の発弧前後の周波数解析結果であり、例えば、故障ストリングの電流2[A]に健全ストリングの電流10[A]が重畳しているような場合である。
この図8を図7と比較すると、図8では図7に比べ電流値が12[A]となり大きいため、発弧前の信号(PCS400に起因するスイッチング周波数ノイズ)も大きくなる。一方で、発弧に伴うアークノイズの信号は故障ストリングの電流値2[A]に依存した大きさのため、図7と同レベルとなる。
このような場合でも、図7に比べ発弧前後での信号の変化は小さいが、アークノイズによる100[kHz]付近までの周波数成分の増加は現われるため、前述した対数演算処理部224、総和値演算部225、アーク故障判定処理部229等の演算処理により、いずれかのストリングにおいてアークが発生したことを検出するのは可能である。
この図8を図7と比較すると、図8では図7に比べ電流値が12[A]となり大きいため、発弧前の信号(PCS400に起因するスイッチング周波数ノイズ)も大きくなる。一方で、発弧に伴うアークノイズの信号は故障ストリングの電流値2[A]に依存した大きさのため、図7と同レベルとなる。
このような場合でも、図7に比べ発弧前後での信号の変化は小さいが、アークノイズによる100[kHz]付近までの周波数成分の増加は現われるため、前述した対数演算処理部224、総和値演算部225、アーク故障判定処理部229等の演算処理により、いずれかのストリングにおいてアークが発生したことを検出するのは可能である。
次に、図9は、アークによる故障電流(電流センサ221による電流検出値)が2[A]及び12[A]の場合の電流過渡応答を示した図である。また、図10は、図9における電流の変化を明確化するために、図9の各電流波形から直流成分を除去した信号(1 [kHz]以上の高周波成分を通過させるハイパスフィルタ(HPF)の出力信号)を示している。
図9によれば、発弧前後における電流の変化は電流値の違いよりも小さいため、単純に電流値を閾値に設定してアーク発生を検出することはできない。また、図10から明らかなように、電流信号を単にハイパスフィルタに通過させただけでは、特に電流が12[A]の場合に健全時と故障時との区別(時刻0を挟んだ発弧前後の区別)が難しいため、アークの検出が困難である。
つまり、図9,図10により、発弧前後における電流値の変化や高周波成分の変化だけを観測しても、アーク故障を確実に検出することは困難であることがわかる。
つまり、図9,図10により、発弧前後における電流値の変化や高周波成分の変化だけを観測しても、アーク故障を確実に検出することは困難であることがわかる。
なお、電流の周波数スペクトル(電流スペクトル)の総和を単純に求めて位相情報を除去することにより、アーク発生を検出する方法も考えられる。しかし、図11に示すように、電流スペクトルの単純総和値では、インバータのスイッチング周波数の電流成分が顕著に現われるため、例えば、健全時において12[A]の電流が流れても誤動作しない(アーク発生を誤検出しない)程度の閾値を設定しておくと、2[A]の電流が流れている状態でアークが発生した場合に信号の大部分が上記閾値を下回ってしまい、アーク発生を検出することが困難である。
後述するように、機械接点を有する遮断器などの動作によるアークノイズ信号と区別するために、アーク信号が一定時間経過した場合にアーク故障と判断する必要があるが、この閾値では電流値2[A]の場合は50[ms]以降は閾値をほとんど下回り、この短い時間内では遮断器などの動作によるアーク信号との区別がつかないためアーク故障として判断することが困難となる。
後述するように、機械接点を有する遮断器などの動作によるアークノイズ信号と区別するために、アーク信号が一定時間経過した場合にアーク故障と判断する必要があるが、この閾値では電流値2[A]の場合は50[ms]以降は閾値をほとんど下回り、この短い時間内では遮断器などの動作によるアーク信号との区別がつかないためアーク故障として判断することが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、例えば10[kHz]以下の周波数帯域における電流スペクトルを周波数ごとに対数演算して対数演算値の総和値を求めることにより、顕著なスイッチング周波数が圧縮されてアークノイズによる低周波数成分が比較的際立つようになる。従って、図12に示すごとく、健全時の電流では動作しないような閾値を設定したとしても、電流が2[A]の状態でアークが発生した場合には閾値を上回ることになり、アークの発生を確実に検出することができる。
なお、図11,図12に示す信号処理は、サンプリング周波数1[MHz]、サンプリング数2048点(約2[ms])のデータ間隔で行っているが、使用するマイコンやDSP等の性能に応じて適宜調整しても良い。
なお、図11,図12に示す信号処理は、サンプリング周波数1[MHz]、サンプリング数2048点(約2[ms])のデータ間隔で行っているが、使用するマイコンやDSP等の性能に応じて適宜調整しても良い。
また、図12では、発弧開始直後に信号成分が顕著に増加しているが、この現象は機械接点を有する遮断器、スイッチ等の開放時にも現れるものであり、これらの増加現象による誤動作を防止しなくてはならない。更に、アークノイズの大きさは常に一定とは限らず、アークノイズは変化しながら継続するものであるため、対数演算値の総和値に基づく更なる判定基準を備える必要がある。
そこで、本実施形態では、図2のアーク故障判定処理部229及び図3のステップST5,ST6にて説明したように、所定の設定時間内に対数演算値の総和値が第一閾値を超えた回数が、アーク故障判定基準となる第二閾値を超えた時点でアーク故障有りと判定するようにした。
例えば、設定時間としての100[ms]の間に、総和値が第一閾値を超えた回数が40回(第二閾値が40回)を超えた時点で、アーク故障と判定するように設定する。これにより、図12に示した電流2[A]の例では、アーク発生から約80[ms]を経過した時点でアーク故障を判定することができる。なお、これらの設定時間や各閾値は、システムに配置される遮断器の遮断特性(アーク継続時間)等に応じて適宜調整しても良い。
例えば、設定時間としての100[ms]の間に、総和値が第一閾値を超えた回数が40回(第二閾値が40回)を超えた時点で、アーク故障と判定するように設定する。これにより、図12に示した電流2[A]の例では、アーク発生から約80[ms]を経過した時点でアーク故障を判定することができる。なお、これらの設定時間や各閾値は、システムに配置される遮断器の遮断特性(アーク継続時間)等に応じて適宜調整しても良い。
以上のようにこの実施形態によれば、太陽光発電システムの構成や直流回路内の発生位置によらずアーク故障を検出可能であると共に、PCSのスイッチングノイズによる誤判定をなくし、また、故障電流が小さい場合にも確実に検出可能なアーク故障検出装置を実現することができる。
S1,S2:ストリング
1,2:太陽光パネル
100,200,500:開閉・アーク故障検出ブロック
101,201:直流回路
210:遮断器
220:アーク故障検出装置
221:電流センサ
222:狭帯域フィルタ部(信号抽出部)
223:周波数解析部
224:対数演算処理部
225:総和値演算部
226:第一閾値判定部
227:カウント部
228:第二閾値判定部
229:アーク故障判定処理部
230:アーク故障警報装置
300:直流母線
400:パワーコンディショナシステム(PCS)
F:故障点
1,2:太陽光パネル
100,200,500:開閉・アーク故障検出ブロック
101,201:直流回路
210:遮断器
220:アーク故障検出装置
221:電流センサ
222:狭帯域フィルタ部(信号抽出部)
223:周波数解析部
224:対数演算処理部
225:総和値演算部
226:第一閾値判定部
227:カウント部
228:第二閾値判定部
229:アーク故障判定処理部
230:アーク故障警報装置
300:直流母線
400:パワーコンディショナシステム(PCS)
F:故障点
Claims (7)
- 直流回路を開閉する遮断器と直流母線との間に接続され、かつ、
前記直流回路の電流を検出する電流センサと、
前記電流センサにより検出した電流の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、
前記周波数スペクトルの周波数ごとに対数演算する対数演算処理部と、
前記対数演算処理部による対数演算値の総和値を演算する総和値演算部と、
前記総和値の大きさと所定の閾値とに基づいて前記直流回路におけるアーク故障の有無を判定するアーク故障判定処理部と、
を備えたことを特徴とするアーク故障検出装置。 - 請求項1に記載したアーク故障検出装置において、
前記アーク故障判定処理部は、
所定の設定時間内に、前記総和値が第一閾値を超えた回数が第二閾値を超えた場合に、前記直流回路におけるアーク故障有りと判定することを特徴とするアーク故障検出装置。 - 請求項1または2に記載したアーク故障検出装置において、
前記電流センサの出力から特定周波数成分の電流を抽出する信号抽出部を備え、前記信号抽出部の出力を前記周波数解析部へ入力することを特徴とするアーク故障検出装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置において、
前記アーク故障判定処理部によってアーク故障有りと判定されたときに、アークの発生を通報する警報装置を備えたことを特徴とするアーク故障検出装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置において、
前記アーク故障判定処理部によってアーク故障有りと判定されたときに、前記遮断器を開放することを特徴とするアーク故障検出装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置が、太陽光パネルの出力電流が流れる前記直流回路に接続され、前記太陽光パネルと共に一つのストリングを構成していることを特徴とするアーク故障検出装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載したアーク故障検出装置が、複数の太陽光パネルの出力電流がそれぞれ流れる前記直流回路を集約した直流母線上の1箇所に接続されていることを特徴とするアーク故障検出装置。
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