JP2017191294A - 画像処理装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラム傷を原因とする異常画像を高精度に検出できる画像処理装置を提供する
【解決手段】MFP101の画像診断部126は、画像を記録材の搬送方向に複数の領域に分割し、前記領域ごとに、搬送方向に対して垂直方向の輝度の最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向の順に並べた信号データを生成する。さらに、画像診断部126は、生成したが信号データに基づき、前記領域のうち少なくとも1つに周辺画素との差分が大きい点が、感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し出現する場合に、ドラム傷が存在すると判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
近年電子写真装置の性能向上に伴い印刷機と同等の画質を実現した機械(プリンタなどの画像処理装置)が登場している。印刷機と同様に運用するためには高画質の維持が必須だが、ストレスのかかる使い方を続けることでプリンタが劣化し、本来出力されるべき通常画像と異なる画像(異常画像)が出力される「画質問題」(画像不良)が発生する可能性がある。このような劣化等により発生する異常画像はセンサ等を用いた自動検知が難しく、ユーザからの指摘を受けてから対応するケースが非常に多い。
電子写真装置は、回転体からなる多数の画像形成部材を含んで構成されており、画像形成部材のいずれかが劣化すると、その周囲長の周期で異常画像が発生することがある。特に、長時間にわたりストレスのかかる使い方をするとドラムクリーナとの摩耗によって電子写真感光体ドラム(感光体ドラム)の表面が局所的に傷ついてしまう(以下、ドラム傷と称す)。
感光体ドラムの表面が傷ついた箇所は、所定電位とは異なる帯電がなされ、その結果として画像を印刷するとそこに異常画像が発生する。また、感光体ドラムの表面の傷の程度によって、記録材上の画像に現れる異常画像の濃度も変化していく。例えば、感光体ドラムの表面の傷が浅い場合は、所定電位よりも帯電量が多くなる。その結果、露光後の電位が他の部分に比べて高くなるため、現像時には他の部分よりも少ない量のトナーが現像される。そして、画像を印刷すると画像データが欠落したような薄い濃度の異常画像が出力される。
さらにドラムクリーナとの摩耗が進むと、感光体ドラムの表面は深く傷つき、所定電位よりも帯電量が少なくなる。その結果、露光後の電位が他の部分に比べて低くなるため、現像時には他の部分よりも多い量のトナーが現像される。そして、画像を印刷すると本来印字されることがない画像データを付加したようなベタに近い濃い異常画像が出力される。つまり、ドラム傷が原因による異常画像が発生すると、ユーザの所望する画像データを得られなくなってしまうため、部品交換の対応が必要になる。
特許文献1は、画像データの主走査方向に加算処理した投影波形データの予め定めたエッジ位置に基づいて画像欠陥の発生間隔を検出する画像解析装置を開示している。
特開2008−139500号公報
感光体ドラムの周囲長の周期で出現する濃度変動(以下、濃度ムラと称す)は、ドラム傷と同じように、周期性をもった現象である。濃度ムラの場合、画像データに濃度変動が発生するが、ユーザの所望する画像データが欠落するようなことは起こらない。一方で、ドラム傷の場合、ユーザの所望する画像データが得られない。よって、ユーザの所望する画像データを得るためには、ドラム傷が原因となる異常画像を特定しなければならない。
しかしながら、特許文献1の方法で異常画像を特定する場合、各画像形成部材の周囲長の周期性から故障箇所を推定するため、検出対象(解析対象)ではない濃度ムラの影響を受けて、検出対象であるドラム傷による異常画像の検出精度が低下してしまう。
本発明は、ドラム傷を原因とする異常画像を高精度に検出できる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態の画像処理装置は、画像を記録材の搬送方向に複数の領域に分割する分割手段と、前記領域ごとに、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素の輝度の最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向に並べた第1のデータを生成する生成手段と、前記第1のデータに基づき、前記領域のうち少なくとも1つに周辺画素との差分が大きい点が、感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出された場合に、ドラム傷が存在すると判定する判定手段と、を備える。
本発明の画像処理装置によれば、ドラム傷を原因とする異常画像を高精度に検出できる。
システムの構成を示す図である。 画像処理の流れを示す図である。 画像診断処理の流れを示す図である。 画像解析処理の流れを示す図である。 故障箇所診断処理の流れを示す図である。 診断用チャートの一例を示す図である。 故障箇所診断結果を表示するUIの一例を示す図である。 診断用スキャン画像の一例を示す図である。 白抜け発生時の画像解析処理の概要を示す図である。 黒ベタ発生時の画像解析処理の概要を示す図である。 信号データと相関係数との対応によりドラム傷を分類する表である。 第2実施形態に係る領域分割を示す図である。 第3実施形態に係る最大値を抽出する例を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示す図である。
本実施形態におけるシステムは、画像処理装置の一例としてのMFP101とPC124を備える。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(以下、C、M、Y、K)の各トナーを用いるMFP(Multi Function Printer)101は、ネットワーク123を介して他のネットワーク対応機器と接続されている。また、PC124は、ネットワーク123を介してMFP101と接続されている。PC124内のプリンタドライバ125は、MFP101へ印刷データを送信する。
MFP101について詳細に説明する。ネットワークI/F122は、印刷データ等の受信を行う。コントローラ102は、CPU103やレンダラ112、画像処理部114で構成される。CPU103のインタプリタ104は、受信した印刷データのPDL(ページ記述言語)部分を解釈し、中間言語データ105を生成する。そして、CMS106は、ソースプロファイル107及びデスティネーションプロファイル108を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。
ここで、CMSとは、Color Management Systemの略であり、後述するプロファイルの情報を用いて色変換を行う。また、ソースプロファイル107は、RGBやCMYK等のデバイスに依存する色空間をCIE(国際照明委員会)が定めたL*a*b*(以下、Lab)やXYZ等のデバイス非依存の色空間に変換するためのプロファイルである。XYZは、Labと同様にデバイス非依存の色空間であり、3種類の刺激値で色を表現する。また、デスティネーションプロファイル108は、デバイス非依存色空間をデバイス(プリンタ115)に依存したCMYK色空間に変換するためのプロファイルである。
一方、CMS109は、デバイスリンクプロファイル110を用いて色変換を行い、中間言語データ(CMS後)111を生成する。ここでデバイスリンクプロファイル110は、RGBやCMYK等のデバイス依存色空間をデバイス(プリンタ115)に依存したCMYK色空間に直接変換するためのプロファイルである。どちらのCMSが選ばれるかは、プリンタドライバ125における設定に依存する。
本実施形態では、プロファイル(107、108及び110)の種類によってCMS(106及び109)を分けているが、1つのCMSで複数種類のプロファイルを扱ってもよい。また、プロファイルの種類は、本実施形態で挙げた例に限らずプリンタ115のデバイス依存CMYK色空間を用いるのであればどのような種類のプロファイルでもよい。
レンダラ112は、生成した中間言語データ(CMS後)111からラスター画像113を生成する。画像処理部114は、ラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して画像処理を行う。画像処理部114について詳細は後述する。コントローラ102と接続されたプリンタ115は、C、M、Y、K等の有色トナーを用いて紙上に出力データを形成するプリンタである。プリンタ115は、CPU127によって制御され、紙の給紙を行う給紙部116と出力データを形成した紙を排紙する排紙部117とを持つ。
表示装置118は、ユーザへの指示やMFP101の状態を表示するUI(ユーザーインターフェース)である。コピー、送信処理等の他、後述する画像診断処理で用いる。スキャナ119は、オートドキュメントフィーダを含むスキャナである。スキャナ119は、束状のまたは一枚の原稿画像を図示しない光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子上に結像する。そして、固体撮像素子からラスター状の画像読み取り信号を画像データとして得る。
入力装置120は、ユーザからの入力を受け付けるためのインタフェースである。一部の入力装置は、タッチパネルとなっているため、表示装置118と一体化している。記憶装置121は、コントローラ102で処理されたデータやコントローラ102が受け取ったデータ等を保存する。画像診断部126は、異常画像が発生した時にチャートを出力して解析処理を実行することで故障箇所(不具箇所)を推定する画像診断処理を行う。画像診断処理の詳細については後述する。
図2は、画像処理部114における画像処理の流れを示す図である。
画像処理部114は、ラスター画像113やスキャナ119で読み込んだ画像に対して画像処理を行う。図2に示す処理は、画像処理部114内にある不図示のASIC(Application Specific Integrated Circuit)が実行することにより実現される。
ステップS201にて、画像処理部114は、受け取った画像データがスキャナ119で読み込んだスキャンデータかプリンタドライバ125から送られたラスター画像113かを判別する。受け取った画像がスキャンデータではない場合は、レンダラ112によってビットマップ展開されたラスター画像113であるため、CMSによってプリンタデバイスに依存するCMYK色空間に変換されたCMYK画像210として以降の処理を行う。
受け取った画像がスキャンデータの場合は、RGB画像202であるため、ステップS203にて色変換処理を行い、共通RGB画像204を生成する。共通RGB画像204とは、デバイスに依存しないRGB色空間で定義されており、演算によってLab等のデバイス非依存色空間に変換することが可能である。
一方、ステップS205にて、画像処理部114は、文字判定処理を行い、文字判定データ206を生成する。ここでは画像のエッジ等を検出して文字判定データ206を生成する。次に、ステップS207にて、画像処理部114は、共通RGB画像204に対して文字判定データ206を用いてフィルタ処理を行う。ここでは文字判定データ206を用いて文字部とそれ以外で異なるフィルタ処理を行う。そして、ステップS208にて、画像処理部114は、下地飛ばし処理を行い、地色成分を除去する。
次に、ステップS209にて、画像処理部114は、色変換処理を行い、CMYK画像210を生成する。そして、ステップS211にて、画像処理部114は、1D−LUTを用いてC、M、Y、Kの各単色の階調特性を補正する。1D−LUT とは、C、M、Y、Kのそれぞれの色を補正する1次元のLUT(Look Up Table)のことである。最後に、ステップS212にて、画像処理部114は、スクリーン処理や誤差拡散処理のような画像形成処理を行って、CMYK画像(2値)213を作成する。
<画像診断処理について>
次に、本実施形態に係る画像診断処理について、図3を用いて説明する。
画像診断処理は、異常画像が発生した際にユーザ等によって実行される処理であり、画像診断部126にて制御される。
図3に示す処理のうち、ステップS301〜ステップS309の処理は、コントローラ102内のCPU103が実行することにより実現され、取得されたデータは、記憶装置121に保存される。また、ステップS310の処理は、表示装置118がユーザへの指示をUIに表示し、入力装置120がユーザの指示を受け付ける。まず、ステップS301にて、画像診断部126は、画質診断するための診断用チャートデータ302を取得する。
図6は、診断用チャートデータの一例を示す図である。
診断用チャートデータ601は、ドラム傷を判定するためのチャートであり、C、M、Y、Kのいずれかの色(判定したい色)で面内一様のハーフトーンパッチ602によって構成される。なお、本実施形態では、単色による構成について説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、MとYによって構成されたRのパッチや、G、Bのパッチを用いてもよい。また、診断用チャートデータ601は、ドラム傷を検出するだけでなく、ドラム傷とは異なる原因の画像異常を検出するために用いてもよいものとする。
図3の説明に戻る。ステップS303にて、画像診断部126は、ステップS301で取得した診断用チャートデータ302をプリンタで出力し、出力チャート304を取得する。ステップS305にて、画像診断部126は、出力チャート304をスキャナ119で読み込み、診断用スキャン画像を取得する。ステップS306にて、画像診断部126は、ステップS305で読み込んだスキャン画像を用いてドラム傷を検出するための画像解析処理を実行し、画像特徴量308を算出する。画像解析処理の詳細については後述する。
ステップS307にて、画像診断部126は、ステップS306で算出した画像特徴量308を用いて故障箇所診断処理を実行し、故障箇所診断結果309を出力する。故障箇所診断処理の詳細については後述する。ステップS310にて、画像診断部126は、ステップS307の故障箇所診断結果を表示装置118にて表示する。
図7は、本実施形態における故障箇所診断結果を表示するUIの一例を示す図である。
UI701は、異常画像の判定結果の一例を示している。ここでは、ユーザがわかるように具体的な文言(メッセージ)と、サービス等が定量的に判断できるようにコード化した情報や交換ユニットを示す情報とを表示している。なお、表示される内容や表示方法は、これに限られるものではなく、例えば、メッセージの内容を示す画像や交換方法などを示す情報を表示してもよい。
なお、ステップS307にて故障個所がない(異常画像ではない)と判断された場合は、ステップS310にてプリンタ自体に問題はないという内容を示す情報を表示する。このように、異常画像について具体的かつ定量的な情報が示されるため、異常画像に対応する負荷の軽減、及び対応時間の短縮が可能となる。
<画像解析処理について>
次に、画像診断処理(図3)のステップS306の画像解析処理の詳細について、図4を用いて説明する。
画像解析処理は、ステップS305で読み込んだ診断用スキャン画像を用いて、ドラム傷がある場合に出現する異常画像の特徴を基に、ドラムの周囲長で周期的な変動があるか否かを解析する処理である。画像解析処理は、画像診断部126にて制御される。
図4に示す処理のうち、ステップS401〜ステップS407の処理は、コントローラ102内のCPU103が実行することにより実現され、取得されたデータは、記憶装置121に保存される。まず、ステップS401にて、画像診断部126は、ステップS305で読み込んだ診断用スキャン画像を取得する。
図8は、読み込んだ診断用スキャン画像の一例を示す図である。
本実施形態では、一例としてKの感光体ドラムでドラム傷が発生した場合について説明する。すなわち、判定したい色をKとし、図6の診断用チャートデータ601は、Kのハーフトーンパッチ602を出力したものとする。そして、図8に示す診断用スキャン画像801は、Kの感光体ドラムのドラム傷による異常画像を含むKのハーフトーンパッチ802の画像データである。
ハーフトーンパッチ802は、ドラム傷が原因による異常画像として以下の領域を含む。すなわち、感光体ドラムの表面が浅く傷ついたことによって白く抜けた(白抜け)ドラム傷発生領域803及び804と、感光体ドラムの表面が深く傷ついたことによって黒いベタ(黒ベタ)で印字されたドラム傷発生領域805及び806とを含む。また、ハーフトーンパッチ802は、ドラム傷が原因ではない汚れた異常画像として汚れ領域807及び808を含む。
本実施形態における感光体ドラムの周囲長は、94.2mmとする。図8に示す診断用スキャン画像801は、A4サイズの紙で搬送方向が短手となる210mmで印刷した場合を示す。この場合、1つのドラム傷で2〜3か所の異常画像が発生する。ステップS402にて、画像診断部126は、ステップS401で取得した診断用スキャン画像の領域分割を行う。本実施形態に係る領域分割の方法について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、ドラム傷による白抜けが発生した時の画像解析処理の概要を示す図である。
画像データ901は、白抜けのドラム傷発生領域911及び912と、黒ベタのドラム傷発生領域912及び913とを含む画像をスキャンした画像データである。
図10は、ドラム傷による黒ベタが発生した時の画像解析処理の概要を示す図である。
画像データ1001は、白抜けのドラム傷発生領域1011及び1012と、黒ベタのドラム傷発生領域1013及び1014とを含む画像をスキャンした画像データである。
スキャン画像の領域分割は、図9及び図10に示すように、搬送方向に行う。すなわち垂直な方向を分割する。ドラム傷の周囲長の少ないデータ数で周期性を解析すると、図8の汚れ領域807及び808のようなドラム傷とは関係のない異常画像が発生した際に、ドラム傷の周囲長の周期と異なるデータが増えてしまい、周期性の判定精度が低下してしまう。そのため、搬送方向に領域分割を行い、ドラム傷による異常画像が発生する領域を抽出しやすくなることで、周期性を解析する精度の向上を可能とする。
本実施形態では、20mm幅の白抜けのドラム傷発生領域を同一の領域に分割するために、画像データ1001を10分割して解析するものとする。図9及び図10に示すように、領域分割を行うことで、分割された領域(分割領域)Aは、白抜けのドラム傷発生領域に割り当てることが可能となる。また、分割領域Bは、黒ベタのドラム傷発生領域に割り当てることが可能となる。
図4の説明に戻る。ステップS403にて、画像診断部126は、ステップS402で分割した領域毎に、搬送方向に対して垂直方向に位置する1行分の画素(画素列)ごとの輝度の最大値及び最小値を算出する。そして、算出した最大値の信号データ及び最小値の信号データを、搬送方向に並べた信号データ(第1のデータ)生成する。輝度の最大値の信号データを算出することでドラム傷による白抜けの周期性が解析でき、輝度の最小値の信号データを算出することでドラム傷による黒ベタの周期性が解析できる。なお、輝度の最小値の算出では、解析しているハーフトーンパッチの色の輝度の最小値を抽出するものとする。
これにより、図9において分割領域Aでは、最大値の信号データ903は、白抜けのドラム傷発生領域に対応するように最大値が変化した信号データとなる。また、最小値の信号データ904は、ドラム傷による白抜けとは関係のない信号データとなる。同様に、図10において分割領域Bでは、最大値の信号データ1003は、ドラム傷による黒ベタとは関係のない信号データとなる。また、最小値の信号データ1004は、黒ベタのドラム傷発生領域に対応するように最小値が変化した信号データとなる。
ステップS404にて、画像診断部126は、ステップS403で算出した最大値の信号データ及び最小値の信号データに対して差分抽出を行う。具体的には、最大値の信号データ及び最小値の信号データに対して、搬送方向に注目しているデータ点(画素)の1画素前のデータ点(前画素)との差分を算出し、差分信号データ(第2のデータ)を生成する。これにより、図9の領域Aでは、最大値の差分信号データ905は、白抜けのドラム傷発生領域に対応する画素の差分が大きくなる差分信号データとなる。また、最小値の差分信号データ906は、最大値の差分信号データと比べて差分の小さい差分信号データとなる。
同様に、図10の領域Bでは、最小値の差分信号データ1006は、黒ベタのドラム傷発生領域に対応する画素の差分が大きくなる差分信号データとなる。また、図10の領域Bでは、最大値の差分信号データ1005は、最小値の差分信号データと比べて差分の小さい差分信号データとなる。なお、本実施形態では、差分信号データとして、搬送方向に1画素前の信号データとの差分を算出したが、これに限定されるものではなく、周辺画素との差分が大きい点を抽出できればよい。例えば、予め決められた複数の前画素の信号データの平均値との差分を算出してもよい。
ステップS405にて、画像診断部126は、ステップS404で算出した最大値の差分信号データ及び最小値の差分信号データに閾値処理を行い、差分量の大きいデータのみ抽出した抽出信号データ(第3のデータ)を生成する。具体的には、最大値の差分信号データ及び最小値の差分信号データの各点において、閾値よりも小さい値の点は0とし、閾値以上となる点の値のみを抽出する。すなわち、最大値の差分信号データ及び最小値の差分信号データから、各点の値(つまり差分)が大きい値のみを抽出し、差分信号データの波形を際立たせる処理を行うことにより、周期性を検出する際に濃度ムラによる影響を除くことが可能となる。
なお、最大値の差分信号データ及び最小値の差分信号データそれぞれに用いる閾値は、それぞれ予め決められた値とする。本実施形態では、最大値の差分信号データの閾値は、異常画像がない時の信号データとトナーが載っていない紙の信号データとの差分の50%の値とする。また、最小値の差分信号データの閾値は、異常画像がない時の信号データとベタの信号データとの差分の50%の値とする。
これにより、図9の領域Aでは、最大値の抽出信号データ907は、白抜けのドラム傷発生領域で差分が閾値を超えた差分信号データのみ抽出され、最小値の抽出信号データ908は、全て閾値以下となるため、全ての点において0の信号データとなる。同様に、図10の領域Bでは、最大値の抽出信号データ1007は、全て閾値以下となるため、全ての点において0の信号データになり、最小値の抽出信号データ1008は、黒ベタのドラム傷発生領域で差分が閾値を超えた差分信号データのみ抽出される。
次に、ステップS406にて、画像診断部126は、ステップS405で閾値処理した最大値の抽出信号データ及び最小値の抽出信号データに自己相関解析を行い、自己相関係数データを算出する。自己相関係数データは、以下に示す自己相関関数Rを用いて算出する。
このとき、xは抽出信号データ、Nは搬送方向の画素数、τはずれ量となる。
自己相関係数データφは、算出した自己相関関数Rを用いて、以下のように算出する。
自己相関係数データの中で、相関係数の大きい値となるτは、周期性のある間隔を示している。相関係数の大きくなるτが、ドラムの周囲長と一致する場合、ドラム傷があると判定することができる。なお、R(0)が0となる場合、自己相関係数データが算出できないため、自己相関係数データφは0とする。
これにより、図9の領域Aでは、最大値の抽出信号データに関する自己相関係数データ909は、ドラムの周囲長で相関係数が高くなる。また、図9の領域Aでは、最小値の抽出信号データに関する自己相関係数データ910は、R(0)が0になるため、ドラムの周囲長での相関係数は低くなる。同様に、図10の領域Bでは、最小値の抽出信号データに関する自己相関係数データ1010は、ドラムの周囲長で相関係数が高くなり、最大値の抽出信号データに関する自己相関係数データ1009は、R(0)が0になる。このため、ドラムの周囲長での相関係数は低くなる。
次に、ステップS407にて、画像診断部126は、算出した自己相関係数データについて、分割した領域毎に既知のドラムの周囲長に対応する画素の相関係数が、閾値を超えているかを判定し、判定結果を画像特徴量308として記憶装置121に保存する。なお、判定に用いる閾値は、予め決められた値とする。本実施形態における閾値は、統計的に相関性があると判断できる0.3とするが、これに限られるものではなく、例えば、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
図11は、ドラム傷の特徴となる信号データと相関係数との対応によりドラム傷を分類する表である。
具体的には、輝度の最大値または最小値の信号データの変化において、ドラムの周囲長における自己相関係数が閾値を超えたか否かに応じてドラム傷の有無及び種別を分類した表である。最小値及び最大値の信号データのいずれにおいても、自己相関係数が閾値を超えない場合は、ドラム傷が発生していないと判定する。最大値の信号データの変化において、自己相関係数が閾値を超えた場合は、ドラム傷が発生しており、それはドラムの中心方向に対して傷の深さが浅い傷であると判定する。
また、最小値の信号データの変化において、自己相関係数が閾値を超えた場合は、ドラム傷が発生しており、それはドラムの中心方向に対して傷の深さが深い傷であると判定する。本実施形態において、画像特徴量308として、分割した全ての領域でドラム傷が発生していない場合は0を記憶する。また、いずれかの領域でドラム傷が発生している場合は、判定した色、及び判定した最大値または最小値の相関係数を記載した情報を特徴量として記憶する。また、同一の色で、最小値及び最大値の両方において相関係数が高い場合は、いずれの情報も画像特徴量308として記憶するものとする。
<故障箇所診断処理について>
次に、画像診断処理(図3)のステップS307の故障箇所診断処理の詳細について、図5を用いて説明する。
故障箇所診断処理は、ステップS306で算出した画像特徴量308を用いて、具体的な現象と故障部品を診断するための処理である。故障箇所診断処理は、画像診断部126にて制御される。
図5に示す処理のうち、ステップS501〜ステップS506の処理は、コントローラ102内のCPU103が実行することにより実現され、取得されたデータは、記憶装置121に保存される。まず、ステップS501にて、画像診断部126は、ステップS306で算出した、判定している色に関する画像特徴量308を取得する。ステップS502にて、画像診断部126は、ステップS501で取得した画像特徴量308に含まれる情報から、輝度の最小値の信号データの変化において、ドラムの周囲長の周期性があるか否かを判定する。
ドラムの周囲長の周期性があると判定された場合は、処理はステップS503に進む。ステップS503にて、画像診断部126は、判定している色の感光体ドラムにおいて深いドラム傷があると判定する。そして、ステップS506にて、判定結果を出力する。なお、ステップS503の処理の後に、ステップS504に進み、浅いドラム傷があるか否かを判定してもよい。ドラムの周囲長の周期性がないと判定された場合は、処理はステップS504に進む。
ステップS504にて、画像診断部126は、ステップS501で取得した画像特徴量308に含まれる情報から、輝度の最大値の信号データの変化において、ドラムの周囲長の周期性があるか否かを判定する。ドラムの周囲長の周期性があると判定された場合は、処理はステップS505に進む。ステップS505にて、画像診断部126は、判定している色の感光体ドラムにおいて浅いドラム傷があると判定する。そして、ステップS506にて、判定結果を出力する。
ステップS506にて、今まで判定した結果を故障箇所診断結果309として出力する。なお、画像特徴量308に含まれる情報からドラム傷が発生していないと判定される場合は、判定している色に係る感光体ドラムにおいてドラム傷がないことを故障箇所診断結果として出力する。
本実施形態では、ドラム傷を診断するために、ドラム傷の特徴となる信号データを抽出し、抽出した信号データに対して感光体ドラムの周囲長の周期性があるか否かの判定を行った。ドラム傷の特徴となる信号データは、以下のように求めた。スキャン画像を搬送方向に領域分割し、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素の輝度の最大値及び最小値を算出した。そして、最大値及び最小値のそれぞれにおいて前画素との差分を算出し、差分量が閾値を超えた信号がドラム傷の特徴を有する信号とした。
また、感光体ドラムの周囲長の周期性があるか否かの判定は、以下のように行った。抽出したドラム傷の特徴となる信号データに対して自己相関解析を行い、相関係数がドラムの周囲長の周期性で高くなっているか否かを判定し、ドラムの周囲長の周期性で高くなっている場合にドラム傷があると判定した。なお、本実施形態で説明した方法に限らず、ドラム傷の特徴となる信号データを抽出し、感光体ドラムの周囲長の周期性を判定できる方法であれば、どのような方法であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、例えば濃度ムラのようにドラム傷と同じように周期性をもった現象に影響されることなく、ドラム傷が原因となる異常画像を高精度に特定することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、ドラム傷を診断するために、ドラム傷の特徴となる信号データを抽出し、抽出した信号データに対して感光体ドラムの周囲長の周期性があるか否かの判定を行った。これに対して、本実施形態では、領域分割において、第1実施形態とは異なる方法を用いる。
例えば、診断用スキャン画像を読み込む際に、原稿に傾きが生じた場合に、第1実施形態に係る領域分割の方法では、異常画像(黒ベタや白抜け)の発生領域が異なる分割領域に存在することがありうる。周期的な異常画像が、異なる領域に存在する場合に、その周期性を解析することができず、解析精度が低下してしまう。
また、原稿の傾き以外の要因として、例えば、スキャン時の読み取りのばらつきの影響により、異なる領域に周期的な異常画像が存在してしまうこともある。本実施形態では、このように、スキャンした原稿の傾きやスキャン時の読み取りばらつきの影響を受けずにドラム傷を解析可能とする。なお、本実施形態における画像診断処理及び故障箇所診断処理は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。本実施形態では、第1実施形態との差異のみについて説明する。
本実施形態における画像解析処理について図4を用いて説明する。
本実施形態における画像解析処理は、画像診断部126にて制御される。ステップS401〜ステップS407の処理は、コントローラ102内のCPU103が実行することにより実現され、取得されたデータは、記憶装置121に保存される。ステップS402にて、画像診断部126は、ステップS401で取得した診断用スキャン画像の領域分割を行う。本実施形態に係る領域分割の方法について、図12を用いて説明する。
図12(A)は、第1実施形態のように領域分割した場合に、領域の境界上にドラム傷による異常画像が発生した場合を示す図である。
図12(A)では、スキャンした原稿の傾きの影響等を受けて、異なる領域にドラム傷による黒ベタ領域1201及び1202が発生している。分割した領域毎に周期性を解析する場合に、黒ベタ領域1201及び1202の周期性が判定できなくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、図12(B)のように隣接する領域において、予め決められた領域を互いに含む(重複する)ように領域を分割する。図12(B)の領域Aには、同一のドラム傷による異常画像である、黒ベタのドラム傷発生領域1203及び1204が存在し、領域Bには、黒ベタのドラム傷発生領域1204のみが存在する。これにより、領域Aに対して第1実施形態と同様に画像解析処理を実行することで、黒ベタのドラム傷発生領域1203及び1204による、感光体ドラムの周囲長の周期性を確認することができる。
このように、本実施形態では、隣接する領域において予め決められた領域を互いに含めるように領域を分割し、画像解析処理を行った。これにより、スキャンした原稿の傾きの影響やスキャン時の読み取りばらつきの影響を受けずに、ドラム傷による周期的な異常画像を同一の領域に含めて解析できる。なお、上述した方法に限らず、スキャンした原稿の傾きの影響やスキャン時の読み取りばらつきの影響を受けずに、ドラム傷による周期的な異常画像を同一の領域に含めて解析できる方法であれば、どのような方法でもよい。
(第3実施形態)
第2実施形態では、スキャンした原稿の傾きの影響やスキャン時の読み取りばらつきの影響を受けずに、異常画像からドラム傷を解析する方法について説明した。これに対して、本実施形態では、計算量を削減しながら解析精度を落とさずに異常画像からドラム傷を解析する方法について説明する。
なお、本実施形態における画像診断処理及び故障箇所診断処理は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態との差異のみについて説明する。
本実施形態における画像解析処理について、図4を用いて説明する。
本実施形態における画像解析処理は、画像診断部126にて制御される。ステップS401〜ステップS407の処理は、コントローラ102内のCPU103が実行することにより実現され、取得されたデータは、記憶装置121に保存される。
ステップS403にて、画像診断部126は、ステップS402で分割した領域毎に、搬送方向に対して垂直方向、かつ予め決められた複数行毎に輝度の最大値及び最小値を算出する。そして、搬送方向に時系列データとなる最大値の信号データ及び最小値の信号データを算出する。本実施形態における最大値及び最小値の信号データの算出方法について、図13を用いて説明する。
図13(A)は、第1実施形態で説明した方法により算出した領域Aの最大値の信号データを示す図である。搬送方向に対して垂直方向に位置する1行毎の画素に対する最大値を算出し、算出した最大値を搬送方向に並べたデータを1つの信号データ(最大値の信号データ)としている。これに対して、図13(B)は、本実施形態で説明した方法により算出した領域Aの最大値の信号データを示す図である。搬送方向に対して垂直方向に位置する2行毎の画素に対する最大値を算出し、算出した最大値を搬送方向に並べたデータを1つの信号データ(最大値の信号データ)としている。
これにより、1つの信号データに含まれるデータ点が減り、全体の計算量を削減することが可能となる。なお、本実施形態では、2行毎に1つのデータ点を算出しているが、これに限られるものではなく、他の画像形成部材のピーク値とドラムの周囲長のピーク値が同じにならなければ、3行以上の複数行毎に1つのデータ点としてもよい。
このように、本実施形態では、輝度の最大値及び最小値を並べた信号データの算出時に、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素列の複数行毎に1つのデータ点を生成する。これにより、計算量を削減することが可能となる。なお、本実施形態に限らず、計算量を削減してドラム傷を解析できる方法であれば、どのような方法でもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
101 MFP
103 CPU
126 画像診断部

Claims (11)

  1. 画像を記録材の搬送方向に複数の領域に分割する分割手段と、
    前記領域ごとに、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素の輝度の最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向に並べた第1のデータを生成する生成手段と、
    前記第1のデータに基づき、前記領域のうち少なくとも1つに周辺画素との差分が大きい点が、感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出された場合に、ドラム傷が存在すると判定する判定手段と、を備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1のデータに対して、当該第1のデータの各点と1つ前の点との差分を求めた第2のデータを生成する差分抽出手段と、
    前記第2のデータの各点の値が所定の閾値以上の場合に当該値を0とする第3のデータを生成する閾値処理手段と、をさらに備え、
    前記判定手段は、前記第3のデータを用いて、前記周辺画素との差分が大きい点が、前記感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出されるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記判定手段は、前記第3のデータに対して自己相関解析を行うことにより、周辺画素との差分が大きい点が、前記感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出されるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記分割手段は、前記画像を搬送方向に複数の領域に分割する際に、各領域が隣接する領域と所定の幅で重複するように分割する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記領域ごとに、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素列に含まれる画素の輝度のうち最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向に並べて第1のデータを生成する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、複数の前記画素列に含まれる画素の輝度のうち最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向に並べて第1のデータを生成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記判定手段は、前記第1のデータが前記輝度の最大値を用いて生成された場合であって、前記周辺画素との差分が大きい点が、前記感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出される場合に、傷の深さがドラムの中心方向に浅いドラム傷が存在すると判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記判定手段は、前記第1のデータが前記輝度の最小値を用いて生成された場合であって、前記周辺画素との差分が大きい点が、前記感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出される場合に、傷の深さがドラムの中心方向に深いドラム傷が存在すると判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記判定手段の判定結果を表示する表示手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記判定結果に基づき、異常画像の原因がドラム傷によるものか否かを示すメッセージ、判定結果を示すコード化された情報、及び交換ユニットを示す情報のうち少なくとも1つを表示する
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 画像を記録材の搬送方向に複数の領域に分割する分割工程と、
    前記領域ごとに、搬送方向に対して垂直方向に位置する画素の輝度の最大値または最小値を求め、当該最大値または最小値を搬送方向に並べた第1のデータを生成する生成工程と、
    前記第1のデータに基づき、前記領域のうち少なくとも1つに周辺画素との差分が大きい点が、感光体ドラムの周囲長の周期で繰り返し検出された場合に、ドラム傷が存在すると判定する判定工程と、を備える
    ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置が備える各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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