下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の接点構造1aについて、図1A、1B、2、3A〜3Cに基づいて説明する。図1Aは、図2のX−X線断面図である。
接点構造1aは、例えば、電磁リレー、ブレーカ、スイッチ装置等に使用できる。
接点構造1aは、導電板2と、接点部材3と、を備える。導電板2は、厚さ方向に貫通する貫通孔23が形成されている。接点部材3は、導電板2に固定されている。接点部材3は、接点部31と、かしめ部32と、中間部33と、を有する。接点部31は、導電板2の厚さ方向の第1面21に配置されている。接点部31は、導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きい。かしめ部32は、導電板2の厚さ方向の第2面22に配置されている。かしめ部32は、導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きい。中間部33は、接点部31とかしめ部32との間に介在し貫通孔23内に配置されている。接点構造1aは、フィレット部4を更に備える。フィレット部4は、導電板2の第1面21と接点部31の側面313とに跨って形成されている。フィレット部4は、接点部31から離れるにつれて第1面21からの高さが徐々に低くなっている。フィレット部4のうち導電板2の厚さ方向から見て接点部31から離れた外周部41の表面411は、導電板2の第1面21に沿って接点部31から離れる方向においてフィレット部4と第1面21との間に段差が生じないように、第1面21に対して傾斜し、かつ、導電板2の一部により形成されている。
以上の構成により、接点構造1aは、導電板2の第1面21と接点部31の側面313とに跨って形成され、接点部31から離れるにつれて第1面21からの高さが徐々に低くなっているフィレット部4を更に備える。ここにおいて、フィレット部4のうち導電板2の厚さ方向から見て接点部31から離れた外周部41の表面411は、第1面21に沿って接点部31から離れる方向においてフィレット部4と第1面21との間に段差が生じないように、第1面21に対して傾斜し、かつ、導電板2の一部により形成されている。これにより、接点構造1aは、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる。
接点構造1aの各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
接点構造1aは、導電板2と、導電板2に固定された接点部材3と、を備える。ここで、接点構造1aは、導電板2と接点部材3とが電気的に接続されている。
導電板2は、導電性材料(例えば、銅合金等)により形成されている。導電板2は、長尺の板状に形成されている。導電板2は、厚さ方向に貫通する貫通孔23が形成されている。導電板2の厚さ方向から見た貫通孔23の形状は、円形状であるのが好ましい。
接点部材3は、導電性材料(例えば、銅合金等)により形成されている。接点構造1aでは、接点部材3と導電板2とが互いに組成の異なる導電性材料により形成されているのが好ましい。例えば、接点部材3と導電板2とが互いに組成の異なる銅合金により形成されているのが好ましい。ここでいう「組成の異なる」とは、複数の構成元素の全てが同じでかつ組成比が異なる場合、異なる構成元素がある場合を含む。接点部材3と導電板2とは、組成が同じでかつ添加物が異なる導電性材料により形成されていてもよい。
接点部材3は、導電板2の第1面21に配置されている接点部31と、導電板2の第2面22に配置されているかしめ部32と、接点部31とかしめ部32との間に介在し貫通孔23内に配置されている中間部33と、を備える。
接点部31は、円盤状に形成されている。接点部31は、導電板2の厚さ方向から見て円形状である。接点部31は、導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きい。要するに、接点部31は、導電板2の第1面21側において貫通孔23を塞いでいる。接点部31における導電板2とは反対側の表面311は、凸曲面であるのが好ましい。接点部31は、導電板2側の裏面312が、導電板2の第1面21における貫通孔23の周部に接している。
かしめ部32は、円盤状に形成されている。かしめ部32は、導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きい。要するに、かしめ部32は、導電板2の第2面22側において貫通孔23を塞いでいる。かしめ部32は、導電板2の厚さ方向から見て接点部31よりも小さいのが好ましい。
中間部33は、円柱状に形成されている。中間部33は、軸方向が導電板2の厚さ方向に沿うように配置されている。中間部33は、導電板2の厚さ方向から見て接点部31及びかしめ部32より小さい。中間部33は、導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23と略同一の大きさであるのが好ましい。要するに、中間部33の外径は、貫通孔23の内径と略同一であるのが好ましい。
フィレット部4は、導電板2の第1面21と接点部31の側面313とに跨って形成されている。フィレット部4は、接点部31から離れるにつれて導電板2の第1面21からの高さが徐々に低くなっている。フィレット部4のうち導電板2の厚さ方向から見て接点部31から離れた外周部41の表面411は、導電板2の第1面21に沿って接点部31から離れる方向においてフィレット部4と第1面21との間に段差が生じないように、第1面21に対して傾斜している。要するに、フィレット部4の表面は、導電板2の第1面21と滑らかに連続している。また、フィレット部4は、導電板2の一部により形成されている。ここでいう導電板2の一部は、導電板2において第1面21から突出している部分である。接点部31の周方向に直交する断面におけるフィレット部4の形状は、三角形状であるのが好ましい。ここでいう三角形状は、導電板2の第1面21に沿った第1辺、接点部31の側面313に沿った第2辺、フィレット部4の表面に沿った第3辺、を有する。第3辺は、直線に限らず、曲線でもよいし、直線と曲線との組み合わせでもよい。
接点構造1aでは、接点部材3は、フィレット部4のうち導電板2により形成されている部分によって導電板2にかしめ固定されているのが好ましい。これにより、接点構造1aは、フィレット部4と接点部材3の接点部31との密着性を向上させることが可能となる。
接点構造1aでは、フィレット部4のうち導電板2により形成されている部分は、スピンかしめによって塑性変形しているのが好ましい。これにより、接点構造1aは、フィレット部4と接点部材3の接点部31との密着性をより向上させることが可能となる。
上述のように、接点部31は、導電板2の厚さ方向から見て円形状であるのが好ましい。ここにおいて、フィレット部4は、接点部31の周縁の少なくとも一部に沿って形成されているのが好ましい。これにより、接点構造1aは、導電板2の厚さ方向からみて、接点部31とフィレット部4との並んでいる方向への熱伝導性を向上させることが可能となる。
接点構造1aでは、フィレット部4は、導電板2の厚さ方向から見て円環状であるのが好ましい。要するに、フィレット部4は、接点部31の周縁の全体に沿って形成されているのが好ましい。これにより、接点構造1aは、接点部31から導電板2への熱伝導性をより向上させることが可能となる。より詳細には、接点構造1aは、導電板2の厚さ方向から見て、接点部31を中心として全方向への熱伝導性を向上させることが可能となる。
以下、接点構造1aの製造方法の一例について図3A〜3Cに基づいて説明する。
接点構造1aの製造方法は、第1工程、第2工程及び第3工程を順次行う。
第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2に導電板2の第1面21から突出する突起24を形成する(図3A参照)。
第1工程では、貫通孔23の形成にあたって、例えば、導電板2における貫通孔23の形成予定領域を導電板2の第1面21側又は第2面22側から穴あけ用のパンチ(punch)等の工具によって打ち抜く打ち抜き加工を行う。
また、第1工程では、導電板2の一部を第2面22から第1面21側へ打ち出すことにより突起24を形成する。第1工程では、突起24を、導電板2の第1面21において貫通孔23の周囲の全周に亘って形成する。つまり、第1工程では、導電板2の厚さ方向から見て円環状の突起24を形成する。第1工程では、突起24の形成にあたって、例えば、導電板2における突起24の形成予定領域を導電板2の第2面から第1面21側へ押し出し用のパンチ等の工具によって打ち出す打ち出し加工を行う。これにより、導電板2の第1面21から突出する突起24が形成され、かつ、導電板2の第2面22に、突起24に一対一に対応する凹部25が形成される。つまり、凹部25は、導電板2の厚さ方向から見て円環状である。第1工程では、突起24を形成する際に、貫通孔23の中心から接点部31の半径よりも離れた位置に突起24を形成する。突起24は、貫通孔23の周方向に沿った方向における断面が逆V字状である。ここで、突起24は、貫通孔23に近い側の内側面241と、貫通孔23から遠い側の外側面242と、を有する。導電板2の第1面21と突起24の内側面241とのなす角度は、鈍角である。また、導電板2の第1面21と突起24の外側面242とのなす角度は、鈍角である。
第2工程では、第1ステップ、第2ステップを順次行う。
第1ステップでは、接点部材3の元になるリベット状の導電部材30を準備する。導電部材30は、頭部301と、軸部302と、を有する。導電部材30の頭部301は、接点部材3の接点部31を構成する。導電部材30の軸部302は、頭部301と一体に形成されている。軸部302は、接点部材3の中間部33とかしめ部32との元になる。
第1ステップでは、リベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させる(図3B参照)。
第2ステップでは、導電部材30の軸部302のうち導電板2の第2面22から突出する先端321を塑性変形させることによりかしめ部32を形成する(図3C参照)。第2ステップでは、例えば、導電部材30の頭部301を受け部材で支持しながら、軸部302の先端321を押圧用のパンチ等で押圧して押し潰すように塑性変形させることにより、かしめ部32を形成する。第2ステップでは、軸部302の先端321を導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きくなるように塑性変形させることにより、かしめ部32を形成する。これにより、軸部302のうち、かしめ部32以外の部分が中間部33を構成する。かしめ部32を形成する際の受け部材は、接点部材3及び導電板2よりも硬い。ここにおいて、受け部材は、例えば、炭素鋼等により形成されている。かしめ部32を形成する際の工具は、パンチに限らず、適宜のかしめ工具等でもよい。
第3工程では、突起24を塑性変形させることにより、フィレット部4を形成する(図1A及び1B参照)。ここにおいて、第3工程では、突起24を接点部31の側面313側へ倒すように塑性変形させることにより、フィレット部4を形成する。言い換えれば、第3工程では、突起24の先端を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する。第3工程では、スピンかしめによって突起24を塑性変形させるのが好ましい。
スピンかしめを行うにあたっては、導電板2の第2面22を受け部材で支持しながら、突起24の外側面242側をスピンかしめ用のパンチにより押圧することで突起24を塑性変形させ、接点部31をかしめ固定する。ここにおいて、受け部材は、例えば、炭素鋼等により形成されている。また、パンチは、例えば、炭素鋼等により形成されている。第3工程では、パンチを用いて突起24の内側面241と外側面242とのうち外側面242のみを押圧するようにパンチを揺動させながら、パンチを接点部材3の中心軸のまわりで回転させる。これにより、第3工程では、突起24を塑性変形させてフィレット部4を形成する。
以上説明した本実施形態の接点構造1aの製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を含む。第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2の一部からなり接点部31と重ならない位置で導電板2の第1面21から突出した突起24を、導電板2の第2面22の一部を押すことにより形成する。第2工程では、接点部材3の元になるリベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させて軸部302のうち第2面22から突出する先端を導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きくなるように塑性変形させることによりかしめ部32を形成する。第3工程では、突起24を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する。
したがって、本実施形態の接点構造1aの製造方法は、フィレット部4を形成することにより、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成されるのを抑制することが可能となる。よって、本実施形態の接点構造1aの製造方法は、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる接点構造1aを提供できる。
接点構造1aの製造方法では、特許文献1の電気接触子のように突壁部が端子板(導電板)の表面(第1面)から所定幅で突出している場合と比べて、突出している部分(突起24)の剛性が低く、突起24を、より小さい押圧力で、より容易に塑性変形させることが可能となる。
ところで、図4Aに示すように、フィレット部4を備えていない比較例の接点構造1rでは、図4Bに示すように、接点部31の外周部と導電板2の第1面21との間に隙間が形成されやすいという知見を得た。比較例の接点構造1rでは、接点部31の直径φが3.5mmの場合であり、導電板2の厚さ方向における隙間の長さL1が50μm程度であった。
これに対して、本実施形態の接点構造1aは、導電板2の第1面21と接点部31の側面313とに跨って形成され、接点部31から離れるにつれて第1面21からの高さが徐々に低くなっているフィレット部4を備えている。これにより、接点構造1aは、接点部31の外周部と導電板2の第1面21との間に隙間が形成されている比較例の接点構造1rと比べて、接点部材3における接点部31と導電板2との接触面積を大きくすることが可能となる。よって、接点構造1aは、接点部31から導電板2への熱伝導性を向上させることが可能となる。
また、接点構造1aでは、フィレット部4のうち導電板2の厚さ方向から見て接点部31から離れた外周部41の表面411は、第1面21に沿って接点部31から離れる方向においてフィレット部4と第1面21との間に段差が生じないように、第1面21に対して傾斜し、かつ、導電板2の一部により形成されている。これにより、接点構造1aは、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる。
以下では、本実施形態の接点構造1aを備える電磁リレー5について図5A及び5Bに基づいて説明する。
電磁リレー5は、例えば、直流回路の電流を入り(投入)・切り(遮断)する用途等にも用いることができる。
電磁リレー5は、接点装置6と、電磁石装置7と、を備える。また、電磁リレー5は、接点装置6、電磁石装置7等を収納している筐体を更に備えるのが好ましい。筐体は、ボディ81と、ボディ81に結合されたカバーと、を備える。ボディ81は、例えば、扁平な直方体状に形成されている。ボディ81は、例えば、電気絶縁性を有するのが好ましい。ボディ81は、例えば、合成樹脂により形成されている。カバーは、ボディ81側の一面が開口した矩形箱状に形成されている。カバーは、例えば、合成樹脂により形成されている。
接点装置6は、固定接点61(接点部31)と、固定接点61が固定された第1導電板62(導電板2)と、可動接点63と、可動接点63が固定された第2導電板64と、を備える。
電磁リレー5は、第1導電板62が電気的に接続された第1端子91と、第2導電板64が電気的に接続された第2端子92と、を更に備える。ここにおいて、第1端子91は、第1導電板62と一体に形成されているが、これに限らず、第1導電板62と別体に形成され第1導電板62に接続されていてもよい。第1端子91及び第2端子92は、ボディ81に固定されている。
また、第2導電板64は、ばね変形可能な板ばねであり、可動接点63が固定接点61に接触する第1位置(閉位置)と、可動接点63が固定接点61から離れた開位置(第2位置)との間で可動接点63を移動させるように撓み可能に構成されている。
電磁石装置7は、コイル71と、固定子72と、接極子(アーマチュア)73と、ヨーク(継鉄)74と、ヒンジばねと、を備えている。固定子72、接極子73及びヨーク74は、いずれも磁性材料により形成されている。
電磁石装置7は、コイル71が巻回されるコイルボビン76を更に備える。コイルボビン76は、円筒状に形成されている。コイルボビン76は、電気絶縁性を有する。コイルボビン76は、例えば、合成樹脂により形成されている。コイルボビン76は、その軸方向がボディ81の厚さ方向と一致するように配置されている。
コイル71は、コイルボビン76の外周面に電線(例えば、銅線)を巻き付けることで構成されている。コイル71は、通電されることにより、磁束を発生する。電磁リレー5は、コイル71の第1端が接続される第1コイル端子93と、コイル71の第2端が接続される第2コイル端子94と、を更に備えている。第1コイル端子93及び第2コイル端子94は、コイルボビン76とボディ81とに固定されている。
固定子72は、固定鉄芯である。固定子72は、円柱状に形成されている。固定子72は、その軸方向の第1端721及び第2端722をコイルボビン76から露出させる形で、コイルボビン76の中空部に挿通されている。ここにおいて、固定子72の第1端721は、ヨーク74に固定されている。また、固定子72の第2端722は、接極子73と対向する。
接極子73は、L字状に形成されている。接極子73は、第1端731と、第2端732と、を有する。接極子73の第1端731は、固定子72の第2端722と対向する。接極子73の第2端732は、ヨーク74と対向する。接極子73は、その中間部733を支点として、第1端731が固定子72の第2端722に接触する第1位置と、第1端731が固定子72の第2端722から離れる第2位置との間で回転可能に構成されている。
ヨーク74は、コイル71に通電されたときにコイル71に生じる磁束が通る磁路を、固定子72及び接極子73と共に構成する。ヨーク74は、第1ヨーク片741と、第2ヨーク片742と、を備えている。第1ヨーク片741及び第2ヨーク片742は、いずれも矩形板状に形成されている。第1ヨーク片741は、その厚さ方向がボディ81の厚さ方向に揃うようにボディ81に固定されている。ここにおいて、第1ヨーク片741には、固定子72の第1端721が固定されている。第2ヨーク片742は、コイル71の側方においてコイル71から離れて配置されている。ここにおいて、第2ヨーク片742は、その長手方向が固定子72の軸方向と略平行となるように配置されている。第1ヨーク片741と第2ヨーク片742とは、一体に形成されている。
電磁リレー5は、所謂ヒンジ型リレーであり、ヒンジばねを備えている。ヒンジばねは、板ばねである。ヒンジばねは、一端がヨーク74に結合され、かつ、他端が接極子73に取り付けられている。ヒンジばねは、接極子73の第1端731を固定子72の第2端722から離す向きの力を接極子73に与える機能を有する。
電磁リレー5は、接極子73の第2端732から第2導電板64に向かう方向に突出し第2導電板64に接する突部77を備えている。
電磁リレー5では、接極子73の第1端731が固定子72の第2端722から離れた第2位置から第1位置となるように回転することにより、突部77が第2導電板64を押しこむようになっている。
以下、本実施形態の電磁リレー5の動作について説明する。
ここで、接点装置6がオフ状態(可動接点63が固定接点61から離れた状態)であると仮定する。このとき、接極子73では、第1端731が固定子72の第2端722から離れている。このため、突部77は、第2導電板64を押し込んでいない。したがって、電磁リレー5では、接点装置6がオフ状態のとき、第1導電板62と第2導電板64との間は非導通である。よって、第1端子91と第2端子92との間は非導通である。
ここで、コイル71に電流が流れることにより、コイル71が第1の磁束を発生する。すると、接極子73と固定子72との間に磁気吸引力が生じ、接極子73の第1端731が固定子72の第2端722に引き寄せられ、第1位置に移動する。
これにより、接極子73の第2端732が突部77を接点装置6側へ移動させる。このとき、突部77により第2導電板64を押し込むので、可動接点63が固定接点61に接触する閉位置となるように第2導電板64が変形する。したがって、電磁リレー5では、接点装置6がオン状態(可動接点63が固定接点61に接触する状態)となる。これにより、電磁リレー5では、第1導電板62と第2導電板64との間が導通するので、第1端子91と第2端子92との間が導通する。
次に、コイル71への電流の供給が停止されると、接極子73の第1端731と固定子72の第2端722との間の磁気吸引力がなくなるので、接極子73の第1端731が固定子72の第2端722から離れる。このとき、可動接点63が固定接点61から離れるように突部77が移動するので、接点装置6がオフ状態となる。
電磁リレー5は、例えば、電気自動車等において使用することができる。この場合、例えば、電磁リレー5は、走行用のバッテリから負荷(例えば、LEDランプ、インバータ等)への直流電力の供給路に設けることができる。電磁リレー5は、バッテリから負荷への直流電力の供給状態を切り替えることができる。
ところで、電磁リレー5では、接点装置6をオン状態からオフ状態へ移行させるために電磁石装置7が例えば制御装置により制御された場合(コイル71への通電状態が制御された場合)、可動接点63が固定接点61から離れるときにアークが発生することがある。ここで、電磁リレー5において接点構造1aの代わりに図4に示した比較例の接点構造1rを備えている場合、接点部31(固定接点61)の外周部と導電板2(第1導電板62)の第1面21との間に隙間が形成されているので、接点部31から導電板2への熱伝導性が低下する。このため、アークが発生したときに導電板2から発生する金属蒸気が発生しにくくなり、アークが伸長されにくくなる。よって、比較例の接点構造1rを備えた電磁リレーでは、遮断性能が低下し、電流を遮断できないことがある。
これに対して、接点構造1aを備える電磁リレー5は、フィレット部4を有する接点構造1aを備えているので、アークを所定の方向に伸長させることが可能となり、遮断性能を向上させることが可能となる。
以上説明した電磁リレー5は、固定接点61と、可動接点63と、可動接点63を固定接点61に接触する第1位置と固定接点61から離れた第2位置との間で移動させるための電磁石装置7と、を備える。ここにおいて、固定接点61は、接点構造1aにおける接点部31により構成されている。これにより、電磁リレー5は、固定接点61が、接点構造1aにおける接点部31により構成されているので、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる。これにより、電磁リレー5では、電磁石装置7により可動接点63を固定接点61に接触する第1位置から固定接点61から離れる第2位置に移動させたときに、アークが導電板2の第1面21に沿った所定方向D1(所定のアーク伸長方向)に伸長しやすくなり、遮断性能を向上させることが可能となる。
電磁リレー5では、接点部31を基準として導電板2の第1面21の全方向にフィレット部4が形成されている場合に限らず、例えば、接点部31を基準として、接点部31から導電板2の第1面21に沿ってアークを伸長させたい方向にフィレット部4が形成されていればよい。
図6は、実施形態1の変形例1の接点構造1bの平面図である。変形例1の接点構造1bの基本構成は、実施形態1の接点構造1aと同じである。変形例1の接点構造1bに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1bは、接点構造1aと比べて、導電板2の幅(短手方向の長さ)が狭い。
接点構造1bでは、フィレット部4は、導電板2の厚さ方向から見て円弧状であるのが好ましい。これにより、接点構造1bは、導電板2の厚さ方向から見てフィレット部4が円環状に形成された接点構造1aと比べて、フィレット部4の占有領域を低減できる。これにより、接点構造1bは、接点構造1aと比べて、導電板2の幅を狭くすることが可能となる。
接点構造1bにおける円弧状のフィレット部4の長さは、平面視において接点部31の円周の略4分の1の長さである。
接点構造1bは、フィレット部4が複数設けられている。ここにおいて、接点構造1bでは、複数(図示例では、2つ)のフィレット部4が、導電板2の厚さ方向から見て回転対称性を有するように配置されている。これにより、接点構造1bは、導電板2の厚さ方向から見て円弧状であるフィレット部4が1つの場合と比べて、熱伝導性を向上させることが可能な方向を増やすことが可能となる。また、電磁リレー5は、接点構造1aの代わりに接点構造1bを備えることにより、導電板2の第1面21に沿ってアークを伸長させたい方向が逆(接点部31に対して所定方向D1と逆の方向)になった場合でもアークを伸長させやすくなる。
図7は、実施形態1の変形例2の接点構造1cの平面図である。変形例2の接点構造1cの基本構成は、変形例1の接点構造1bと同じである。変形例2の接点構造1cに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1cは、導電板2の厚さ方向から見た円弧状のフィレット部4の長さが、変形例1の接点構造1bと比べて短い。また、接点構造1cは、2つのフィレット部4が、導電板2の厚さ方向から見て導電板2の長手方向及び短手方向の両方に交差する方向に並んでいる。ここにおいて、接点構造1cでは、2つのフィレット部4が、導電板2の厚さ方向から見て回転対称性を有するように配置されている。
図8は、実施形態1の変形例3の接点構造1dの平面図である。変形例3の接点構造1dの基本構成は、変形例2の接点構造1cと同じである。変形例3の接点構造1dに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1dは、フィレット部4が4つ設けられている。接点構造1dでは、4つのフィレット部4が、導電板2の厚さ方向から見て回転対称性を有するように配置されている。
変形例3の接点構造1dでは、変形例2の接点構造1cと比べて、接点部31から導電板2への熱伝導性を向上させることが可能となる。
図9は、実施形態1の変形例4の接点構造1eの要部断面図である。変形例4の接点構造1eの基本構成は、実施形態1の接点構造1aと同じである。接点構造1eに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1eは、カバー層10を更に備える。カバー層10は、フィレット部4の表面に沿って形成され、フィレット部4を覆っている。カバー層10は、導電性を有するのが好ましい。接点構造1eは、フィレット部4の表面に沿って形成されてフィレット部4を覆っているカバー層10を備えることにより、接点部31から導電板2への熱伝導性を更に向上させることが可能となる。ここにおいて、カバー層10は、例えば、はんだにより形成されているのが好ましい。はんだは、フレックスレスはんだであるのが好ましい。カバー層10は、接点部31の表面311から離れているのが好ましい。これにより、接点構造1eは、接点部31の接点としての性能(例えば、接触圧、耐溶着性等)がカバー層10の影響を受けるのを抑制することが可能となる。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の接点構造1fについて、図10、11A及び11Bに基づいて説明する。本実施形態の接点構造1fの基本構成は実施形態1の接点構造1aと同じである。本実施形態の接点構造1fに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1fでは、フィレット部4は、導電板2により形成されている部分42と、接点部材3により形成されている部分43と、を含む。これにより、接点構造1fは、接点構造1aと比べてフィレット部4の体積をより大きくすることが可能となる。接点構造1fでは、導電板2により形成されている部分42の一部が、フィレット部4の外周部41を構成している。
以下、本実施形態の接点構造1fの製造方法について図11A及び11Bに基づいて説明する。接点構造1fの製造方法は、接点構造1aの製造方法と略同じなので、同様の工程については説明を適宜省略する。
接点構造1fの製造方法は、第1工程、第2工程及び第3工程を順次行う。
第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2に導電板2の第1面21から突出する突起24を形成する(図11A参照)。突起24は、フィレット部4のうち導電板2により形成されている部分42の元になる。
第2工程では、第1ステップ、第2ステップを順次行う。
第1ステップでは、接点部材3の元になるリベット状の導電部材30(図11A参照)を準備する。導電部材30は、頭部301と、軸部302と、を有し、接点部31の側面313から導電板2の第1面21に沿って突起24側へ突出する延出部303を更に有している。延出部303は、導電部材30の頭部301における導電板2側の端から頭部301の半径方向外向きへ延びている。延出部303は、フィレット部4のうち接点部材3により形成されている部分43の元になる。延出部303は、平面視において円環状に形成されている。
第1ステップでは、リベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させる(図11A参照)。
第2ステップでは、導電部材30の軸部302のうち導電板2の第2面22から突出する先端321を塑性変形させることにより、かしめ部32を形成する(図11B参照)。
第3工程では、突起24及び延出部303を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する(図11B参照)。第3工程では、スピンかしめによって突起24及び延出部303を塑性変形させるのが好ましい。
以上説明した本実施形態の接点構造1fの製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を含む。第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2の一部からなり接点部31と重ならない位置で導電板2の第1面21から突出した突起24を、導電板2の第2面22の一部を押すことにより形成する。第2工程では、接点部材3の元になるリベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させて軸部302のうち第2面22から突出する先端を導電板2の厚さ方向から見て貫通孔23よりも大きくなるように塑性変形させることによりかしめ部32を形成する。第3工程では、突起24を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する。リベット状の導電部材30は、接点部31の側面313から突起24側へ突出する延出部303を有している。接点構造1fの製造方法では、突起24及び延出部303を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する。よって、本実施形態の接点構造1fの製造方法では、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる接点構造1fを提供できる。
(実施形態3)
以下では、本実施形態の接点構造1gについて、図12、13A及び13Bに基づいて説明する。本実施形態の接点構造1gの基本構成は実施形態1の接点構造1aと同じである。本実施形態の接点構造1gに関し、実施形態1の接点構造1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1gでは、フィレット部4は、導電板2により形成されている部分421と、接点部材3により形成されている部分431と、が混在する。ここにおいて、導電板2により形成されている部分421は、導電板2の第1面21から突出した突起24であり、導電板2の第2面22には、突起24に対応する領域に突起24に一対一に対応する凹部25がある。これにより、接点構造1gは、フィレット部4の形状の再現性を向上させることが可能となる。
以下、本実施形態の接点構造1gの製造方法について図13A及び13Bに基づいて説明する。接点構造1fの製造方法は、接点構造1aの製造方法と略同じなので、同様の工程については説明を適宜省略する。
接点構造1gの製造方法は、第1工程、第2工程及び第3工程を順次行う。
第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2に導電板2の第1面21から突出する突起24を形成する(図12A参照)。
第2工程では、リベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させる(図12A参照)。導電部材30は、導電板2よりも柔らかい。
第3工程では、かしめ部32及びフィレット部4を形成する。ここにおいて、第3工程では、図13A及び13Bに示すように、導電板2の第1面21側で頭部301を受け部材201で支持しながら、軸部302の先端321をパンチ202により押圧することでかしめ部32を形成し、かつ導電板2の第2面22における凹部25の周部を周辺部パンチ203により押圧することで頭部301に突起24を押し当てて、頭部301を変形させることでフィレット部4を形成する。受け部材201は、導電部材30及び導電板2よりも硬い。受け部材201は、頭部301を入れる凹部2011が形成されている。凹部2011は、フィレット部4を逃がすことができる形状に形成されている。「フィレット部4を逃がすことができる形状」とは、頭部301を変形させることでフィレット部4を形成するときにフィレット部4となる部分を逃がすための空間を有する形状を意味する。
接点構造1gの製造方法では、第1工程、第2工程及び第3工程を順次行うことにより、接点構造1gを製造することができる。
(実施形態4)
以下では、本実施形態の接点構造1hについて、図14A及び14Bに基づいて説明する。本実施形態の接点構造1hの基本構成は実施形態2の接点構造1fと同じである。本実施形態の接点構造1hに関し、実施形態2の接点構造1fと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
接点構造1hは、接点部材3の周辺において導電板2に段差部26が形成されている。段差部26は、導電板2の第2面22において接点部材3から相対的に遠い部位が、中間部33の側方ではなく接点部31の側方に位置するように形成されている。
本実施形態の接点構造1hは、フィレット部4を備えることにより、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる。
以下、本実施形態の接点構造1hの製造方法について説明する。接点構造1hの製造方法は、接点構造1aの製造方法と略同じなので、同様の工程については説明を適宜省略する。
接点構造1hの製造方法は、第1工程、第2工程及び第3工程を順次行う。
第1工程では、導電板2に導電板2の厚さ方向に貫通する貫通孔23を形成し、かつ、導電板2に段差部26を形成する(図14A参照)。
第2工程では、第1ステップ、第2ステップを順次行う。
第1ステップでは、リベット状の導電部材30の軸部302を導電板2の第1面21側から導電板2の貫通孔23に挿通させる(図14A参照)。
第2ステップでは、導電部材30の軸部302のうち導電板2の第2面22から突出する先端321を塑性変形させることにより、かしめ部32を形成する(図14B参照)。
第3工程では、段差部26突起24及び延出部303を接点部31の側面313側へ寄せるように塑性変形させることによりフィレット部4を形成する(図14B参照)。
以上説明した本実施形態の接点構造1hの製造方法は、接点部31と導電板2の第1面21との間に隙間や段差が形成される場合に比較して、接点部31から導電板2への熱伝導性の更なる向上を図ることが可能となる接点構造1hを提供できる。
実施形態1〜4等に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
例えば、接点構造1b、1c、1d、1f、1g、1hのいずれにおいても、接点構造1eのようにカバー層10を備えていてもよい。
電磁リレー5は、電磁石装置7として、永久磁石を備えていない無極型の電磁石装置を採用しているが、これに限らず、例えば、永久磁石を備えた有極型の電磁石装置を採用してラッチング型のリレーを構成してもよい。また、電磁リレー5は、直流回路だけでなく交流回路にも使用してもよい。
また、少なくとも接点構造1a〜1hのいずれか1つを備える電磁リレーは、電磁リレー5のようなヒンジ型リレーに限らず、例えば、いわゆるプランジャ型リレーでもよい。
また、接点構造1a〜1hは、電磁リレー5の固定接点61と第1導電板62とに適用する場合に限らず、可動接点63と第2導電板64とに適用してもよい。