JP2017191846A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度サイクル下において半導体素子と外部電極との間をダイレクトリードボンディング方式により接合している接合部での異常発生が十分に抑制されている半導体装置を提供する。【解決手段】第1主面1A(第1面)を有する半導体素子1と、第1面に面する第4主面2B(第2面)を有する外部電極2と、半導体素子1の第1面と外部電極2の第2面との間に配置されており、第1面に面する第6主面3B(第3面)と、第3面の反対側に位置し、かつ第2面に面する第5主面3A(第4面)とを有する緩衝部材3と、第1面と第3面とを接合している第1接合部材11と、第2面と第4面とを接合している第2接合部材12とを備える。緩衝部材3の熱膨張率は半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との間の値である。緩衝部材3の第3面および第4面の各面積は半導体素子1の第1面の面積の半分未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に半導体素子と外部電極とがダイレクトリードボンディング方式により接合されている半導体装置に関する。
一般的に半導体装置は、半導体素子の表面電極部が外部電極(外部端子)を介して半導体装置の外部と電気的に接続可能に設けられている。従来、半導体素子の表面電極部と外部電極(外部端子)との接続方式として、例えばワイヤボンディング方式およびダイレクトリードボンディング方式が知られている。
ダイレクトリードボンディング方式では、半導体素子の表面電極部と外部電極としてのリードフレームとがはんだなどの接合材を介して直接接合される。一般的に、ダイレクトリードボンディング方式では、半導体素子と熱膨張率の差が大きい材料で構成されているリードフレームが使用される。半導体装置が温度サイクルに曝されたとき等に、半導体素子とリードフレームとの熱膨張率の差に起因して生じる応力は、これらの間を接合する接合材または表面電極部にクラックを生じさせたり、接合材と半導体素子またはリードフレームとの間の剥離を生じさせる。
特開2005‐19694号公報には、ダイレクトリードボンディング方式により接合されたSiチップの電極部と端子部との接合部において、温度サイクルによる破損発生を抑制するため、電極部と端子部との間に応力緩衝部が挿入されたパワーモジュールが開示されている。
特開2005−19694号公報
しかしながら、例えばワイドバンドギャップ半導体からなるパワー半導体素子を備える半導体装置など要求される最大動作温度が比較的高い半導体装置では、使用に際し、パワー半導体素子と外部電極との間をダイレクトリードボンディング方式により接合している接合部に生じる応力も大きくなる。このような半導体装置は、特開2005‐19694号公報に記載の構成を採用しても、接合部に生じる応力を十分に抑制してすることが困難であり、当該接合部においてクラックまたは剥離などの異常発生を抑制することが困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、使用に際して生じる温度サイクル下において、半導体素子と外部電極との間をダイレクトリードボンディング方式により接合している接合部での異常発生が十分に抑制されている半導体装置を提供することにある。
本発明に係る半導体装置は、第1面を有する半導体素子と、第1面に面する第2面を有する外部電極と、半導体素子の第1面と外部電極の第2面との間に配置されており、第1面に面する第3面と、第3面の反対側に位置し、かつ第2面に面する第4面とを有する緩衝部材と、第1面と第3面とを接合している第1接合部材と、第2面と第4面とを接合している第2接合部材とを備える。緩衝部材の熱膨張率は、半導体素子の熱膨張率と外部電極の熱膨張率との間の値であり、緩衝部材の第3面および第4面の各面積は、半導体素子の第1面の面積の半分未満である。
本発明によれば、使用に際して生じる温度サイクル下において、半導体素子と外部電極との間をダイレクトリードボンディング方式により接合している接合部での異常発生が十分に抑制されている半導体装置を提供する。
実施の形態1に係る半導体装置を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の半導体素子、外部電極、および緩衝部材の相対的な位置関係を示すための平面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の半導体素子および緩衝部材の相対的な位置関係を示すための平面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の変形例を示す平面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の変形例を示す平面図である。 実施の形態2に係る半導体装置を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
<半導体装置の構成>
図1および図2を参照して、実施の形態1に係る半導体装置100について説明する。半導体装置100は、半導体素子1、外部電極2、緩衝部材3、DBC(Direct Bond Copper)4、および金属ベース板5と、これらの部材間を接合する接合部材11,12,13,14とを備える。図1は、半導体装置100の断面図である。図2は、半導体素子1、外部電極2、および緩衝部材3の相対的な位置関係を示す平面図である。図2において、半導体装置100を構成する他の部材は図示しない。以下熱膨張率(線膨張係数)の値を示している箇所では、×10-6を省略して記載している。
半導体素子1は、第1主面1A(第1面)と、第1主面1Aの反対側に位置する第2主面1Bとを有している。第1主面1Aの少なくとも一部上には、図示しない表面電極が形成されている。表面電極を含む第1主面1Aの一部領域は、後述する第1接合部材11を介して緩衝部材3の第6主面3B(第3面)と接合されている。第1接合部材11と接合されている第1主面1Aの一部領域は、第1主面1A上において、任意の場所に形成され得るが、好ましくは半導体素子1の第1主面1Aの外周端部よりも内側に位置する領域上に形成されている。第2主面1Bは、後述する第3接合部材13を介してDBC4の第7主面4Aと接合されている。半導体素子1の熱膨張率(線膨張係数)αは、例えば3以上5以下程度である。半導体素子1は、任意の半導体材料で構成された任意の半導体素子であればよいが、例えばSiまたはSiCからなるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ダイオードなどである。
外部電極2は、第3主面2Aと、第3主面の反対側に位置する第4主面2B(第2面)とを有している。第4主面2Bは、半導体素子1の第1主面1A(第1面)に面している。第4主面2Bの一部領域は、後述する第1接合部材11を介して緩衝部材3と接合されている。外部電極2の当該一部領域は、例えば第4主面2Bの外周端部よりも内側に位置している。外部電極2を構成する材料は、導電性を有する任意の材料であればよいが、例えば銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含んでいる。外部電極2の熱膨張率(線膨張係数)αは、例えば17以上21以下程度である。外部電極2の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率よりも大きい。
緩衝部材3は、第5主面3A(第4面)と、第5主面3Aの反対側に位置する第6主面3B(第3面)とを有している。第6主面3Bは、半導体素子1の第1主面1A(第1面)に面している。第5主面3Aは、外部電極2の第4主面2B(第2面)に面している。緩衝部材3の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との間の値であり、具体的には、半導体素子1の熱膨張率よりも大きく外部電極2の熱膨張率よりも小さい。好ましくは、緩衝部材3の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率および外部電極2の熱膨張率の平均値の−30%以上+20%以下(平均値の70%以上120%以下)の値である。異なる観点から言えば、緩衝部材3の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との中間値の−30%以上+20%以下の値であるのが好ましい。
緩衝部材3を構成する材料は、その熱膨張率が半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との間の値を示し、かつ導電性を有する任意の材料であればよく、例えばCIC(Copper Invar Copper)や銅モリブデン(CuMo)、クロム銅(CuCr)などの合金である。上述のように、緩衝部材3の第6主面3Bは、第1接合部材11を介して半導体素子1の第1主面1Aと接合されている。緩衝部材3の第5主面3Aは、第2接合部材12を介して外部電極2の第4主面2Bと接合されている。すなわち、半導体素子1と外部電極2とは、第1接合部材11、緩衝部材3および第2接合部材12を介して接合されている。なお、半導体装置100を第1主面1Aに垂直な方向から平面視したときに、第5主面3Aおよび第6主面3Bは、例えば、第1接合部材11および第2接合部材12の周囲に露出していない。
図2を参照して、緩衝部材3は、第5主面3Aおよび第6主面3B(図1参照)に垂直な方向から半導体装置100(図1参照)を平面視したときに、第5主面3Aおよび第6主面3Bの外周端部が半導体素子1および外部電極2の各外周端部よりも内側に配置されている。
緩衝部材3の第6主面3B(第3面)の面積は、半導体素子1の第1主面1A(第1面)の面積の半分未満である。緩衝部材3の第6主面3Bの面積は、好ましくは第1主面1Aの面積の3%以上46%以下であり、より好ましくは第1主面1Aの面積の4%以上45%以下である。緩衝部材3の第5主面3A(第4面)の面積は、半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満である。緩衝部材3の第5主面3Aの面積は、好ましくは第1主面1Aの面積の3%以上46%以下であり、より好ましくは第1主面1Aの面積の4%以上45%以下である。緩衝部材3は、任意の構造を有していればよいが、例えば図1に示されるように直方体形状を有している。すなわち、第5主面3Aと第6主面3Bとは、例えば図2に示されるように平面形状が矩形状であり、かつ面積が互いに等しい。
DBC4は、第7主面4Aと、第7主面4Aの反対側に位置する第8主面4Bとを有している。DBC4は、第7主面4Aを有する銅部材41と、第8主面4Bを有する銅部材42と、セラミックス基板43とを含む。DBC4は、銅部材41と銅部材42とが第7主面4Aに垂直な方向においてセラミックス基板43を挟むように積層された構造を有している。銅部材41,42は、例えば、半導体素子1の第2主面1Bに面するセラミックス基板43の表面上および金属ベース板5の第9主面5Aに面するセラミックス基板43の表面上に形成された配線パターンとして構成されている。セラミックス基板43を構成する材料は、電気的絶縁性を有している任意の材料であればよいが、例えば、窒化珪素、窒化アルミニウムまたはアルミナ等の高熱伝導性の板材を使用することができる。上述のように、第7主面4Aは、後述する第3接合部材13を介して半導体素子1の第2主面1Bと接合されている。第8主面4Bは、後述する第4接合部材14を介して金属ベース板5の第9主面5Aと接合されている。
金属ベース板5は、第9主面5Aと、第9主面5Aの反対側に位置する第10主面5Bとを有している。上述のように、第9主面5Aは、第4接合部材14を介してDBC4の第8主面4Bと接合されている。金属ベース板5を構成する材料は、任意の金属材料であればよいが、例えばCuまたはAlを含む。この金属ベース板5を介して、冷却機構に接続してもよいし、また、この金属ベース板5自体が冷却機構であることもある。
第1接合部材11は、上述のように、半導体素子1において表面電極を含む第1主面1Aの一部領域と緩衝部材3の第6主面3Bとを接合している。第2接合部材12は、上述のように、外部電極2の第4主面2Bの一部領域と緩衝部材3の第5主面3Aとを接合している。第3接合部材13は、上述のように、半導体素子1の第2主面1BとDBC4の第7主面4Aとを接合している。第4接合部材14は、上述のように、DBC4の第8主面4Bと金属ベース板5の第9主面5Aとを接合している。第1接合部材11、第2接合部材12、第3接合部材13、および第4接合部材14を構成する材料は、例えば錫(Sn)とCuとを含むSn−Cnはんだなどであってもよいし、Sn−銀(Ag)−Cuはんだや、ニッケル(Ni)やアンチモン(Sb)が添加されたはんだなどであってもよいし、AgまたはCuなどを含む合金材料であってもよいし、ろう材であってもよい。
半導体素子1において、第1接合部材11を介して緩衝部材3の第6主面3Bと接合されている第1主面1Aの一部領域の面積は、第1主面1Aの面積の半分未満である。第1主面1Aの当該一部領域の面積は、好ましくは第1主面1Aの面積の3%以上46%以下であり、より好ましくは第1主面1Aの面積の4%以上45%以下である。外部電極2において、第2接合部材12を介して緩衝部材3の第5主面3Aと接合されている第4主面2Bの一部領域の面積は、半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満である。第4主面2Bの当該一部領域の面積は、好ましくは第1主面1Aの面積の3%以上46%以下であり、より好ましくは第1主面1Aの面積の4%以上45%以下である。
<半導体装置の製造方法>
実施の形態1に係る半導体装置100の製造方法は、ダイレクトボンディング方式を用いた周知の半導体装置の製造方法と基本的に同様の工程を備えている。半導体装置100の製造方法は、例えば、半導体素子1、外部電極2、緩衝部材3、DBC4、および金属ベース板5が準備される工程と、半導体素子1の第1主面1Aの一部領域と緩衝部材3の第6主面3Bとが第1接合部材11を介して接合される工程と、外部電極2の第4主面2Bの一部領域と緩衝部材3の第5主面3Aとが第2接合部材12を介して接合される工程と、半導体素子1の第2主面1BとDBC4の第7主面4Aとが第3接合部材13を介して接合される工程と、DBC4の第8主面4Bと金属ベース板5の第9主面5Aとが第4接合部材14を介して接合される工程とを備える。準備する工程では、半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満の面積である第5主面3Aおよび第6主面3Bを有する緩衝部材3が準備される。半導体素子1の第1主面1Aの一部領域と緩衝部材3の第6主面3Bとが第1接合部材11を介して接合される工程、および外部電極2の第4主面2Bの一部領域と緩衝部材3の第5主面3Aとが第2接合部材12を介して接合される工程は、第1主面1Aの上記一部領域および第4主面2Bの上記一部領域の各面積が第1主面1Aの面積の半分未満となるように、実施される。このようにして、半導体装置100が製造される。
<半導体装置の作用効果>
半導体装置100は、第1主面1A(第1面)を有する半導体素子1と、第1主面1Aに面する第4主面2B(第2面)を有する外部電極2と、半導体素子1の第1主面1Aと外部電極2の第4主面2Bとの間に配置されており、第1主面1Aに面する第6主面3B(第3面)と、第6主面3Bの反対側に位置し、かつ第4主面2Bに面する第5主面3A(第4面)とを有する緩衝部材3と、第1主面1Aと第6主面3Bとを接合している第1接合部材11と、第4主面2Bと第5主面3Aとを接合している第2接合部材12とを備える。緩衝部材3の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との間の値である。緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積は、半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満である。
そのため、半導体装置100は、半導体素子1と外部電極2との熱膨張率の差に起因して、これらとこれらの間を接合している第1接合部材11および第2接合部材12とに印加され得る熱応力が、緩衝部材3を備えていない半導体装置と比べて低減され得る。そのため、半導体素子1、外部電極2、第1接合部材11および第2接合部材12は、クラックまたは剥離などの異常の発生が抑制されている。
さらに、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満である。そのため、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分以上である従来の半導体装置と比べて、半導体素子1に印加され得る熱応力はさらに低減され得る。
また、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分未満である。そのため、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の半分以上である従来の半導体装置と比べて、第1接合部材11および第2接合部材12中に空隙が生じる確率を低くすることができる。第1接合部材11および第2接合部材12に生じた空隙は、半導体素子1と第1接合部材11との接触面積および外部電極2と第2接合部材12との接触面積を減少させる。そのため、空隙の発生確率が高い従来の半導体装置は、それぞれの部材間での放熱性および接合強度の低下が引き起こされるリスクが高い。また、空隙の発生確率が高い従来の半導体装置は、半導体素子と外部電極との間に所定の電流密度の電流が流れることにより、両者を接合する接合材が発熱して当該接合材の信頼性の低下が引き起こされ、半導体装置の信頼性の低下が引き起こされる。これに対し、半導体装置100は、第1接合部材11および第2接合部材12中に空隙が生じる確率が低い。そのため、半導体装置100は、上記のような従来の半導体装置と比べて、空隙に伴う放熱性、接合強度、および信頼性の低下が抑制されている。
さらに、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の45%以下である。そのため、半導体装置100は、上記のような従来の半導体装置と比べて、第1接合部材11および第2接合部材12中に空隙が生じる確率をさらに低くすることができる。
また、半導体装置100は、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の4%以上である。緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積が半導体素子1の第1主面1Aの面積の4%未満である半導体装置は、1つの半導体素子当たりの電流密度が高くなって半導体素子が破壊され易くなる。このような半導体装置であっても1つの半導体素子当たりの電流密度を低下させることで半導体素子の破壊は抑制され得るが、半導体装置を動作させるために必要な電流密度を確保するために必要な半導体素子数が増えることになり、製造コストの増大や半導体装置の大型化を招くことになる。これに対し、半導体装置100は、1つの半導体素子当たりの電流密度を低下させる必要がないため、製造コストの増大や大型化が抑制されながらも、第1接合部材11および第2接合部材12の信頼性の低下、および半導体素子1の破壊などが抑制されている。
半導体装置100は、緩衝部材3の熱膨張率が半導体素子1の熱膨張率および前記外部電極の熱膨張率の平均値に近いほど、半導体素子1、外部電極2、第1接合部材11および第2接合部材12に印加され得る熱応力が当該緩衝部材3によってより効果的に低減され得る。半導体素子1を破壊しないことを優先すると、平均値よりは半導体素子1の熱膨張率に近いほうがよりよい。そのため、緩衝部材3の熱膨張率が半導体素子1の熱膨張率と外部電極の熱膨張率との平均値の−30%以上+20%以内の数値範囲内に入るのであれば、緩衝部材3の熱膨張率が半導体素子1の熱膨張率および前記外部電極の熱膨張率の平均値の70%未満または当該平均値の120%超えである場合と比べて、上記熱応力をより効果的に低減することができる。
本発明者らは、半導体素子1の第1主面1Aの面積に対する緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積の比率が異なる複数の半導体装置を試験サンプルとして作成し、これらに対し温度サイクル試験を実施した。各試験サンプルは、SiC−MOSFETからなる半導体素子(熱膨張率α=4.6)、Cuからなる外部電極(α=16.8)、CICからなる緩衝部材(α=8.4〜11)、Sn−Cuはんだからなる第1接合部材および第2接合部材、セラミックス基板を構成する材料がSNであるDBC、およびCuからなる金属ベース板を備えるものとした。各試験サンプルは、上記比率が2以上55以下の範囲で異なる値を有するものとした。なお、各試験サンプルにおける緩衝部材の上記平面形状は矩形状とした。
温度サイクル試験は、各試験サンプルに対して、−40℃以上150℃以下の温度サイクル、を2000回繰り返すことにより実施した。温度サイクル試験後の各試験サンプルの半導体素子、外部電極、緩衝部材、第1接合部材、および第2接合部材に、クラックおよび剥離などの異常の有無を評価した。評価結果を、表1に示す。表1では、半導体素子1の第1主面1Aの面積に対する緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積の比率を、単に面積比率と示す。なお、温度サイクル試験条件はこれに限られるわけではなく、温度サイクル試験は、この製品を使用される環境により異なり、たとえば−55℃〜−35℃以上125℃〜200℃以下の温度サイクルを1000から3000回サイクル繰り返し加えてもよい。
Figure 2017191846
表1において、異常が確認されなかった試験サンプルを○、異常が確認された試験サンプルを×、異常が確認されたが異常の程度が従来の半導体装置と比べて改善されていた試験サンプルを△と示す。表1に示されるように、半導体素子1の第1主面1Aの面積に対する緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積の比率が50%未満である試験サンプルは、50%以上である試験サンプルと比べて、基本的に良好な結果が得られた。上記比率が3%以上46%以下とした試験サンプル2〜10は、異常が確認されなかったか、異常が確認されたが異常の程度が従来の半導体装置と比べて改善されていた。上記比率が4%以上45%以下とした試験サンプル3〜9は、異常が確認されなかった。上記温度サイクル試験の結果から、上記比率が50%未満である半導体装置100は、上記比率が50%超えである従来の半導体装置と比べて温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生が抑制されていることが確認された。上記比率が3%以上46%以下である半導体装置100は、上記比率が50%超えである従来の半導体装置と比べて温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生が抑制されていることが確認された。さらに、上記比率が4%以上45%以下である半導体装置100は、温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生がより効果的に抑制されていることが確認された。
<変形例>
半導体装置100において、半導体素子1の熱膨張率は外部電極2の熱膨張率よりも大きくてもよい。この場合にも、緩衝部材3の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率と外部電極2の熱膨張率との間の値であればよく、外部電極2の熱膨張率よりも大きく半導体素子1の熱膨張率よりも小さければよい。このような構成を備える半導体装置であっても、半導体素子1の第1主面1Aの面積に対する緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの各面積の比率を50%未満であることにより、上述した半導体装置100と同様の効果を奏することができる。
半導体装置100において、緩衝部材3の第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状は矩形状に限られるものでは無い。図3を参照して、緩衝部材3の第5主面3Aおよび第6主面3Bの平面形状は、例えば多角形状であってもよい。このような緩衝部材3を備える半導体装置であっても、半導体装置100と同様の効果を奏することができる。
図4(a)および(b)を参照して、緩衝部材3の第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状は、例えば略矩形状または略多角形状であって、角部が丸みを帯びていてもよい。言い換えると、緩衝部材3の第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状は、例えば4辺と4辺の間を繋ぐ角部とからなる矩形状であって、角部が丸みを帯びていてもよい。また、該平面形状は、例えば4つ以上の辺と、各辺間を繋ぐ角部とからなる多角形状であって角部が丸みを帯びていてもよい。当該角部の曲率半径は、好ましくは0.5mm以上、角部で接続されている2辺のうちの短辺の長さの半分以下である。このようにすれば、半導体装置が温度サイクルに曝された際に、半導体素子1と外部電極2との熱膨張率の差に起因して緩衝部材3の上記角部と接合されている第1接合部材11および第2接合部材12の一部分に印加される熱応力を低減することができる。その結果、実施の形態2に係る半導体装置は、第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状が矩形状である半導体装置100と比べて、温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生がより効果的に抑制されている。
図5(a)および(b)を参照して、緩衝部材3の第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状は円形状または楕円形状であってもよい。このようにしても、半導体装置が温度サイクルに曝された際に、半導体素子1と外部電極2との熱膨張率の差に起因して緩衝部材3と接合されている第1接合部材11および第2接合部材12の一部分に熱応力が集中することを抑制することができる。その結果、実施の形態2に係る半導体装置は、第5主面3A(第4面)および第6主面3B(第3面)の平面形状が矩形状である半導体装置100と比べて、温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生がより効果的に抑制されている。図4(b)および図5(b)を参照して、緩衝部材3は、例えば長軸と短軸または長辺と短辺とを有する平面形状を有している場合、長軸または長辺が外部電極2の長手方向に沿うように配置されていてもよい。
また、半導体装置100は、少なくとも半導体素子1、外部電極2、緩衝部材3、第1接合部材11および第2接合部材12を備えていればよい。半導体装置100は、DBC4および金属ベース板5を備えていなくてもよい。半導体装置100は、温度サイクル下においても緩衝部材3を介して半導体素子1と外部電極2との間を接合している第1接合部材11および第2接合部材12での異常発生が十分に抑制されている。また、半導体装置100は、DBC4に代えて、第1主面1Aに垂直な方向への電気的絶縁性を有しているとともに高い熱伝導性を有している任意の部材を備えていてもよい。
(実施の形態2)
次に、図6を参照して、実施の形態2に係る半導体装置について説明する。実施の形態2に係る半導体装置は、基本的には実施の形態1に係る半導体装置と同様の構成を備えるが、緩衝部材3が複数の緩衝部31,32,33の積層体として構成されている点で異なる。
緩衝部材3は、緩衝部31,32,33を含む。緩衝部31,32,33は、第5主面3Aおよび第6主面3Bに垂直な方向において、積層されている。緩衝部31は、第6主面3Bを有しており、第1接合部材11を介して半導体素子1と接合されている。緩衝部33は、第5主面3Aを有しており、第2接合部材12を介して外部電極2と接合されている。緩衝部32は、緩衝部31と緩衝部33との間に配置されている。緩衝部32は、緩衝部31において第6主面3Bと反対側に位置する面と接合されているとともに、緩衝部33において第5主面3Aの反対側に位置する面と接合されている。
緩衝部32の熱膨張率は、緩衝部31の熱膨張率よりも大きく、緩衝部33の熱膨張率よりも小さい。緩衝部31の熱膨張率は半導体素子1の熱膨張率以上であり、緩衝部33の熱膨張率は外部電極2の熱膨張率以下である。すなわち、半導体素子1の熱膨張率≦緩衝部31の熱膨張率<緩衝部32の熱膨張率<緩衝部33の熱膨張率≦外部電極2の熱膨張率である。
このような構成を備える実施の形態2に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置100と比べて、半導体素子1と緩衝部材3(緩衝部31)との熱膨張率の差、および外部電極2と緩衝部材3(緩衝部33)との差をより小さくすることができる。そのため、実施の形態2に係る半導体装置は、半導体装置100と比べて、温度サイクル下における半導体素子1と外部電極2とを接合する接合部での異常発生がより効果的に抑制されている。
実施の形態2に係る半導体装置においては、緩衝部材3を構成する緩衝部31,32,33の各熱膨張率の平均値を緩衝部材3の熱膨張率とよぶ。つまり、実施の形態2に係る半導体装置では、緩衝部材3を構成する緩衝部31,32,33の各熱膨張率の平均値が、半導体素子1の熱膨張率および外部電極2の熱膨張率の平均値の−30%以上+20%以下であるのが好ましい。例えば、緩衝部31の熱膨張率が半導体素子1の熱膨張率と等しく、緩衝部33の熱膨張率が外部電極2の熱膨張率と等しく、緩衝部32の熱膨張率が緩衝部31の熱膨張率と緩衝部33の熱膨張率の平均値(中間値)であるのが好ましい。具体例として、半導体素子1を構成する材料がSiCであり、外部電極2を構成する材料がCuである場合、緩衝部31の熱膨張率αが6.6、緩衝部33の熱膨張率αが16.8、緩衝部32の熱膨張率αが11.7であるのが好ましい。このようにすれば、緩衝部31,32,33の各熱膨張率の平均値が半導体素子1の熱膨張率および前記外部電極の熱膨張率の平均値の70%未満または当該平均値の120%超えである場合と比べて、上記熱応力をより効果的に低減することができる。
なお、実施の形態2に係る半導体装置は、上述した半導体装置100の変形例と同様の変形例を採り得る。実施の形態2に係る半導体装置において、半導体素子1の熱膨張率が外部電極2の熱膨張率よりも大きい場合、緩衝部32の熱膨張率は、緩衝部33の熱膨張率よりも大きく、緩衝部31の熱膨張率よりも小さい。緩衝部31の熱膨張率は、半導体素子1の熱膨張率よりも小さい。緩衝部33の熱膨張率は、外部電極2の熱膨張率よりも大きい。すなわち、外部電極2の熱膨張率<緩衝部33の熱膨張率<緩衝部32の熱膨張率<緩衝部31の熱膨張率<半導体素子1の熱膨張率であってもよい。このようにしても、実施の形態2に係る半導体装置と同様の効果を奏することができる。
図6においてはDBC4および金属ベース板5を図示していない。実施の形態2に係る半導体装置は、DBC4および金属ベース板5を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。いずれの場合であっても、実施の形態2に係る半導体装置は、温度サイクル下に置かれた際にも、緩衝部材3を介して半導体素子1と外部電極2との間を接合している第1接合部材11および第2接合部材12での異常発生が十分に抑制されている。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 半導体素子、1A 第1主面、1B 第2主面、2 外部電極、2A 第3主面、2B 第4主面、3 緩衝部材、3A 第5主面、3B 第6主面、4A 第7主面、4B 第8主面、5 金属ベース板、5A 第9主面、5B 第10主面、11 第1接合部材、12 第2接合部材、13 第3接合部材、14 第4接合部材、31,32,33 緩衝部、41,42 銅部材、43 セラミックス基板、100 半導体装置。

Claims (6)

  1. 第1面を有する半導体素子と、
    前記第1面に面する第2面を有する外部電極と、
    前記半導体素子の前記第1面と前記外部電極の前記第2面との間に配置されており、前記第1面に面する第3面と、前記第3面の反対側に位置し、かつ前記第2面に面する第4面とを有する緩衝部材と、
    前記第1面と前記第3面とを接合している第1接合部材と、
    前記第2面と前記第4面とを接合している第2接合部材とを備え、
    前記緩衝部材の熱膨張率は、前記半導体素子の熱膨張率と前記外部電極の熱膨張率との間の値であり、
    前記緩衝部材の前記第3面および前記第4面の各面積は、前記半導体素子の前記第1面の面積の半分未満である、半導体装置。
  2. 前記第3面および前記第4面の各面積は、前記半導体素子の前記第1面の面積の4%以上45%以下である、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3面および前記第4面の平面形状は、4辺と前記4辺の間を繋ぐ角部とからなる矩形状であって、前記角部が丸みを帯びており、
    前記角部の曲率半径の下限は0.5mmであり、
    前記角部の前記曲率半径の上限は前記角部で接続されている2辺のうちの短辺の長さの半分である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第3面および前記第4面の平面形状は、円形状または楕円形状である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体素子の熱膨張率は、前記外部電極の熱膨張率よりも小さく、
    前記緩衝部材は、前記第3面を有する第1緩衝部と、前記第3面に垂直な方向において前記第1緩衝部上に形成されておりかつ前記第4面を有する第2緩衝部とを含み、
    前記第1緩衝部の熱膨張率は、前記第2緩衝部の熱膨張率よりも小さい、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記緩衝部材の熱膨張率は、前記半導体素子の熱膨張率と前記外部電極の熱膨張率との平均値の−30%以上+20%以下の数値範囲に入る、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
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