JP2017192369A - 組換え細胞、並びに、イソ酪酸の生産方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成ガス等からイソ酪酸を生産することができる一連の技術を提供する。
【解決手段】一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である組換え細胞であって、外来遺伝子として、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を有し、当該遺伝子が発現し、イソ酪酸を生産可能である組換え細胞が提供される。外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子をさらに有する態様が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である組換え細胞であって、外来遺伝子として、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を有し、当該遺伝子が発現し、イソ酪酸を生産可能である組換え細胞が提供される。外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子をさらに有する態様が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、一酸化炭素等の特定のC1化合物からイソ酪酸を生産可能な組換え細胞、並びに、当該組換え細胞を用いるイソ酪酸の生産方法に関する。
イソ酪酸は汎用透明樹脂のモノマーであるメタクリル酸、メタクリル酸メチルの前駆体として期待されている他、乳化剤、潤滑剤として使用されている。しかしながら、その製造法は石油化学に依存するため、持続的な供給は保証されず、また現在のプロセスでは高価かつ、供給能力は限定的であることから、上記のような汎用ポリマーの前駆体としては実用化されていない。
イソ酪酸の生合成経路の例を図1に示す。イソ酪酸はピルビン酸を出発物質として生合成が可能である。詳細には、ピルビン酸を基質として、アセト乳酸合成酵素(acetolactate synthase; AlsS)、ケトール酸レダクトイソメラーゼ(ketol-acid reductoisomerase; IlvC)、及びジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(dihydroxy acid dehydratase; IlvD)の作用で、2−ケトイソ吉草酸(ケトバリン)が合成される。次に、2―ケト酸デカルボキシラーゼ(2-keto acid decarboxylase; KivD)の作用によって、2−ケトイソ吉草酸がイソブチルアルデヒドに変換される。そして、イソ酪酸合成酵素、具体的には、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(phenylacetaldehyde dehydrogenase; FeaB)、アルデヒドデヒドロゲナーゼB(aldehyde dehydrogenase B; AldB)、スクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(succinate semialdehyde dehydrogenase; AldH)の作用によって、イソブチルアルデヒドがイソ酪酸に変換される。
一方、植物資源等の再生可能資源からの化学品生産プロセスへの転換技術の開発と実用化が、着実に進んでいる。イソ酪酸に関しても、例えば、糖を原料とした組換え大腸菌による生産技術が知られている(特許文献1)。しかしながら、大腸菌のような従属栄養生物による物質生産は、増殖に必要な炭素源を糖類等の可溶性有機物に依存しており、これらを安価に大量に確保することは困難であり、生産量は限定的となる。また、このような可溶性有機原料を利用する物質生産は、食との競合も懸念される。
一方、合成ガス(Synthesis gas, Syngas)は、天然ガス、石炭、及び廃棄物を燃焼させることで得られる、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を主成分とする混合ガスである。天然ガスや石炭由来合成ガスを起点とするC1ケミストリーの分野では、ホルムアルデヒドやメタノール等の化学品を安価かつ大量に生産するプロセスが開発されている。
さらに一酸化炭素や二酸化炭素は、上記天然ガス、石炭、及び廃棄物由来合成ガス以外にも、鉄鋼排ガス等の工場廃棄ガス中にも存在することから、ほぼ永久的に利用可能である。しかしながら、合成ガス資化菌による化学品生産の実用化例は、まだないのが現状である。現在のところ、最も開発が進んでいるのは、合成ガス資化菌によるエタノール生産であるが、遺伝子組換え体によるエタノール以外の物質生産の例はイソプレン、1,4−ブタンジオール等に限られており、またこれらは実用化のレベルには至っていない(特許文献2、及び3)。特許文献4には、大腸菌の組換え体によるイソプロパノールの生産技術が開示されている。この技術では、大腸菌に複数のCO代謝酵素遺伝子を導入して合成ガス資化能を付与し、合成ガスからイソプロパノールを生産している。ただし、この技術はイソ酪酸を生産するものではない。
上記現状に鑑み、本発明は、合成ガス等からイソ酪酸を生産することができる一連の技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための本発明の1つの様相は、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である組換え細胞であって、外来遺伝子として、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を有し、当該遺伝子が発現し、イソ酪酸を生産可能である組換え細胞である。
本様相はイソ酪酸を生産可能である組換え細胞に係るものである。本様相の組換え細胞は、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能で、かつ偏性嫌気性であり、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を外来遺伝子として有している。本様相の組換え細胞によれば、一酸化炭素又は二酸化炭素を炭素源として合成されたイソブチルアルデヒドを、外来遺伝子の発現により供給される「イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素」の作用によって、イソ酪酸に変換することができる。
本様相の組換え細胞は、例えば、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能でかつ偏性嫌気性である宿主細胞に、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を導入することにより、得ることができる。
本様相の組換え細胞は、例えば、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能でかつ偏性嫌気性である宿主細胞に、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を導入することにより、得ることができる。
好ましくは、前記酵素が、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼB、及びスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼからなる群より選ばれた少なくとも1つのアルデヒドデヒドロゲナーゼ又はその機能的断片である。
アルデヒドデヒドロゲナーゼの「機能的断片」とは、アルデヒドデヒドロゲナーゼの部分配列を有するポリペプチドであって、アルデヒドデヒドロゲナーゼの活性を有するものを指す。
好ましくは、前記酵素が、下記(a−1)、(a−2)、(a−3)、(b−1)、(b−2)、(b−3)、(c−1)、(c−2)、(c−3)のいずれかである。
(a−1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(a−2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(a−3)配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b−2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−3)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−1)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c−2)配列番号3で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−3)配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
(a−1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(a−2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(a−3)配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b−2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−3)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−1)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c−2)配列番号3で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−3)配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
好ましくは、外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子をさらに有し、当該遺伝子が発現する。
本様相の組換え細胞は、外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子を有している。かかる構成により、イソ酪酸の前駆体であるイソブチルアルデヒドが効率よく供給され、イソ酪酸の合成能が向上する。
好ましくは、前記第2の酵素が、2―ケト酸デカルボキシラーゼ又はその機能的断片である。
2―ケト酸デカルボキシラーゼの「機能的断片」とは、2―ケト酸デカルボキシラーゼの部分配列を有するポリペプチドであって、2―ケト酸デカルボキシラーゼの活性を有するものを指す。
好ましくは、前記第2の酵素が、下記(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかである。
(d−1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(d−2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質、
(d−3)配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質。
(d−1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(d−2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質、
(d−3)配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質。
好ましくは、組換え細胞が一酸化炭素脱水素酵素を有するものである。
一酸化炭素脱水素酵素(EC 1.2.99.2/1.2.7.4)(一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、CO dehydrogenase、CODH)は、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンを生成させる作用、及びその逆反応である二酸化炭素とプロトンから一酸化炭素と水を生成させる作用を有する。一酸化炭素脱水素酵素は、還元型アセチルCoA経路(図2)で作用する酵素の1つである。
好ましくは、組換え細胞が、メチルテトラヒドロ葉酸若しくはメチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する。
かかる構成により、「メチルテトラヒドロ葉酸若しくはメチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能」を基礎として、一酸化炭素又は二酸化炭素からイソ酪酸を生産することができる。
なお、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する細胞としては、図2に示す還元型アセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)及びメタノール経路(Methanol pathway)を有する嫌気性微生物が例示される。また、メチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する細胞としては、アーキアに属する嫌気性微生物が例示される。
なお、メチルテトラヒドロ葉酸、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する細胞としては、図2に示す還元型アセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)及びメタノール経路(Methanol pathway)を有する嫌気性微生物が例示される。また、メチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する細胞としては、アーキアに属する嫌気性微生物が例示される。
好ましくは、組換え細胞が細菌である。
好ましくは、組換え細胞がClostridium属細菌又はMoorella属細菌である。
好ましくは、組換え細胞がアーキアである。
好ましくは、組換え細胞が、Methanosarcina属、Methanococcus属、又はThermococcus属に属するアーキアである。
本発明の他の様相は、上記の組換え細胞に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該組換え細胞に前記C1化合物からイソ酪酸を生産させる、イソ酪酸の生産方法である。
本様相はイソ酪酸の生産方法に係るものである。本様相では、上記の組換え細胞に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該組換え細胞に前記C1化合物からイソ酪酸を生産させる。本様相によれば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスや、ギ酸、メタノールからイソ酪酸を生産することができる。
好ましくは、前記組換え細胞を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、その培養物からイソ酪酸を取得する。
本発明の組換え細胞によれば、一酸化炭素又は二酸化炭素からイソ酪酸を生産することができる。例えば、一酸化炭素や二酸化炭素を含む合成ガスからイソ酪酸を生産することが可能となる。
本発明のイソ酪酸の生産方法についても同様であり、一酸化炭素又は二酸化炭素からイソ酪酸を生産することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において「遺伝子」という用語は、全て「核酸」あるいは「DNA」という用語に置き換えることができる。
本発明の組換え細胞は、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である組換え細胞であって、外来遺伝子として、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を有するものである。例えば、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能でかつ偏性嫌気性である宿主細胞に、前記遺伝子が導入されたものである。
本発明の組換え細胞は、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能で、かつ偏性嫌気性である。例えば、本発明の組換え細胞は、嫌気条件下で、一酸化炭素又は二酸化炭素を唯一の炭素源として増殖する能力を有する。
「イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素」としては、組換え細胞内でその酵素活性を発揮できるものであれば特に限定はない。
好ましい実施形態では、前記酵素が、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(phenylacetaldehyde dehydrogenase; 以下「FeaB」と略記することがある)、アルデヒドデヒドロゲナーゼB(aldehyde dehydrogenase B; 以下「AldB」と略記することがある)、及びスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(succinate semialdehyde dehydrogenase; 以下「AldH」と略記することがある)からなる群より選ばれた少なくとも1つのアルデヒドデヒドロゲナーゼ又はその機能的断片である。
好ましい実施形態では、前記酵素が、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(phenylacetaldehyde dehydrogenase; 以下「FeaB」と略記することがある)、アルデヒドデヒドロゲナーゼB(aldehyde dehydrogenase B; 以下「AldB」と略記することがある)、及びスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(succinate semialdehyde dehydrogenase; 以下「AldH」と略記することがある)からなる群より選ばれた少なくとも1つのアルデヒドデヒドロゲナーゼ又はその機能的断片である。
上記フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(FeaB)としては、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有するものであれば特に限定はない。例としては、大腸菌由来のフェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Gene ID: 945933)があり、その他の生物由来ではWP_000138640.1、WP_015964561.1、WP_028017554.1、WP_048284376.1、WP_034495388.1、CEL82223.1等がある。配列番号1に大腸菌由来フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Gene ID: 945933)のアミノ酸配列を示す。フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼはPadAと略記されることもある。
上記アルデヒドデヒドロゲナーゼB(AldB)としては、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有するものであれば特に限定はない。例としては、大腸菌由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼB(Gene ID: 948104)があり、その他の生物由来ではWP_012135724.1、WP_059357124.1、WP_034499412.1、WP_002440728.1、WP_019844175.1、WP_021013956.1等がある。配列番号2に大腸菌由来アルデヒドデヒドロゲナーゼB(Gene ID: 948104)のアミノ酸配列を示す。
上記スクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(AldH)としては、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有するものであれば特に限定はない。例としては、大腸菌由来のスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Gene ID: 947003)があり、その他の生物由来ではWP_039066006.1、WP_012904717.1、WP_045375437.1、WP_032719712.1、WP_034459267.1等がある。配列番号3に大腸菌由来スクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Gene ID: 947003)のアミノ酸配列を示す。
上記FeaB(PadA)、AldB、AldHの由来としては特に限定はされないが、原核生物由来のものが好ましい。
さらに、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素には、以下のタンパク質が含まれる。
(a−1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(a−2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(a−3)配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b−2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−3)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−1)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c−2)配列番号3で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−3)配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
なお、(a−3)、(b−3)、(c−3)におけるアミノ酸配列の相同性については、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
(a−1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(a−2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(a−3)配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b−2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−3)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−1)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c−2)配列番号3で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−3)配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
なお、(a−3)、(b−3)、(c−3)におけるアミノ酸配列の相同性については、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
好ましい実施形態では、外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子をさらに有する。例えば、2―ケト酸デカルボキシラーゼ又はその機能的断片をコードする遺伝子をさらに有する。
「2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素」としては、組換え細胞内でその酵素活性を発揮できるものであれば特に限定はない。
好ましい実施形態では、前記第2の酵素が2―ケト酸デカルボキシラーゼ(2-keto acid decarboxylase; 以下「KivD」と略記することがある)又はその機能的断片である。
好ましい実施形態では、前記第2の酵素が2―ケト酸デカルボキシラーゼ(2-keto acid decarboxylase; 以下「KivD」と略記することがある)又はその機能的断片である。
上記2―ケト酸デカルボキシラーゼ(KivD)としては、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有するものであれば特に限定はない。一例として、Lactococcus lactis由来のスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼが挙げられる。配列番号4に当該Lactococcus lactis由来2―ケト酸デカルボキシラーゼ(GenBank: ADA65057.1)のアミノ酸配列を示す。
上記KivDの由来としては特に限定はされないが、原核生物由来のものが好ましい。
さらに、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素には、以下のタンパク質が含まれる。
(d−1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(d−2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質、
(d−3)配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質。
なお、(d−3)におけるアミノ酸配列の相同性については、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
(d−1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(d−2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質、
(d−3)配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質。
なお、(d−3)におけるアミノ酸配列の相同性については、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
本発明の組換え細胞は、メチルテトラヒドロ葉酸若しくはメチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有することが好ましい。
メチルテトラヒドロ葉酸([CH3]−THF)、一酸化炭素(CO)、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、例えば、図2に示す還元型アセチルCoA経路(Wood-Ljungdahl pathway)とメタノール経路(Methanol pathway)に含まれている。
図2に示すように、還元型アセチルCoA経路では、二酸化炭素(CO2)が2つの経路で別々に、一酸化炭素(CO)とメチルカチオン源に還元される。そして、これら2つの炭素源を基質としてCoA(図2ではHSCoAと表記)のチオール基がアセチル化され、1分子のアセチルCoAが合成される。還元型アセチルCoA経路では、アセチルCoAシンターゼ(Acetyl-CoA synthase、ACS)、メチルトランスフェラーゼ(Methyltransferase)、一酸化炭素脱水素酵素(CODH)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(Formate dehydrogenase、FDH)、等の酵素が作用している。なお、ホルミルテトラヒドロ葉酸([CHO]−THF)から[CH3]−THFに至る経路は、メチルブランチ(Methyl branch)と呼ばれる。
一方、メタノール経路は、メタノールをホルムアルデヒド(HCHO)、さらにギ酸(HCOOH)に変換する経路と、メタノールから[CH3]−THFを誘導する経路を含んでいる。
すなわち、メチルテトラヒドロ葉酸([CH3]−THF)、一酸化炭素(CO)、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、アセチルCoA経路とメタノール経路とで共通している。
一方、メタノール経路は、メタノールをホルムアルデヒド(HCHO)、さらにギ酸(HCOOH)に変換する経路と、メタノールから[CH3]−THFを誘導する経路を含んでいる。
すなわち、メチルテトラヒドロ葉酸([CH3]−THF)、一酸化炭素(CO)、及びCoAからアセチルCoAを合成する経路は、アセチルCoA経路とメタノール経路とで共通している。
さらに本発明の組換え細胞は、一酸化炭素脱水素酵素(CODH)を有する細胞であることが好ましい。詳細には、主に一酸化炭素代謝、すなわち一酸化炭素脱水素酵素の働きにより、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンを発生する機能によって生育する細胞が好ましい。そのような細胞の例としては、例えば図2に示す還元型アセチルCoA経路とメタノール経路を有する嫌気性微生物が挙げられる。
当該嫌気性微生物として、細菌では、Clostridium ljungdahlii、Clostridium autoethanogenumn、Clostridium carboxidivorans、Clostridium ragsdalei(Kopke M. et al., Appl. Environ. Microbiol. 2011, 77(15), 5467-5475)、Moorella thermoacetica(Clostridium thermoaceticumと同じ) (Pierce EG. Et al., Environ. Microbiol. 2008, 10, 2550-2573)等のClostridium属細菌又はMoorella属細菌が代表例として挙げられる。特に、Clostridium属細菌は、宿主−ベクター系や培養方法が確立しており、本発明における宿主細胞として好適である。
上記5種のClostridium属細菌又はMoorella属細菌は、合成ガス資化性微生物の代表例として知られている。
上記5種のClostridium属細菌又はMoorella属細菌は、合成ガス資化性微生物の代表例として知られている。
Clostridium属細菌、Moorella属細菌以外では、Carboxydocella sporoducens sp. Nov. (Slepova TV. et al., Inter. J. Sys. Evol. Microbiol. 2006, 56, 797-800)、Rhodopseudomonas gelatinosa(Uffen RL, J. Bacteriol. 1983, 155(3), 956-965)、Eubacterium limosum (Roh H. et al., J. Bacteriol. 2011, 193(1), 307-308),Butyribacterium methylotrophicum (Lynd, LH. Et al., J. Bacteriol. 1983, 153(3), 1415-1423)等の細菌を宿主細胞として用いることができる。
また、図2に示す還元型アセチルCoA経路は細菌が有するものであるが、アーキアもこれに類似した経路を有する。アセチルCoA合成酵素の基質であるメチル基供与体は、細菌ではメチルテトラヒドロ葉酸等であるのに対し、アーキアではメチルテトラヒドロプテリン等である(Diender M. et al., Frontiers in Microbiology 2015 , vol. 6, article 1275)。メタノール資化性は、例えばmethanol-specific methyltransferaseや、methanol/corrinoid protein methyltransferase活性に依存する(Borrel G. et al., Genome Biol. Evol. 2013, 5(10), 1769-1779; Opulencia RB. et al., J. Bactriol. 2009, 191 (22), 6928-6935)。
アーキアに属する前記嫌気性微生物の例としては、Thermococcus属、Methanosarcina属、Methanococcus属、Methanomethylovorans属、Methanothrix属、Methanothermobactor属、Methanomethylophilus属、Methanosphaera属、等に属するものがある(Diender M. et al., Frontiers in Microbiology 2015 , vol. 6, article 1275;Borrel G. et al., Genome Biol. Evol. 2013, 5(10), 1769-1779)。本発明では、例えば、Methanosarcina属、Methanococcus属、又はThermococcus属に属するアーキアを用いることができる。
なお、上記した細菌の増殖及びCODH活性は全て酸素感受性であるが、酸素非感受性のCODHも知られている。例えば、Oligotropha carboxidovorans (Schubel, U. et al., J. Bacteriol., 1995, 2197-2203)、Bradyrhizobium japonicum (Lorite MJ. Et al., Appl. Environ. Microbiol., 2000, 66(5), 1871-1876)を始め、その他のバクテリア種には酸素非感受性のCODHが存在する(King GM et al., Appl. Environ. Microbiol. 2003, 69 (12), 7257-7265)。好気性水素酸化細菌であるRalsotonia属菌にも酸素非感受性のCODHが存在する (NCBI Gene ID: 4249199, 8019399)。
このように、CODHを有する細菌は広く存在しており、その中から本発明で用いる宿主細胞を適宜選択することができる。例えば、CO、CO/H2(COとH2を主成分とするガス)、もしくはCO/CO2/H2(COとCO2とH2を主成分とするガス)を唯一の炭素源かつエネルギー源とした選択培地を用い、嫌気、微好気、もしくは好気的条件で、宿主細胞として利用できるCODHを有する細菌を分離することができる。
このように、CODHを有する細菌は広く存在しており、その中から本発明で用いる宿主細胞を適宜選択することができる。例えば、CO、CO/H2(COとH2を主成分とするガス)、もしくはCO/CO2/H2(COとCO2とH2を主成分とするガス)を唯一の炭素源かつエネルギー源とした選択培地を用い、嫌気、微好気、もしくは好気的条件で、宿主細胞として利用できるCODHを有する細菌を分離することができる。
本発明の組換え細胞においては、「イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子」(FeaB、AldB、AldH等)や「2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子」(KivD等)に加えて、さらに他の遺伝子を外来遺伝子として有していてもよい。当該遺伝子の例としては、ピルビン酸から2−イソ吉草酸に至る合成経路に関与する酵素群である、アセト乳酸合成酵素(AlsS)、ケトール酸レダクトイソメラーゼ(IlvC)、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(IlvD)、をコードする各遺伝子が挙げられる(図1)。
本発明の組換え細胞は、イソ酪酸合成と競合する代謝系を下方制御されたものでもよい。例えば、図1に示されるように、組換え細胞が、イソブチルアルデヒドをイソブタノールに変換可能なアルコールデヒドロゲナーゼ活性等を有する場合、当該酵素の活性を下方制御することが好ましい。酵素活性の下方制御とは、酵素遺伝子の欠損・変異、転写抑制、翻訳抑制等により、細胞内における当該酵素の活性を転写又は翻訳レベルで減少(消失を含む)させる制御を指す。
宿主細胞に遺伝子(核酸)を導入する方法としては特に限定はなく、宿主細胞の種類等によって適宜選択すればよい。例えば、宿主細胞に導入可能でかつ組み込まれた遺伝子を発現可能なベクターを用いることができる。
例えば、宿主細胞が細菌等の原核生物の場合には、当該ベクターとして、宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組み込みが可能で、挿入された上記遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有しているものを用いることができる。例えば、当該ベクターを用いて、プロモーター、リボソーム結合配列、上記遺伝子、および転写終結配列からなる一連の構成を宿主細胞内で構築することが好ましい。
例えば、宿主細胞が細菌等の原核生物の場合には、当該ベクターとして、宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組み込みが可能で、挿入された上記遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有しているものを用いることができる。例えば、当該ベクターを用いて、プロモーター、リボソーム結合配列、上記遺伝子、および転写終結配列からなる一連の構成を宿主細胞内で構築することが好ましい。
宿主細胞がClostridium属細菌(Moorella属細菌のような近縁種を含む)の場合について説明すると、Clostridium属細菌と大腸菌とのシャトルベクターpIMP1(Mermelstein LD et al., Bio/technology 1992, 10, 190-195)を用いることができる。本シャトルベクターは、pUC9 (ATCC 37252)とBacillus subtilisから分離されたpIM13 (Projan SJ et al., J. Bacteriol. 1987, 169 (11), 5131-5139)との融合ベクターであり、Clostridium属細菌内でも安定的に保持される。
なお、Clostridium属細菌への遺伝子導入には、通常、エレクトロポレーション法が使用されるが、遺伝子導入直後の導入された外来プラスミドは制限酵素Cac824I等による分解を受けやすく極めて不安定である。そのため、Bacillus subtilis ファージΦ3T1由来メチルトランスフェラーゼ遺伝子が保持されたpAN1 (Mermelstein LD et al., Apply. Environ. Microbiol. 1993, 59(4), 1077-1081)を保有する大腸菌、例えばER2275株等で、pIMP1に由来するベクターを一旦増幅し、メチル化処理を行ってから、これを大腸菌から回収しエレクトロポレーションによる形質転換に使用することが好ましい。なお最近では、Cac824I遺伝子が欠損したClostridium acetobuthylicumが開発されており、メチル化処理されていないベクターも安定的に可能である(Dong H. et al., PLoS ONE 2010, 5 (2), e9038)。
Clostridium属細菌における異種遺伝子発現のプロモーターとしては、例えばthl (thiolase)プロモーター(Perret S et al., J. Bacteriol. 2004, 186(1), 253-257)、Dha (glycerol dehydratase)プロモーター(Raynaud C. et al., PNAS 2003, 100(9), 5010-5015)、ptb (phosphotransbutyrylase)プロモーター (Desai RP et al., Appl. Environ. Microbiol. 1999, 65(3), 936-945)、adc (acetoacetate decarboxylase)プロモーター(Lee J et al., Appl. Environ. Microbiol. 2012, 78 (5), 1416-1423)等がある。ただし、本発明ではこれらに限定されることなく、宿主細胞等に見出される様々な代謝系のオペロンに使用されているプロモーター領域の配列が使用可能である。
アーキアにおける遺伝子操作では、例えば、Methanosarcina属菌に内在するプラスミドpC2Aをベースとした大腸菌とのシャトルベクターが使用可能である(Sowers K.R. et al., J. Bacteriol. 1988, 170, 4979-4982; Metcalf W.W. et al., PNAS 1997, 94, 2626-2631)。相同組換えによる遺伝子の導入、欠損の例もあり(Rother M., et al., J. Bacteriol 2005, 187, 5552-5559; Conway D.M., J. Mol. Biol. 1996, 262, 12-20)、これらの手法が利用可能である。発現系としては、テトラサイクリン耐性遺伝子発現の制御系を利用した誘導及び構成発現の手法(Guess A.M. et al., Archaea 2008, 2, 193-203)等が利用可能である。
また、ベクターを用いて複数種の遺伝子(核酸)を宿主細胞に導入する場合、各遺伝子を1つのベクターに組み込んでもよいし、別々のベクターに組み込んでもよい。さらに1つのベクターに複数の遺伝子を組み込む場合には、各遺伝子を共通のプロモーターの下で発現させてもよいし、別々のプロモーターの下で発現させてもよい。複数種の酵素を融合タンパク質の形で発現させるべく、複数種の遺伝子を連結させた融合遺伝子を導入してもよい。
複数種の遺伝子を導入する例としては、「イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子」に加えて、「2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子」を導入する態様が挙げられる。さらに、ピルビン酸から2−イソ吉草酸に至る合成経路に関与する酵素群をコードする遺伝子(AlsS、IlvC、IlvD等)を導入する態様が挙げられる。
複数種の遺伝子を導入する例としては、「イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子」に加えて、「2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子」を導入する態様が挙げられる。さらに、ピルビン酸から2−イソ吉草酸に至る合成経路に関与する酵素群をコードする遺伝子(AlsS、IlvC、IlvD等)を導入する態様が挙げられる。
上記のような外来遺伝子導入に加え、突然変異やゲノムシャッフリングをさらに施すことで、イソ酪酸の生産性が格段向上した菌株を育種することも可能である。
本発明のイソ酪酸の生産方法では、上記の組換え細胞に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該組換え細胞に前記C1化合物からイソ酪酸を生産させる。
1つの好ましい実施形態では、前記組換え細胞を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、その培養物からイソ酪酸を取得する。
炭素原として用いるこれらのC1化合物については、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのC1化合物は、主たる炭素原として用いることが好ましく、唯一の炭素原であることがより好ましい。
また、エネルギー源として水素(H2)を同時に提供することが好ましい。
炭素原として用いるこれらのC1化合物については、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのC1化合物は、主たる炭素原として用いることが好ましく、唯一の炭素原であることがより好ましい。
また、エネルギー源として水素(H2)を同時に提供することが好ましい。
本発明の組換え細胞を培養する方法としては特に限定はなく、組換え細胞の種類等に応じて適宜行うことができる。例えば、ガス成分を炭素源、エネルギー源とする場合は、生育に必要な無機塩類及び、合成ガスからなる栄養条件で培養する。好ましくは0.2〜0.3MPa(絶対圧)程度の加圧状態で培養することによりガス成分の資化性は高まる。さらには、初期増殖及び到達細胞密度を良好にするためには、ビタミン、酵母エキス、コーンスティープリカー、バクトトリプトン等の有機物を少量加えてよい。
培養を行わずにイソ酪酸の生産を行うこともできる。すなわち、細胞分裂(細胞増殖)を伴うか否かにかかわらず、組換え細胞に前記したC1化合物を接触させて、イソ酪酸を生産させることができる。例えば、固定化した組換え細胞に前記したC1化合物を連続的に供給し、イソ酪酸を連続的に生産させることができる。本態様においても、これらのC1化合物については、1つのみを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。また、エネルギー源として水素(H2)を同時に接触させることが好ましい。
好ましい実施形態では、一酸化炭素と水素とを主成分とするガス(CO/H2)、二酸化炭素と水素とを主成分とするガス(CO2/H2)、又は一酸化炭素と二酸化炭素と水素とを主成分とするガス(CO/CO2/H2)を、前記組換え細胞に提供する。すなわち、これらのガスを炭素源として用いて組換え細胞を培養したり、あるいは、これらのガスを組換え細胞に接触させて、ガス中の一酸化炭素又は二酸化炭素からイソ酪酸を生産させる。この場合も、水素はエネルギー源として使用される。
ギ酸及び/又はメタノールを組換え細胞に提供し、ギ酸及び/又はメタノールからもイソ酪酸を生産することもできる。すなわち、一酸化炭素や二酸化炭素に加えて、もしくは単独で、ギ酸やメタノールを炭素源として用いて組換え細胞を培養したり、ギ酸やメタノールを組換え細胞に接触させることにより、ギ酸やメタノールからもイソ酪酸を生産することができる。
組換え細胞が還元型アセチルCoA経路、もしくは還元型アセチルCoA経路及びメタノール経路を有している場合には、以下のガスや液体を用いて、イソ酪酸を生産することができる。
・CO
・CO2
・CO/H2
・CO2/H2
・CO/CO2/H2
・CO/HCOOH
・CO2/HCOOH
・CO/CH3OH
・CO2/CH3OH
・CO/H2/HCOOH
・CO2/H2/HCOOH
・CO/H2/CH3OH
・CO2/H2/CH3OH
・CO/CO2/H2/HCOOH
・CO/CO2/H2/CH3OH
・CH3OH/H2
・HCOOH/H2
・CH3OH
・HCOOH
・CO
・CO2
・CO/H2
・CO2/H2
・CO/CO2/H2
・CO/HCOOH
・CO2/HCOOH
・CO/CH3OH
・CO2/CH3OH
・CO/H2/HCOOH
・CO2/H2/HCOOH
・CO/H2/CH3OH
・CO2/H2/CH3OH
・CO/CO2/H2/HCOOH
・CO/CO2/H2/CH3OH
・CH3OH/H2
・HCOOH/H2
・CH3OH
・HCOOH
生産されたイソ酪酸は、細胞内に蓄積されるか、細胞外に放出される。例えば、上述したClostridium属細菌、Methanosarcina属、アーキア等を宿主細胞とした組換え細胞を用い、細胞外に放出されたイソ酪酸を回収し、単離精製することにより、純化されたイソ酪酸を取得することができる。
培養液中に多量に存在するイソ酪酸は、そのまま等電点沈殿、イオン交換樹脂吸着等を行うことにより、高純度で回収可能である。イソ酪酸をメタクリル酸メチル(MMA)等の合成前駆体として使用する場合は、さらに電気透析法、イオン交換樹脂法等によって脱塩処理を行うことができる。
なお、本発明の組換え細胞について、イソ酪酸生産を目的とせず、専ら細胞を増やす目的で培養する場合には、一酸化炭素や二酸化炭素を炭素源として用いる必要はない。例えば糖類、酢酸、エタノール、メタノール、グリセリンといった他の有機炭素源を用いて、組換え細胞を培養すればよい。
本発明は、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である宿主細胞に、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を導入し、当該遺伝子が発現してイソ酪酸を生産可能である組換え細胞を製造する組換え細胞の製造方法、を包含する。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)プラスミド構築
Lactococcus lactis由来の2−ケト酸デカルボキシラーゼKivDの推定アミノ酸配列(配列番号4)、及びEscherichia coli由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼFeaB(PadA)の推定アミノ酸配列(配列番号1)の情報をGenScript社に提供し、偏性嫌気性酢酸生成菌Clostridium kluyveri DSM 555のコドン使用頻度に最適化した、2−ケト酸デカルボキシラーゼ遺伝子とアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子との融合遺伝子(配列番号5)を人工合成により作製した。この際、2−ケト酸デカルボキシラーゼ遺伝子上流に、Clostridium ljungdahlii由来のptaプロモーターを、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子下流にGloELターミネーターを、それぞれ付加した。さらに、プロモーターの上流に制限酵素EcoRI認識配列、ターミネーター下流に制限酵素SalI認識配列を、それぞれ付加した。作製した人工合成遺伝子を含むプラスミドを制限酵素EcoRIおよび制限酵素SalIで消化し、得られたDNA断片をClostridium用シャトルベクターpJIR750aiプラスミド(Sigma Aldrich社製)の制限酵素EcoRIおよび制限酵素SalI部位に連結して、プラスミドpKivD_PadA_Cljを作製した。
Lactococcus lactis由来の2−ケト酸デカルボキシラーゼKivDの推定アミノ酸配列(配列番号4)、及びEscherichia coli由来のアルデヒドデヒドロゲナーゼFeaB(PadA)の推定アミノ酸配列(配列番号1)の情報をGenScript社に提供し、偏性嫌気性酢酸生成菌Clostridium kluyveri DSM 555のコドン使用頻度に最適化した、2−ケト酸デカルボキシラーゼ遺伝子とアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子との融合遺伝子(配列番号5)を人工合成により作製した。この際、2−ケト酸デカルボキシラーゼ遺伝子上流に、Clostridium ljungdahlii由来のptaプロモーターを、アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子下流にGloELターミネーターを、それぞれ付加した。さらに、プロモーターの上流に制限酵素EcoRI認識配列、ターミネーター下流に制限酵素SalI認識配列を、それぞれ付加した。作製した人工合成遺伝子を含むプラスミドを制限酵素EcoRIおよび制限酵素SalIで消化し、得られたDNA断片をClostridium用シャトルベクターpJIR750aiプラスミド(Sigma Aldrich社製)の制限酵素EcoRIおよび制限酵素SalI部位に連結して、プラスミドpKivD_PadA_Cljを作製した。
(2)Clostridium ljungdahliiによるイソ酪酸生産
野生型偏性嫌気性酢酸生成菌Clostridium ljungdahlii DSM 13528を、プラスミドpKivD_PadA_Cljで形質転換した。野生型株および得られた形質転換体(組換え細胞)を、ATCC1754 PETC培地で嫌気的に培養した。培養液25mLをブチルゴム栓によって封をされた100mL容量のバイアル瓶中に、一酸化炭素34%、二酸化炭素33%、水素33%の混合ガスを封入し、37℃で振とう培養した。培養液のOD600が2.0の時点で、培養液を遠心し、上精を回収した。0.22μmフィルターでろ過して得た培養上清を、GL-7400(GLサイエンス社)、及びAminex HPX 87Hカラム(Bio-Rad社)を用いた高速液体クロマトグラフィーに供し、イソ酪酸を定量した。移動相として、5mM H2SO4を流速0.6mL/分で用いた。カラム温度は35℃、検出温度は50℃とした。分析の結果、野生型Clostridium ljungdahlii DSM 13528では、イソ酪酸はほとんど検出されなかった。一方、形質転換体では、96mg/Lのイソ酪酸が検出された。
野生型偏性嫌気性酢酸生成菌Clostridium ljungdahlii DSM 13528を、プラスミドpKivD_PadA_Cljで形質転換した。野生型株および得られた形質転換体(組換え細胞)を、ATCC1754 PETC培地で嫌気的に培養した。培養液25mLをブチルゴム栓によって封をされた100mL容量のバイアル瓶中に、一酸化炭素34%、二酸化炭素33%、水素33%の混合ガスを封入し、37℃で振とう培養した。培養液のOD600が2.0の時点で、培養液を遠心し、上精を回収した。0.22μmフィルターでろ過して得た培養上清を、GL-7400(GLサイエンス社)、及びAminex HPX 87Hカラム(Bio-Rad社)を用いた高速液体クロマトグラフィーに供し、イソ酪酸を定量した。移動相として、5mM H2SO4を流速0.6mL/分で用いた。カラム温度は35℃、検出温度は50℃とした。分析の結果、野生型Clostridium ljungdahlii DSM 13528では、イソ酪酸はほとんど検出されなかった。一方、形質転換体では、96mg/Lのイソ酪酸が検出された。
Claims (14)
- 一酸化炭素及び二酸化炭素からなる群より選ばれた少なくとも1つを唯一の炭素源として増殖可能であり、かつ偏性嫌気性である組換え細胞であって、
外来遺伝子として、イソブチルアルデヒドをイソ酪酸に変換する作用を有する酵素をコードする遺伝子を有し、
当該遺伝子が発現し、イソ酪酸を生産可能である組換え細胞。 - 前記酵素が、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼB、及びスクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼからなる群より選ばれた少なくとも1つのアルデヒドデヒドロゲナーゼ又はその機能的断片である、請求項1に記載の組換え細胞。
- 前記酵素が、下記(a−1)、(a−2)、(a−3)、(b−1)、(b−2)、(b−3)、(c−1)、(c−2)、(c−3)のいずれかである、請求項1又は2に記載の組換え細胞。
(a−1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(a−2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(a−3)配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b−2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(b−3)配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−1)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(c−2)配列番号3で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質、
(c−3)配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。 - 外来遺伝子として、2−ケトイソ吉草酸をイソブチルアルデヒドに変換する作用を有する第2の酵素をコードする遺伝子をさらに有し、当該遺伝子が発現する、請求項1〜3のいずれかに記載の組換え細胞。
- 前記第2の酵素が、2―ケト酸デカルボキシラーゼ又はその機能的断片である、請求項4に記載の組換え細胞。
- 前記第2の酵素が、下記(d−1)、(d−2)、(d−3)のいずれかである、請求項4又は5に記載の組換え細胞。
(d−1)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(d−2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質、
(d−3)配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を示すアミノ酸配列を有し、かつケト酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質。 - 一酸化炭素脱水素酵素を有するものである、請求項1〜6のいずれかに記載の組換え細胞。
- メチルテトラヒドロ葉酸若しくはメチルテトラヒドロプテリン、一酸化炭素、及びCoAからアセチルCoAを合成する機能を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の組換え細胞。
- 細菌である、請求項1〜8のいずれかに記載の組換え細胞。
- Clostridium属細菌又はMoorella属細菌である、請求項9に記載の組換え細胞。
- アーキアである、請求項1〜8のいずれかに記載の組換え細胞。
- Methanosarcina属、Methanococcus属、又はThermococcus属に属するアーキアである、請求項11に記載の組換え細胞。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の組換え細胞に、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を接触させ、当該組換え細胞に前記C1化合物からイソ酪酸を生産させる、イソ酪酸の生産方法。
- 前記組換え細胞を、一酸化炭素、二酸化炭素、ギ酸、及びメタノールからなる群より選ばれた少なくとも1つのC1化合物を炭素源として用いて培養し、その培養物からイソ酪酸を取得する、請求項13に記載のイソ酪酸の生産方法。
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