JP2017192375A - 発情検知装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触且つ非侵襲で観測及び解析を行い、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期を複数頭同時に自動検知することができるシステムを提供する。【解決手段】発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンして得られたデータを分析し、スキャン面と対象動物との交差がある閾値以上の範囲で検知され、かつ背景でなければ、乗駕行動と判断し、発情期を検知することにより解決する。【選択図】図1
Description
本発明は、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期を複数頭同時に非接触且つ非侵襲で自動検知するための発情検知装置、プログラム及び方法に関する。
牛繁殖農家にとって、母牛の発情期の検知はタイミングよく人工授精させ、効率的な家畜生産につなげるために非常に重要である。しかし、そのサインを見逃さないためには24時間監視体制が必要であり、農家の負担となっている。そのために、特許文献、非特許文献を含めて非常に多くの方式が開発されてきた。
特許文献1では、牛の首に装着したタグに内蔵する牛の動きを検出するモーションセンサの信号から前もって設定した所定時間以上継続した信号を検出することから適当な閾値を設定し、ある閾値以上のときに発情と判断する方法が提案されている。特許文献2では、家畜の尻尾および足に装着して、家畜の尻尾の尾上げ行動および歩行等の運動量を計測する3次元加速度センサと、該3次元加速度センサで計測された加速度データを、時系列で記録すると同時に家畜の分娩状態または発情状態を表す信号を出力する方法が提案されている。
非特許文献1の試験成績報告書では、赤外線センサ、ウェブカメラ及びインターネットによる発情モニタリングシステムの活用により効率的な発情発見を可能としているが、誤報率が15.8%となっている。非特許文献2では、発情期の特徴として、「(1)雄子牛の追従、乗駕、(2)落ち着きがなくなったり、食欲が低下したり、あるいは1時間あたり歩行数が増加したりする行動の変化、(3)乗駕許容、(4)外陰部から発情粘液の流出」などがあり、発情期検知手法としては、「(1)機械的な発情発見法−チンボール法や(2)乗駕検出器具を用いる方法」などが紹介されている。非特許文献3では、歩数計を用いて、牛の行動量を24時間監視し、発情開始時刻を特定する研究が報告されている。非特許文献4では、安価で、簡単な発情の発見を目指して、発情発見棒を用いる方法を提案している。棒高飛びの横棒バーのように両側を固定しないで床面に落下しないように10cm程度の余裕をもって紐をかけて、その落下により発情を発見しようとするものである。その検知精度は棒を設置する高さにより、大きく依存する。
発情を最初に発見するのは牛群中の雄子牛であり、80日齢以前から雄子牛は雌牛に追従したり、乗駕したりする。また、人工授精技術の開発、普及により、農家では通常雌牛だけが飼育されているが、発情すると雌同士が乗駕しあう行動がみられる。さらに、雄牛に発見させる方法もあり、去勢牛あるいは交尾ができないように手術をした雄牛が発情牛に乗駕することもある。
「ウシの乗駕行動を指標とした発情モニタリングシステムの開発」、平成20年度試験成績報告書、38、2009.
「写真で見る繁殖技術」、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所の報告書、http://www.naro.affrc.go.jp/nilgs/breeding/skill/025590.html.
邉見広一郎、小林郁雄、加治佐誠、北原豪、福山喜一、上村俊一、"歩数計測による発情開始から人工授精までの時間と発情同期化が黒毛和種子牛の性比に及ぼす影響"、宮崎大学農学部研究報告、2010.
玉城政信、「牛発情発見の簡易技術としての『発情発見棒』−低コスト生産のキーポイントは発情発見から−」、生産技術セミナー、http://jlia.lin.gr.jp/cali/manage/102/s−semina/102ss1.htm.
牛の発情期検知に関しては従来から、非常に多くの方式が開発されてきたが、広く実用化していくことを考えるとき、精度、信頼性、コスト、システムの柔軟性、頑健さなどの点で十分満足できるものはなかった。また、従来のウェラブル型センサによる牛へのストレスを少なくし、人がビデオ映像を長時間見続ける負担を軽減することは不可欠である。このことが、高齢農家への支援のみならず、畜産業がICTを活用したスマート農業となり、若者の新規就農など、その持続可能性を高める。
従って、バイタルセンサのように体に装着したり、体内に埋め込むことなく、すなわち、非接触且つ非侵襲で、牛にストレスを与えることなく、発情期を正確に検知できること、全体の構成がシンプルで簡便、安価に構成でき、柔軟性、頑健性に富み、高精度、高信頼性で動作し、農家の効率的経営に貢献することが熱望されている。
本発明は、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期を複数頭同時に非接触且つ非侵襲で自動検知するための発情検知装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る発情検知装置は、
発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射部と、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信部と、
前記探知波発射部から反射物体までの距離を算出する距離計測部と、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出する位置算出部と、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知部と、
前記乗駕行動検知部により乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動部とを、
備える。
発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射部と、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信部と、
前記探知波発射部から反射物体までの距離を算出する距離計測部と、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出する位置算出部と、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知部と、
前記乗駕行動検知部により乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動部とを、
備える。
本発明の第2観点に係る発情検知装置は、第1観点に係る発情検知装置であって、
前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を、
備える。
前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を、
備える。
本発明の第3観点に係る発情検知装置は、第1観点に係る発情検知装置であって、
前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数個1ヵ所に設置され、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射部を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を、
備える、
前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数個1ヵ所に設置され、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射部を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を、
備える、
本発明の第4観点に係る発情検知方法は、
発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射ステップと、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信ステップと、
前記探知波発射部から反射物体までの距離を算出する距離計測ステップと、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出する位置算出ステップと、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知ステップと、
前記乗駕行動検知ステップにより乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動ステップとを、
含む。
発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射ステップと、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信ステップと、
前記探知波発射部から反射物体までの距離を算出する距離計測ステップと、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出する位置算出ステップと、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知ステップと、
前記乗駕行動検知ステップにより乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動ステップとを、
含む。
本発明の第5観点に係る発情検知方法は、第4観点に係る発情検知方法であって、
前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを、
含む。
前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを、
含む。
本発明の第6観点に係る発情検知方法は、第4観点に係る発情検知方法であって、
前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数個1ヵ所に設けられ、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射ステップを選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを、
含む。
前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数個1ヵ所に設けられ、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射ステップを選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを、
含む。
本発明に係る発情検知プログラムは、
上記記載の第1観点と第3観点のいずれかに係わる発情検知装置、あるいは第4観点と第6観点のいずれかに係わる発情検知方法をコンピュータにより実現するものである。
上記記載の第1観点と第3観点のいずれかに係わる発情検知装置、あるいは第4観点と第6観点のいずれかに係わる発情検知方法をコンピュータにより実現するものである。
一般に動物は発情期には乗駕行動を伴うことが多い。特に和牛では多くの場合、この乗駕行動を伴う。ここで、他の牛が乗駕すると、頭や胴体が一定の高さに達することを検知することにより、乗駕行動を検知する。探知波を発射しつつスキャンする際に1回のスキャンで構成される面をスキャン面と呼ぶ。対象物が、ある一定の閾値以上の大きさの範囲でスキャン面と交差する場合、乗駕行動があったと判断する。このように閾値の設定により、ノイズ軽減と精度向上の効果が期待できる。一般には平面で十分であるが、地面の起伏がトレランスを超える場合は複数枚のスキャン面を選択的に用いるか、または曲面を用いてもよい。地面と平行な面の高さには、トレランスがあるが、探知波発射方向と前期距離に応じて面の高さや回転角を調整することで、トレランスを超える地面の起伏や体高の固体差に対応することができる。
本発明は、非接触且つ非侵襲で観測及び解析を行い、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期を複数頭同時に自動検知することができる。
スキャンすることで観測空間全体を同時に観測可能とする。さらに、スキャン面は1枚でもよいが、状況によって2枚以上を用いてもよい。複数枚あれば、複数の方向及び複数の高さからの観測が可能になるので、隠蔽を少なくし、高い精度、安定性を得ることができる。
先行事例では、受発光ペアを用いて線で構成されるものがあったが、本発明ではスキャン面を構成するため、スキャン面1枚でも牧場全体の監視が可能である。また、線だと複数ペア用いても隙間ができるが、スキャン面ではより密な監視が可能であり、頭数が増えたときの拡張性、汎用性に富む。ここで、観測空間である牧場は、パドックや舎内を含む、発情牛の検知対象となる場所を指し示す、広義の意味で用いる。
受発光ペアのように牧場の両側に対面的に設置する必要はなく、1カ所に設置してもよいので、設置が楽である。さらに、観測原理として赤外線の遮断の有無ではなく、スキャン面上の距離画像を用いるので、貫通形状(形状、距離計測)の観測が可能となり、より多くの情報が得られる。
本発明は、牛に限らず、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期検知にも適用できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る発情検知装置、プログラム及び方法について説明する。
<1.定義>
スキャン操作を行う面をスキャン面と呼ぶ。スキャン面は探知波を照射する部分と受信する部分から構成され、探知波には(1)アクティブ方式(レーザ光、赤外線、ミリ波などのエネルギー照射型)と(2)パッシブ方式(カメラなどの受動型)がある。また、探知波を照射する代わりに、接触センサを備えた布を横にしたカーテン状のものを張ることで構成してもよい。
スキャン操作を行う面をスキャン面と呼ぶ。スキャン面は探知波を照射する部分と受信する部分から構成され、探知波には(1)アクティブ方式(レーザ光、赤外線、ミリ波などのエネルギー照射型)と(2)パッシブ方式(カメラなどの受動型)がある。また、探知波を照射する代わりに、接触センサを備えた布を横にしたカーテン状のものを張ることで構成してもよい。
探知波を発射しつつスキャンし、その反射波を受信する装置であって、探知波の発射方向と前期距離を計測し、スキャン面上の距離画像を算出する機能を備えるものを測域センサと呼ぶ。ここで、測距とは探知波照射装置と反射物体との距離を算出することをいう。測域センサは、内部にあるミラーを回転させることでレーザ光をセンサの周囲に放射状に照射し、2次元平面をスキャンしながら周囲の物体までの距離を計測する光走査型距離計測センサである。測域センサは、探知波照射と反射波受信と距離画像出力機能を備えており、利用者から見れば、これらの機能を一台で兼ね備えた装置であり、小型簡便に利用できる。
距離画像とは、通常の2次元画像の色や濃淡の値の代わりに、入力装置から対象物までの距離の値を持った画像のことをいう。
背景とは、観測空間内において地面、建物、立木、電柱や柵等の静止物体のことをいい、これに対して牛や人等の動くものは前景と呼ぶ。
背景差分とは、観測画像と事前に取得しておいた画像を比較することで、事前に取得した画像には存在しない物体を抽出する処理を指し、このとき、事前に取得した画像を背景画像と呼ぶ。ここでは、この概念を距離画像に拡張して用い、背景距離画像を単に背景と呼ぶ。
所定の高さとは、図3(a)に示されているようにトレランス(許容範囲)の範囲内の高さをいい、一般にはトレランスの中央(180cm〜190cm)に設定する。
<2.概略構成>
図1は、本発明に係わる乗駕行動検知システムの実施形態の概略処理ブロック図を示す。
図1は、本発明に係わる乗駕行動検知システムの実施形態の概略処理ブロック図を示す。
ここでは、測域センサを用いてスキャンする実施例を示す。
探知波発射部分10では、スキャンしながら探知波を発射する。
反射波受信部分11では、反射波を受信し、探知波と反射波との時間的遅延を計測する。
反射位置算出12では、前記時間的遅延から前記距離を算出すると同時に探知波の方向から反射物の位置を算出することで距離画像を求める。前景を求めるために、画像処理での背景差分と同様に、距離画像においても背景推定を行い、現時点の距離画像との差分処理を行う。
部分13では、背景以外の部分からの反射があるかどうか、を判断する。
乗駕行動検知を行う部分14では、前記の部分13で、背景以外の部分からの反射がある一定以上の範囲であれば、対象物として検知し、乗駕行動があったと判断する。
処理部分15では、前記の部分14で、乗駕行動ありと判断されれば、事前に決められた発情検知時の手順に従って動作する。また、ウェブカメラが設置されていれば、リアルタイム映像送信や映像記録を行ってもよい。
<3.システム全体の概観>
図2は、所定の高さのスキャン面による乗駕行動検知システムの説明図を示す。
図2は、所定の高さのスキャン面による乗駕行動検知システムの説明図を示す。
「黒毛和種繁殖雌牛の平均体高は128cm程度で、124cm〜136cmの範囲にあり、乗駕時の高さはおおよそ220cmに達する」ことが報告されており、スキャン面の高さは乗駕行動検知用として、180cm〜190cmに設定する。この高さを「所定の高さ」と言い、大きなトレランスがある。
乗駕行動があると、その位置で距離画像に変化が生じ、背景距離画像に比べて、近くに対象物があるように見える。測域センサとつながったコンピュータでデータ分析を行うことで、乗駕行動を検知することができ、正常ならば、観測を続け、乗駕行動を検知すれば、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動動作を行う。映像の記録と同時にリアルタイム配信を始めてもよい。
測域センサにおいて、
(1)1カ所における台数は、「1台、又は複数台」、
(2)その可動状態は、「固定、上下移動、垂直上下回転(チルト)、又は光軸中心回転(ロール)」、
(3)設置場所は、「1カ所、又は複数場所」、
から選択する。(1)「1台」、及び(2)「固定」の場合以外は、スキャン面を所定の高さに維持する目的で選択的に用いられる。(3)の「複数場所」に設置する目的は、多方向からの観測により隠ぺいをなくし、同時に乗駕牛の位置を正確に求める目的で用いる。
(1)1カ所における台数は、「1台、又は複数台」、
(2)その可動状態は、「固定、上下移動、垂直上下回転(チルト)、又は光軸中心回転(ロール)」、
(3)設置場所は、「1カ所、又は複数場所」、
から選択する。(1)「1台」、及び(2)「固定」の場合以外は、スキャン面を所定の高さに維持する目的で選択的に用いられる。(3)の「複数場所」に設置する目的は、多方向からの観測により隠ぺいをなくし、同時に乗駕牛の位置を正確に求める目的で用いる。
<4.乗駕行動検知原理>
図3は、測域センサを用いた乗駕行動検知の説明図を示す。
図3は、測域センサを用いた乗駕行動検知の説明図を示す。
ここでは説明の簡単のため横から見た様子を図3に示す。図3(a)は、地面が平面の場合のスキャン面選択の説明図であるが、この図のように、地面が平面であれば、スキャン面の設定は簡単である。スキャン面S1〜S3は乗駕行動検知用であり、現場の状況に応じて選択す。図3(a)では、スキャン面S1〜S3の内、乗駕牛がスキャン面S2を突き抜けており、乗駕行動を検知できる。スキャン面を設置する高さには図に示すようにかなり広範囲のトレランスがあり、個体差がトレランスの範囲に入っていれば、スキャン面S2だけで検知可能となる。
現実的には牧場でそれほど大きな起伏はないと考えられ、またトレランスがあるので近似的に平面で近似できる場合が多いが、トレランスを超える大きな起伏があるときには、図3(b)〜(d)のように、いくつかの解決策が考えられる。基本的には、地面からの所定の高さのスキャン曲面での情報が得られるように、探知波の方向と前期距離に応じて測域センサの上下位置あるいは角度(チルト角とロール角)を選択することで乗駕行動の検知が可能となる。
また、複数枚の平面スキャン面からのデータを選択的に用いることで乗駕行動の検知が可能になる。図3(b)は、地面の起伏がトレランスを超える場合に平行な複数枚の平面スキャン面から部分選択する説明図であり、平行スキャン面を複数枚設置し、距離画像から求まる前記位置に応じてスキャン面を選択する。この例では、スキャン面S1により乗駕行動の検知が可能となる。ここでは、中央より左側ではスキャン面S1を選択し、右側ではスキャン面S2を選択する。測域センサを上下に移動することでも、同様のことが実現できる。
また、複数枚の平面スキャン面からのデータを選択的に用いることで乗駕行動の検知が可能になる。図3(b)は、地面の起伏がトレランスを超える場合に平行な複数枚の平面スキャン面から部分選択する説明図であり、平行スキャン面を複数枚設置し、距離画像から求まる前記位置に応じてスキャン面を選択する。この例では、スキャン面S1により乗駕行動の検知が可能となる。ここでは、中央より左側ではスキャン面S1を選択し、右側ではスキャン面S2を選択する。測域センサを上下に移動することでも、同様のことが実現できる。
図3(c)は、地面の起伏がトレランスを超える場合に角度の異なる複数枚の平面スキャン面から部分選択する説明図であり、測域センサからの方向と前期距離に応じて、チルト角とロール角を地面の起伏に沿うように制御しながら距離データを取得することで、地面にトレランスを超える起伏があっても所定の高さを維持する。複数台の測域センサを用いたこの例で、近くではチルト角θ2、遠くではチルト角θ1のスキャン面を選択することで、所定の高さを維持している。
測域センサで張られるスキャン面のロール角が0°でない場合には、同様の原理で地面の起伏に応じてスキャン面を選択することで対応できる。
測域センサで張られるスキャン面のロール角が0°でない場合には、同様の原理で地面の起伏に応じてスキャン面を選択することで対応できる。
図3(d)は、地面の起伏がトレランスを超える場合に複数枚の曲面スキャン面から部分選択する説明図であり、測域センサからの方向と前期距離に応じて、チルト角とロール角を地面の起伏に沿うように制御しながら距離データ取得することで、地面にトレランスを超える起伏があっても所定の高さを維持している。原理は図3(c)と同様であるが、ロール角を制御できる自由度がある。
測域センサからの距離画像を用いるときには、1スキャン毎に回転軸(チルト角)を変えることで、あたかも図3(d)のようなスキャン曲面を張ったかのような効果が得られるので、地面の起伏に柔軟に対応することができる。このようなスイング方式は、距離と角度が分かれば、3次元位置が分かるので、最初に等高線が既知の場合、有効に機能する。
地面の起伏のある地形を牛が歩いてスキャン平面を突き抜けた場合と、乗駕行動により突き抜けた場合は時間的な遷移パターンが異なり、区別することもできる。どのスキャン面を選択するかは、位置と突き抜ける範囲や時間変化パターンにより最適なものを選んでもよい。
<5.乗駕行動検知と位置算出>
図4は、測域センサを用いたときの乗駕行動検知の様子を示しており、2台の測域センサを用いた時の背景差分及び隠蔽に対する効果や隠ぺい除去を示す図である。
図4は、測域センサを用いたときの乗駕行動検知の様子を示しており、2台の測域センサを用いた時の背景差分及び隠蔽に対する効果や隠ぺい除去を示す図である。
図4(a)は、平常時の牛の検知例であり、高さ90cm〜100cmの高さに測域センサのスキャン面を設定している。測域センサは1台でも検知できるが、ここでは信頼性向上のために2台を用いた例を挙げてある。この高さは、親牛の胴体部分に相当するので、図4(a)右図のように3頭の牛の存在を検知でき、その位置も分かる。
図4(b)は、乗駕牛検知例であり、高さ180cm〜190cmの高さに測域センサのスキャン面を設定した例である。測域センサ1台でも乗駕牛を検知できるが、ここでは信頼性向上のために2台を用いた例を挙げてある。この高さであれば、正常時の牛の存在は確認できないが、この例では図4(b)右図のように1頭の乗駕牛(1組)の存在を検知でき、その存在位置が分かる。図4(b)や図4(c)において、立ち木は常に同じ場所にあり、動かないので背景として扱われ、平常時の牛や乗駕牛としては誤検知されない。このことは背景差分の効果といえる。
図4(c)は、隠蔽があるときの乗駕牛検知例であり、高さ180cm〜190cmの高さに測域センサのスキャン面を設定した例である。図4(c)において、右下の乗駕牛はセンサS1からは立ち木に隠れて見えないが、センサS2からは検知できる。測域センサの場合はその3次元位置が求まる。この例では図4(c)右図のように2頭の乗駕牛(2組)の存在を検知でき、その位置も分かる。
図4では2台の測域センサを用いた例を示したが、1台でも同じことが実現できる。複数台用いた方が、隠ぺいが少なくなり、精度、信頼性が高くなるが、コストも上昇するので、性能とコストはトレードオフの関係にある
図4では2台の測域センサを場所を変えて設置したが、同じ場所で高さを、90〜100cmと180〜190cmの範囲に1台づつ設置すると、乗駕牛と被乗駕牛との動きを捉えられるので、より多くの情報が得られる。
場合1「乗られている側がじっとしている。乗られている側(スタンディング)は間違いなく発情。乗っている側(マウンティング)も発情の可能性あり。」、
場合2「乗られている側が逃げ腰では、乗られている側(スタンディング)は発情かもしれないが時期が早いか遅い、あるいは発情でない。乗っている側(マウンティング)はおそらく発情(もし乗られている側が逃げるのであれば)。」のような判断が可能となる。
場合1「乗られている側がじっとしている。乗られている側(スタンディング)は間違いなく発情。乗っている側(マウンティング)も発情の可能性あり。」、
場合2「乗られている側が逃げ腰では、乗られている側(スタンディング)は発情かもしれないが時期が早いか遅い、あるいは発情でない。乗っている側(マウンティング)はおそらく発情(もし乗られている側が逃げるのであれば)。」のような判断が可能となる。
以上のように、本発明の発情期検知システムは、乗駕行動に特徴づけられる動物の発情期を複数頭同時に非接触且つ非侵襲で自動検知することができる。
10 探知波発射ステップ
11 反射波受信ステップ
12 反射位置算出ステップ
13 背景以外からの反射波検知ステップ
14 乗駕行動検知ステップ
15 発情時起動ステップ
11 反射波受信ステップ
12 反射位置算出ステップ
13 背景以外からの反射波検知ステップ
14 乗駕行動検知ステップ
15 発情時起動ステップ
Claims (7)
- 発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射部と、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信部と、
前記探知波発射装置から反射物体までの距離を算出する距離計測部と、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出する位置算出部と、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知部と、
前記乗駕行動検知部により乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動部とを、
備える発情検知装置。 - 前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を備える、
請求項1に記載の発情検知装置。 - 前記探知波発射部は、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、1ヵ所に上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数個設置され、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射部を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得部を備える、
請求項1に記載の発情検知装置。 - 発情期に乗駕行動をとる動物が放たれている観測空間内で前記動物の背中の上の所定の高さに探知波を発射しつつスキャンする探知波発射ステップと、
前記探知波の反射波を受信する探知波受信ステップと、
前記探知波発射装置から反射物体までの距離を算出する距離計測ステップと、
前記探知波の発射方向と、前記距離とにより、反射物体の位置を算出するステップと、
前記反射物体の位置の時間的な変化により発射された探知波が背景以外の物体で反射されたことを、検知する乗駕行動検知ステップと、
前記乗駕行動検知ステップにより乗駕行動が検知されれば、発情期であると判断し、前もって決められた手順に従って動作する発情時起動ステップとを含む、
発情検知方法。 - 前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、上下移動したり、あるいは回転したりする機能を兼ね備え、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように上下移動量、あるいは回転角を選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを含む、
請求項4に記載の発情検知方法。 - 前記探知波発射ステップは、
観測空間内の地面の起伏がトレランスを超える場合に、使用するもので、1ヵ所に上下位置、あるいは回転角を変えたものが複数ステップ設けられ、
前記探知波の前記発射方向と、前期距離に応じて、反射点が所定の高さになるように前記探知波発射ステップを選ぶことで、地面から所定の高さでのデータを選択的に取得するデータ取得ステップを含む、
請求項4に記載の発情検知方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の発情検知装置、あるいは請求項4から6のいずれかに記載の発情検知方法をコンピュータに実行させる発情検知プログラム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016098288A JP2017192375A (ja) | 2016-04-22 | 2016-04-22 | 発情検知装置、方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016098288A JP2017192375A (ja) | 2016-04-22 | 2016-04-22 | 発情検知装置、方法及びプログラム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017192375A true JP2017192375A (ja) | 2017-10-26 |
Family
ID=60154363
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016098288A Pending JP2017192375A (ja) | 2016-04-22 | 2016-04-22 | 発情検知装置、方法及びプログラム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017192375A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020188735A1 (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 牛の監視システム |
| JP2020156393A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 富士通株式会社 | 行動検出プログラム、行動検出方法及び行動検出システム |
| JP2022125851A (ja) * | 2021-02-17 | 2022-08-29 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 発情検出装置、発情検出方法、発情検出プログラム、及び記録媒体 |
-
2016
- 2016-04-22 JP JP2016098288A patent/JP2017192375A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020188735A1 (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 牛の監視システム |
| JP2020156393A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 富士通株式会社 | 行動検出プログラム、行動検出方法及び行動検出システム |
| JP2022125851A (ja) * | 2021-02-17 | 2022-08-29 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 発情検出装置、発情検出方法、発情検出プログラム、及び記録媒体 |
| JP7527646B2 (ja) | 2021-02-17 | 2024-08-05 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 発情検出装置、発情検出方法、発情検出プログラム、及び記録媒体 |
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