JP2017192478A - 画像生成装置および画像生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体内に挿入される医療用具の超音波画像内の位置を確実且つ視覚的に容易に把握できる画像生成装置を提供する。【解決手段】被検体に入射した超音波の被検体からの反射波を受信した受信信号に基づいて超音波画像を生成する演算処理部350を備えた画像生成装置10であって、前記演算処理部350が、前記受信信号に基づいて前記超音波の入射方向に沿った各位置における減衰特徴値を算出することと、前記減衰特徴値に基づいて前記被検体内に挿入される医療用具の位置を検出することと、前記超音波画像内の前記医療用具の位置を識別表示する制御を行うことと、を実行する。【選択図】図13

Description

本発明は、超音波画像を生成する画像生成装置および画像生成方法に関する。
超音波診断装置における穿刺針の視認性を向上させる技術として、穿刺針の動きを示す動き量(動きベクトル)を累積して用い、超音波画像内で穿刺針を強調させる技術が知られている(特許文献1を参照)。
特開2015−131103号公報
しかし、特許文献1の技術は、被検体内への挿入に伴う穿刺針の動き量に基づいて穿刺針の領域を強調させるものであるため、穿刺の途中で穿刺針の挿入を止めた場合等、穿刺針の動きが止まった場合に、穿刺針の領域を適正に強調させることが困難となる問題があった。この問題は、穿刺針に限らず、被検体内に挿入される他の医療用具についても同様であった。そこで本発明は、被検体内に挿入される医療用具の超音波画像内の位置を確実且つ視覚的に容易に把握できるようにする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、被検体に入射した超音波の前記被検体からの反射波を受信した受信信号に基づいて超音波画像を生成する演算処理部を備えた画像生成装置であって、前記演算処理部が、前記受信信号に基づいて前記超音波の入射方向に沿った各位置における減衰特徴値を算出することと、前記減衰特徴値に基づいて前記被検体内に挿入される医療用具の位置を検出することと、前記超音波画像内の前記医療用具の位置を識別表示する制御を行うことと、を実行する画像生成装置である。
また、他の発明として、被検体に入射した超音波の前記被検体からの反射波を受信した受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成方法であって、前記受信信号に基づいて前記超音波の入射方向に沿った各位置における減衰特徴値を算出することと、前記減衰特徴値に基づいて前記被検体内に挿入される医療用具の位置を検出することと、前記超音波画像内の前記医療用具の位置を識別表示する制御を行うことと、を含む画像生成方法を構成してもよい。
第1の発明等によれば、超音波の入射方向に沿った各位置(入射方向位置)における減衰特徴値を算出し、各入射方向位置の減衰特徴値に基づき被検体内に挿入される医療用具の位置を検出して超音波画像内で識別表示することができる。この識別表示によれば、ユーザーは、超音波画像内の医療用具の位置を確実且つ視覚的に容易に把握することができる。
また、第2の発明として、前記演算処理部が、前記減衰特徴値の前記入射方向に沿った微分値を算出すること、を実行し、前記検出することは、前記減衰特徴値の微分値に基づいて前記医療用具の位置を検出することである、第1の発明の画像生成装置を構成してもよい。
第2の発明によれば、減衰特徴値を超音波の入射方向に沿って微分し、微分値から医療用具の位置を検出することができる。
また、第3の発明として、前記検出することは、前記医療用具の挿入方向に沿った前記超音波の入射方向断面像における前記医療用具の位置を検出することである、第1又は第2の発明の画像生成装置を構成してもよい。
第3の発明によれば、医療用具の挿入方向に沿った超音波の入射方向断面像内で医療用具の位置を識別表示することができる。
また、第4の発明として、前記検出することは、前記医療用具の挿入方向に交差する方向に沿った前記超音波の入射方向断面像における前記医療用具の位置を検出することである、第1又は第2の発明の画像生成装置を構成してもよい。
第4の発明によれば、医療用具の挿入方向に交差する方向に沿った超音波の入射方向断面像内で医療用具の位置を識別表示することができる。
また、第5の発明として、前記演算処理部が、前記医療用具の位置の検出結果から当該医療用具の予測位置を算出することと、前記超音波画像内の前記医療用具の予測位置を識別表示する制御を行うことと、を実行する第1〜第4の何れかの発明の画像生成装置を構成してもよい。
第5の発明によれば、医療用具の予測位置を算出して識別表示することができる。
また、第6の発明として、前記減衰特徴値を算出することは、前記超音波の入射信号強度と、前記反射波の受信信号強度とを用いて、前記受信信号の減衰を相殺するための減衰補正値を算出することである、第1〜第5の何れかの発明の画像生成装置を構成してもよい。
第6の発明によれば、減衰特徴値として、受信信号の減衰を相殺するための減衰補正値を算出することができる。
また、第7の発明として、前記減衰特徴値を算出することは、前記超音波の入射信号強度と、前記反射波の受信信号強度とを用いて、前記受信信号の減衰強度値を算出することである、第1〜第5の何れかの発明の画像生成装置を構成してもよい。
第7の発明によれば、減衰特徴値として、受信信号の減衰強度値を算出することができる。
画像生成装置のシステム構成例を示す図。 第1実施形態に係る対象部位の超音波測定および当該対象部位に穿刺針を挿入する様子を模式的に示す図。 減衰特徴値の算出を説明するための簡易的な超音波伝搬モデルを示す図。 減衰補正値をグラフ化した図。 先端位置の識別表示例を示す図。 先端位置の他の識別表示例を示す図。 先端位置の他の識別表示例を示す図。 先端位置の他の識別表示例を示す図。 対象部位に超音波プローブを当てて穿刺針を挿入する様子を模式的に示す他の図。 穿刺針の予測位置の算出を説明する図。 予測位置の識別表示例を示す図。 予測位置の他の識別表示例を示す図。 第1実施形態における画像生成装置の機能構成例を示すブロック図。 第1実施形態における超音波画像の生成処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態における画像生成装置の全体構成例を示す図。 第2実施形態に係る対象部位の超音波測定および当該対象部位に穿刺針を挿入する様子を模式的に示す概略斜視図。 図16の超音波画像を示す図。 図16の他の超音波画像を示す図。 図16の他の超音波画像を示す図。 図16の他の超音波画像を示す図。 減衰補正値をグラフ化した他の図。 第2実施形態における予測位置の算出を説明する図。 穿刺針の予測位置の識別表示例を示す図。 第2実施形態における画像生成装置の機能構成例を示すブロック図。 第2実施形態における超音波画像の生成処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における画像生成装置10の全体構成例を示す図である。画像生成装置10は、超音波プローブ16が処理装置30と接続されて構成され、超音波測定を利用して被検体2の生体情報を取得する。
超音波プローブ16は、超音波を送受信する複数の超音波素子(超音波振動子)を配列して有している。超音波素子(以下、単に「素子」ともいう)は、超音波と電気信号とを変換する超音波トランスデューサーであり、数MHz〜数十MHzの超音波パルスを送信するとともに、その反射波を受信する。超音波測定に先立ち、超音波プローブ16は、測定の目的に応じた被検体2の部位(対象部位)に当てられる。
処理装置30は、測定結果や操作情報を画像表示するための手段および操作入力のための手段を兼ねるタッチパネル12と、操作入力をするためのキーボード14とを備える。また、処理装置30は、制御基板31を内蔵しており、タッチパネル12、キーボード14、および超音波プローブ16の装置各部と信号送受可能に接続されている。制御基板31には、CPU(Central Processing Unit)32や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種集積回路の他、IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク等の記憶媒体33と、外部装置とのデータ通信を実現する通信IC34とが搭載されている。この処理装置30は、CPU32等が記憶媒体33に記憶されているプログラムを実行することにより、超音波測定をはじめとする生体情報の取得に必要な処理を行う。
具体的には、画像生成装置10は、処理装置30の制御により超音波プローブ16から被検体2へ超音波ビームを入射(送信)し、その反射波(超音波エコー)を受信して超音波測定を行う。そして、反射波の受信信号を増幅・信号処理することにより、被検体2の生体内構造の位置情報や経時変化等の反射波データを生成する。
反射波データには、いわゆるAモード、Bモード、Mモード、ドップラーモードの各モードの画像が含まれる。Aモードは、第1軸を超音波ビームの走査ライン方向(超音波の入射方向)に沿った受信信号のサンプリング点列とし、第2軸を各サンプリング点での反射波の受信信号強度として、反射波の振幅(Aモード像)を表示するモードである。また、Bモードは、超音波ビームを所定のプローブ走査範囲(走査角)内で走査させながら得た反射波振幅(Aモード像)を輝度値に変換することで可視化した、生体内構造の二次元の超音波画像(Bモード像)を表示するモードである。
[概要]
従来から、対象部位の超音波画像を見ながら例えば血管等の穿刺対象物の位置を確認し、被検体2内に挿入される医療用具の1つである穿刺針を生体内部に差し込む(挿入する)といったことが行われている。穿刺針の先端は細く、超音波画像内では見難い場合や見失う場合等があることから、穿刺時の超音波画像の表示にあたっては、穿刺針の位置を視認し易い表示が求められている。
図2は、第1実施形態の超音波プローブ16を被検体2の対象部位に当てて超音波測定をしながら、当該対象部位に穿刺針を挿入する様子を模式的に示す図である。ここで、超音波プローブ16が備える超音波素子161(以下、適宜「素子161」ともいう)の配列方向(超音波ビームの走査方向)をx方向、生体表面からの深さ方向をz方向、これらの各方向と直交する方向をy方向と定義する。
図2に示すように、第1実施形態の超音波プローブ16は、その素子161の配列方向が穿刺針5の挿入方向に沿うように対象部位に当てられ、いわゆるリニア走査方式で超音波測定を行う。すなわち、超音波プローブ16は、素子161の配列方向を走査方向として超音波ビームの入射位置を例えば図2中左端の走査方向始点側から右端の走査方向終点側へとずらしながら、互いに平行な複数の走査ラインLに沿って順次超音波ビームを送受信する。したがって、超音波画像は、穿刺針5の挿入方向に沿った超音波の入射方向断面画像として得られ、この超音波画像には、対象部位に挿入された穿刺針5の長軸像が描出される。走査ラインLの間隔は、素子161のピッチによって決まる。
第1実施形態では、超音波測定の結果を用い、超音波の入射方向に沿った穿刺針5の入射方向位置(第1実施形態では生体表面からの深さ方向の位置)を走査ラインL単位で検出する。そして、検出した穿刺針5の入射方向位置に基づき超音波画像内で穿刺針5の針先(先端位置)を識別表示するとともに、穿刺針5の予測位置を算出して超音波画像内で識別表示する。なお、以下の説明において、穿刺針5は、図2のように走査方向始点側から挿入されるものとする。
[原理]
被検体2に入射した超音波は、被検体2内を減衰しながら伝搬してゆく。発生する減衰には、主に、拡散減衰、吸収減衰、散乱減衰の3種類がある。拡散減衰は、音波が球面状に拡がることによる減衰であり、吸収減衰は、音響エネルギーが媒質に吸収され、熱変換されることによる減衰であり、散乱減衰は、媒質が不均一なことによる減衰である。ここでは、散乱減衰に着目する。そのために先ず、超音波を伝搬させる媒質Aが異なる媒質Bを内在している場合を考える。但し、超音波の拡散減衰および吸収減衰はないものとする。
媒質Aの音響インピーダンスZは、媒質Aの平均密度ρと平均音速cとの積で求められ、媒質Bの音響インピーダンスZは、媒質Bの平均密度ρと平均音速cとの積で求められる(次式(1))。
Figure 2017192478
また、媒質Aを伝搬する超音波が媒質A,Bの境界面で反射するときの反射率Sは、媒質A,Bの音響インピーダンスZ,Zを用いて、次式(2)で表される。
Figure 2017192478
そして、媒質A,Bの境界面を透過する超音波の透過率Tは、次式(3)で表される。
Figure 2017192478
式(3)から、媒質Aの音響インピーダンスZと媒質Bの音響インピーダンスZとの差が大きいほど媒質A,Bの境界面において超音波の反射率Sが大きくなり、透過率Tが小さくなることがわかる。よって、このような異なる媒質A,Bの境界面では、反射率Sが大きく(透過率Tが小さく)なる分だけ境界面を透過する超音波の信号強度は低下し、減衰した信号となる。第1実施形態で検出の対象としているのは穿刺針5であり、穿刺針5は強反射体であるため、超音波の入射方向に穿刺針5が存在するとその位置で超音波の信号は大きく減衰する。そこで、減衰の程度を定量化して用い、走査ラインL単位で穿刺針5の入射方向位置を検出する。
定量化は、減衰特徴値の1つである減衰補正値を求めることで行う。図3は、減衰特徴値の算出を説明するための簡易的な超音波伝搬モデルを示す図である。図3では、複数の媒質境界面40を有する被検体に対し、超音波プローブ16から図3中右方向へと入射信号強度Tの超音波を入射させた場合を示している。但し、超音波の拡散減衰および吸収減衰はないものとする。
図3に示す被検体には、超音波の入射方向に相対するように複数の媒質境界面40_i(i=1,2,・・)が存在しており、超音波プローブ16から入射させた超音波は、これらの媒質境界面40で反射或いは透過して伝搬してゆく。i番目の媒質境界面40_iの反射率Sは、式(2)により、境界となる2つの媒質の音響インピーダンスZによって決まる。そして、i番目の媒質境界面40_iからの超音波の反射波の受信信号強度(反射強度)Rは、媒質境界面40_iへ入射する超音波の入射信号強度(入射強度)Tと、媒質境界面40_iの反射率Sとの積で求められる(次式(4))。
Figure 2017192478
詳細に説明すると、1番目の媒質境界面40_1への入射信号強度Tは、超音波プローブ16からの超音波の入射信号強度Tである。2番目以降の媒質境界面40_i(i=2,3,・・)への入射強度Tは、手前の(i−1)番目の媒質境界面40_(i−1)の超音波の透過強度であり、媒質境界面40_(i−1)への入射強度Ti−1と、媒質境界面40_(i−1)からの反射強度Ri−1との差で求められる(次式(5))。
Figure 2017192478
つまり、各媒質境界面40_i(i=1,2,・・)の入射強度Tは、次式(6)で表すことができる。
Figure 2017192478
そして、媒質境界面40_iそれぞれからの反射強度Rが、超音波プローブ16における受信信号強度となる。このとき、i番目の媒質境界面40_iからの反射波の受信信号は、手前の(i−1)番目までの媒質境界面40_j(j=1,2、・・,i−1)によって超音波の一部が反射して入射強度Tが低下していることで、減衰した信号となる。
さて、i番目の媒質境界面40_iについて、手前以前の媒質境界面40_j(j=1,2,・・,i−1)が存在しない場合、すなわち、超音波プローブ16からの入射信号強度Tのままの超音波がi番目の媒質境界面40_iに入射した理想状態を考えると、媒質境界面40_iからの反射強度Rは、次式(7)で表される。
Figure 2017192478
しかし、i番目の媒質境界面40_iからの実際の反射強度Rは式(4)で表されることから、散乱減衰によって理想状態の反射強度Rよりも小さくなっている。そこで、次式(8)に示すように、実際の反射強度Rに所定の減衰補正値αを乗じ、理想状態の反射強度Rに一致させるとする。
Figure 2017192478
式(8)から、i番目の媒質境界面40_iの減衰補正値αは、次式(9)で表される。
Figure 2017192478
以上のようにして求まる減衰補正値αを実際の反射強度Rに乗じれば、該当する媒質境界面40_iにおける受信信号の減衰が相殺される。したがって、減衰補正値αは、実際の反射強度(受信信号強度)Rが、当該媒質境界面40_iにおける理想状態での反射強度Rと比べてどの程度小さくなっているのか、すなわち減衰の程度を表す。
(1)先端位置の識別表示
図4は、図2中の4本の注目走査ラインL11,L13,L15,L17に係るAモード像から算出した各注目走査ラインL11,L13,L15,L17に係る減衰補正値αを同軸上でグラフ化した図である。本例では、3本の注目走査ラインL11,L13,L15上に穿刺針5が存在する。減衰補正値αは、各サンプリング点をiとして、式(9)から求めることができる。なお、図4では、縦軸を走査ラインL上に設定されるサンプリング点としている。
図4に示すように、穿刺針5を通る注目走査ラインL11,L13,L15に係る減衰補正値αは、穿刺針5の入射方向位置P11,P13,P15において値が大きく上昇する。この減衰補正値αが上昇に転じる変化傾向の変化点は硬質であればある程、顕著に表れる。被検体内に挿入される医療用具であれば、その変化点は判然と明確に表れ、穿刺針5のような金属であればその変化点は歴然である。一方、穿刺針5を通らない注目走査ラインL17に係る減衰補正値αは、急激な変化を伴わずに緩やかに上昇する。したがって、走査ラインL上で減衰補正値αの値が大きく上昇するところがあれば当該走査ラインL上に穿刺針5が存在しており、当該変化の大きいところが穿刺針5の入射方向位置に対応する。
そこで、以上のようにして求めた減衰補正値αを入射方向(つまりその走査ラインLの方向)に沿って微分して用い、該当する走査ラインL上の穿刺針5の入射方向位置を検出する。具体的には、当該走査ラインLの各サンプリング点の微分値の中からその最大値(最大微分値)を抽出するとともに、各サンプリング点の微分値の平均値(平均微分値)を算出し、最大微分値を平均微分値で除した値を予め定められる所定の判定用閾値で閾値判定する。そして、判定用閾値以上の場合に、最大微分値のサンプリング点を穿刺針5の入射方向位置として検出する。なお、最大微分値を平均微分値で除した上で閾値判定する場合に限らず、微分値を閾値判定するのでもよい。例えば、最大微分値が所定の閾値以上の場合に、当該サンプリング点を穿刺針5の入射方向位置としても検出するのでもよい。あるいは、各サンプリング点の微分値を入射側から順に参照し、微分値が所定の閾値以上であると判定した時点で当該サンプリング点を穿刺針5の入射方向位置とするのでもよい。
そして、上記検出の結果から、穿刺針5の先端位置を特定する。第1実施形態では、走査方向始点側から穿刺針5が挿入されることを前提としている。したがって、穿刺針5が挿入されている場合、その針先は、少なくとも穿刺針5の入射方向位置が検出された走査ライン(以下、適宜「検出ライン」ともいう)Lのうちの最も走査方向終端側の走査ライン(以下、適宜「最終端側検出ライン」ともいう)Lには到達しており、その隣の穿刺針5が非検出である走査ライン(以下、適宜「非検出ライン」ともいう。)Lには到達していない。つまり、針先は、最終端側検出ラインL上か、その隣の非検出ラインLとの間に存在する。例えば図4の場合、走査ラインL17上では穿刺針5の入射方向位置は検出されず、その左隣の走査ラインL15が最終端側検出ラインである。そして、針先は、走査ラインL15,L17間に存在している。
そのため、例えば、最終端側検出ラインL15上の穿刺針5の入射方向位置を先端位置として特定し、超音波画像内で先端位置を識別表示する制御を行う。ここで、実際の先端位置のx座標は、最終端側検出ラインL15の走査線番号を素子161のピッチ(走査ラインLの間隔)に乗じることで求めることができる。走査線番号は、例えば、走査方向始点側の走査ラインLから順番に割り振った通し番号である。また、z座標は、その入射方向位置のサンプリング点を用いて次式(10)により求めることができる。式(10)において、fsはサンプリング周波数[Hz]、cは音速[m/s]、kはサンプリング点をそれぞれ表す。
Figure 2017192478
図5〜図8は、先端位置の識別表示例を示す図である。先端位置の識別表示は、例えば図5に示すように、穿刺針5の先端位置を囲って指し示すマーカーM21を付すことで行う。あるいは、図6に示すように、穿刺針5の先端位置の近傍位置において当該先端位置を指し示す矢印形状のマーカーM23を付すことで行ってもよい。あるいは、図7に示すように、その中心によって穿刺針5の先端位置を指し示す十字形状のマーカーM25を付すことで行ってもよい。
また、識別表示は、図5〜図7のような先端位置を指し示すマーカーの表示によって行う場合に限定されない。すなわち、先端位置の識別表示は、例えば図8に示すように、穿刺針5の入射方向位置が検出された走査ラインL上の当該入射方向位置を所定の表示色で表示する等し、穿刺針5の全域を強調表示することで行ってもよい。
この先端位置の識別表示によれば、超音波画像内の穿刺針5の先端位置を視認性よく表示することができる。また、図8に例示する識別表示によれば、穿刺針5の全域を視認性よく表示することができる。したがって、医師等のユーザーは、超音波画像内で穿刺針5の先端位置あるいは穿刺針5の全域を確実且つ視覚的に容易に把握することができる。
(2)予測位置の識別表示
穿刺針5は、その挿入に伴っておおむね直線上を移動することから、2本以上の走査ラインL上で穿刺針5の入射方向位置が検出されていれば、2点間を結ぶ直線によって穿刺針5の移動経路(針先の挿入経路)を予測することができる。挿入経路の予測には、例えば、最終端側検出ラインL上の穿刺針5の入射方向位置と、その走査方向始点側で隣接する検出ラインL上の穿刺針5の入射方向位置とを用いる。なお、これらの各入射方向位置に限らず、何れか2本の検出ラインLを選んでその検出結果を用いるとしてよい。
図9は、対象部位に超音波プローブ16を当てて穿刺針5を挿入する様子を模式的に示す他の図である。図9の例では、走査ラインL33が最終端側検出ラインであり、この走査ラインL33に係る穿刺針5の検出結果と、その1つ走査方向始点側の検出ラインである走査ラインL31に係る穿刺針5の検出結果とを予測に用いる。
図10は、横軸をx方向、縦軸をz方向として走査ラインL31,L33上で検出された穿刺針5の入射方向位置P31,P33をプロットした図である。図10に示すように、針先の挿入経路は、各入射方向位置P31,P33を通る直線(挿入経路直線)L3として予測できる。第1実施形態では、この挿入経路直線L3と、非検出ラインである走査ラインL35,L37,・・・との交点P35,P37,・・・を穿刺針5の予測位置として算出し、算出した予測位置を識別表示する。交点P35,P37,・・・のx座標は、該当する非検出ライン走査ラインL35,L37,・・・の走査線番号と、素子161のピッチ(走査ラインLの間隔)とから求まる。そして、z座標は、次式(11)によって求められる。式(11)において、x(i−2)は走査ラインL31上の穿刺針5の入射方向位置のx座標、z(i−2)はそのz座標を表し、x(i−1)は走査ラインL33上の穿刺針5の入射方向位置のx座標、z(i−1)はそのz座標を表す。xに走査ラインL35,L37,・・・のx座標を代入することで、該当する走査ラインL35,L37,・・・に係る予測位置のz座標(z)が得られる。
Figure 2017192478
図11および図12は、穿刺針5の予測位置の識別表示例を示す図である。予測位置の識別表示は、例えば図11に示すように、予測位置を囲って指し示すマーカーM4を付すことで行う。非検出ラインLが1本であれば予測位置は1点であるが、例えば図9のように非検出ラインLが複数存在する場合は、これら複数の非検出ラインLについて予測位置が算出されることとなる。この場合は、図11に示すように、それらの全域を囲うようにマーカーM4を付す。また、予測位置の識別表示は、先端位置の識別表示と同様にマーカーの表示によって行う場合に限らず、図12に示すように、算出された予測位置P4を所定の表示色で表示する等し、予測位置を強調表示することで行ってもよい。
この予測位置の識別表示によれば、超音波画像内の穿刺針5の予測位置をユーザーに提示することができる。したがって、ユーザーは、例えば血管等の穿刺対象物に意図した通りに穿刺針5が到達するのかといったことを確認しながら処置が行える。これによれば、目的の位置とは異なる位置に穿刺針5を挿入する等の誤穿刺を未然に防ぐことができる。
以上説明した先端位置および予測位置の各識別表示は、ユーザーによる識別表示指示操作等に応じて行う。識別表示指示操作は、各識別表示の有無を選択する選択ボタンの押下操作等によって実現できる。選択ボタンは、物理的なボタンスイッチの配置によるものでもよいし、タッチパネル12を用いたソフトウェアによるキースイッチ等により実現してもよい。あるいは、先端位置および予測位置の両方を識別表示した超音波画像を表示する構成でもよいし、先端位置を識別表示した超音波画像と、予測位置を識別表示した超音波画像とを並べて表示する構成でもよい。
[機能構成]
図13は、第1実施形態における画像生成装置10の機能構成例を示すブロック図である。画像生成装置10は、処理装置30と、超音波プローブ16とを備え、処理装置30は、操作入力部310と、表示部320と、通信部340と、演算処理部としての処理部350と、記憶部400とを備える。
超音波プローブ16は、複数の超音波素子161を備え、処理装置30(処理部350の超音波測定制御部360)から出力されるパルス電圧で超音波を送信する。そして、送信した超音波の反射波を受信し、受信信号を超音波測定制御部360へ出力する。
操作入力部310は、ユーザーによる各種操作入力を受け付け、操作入力に応じた操作入力信号を処理部350へ出力する。ボタンスイッチやレバースイッチ、ダイヤルスイッチ、トラックパッド、マウス等により実現できる。図1ではタッチパネル12やキーボード14がこれに該当する。
表示部320は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現され、処理部350からの表示信号に基づく各種表示を行う。図1ではタッチパネル12がこれに該当する。
通信部340は、処理部350の制御のもと、外部との間でデータを送受するための通信装置である。この通信部340の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドル等と呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。図1では通信IC34がこれに該当する。
処理部350は、例えば、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサーや、ASIC、ICメモリー等の電子部品によって実現される。そして、処理部350は、各機能部との間でデータの入出力制御を行い、所定のプログラムやデータ、操作入力部310からの操作入力信号、超音波プローブ16からの各素子161の受信信号等に基づき各種の演算処理を実行して、被検体2の生体情報を取得する。図1ではCPU32がこれに該当する。なお、処理部350を構成する各部は、専用のモジュール回路等のハードウェアで構成することとしてもよい。
この処理部350は、超音波測定制御部360と、画像生成部370と、識別表示制御部376とを含む。
超音波測定制御部360は、超音波プローブ16とともに超音波測定部20を構成し、この超音波測定部20によって超音波測定が行われる。例えば、超音波測定制御部360は、駆動制御部361と、送受信制御部363と、受信合成部365とを含み、超音波測定を統合的に制御する。
駆動制御部361は、超音波プローブ16からの超音波パルスの送信タイミングを制御し、送信制御信号を送受信制御部363に出力する。
送受信制御部363は、駆動制御部361からの送信制御信号に従ってパルス電圧を発生させて超音波プローブ16に出力する。その際、送信遅延処理を行って各素子161へのパルス電圧の出力タイミングの調整を行う。また、送受信制御部363は、超音波プローブ16から入力された受信信号の増幅やフィルター処理を行い、処理結果を受信合成部365に出力する。
受信合成部365は、必要に応じて遅延処理等を行っていわゆる受信信号のフォーカスに係る処理等を実行し、反射波データを生成する。
画像生成部370は、超音波測定部20による超音波測定の結果に基づいて、超音波画像を生成する。この画像生成部370は、減衰特徴値算出部371と、微分値算出部372と、閾値判定部373と、先端位置特定部374と、予測位置算出部375と、識別表示制御部376とを備える。
減衰特徴値算出部371は、走査ライン毎に、超音波プローブ16からの超音波の入射信号強度Tと、各サンプリング点の受信信号強度とを用いて各サンプリング点の減衰補正値αを算出する。
微分値算出部372は、減衰特徴値算出部371が走査ライン毎に求めた各サンプリング点の減衰補正値αを、入射方向(走査ラインの方向)に沿って微分する。
閾値判定部373は、各サンプリング点の減衰補正値αの微分値を走査ライン単位で閾値判定する。第1実施形態では、該当する走査ラインに係る各サンプリング点の微分値から上記の要領で二次的に求めた値を閾値判定することで、穿刺針の入射方向位置を検出する。
先端位置特定部374は、閾値判定部373による閾値判定の判定結果に基づいて、穿刺針の先端位置を検出する。予測位置算出部375は、閾値判定部373による閾値判定の判定結果に基づいて、穿刺針の予測位置を算出する。
識別表示制御部376は、超音波画像内の穿刺針の先端位置を識別表示する制御と、超音波画像内の穿刺針の予測位置を識別表示する制御とを行う。
記憶部400は、ICメモリーやハードディスク、光学ディスク等の記憶媒体により実現されるものである。記憶部400には、画像生成装置10を動作させ、画像生成装置10が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。図1では、制御基板31に搭載されている記憶媒体33がこれに該当する。なお、処理部350と記憶部400との接続は、装置内の内部バス回路による接続に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信回線で実現してもよい。その場合、記憶部400は、画像生成装置10とは別の外部記憶装置により実現されるとしてもよい。
この記憶部400には、画像生成プログラム410と、反射波データ420と、減衰特徴値データ430と、微分結果データ440と、検出結果データ450と、先端位置データ460と、予測位置データ470とが格納される。
処理部350は、画像生成プログラム410を読み出して実行することにより、超音波測定制御部360や画像生成部370、識別表示制御部376等の機能を実現する。なお、これらの機能部を電子回路等のハードウェアで実現する場合には、当該機能を実現させるためのプログラムの一部を省略することができる。
反射波データ420は、超音波測定で得た反射波データを記憶する。この反射波データ420は、各走査ラインのサンプリング点毎の受信信号強度であるAモード像データ421と、Bモード像である超音波画像データ423とを含む。
減衰特徴値データ430は、減衰特徴値算出部371が各走査ラインのサンプリング点毎に算出した減衰補正値αを記憶する。微分結果データ440は、微分値算出部372が各走査ラインのサンプリング点毎に算出した減衰補正値αの微分値を記憶する。
検出結果データ450は、閾値判定部373が検出した穿刺針の入射方向位置を走査ライン毎に記憶する。先端位置データ460は、先端位置特定部374が特定した穿刺針の先端位置を記憶する。予測位置データ470は、予測位置算出部375が算出した穿刺針の予測位置を記憶する。
[処理の流れ]
図14は、第1実施形態における超音波画像の生成処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部350が記憶部400から画像生成プログラム410を読み出して実行し、画像生成装置10の各部を動作させることで実現できる。測定に先立ち、ユーザーによって超音波プローブ16が被検体2の体表面に当てられる。
先ず、超音波測定部20が超音波測定を行い、反射波データ420を生成する(ステップS101)。
続いて、処理対象の走査線番号(処理走査線番号)Nを「1」に初期化する(ステップS103)。その後、減衰特徴値算出部371が、処理走査線番号Nの走査ライン(処理走査ライン)の各サンプリング点について、減衰補正値αを算出する(ステップS105)。具体的には、式(9)に従い、超音波プローブ16からの超音波の入射信号強度Tと、入射方向手前側のサンプリング点までの各サンプリング点の反射強度(受信信号強度)Rとから、対象のサンプリング点の減衰補正値αを算出する。
そして、微分値算出部372が、処理対象ラインの減衰補正値αを微分する(ステップS107)。
続いて、閾値判定部373が、処理対象ラインの各サンプリング点の微分値の中から最大微分値を抽出する(ステップS109)。また、閾値判定部373は、処理対象ラインの各サンプリング点の微分値に基づいて平均微分値を算出する(ステップS111)。そして、閾値判定部373は、微分最大値を微分平均値で除した値を閾値判定し(ステップS113)、所定の判定用閾値以上であれば、微分最大値のサンプリング点を穿刺針の入射方向位置として検出する(ステップS115)。その後、処理走査線番号Nが走査線方向最終端の走査線番号でなければ(ステップS117:NO)、処理走査線番号Nをインクリメントして更新し(ステップS119)、ステップS105に戻る。
一方、処理走査線番号Nが走査線方向最終端の走査線番号の場合は、全ての走査ラインで穿刺針5の入射方向位置が検出された場合である。したがって、穿刺針の針先は対象部位を貫通しているため、当該場合は(ステップS117:YES)、後段の先端位置の特定や予測位置の算出は行わずにステップS137に移行する。ステップS137では、処理部350が、超音波画像を表示する制御を行う。
また、ステップS113で閾値未満と判定した場合、すなわち、処理対象ラインで穿刺針が検出されない場合は、穿刺針の入射方向位置が検出された走査ラインの有無を判定する。ここでの処理は、処理走査線番号Nを判別することで行う。すなわち、処理走査線番号Nが「2」以上であれば少なくとも1本の走査ラインについて穿刺針の入射方向位置が検出されている。一方、処理走査線番号Nが「1」の場合は穿刺針の入射方向位置が検出された走査ラインがないため(ステップS121:NO)、対象部位に穿刺針が存在しないとしてステップS137に移行する。
処理走査線番号Nが「2」以上の場合は(ステップS121:YES)、先端位置特定部374が、処理走査線番号N−1の走査ライン(これが最終端側検出ラインである)上で検出された穿刺針の入射方向位置を、先端位置として特定する(ステップS123)。
続いて、2本以上の走査ライン上で穿刺針の入射方向位置が検出されたか否かを判定する。ここでの処理も、処理走査線番号Nを判別することで行うことができる。すなわち、処理走査線番号Nが「3」以上であれば少なくとも2本の走査ラインについて穿刺針の入射方向位置が検出されている。一方、処理走査線番号Nが「2」の場合は穿刺針の入射方向位置が検出された走査ラインは1本であるため(ステップS125:NO)、ステップS129に移行する。
処理走査線番号Nが「3」以上の場合は(ステップS125:YES)、予測位置算出部375が、式(11)に従い、処理走査線番号N−1の走査ライン(最終端側検出ライン)上で検出された穿刺針の入射方向位置と、さらに1つ前の走査線番号N−2の走査ライン上で検出された穿刺針の入射方向位置とを用いて非検出ラインである走査線番号N+1以降の走査ライン毎に予測位置を算出する(ステップS127)。その後、ステップS129に移行する。
そして、ステップS129では、識別表示制御部376が、先端位置の識別表示指示の有無を判定する。先端位置の識別表示「有」が選択されている場合には(ステップS129:YES)、識別表示制御部376が、超音波画像内の穿刺針の先端位置を識別表示する制御を行う(ステップS131)。また、予測位置の識別表示「有」が選択されている場合には(ステップS133:YES)、識別表示制御部376は、超音波画像内の穿刺針の予測位置を識別表示する制御を行う(ステップS135)。何れの識別表示も指示されておらず「無」が選択されている場合は、ステップS137に移行する。
以上説明した第1実施形態によれば、超音波画像内で穿刺針の先端位置あるいはその全域を識別表示することができ、穿刺針の先端位置等を視認性よく表示できる。したがって、ユーザーは、超音波画像内の穿刺針の先端位置等を確実且つ視覚的に容易に把握することができる。また、超音波画像内で穿刺針の予測位置を識別表示することができ、超音波画像内の穿刺針5の予測位置をユーザーに提示することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付する。
図15は、第2実施形態における画像生成装置10bの全体構成例を示す図であり、超音波プローブ16bの取り付け状態を示している。画像生成装置10bは、超音波プローブ16bが処理装置30bとケーブルによって電気的に接続された構成を有する。
第2実施形態の超音波プローブ16bは、複数の超音波素子161(図16を参照)を所定数行×所定数列のマトリクス状に配置して有し、粘着台座18を介して対象部位に貼付・固定されて使用される。粘着台座18は、皮膚面に着脱可能な粘着層を備え、被検体2bが身体を動かしても容易に外れたり剥がれたりしない。粘着台座18は、超音波プローブ16bにおける素子161の一方の配列方向(行方向)が対象部位を走行する血管21の走行方向に沿うように貼付される。
図16は、第2実施形態の超音波プローブ16bにより超音波測定をしながら、対象部位に穿刺針5bを挿入する様子を模式的に示す概略斜視図である。第2実施形態では、対象部位の血管21に向けて穿刺針5bが挿入される場合を想定しており、穿刺針5bは、血管21の走行方向に沿って挿入される。ここで、穿刺針5bの挿入方向(血管21の走行方向とも言える)に沿った生体表面方向をy方向、生体表面からの深さ方向をz方向、これらの各方向と直交する方向をx方向と定義する。
例えば、超音波プローブ16bは、各素子161がx方向に沿う列(以下、「素子列」ともいう)毎に超音波測定を行う。すなわち、各素子列の素子161は、超音波ビームの入射位置をx方向にずらしながらz方向の走査ラインに沿って超音波ビームを送受信し、反射波データを得る。したがって、第2実施形態では、超音波画像I5(I5−1,2,6,7等)として、穿刺針5bの挿入方向に交差する方向に沿った超音波の入射方向断面像(対象部位のxz平面でのスライス像)を素子列毎に得ることができる。各超音波画像I5には、血管21の短軸像とともに、穿刺針5bの短軸像が描出される。
第2実施形態では、上記超音波測定の結果に基づき、全ての素子列について走査ライン単位で穿刺針5bの入射方向位置を検出する。そして、穿刺針5bの入射方向位置を検出することで定まる超音波画像I5内の穿刺針5bの位置(x,z)に基づき、(1)穿刺針5bの先端位置を識別表示するとともに、(2)穿刺針5bの予測位置を算出して識別表示する。x座標は、第1実施形態と同様に、穿刺針5bの入射方向位置が検出された走査ラインの走査線番号と、素子161のピッチとから求まる。z座標についても第1実施形態と同様に、その入射方向位置のサンプリング点を用いて式(10)から求まる。
(1)先端位置の識別表示
図17〜図20に、図16の各超音波画像I5−1,2,6,7を抜き出して示す。図17が超音波画像I5−1、図18が超音波画像I5−2、図19が超音波画像I5−6、図20が超音波画像I5−7にそれぞれ対応する。本例では、超音波画像I5−1,2,6を得たy位置には穿刺針5bが到達しており、各々に穿刺針5bの短軸像が描出されている。一方、超音波画像I5−7のy位置には穿刺針5bは到達しておらず、穿刺針5bは描出されていない。
また、図21は、図17〜図20に示す各注目走査ラインL51,L52,L56,L57に係るAモード像から算出した各注目走査ラインL51,L52,L56,L57に係る減衰補正値αを同軸上でグラフ化した図である。なお、図21では、横軸を走査ラインL上に設定されるサンプリング点としている。図21に示すように、穿刺針5bが存在する注目走査ラインL51,L52,L56では当該穿刺針5bの入射方向位置P51,P52,P56において減衰補正値αの値は大きく上昇する一方、穿刺針5bを通らない注目走査ラインL57に係る減衰補正値αは、急激な変化を伴わずに緩やかに上昇する。したがって、減衰補正値αを求めることにより第1実施形態と同様に穿刺針5bの入射方向位置を検出することができるので、各超音波画像I5−1,2,6内の穿刺針5bの位置(x,y)が得られる。なお、この減衰補正値αが上昇に転じる変化傾向の変化点は硬質であればある程、顕著に表れる。被検体内に挿入される医療用具であれば、その変化点は判然と明確に表れ、穿刺針5のような金属であればその変化点は歴然である。
そして、上記検出結果に基づいて、穿刺針5bの位置(x,y)が得られたうちの列番号が最大の超音波画像I5(図示の例では超音波画像I5−6)内の穿刺針5bの位置(x,y)を先端位置として特定し、特定した先端位置を識別表示する。識別表示は、第1実施形態と同様に行うことができる。すなわち、先端位置の識別表示は、例えば図19に示すように、穿刺針5bの先端位置を囲うマーカーM61を付すことによって行うことができる。
ここで、第2実施形態では、素子列毎に超音波画像I5が得られる。そして、得られた超音波画像I5の表示は、例えば、それらを素子列番号の順に並べる等して行われる。素子列番号は、穿刺針5bが挿入される側を「1」として各列に割り振った通し番号である。したがって、先端位置の識別表示によれば、ユーザーは、当該並べて表示される各超音波画像I5のうちの穿刺針5bの先端位置が描出された超音波画像I5において、当該先端位置を確実且つ視覚的に容易に把握することができる。
あるいは、先端位置だけなく、穿刺針5bの入射方向位置が検出された各素子列の超音波画像I5において該当する穿刺針5bの位置を識別表示する構成でもよい。例えば、図17や図18に示すように、穿刺針5bの位置を囲うマーカーM63を付してもよい。その際、先端位置を指し示すマーカーM61とは異なる形態のものとすることで、両者を視覚的に区別することができる。
(2)予測位置の識別表示
図22は、第2実施形態における予測位置の算出を説明する図であり、対象部位における穿刺針5bの挿入状態と併せて各超音波画像I6(I6−1,3,4,5等)内の穿刺針5bの位置P61,P63,P64を示している。第1実施形態と同様に、2列以上の素子列において穿刺針5bの入射方向位置が検出されていれば、2点間を結ぶ挿入経路直線L6によって針先の挿入経路を予測することができる。第2実施形態では、例えば、先端位置として特定された穿刺針5bの位置P64と、それより1つ素子列番号が小さい素子列での穿刺針5bの位置P63とを予測に用いる。
すなわち、各位置P63,P64によって定まる挿入経路直線L6と、穿刺針5bが検出されていない超音波画像I6−5(詳細には、その素子列番号によって定まるxz平面)との交点P65を穿刺針5bの予測位置として算出し、算出した予測位置を識別表示する。交点P65のx座標は次式(12)により求めることができ、z座標は次式(13)により求めることができる。式(12),(13)において、x(i−2)は超音波画像I6−3内の穿刺針5bのx座標、y(i−2)はそのy座標、z(i−2)はそのz座標を表し、x(i−1)は超音波画像I6−4内の穿刺針5bのx座標、y(i−1)はそのy座標、z(i−1)はそのz座標を表す。ここで、交点のy座標は、超音波画像I6−5の素子列番号を素子161のピッチに乗じることで求めることができる。このy座標を各式(12),(13)においてyに代入することで、交点P65のx座標(x)とz座標(z)とが得られる。
Figure 2017192478
図23は、穿刺針5bの予測位置の識別表示例を示す図であり、図20の超音波画像I5−7に対して予測位置の識別表示を行った場合を示している。図23に示すように、予測位置の識別表示は、先端位置等と同様に当該予測位置を指し示すマーカーM65を付すことで行うことができる。マーカーM65を、図17〜図19に示した穿刺針5bの位置を指し示すマーカーM61,M63とは異なる態様のものとすることで、それらを視覚的に区別できる。
[機能構成]
図24は、第2実施形態における画像生成装置10bの機能構成例を示すブロック図である。画像生成装置10bは、処理装置30bと、超音波プローブ16bとを備え、処理装置30bは、操作入力部310と、表示部320と、通信部340と、演算処理部としての処理部350bと、記憶部400bとを備える。
第2実施形態では、処理装置30bにおいて、処理部350bは、超音波測定制御部360と、画像生成部370bと、識別表示制御部376bとを含む。
画像生成部370bは、超音波測定部20による超音波測定の結果に基づいて、超音波画像を生成する。この画像生成部370bは、減衰特徴値算出部371bと、微分値算出部372bと、閾値判定部373bと、先端位置特定部374bと、予測位置算出部375bと、識別表示制御部376bとを備える。
閾値判定部373bは、素子列毎に、走査ライン単位で各サンプリング点の減衰補正値αの微分値を閾値判定する。第2実施形態では、該当する走査ラインの各サンプリング点における微分値から上記の要領で二次的に求めた値を閾値判定することで、穿刺針の入射方向位置を検出して穿刺針の位置(x,y)を得る。
先端位置特定部374bは、閾値判定部373bによる閾値判定の判定結果に基づいて、穿刺針の先端位置を検出する。予測位置算出部375bは、閾値判定部373bによる閾値判定の判定結果に基づいて、穿刺針の予測位置を算出する。
識別表示制御部376bは、超音波画像において穿刺針の位置を識別表示する制御と、超音波画像において穿刺針の予測位置を識別表示する制御とを行う。
また、第2実施形態の処理装置30bにおいて、記憶部400bには、画像生成プログラム410bと、反射波データ420bと、減衰特徴値データ430bと、微分結果データ440bと、検出結果データ450bと、先端位置データ460bと、予測位置データ470bとが格納される。
処理部350bは、画像生成プログラム410bを読み出して実行することにより、超音波測定制御部360や画像生成部370b、識別表示制御部376b等の機能を実現する。なお、これらの機能部を電子回路等のハードウェアで実現する場合には、当該機能を実現させるためのプログラムの一部を省略することができる。
反射波データ420bは、超音波測定で得た反射波データを記憶する。この反射波データ420bのAモード像データ421bは、各走査ラインのサンプリング点毎の受信信号強度を素子列毎に記憶する。超音波画像データ423bは、超音波画像の画像データを素子列毎に記憶する。
減衰特徴値データ430bは、減衰特徴値算出部371bが各素子列について各走査ラインのサンプリング点毎に算出した減衰補正値αを記憶する。微分結果データ440bは、微分値算出部372bが各素子列について各走査ラインのサンプリング点毎に算出した減衰補正値αの微分値を記憶する。
検出結果データ450bは、閾値判定部373bが検出した穿刺針の位置(x,y)を記憶する。先端位置データ460bは、先端位置特定部374bが特定した穿刺針の先端位置(x,y)を記憶する。予測位置データ470bは、予測位置算出部375bが算出した穿刺針の予測位置(x,y)を記憶する。
[処理の流れ]
図25は、第2実施形態における超音波画像の生成処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部350bが記憶部400bから画像生成プログラム410bを読み出して実行し、画像生成装置10bの各部を動作させることで実現できる。測定に先立ち、ユーザーによって超音波プローブ16bが被検体2bの体表面に貼付・固定される。
先ず、超音波測定部20が超音波測定を行い、反射波データ420bを生成する(ステップS201)。
続いて、処理対象の素子列番号(処理列番号)Mを「1」に初期化し(ステップS203)、走査線番号(処理走査線番号)Nを「1」に初期化する(ステップS205)。その後、減衰特徴値算出部371bが、処理列番号Mの素子列について走査ライン単位で穿刺針の入射方向位置を検出する処理を行う。すなわち先ず、処理走査線番号Nの走査ライン(処理走査ライン)の各サンプリング点について、減衰補正値αを算出する(ステップS207)。
そして、微分値算出部372bが、処理対象ラインの減衰補正値αを微分する(ステップS209)。
続いて、閾値判定部373bが、処理対象ラインの各サンプリング点の微分値の中から最大微分値を抽出する(ステップS211)。また、閾値判定部373bは、処理対象ラインの各サンプリング点の微分値に基づいて平均微分値を算出する(ステップS213)。そして、閾値判定部373bは、微分最大値を微分平均値で除した値を閾値判定し(ステップS215)、所定の判定用閾値以上であれば、微分最大値のサンプリング点を穿刺針の入射方向位置として検出し、処理走査線番号Nに基づき該当する超音波画像内での穿刺針の位置(x,z)を得る(ステップS217)。その後、処理列番号Mが素子161の素子列数と一致していなければ(ステップS219:NO)、処理列番号Mをインクリメントして更新し(ステップS221)、ステップS205に戻る。
一方、処理列番号Mが素子161の素子列数と一致している場合は、全ての素子列で穿刺針の入射方向位置が検出された場合である。したがって、穿刺針の針先は対象部位を貫通しているため、当該場合は(ステップS219:YES)、後段の先端位置の特定や予測位置の算出は行わずにステップS245に移行する。ステップS245では、処理部350bが、超音波画像を表示する制御を行う。
また、ステップS215で閾値未満と判定した場合、すなわち、処理対象ラインで穿刺針の入射方向位置が検出されない場合は、処理走査線番号Nを判別する。そして、走査線方向最終端の走査線番号でなければ(ステップS223:NO)、処理走査線番号Nをインクリメントして更新し(ステップS225)、ステップS207に戻る。
一方、処理走査線番号Nが走査線方向最終端の走査線番号の場合は(ステップS223:YES)、穿刺針の入射方向位置が検出され、穿刺針の位置(x,y)が得られた素子列の有無を判定する。ここでの処理は、処理列番号Mを判別することで行う。すなわち、処理列番号Mが「2」以上であれば少なくとも1本の素子列で穿刺針の位置(x,y)が得られている。一方、処理走査線番号が「1」の場合は穿刺針の位置(x,y)の得られた素子列がないため(ステップS227:NO)、対象部位に穿刺針が存在しないとしてステップS245に移行する。
処理列番号Mが「2」以上の場合は(ステップS227:YES)、先端位置特定部374bが、列番号M−1について得られた穿刺針の位置(x,y)を先端位置として特定する(ステップS229)。
続いて、2本以上の素子列で穿刺針の入射方向位置が検出されたか否かを判定する。ここでの処理も、処理列番号Mを判別することで行うことができる。すなわち、処理列番号Mが「3」以上であれば少なくとも2本の素子列で穿刺針の位置(x,y)が得られている。一方、処理列番号Mが「2」の場合は穿刺針の位置(x,y)が得られた素子列は1本であるため(ステップS231:NO)、ステップS237に移行する。
処理列番号Mが「3」以上の場合は(ステップS231:YES)、予測位置算出部375bが、式(12),(13)に従い、処理列番号MM−1について得られた先端位置である穿刺針の位置(x,y)と、さらに1つ前の素子列番号M−2について得られた穿刺針の位置(x,y)とを用いて列番号M以降の列毎に予測位置を算出する(ステップS235)。その後、ステップS237に移行する。
そして、ステップS237では、識別表示制御部376bが、先端位置の識別表示指示の有無を判定する。先端位置の識別表示「有」が選択されている場合には(ステップS237:YES)、識別表示制御部376bが、超音波画像内の穿刺針の先端位置を識別表示する制御を行う(ステップS239)。また、予測位置の識別表示「有」が選択されている場合には(ステップS241:YES)、識別表示制御部376bは、超音波画像内の穿刺針の予測位置を識別表示する制御を行う(ステップS243)。何れの識別表示も指示されておらず「無」が選択されている場合は、ステップS245に移行する。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記した実施形態では、減衰特徴値として減衰補正値αを算出することとした。これに対し、別の減衰特徴値である減衰強度値βを算出し、減衰補正値αにかえて減衰強度値βを用いてもよい。減衰強度値βは、次式(14)によって表され、超音波プローブ16,16bからの超音波の入射信号強度Tと、減衰補正値αとから算出できる。
Figure 2017192478
また、上記した実施形態では、医療用具として穿刺針を例示したが、本実施形態が対象とする医療用具は穿刺針に限定されるものではない。例えば、カテーテル、内視鏡、ステント、整形用金属、クリップ等、被検体内に挿入される他の医療用具を対象にすることもできる。
10,10b…画像生成装置、16,16b…超音波プローブ、161…超音波素子、30,30b…処理装置、310…操作入力部、320…表示部、340…通信部、350,350b…処理部、400,400b…記憶部、360…超音波測定制御部、361…駆動制御部、363…送受信制御部、365…受信合成部、370,370b…画像生成部、371,371b…減衰特徴値算出部、372,372b…微分値算出部、373,373b…閾値判定部、374,374b…先端位置特定部、375,375b…予測位置算出部、376,376b…識別表示制御部、376,377b…識別表示制御部、410,410b…画像生成プログラム、420,420b…反射波データ、430,430b…減衰特徴値データ、440,440b…微分結果データ、450,450b…検出結果データ、460,460b…先端位置データ、470,470b…予測位置データ、2,2b…被検体

Claims (8)

  1. 被検体に入射した超音波の前記被検体からの反射波を受信した受信信号に基づいて超音波画像を生成する演算処理部を備えた画像生成装置であって、
    前記演算処理部が、
    前記受信信号に基づいて前記超音波の入射方向に沿った各位置における減衰特徴値を算出することと、
    前記減衰特徴値に基づいて前記被検体内に挿入される医療用具の位置を検出することと、
    前記超音波画像内の前記医療用具の位置を識別表示する制御を行うことと、
    を実行する画像生成装置。
  2. 前記演算処理部が、
    前記減衰特徴値の前記入射方向に沿った微分値を算出すること、
    を実行し、
    前記検出することは、前記減衰特徴値の微分値に基づいて前記医療用具の位置を検出することである、
    請求項1に記載の画像生成装置。
  3. 前記検出することは、前記医療用具の挿入方向に沿った前記超音波の入射方向断面像における前記医療用具の位置を検出することである、
    請求項1又は2に記載の画像生成装置。
  4. 前記検出することは、前記医療用具の挿入方向に交差する方向に沿った前記超音波の入射方向断面像における前記医療用具の位置を検出することである、
    請求項1又は2に記載の画像生成装置。
  5. 前記演算処理部が、
    前記医療用具の位置の検出結果から当該医療用具の予測位置を算出することと、
    前記超音波画像内の前記医療用具の予測位置を識別表示する制御を行うことと、
    を実行する請求項1〜4の何れか一項に記載の画像生成装置。
  6. 前記減衰特徴値を算出することは、前記超音波の入射信号強度と、前記反射波の受信信号強度とを用いて、前記受信信号の減衰を相殺するための減衰補正値を算出することである、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
  7. 前記減衰特徴値を算出することは、前記超音波の入射信号強度と、前記反射波の受信信号強度とを用いて、前記受信信号の減衰強度値を算出することである、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の画像生成装置。
  8. 被検体に入射した超音波の前記被検体からの反射波を受信した受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成方法であって、
    前記受信信号に基づいて前記超音波の入射方向に沿った各位置における減衰特徴値を算出することと、
    前記減衰特徴値に基づいて前記被検体内に挿入される医療用具の位置を検出することと、
    前記超音波画像内の前記医療用具の位置を識別表示する制御を行うことと、
    を含む画像生成方法。
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