JP2017193472A - Efg法用結晶育成装置 - Google Patents

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Kazuto Higuchi
数人 樋口
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一彦 鎌田
忠 佐々木
Tadashi Sasaki
忠 佐々木
信悦 佐々木
Nobuyoshi Sasaki
信悦 佐々木
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Yoichi Yaguchi
洋一 矢口
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Abstract

【課題】ダイの幅寸法に応じて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図れる最適な間隔に熱反射板を短時間で容易に設置することが可能なEFG法用結晶育成装置の提供を課題とする。
【解決手段】EFG法用結晶育成装置は少なくとも、スリットを有するダイ、坩堝、蓋、及び複数の熱反射板を備え、ダイが坩堝に収納されており、ダイを除いて坩堝の開口部が蓋で覆われており、坩堝が設置されている側から順に複数の熱反射板が備えられており、蓋の上面を基準面とした二枚目以降の熱反射板の下面までの各間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、EFG法用結晶育成装置に関する。
現在、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子に代表される半導体基板として、サファイア単結晶基板が広く用いられている。サファイア単結晶基板の量産方法として、CZ法(Czochralski法)とEFG法(Edge-defined Film-fed. Growth法)が挙げられる。
CZ法はサファイア単結晶をインゴットで育成し、更にインゴットを基板状にスライスする方法である。一方のEFG法は、サファイア単結晶を平板状に育成し、そのサファイア単結晶を基板形状に切り抜く方法である。EFG法はCZ法に比べてサファイア単結晶が平板状に育成されるため、サファイア単結晶をスライスする工程を省略することが可能で、量産性の点で有利である。このようなEFG法によりサファイア単結晶を育成する装置が出願され、公開されている(例えば、特許文献1又は特許文献2を参照)。
特許文献1記載の単結晶育成装置では、平板状のサファイア単結晶を成長させる原料融液の液面に対して種結晶(特許文献1では「種子結晶」と表記)を配置し、その後種結晶を引き上げることで、平板状の1枚のサファイア単結晶を製造する。
また特許文献2では、同じくEFG法を用いて複数のサファイア単結晶を一括で成長させることで、量産性を向上させている。
特許文献1及び2では、共にダイにおける熱分布を調整するために、熱反射板(特許文献1では「水平シールド28」と表記。特許文献2では「水平熱シールド160」と表記。)を用いている。どちらの特許文献でも、熱反射板を鉛直方向に複数段設ける育成装置の構造が開示されている。これにより熱分布を調整し、ダイの幅方向に亘って、ダイ上部の熱分布の均一化を図っている、と思われる。
特開2010−229030号公報 特表2010−504274号公報
しかし本出願人が特許文献1及び2を基にサファイア単結晶の育成を再現したところ、育成中のサファイア単結晶への泡の混入が解消されなかった。特許文献1及び2では、複数の熱反射板を鉛直方向に設置する際に、互いの設置間隔を均一に設定することが、各文献の図面から読み取れる。結晶欠陥の無い単結晶を育成するためには、ダイの幅方向に亘る熱分布を均一に設定することが最善と考えられる。特に、育成するサファイア単結晶のインチ数が2インチ以上となる大型の単結晶を育成する場合は、ダイの幅も単結晶のインチ数増大に伴い大型化するので、ダイの幅方向に亘る熱分布の均一化がより重要になると考えられる。
従って、ダイの幅方向に亘って均一な熱分布を与えるとの目的から鑑みると、複数段の熱反射板も鉛直方向に亘って等間隔に設定した方が、放射熱の熱反射が均等になると推測される。しかしながら、本出願人がサファイア単結晶の育成を再現検証したところ、育成中に於けるサファイア単結晶への泡の混入が発生してしまった。
サファイア単結晶への泡の混入の原因を、本出願人が育成実験により検証したところ、ダイを収納する坩堝の開口部を覆う蓋からの放射熱と、ダイの上部からの放射熱の影響が大きく作用することが判明した。
坩堝内には、サファイア単結晶の原料が溶融した融液(メルト)が溜められており、その融液を覆うように蓋で坩堝の開口部を覆っている。更に毛細管現象により、スリットを介して、ダイの上部には融液溜まりが形成される。融液からの放射熱が坩堝外部へと放射される際に、坩堝の外部からは全方位に放射熱が放射される。しかし蓋を介して坩堝の上部であるサファイア単結晶の育成方向へ放射される放射熱や、ダイの上部の融液溜まりから同じく坩堝の上部であるサファイア単結晶の育成方向へ放射される放射熱は、サファイア単結晶の育成に伴う引き上げ方向へ直接的に影響を及ぼすと、本出願人は考察した。以上により本出願人は、蓋を介して坩堝の上部に放射される放射熱と、ダイの上部の融液溜まりから坩堝の上部に放射される放射熱が、サファイア単結晶の育成方向に於ける熱分布を不安定化させる原因になっているとの結論を導出した。
そこから、複数段の熱反射板を鉛直方向に設置する際は、ダイの幅寸法に応じて熱反射板の設置間隔を厳密に設定しなければ、坩堝の上部での熱分布の均一化が図れず、サファイア単結晶の育成中での泡の解消が不可能であることを、本出願人は実験検証により導出した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ダイの幅寸法に応じて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図れる最適な間隔に、熱反射板を短時間で容易に設置することが可能なEFG法用結晶育成装置の提供を課題とする。
前記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、
(1)本発明のEFG法用結晶育成装置は少なくとも、スリットを有するダイ、坩堝、蓋、及び複数の熱反射板を備え、ダイが坩堝に収納されており、ダイを除いて坩堝の開口部が蓋で覆われており、坩堝が設置されている側から順に複数の熱反射板が備えられており、蓋の上面を基準面とした二枚目以降の熱反射板の下面までの各間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成されている。
(2)本発明のEFG法用結晶育成装置の一実施形態は、熱反射板が少なくとも二枚備えられており、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも、長く設定されていることが好ましい。
(3)本発明のEFG法用結晶育成装置の他の実施形態は、二枚目の熱反射板が、ダイの上端面よりも上側に配置されていることが好ましい。
(4)本発明のEFG法用結晶育成装置の他の実施形態は、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されていることが好ましい。
(5)本発明のEFG法用結晶育成装置の他の実施形態は、熱反射板がピンによって支持されており、ピンに複数の段差が形成され、その段差に熱反射板が支持されていることが好ましい。
(6)本発明のEFG法用結晶育成装置の他の実施形態は、ピンが円筒形であり、蓋から離れるに従い段差の径が小径に形成されていることが好ましい。
(7)本発明のEFG法用結晶育成装置の他の実施形態は、EFG法で育成する結晶がサファイア単結晶であり、ダイが、複数のスリットを有すると共に各々の長手方向が平行に配置された複数から形成されており、ダイの幅が2インチ以上8インチ以下であり、熱反射板が少なくとも二枚備えられており、熱反射板が平板状であり、平面方向から見た形状がダイの中央よりもダイの両端に熱反射板が近く配置される形状に成形されており、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されており、ピンに二つの段差が形成され、蓋の上面を基準面として、一つ目の段差が5mm、二つ目の段差が10.3mmの高さに形成されていることが好ましい。
前記(1)の発明に依れば、坩堝の上部での熱分布の均一化を図ることが可能となり、結晶の育成中に於ける泡の発生を抑制することが出来る。より好ましくは、前記(2)の発明に記載の通り、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも、長く設定されていることである。このような構成により、二枚目の熱反射板をよりダイの上部に近接させて設置することが可能となるので、坩堝の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従って、結晶の育成中に於ける泡の発生をより一層抑制することが出来る。
前記(3)の発明に依れば、蓋からの放射熱の反射に加えて、ダイの上部(ダイの上端面)からの放射熱の反射の効率も向上させ、その反射熱でダイの上端面の熱分布を均一化することが可能となる。従って、結晶の育成方向に亘って均一で安定した熱分布を形成することが出来る。よって、坩堝の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となり、結晶の育成中に於ける泡の発生を解消することが出来る。
前記(4)の発明に依れば、前記(3)の発明が有する効果に加えて、一枚目の熱反射板をダイの上端面よりも下に配置することで、毛細管現象によりダイのスリット内を通る融液内の温度勾配を調整することが可能となる。従って、結晶のサイドスリップ(Side slip)やグレインバウンダリ−(Grain boundary)の発生を防止して、結晶品質を向上させることが出来る。
更に、熱反射板を二枚に抑えることで、EFG法用結晶育成装置の部品点数を削減して低コスト化を図ることが出来ると共に、各熱反射板の機能を割り振ることが出来る(一枚目の熱反射板によりサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生が防止され、二枚目の熱反射板により結晶の育成中に於ける泡の発生が解消できる)。従って、熱反射板の部品点数を最小限に抑えながら、育成形成される結晶の結晶欠陥を防止することが可能となる。
前記(5)の発明に依れば、上記各効果に加えて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図られる最適な間隔に、複数段の熱反射板を短時間で容易に設置することが出来る。従って、設置作業者の熟練に依らずに、再現性良く最適な間隔に複数段の熱反射板を設置することが可能となる。従って、設置作業の煩雑化防止と設置作業時間の短縮、及び設置作業コストを抑制することが出来る。更に前記(6)の発明に依れば、上記各効果に加えて、熱反射板をピンに支持し易くなって、設置作業をより容易化することが可能となり、作業時間をより短縮することが出来る。
前記(7)の発明に依れば、上記各効果に加えて、ダイの幅寸法が2インチ以上8インチ以下という大型になっても、そのダイ幅寸法に応じて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図られる最適な間隔に、熱反射板を短時間で容易に設置することが可能となる。
更に、ダイが複数のスリットを有することで複数のサファイア単結晶を一括で育成可能となる。従って、サファイア単結晶の量産性を向上させながら、市場の要求に適した大型のインチサイズのサファイア単結晶を育成することが出来る。
更に、熱反射板を平面方向から見た時の形状を、ダイの中央よりもダイの両端に熱反射板が近く配置される形状に成形することで、ダイの上端面での両端に対して照射される反射熱を限定して、ダイの上端面全体に於ける熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従って、サファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生をより確実に解消することが可能となる。
本発明の実施形態に係るEFG法用結晶育成装置に於ける、坩堝とダイと蓋とピンと熱反射板、並びにシールドの組立状態を模式的に示す斜視図である。 図1の坩堝、ダイ、蓋、ピン、熱反射板、並びにシールドの組立が完了した状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るピンの拡大図である。 本発明の実施形態に係る熱反射板の平面図である。 本発明の実施形態に係る、蓋とダイとピン並びに二枚の熱反射板の、相対位置の状態を模式的に示す部分側面図である。 本発明に係る変更例であるEFG法用結晶育成装置に備えられる、第3の熱反射板を模式的に示す平面図である。 本発明に係る変更例であるEFG法用結晶育成装置に於ける、ダイ、蓋、ピン、熱反射板の組立が完了した状態を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態の第1の特徴は、EFG法用結晶育成装置が少なくとも、スリットを有するダイ、坩堝、蓋、及び複数の熱反射板を備え、ダイが坩堝に収納されており、ダイを除いて坩堝の開口部が蓋で覆われており、坩堝が設置されている側から順に複数の熱反射板が備えられており、蓋の上面を基準面とした二枚目以降の熱反射板の下面までの各間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成されていることである。
この構成に依れば、蓋の上面を基準面とした二枚目以降の熱反射板の下面までの各間隔を、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成することで、坩堝の上部での熱分布の均一化を図ることが可能となり、結晶の育成中に於ける泡の発生を抑制することが出来る。
なお本発明において熱反射板とは、蓋の上面側に配置されている板を指すものとし、蓋の上面側に配置されている板は、蓋又はダイの融液溜まりからの放射熱を反射する機能を有する熱反射板であると定義する。
また間隔とは、蓋と各熱反射板が平行に設置される際に、蓋の上面の面方向に対して直交する方向における間隔を指すものとする。
本実施の形態の第2の特徴は、熱反射板が少なくとも二枚備えられており、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも、長く設定されていることである。
この構成に依れば、二枚目の熱反射板をよりダイの上部に近接させて設置することが可能となるので、坩堝の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従って結晶の育成中に於ける泡の発生をより一層抑制することが出来る。
なお本発明において、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも長く設定されているとは、((蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔)>(2×(蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔)))であることを指すものとする。
蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも、長く設定することで、互いの熱反射板の間隔が離間するため、坩堝の上部に於ける熱分布の均一化に悪影響を及ぼすと思われるが、二枚目の熱反射板をよりダイの上部に近接させて設置することが、サファイア単結晶の育成方向に於ける熱分布の均一化を図る上で重要であることが、本出願人の実験検証により判明した。
本実施の形態の第3の特徴は、二枚目の熱反射板が、ダイの上端面よりも上側に配置されていることである。
この構成に依れば、蓋からの放射熱の反射に加えて、ダイの上部(ダイの上端面)からの放射熱の反射の効率も向上させ、その反射熱でダイの上端面の熱分布を均一化することが可能となる。従って、結晶の育成方向に亘って均一で安定した熱分布を形成することが出来る。よって、坩堝の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となり、結晶の育成中に於ける泡の発生を解消することが出来る。
なお本発明において二枚目の熱反射板を、ダイの上端面よりも上側に配置するとは、二枚目の熱反射板が、ダイの上端面を超えて上側に配置されていることを指すものとする。
本実施の形態の第4の特徴は、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されていることである。
この構成に依れば、前記効果に加えて、一枚目の熱反射板をダイの上端面よりも下に配置することで、毛細管現象によりダイのスリット内を通る融液内の温度勾配を調整することが可能となる。従って、結晶のサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生を防止して、結晶品質を向上させることが出来る。
更に、熱反射板を二枚に抑えることで、EFG法用結晶育成装置の部品点数を削減して低コスト化を図ることが出来ると共に、各熱反射板の機能を割り振ることが出来る(一枚目の熱反射板によりサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生が防止され、二枚目の熱反射板により結晶の育成中に於ける泡の発生が解消できる)。従って、熱反射板の部品点数を最小限に抑えながら、育成形成される結晶の結晶欠陥を防止することが可能となる。
本実施の形態の第5の特徴は、熱反射板がピンによって支持されており、ピンに複数の段差が形成され、その段差に熱反射板が支持されていることである。
この構成に依れば、上記各効果に加えて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図られる最適な間隔に、複数段の熱反射板を短時間で容易に設置することが出来る。従って、設置作業者の熟練に依らずに、再現性良く最適な間隔に複数段の熱反射板を設置することが可能となる。従って、設置作業の煩雑化防止と設置作業時間の短縮、及び設置作業コストを抑制することが出来る。
本実施の形態の第6の特徴は、ピンが円筒形であり、蓋から離れるに従い段差の径が小径に形成されていることである。
この構成に依れば、上記各効果に加えて、熱反射板をピンに支持し易くなって、設置作業をより容易化することが可能となり、作業時間をより短縮することが出来る。
本実施の形態の第7の特徴は、EFG法で育成する結晶がサファイア単結晶であり、ダイが、複数のスリットを有すると共に各々の長手方向が平行に配置された複数から形成されており、ダイの幅が2インチ以上8インチ以下であり、熱反射板が少なくとも二枚備えられており、熱反射板が平板状であり、平面方向から見た形状がダイの中央よりもダイの両端に熱反射板が近く配置される形状に成形されており、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、蓋の上面を基準面とした二枚目の熱反射板の下面までの間隔が、蓋の上面を基準面としたダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されており、ピンに二つの段差が形成され、蓋の上面を基準面として、一つ目の段差が5mm、二つ目の段差が10.3mmの高さに形成されているEFG法用結晶育成装置であることである。
この構成に依れば、上記各効果に加えて、ダイの幅寸法が2インチ以上8インチ以下という大型になっても、そのダイ幅寸法に応じて、坩堝の上部での熱分布の均一化が図られる最適な間隔に、熱反射板を短時間で容易に設置することが可能となる。
更に、ダイが複数のスリットを有することでサファイア単結晶の量産性を向上させながら、市場の要求に適した大型のインチサイズのサファイア単結晶を育成することが出来る。
更に、熱反射板を平面方向から見た時の形状を、ダイの中央よりもダイの両端に熱反射板が近く配置される形状に成形することで、ダイの上端面での両端に対して照射される反射熱を限定して、ダイの上端面全体に於ける熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従って、サファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生をより確実に解消することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態に係るEFG法用結晶育成装置について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るEFG法用結晶育成装置(以下、「育成装置」と記載)は少なくとも、スリットを有するダイパック2、坩堝1、蓋3、及び複数の熱反射板5a、5b(図1と図2の実施形態では二枚)を備えると共に、育成したサファイア単結晶を引き上げる引き上げ容器とから構成され、EFG(Edge-defined Film-fed. Growth)法によりサファイア単結晶を育成成長する。更に育成装置は、図示しない坩堝駆動部、ヒータ、電極、断熱材を備える。
サファイア単結晶は、青色発光素子素材であるIII族窒化物半導体や窒化ガリウム系化合物半導体等(以下、双方を含んでGaN等と称する)のエピタキシャル成長用基板として、好適である。その理由として、サファイア単結晶の格子定数がGaN等の格子定数と比較的近似しているため、GaN等をエピタキシャル成長させやすく、且つ、その種の基板材料の中では最も価格が安いためである。
坩堝1はモリブデン製であり、サファイア単結晶の原料である酸化アルミニウム原料を溶融する。坩堝駆動部は、坩堝1をその鉛直方向を軸として回転させる。ヒータは坩堝1を加熱する。また、電極はヒータを通電する。
ダイパック2は坩堝1内部の中央に収納されて設置され、サファイア単結晶を引き上げる際の酸化アルミニウム融液(以下、必要に応じて単に「融液」と表記)の液面形状を決定する。また断熱材は、坩堝1とダイパック2とヒータを取り囲んで設置される。
ダイパック2はモリブデン製であり、複数の仕切り板を有する。仕切り板は同一の平板形状を有し、微小間隙(スリット)を形成するように互いに平行に配置されている。スリットは、ダイパック2のほぼ全幅に亘って設けられる。また複数の仕切り板は同一形状を有すると共に、その長手方向が互いに平行となるように所定の間隔で並列に配置されているため、複数のスリットが設けられることとなる。図1及び図2の実施形態では、ダイパック2は複数のダイから形成され、複数のスリットを有すると共に各々の長手方向が平行に配置されている。更に各仕切り板の上部は斜面が形成されており、互いの斜面が向かい合わせで配置されることで、鋭角の開口部が形成されている。またスリットは、融液を毛細管現象によって、各ダイの下端から上端(スリット開口部)まで上昇させる役割を有している。
ダイパック2が複数のスリットを有することで、複数のサファイア単結晶を一括で育成可能となるため、サファイア単結晶の量産性が向上する。
更に坩堝1の開口部は、蓋3で覆われる。蓋3には、ダイパック2の外周形状に合わせた形状の開口部が設けられており、その開口部にダイパック2を挿入すると共に、坩堝1の開口部を覆っている。従って坩堝1の開口部は図2に示すように、ダイパック2を除いて蓋3で覆われる。なお、ダイパック2の四隅には、図示しない凸状の突片が設けられ、その突部と蓋3の開口部の四隅を固定することで、ダイパック2と蓋3を固定している。
蓋3には多数(数十箇所)の穴が設けられ、その穴にピン4が挿入される。ピン4の外形は円筒形に成形されており、更に図3に示すように複数の段差4a、4b、4cと、円筒部4a1、4b1、4c1が形成されている。蓋3の各穴にはピン4が挿入され、段差4cで係止されて蓋3の上面に多数のピン4が設置される。なお、図1では図の見易さを優先して、ピン4を間引いて図示している。
更に蓋3の上部には、坩堝1が設置されている側から順に、熱反射板5aと5bが備えられている。各熱反射板5a、5bは平板状で同一形状に成形されている。図1及び図2の実施形態では、左右対称の一対一組の、二枚の熱反射板5a、5bが備えられている育成装置を例示している。二枚の熱反射板5a、5bは、ダイパック2側面部の左右両側に配置される。
一段目の熱反射板5a、5aには多数の穴5a3が設けられ、その穴5a3にピン4の円筒部4a1が挿入される。各穴5a3に円筒部4a1が挿入され段差4aで係止及び支持されることで、蓋3の面方向と平行に、且つ蓋3の上面から一定の間隔D1で以て熱反射板5a、5aが設置される。なお間隔D1は、蓋3の上面を基準面とし、直交方向に一段目の熱反射板5a、5aの下面までの間隔とする。
同様に、二段目の熱反射板5b、5bにも多数の穴5b3が設けられ、その穴5b3にピン4の円筒部4b1が挿入される。各穴5b3に円筒部4b1が挿入され段差4bで係止及び支持されることで、蓋3の面方向と平行に、且つ蓋3の上面から一定の間隔D2で以て熱反射板5b、5bが設置される。なお間隔D2は、蓋3の上面を基準面とし、直交方向に二段目の熱反射板5b、5bの下面までの間隔とする。
なお説明の便宜上、坩堝1に収納される融液と対向する側の蓋3の面を下面とし、その反対面で且つ熱反射板5aと対向する側の蓋3の面を上面としている。
本発明では、蓋3の上面を基準面とした二枚目の熱反射板5bの下面までの間隔D2は、蓋3の上面を基準面とした一枚目の熱反射板5aの下面までの間隔D1の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならない様に形成されている。即ち、D2は(2、3、・・・、n)×D1と等しくならないということである。より好ましくは、図1、図2、及び図5に示すように、熱反射板が二枚備えられている育成装置の場合、蓋3の上面を基準面とした二枚目の熱反射板5bの下面までの間隔D2が、蓋3の上面を基準面とした一枚目の熱反射板5aの下面までの間隔D1の二倍よりも、長く設定されることである。なお本発明において間隔D2がD1の二倍よりも長く設定されているとは、D2>2D1の大小関係を満足することを指すものとする。
更に好ましくは、二枚目の熱反射板5bが、図2及び図5に示すようにダイパック2の上端面よりも上側に配置されていることである。なお本発明において二枚目の熱反射板5bを、ダイパック2の上端面よりも上側に配置するとは、二枚目の熱反射板5bが、ダイパック2の上端面を超えて上側に配置されていることを指すものとする。図5の場合、蓋3の上面を基準面としてダイパック2の上端面までの間隔Deが、間隔D2未満である(De<D2)ことを指す。
更に好ましくは、間隔D1が間隔Deよりも低く設定される(D1<De)と共に、間隔D2が間隔Deよりも高く設定されている(De<D2)構成である。即ち、図5に示すようにD1<De<D2を満足する育成装置の構成である。
D1<D2と設定することで、互いの熱反射板5a、5bの間の間隔が離間するため、一見すると坩堝1の上部に於ける熱分布の均一化に悪影響を及ぼすと思われる。しかし、二枚目の熱反射板5bをよりダイパック2の上部に近接させて(より好ましくは、図2及び図5に示すように、蓋3の上面やダイパック2の上端面よりも高く設定して)設置することが、サファイア単結晶の育成方向に於ける熱分布の均一化を図る上で重要であることを、本出願人は実験検証により導出した。
各穴5a3、5b3の直径は、円筒部4a1、4b1の直径に応じて設定されており、穴5b3の直径は5a3の直径よりも小さくなる。このような穴の直径の違いにより、上下各段の熱反射板5a、5bの区別が容易に付き、設置間違いを防止することが出来る。
また、ピン4が蓋3の上面に設置される際に、蓋3から離れるに従って段差4a、4bの径が小径になるように、ピン4が形成され設置される。このような構成により、穴5a3、5b3を順に円筒部4a1、4b1に挿入し易くなる。従って、熱反射板5a、5bをピン4に支持し易くなって、設置作業をより容易化することが可能となり、作業時間をより短縮することが出来る。
各熱反射板5a、5bを平面方向から見た形状は、ダイパック2の中央よりもその両端に、各熱反射板5a、5bの周縁部の一部がより近く配置される形状に成形されており、図4では半月状で一部に切り欠き部5a1(5bでは5b1)が形成される形状を例示している。図1及び図2より、切り欠き部5a1又は5b1のエッジ箇所が、ダイパック2の両端に近接するように、各熱反射板5a、5bが設置される。一方、切り欠き部5a1又は5b1が形成されることにより、ダイパック2の中央はその両端よりも、各熱反射板5a、5bの周縁部の一部により遠くなるように配置される。なお蓋3の下面を適宜支柱で支持しても良く、その支柱は各熱反射板5a、5bに設けた切り欠き部5a2、5b2を通して設置すれば良い。その際、蓋3には必要に応じて支柱を通す穴や切り欠き部を設ければ良い。
最後に、半円周状のシールド6を設置する。図1及び図2では、2枚の熱反射板5a、5bの円弧状の外周部分を覆うようにシールド6が設置される育成装置を例示している。このように、2枚の熱反射板5a、5bの設置方向に亘ってシールド6を設置することにより、サファイア単結晶の育成方向を覆うようにシールド6が設けられるため、サファイア単結晶の育成方向に於ける熱分布の変化を抑制することが出来る。
次に、本実施形態に係る育成装置を使用したサファイア単結晶の製造方法を説明する。最初にサファイア原料である、造粒された酸化アルミニウム原料粉末(99.99%酸化アルミニウム)を、坩堝1に所定量投入して充填する。酸化アルミニウム原料粉末には、製造しようとするサファイア単結晶の純度又は組成に応じて、酸化アルミニウム以外の化合物や元素が含まれていても良い。
続いて、育成装置内をアルゴンガスで置換し、酸素濃度を所定値以下とする。
次にヒータで坩堝1を加熱し、酸化アルミニウム原料粉末を溶融することで、酸化アルミニウム融液が用意される。更に融液の一部はダイパック2のスリットを毛細管現象により上昇して、スリット上部に融液溜まりが形成される。
次に種結晶を融液面に接触させ、接触後に種結晶の引き上げを開始することで、平板形状のサファイア単結晶が育成される。この後、得られたサファイア単結晶を育成装置から取り出す。
坩堝1内に融液が満たされることにより、融液からの放射熱が坩堝1の外部から全方位に放射される。特に、蓋3を介して坩堝1の上部であるサファイア単結晶の育成方向へ放射される放射熱や、ダイパック2の上部の融液溜まりから同じく坩堝1の上部であるサファイア単結晶の育成方向へ放射される放射熱は、サファイア単結晶の育成に伴う引き上げ方向へ直接的に影響を及ぼすと思われる。しかし本実施形態では、蓋3の上面を基準面とした二枚目の熱反射板5bの下面までの間隔D2を、蓋3の上面を基準面とした一枚目の熱反射板5aの下面までの間隔D1の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成している。よって坩堝1の上部での熱分布の均一化を図ることが可能となり、サファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生を抑制することが出来る。
更にD2>2D1の大小関係を満足するように育成装置を構成することにより、二枚目の熱反射板5bをよりダイパック2の上部に近接させて設置することが可能となるので、坩堝1の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従ってサファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生をより一層抑制することが出来る。
更に熱反射板5bを、ダイパック2の上端面よりも上側に配置することにより、熱反射板亜5aによる蓋3からの放射熱の反射に加えて、ダイパック2の上部(ダイパック2の上端面)からの放射熱の反射の効率も向上させ、その反射熱でダイパック2の上端面の熱分布を均一化することが可能となる。従って、サファイア単結晶の育成方向に亘って均一で安定した熱分布を形成することが出来る。よって、坩堝1の上部での熱分布の均一化をより一層図ることが可能となり、サファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生を解消することが出来る。
更に、図5に示すようにD1<De<D2を満足する育成装置の構成とすることにより、前記効果に加えて、一枚目の熱反射板5aをダイパック2の上端面よりも下に配置するので、毛細管現象によりダイパック2のスリット内を通る融液内の温度勾配を調整することが可能となる。従って、サファイア単結晶のサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生を防止して、サファイア単結晶の結晶品質を向上させることが出来る。
更に、熱反射板を5aと5bの二枚に抑えることで、EFG法用結晶育成装置の部品点数を削減して低コスト化を図ることが出来ると共に、各熱反射板5a、5bの機能を割り振ることが出来る。具体的には、一枚目の熱反射板5aによりサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生が防止され、二枚目の熱反射板5bによりサファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生が解消できる。従って、熱反射板の部品点数を最小限に抑えながら、育成形成されるサファイア単結晶の結晶欠陥を防止することが可能となる。
更に、熱反射板5a、5bをピン4によって支持すると共に、ピン4に複数の段差4a、4bが形成され、その段差4a、4bに熱反射板5a、5bを支持することにより、上記各効果に加えて、坩堝1の上部での熱分布の均一化が図られる最適な間隔に、複数段の熱反射板5a、5bを短時間で容易に設置することが出来る。従って、設置作業者の熟練に依らずに、再現性良く最適な間隔に複数段の熱反射板5a、5bを設置することが可能となる。従って、設置作業の煩雑化防止と設置作業時間の短縮、及び設置作業コストを抑制することが出来る。
更に、熱反射板5a、5bを平面方向から見た時の形状を、ダイパック2の中央よりも、ダイパック2の両端に熱反射板5a、5bの周縁部の一部が近く配置される形状に成形することで、ダイパック2の上端面での両端に対して照射される反射熱を限定して、ダイパック2の上端面全体に於ける熱分布の均一化をより一層図ることが可能となる。従って、サファイア単結晶の育成中に於ける泡の発生をより確実に解消することが可能となる。
なお本発明において熱反射板とは、蓋3の上面側に配置されている板を指すものとし、蓋3の上面側に配置されている板は、蓋3又はダイパック2の融液溜まりからの放射熱を反射する機能を有する熱反射板であると定義する。本実施形態では5a、5bが熱反射板である。
本発明はその技術的思想に基づいて種々変更可能であり、例えば図6に示すような第3の熱反射板7を、蓋3の上面にピン4を介して追加しても良い。熱反射板7は平板状であり、平面方向から見た形状は図6に示すように略四角形状で、一辺が円弧状に成形されている。
更に図7に示すように、対称で一対一組の、二枚が蓋3の上面に備えられる。なお、図7では、前記図1〜図5と重複する箇所には同一の引き出し番号を付し、重複する説明は省略又は簡略化して記載する。熱反射板7にも多数の穴7aが設けられ、その穴7aにピン4の円筒部4a1が挿入され、段差4aで係止及び支持されることで、蓋3の面方向と平行に、且つ蓋3の上面から一定の間隔D1で以て熱反射板7が設置される。設置の際は、円弧状の一辺が外側を向き、対向する直線状の一辺がダイパック2に近接するように位置決めされる。なお間隔D1は、蓋3の上面を基準面とし、直交方向に熱反射板5a及び7の下面までの間隔とする。
このように、複数のスリットの形成方向に亘って熱反射板7を設置することにより、複数のスリット内を通る融液内の温度勾配を調整することが可能となる。従って、サファイア単結晶のサイドスリップやグレインバウンダリ−の発生を防止して、サファイア単結晶の結晶品質を向上させることが出来る。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
本実施例における育成装置は図7に示す構成を有し、EFG法でサファイア単結晶を育成する。ダイパック2の幅は2インチ以上8インチ以下と大型に設定し、二枚の熱反射板5a、5bを備えている。なお坩堝1の内径は、322mm或いは400mmの何れかとした。
熱反射板5a、5bは平板状であり、平面方向から見た形状が図4に示す形状であり、蓋3の上面に設置された際に、ダイパック2の中央よりもダイパック2の両端に、熱反射板5a、5bの周縁部の一部が近く配置される形状に成形されている。
更に、図5に示すようにD1<De<D2を満足する構成とした。
ピン4には少なくとも二つの段差4a、4bが形成される。更に蓋3の上面を基準面として、一つ目の段差4aまでの高さ寸法が5mm、二つ目の段差4bまでの高さ寸法が10.3mmに形成されている。従って、図5より間隔D1が5mm、間隔D2が10.3mmに設定される。
以上の育成装置により、2インチ以上8インチ以下のサファイア単結晶を育成した。サファイア原料には、造粒された酸化アルミニウム原料粉末(99.99%酸化アルミニウム)を用いた。育成装置内をアルゴンガスで置換し、酸素濃度を所定値以下とする。
次にヒータで坩堝1を加熱し、酸化アルミニウム原料粉末を溶融して融液を用意し、スリット上部に融液溜まりを形成後、種結晶を融液面に接触させ、種結晶を引き上げて平板形状のサファイア単結晶を育成した。
育成されたサファイア単結晶の結晶品質を評価したところ、サイドスリップやグレインバウンダリ−の発生は確認されず、泡の発生も確認されなかった。以上から、2インチ以上8インチ以下のサファイア単結晶の育成に於いては、間隔D1を5mm、間隔D2を10.3mmに設定することが、坩堝1の上部に於ける熱分布の均一化を達成して、サファイア単結晶の育成中での泡の発生も解消出来る点で、最適の設定値であることが分かった。
併せて、間隔D1を5mmから外すか、間隔D2を10.3mmから外すと、サイドスリップやグレインバウンダリ−の発生、又は泡の発生が確認された。従って、2インチ以上8インチ以下の範囲に亘るサファイア単結晶の育成では、酸化アルミニウム原料粉末の融点(2050℃〜2072℃程度)、坩堝1の寸法、及び坩堝1の寸法に伴って坩堝1から放射される放射熱量との関係から、間隔D1を5mmに設定すると共に間隔D2を10.3mmに設定するとの組み合わせが、結晶品質の点で最適であることが、実験検証により判明した。
本実施例では、蓋3の上面を基準面として、ピン4に於いて一つ目の段差4aまでの高さ寸法を5mm、二つ目の段差4bまでの高さ寸法を10.3mmに形成している。従って、以上のような間隔D1とD2の設置値に、熱反射板5a、5bを短時間で容易に設置することが可能となる。
サファイア単結晶を2インチ以上8インチ以下に設定した理由は、大型化の需要を満たしながら、育成後のサファイア単結晶を取り出す際のハンドリング性に優れており、最も量産性に適しているためである。
更に、ダイパック2が複数のスリットを有することでサファイア単結晶の量産性を向上させながら、市場の要求に適した大型のインチサイズである2インチ以上8インチ以下のサファイア単結晶を育成することが出来る。
比較例
以下に、前記実施例に対する比較例を説明する。なお本比較例では前記実施例と重複する部分や工程は記載を省略又は簡略化し、異なる部分や工程を重点的に説明する。
比較例が実施例異なる点は、二枚目の熱反射板5bをダイパック2の上端面よりも下側に配置した点である。即ち、De>D2と設定した。
育成成長された複数枚の平板形状のサファイア単結晶の結晶品質を評価したところ、サイドスリップやグレインバウンダリ−の発生は確認されなかったものの、泡の発生がサンプル数の55%で確認された。従って、泡の混入に伴ってサンプル良品率が50%を割ってしまうことが判明した。
1 坩堝
2 ダイ
3 蓋
4 ピン
4a、4b、4c 段差
4a1、4b1、4c1 円筒部
5a、5b、7 熱反射板
5a1、5b1、5a2、5b2 切り欠き部
5a3、5b3、7a 穴
6 シールド

Claims (7)

  1. EFG法用結晶育成装置は少なくとも、スリットを有するダイ、坩堝、蓋、及び複数の熱反射板を備え、
    ダイが坩堝に収納されており、
    ダイを除いて坩堝の開口部が蓋で覆われており、
    坩堝が設置されている側から順に複数の熱反射板が備えられており、
    蓋の上面を基準面とした二枚目以降の熱反射板の下面までの各間隔が、蓋の上面を基準面とした一枚目の熱反射板の下面までの間隔の自然数倍(但し、ゼロ倍と1倍は除く)とならないように形成されているEFG法用結晶育成装置。
  2. 前記熱反射板が少なくとも二枚備えられており、
    前記蓋の上面を基準面とした二枚目の前記熱反射板の下面までの間隔が、前記蓋の上面を基準面とした一枚目の前記熱反射板の下面までの間隔の二倍よりも、長く設定されている請求項1に記載のEFG法用結晶育成装置。
  3. 二枚目の前記熱反射板が、前記ダイの上端面よりも上側に配置されている請求項1又は2に記載のEFG法用結晶育成装置。
  4. 前記蓋の上面を基準面とした一枚目の前記熱反射板の下面までの間隔が、前記蓋の上面を基準面とした前記ダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、
    前記蓋の上面を基準面とした二枚目の前記熱反射板の下面までの間隔が、前記蓋の上面を基準面とした前記ダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されている請求項1〜3の何れかに記載のEFG法用結晶育成装置。
  5. 前記熱反射板がピンによって支持されており、
    ピンに複数の段差が形成され、その段差に前記熱反射板が支持されている請求項1〜4の何れかに記載のEFG法用結晶育成装置。
  6. 前記ピンが円筒形であり、前記蓋から離れるに従い前記段差の径が小径に形成されている請求項5に記載のEFG法用結晶育成装置。
  7. 前記EFG法で育成する結晶がサファイア単結晶であり、
    前記ダイが、複数のスリットを有すると共に各々の長手方向が平行に配置された複数から形成されており、
    前記ダイの幅が2インチ以上8インチ以下であり、
    前記熱反射板が少なくとも二枚備えられており、
    前記熱反射板が平板状であり、平面方向から見た形状が前記ダイの中央よりも前記ダイの両端に前記熱反射板が近く配置される形状に成形されており、
    前記蓋の上面を基準面とした一枚目の前記熱反射板の下面までの間隔が、前記蓋の上面を基準面とした前記ダイの上端面までの間隔よりも、小さく設定されると共に、
    前記蓋の上面を基準面とした二枚目の前記熱反射板の下面までの間隔が、前記蓋の上面を基準面とした前記ダイの上端面までの間隔よりも、大きく設定されており、
    前記ピンに二つの段差が形成され、前記蓋の上面を基準面として、一つ目の段差が5mm、二つ目の段差が10.3mmの高さに形成されている請求項5又は6に記載のEFG法用結晶育成装置。
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